JP2003348725A - ケーブルの接続方法 - Google Patents

ケーブルの接続方法

Info

Publication number
JP2003348725A
JP2003348725A JP2002157541A JP2002157541A JP2003348725A JP 2003348725 A JP2003348725 A JP 2003348725A JP 2002157541 A JP2002157541 A JP 2002157541A JP 2002157541 A JP2002157541 A JP 2002157541A JP 2003348725 A JP2003348725 A JP 2003348725A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cable
resin
coated
polyolefin
pvc
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002157541A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaru Harada
優 原田
Mitsusuke Usui
満介 薄井
Kokichi Muroga
孝吉 室賀
Susumu Todoroki
進 等々力
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sansei Denki KK
Original Assignee
Sansei Denki KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sansei Denki KK filed Critical Sansei Denki KK
Priority to JP2002157541A priority Critical patent/JP2003348725A/ja
Publication of JP2003348725A publication Critical patent/JP2003348725A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Insulated Conductors (AREA)
  • Processing Of Terminals (AREA)
  • Cable Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 架橋ポリオレフィン系樹脂で被覆されたケー
ブルと、PVCで被覆されたケーブルと接続部分をモー
ルドすることにより、経済的に見栄え良く接続し、これ
らのケーブルを、いっそう強度および耐久性の高い状態
で接続する。 【解決手段】 架橋ポリオレフィン系樹脂の熱収縮スリ
ーブ40をPVC樹脂製の第2のケーブル2の端部29
に限定的に接着し、架橋ポリオレフィン系樹脂の第1の
ケーブル1の端部19とをモールド用の金型61および
62に入れて、非架橋のポリエチレンをモールド樹脂3
9としてモールドする。PVC樹脂製のケーブルとの密
着性が問題となって、従来はPVC樹脂製のケーブルと
共に利用されることのないポリオレフィン系樹脂によ
り、PVC樹脂製のケーブルと架橋ポリオレフィン系樹
脂の第1のケーブルとの接続部分をモールド成形でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被覆材が異なるケ
ーブルの接続方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】家庭用などの比較的耐電圧が低く許容電
流も低い電源コードの多くは、絶縁材を兼ねた被覆材と
して低コストの軟質ポリ塩化ビニル(PVC)が用いら
れている。これに対し、許容電流の大きな電源ケーブル
などには、耐熱性が高く、PVCに近い取り回し性、耐
白化性および耐傷つき性を備えた架橋ポリオレフィン系
樹脂が被覆材として用いられている。架橋ポリエチレン
を中心とする架橋ポリオレフィン系の樹脂は、さらに、
ハロゲンを含んでいないために廃棄が容易である点も注
目され、近年利用が進んでいる。
【0003】架橋ポリオレフィン系の樹脂は、耐熱性が
高く、柔軟性もあるので、電気ヒータとして機能するケ
ーブルの外装にも適しており、近年、凍結防止などに利
用が進んでいる自己制御ヒータの多くの被覆材として採
用されている。自己制御ヒータは、外気温度に合わせて
自動的に出力が調整されるもので、外気温度が零度以下
になると出力を増して配管などを加熱し、凍結しない程
度の温度まで上昇すると自ら出力を下げる機能を備えて
いるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】自己制御ヒータを用い
て凍結防止用のトレースを施工しようとすると、電源ケ
ーブルと自己制御ヒータとを接続する必要が生ずる。家
庭用などの低許容電流の電源コードのほとんどは、低コ
ストで取り回し性が優れたPVC被覆の電源ケーブルで
ある。したがって、電気トレースを施工するには、PC
Vの電源ケーブルと架橋ポリオレフィン系樹脂のケーブ
ルとを接続する必要がある。接続部分は、絶縁性と防水
性とが要求され、さらに、耐久性が高い必要もある。こ
のため、架橋ポリオレフィン系樹脂のスリーブの内側に
接着剤が付いた熱収縮スリーブが採用され、導体が接続
された部分を挟み、架橋ポリオレフィン系樹脂で被覆さ
れたヒータの端部からPVCで被覆された電源コードの
端部にわたる接続部分に、熱収縮スリーブを接着し、架
橋ポリオレフィン系の樹脂により接続部分をカバーする
方法が採用されている。
【0005】ポリエチレンなどのポリオレフィン系の樹
脂とPVCは密着性が悪いので、そのままでは熱収縮ス
リーブがPVCに密着しないが、内側に接着剤が付いた
熱収縮スリーブは、スリーブの収縮力と接着剤の接着力
によってPVCに対しても強力な接着性がある。また、
外装は機械的強度の高い架橋ポリオレフィン樹脂である
ので防水性にも優れている。しかしながら、スリーブ自
体は1〜2mm程度と薄いので十分な絶縁距離を維持す
るためには絶縁被覆付の接続端子で導体同士を接続する
必要があり、その接続端子の形状と導体とがスリーブで
覆われた接続部分に現れる。したがって、接続部分の見
栄えはそれほど良いものではない。また、接続部分が熱
収縮スリーブだけ覆うだけでは強度も耐久性も充分では
ないので、さらに強度および耐久性の高い接続方法が要
望されている。さらに、接続部分全体を熱収縮スリーブ
で覆うために、高価な熱収縮スリーブを大量に消費する
ことになり、量産品に適した経済的な接続方法であると
は言えない。
【0006】接続部分の外観を整え、強度および耐久性
を確保する方法として、接続部分を被覆材と同じ樹脂で
モールドする方法があり、PVC製の電源コードのコン
セント部分に採用されている。しかしながら、一方のケ
ーブルが架橋ポリオレフィン系樹脂で覆われ、他方のケ
ーブルがPVCで覆われており、これらの樹脂の密着性
が悪い場合は、いずれかの樹脂でモールドしてもいずれ
か一方のケーブルとの密着性が悪くなり防水性の高い接
続部分にはならない。さらに、一方が発熱性の電気ヒー
タである場合は、どちらかと言えば、耐熱性の高い架橋
ポリオレフィン系樹脂でモールドすることが選択される
が、分子量が非常に大きいために溶融時の流動性がほと
んどなく、射出成形が難しい。
【0007】そこで、本発明においては、架橋ポリオレ
フィン系樹脂で被覆されたケーブルとPVCで被覆され
たケーブルとを経済的に見栄え良く接続する方法を提供
することを目的としている。また、架橋ポリオレフィン
系樹脂で被覆されたケーブルとPVCで被覆されたケー
ブルとをいっそう強度および耐久性の高い状態で接続す
る方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、本発明におい
ては、架橋ポリオレフィン系樹脂により被覆された第1
のケーブルの導体と、塩化ビニル系樹脂により被覆され
た第2のケーブルの導体とを接続する工程と、第2のケ
ーブルの端部にのみ、架橋ポリオレフィン系樹脂のスリ
ーブの内側に接着剤が付いた熱収縮スリーブを接着する
工程と、第2のケーブルの端部と第1のケーブルの端部
を含む接続部分をモールド用の型(金型)に入れ、ポリ
オレフィン系樹脂を注入してモールドする工程とを有す
るケーブルの接続方法を提供する。本発明の製造方法で
は、耐熱性は高く、流動性もあり、さらに、架橋ポリオ
レフィン系樹脂との密着性も高い非架橋のポリオレフィ
ン系樹脂、たとえば、ポリエチレン樹脂をモールド材と
して選択する。さらに、PVC側だけに限定して、内面
が接着性となった架橋ポリエチレン系樹脂の熱収縮スリ
ーブを接着した後にモールドすることでPVCとの密着
性も確保し、熱収縮スリーブの消費を限定することによ
り経済性も確保する。
【0009】したがって、本発明の接続方法によりケー
ブルを製造すると、流動性のある非架橋のポリオレフィ
ン系樹脂を採用することにより射出成形により接続部分
をモールドすることができ、充分な絶縁距離、機械的強
度および耐久性に優れ、さらに、外観もモードル型によ
り見栄え良く成形された接続部分を備えたケーブルを容
易に量産できる。すなわち、本発明により、架橋ポリオ
レフィン系樹脂により被覆された第1のケーブル部分
と、塩化ビニル系樹脂により被覆された第2のケーブル
部分と、第1のケーブル部分の導体と第2のケーブル部
分の接続部分とを有し、接続部分は、第2のケーブル部
分の端部のみに、架橋ポリオレフィン系樹脂のスリーブ
の内側に接着剤が付いた熱収縮スリーブが接着されてお
り、第1のケーブル部分の導体と第2のケーブル部分の
導体を接続した部分を含み、第1のケーブル部分の端部
から第2のケーブル部分の端部にわたりポリオレフィン
系樹脂によりモールドされているケーブルを提供でき
る。
【0010】モールド材となる非架橋のポリオレフィン
系樹脂と被覆材の架橋ポリオレフィン系樹脂との密着性
をさらに高めるためには、モールドする工程の前に、第
1のケーブルの架橋ポリオレフィン系樹脂の表面を粗面
にする工程を設けることが望ましい。被覆材を粗面にす
ることにより接触面積が増加する効果と共に、高温で流
動性のある状態のモールド材をモールド用の型に注入す
る際に、被覆材の粗面にされた先端部分が微視的に溶融
してモールド材と一体化する効果とが得られ、密着性が
向上すると考えられる。
【0011】また、モールドする際に接続された導体が
モールド用の型の内側の所定の位置に収まらないと、モ
ールド材により絶縁距離が確保できない可能性がある。
したがって、導体の位置を決め、歩留まりを向上するた
めに、モールドする工程では、ポリオレフィン系樹脂を
注入する前に、モールド用の型の内面に対し接続された
導体を所定の位置に保持するポリオレフィン系の取付具
を取り付けることが望ましい。また、取付具の角を滑ら
かに仕上げるのではなく、バリがある状態にすることに
より、接触面積が増加する効果と共に、高温で流動性の
ある状態のモールド材をモールド用の型に注入する際
に、バリの先端部分が微視的に溶融してモールド材と一
体化する効果とが得られ、密着性が向上すると考えられ
る。
【0012】本発明の接続方法は、架橋ポリオレフィン
系樹脂により被覆されたケーブルとPVCにより被覆さ
れたケーブルとを接続する製品であればすべての製品に
対して有効である。特に、このような接続形態が必要と
される製品はトレースなどとして用いられる電気ヒータ
と電力供給用のケーブルとを接続するものである。した
がって、本発明は、第1のケーブル部分が電気ヒータと
して機能するケーブルに対して特に有効である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明をさ
らに説明する。図1に、本発明の接続方法により、電力
供給用の第2のケーブル2と、発熱用の第1のケーブル
1とを接続したヒータ10を示してある。電力供給用の
第2のケーブル2は、図2(a)に断面を示してあるよ
うに2芯の塩化ビニル(PVC)被覆のケーブルであ
り、中心に2本の導体21があり、それをPVC製の内
部被覆22と、PVC製の外部被覆23でカバーした構
造となっている。発熱用の第1のケーブル1は、図2
(f)に示すように、導体11と、それらを接続する発
熱体12とを有し、それらを架橋ポリオレフィン系樹脂
の内部被覆13と、架橋ポリオレフィン系樹脂の外部被
覆14とでカバーした構造となっている。発熱用のケー
ブル1は、自己制御電気ヒータと称されるものであり、
たとえば、タイコエレクトロニクスレイケム株式会社か
ら提供されているヒーティングケーブルがある。このヒ
ーティングケーブル1は、発熱体12として導電性ポリ
マーを架橋して可撓性を持たせたものを採用し、プラス
チックに電流を通すことにより発熱させており、凍結防
止などの用途に用いられている。
【0014】本例のヒータ10は、発熱用の第1のケー
ブル1と、電力供給用の第2のケーブル2との接続部分
3を非架橋のポリオレフィン、本例では、高密度ポリエ
チレン樹脂によりモールドしている。モールドした接続
部分3の形状は若干扁平した円柱状であり、導体11お
よび21を連結した部分をカバーする本体30と、本体
30より若干細くなり、第1のケーブル1に繋がる第1
の導入部分31と、本体30より若干細くなり、第2の
ケーブル2に繋がる第2の導入部分32とを備えてい
る。第2の導入部分32では、図2(b)に断面を示す
ように、PVC被覆の第2のケーブル2の周囲がモール
ド樹脂(ポリエチレン樹脂)39で覆われており、第2
のケーブル2の位置を制御するためにモールド用の金型
から内部に突き出た爪による凹み38が形成されてい
る。
【0015】接続部分3の本体30は、PVC被覆の第
2のケーブル2との密着性を確保する部分33と、導体
11および21をカバーする部分34の2つの部分で構
成されている。PVCケーブル2との密着性を確保する
部分33は、図2(c)に示すように、PVCケーブル
2の外面に接着性の熱収縮スリーブ40が接着され、そ
れをモールド樹脂39が覆っている。
【0016】熱収縮スリーブ40は、内側に接着剤42
が付いた架橋ポリオレフィンチューブ41であり、タイ
コエレクトロニクスレイケム株式会社から供給されてい
るESキャップなどがある。接着剤付き熱収縮スリーブ
40は、ケーブル接続部の防水保護用などを目的として
供給されている。この熱収縮スリーブ40は、加熱する
とスリーブ自身が収縮してケーブルの接続部分に密着す
ると共に接着剤により素材同士では密着性がそれほど期
待できない場合でも隙間が発生するのを防止して防水性
を高められる。反面、高収縮性が要求されるためにチュ
ーブ(スリーブ)41は薄くなり、1〜2mm程度しか
なく、強度的には充分とは言えない。また、接続部分に
密着するので、防水性能は高いが、反面、接続部分の形
状がそのまま現れてしまい、導体やそれを繋ぐ接続端子
の形状がそのまま表面にでるので、見栄えはよくない。
また、導体や接続端子のコーナーを含む複雑な形状とな
るので、他の機器と接触することなどにより損傷する可
能性もあり、耐久性もそれほど高いとは言えない。さら
に、熱収縮性のプラスチックで内部に加熱することによ
り接着力が現れる接着剤を付けている特殊な製品である
ために単価も高いというディメリットがある。
【0017】本例の接続部分3では、PVCケーブル2
とモールド樹脂材39であるポリエチレン樹脂との密着
性がそれほど期待できない。そこで、PVCケーブル2
の端部にのみ架橋ポリオレフィン製の熱収縮スリーブ4
0を接着し、熱収縮スリーブ40とPVCケーブル2と
の接着性を確保した上で、架橋ポリオレフィンとの密着
性が高いポリエチレン樹脂39によりモールドすること
で、PVCケーブル2とモールド樹脂39との密着性を
確保している。
【0018】接続部分3の本体30のうち、導体11お
よび21をカバーする部分34は、図2(d)に示すよ
うに、導体11および21と、それらのモールド用の金
型の内部の位置を確保する取付具(コマ)50とをモー
ルド樹脂39が覆った構造となっている。取付具50
は、上方から導体11および21を支持する上コマ51
と、下方から導体11および21を支持する下コマ52
とが組み合わされた構造となっており、上コマ51およ
び下コマ52とも、モールド樹脂39と同じ高密度ポリ
エチレン樹脂により成形されている。
【0019】第1のケーブル1に繋がる第1の導入部分
31は、図2(e)に示すように、第1のケーブル1を
モールド樹脂39により覆った構造となっている。第1
のケーブル1の被覆は架橋ポリオレフィン系樹脂であ
り、モールド樹脂39は、同じポリオレフィン系樹脂の
ポリエチレンであるので、密着性は高く、モールド樹脂
39により覆っただけで充分な密着性を確保できる。必
要であれば、第1のケーブル1の被覆をサンドペーパな
どにより面を荒らして粗面とすることにより、密着性を
さらに向上できる。
【0020】架橋ポリオレフィン系樹脂の第1のケーブ
ル1との密着性を考慮するのであれば、架橋ポリオレフ
ィン系樹脂をモールド樹脂39として採用することが最
も望ましい。しかしながら、架橋ポリオレフィン系樹脂
は、分子量が非常に大きくなるために流動性が小さく、
射出成形には向いていない。したがって、本例では、同
じポリオレフィン系の樹脂であり、架橋ポリオレフィン
系樹脂との密着性が高く、分子量はそれほど大きくない
ので流動性は充分に高い、非架橋のポリオレフィン系樹
脂、具体的には、高密度ポリエチレンをモールド樹脂3
9に採用し、ケーブル1および2の接続部分3をモール
ドしている。そして、樹脂的に密着性を期待できないP
VCケーブル2との密着性は、モールド樹脂39とケー
ブル2との間に接着剤付きの熱収縮スリーブ40を挟む
ことにより確保している。
【0021】図3に、接続部分3をモールドする様子を
模式的に示してある。先ず、第1のケーブル1の導体1
1と、第2のケーブル2の導体21とを接続端子49に
より接続する。それと前後して、PVC被覆の第2のケ
ーブル2の端部29に架橋ポリオレフィン樹脂製の接着
剤付き熱収縮スリーブ40を加熱して接着する。導体の
接続部分を含む、第1のケーブル1の端部19と、第2
のケーブル2の端部29とをモールド用の金型(モール
ド型)61および62に入れ、モールド樹脂(ポリエチ
レン樹脂)39を注入する。モールド型61および62
にケーブルの端部19および29を入れる際に、上下の
コマ51および52で導体11および21を挟み、金型
61および62の内部における導体11および21の位
置を定める。また、金型61および62にはPVCケー
ブル2を挟んで位置を固定するための突起63が内部に
突き出ている。
【0022】この接続方法あるいは接続部分3の製造方
法により、モールド成形された接続部分3を製造でき
る。接続部分3をモールドすることにより、まず、接続
部分3の外形が予め設計された通りの形状になる。本例
では、図4(a)に上方から見た様子を示し、図4
(b)に側方から見た様子を示すように、接続部分3
は、全体として厚みが数段階に変化する円柱状の極めて
スマートな形状となり、導体や、導体を接続する端子、
ケーブルの端面などで構成される複雑な形状は現れな
い。したがって、見栄えが良く、製品価値が高い。さら
に、形状が均一になるので、量産品として市場に提供す
るのに適している。また、外観に凹凸がない、あるいは
少ないので、運搬や施工する際に、損傷する可能性も少
なく、耐久性が高い。さらに、モールドすることにより
接続部分3の厚みが充分に確保できるので、絶縁距離も
充分に確保でき、さらに、接続部分3の強度も充分に確
保できる。
【0023】また、接続部分3を金型61および62に
入れて、流動性の高いポリエチレン樹脂でモールドでき
るので、品質の高い接続部分3を低コストで、短期間で
製造できるというメリットもある。PVCケーブル2と
の密着性を向上するために接着剤付きの熱収縮スリーブ
40を使用しているが、熱収縮スリーブ40を接着する
部分は、PVCケーブル2の端部29に限定できるの
で、熱収縮スリーブ40を使用することによりコストア
ップも最小限に収めることができる。そして、本発明に
おいては、熱収縮スリーブ40を限定的に利用すること
により、PVCケーブル2との密着性が問題となって、
従来はPVCケーブル2と共に利用されることのないポ
リオレフィン系樹脂によるモールドで、PVCケーブル
2とポリオレフィン系樹脂ケーブル1との接続部分3を
カバーしている。
【0024】このように、モールドすることにより接続
部分3の品質を向上できるが、テープなどで導体11ま
たは21を覆う方法と異なり、樹脂厚みが確保できない
と導体11または21の絶縁性を確保できない。そこ
で、本例では、上下のコマ51および52を取付具50
としてモールド用の型61および62の内部に入れ、導
体11および21のモールド用の金型内の位置を一定に
して導体11および21同士の間、導体11および21
と外界との間に充分な絶縁距離を確保している。
【0025】本例の上コマ51の概要を図5(a)およ
び(b)に示してある。上コマ51は、金型61の内面
に当たって距離を維持するための爪53と、導体を支持
するための平らな部分54と、下コマ52と組み合わさ
れるための穴55とを備えている。
【0026】下コマ52の概要を図5(c)、(d)、
(e)および(f)に示してある。下コマ52は、金型
62の内面に当たって距離を維持するための爪53と、
導体を支持するための平らな部分54と、上コマ51と
組み合わせるための突起56と、金型62から突き出た
突起64と組み合わせてコマ51および52の位置を決
めるための穴57とを備えている。したがって、図5
(g)に示すように、金型61および62の内部に上コ
マ51および下コマ52を設置すると、導体11および
21の位置は金型61および62の中央付近に維持され
る。
【0027】また、上コマ51および下コマ52の全周
はバリ面として、バリ取りは行っていない。金型61お
よび62の内部に、高温のモールド樹脂39を注入した
ときに、モールド樹脂39とコマ51および52との接
触面積を増加させるためと、モールド樹脂39が注入さ
れたときに、その熱により同じ材質(高密度ポリエチレ
ン)製のバリの一部が溶融してモールド樹脂39と一体
化させるためである。
【0028】なお、本例では、架橋ポリオレフィン系樹
脂を被覆材とした第1のケーブル1としてヒーティング
ケーブルを用いたヒータ10を例に本発明を説明してい
るが、第1のケーブルはヒーティングケーブルに限定さ
れることはなく、架橋ポリオレフィン系樹脂を被覆材と
するすべてのケーブルに対して本発明を提供できる。
【0029】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、架橋ポリオレフィン系樹脂の熱収縮スリーブを限定
的に利用することにより、PVC樹脂製の第2のケーブ
ルとの密着性が問題となって、従来はPVC樹脂製の第
2のケーブルと共に利用されることのないポリオレフィ
ン系樹脂により、PVC樹脂製の第2のケーブルと架橋
ポリオレフィン系樹脂の第1のケーブルとの接続部分を
モールド成形する。したがって、本発明により、架橋ポ
リオレフィン系樹脂で被覆されたケーブルとPVCで被
覆されたケーブルとを経済的に見栄え良く接続すること
ができ、これらのケーブルを、いっそう強度および耐久
性の高い状態で接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接続方法を採用したヒータの概要を示
す図である。
【図2】図1に示すヒータの各部の概略構成を示す断面
図である。
【図3】図1に示すヒータの接続部分を製造する方法を
示す図である。
【図4】図1に示す接続部分を拡大指定示す図であり、
図4(a)は上方から見た様子を示し、図4(b)は側
方から見た様子を示す図である。
【図5】上コマおよび下コマの概要を示す図であり、図
5(a)は上コマを上方から見た平面図であり、図5
(b)は上コマの長手方向の側面図であり、図5(c)
は下コマを上方から見た平面図であり、図5(d)は下
コマの長手方向の側面図であり、図5(e)は下コマを
下方から見た平面図であり、図5(f)は下コマの短手
方向の側面図であり、図5(g)は上コマおよび下コマ
をモールド用の型にセットした様子を示す図である。
【符号の説明】
1 架橋ポリオレフィン被覆の第1のケーブル 2 PVC被覆の第2のケーブル 3 接続部分 10 ヒータ 30 接続部分の本体 31 第1のケーブルの導入部分 32 第2のケーブルの導入部分 39 モールド樹脂 40 接着剤付き熱収縮スリーブ 50 取付具、51 取付具の上コマ、52 取
付具の下コマ 61、62 モールド用の金型
フロントページの続き (72)発明者 室賀 孝吉 長野県南安曇郡穂高町大字柏原2296番地 山清電気株式会社内 (72)発明者 等々力 進 長野県南安曇郡穂高町大字柏原2296番地 山清電気株式会社内 Fターム(参考) 5G309 EA04 EA11 5G355 AA03 BA11 CA23 5G375 AA02 BA26 BB46 BB48 CA02 DB02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋ポリオレフィン系樹脂により被覆さ
    れた第1のケーブルの導体と、塩化ビニル系樹脂により
    被覆された第2のケーブルの導体とを接続する工程と、 前記第2のケーブルの端部にのみ、架橋ポリオレフィン
    系樹脂のスリーブの内側に接着剤が付いた熱収縮スリー
    ブを接着する工程と、 前記第2のケーブルの端部と前記第1のケーブルの端部
    を含む接続部分をモールド用の型に入れ、ポリオレフィ
    ン系樹脂を注入してモールドする工程とを有するケーブ
    ルの接続方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記モールドする工
    程の前に、前記第1のケーブルの架橋ポリオレフィン系
    樹脂の表面を粗面にする工程を有するケーブルの接続方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記モールドする工
    程では、ポリオレフィン系樹脂を注入する前に、前記モ
    ールド用の型の内面に対し、接続された前記第1および
    第2のケーブルの導体を所定の位置に保持するポリオレ
    フィン系の取付具を取り付けることを特徴とするケーブ
    ルの接続方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記取付具の角には
    バリがあることを特徴とするケーブルの接続方法。
  5. 【請求項5】 架橋ポリオレフィン系樹脂により被覆さ
    れた第1のケーブル部分と、塩化ビニル系樹脂により被
    覆された第2のケーブル部分と、前記第1のケーブル部
    分の導体と前記第2のケーブル部分の接続部分とを有
    し、 前記接続部分は、前記第2のケーブル部分の端部のみ
    に、架橋ポリオレフィン系樹脂のスリーブの内側に接着
    剤が付いた熱収縮スリーブが接着されており、前記第1
    のケーブル部分の導体と第2のケーブル部分の導体を接
    続した部分を含み、前記第1のケーブル部分の端部から
    前記第2のケーブル部分の端部にわたりポリオレフィン
    系樹脂によりモールドされているケーブル。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記接続部分には、
    さらに、前記導体をモールド用の型の内部の所定の位置
    に保持するポリオレフィン系の取付具が含まれているケ
    ーブル。
  7. 【請求項7】 請求項5において、前記第1のケーブル
    部分は電気ヒータとして機能するケーブル。
JP2002157541A 2002-05-30 2002-05-30 ケーブルの接続方法 Pending JP2003348725A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002157541A JP2003348725A (ja) 2002-05-30 2002-05-30 ケーブルの接続方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002157541A JP2003348725A (ja) 2002-05-30 2002-05-30 ケーブルの接続方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003348725A true JP2003348725A (ja) 2003-12-05

Family

ID=29773356

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002157541A Pending JP2003348725A (ja) 2002-05-30 2002-05-30 ケーブルの接続方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003348725A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008025975A (ja) * 2006-07-25 2008-02-07 Toshiba Kyaria Kk 冷凍サイクル装置の室外機
JP2010110197A (ja) * 2008-09-30 2010-05-13 Yamaha Motor Co Ltd 電線の止水構造および船舶用推進機
JP2019054204A (ja) * 2017-09-19 2019-04-04 東芝産業機器システム株式会社 静止誘導機器

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008025975A (ja) * 2006-07-25 2008-02-07 Toshiba Kyaria Kk 冷凍サイクル装置の室外機
JP2010110197A (ja) * 2008-09-30 2010-05-13 Yamaha Motor Co Ltd 電線の止水構造および船舶用推進機
JP2019054204A (ja) * 2017-09-19 2019-04-04 東芝産業機器システム株式会社 静止誘導機器
JP7248381B2 (ja) 2017-09-19 2023-03-29 東芝産業機器システム株式会社 静止誘導機器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR0149991B1 (ko) 전열기 제조방법
CN101682938B (zh) 含有导电格栅的塑料面板的电连接
US9125247B2 (en) Electrical connections for film insert molded windows
JP2016134369A (ja) 防水構造ケーブル、及び防水構造ケーブルの製造方法
JP2003348725A (ja) ケーブルの接続方法
JP2002184513A (ja) 二重絶縁型防水コネクタ付きケーブル及びその製造方法
JP2005005138A (ja) 電池パックの製造方法
JP2004031751A (ja) ケーシングの防水構造
JP2516465B2 (ja) 合金型温度ヒュ―ズ並びにその製造方法
JP3152052B2 (ja) ワイヤハーネスのスプライス方法および構造
JPH11135235A (ja) 発熱体及びヘアーセット器及び発熱装置
JP3635066B2 (ja) 面状発熱体の端子部での接続構造
CN214754287U (zh) 一种端子组件
JP2002050458A (ja) 面状発熱体内蔵ホルダ
JP2004350151A (ja) ケーシングの防水構造
JPS6086782A (ja) 電気配線端子の連続成形方法
CN209964372U (zh) 面向智能手机的分段式柔性线路板
JP5194726B2 (ja) 面状発熱体
JP2009026723A (ja) 面状発熱体
JPH0958417A (ja) 車輌用後写鏡
JP2001338708A (ja) リード線接続部の防水構造
JPH0422552Y2 (ja)
JP2003042381A (ja) 電気融着継手
JP4277804B2 (ja) 火災感知器
KR200335602Y1 (ko) 전열용융결합 조인트

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050330

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060830

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061003

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070208