JPH11133663A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JPH11133663A
JPH11133663A JP30029897A JP30029897A JPH11133663A JP H11133663 A JPH11133663 A JP H11133663A JP 30029897 A JP30029897 A JP 30029897A JP 30029897 A JP30029897 A JP 30029897A JP H11133663 A JPH11133663 A JP H11133663A
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JP
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toner
resin
ppm
volatile component
content
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JP30029897A
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Seiichi Shimizu
誠一 清水
Toshiro Furukawara
俊郎 古川原
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】結着樹脂として用いる多価金属塩化重合体の優
れた広い温度範囲でオフセットを発生させない特性を維
持しつつ、トナーとして要求される印刷特性(連続印刷
5万枚をしても帯電量、画像濃度の一定)を向上させた
電子写真用粉体トナー組成物の提供を可能にする。併せ
て、連続印刷時のトナー無臭化をはかる。 【構成】多価金属塩化重合体を主成分とするトナー組成
物中の低沸点揮発分の含有量を200ppm以下に低減
することを特徴とする静電荷現像用現像剤組成物。 【効果】本発明によれば、連続印刷しても無臭で、オフ
セットを発生させず、印刷特性の優れた静電荷現像用現
像剤を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は電子写真、静電記
録、静電印刷などにおける静電荷像を現像するための静
電荷現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法で用いられる粉体トナーは、
現像及び転写性能と関係する摩擦帯電及び電気抵抗等の
電気的性質と、定着性能及び耐熱性能(貯蔵安定性)と
関係する熱的性質と、流動性及び硬度等の粉体としての
力学的性質において、その使用条件に応じた適切なレベ
ルが必要とされている。
【0003】従来より粉体トナーに用いられる樹脂材料
として、ポリスチレン、スチレンアクリル酸エステル共
重合体、スチレンブタジエン共重合体、ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、キシレン樹脂、ク
マロンインデン樹脂等が挙げられ、樹脂の詳細な設計は
その使用条件に応じて種々の提案がなされている。特に
ヒートロール定着用の樹脂については耐オフセット性能
と定着性能の向上を目的に数多くの設計例が提唱されて
おり、中でも加熱溶融時の粘弾性挙動を改善するため、
或いは温度変化に対する溶融粘度変化を抑えるために分
子量分布の拡大、架橋構造の付与、ゴム弾性材料適用等
の手段が施された技術が検討されている。例えば、特開
昭56ー94362にはヒートロール定着用樹脂として
多価金属塩化重合体を使用する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】多価金属塩化重合体を
結着樹脂として用いることは、ヒートロール定着性能、
特に耐オフセット性能の改善に極めて効果的であること
が、既に知られている。一方、特開平5-155913による
と、樹脂としてスチレン−アクリル酸ブチル共重合体を
合成し、さらに薄膜蒸発機で樹脂を乾燥させてから、ト
ナーを作成した実施例が開示され、経時(貯蔵)安定性
(30℃、60%RH、6ヶ月)に優れていることがの
べられている。トナー粉体の貯蔵安定性は、必要特性で
はあるが、十分特性ではない。最近のトナー特性には、
印刷特性が重要視され、少なくとも50kP(5万枚)印刷
しても初期の印刷特性(帯電量、画像濃度など)が維持
されており、地汚れもないこと、また、印刷時に異臭が
発生しないことなどが重要な要求特性で、これらを解決
する必要があった。
【0005】本発明の目的は、結着樹脂として用いる多
価金属塩化重合体の優れた耐オフセット特性を維持しつ
つ、トナーとして要求される印刷特性を向上させた電子
写真用粉体トナー組成物の提供にある。併せて、印刷時
の異臭除去をも追求した。
【0006】
【問題を解決する為の手段】本発明者らは、上記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。
【0007】即ち、本発明は結着樹脂として多価金属塩
化重合体を少なくとも全樹脂に対し50wt%以上含
み、沸点150℃以下の揮発成分含有量がトナー全重量
に対して200ppm以下であることを特徴とする静電
荷現像剤用トナー組成物に関するものである。
【0008】本発明のトナー組成物は、原料の結着樹脂
である多価金属塩化重合体を合成した後、残留した揮発
成分を充分脱気除去することで得られるが、本発明の達
成手段はこれに限定されるものではない。本発明のトナ
ー組成物中に残留する沸点150℃以下の揮発成分含有
量は200ppm以下が好ましく、より好ましくは10
0ppm以下が適当である。200ppmより多い場合
は、帯電性能の低下、流動性の低下傾向が認められ、連
続コピー、プリント時の地汚れ(白地部へのトナーの付
着)が起こり易くなる。また、狭い部屋で一度に多量の
印刷をするとトナーから異臭が発生し、気分が悪くなる
ことがあった。
【0009】本発明の多価金属塩化重合体とは、付加重
合性不飽和カルボン酸と他の共重合可能なモノマーとを
共重合せしめたカルボキシル基含有重合体を多価金属塩
化することで得られるものである。
【0010】付加重合性不飽和カルボン酸の具体例とし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、αーエチルアクリル
酸、クロトン酸、αーメチルクロトン酸、イソクロトン
酸、チグリン酸、ウンゲリカ酸の如き付加重合性不飽和
脂肪族モノカルボン酸、又はマレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、
ジヒドロムコン酸の如き付加重合性不飽和脂肪族ジカル
ボン酸が挙げられる。
【0011】上記不飽和カルボン酸と共重合可能なモノ
マーの具体例としては、スチレンの他、その誘導体例え
ばメチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチ
レン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチル
スチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシ
ルスチレン、ヘプチルスチレン、オクチルスチレンの如
きアルキルスチレン、フロロスチレン、クロロスチレ
ン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレ
ンの如きハロゲン化スチレン、更にニトロスチレン、ア
セチルスチレン、メトキシスチレン等が挙げられる。
【0012】また、前記付加重合性不飽和カルボン酸と
アルキルアルコール、ハロゲン化アルキルアルコール、
アルコキシアルキルアルコール、アラルキルアルコー
ル、アルケニルアルコールの如きアルコールとのエステ
ル化物等が挙げられる。そして、上記アルコールの具体
例としてメチルアルコール、エチルアルコール、プロピ
ルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、
ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルア
ルコール、ノニルアルコール、ドデシルアルコール、テ
トラデシルアルコール、ヘキサデシルアルコールの如き
アルキルアルコール;これらアルキルアルコールを一部
ハロゲン化したハロゲン化アルキルアルコール;メトキ
シエチルアルコール、エトキシエチルアルコール、メト
キシプロピルアルコール、エトキシプロピルアルコール
の如きアルコキシアルキルアルコール;ベンジルアルコ
ール、フェニルエチルアルコール、フェニルプロピルア
ルコール、の如きアラルキルアルコール;アリルアルコ
ール、クロトニルアルコールの如きアルケニルアルコー
ルが挙げられる。上記付加重合性不飽和脂肪族カルボン
酸エステルの中で、アクリル酸アルキルエステル、メタ
クリル酸アルキルエステル、フマル酸アルキルエステ
ル、マレイン酸アルキルエステル等が特に好ましい例と
して挙げられる。
【0013】更に、前記付加重合性不飽和カルボン酸よ
り誘導されるアミド及びニトリル;エチレン、プロピレ
ン、ブテン、イソブチレンの如き脂肪族モノオレフィ
ン;塩化ビニル、ヨウ化ビニル、1,2ージクロルエチ
レン、1,2ージブロムエチレン、1,2ージヨードエ
チレン、塩化イソプロペニル、臭化イソプロペニル、塩
化アリル、臭化アリル、塩化ビニリデン、弗化ビニル、
弗化ビニリデンの如きハロゲン化脂肪族オレフィン;
1,3ブタジエン、1,3ーペンタジエン、2ーメチル
−1,3ーブタジエン、2,3ージメチル−1,3ーブ
タジエン、2,4ーヘキサジエン、3ーメチル−2,4
ーヘキサジエンの如き共役ジエン系脂肪族ジオレフィン
が挙げられる。
【0014】上記から得られるカルボキシル基含有重合
体に含まれるカルボキシルアニオンにカチオンとして結
合して塩を形成する金属としては、Al、Ba、Ca、
Cd、Co、Cr、Cu、Fe、Hg、Mg、Mn、N
i、Pb、Sn、Sr、Ti,Zn等の多価金属が挙げ
られ、これら多価金属のハロゲン化物、水酸化物、酸化
物、硫酸塩、塩酸塩、炭酸化物、カルボン酸塩、アルコ
キシド、キレート化合物などが用いられる。
【0015】多価金属塩重合体は、乳化重合、懸濁重合
等によって合成できる。しかし、樹脂中の溶媒を取り除
くには、溶液重合法で合成した有機溶剤を除去するほう
が容易である。また、合成も容易にできることがわかっ
た。用いる溶剤としてトルエン、キシレン、アセトン、
MEK等一般的なものが挙げられる。多価金属のアルコ
キシドは、溶剤重合法には適しており、中でも炭素数が
1から6のものが優れている。有機溶剤中で合成する場
合は、イオン結合ではなく、配位結合となる。
【0016】多価金属塩化重合体中の残留揮発成分の脱
気除去は、一般に知られている反応釜中での減圧蒸留、
あるいは樹脂を取り出し、樹脂の融点近く温度上げ、減
圧して揮発成分を除去する方法などあるが、揮発成分を
少なくするには、長時間脱気する必要がある。しかし、
これでは、経済的でなく、より効率的な脱気方法が求め
られていた。薄膜蒸発工程による処理、特に神鋼パンテ
ック社製高粘度液用薄膜蒸発機「エクセバ」が装置とし
ては好適であることがわかった。
【0017】上記の如く脱気処理された多価金属塩化重
合体をトナーの結着樹脂として用いることで、公知のト
ナー構成成分との組み合わせにより本発明は達成でき
る。本発明に使用し得るトナーの他構成成分としては、
着色剤、帯電制御剤、離型剤等の各種助剤が挙げられ、
その使用目的及び使用条件に応じて種々選択使用でき
る。又流動性向上剤として、トナー表面に付着させる外
添剤として必要に応じてシリカ等無機物微粉末も使用で
きる。
【0018】着色剤としては、例えば黒色顔料として、
カーボンブラック、ファーネスブラック、アニリンブラ
ック等、黄色顔料としてベンジジン系顔料等、赤色顔料
としてはキサンテン系顔料、キナクリドン系顔料、メチ
ン系顔料、チオインジゴ顔料、アゾレーキ顔料等、青色
顔料としてフタロシアニン系顔料等が挙げられる。
【0019】帯電制御剤としては、正電荷付与を目的と
して使用されるものは、ニグロシン系染料、四級アンモ
ニウム塩、トリフェニルメタン系染料等、負電荷付与を
目的として使用されるものは、Cr、Al、Zn等重金
属含有酸性染料等が挙げられる。
【0020】更にヒートロールに対するトナーの付着防
止を補う為の離型性助剤としては、低分子量ポリプロピ
レン、ポリエチレン等合成ワックス、モンタン蝋等の天
然ワックス、金属石鹸等が挙げられる。
【0021】本発明のトナー組成物は、特定の製造方法
によらず極めて一般的な製造方法によって得ることが出
来る。例えば、上記の各成分を2本ロール、3本ロール
又は加熱ニーダー等の溶融混練手段により混合後冷却
し、ジェットミル等の粉砕機で微粉砕し、風力分級機等
により分級して本発明の目的とするトナー組成物が得ら
れる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明は次の実施形態を含む 1、トナー結着樹脂として多価金属塩化重合体を少なく
とも全樹脂に対し50wt%以上含み、沸点150℃以
下の揮発成分含有量がトナー全重量に対し200ppm
以下であることを特徴とする静電荷現像剤用トナー組成
物。
【0023】2、トナー結着樹脂の多価金属塩化重合体
が多価金属のアルコキシドを用いて溶液重合法により合
成された樹脂であることを特徴とする1の静電荷現像剤
用トナー組成物。
【0024】トナーに用いる結着樹脂として、まず、付
加重合性不飽和カルボキシル酸と他の共重合可能なモノ
マーと共重合したカルボキシル基含有重合体を合成す
る。次いでこのカルボキシル基含有重合体に含まれるカ
ルボキシルアニオンにカチオンとして2価以上の金属を
もちいて塩を形成させる。用いる金属としてAl,B
a,Ca,Cd,Co,Cr,Cu,Fe,Mg,N
i,Pb,Sn,Sr,Zn,Tiなど多価金属を使用
する。これら多価金属は多価金属のハロゲン化物、水酸
化物、酸化物、硫酸塩、塩酸塩、炭酸化物、カルボン酸
塩、アルコキシド、キレート化合物などが用いられる。
なお、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチケト
ンなど有機溶剤の中で合成すると後で、溶剤を除去する
ときは、水より容易であるためこのほうが望ましい。な
お、有機溶剤の中で合成するときは、イオンではなく配
位結合となると思われる。有機溶剤中で合成するとき
は、多価金属のアルコキシドを使用することがのぞまし
い。さらにこの場合、アルコシドの炭素数は1から6の
範囲のものがのぞましい。
【0025】トナー中の多価金属塩化重合体は50%以
上配合される。これを補う50%以下の樹脂としてはス
チレン樹脂、スチレン系樹脂との共重合体、あるいはア
クリル系樹脂などトナー樹脂として一般に用いられる樹
脂を使用することができる。ついで、トナーに用いる樹
脂は、樹脂中の残留溶剤など揮発成分が200ppm以
下にするため、樹脂を減圧下に置き、揮発成分の沸点以
上に温度を上げ、揮発成分を除去することで目的の樹脂
が得られる。揮発成分の中には、溶剤のほか、樹脂の合
成に用いたモノマーなども含むため、樹脂の溶融温度近
くあげると揮発成分を除去することができる。この樹脂
に、顔料、帯電制御剤、ワックス、を加え溶融混合した
のち、祖粉砕、微粉砕、分級して、トナー原体を得る。
ついで、流動性向上剤を添加し、高速撹拌機で混合し
て、最終トナーを得る。
【0026】本発明は、好適には、例えば次の通り実施
することが出来る。まず、スチレン又はその誘導体と付
加重合性不飽和カルボン酸とを必須成分として、(メタ)
アクリル酸アルキルエステルを共重合させて得られた重
量平均分子量20,000〜80,000、Mw/Mn=
1〜10のカルボキシル基含有共重合体の樹脂溶液に、
2価以上の多価金属のアルコキシドを添加し、加熱しな
がら撹拌混合することにより均一な多価金属塩化重合体
溶液を得る。更に、この樹脂溶液中の溶剤分を減圧蒸発
後取り出し、溶融状態(160〜220℃)のまま薄膜蒸
発機「エクセバ」に投入、脱気処理することで、残留揮
発成分が200ppm以下の樹脂を得る。
【0027】次いで、上記樹脂に対して、顔料成分3〜
10質量部、帯電制御剤1〜4質量部、ポリオレフィン
ワックス2〜5質量部を溶融混合し、数mm以下に粗粉
砕し、次いで微粉砕、分級することで、平均粒子径7〜
13μmのトナー原体を得る。この原体に、流動性向上
剤であるコロイダルシリカ粒子を0.01〜0.30%を
添加し、ヘンシェルミキサー等の高速撹拌機中で混合さ
せ、トナー原体表面にシリカ粒子が付着した最終トナー
を得る。
【0028】この最終トナーをキャリア100質量部に
対して3〜10質量部混合処理することで静電荷像現像
用現像剤を得る。
【0029】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げる。
【0030】(使用樹脂合成例)スチレン:390g、
ブチルアクリレート:95g、メチルメタアクリレー
ト:2.5g、メタアクリル酸:12.5g、アゾビスイ
ソブチロニトリル:5gとキシレン500CCを丸底フ
ラスコに投入し、窒素ガス雰囲気中で65〜80℃で約
10時間反応させた後、130℃迄加温し重合を終了し
た。更に、180℃迄加温すると共に真空ポンプにて
0.5mmHg迄減圧脱気して溶剤を除去し、樹脂Aを
得た。
【0031】樹脂Aを一軸押し出し機(180℃)で溶
融させ、薄膜蒸発機「エクセバ」に供給し、180℃、
300rpm、1Torrの減圧度で脱気処理し、樹脂
Bを得た。
【0032】樹脂Aの合成と同様にして重合を終了させ
た後、アルミニウムイソプロポキシド10gを添加し、
約1時間反応させた後、180℃迄加温すると共に真空
ポンプにて0.5mmHg迄減圧脱気して溶剤を除去
し、樹脂Cを得た。
【0033】樹脂Bを得るのと同様にして薄膜蒸発機
「エクセバ」にて樹脂Cを脱気処理し、樹脂Dを得た。
【0034】(残留揮発成分の定量)Head Spa
ce Analysis法により、樹脂A、B、C、D
の残留揮発成分を測定し、表1にまとめた。薄膜蒸発機
「エクセバ」を使用した樹脂は残留揮発成分が極めて少
ないことがわかる。
【0035】
【表1】
【0036】
【実施例1】 樹脂D :88質量部 カーボンブラック〔三菱化学(株)製MAー100〕 :6質量部 ニグロシン染料〔オリエント化学(株)製ボントロンN−04〕:3質量部 ポリエチレンワックス〔ヘキスト(株)製PEー130〕 :3質量部
【0037】上記配合物を加圧ニーダーにて溶融混練し
た後、冷却後カッターミルで2mm以下に粗砕し、ジェ
ットミルで微粉砕、風力分級機で分級して平均粒子径1
0μmのトナー原体(d’)を得た。
【0038】トナー原体(d’)100質量部に対し
て、コロイダルシリカ粒子〔日本アエロジル(株)製アエ
ロジル200H〕を0.2質量部添加し、ヘンシェルミ
キサーで高速撹拌処理し、トナー(d)を得た。
【0039】
【比較例1】樹脂Dを樹脂Aに替える以外は実施例1と
同様にしてトナー(a)を得た。
【0040】
【比較例2】樹脂Dを樹脂Bに替える以外は実施例1と
同様にしてトナー(b)を得た。
【0041】
【比較例3】樹脂Dを樹脂Cに替える以外は実施例1と
同様にしてトナー(c)を得た。
【0042】(現像剤の調整)トナー4重量部とキャリ
ア〔パウダーテック(株)製TSVー200〕96質量部
を混合撹拌して、現像剤(a)、(b)、(c)、
(d)を調整した。
【0043】(ヒートロール定着性能評価)市販複写機
改造機にてA−4紙サイズの未定着画像サンプルを作成
し、下記仕様のヒートロール定着ユニットを用いて、オ
フセット現象の有無を確認した。
【0044】表2に各現像剤(a,b,c,d)のオフ
セット発生状況を現象まとめた。
【0045】(プリント試験)オフセットが発生しなか
った現像剤c,dについて、市販のレーザービームプリ
ンター(セレン感光体搭載)を用いて連続プリントによる
印字品質を評価すると共に、現像剤の帯電量を測定し
た。なお、帯電量はブローオフ帯電量測定機で測定し
た。画像濃度はマクベス濃度計で測定、地汚れは白地部
濃度からプリント前白紙濃度を差し引いて求めた。
【0046】
【表2】各現像材のオフセット発生状況 ×:ロール全面オフセット発生 △:一部オフセット発生 ○:オフセット発生無 表2から、多価重金属塩化重合体を用いたトナーは、耐
オフセット性能が優れることがわかる。これは、イオン
結合(配位結合)による架橋は、常温では架橋構造によ
りトナーの耐久性に優れ、加熱時は、適当な溶融粘性を
示し、定着と高温オフセットのバランス性能を発揮する
と考えられる。しかし、多価金属塩化重合体をトナー結
樹脂に用いたものは、印刷特性が今一つ優れず、この
度、発明したトナー樹脂中の揮発成分を200ppm以
下にすることにより、この問題は一挙に解決された。ト
ナーの異臭を除去すること、貯蔵安定性は予想されたこ
とであったが、印刷特性が向上することは、全く予想外
のことであった。
【0047】
【表3】 「地汚れ評価」○:0.01未満、△:0.01〜0.03未満,×:0.03以上
【0048】表3にオフセット発生が無かった現像剤
c、dについて印刷特性を調べた結果をまとめた。トナ
ー中に多量の揮発成分を残した現像剤c(薄膜蒸発機を
用いずトナー中の揮発成分を200ppm以下にならな
い)は、1万枚(10kP)を越える印刷をすると画像
濃度が低下し、地汚れがひどくなる。2万枚(20k
P)を越えると地汚れがさらにひどくなり印刷できない
状況になる。一方多価金属塩化重合体をトナー樹脂とし
て用い、さらにトナー中の揮発成分200ppm以下に
したトナー樹脂を用いた現像剤dは耐オフセット特性が
すぐれ、印刷中の異臭が出ないばかりでなく、50kP
(5万枚)印刷しても帯電量や画像濃度が変化せず、地
汚れが無いことは、当初の予想を遥かに越えたものであ
った。
【0049】異臭の検査は、複写機を狭い部屋に置き、
連続5千枚、連続1万枚を印刷し、3人の検査員によ
り、感応試験を行なった。現像剤cについては、いずれ
の検査員も連続5千枚で異臭を感じた。一方、現像剤d
については、連続5千枚では、3人とも異臭を感知せ
ず、1万枚でやっと異臭を感知する程度であった。トナ
ーの揮発成分を200ppm以下にすることは、異臭を
除去することにも非常に効果的であることが検証され
た。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、オフセットを発生させ
ず、なおかつ印刷特性(印刷を連続5万枚しても、帯電
量、画像濃度が一定で、地汚れがない)が優れた静電荷
像現像用現像剤を提供することが出来る。また、狭い部
屋で印刷しても異臭がでないことも大きな効果である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トナー結着樹脂として多価金属塩化重合体
    を少なくとも全樹脂に対し50wt%以上含み、沸点1
    50℃以下の揮発成分含有量がトナー全重量に対し20
    0ppm以下であることを特徴とする静電荷現像剤用ト
    ナー組成物。
  2. 【請求項2】トナー結着樹脂の多価金属塩化重合体が多
    価金属のアルコキシドを用いて溶液重合法により合成さ
    れた樹脂であることを特徴とする請求項1の静電荷現像
    剤用トナー組成物。
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