JPH09269610A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JPH09269610A
JPH09269610A JP10390796A JP10390796A JPH09269610A JP H09269610 A JPH09269610 A JP H09269610A JP 10390796 A JP10390796 A JP 10390796A JP 10390796 A JP10390796 A JP 10390796A JP H09269610 A JPH09269610 A JP H09269610A
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JP
Japan
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toner
weight
vinyl
monomer
parts
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Application number
JP10390796A
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English (en)
Inventor
Mari Misawa
眞理 三沢
Koichiro Maeda
耕一郎 前田
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低い定着温度と良好なOHP透過性を有し、
かつ、保存性に優れた静電荷像現像用トナーを提供する
こと。 【解決手段】 ビニル系単量体を、着色剤及びラクトン
の開環重合体の存在下に、懸濁重合してなることを特徴
とする静電荷像現像用トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電荷像現像用ト
ナーに関し、さらに詳しくは、電子写真法、静電記録法
等によって形成される静電荷像を現像するためのトナー
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子写真装置や静電記録装置
等で形成された電気的潜像は、先ず、トナーにより現像
され、次いで、形成されたトナー画像は、必要に応じて
紙等の転写材上に転写された後、加熱、加圧、溶剤蒸気
など種々の方式により定着される。従来、トナーとして
は、一般に、熱可塑性樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、
オフセット防止剤等を溶融混合して均一に分散させて組
成物とした後、該組成物を粉砕、分級することにより製
造されてきた。この粉砕法では、溶融混合により生成し
た組成物が経済的に使用可能な装置で粉砕し、分級し得
るものでなくてはならない。この要請から、溶融混合し
た組成物は、充分に脆くせざるを得ない。このため、該
組成物を粉砕して粒子にする際、広範囲の粒径分布が形
成され易く、そこで、良好な解像度と階調性のある複写
画像を得ようとすると、例えば、粒径5μm以下の微粉
と20μm以上の粗粉を分級により除去しなければなら
ず、収率が非常に低くなるという欠点がある。また、粉
砕法によるトナーは、粒子の形状がそろわないため、オ
フセット等の不都合な現象を生じやすい。さらに、この
粉砕法においては、着色剤、帯電制御剤、オフセット防
止剤等の固体微粒子を熱可塑性樹脂中に均一に分散する
ことが困難であり、これら固体微粒子の分散状態によっ
ては、かぶりの増大、画像濃度の低下の原因になる。
【0003】近年、これらの粉砕法の問題点を克服する
ために、懸濁重合法によるトナーの製造方法が提案され
ている。懸濁重合法においては、重合性単量体、着色
剤、帯電制御剤、オフセット防止剤、重合開始剤等を均
一に溶解または分散せしめた単量体組成物を、分散安定
剤を含有する水または水を主体とする水系分散媒体中に
投入し、高剪断力を有する混合装置を用いて分散し、該
単量体組成物を微小な液滴として造粒した後、重合して
トナー粒子(重合トナー)を形成している。懸濁重合法
によれば、各成分の分散性が向上し、しかも球形で所望
の粒子径のトナー粒子を高収率で得ることができる。懸
濁重合法によれば、シャープな粒径分布と良好な電気的
特性を有し、解像度、カブリ等の画質特性に優れたトナ
ーを経済的に製造することが可能となった。
【0004】ところで、最近、トナーが使用される電子
写真方式の複写機、プリンター等において、消費電力の
低減化が図られている。電子写真方式の中で、特にエネ
ルギーを消費する工程は、定着工程である。一般に、定
着のために150℃以上の熱ロールが使用され、そのエ
ネルギー源として電力が使用されている。この熱ロール
温度を下げることが、省エネルギーの観点より求められ
ているが、そのためには、トナーの定着温度を下げるこ
とが必要である。トナーの設計において、複写機よりの
要求に応えるには、トナーのガラス転移温度を低下させ
ればよいが、ガラス転移温度を低下させると、トナーの
保存中、あるいはトナーボックス中でブロッキングを起
こして、凝集体となり、いわゆる保存性の悪いトナーと
なる。
【0005】一方、電子写真方式によるカラートナーの
場合、近年、各種会議でのプレゼンテーション用OHP
シート等にカラー画像を使用する場合が多くなり、カラ
ートナーに対して、OHP透過性(透明性)に優れてい
ることが要求されるようになっている。OHP透過性を
満足するには、OHPシート上で、均一にトナーが溶融
していることが必須の条件であり、そのためには、トナ
ーの定着温度付近での溶融粘度を従来のものに比べて低
く設計することが必要である。トナーの溶融粘度を低く
するには、従来のトナー用結着樹脂に比べて、分子量を
低くしたり、ガラス転移温度を下げる等の手法がある
が、いずれの手法を採る場合でも、ブロッキングを起こ
し易く、保存性の悪いトナーとなってしまう。
【0006】このように、トナーの定着温度の低下やO
HP透過性を向上させる手法とトナーの保存性とは、逆
相関関係にある。しかしながら、従来の懸濁重合法によ
り得られる重合トナーは、一般に、OHPシートに対す
る定着性やOHP透過性が不十分なものである。これに
対して、ポリエステルよりなるトナーは、OHPシート
に対する定着性及び透過性に優れていることが知られて
いる。しかし、ポリエステルは、一般に重縮合法により
製造されており、懸濁重合法を適用することができな
い。ポリエステルよりなるトナーは、粉砕法によって製
造せざるを得ず、形状の不均一や広い粒径分布、低収率
などの問題点を抱えている。
【0007】最近、熱可塑性樹脂と着色剤を含有する熱
溶融性芯材と、その芯材の表面を被覆するように設けた
外殻とより構成されるカプセルトナーにおいて、非晶質
ポリエステルを外殻材の主成分として用いた熱圧力定着
用カプセルトナーが提案されている(特開平7−248
644号公報)。このカプセルトナーは、非晶質ポリエ
ステルや着色剤の存在下に、スチレンやアクリル酸エス
テルなどのビニル系単量体を懸濁重合することにより製
造されている。したがって、このカプセルトナーは、粉
砕法によるトナーに比べて、形状が球形で均一なもので
ある。そして、このカプセルトナーでは、熱溶融性芯材
の主成分となる熱可塑性樹脂のガラス転移温度を10〜
50℃と低くして定着性を高める一方、外殻材の主成分
となる非晶質ポリエステルのガラス転移温度を50〜8
0℃と高くして、耐ブロッキング性を付与している。前
記公報には、結晶性ポリエステルは、融解に必要なエネ
ルギーが大きく、ガラス転移温度も高いので、このカプ
セルトナーでは、非晶質ポリエステルを用いることが記
載されている。しかし、このカプセルトナーは、外殻材
の非晶質ポリエステルのガラス転移温度が比較的高いの
で、必ずしも低温定着性やOHP定着性が良好ではな
い。しかも、非晶質ポリエステルは、結晶性ポリエステ
ルに比べて、耐ブロッキング性が十分ではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低い
定着温度と良好なOHP透過性を有し、かつ、保存性に
優れた静電荷像現像用トナーを提供することにある。本
発明者らは、前記従来技術の問題点を克服するために鋭
意研究した結果、懸濁重合法によりトナー粒子を製造す
る方法において、ビニル系単量体を、着色剤及びラクト
ンの開環重合体の存在下に、懸濁重合することにより、
前記目的を達成できることを見いだした。
【0009】本発明で使用するラクトンの開環重合体と
しては、ガラス転移温度(Tg)が通常、−100℃〜
40℃、好ましくは−80℃〜0℃で、結晶性のポリマ
ーであることが好ましい。懸濁重合法によれば、ラクト
ンの開環重合体が外殻(シェル)を形成し、ビニル系単
量体よりなる重合体が芯(コア)を形成する。本発明の
トナーは、ラクトンの開環重合体のガラス転移温度が4
0℃以下と低いので、低温定着性に優れており、他方、
ラクトンの開環重合体が結晶性であるため、ブロッキン
グを起こさず、保存性に優れている。しかも、本発明の
トナーは、OHPシートに対する定着性のみならず、O
HP透過性が良好である。本発明は、これらの知見に基
づいて完成するに至ったものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、ビニル系単量体を、着色剤及びラクトンの開環重合
体の存在下に、懸濁重合してなることを特徴とする静電
荷像現像用トナーが提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。トナーの製造方法 本発明の静電荷像現像用トナーは、懸濁重合法を採用す
ることにより製造される。懸濁重合法では、通常、分散
剤を含む水系分散媒体中に、少なくともビニル系単量体
と着色剤とを含有する単量体液を加えて、懸濁重合する
ことにより、着色重合体粒子を製造する。具体的には、
ビニル系単量体中に、着色剤、ラジカル重合開始剤、帯
電制御剤その他の添加剤を添加し、ボールミル等により
均一に分散させた混合液(重合性単量体組成物あるいは
単量体液ともいう)を調製し、次いで、この混合液を水
系分散媒体中に投入し、高剪断力を有する混合装置を用
いて分散して微小な液滴に造粒した後、通常、30〜2
00℃の温度で懸濁重合する。
【0012】本発明では、着色剤などと共に、ラクトン
の開環重合体を存在させて、ビニル系単量体の懸濁重合
を行う。ビニル系単量体としては、特に限定されない
が、定着性の観点から、ガラス転移温度が80℃以下の
重合体を形成する少なくとも一種の単量体を用いること
が好ましい。ここで、重合体のガラス転移温度とは、使
用する単量体の種類と使用割合に応じて算出される計算
値(計算Tgという)である。
【0013】単量体 本発明で用いられるビニル系単量体としては、例えば、
スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のス
チレン系単量体;アクリル酸、メタクリル酸;(メタ)
アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アク
リル酸ジメチルアミノエチル、アクリロニトリル、アク
リルアミド等のアクリル酸またはメタクリル酸の誘導
体;エチレン、プロピレン、ブチレン等のエチレン性不
飽和モノオレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フ
ッ化ビニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル等のビニルエステル;ビニルメチルエーテ
ル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル;ビニル
メチルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニル
ケトン;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N
−ビニルピロリドン等の含窒素ビニル化合物;等が挙げ
られる。これらのビニル系単量体は、単独で用いてもよ
いし、複数の単量体を組み合わせて用いてもよい。
【0014】これらのビニル系単量体とともに、任意の
架橋剤を必要に応じて用いることができる。架橋剤とし
ては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレ
ン、及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エ
チレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコ
ールジメタクリレート等のジエチレン性不飽和カルボン
酸エステル;N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエー
テル等のジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する
化合物;等を挙げることができる。これらの架橋剤は、
それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いる
ことができる。架橋剤は、ビニル系単量体100重量部
に対して、通常、0〜5重量部の割合で用いる。
【0015】分散剤 本発明において、懸濁重合の際に使用される分散剤(分
散安定剤)としては、通常の懸濁重合で使用されるもの
を使用することができる。分散剤は、一般に、保護コロ
イド膜を形成させ、立体障害による反発力を発現させる
水溶性高分子と難水溶性無機物質との二つに大別され
る。水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコ
ール、メチルセルロース、ゼラチン等を例示することが
できる。難水溶性無機物質からなる分散剤としては、例
えば、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウ
ム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム
等の難水溶性塩類;タルク、珪酸等の無機高分子物質;
酸化アルミニウム、酸化チタン等の金属酸化物、水酸化
マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化第二鉄等の
金属水酸化物;等のを例示することができる。
【0016】分散剤として、水溶性多価金属塩と水酸化
アルカリ金属塩との水相中の反応により生成する難水溶
性の水酸化金属塩コロイドを用いることもできる。この
難水溶性の水酸化金属塩コロイドは、個数粒径分布が、
50(個数粒径分布の50%累積値)が0.5μm以下
で、D90(個数粒径分布の90%累積値)が1μm以下
であることが好ましい。分散剤は、ビニル系単量体10
0重量部に対して、通常、0.1〜20重量部の割合で
使用する。この割合が0.1重量部より少ないと、充分
な重合安定性を得ることが困難であり、重合凝集物が生
成し易くなる。逆に、20重量部を超えると、重合安定
性の効果が飽和し、経済的でない。
【0017】油溶性の重合開始剤 懸濁重合で使用する油溶性の重合開始剤としては、ビニ
ル系単量体に可溶のものであればよく、例えば、メチル
エチルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ア
セチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ラウロイ
ルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチル
ペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−イソプロ
ピルペルオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルペルオ
キシイソフタレート等の過酸化物類;2,2′−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−ア
ゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(1−
シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物;など
を挙げることができる。油溶性の重合開始剤は、ビニル
系単量体100重量部に対して、通常、0.1〜20重
量部、好ましくは1〜10重量部の割合で用いられる。
【0018】着色剤 本発明で使用する着色剤としては、例えば、カーボンブ
ラック、ニグロシンベース、アニリンブルー、カルコオ
イルブルー、クロムイエロー、ウルタラマリンブルー、
オリエントオイルレッド、フタロシアニンブルー、マラ
カイトグリーンオクサレート等の染顔料類;コバルト、
ニッケル、三二酸化鉄、四三酸化鉄、酸化鉄マンガン、
酸化鉄亜鉛、酸化鉄ニッケル等の磁性粒子;などを挙げ
ることができる。染顔料類は、重合性単量体100重量
部に対して、通常、0.1〜20重量部、好ましくは1
〜10重量部の割合で用いられる。磁性粒子は、重合性
単量体100重量部に対して、通常、1〜100重量
部、好ましくは5〜50重量部の割合で用いられる。
【0019】添加剤 重合性単量体組成物(単量体液)には、必要に応じて、
油溶性の重合開始剤、分子量調整剤、架橋剤、離型剤、
帯電制御剤等の各種添加剤を添加することができる。油
溶性の重合開始剤や架橋剤は、前述したとおりである。
分子量調整剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプ
タン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカ
プタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、四臭化炭素等
のハロゲン化炭化水素類;などを挙げることができる。
これらの分子量調整剤は、重合開始前、あるいは重合中
に添加することができる。分子量調整剤は、重合性単量
体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量
部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いられる。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分
子量ポリプロピレン、低分子量ポリブチレンなどの低分
子量ポリオレフィン類;パラフィンワックス類;などを
挙げることができる。離型剤は、重合性単量体100重
量部に対して、通常、0.1〜20重量部、好ましくは
1〜10重量部の割合で使用される。
【0020】帯電制御剤は、トナーの帯電性を向上させ
るために、重合性単量体組成物中に含有させることが好
ましい。帯電制御剤としては、各種の正帯電または負帯
電の帯電制御剤を用いることができる。帯電制御剤の具
体例としては、ニグロシンN01(オリエント化学社
製)、ニグロシンEX(オリエント化学社製)、スピロ
ブラックTRH(保土ケ谷化学社製)、T−77(保土
ケ谷化学社製)、ボントロンS−34(オリエント化学
社製)、ボントロンE−84(オリエント化学社製)等
を挙げることができる。帯電制御剤は、重合性単量体1
00重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好
ましくは0.1〜5重量部の割合で用いられる。帯電制
御剤をビニル系単量体と共に使用すると、得られたトナ
ーのカブリが少なくなるので好ましい。さらに、着色剤
のトナー粒子中への均一分散等を目的として、オレイン
酸、ステアリン酸等の滑剤;シラン系またはチタン系カ
ップリング剤等の分散助剤;などを重合性単量体組成物
中に含有させてもよい。このような滑剤や分散剤は、着
色剤の重量を基準として、通常、1/1000〜1/5
0程度の割合で使用される。
【0021】ラクトンの開環重合体 ラクトンとは、環内にエステル基をもつ環状化合物であ
り、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−
バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどが例示され
る。ラクトンの開環重合体は、例えば、金属酸化物、有
機金属化合物などの触媒を用いて、開環重合させること
により得ることができる。開始剤として、グリコールを
用いると、末端にヒドロキシル基を有するポリエステル
が得られる。例えば、ε−カプロラクトンの開環重合体
は、通常、ε−カプロラクトンとエチレングリコール、
ジエチレングリコール等のジオールを触媒の存在下で反
応させることにより得ることができる。触媒としては、
有機スズ化合物、有機チタン化合物、有機ハロゲン化ス
ズ化合物等が一般的であり、0.1〜5000ppm程
度の割合で添加して、100〜230℃で、好ましくは
不活性雰囲気下に重合させることによって、開環重合体
でポリカプロラクトン樹脂を得ることができる。ラクト
ンの開環重合体は、その末端を例えばカルボキシル基に
なるように変性したものであってもよい。
【0022】本発明では、ラクトンの開環重合体とし
て、好ましくは、ε−カプロラクトンの開環重合体を使
用する。この開環重合体は、末端がカルボキシル基等で
変性されていてもよい。開環重合体の分子量は、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって
求めた数平均分子量が10,000〜200,000の
ものである。この開環重合体のガラス転移温度(Tg)
は、通常、−100℃〜40℃、好ましくは−80℃〜
0℃である。この開環重合体の融点(Tm)は、通常、
50〜100℃程度である。また、開環重合体は、結晶
性の高い熱可塑性脂肪族ポリエステル樹脂である。この
ようなラクトンの開環重合体は、常法により合成するこ
とができるが、市販品を用いてもよい。市販品として
は、例えば、ダイセル株式会社製のPLACCELシリ
ーズのH1P、H4、H5、H7など(融点=60℃、
Tg=−60℃の高結晶性ポリカプロラクトン)が挙げ
られる。
【0023】静電荷像像現像用トナー 本発明の静電荷像現像用トナーは、ビニル系単量体に由
来する重合体成分40〜99重量%、好ましくは60〜
95重量%、より好ましくは70〜95重量%と、ラク
トンの開環重合体成分1〜60重量%、好ましくは5〜
40重量%、より好ましくは5〜30重量%とから構成
される。生成重合体を透過型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、ビニル系単量体に由来する重合体成分がコアを形成
し、ラクトンの開環重合体がシェルを形成していること
が判明した。ラクトンの開環重合体成分の割合が過小で
あると、耐ブロッキング性(保存性)や定着性、OHP
透過性の改善効果が小さくなり、この割合が過大になる
と、懸濁重合により形状が良好で、均一性に優れ、諸特
性に優れたトナーを得ることが困難になる。
【0024】本発明の静電荷像現像用トナーは、通常、
体積平均粒子径が2〜20μm、好ましくは3〜15μ
mで、粒径分布(体積平均粒子径/個数平均粒子径)が
1.6以下、好ましくは1.5以下の粒径分布がシャー
プな球形の微粒子である。本発明の静電荷像現像用トナ
ーを用いると、定着温度を80〜180℃、好ましくは
100〜150℃の低い温度に低減することができ、し
かも保存中に凝集せず、保存性に優れている。また、本
発明の静電荷像現像用トナーは、OHPシートに対する
定着性に優れると共に、OHP透過性が良好であるた
め、OHP用のトナーとして好適である。
【0025】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を更に具体的
に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定さ
れるものではない。なお、部及び%は、特に断りのない
限り重量基準である。
【0026】物性の測定方法は、以下のとおりである。 (1)トナーの粒径 トナー粒子の粒径は、コールターカウンター(コールタ
ー社製)により、体積平均粒径(dv)及び粒径分布即
ち体積平均粒径と個数平均粒径(dp)との比(dv/
dp)を測定した。このコールターカウンターによる測
定においては、以下に示すパラメーターを用いた。 アパーチャー径:100μm 媒 体 :イソトンII 濃 度 :15% 測定粒子個数 :50000個 (2)トナーの保存安定性 樹脂粒子5gを50℃で24時間放置し、凝集するかど
うかを観察した。 (3)OHP透過性 樹脂粒子を35重量%トルエンに溶解し、OHPシート
(表面処理してないもの)にブレートで塗布し、自然乾
燥させた後、OHPに写してみて透明性を観察した。透
明性が良い場合を「良」と評価した。 (4)OHP定着性 樹脂粒子をOHPシート上に印字して、150℃でオフ
セット現象を起こすことなく定着するか否かを観察し
た。オフセット現象を起こすことなく定着した場合を
「良」と評価した。
【0027】[実施例1]結晶性ポリカプロラクトン
(ダイセル社製、PLACCEL H4;数平均分子量
=4万、融点=60℃、Tg=−60℃)10部を90
部のスチレン/ブチルアクリレート(重量比4:1)に
溶解し、黄色顔料5部を加えてよく分散させた。これ
を、水215部にMg(OH)2コロイド3.2部を分
散させた分散液に加えて軽く攪拌し、重合開始剤(t−
ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート)4.5
部を加えてホモジナイザーにかけた後、90℃で7時間
加熱撹拌し、重合を完了した。反応系を室温に戻し、p
H=2になるまで20%硫酸水溶液を加え、吸引濾過し
て濾物をよく水洗した後、一晩減圧下で乾燥することに
より、球状の樹脂粒子を得た。この粒子をエポキシ樹脂
で包埋させて、ウルトラミクロトームで1mm厚に切断
し、透過型電子顕微鏡で観察したところ、約0.5μm
厚みのシェルを有していることが確認された。
【0028】[実施例2]実施例1で用いたのと同じ結
晶性ポリカプロラクトン20部をスチレン/ブチルアク
リレート(重量比4:1)80部に溶解し、顔料5部を
加えてよく分散させた。これを、水215部にMg(O
H)2コロイド3.2部を分散させた分散液に加えて軽
く攪拌し、重合開始剤(t−ブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート)4部を加え、ホモジナイザーにか
けた後、90℃で7時間加熱撹拌し、重合を完了した。
反応系を室温に戻し、20%硫酸水溶液を加えてpH=
2とし、吸引濾過して濾物をよく水洗した後、一晩減圧
下で乾燥することにより、球状の樹脂粒子を得た。これ
らの実施例で得られた樹脂粒子について、体積平均粒
径、粒子の形状、粒径分布、OHP透過性、OHP定着
性、及び保存安定性を観察・評価した。結果を表1に示
す。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、低い定着温度と良好な
OHP透過性を有し、しかも保存性に優れた静電荷像現
像用トナーが提供される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル系単量体を、着色剤及びラクトン
    の開環重合体の存在下に、懸濁重合してなることを特徴
    とする静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 ラクトンの開環重合体が、ε−カプロラ
    クトンの開環重合体である請求項1記載の静電荷像現像
    用トナー。
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