JPH11133178A - 燃料集合体及び原子炉の炉心並びに炉心の運転方法 - Google Patents

燃料集合体及び原子炉の炉心並びに炉心の運転方法

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JPH11133178A
JPH11133178A JP9296985A JP29698597A JPH11133178A JP H11133178 A JPH11133178 A JP H11133178A JP 9296985 A JP9296985 A JP 9296985A JP 29698597 A JP29698597 A JP 29698597A JP H11133178 A JPH11133178 A JP H11133178A
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JP
Japan
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fuel
enrichment
core
fuel assembly
cycle
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Application number
JP9296985A
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English (en)
Inventor
Ayumi Matsumura
歩 松村
Shungo Sakurai
俊吾 桜井
Atsuji Hirukawa
厚治 蛭川
Kazutaka Hida
和毅 肥田
Noriyuki Yoshida
紀之 吉田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 第2サイクルを燃料交換しないで運転可能に
する。 【解決手段】 低濃縮度燃料集合体L、中濃縮度燃料集
合体M、高濃縮度燃料集合体Hの全ての初装荷燃料集合
体に、7.5wt%以上の可燃性毒物入り燃料棒Gを一部
または全部X方向またはY方向に隣接配置し、高濃縮度
燃料集合体Hを炉心最外周に装荷する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は沸騰水型原子炉の炉
心および燃料集合体ならびに炉心の運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原子炉が建設されて初めて炉心に装荷さ
れる燃料(または燃料集合体)は、初装荷燃料(または
初装荷燃料集合体)と呼ばれる。原子力発電所が建設さ
れてまだ日が浅いころは、初装荷炉心は平均濃縮度が同
じ1種類の初装荷燃料集合体で構成されていた。通常、
原子力発電所の運転方法は、運転開始1年目(これを第
1サイクルと呼ぶ。)が終了した時、燃焼の進んだ燃料
集合体が取出され、新しい燃料集合体が装荷され、2年
目(これを第2サイクルと呼ぶ。)の運転が開始され
る。しかしながら、この場合、取出される燃料集合体の
中には、燃焼のあまり進んでいない燃料集合体も含まれ
ることとなり、燃料の経済性は悪かった。
【0003】近年では、この取出燃焼度の向上のため
に、初装荷炉心を構成する初装荷燃料として集合体平均
濃縮度の異なる複数種類の燃料集合体が使用されるよう
になった。比較的早い時期に(例えば第1サイクル終了
後、または第2サイクル終了後)取出される燃料集合体
は平均濃縮度を低く、長期に滞在する燃料集合体は平均
濃縮度を高くすることで、初装荷炉心全体の取出燃焼度
はより向上している。これら初装荷燃料集合体全体の炉
心平均濃縮度は、第1サイクル終了時に炉心の余剰反応
度がほぼゼロとなるように設定されており、約2.1%
〜2.5%である。
【0004】上記初装荷炉心に対し、取出燃焼度を大幅
に向上させる発明が特開平7−244184号に開示さ
れている。この公報に開示された発明は、初装荷炉心を
濃縮度の異なる複数の燃料集合体で形成しており、これ
らの初装荷燃料集合体の平均濃縮度が約2.7%以上で
あり、かつ可燃性毒物として燃料棒に含有されているガ
ドリニアの濃度が少なくとも一部の初装荷燃料集合体に
おいて7.5%よりも高いことを特徴としている。これ
により、第1サイクルの運転終了後に燃料集合体を交換
をせずに、第2サイクルの運転を行うことを提案してい
る。
【0005】上記発明は主に濃縮度2種類の場合に関す
るものであるが、中濃縮度燃料集合体を加えた濃縮度3
種類の場合も検討されている。この濃縮度3種類の燃料
集合体を用いた実施例では、高濃縮度燃料集合体と低濃
縮度燃料集合体の中間の濃縮度を持つ中濃縮度燃料集合
体を、高濃縮度燃料集合体の代わりに第3サイクル終了
後に取出すことで、取出燃料集合体の核分裂性物質の残
存量を低減している。中濃縮度燃料集合体を採用したこ
とにより減少した核分裂性物質の分は、高濃縮度燃料集
合体の濃縮度を取替燃料集合体の平均濃縮度よりも更に
上げることで補っている。
【0006】ところで、初装荷炉心の平均取出燃焼度を
上げるために初装荷炉心平均濃縮度をより上げることに
対して、上記技術では以下のような問題解決法で対処し
ている。
【0007】平均濃縮度が上がることにより、余剰反応
度はより高くなるが、その抑制には濃度の高い可燃性毒
物、通常はガドリニアを使用することで対応可能であ
る。また、第1サイクルに装荷される全ての種類の燃料
集合体にガドリニア入り燃料棒を配置することで、より
大きい余剰反応度を制御することが可能となる。通常、
ガドリニアの濃度を上げるにつれて燃料集合体の反応度
を抑制できる期間が長くなり、ガドリニア入り燃料棒の
本数が多くなることで、燃焼初期の余剰反応度を下げる
ことができる。
【0008】そのため、前記特開平7−244184号
では、まずガドリニアの濃度を高くし、装荷される初装
荷燃料集合体の全てにガドリニア入り燃料棒を配置する
ことで、ある程度、初装荷炉心の平均濃縮度を上げるこ
とができるとしている。さらに燃料集合体横断面内での
ガドリニア入り燃料棒の配置を工夫することで、ガドリ
ニアの燃焼を遅らせ、余剰反応度をより長く抑制するこ
とで、初装荷炉心の平均濃縮度をより上げることができ
るとしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記技
術では、最高濃縮度の初装荷燃料が、取替燃料よりもさ
らに高い濃縮度となっている。これは、取替燃料よりも
取出燃焼度を高くすることができる初装荷燃料集合体を
使って、敢えて初装荷炉心全体の平均燃焼度を増大させ
るということであり、それが可能であれば何故取替燃料
も同一燃焼度にして、より経済性を上げないのかという
疑問がある。
【0010】したがって、素直に、初装荷最高濃縮度燃
料の濃縮度を取替燃料と同じ濃縮度にして、燃料機械設
計を取替燃料、初装荷燃料を含めて同一ベース設計する
方が、燃料機械設計上単純化された統一設計となり都合
が良い。
【0011】また、濃縮度2タイプの初装荷炉心におい
て、第2サイクルを燃料交換を行わないで運転する場
合、低濃縮度燃料集合体で構成する第1サイクルおよび
第2サイクルのコントロールセル(出力運転中の余剰反
応度および出力分布制御のために制御棒を挿入すること
ができるように、あらかじめ低反応度の燃料集合体4体
で囲んだ制御棒セルのこと。これにより、制御棒操作に
よる燃料集合体の出力変化を緩和し、出力運転中の制御
棒操作が容易となる。)の数が、低濃縮度燃料の数によ
って定まってしまう。運転の余裕のために、多めのコン
トロールセルを第1サイクル、第2サイクル用に確保し
ようとすると、次の理由で低濃縮度燃料集合体の数が増
え、炉心平均濃縮度の増加の制限になる。つまり、コン
トロールセルの燃料集合体はサイクルの大半の期間、制
御棒が挿入された状態で燃焼するので、燃料集合体横断
面の燃焼の仕方は、制御棒に面する面が燃え遅れ、そう
でない面が燃え進む形になる。したがって、1、2サイ
クル連続して同一燃料集合体をコントロールセルとして
使うと、この片燃え効果が大きくなり過ぎ、制御棒が引
き抜かれた時に、制御棒側の燃料棒の出力が過大にな
り、運転制限の線出力密度に達する可能性がある。その
ため、第1サイクルと第2サイクルでコントロールセル
用として使う低濃縮度燃料集合体は別にする必要があ
る。
【0012】余剰反応度をうまく第1、第2サイクルに
渡って低く抑制することができれば、コントロールセル
の数を少なくできるが、運転余裕を前述のように大きく
取れば難しくなる。
【0013】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであり、燃料経済性のより向上を目指し、かつ運転時
の余剰反応度に対して余裕のある第1および第2サイク
ルの運転が可能な炉心および燃料集合体を提供すること
を目的とする。
【0014】また本発明は、燃料集合体内の燃料棒、お
よび可燃性毒物入り燃料棒の配置の最適化を図って、第
1および第2サイクルを燃料交換しないで運転すること
のできる炉心および燃料集合体を提供することを目的と
する。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、複数
の燃料棒をXY方向に正方格子状に配置して束ねた燃料
集合体において、7.5重量%以上の可燃性毒物を含有
する燃料棒を少なくとも3本以上有し、かつ可燃性毒物
を含有する燃料棒の少なくとも1部がXまたはY方向に
互いに隣接して配置されていることを特徴とする。
【0016】請求項1の発明においては、7.5重量%
以上の濃度の可燃性毒物が入った燃料棒をXまたはY方
向に互いに隣接して配置することにより、可燃性毒物の
燃焼が遅れ、炉心平均濃縮度を高めた場合でも余剰反応
度をコントロールできるまで下げることができる。
【0017】請求項2の発明は、請求項1の燃料集合体
において、同一炉心に装荷される燃料集合体の中で最も
濃縮度が高い燃料集合体であって、可燃性毒物を含有す
る燃料棒の1部が軸方向下部にのみ可燃性毒物を含有す
ることを特徴とする。
【0018】請求項2の発明においては、炉心平均濃縮
度を高めた場合でも出力が軸方向下部で大きくなりやす
い傾向を抑制することができる。
【0019】請求項3の発明は、請求項1または2の燃
料集合体において、有効部分長が短い短尺燃料棒を複数
本有し、かつ短尺燃料棒の濃縮度が複数種類あることを
特徴とする。
【0020】請求項4の発明は、請求項3の燃料集合体
において、短尺燃料棒のうち少なくとも1本が、すべて
の燃料棒の中で最も高い濃縮度の核燃料物質を有するこ
とを特徴とする。
【0021】請求項3および4の発明においては、短尺
燃料棒を持つ燃料集合体に含まれる燃料棒の熱的特性を
より厳しくすることなしに、つまり、燃料集合体横断面
の出力分布を平坦に保ちつつ、燃料集合体の平均濃縮度
を上げることができ、これにより炉心の平均濃縮度を上
げることができる。
【0022】請求項5の発明は、請求項1ないし4のい
ずれか1項の燃料集合体において、有効長下端部に天然
ウランより大きな濃縮度の核分裂性物質を有する燃料棒
が配置され、そのうちの少なくとも3本が有効長下端部
に可燃性毒物を含有し、かつ有効長下端部に天然ウラン
より大きな濃縮度の核分裂性物質と可燃性毒物を含有す
る燃料棒がX方向またはY方向もしくはその両方向に互
いに隣接していることを特徴とする。
【0023】請求項5の発明においては、燃料集合体に
含まれる燃料棒下端部の天然ウランブランケットを濃縮
ウランに変え、また、可燃性毒物入り燃料棒が縦横で隣
接していることにより、第1サイクルにおいて燃料下端
部の出力を抑制し、加えて第2サイクルにおいて軸方向
の出力分布を平坦化することができる。
【0024】請求項6の発明は、請求項1の燃料集合体
において、同一炉心に装荷される燃料集合体の中で最も
であって、平均濃縮度が2.0重量%以上であることを
特徴とする。
【0025】請求項6の発明においては、請求項1の発
明の7.5重量%以上の濃度の可燃性毒物が入った燃料
棒をXまたはY方向に互いに隣接して配置することによ
り、低濃縮度燃料集合体の平均濃縮度を従来の1.5重
量%以下の平均濃縮度よりも大幅に上げることができ、
第2サイクルまで新燃料との燃料交換の必要のない炉心
を構成することができる。
【0026】請求項7の発明は、請求項1ないし6のい
ずれか1項に記載の燃料集合体において、炉心に初装荷
される初装荷燃料集合体であることを特徴とする。
【0027】請求項8の発明は、初装荷燃料集合体と交
換される燃料集合体において、可燃性毒物を含有する燃
料棒の本数が、同一炉心に装荷される初装荷燃料集合体
の中で最も濃縮度が高い初装荷燃料集合体での可燃性毒
物を含有する燃料棒の本数と比べて、同等かまたは少な
いことを特徴とする。
【0028】請求項8の発明においては、炉心内に含ま
れる可燃性毒物の残留量を低減することができ、炉心の
反応度を上げることができる。
【0029】請求項9の発明は、複数の燃料棒をXY方
向に正方格子状に配列してなる燃料集合体が多数装荷さ
れた原子炉の炉心において、集合体平均濃縮度が異なる
複数種類の初装荷燃料集合体で構成され、初装荷燃料集
合体が7.5重量%以上の可燃性毒物を含有する燃料棒
を少なくとも3本以上有し、かつ可燃性毒物を含有する
燃料棒の少なくとも1部がXまたはY方向に互いに隣接
して配置されていることを特徴とする。
【0030】請求項9の発明においては、炉心平均濃縮
度を大幅に高めた初装荷炉心において、第1サイクルと
第2サイクルの余剰反応度を適切な範囲に設定すること
ができ、それにより、第lサイクルと第2サイクルを新
燃料の補給なしで運転することが可能となる。
【0031】特に、従来の濃縮度多種類初装荷炉心にお
いては、第1サイクルでコントロールセルに使用する最
低濃縮度燃料集合体は可燃性毒物を全く含有しないか、
極少数本の使用が提案されているだけであったが、本発
明では最低濃縮度燃料集合体の濃縮度を更に増大させる
とともに可燃性毒物入り燃料棒の本数を増大させ、かつ
7.5wt%以上のガドリニア濃度を3本以上各燃料集合
体が保有し、その7.5wt%以上の濃度の可燃性毒物含
有燃料棒が全てまたはー部が、Χ方向またはY方向に隣
接して配置されるため、可燃性毒物の燃焼が隣接同士の
干渉により大幅に燃え遅れる結果、より低い可燃性毒物
濃度で、より長期間燃料の余剰反応度を抑制することが
できる。
【0032】特に、低中濃縮度燃料集合体は高濃縮度燃
料集合体よりも中性子のエネルギースペクトルが軟らか
くて、熱中性子成分が多いので、可燃性毒物としてガド
リニアを使う場合、高濃縮度燃料集合体よりもガドリニ
ウムの燃焼が速いので第1サイクル中期から末期にかけ
ての炉心全体の余剰反応度が大きく成り過ぎるのを、
7.5wt%以上の濃度の可燃性毒物入り燃料棒を隣接さ
せることにより抑制することができる。また、ガドリニ
ウムの燃え遅れを実現するために、隣接干渉効果を利用
しているので、燃え遅れを実現するに必要なガドリニア
濃度を隣接させない場合よりも低減でき、ガドリニア入
り燃料棒の熱機械設計を楽にできる。これはつまり、ガ
ドリニア濃度が高い燃料ペレット程、熱伝導度が低いの
で燃料温度が高くなり、核分裂生成ガスのぺレットから
の放出量が多くなることによるものである。
【0033】このように、濃縮度多種類炉心で初装荷炉
心の平均濃縮度増加の制約になる低濃縮度燃料集合体の
平均濃縮度を高めても、余剰反応度を長く抑制すること
ができるので、従来よりも大幅に初装荷炉心全体の平均
濃縮度を高めることができ、かつ適切に余剰反応度の設
計ができる。その結果、第1サイクル、第2サイクルに
渡って、燃料の補給なしで運転可能な設計を実現するこ
とができる。
【0034】請求項10の発明は、請求項9の原子炉の
炉心において、初装荷燃料集合体のうち最高濃縮度の燃
料集合体が複数種類あり、それぞれ可燃性毒物を含有す
る燃料棒の本数が異なることを特徴とする。
【0035】請求項10の発明においては、炉心平均濃
縮度を大幅に高めた濃縮度多種類初装荷炉心において、
可燃性毒物入り燃料棒の本数が異なる2種類以上の高濃
縮度初装荷燃料を装荷し、その両燃料の装荷位置を調整
することにより、径方向ピーキングを平坦化することが
できる。
【0036】つまり、可燃性毒物入り燃料棒本数の少な
い最高濃縮度燃料は、可燃性毒物入り燃料棒本数の多い
最高濃縮度燃料よりも、可燃性毒物量が少ないことによ
り、中性子無限増倍率が大きく、出力が大きくなり易
い。この可燃性毒物入り燃料棒本数の少ない最高濃縮度
燃料を、中性子の径方向漏れにより出力が低下する傾向
にある炉心最外周および外側から2層目、3層目に集中
的に配置し、可燃性毒物入り燃料棒本数の多い最高濃縮
度燃料を炉心中央よりに配することにより、炉心の径方
向出力分布を平坦化することができる。
【0037】さらに、コントロールセルは濃縮度の低い
燃料集合体で構成されていることと運転中制御棒が挿入
されていることが多いことから、出力が低く、このコン
トロールセルに隣接する制御棒セルの燃料集合体の出力
も抑制される。これに対し、コントロールセルに対角位
置の制御棒セルはコントロールセルの燃料とはコーナー
で接しているだけなので出力の抑制はほとんど受けな
い。したがって、第1サイクルのコントロールセルに上
下左右で隣接する制御棒セルには、一部に無限増倍率の
大きく出力が高くなり易い、可燃性毒物入り燃料棒本数
の少ない最高濃縮度燃料集合体を配置し、コントロール
セルに対角位置の制御棒セルには、燃料棒本数の多い最
高濃縮度燃料集合体を配置して出力ピーキングを抑制す
る。このようなような中央領域での高濃縮度燃料集合体
の可燃性毒物設計の異なる2種類以上の燃料集合体の配
置を取ることによって、炉心中央領域の中でも径方向出
力分布を炉心中央領域の中でも平坦化することができ
る。
【0038】請求項11の発明は、請求項9または10
の原子炉の炉心において、軸方向下部にのみ可燃性毒物
を含有する燃料棒を有する最高濃縮度の燃料集合体が複
数装荷されていることを特徴とする。
【0039】請求項11の発明においては、炉心平均濃
縮度を大幅に高めた初装荷炉心において、炉心平均濃縮
度が高くなったことで、第1、第2サイクルにおいて出
力が軸方向下部で大きくなり易いことを抑制することが
できる。
【0040】下方にのみ燃料を有する部分長燃料棒を持
つ燃料集合体では、下部の燃料が多いことから、軸方向
出力分布が、従来の部分長燃料棒を有しない燃料集合体
よりも下方ピークになり易い傾向がある。さらに、BW
Rの特徴であるチャンネルボックスを有している燃料集
合体では、出力の大きい(径方向出力ピーキングの大き
い)集合体は、チャンネル内の発生蒸気量が増大し、ボ
イド率の軸方向分布が出力の小さい集合体よりも絶対値
が上半部で大きい。
【0041】燃料集合体軸方向の上部の断面におけるチ
ャンネルボックス内のボイドが多いと、出力運転中の無
限増倍率は低い特性にあるので、高出力燃料集合体で
は、軸方向の無限増倍率のボイドによる変化が、比較的
に低出力の集合体より大きくなり、高出力燃料集合体程
軸方向出力分布は下方ピークになり易い。
【0042】さらに、本発明の炉心のように初期の炉心
平均濃縮度を増加させると、ボイド係数は負の方向に大
きくなり、軸方向のボイド分布と併せてさらに下方ピー
クの出力分布を生起させる傾向が強くなる。
【0043】また、燃料集合体の軸方向の無限増倍率分
布は、燃焼によって核分裂性物質(U235)の濃度が
減少すれば減少するが、濃縮度が高い高濃縮度燃料程無
限増倍率が1.0を大きく上回る期間が長いので、長い
期間、ここでは第1サイクル中および第2サイクルの中
期程度まで高濃縮度燃料集合体の下部の無限増倍率を抑
制する必要がある。特に、高濃縮度燃料集合体の中でも
ガドリニア入り燃料棒本数の少ない燃料が下方ピークに
なり易いのでこの必要がある。
【0044】そこで、下部にのみ7.5wt%以上のガド
リニア濃度を有し、上部にはガドリニアを含有しないガ
ドリニア入り燃料棒を作り、それを7.5wt%以上の濃
度のガドリニア濃度を有し、燃料有効長の上下端の天然
ウラン等を使った低濃縮度部を除いたほぼ全長に分布し
たガドリニア入り燃料棒に、燃料集合体内でX方向また
はY方向または両方の方向に隣接または挟むことによっ
て、燃料集合体下部の無限増倍率を長期にわたって、干
渉効果によってガドリニウムの燃焼を遅らせつつ、抑制
することができる。
【0045】その結果、下部のみにガドリニアを含有す
る燃料棒の下部のガドリニウムの中性子吸収効果が長く
持続し、燃料集合体全体としては下方ピークの軸方向出
力分布で燃焼しても、2サイクル目の中期まで持続し
て、燃料下部の無限増倍率が過大にならないように抑制
でき、第1、2サイクルに渡って、燃料下部の下方ピー
クになり易い傾向を抑制することができる。つまり、軸
方向出力分布を平坦化することができ、下部の最大線出
力密度が運転制限値に近づくのを抑制できる。また、こ
れにより炉心平均の軸方向出力分布も平坦化することが
できる。
【0046】請求項12の発明は、請求項9ないし11
のいずれか1項の原子炉の炉心において、初装荷燃料集
合体が、核燃料物質の濃縮度が異なる複数種類の、有効
部分長が短い短尺燃料棒を有することを特徴とする。
【0047】請求項13の発明は、請求項12の原子炉
の炉心において、短尺燃料棒のうち少なくとも1本が、
当該初装荷燃料集合体内で最も高い濃縮度の核燃料物質
を含有することを特徴とする。
【0048】請求項12および13の発明においては、
短尺燃料棒を持つ初装荷燃料集合体に含まれる燃料棒の
熱的特性をより厳しくすることなしに、つまり、燃料集
合体横断面の出力分布を平坦にしつつ、燃料集合体の平
均濃縮度を上げることができ、これにより炉心の平均濃
縮度を上げることができる。
【0049】すなわち、短尺燃料棒の配置位置のうち、
隅部はチャンネルボックスコーナー部の水の影響で熱中
性子が多いことから、出力ピーキングも高くなりやす
く、燃料集合体の平均濃縮度を上げることができない
が、その他の位置は最高濃縮度としても局所出力ピーキ
ングが厳しくならない。この結果、燃料集合体の平均濃
縮度をげることができる。
【0050】請求項14の発明は、請求項9ないし13
のいずれか1項の原子炉の炉心において、初装荷燃料集
合体が、有効長下端部に天然ウランより大きな濃縮度の
核分裂性物質を含有する燃料棒を有し、そのうちの少な
くとも3本は有効長下端部に可燃性毒物を含有し、かつ
有効長下端部に天然ウランより大きな濃縮度の核分裂性
物質と可燃性毒物を含有する前記燃料棒がX方向または
Y方向もしくはその両方向に互いに隣接していることを
特徴とする。
【0051】請求項14の発明においては、初装荷燃料
集合体に含まれる燃料棒下端部の天然ウランブランケッ
トを濃縮ウランに変え、また、可燃性毒物入り燃料棒が
XまたはY方向もしくはその両方で隣接していることに
より、第1サイクルにおいて燃料下端部の出力を抑制
し、加えて第2サイクルにおいて軸方向の出力分布を平
坦化することができる。
【0052】一般的に核分裂で発生した高速中性子は、
減速材(沸騰水型原子炉では軽水)で減速され、熱中性
子となり、ウラン235に吸収されて新たな核分裂を起
こす。この時発生する熱エネルギーで減速材である水を
蒸気(ボイド)に変えるわけであるが、燃料集合体下部
では減速材(この場合では水)が多く、より核分裂が起
こりやすいため、燃料集合体上部と比較して出力が大き
くなり、燃焼が早く進みやすい。この傾向は燃料集合体
下端部(燃料集合体下部から1/24ノ一ド)で最も大
きい。通常、この燃料集合体下端部には天然ウランブラ
ンケットが配置されていることから、出力が大きくなる
ことはなく、問題とはならない。しかしながら、初装荷
燃料集合体の濃縮度を上げ、初装荷平均の取出燃焼度を
上げようとする場合、この燃料集合体下端部の天然ウラ
ンブランケットを廃し、濃縮ウランを装荷することが考
えられる。ところが、天然ウランとは異なり、濃縮ウラ
ンを装荷した場合、第1サイクル初期でこの燃料下端部
の出力は大きくなり、極端な下部ピークの出力分布とな
る。また、第1サイクルで燃料集合体下端部はほとんど
燃焼してしまうことから、第2サイクルでは逆に出力が
出ず、上部ピークの出力分布となりやすい。通常、燃料
集合体下端部に濃縮ウランを装荷した場合は、同時に可
燃性毒物を入れ、これにより出力の抑制を図る。ここ
で、この可燃性毒物入り燃料棒を単に散在して配置させ
た場合、可燃性毒物入り燃料棒を隣接して配置した場合
と比べて、第1サイクル初期での熱中性子吸収効果が大
きく、出力抑制効果は大きい。しかしながら、これは逆
に見れば早期に可燃性毒物が熱中性子を吸収し、燃焼し
てしまうことを意味する。このため、第1サイクル末期
ではほとんど可燃性毒物が燃焼しきってしまい、第2サ
イクルでは燃料集合体下端部で出力が大きくなり、強い
下部ピークの出力分布となる。ここで、燃料集合体下端
部においても可燃性毒物入り燃料棒をX方向またはY方
向またはその両方向において隣接させた場合、第1サイ
クル初期における燃料集合体下端部における可燃性毒物
の出力抑制効果は、隣接させない場合と比較して小さい
ものの、可燃性毒物の燃焼が遅れるため、第2サイクル
においても可燃性毒物が燃え残り、燃料集合体下端部に
おける出力を抑制することができる。これは、炉心の軸
方向の出力分布を平坦化し、炉心の運転融通性向上に役
立つと共に、高濃縮度燃料の平均濃縮度を、ウラン5%
の濃縮度の上限の中でできる限り大きくし、初装荷燃料
の取出燃焼度を上げて、燃料経済性を向上させる場合に
有効である。
【0053】請求項15の発明は、請求項9ないし14
のいずれか1項に記載の原子炉の炉心において、炉心平
均濃縮度が3.3重量%以上であることを特徴とする。
【0054】請求項15の発明においては、初装荷炉心
平均濃縮度を3.3wt%以上とすることによって、第1
サイクルから第2サイクルに移行する定検において、新
燃料と交換することなく第2サイクルを運転することが
できる。通常、原子炉を1年間運転しようとする場合
(これを1サイクルという単位で表わす)、炉心平均で
最低約10GWd/tまで燃焼させることができる反応
度が必要であり、これは第1サイクルで炉心平均濃縮度
が約3.3wt%以上であること、および燃料の移動を第
1サイクル終了後に行うことで達成できる。
【0055】請求項16の発明は、請求項9ないし15
のいずれか1項の原子炉の炉心において、初装荷燃料集
合体のうち最低濃縮度の燃料集合体が、2.0重量%以
上の集合体平均濃縮度を有することを特徴とする。
【0056】請求項16の発明においては、従来の濃縮
度多種類初装荷炉心の最低濃縮度の燃料には可燃性毒物
入り燃料棒なしで集合体平均濃縮度約1.5wt%以下で
第1サイクルのコントロールセルの燃料集合体としてい
たものが、より高濃縮度の燃料集合体でもコントロール
セル用燃料集合体に使用することができる。
【0057】特にコントロールセルに使用される燃料集
合体は、制御棒がサイクルの長期間に渡って挿入された
まま運転され、サイクル後半では制御棒が引き抜かれた
り、または次サイクルではコントロールセル位置には装
荷されないことにより、それまで制御棒により燃焼が抑
制され、燃料集合体の制御棒に面した側の(W−W側と
呼称する。その反対側の面をN−N側と呼ぶ)燃料棒
は、N−N側の燃料棒より燃焼が遅れ(これを制御棒履
歴効果と呼ぶ)、その時点で制御棒が挿入されない状態
になるので、W−Wの燃料棒の燃料集合体横断面内での
出力が高くなる。この効果が大きいと、炉心の最大線出
力密度がこの燃料棒に発生し、時には運転制限値に近づ
く。これを避けるためには、制御棒が引き抜かれた時の
局所出力ピーキングを問題にするだけでなく、集合体横
断面平均出力(ノ一ド出力)を下げることによって抑制
できる。
【0058】本発明では、2wt%以上の平均濃縮度の燃
料集合体にしても、ガドリニア濃度7.5wt%以上の含
有燃料棒を3本以上配置していることによって、第1サ
イクルを通じて無限増倍率を抑制でき、従来のガドリニ
ア入り燃料棒を有しない、より低濃縮度の第1サイクル
コントロールセル用燃料集合体の場合と同じ炉心におけ
る線出力密度性能を維持することができる。
【0059】さらに、第2サイクルにおいては、従来の
コントロールセル用低濃縮度燃料集合体よりも無限増倍
率が大きいので、第2サイクルの開始に当たって、新燃
料集合体と燃料交換の必要がない高燃焼度初装荷炉心の
成立に大きく寄与することができる。
【0060】請求項17の発明は、請求項9ないし16
のいずれか1項の原子炉の炉心において、初装荷燃料集
合体のうち最高濃縮度の燃料集合体が炉心最外周に装荷
されていることを特徴とする。
【0061】請求項17の発明においては、最高濃縮度
の初装荷燃料集合体を炉心の径方向出力が中性子漏洩に
よって低くなる傾向の最外周に配置することによって、
請求項1の発明の作用で述べたように、隣接した可燃性
毒物入り燃料棒の効果により、無限増倍率が第1サイク
ルの長きに渡ってほぼ平坦に高い値を維持できることと
あいまって、第1サイクルの期間に渡って径方向出力分
布を平坦化し、熱的特性をより改善することができる。
【0062】また、初装荷濃縮度多種類炉心において、
第1サイクルの炉心配置で最外周に最高濃縮度燃料を配
置することによって、この初装荷高濃縮度燃料の燃焼が
他の炉心中央領域に配置された高濃縮度初装荷燃料より
燃焼が進まず、第2サイクル以降に持ち越されるウラン
235の量がより多くなって、初装荷燃料の取出燃焼度
を上げ、燃料経済性を上げることができる。請求項18
の発明は、請求項9ないし17のいずれか1項の原子炉
の炉心において、初装荷燃料集合体の中の最高濃縮度の
燃料集合体のうち、可燃性毒物を含有する燃料棒の本数
が少ない燃料集合体が炉心最外周に装荷されていること
を特徴とする。
【0063】請求項18の発明においては、第1サイク
ル炉心最外周に前記初装荷燃料集合体の最高濃縮度の燃
料集合体のうち、可燃性毒物を含有する燃料棒本数の少
ない燃料集合体を装荷することにより、中性子の漏れの
効果で出力が低くなる傾向にある炉心最外周に無限増倍
率の高い燃料集合体が配されることになり、径方向の出
力分布が平坦化される。その結果、最大線出力密度の低
下、MCPRの増大など運転中の熱的制限パラメータが
良好になる。また、炉心の最外周に無限増倍率の大きい
燃料集合体を配置することになるが、中性子の漏れによ
る効果で低温時の炉停止余裕もそれほど悪化させること
なく満足できる範囲にとどめることができる。
【0064】請求項19の発明は、請求項17または1
8の原子炉の炉心において、第2の運転サイクルで、初
装荷燃料集合体のうち最高濃縮度の燃料集合体が炉心最
外周に装荷されていることを特徴とする。
【0065】請求項19の発明においては、第1サイク
ルにおいて炉心最外周に高濃縮度燃料集合体を配置し、
さらに第2サイクルにおいても炉心最外周に高濃縮度燃
料集合体を配置することによって、第2サイクル終了後
にも炉心から取り出されずに第3サイクルを構成する燃
料集合体となる高濃縮度燃料集合体の燃焼を遅らせるこ
とができ、次サイクルに持ち越されるウラン235の量
を増大させることができる。つまり、第2サイクル終了
後に取出される予定のより低濃縮度の燃料集合体または
第1サイクルに炉心中央領域に配置されてより燃焼度の
進んだ高濃縮度燃料集合体を、第2サイクルにおいても
より炉心中央の径方向出力ピーキングの高い所で燃焼さ
せることができ、第2サイクル終了後に取り出される低
濃縮度または中濃縮度の初装荷燃料集合体の燃焼度をよ
り高くすることができ、さらに第3サイクルにおいて炉
心の最外周または最外周から2層目の出力の低い所に配
置される高濃縮度燃料集合体の取出燃焼度を上げ、その
結果初装荷燃料集合体全体の取出燃焼度を増加させ、燃
料経済性を上げることができる。
【0066】請求項20の発明は、請求項17ないし1
9のいずれか1項の原子炉の炉心において、第2の運転
サイクルで、XまたはY方向にコントロールセル間に挟
まれたセルには、最初の運転サイクルで炉心最外周に装
荷された最高濃縮度の燃料集合体1体と低濃縮度の初装
荷燃料集合体1体が装荷されていることを特徴とする。
【0067】請求項21の発明は、請求項17または1
8の原子炉の炉心において、第2の運転サイクルで、斜
め方向にコントロールセル間に挟まれたセルには、最初
の運転サイクルで炉心最外周に装荷された最高濃縮度の
燃料集合体1体と低濃縮度の初装荷燃料集合体2体が装
荷されていることを特徴とする。
【0068】請求項20および21の発明においては、
第2サイクルのコントロールセルにXまたはY方向に挟
まれたセルには、第1サイクルで炉心最外周に装荷され
た高濃縮度の初装荷燃料集合体をl体と、低濃縮度の初
装荷燃料集合体を1体装荷し、コントロールセルに斜め
方向に挟まれたセルには、第1サイクルで炉心最外周に
装荷された高濃縮度の初装荷燃料集合体を1体と、低濃
縮度の初装荷燃料集合体を2体装荷する。これにより、
炉心径方向ピーキングを平坦化させるとともに、第2サ
イクルの炉心の反応度を上げることができる。すでに述
べたように、第1サイクルにおいて炉心の最外周に装荷
された燃料集合体は、他の炉心中央領域に装荷された燃
料集合体と比較してほとんど燃焼が進まない。第1サイ
クルにおいて炉心最外周に装荷された初装荷燃料集合体
が最高濃縮度である場合、その核燃料物質の量をほとん
ど第2サイクル以降に持ち越すことができる。このた
め、第2サイクルにおいて炉心中央領域にこれらの燃料
集合体を装荷することで第2サイクルの炉心反応度をよ
り上げることができる。ところが、これらの燃料集合体
は反応度が高い分、第2サイクルにおいては出力が高く
なりやすく、その炉心内における配置においてはより熟
慮が必要となる。ここではこれらの燃料集合体の第2サ
イクルにおける装荷位置を考慮し、1つの制御棒セル
に、第1サイクルで炉心最外周に装荷された燃料集合体
を1体ずつ装荷し、コントロールセルにXまたはY方向
に隣接したセルには、制御棒による出力抑制効果が大き
いので、出力が低い初装荷低濃縮度燃料集合体を1体の
み装荷し、制御棒による出力抑制効果がより小さい、コ
ントロールセルに斜めに隣接したセルには、初装荷低濃
縮度燃料集合体を2体装荷させる。これにより、第2サ
イクルにおける反応度を上げると同時に径方向ピーキン
グの平坦化が可能となる。
【0069】請求項22の発明の炉心の運転方法は、
7.5重量%以上の可燃性毒物を含有する燃料棒を少な
くとも3本以上有しかつ可燃性毒物を含有する燃料棒の
少なくとも1部がXまたはY方向に互いに隣接して配置
された、集合体平均濃縮度が異なる複数種類の初装荷燃
料集合体を、最高濃縮度の燃料集合体が炉心最外周に配
置されるように炉心に装荷して第1サイクルの運転を行
った後、前記複数種類の初装荷燃料集合体を炉心内にて
移動させ、かつ最高濃縮度の燃料集合体を炉心最外周に
配置させることにより、新燃料を装荷することなく第2
サイクルの運転を行い、第3サイクル目から、初装荷燃
料集合体の一部を、可燃性毒物を含有する燃料棒の本数
が最高濃縮度の初装荷燃料集合体の可燃性毒物を含有す
る燃料棒の本数と同じかそれ以下の新燃料集合体と順次
交換して運転することを特徴とする。
【0070】請求項22の発明においては、第3、第4
サイクルなどの移行サイクルにおいて新燃料として装荷
する燃料集合体の体数が、請求項1〜21の発明の燃料
経済性向上の結果、従来技術よりも少なくなり、平衡サ
イクルにおける取替体数に近い体数になった結果、第3
サイクルおよび第4サイクル、特に第4サイクルの初期
に炉心の反応度を支える無限増倍率の比較的高い燃料集
合体数が少ないことから、運転余裕としての制御棒計画
の自由度を確保するための余剰反応度が少ない問題が生
じた。これに対し、移行サイクル取替燃料として、通常
使用される取替燃料と比べて、可燃性毒物入りの燃料棒
の本数が最高濃縮度の初装荷燃料集合体に含まれる可燃
性毒物入り燃料棒本数と等しいかそれより少ない燃料集
合体を使用することで、前記問題は解決され、第3サイ
クルおよび第4サイクルの移行サイクルのサイクル末期
の炉心内に含まれる可燃性毒物の残留量を低減でき、炉
心の反応度を上げることができる。これにより、移行サ
イクルにおける取替体数を減らし、初装荷燃料集合体の
燃料経済性をさらに上げることができる。
【0071】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。
【0072】図1〜図3は、本発明の第1の実施の形態
の初装荷炉心を構成する3種類の平均濃縮度の燃料集合
体の各横断面および可燃性毒物入り燃料棒の可燃性毒物
濃度ならびに本数を示すもので、それぞれ低濃縮度燃料
集合体(平均濃縮度2.5%)、中濃縮度燃料集合体
(平均濃縮度3.0%)、高濃縮度燃料集合体(平均濃
縮度3.7%)を示している。
【0073】図1〜図3において、9行9列の燃料棒1
がチャンネルボックス2で囲まれている。なお、Wはウ
ォータロッドを示している。また燃料棒1のうちGは、
中性子吸収材である可燃性毒物が混合された可燃性毒物
入り燃料棒を示している。可燃性毒物としては一般的に
ガドリニア(Gd2 3 )が使用されており、この実施
の形態では10wt%濃度でガドリニアが混合されてい
る。
【0074】図1〜図3においては、可燃性毒物入り燃
料棒Gは、上下端の天然ウランブランケット部3を除い
て軸方向のガドリニア分布が一様の例を示しているが、
一部の可燃性毒物入り燃料棒Gは上部天然ウランブラン
ケット部3から下方の約3/24の長さ以内の範囲で、
ガドリニアなし、または7.5wt%以下の低濃度として
も良い。
【0075】燃料棒1のウラン濃縮度は、局所出力ピー
キングが最大線出力密度(MLHGR)を満たすように
横断面内で分布させ、また軸方向にも一部の燃料棒では
上下端の天然ウランブランケット部3を除いた濃縮ウラ
ン部で軸方向に濃縮度分布させて軸方向出力分布の平坦
化をさせる場合もあるが、ここでは直接関係しないので
省略する。
【0076】本実施の形態では、図1〜図3に示すよう
に、低濃縮度燃料集合体L、中濃縮度燃料集合体M、高
濃縮度燃料集合体Hの全ての初装荷燃料集合体は、ガド
リニア入り燃料棒Gを一部または全部X方向またはY方
向に隣接配置している。
【0077】さらに、低濃縮度燃料集合体Lは、従来は
1.5wt%程度の濃縮度を使用し可燃性毒物を添加しな
いことが多いが、本実施の形態では2サイクル燃焼時の
反応度が従来の初装荷多種類濃縮度炉心の低濃縮度燃料
の取り出し時無限増倍率と同程度になるように濃縮度を
定め、ここでは13ヶ月2サイクルと第1サイクルの起
動試験の長さから2.5wt%としている。図1び示す低
濃縮度燃料Lでは、3本以上、特に隣接配置して燃焼初
期の毒物効果が干渉により低下することと、2サイクル
の長期にわたって反応度抑制効果が持続するように6本
(3本L字隣接を2個所)の可燃性毒物入り燃料棒Gを
採用している。
【0078】図4は、低濃縮度燃料集合体Lにおいて、
可燃性毒物であるガドリニア入り燃料棒が隣接している
場合(実線AL )と、隣接していない場合(破線BL
の反応度(無限増倍率)の燃焼に伴う変化の例を示して
いる。なお、一点鎖線CL は、従来の初装荷濃縮度多種
類炉心の濃縮度が1.5wt%以下の低濃縮度燃料集合体
で可燃性毒物が添加されていない場合を示す。
【0079】図5は、中濃縮度燃料集合体Mにおいて、
可燃性毒物であるガドリニア入り燃料棒が隣接している
場合(実線AM )と、隣接していない場合(破線BM
の反応度の燃焼変化の例を示している。
【0080】また図6は、高濃縮度燃料集合体Hにおい
て、ガドリニア入り燃料棒が隣接している場合(実線A
H )と、隣接していない場合(破線BH )の反応度の燃
焼変化の例を示している。
【0081】図4〜図6より、可燃性毒物であるガドリ
ニア入り燃料棒Gを、図1〜図3に示すように、X方向
またはY方向に隣接させることで、熱中性子の強吸収物
質であるガドリニウムの価値は、相互の遮蔽干渉効果に
より全体としては下がるため、燃焼初期で反応度(無限
増倍率)は上がるものの、燃焼が進んで生じる反応度の
ピーク位置は、L、M、Hのいずれの燃料集合体におい
ても、より燃焼が進んでから達していることから、ガド
リニアの燃焼が遅れていることが分かる。
【0082】図7、8、9に示す燃料集合体は、それぞ
れ図1、2、3に示す本実施の形態の低濃縮度燃料集合
体L、中濃縮度燃料集合体M、高濃縮度燃料集合体Hの
他の例である。ここでは、可燃性毒物入り燃料棒Gはよ
りウォータロッドWに隣接して配置されている。ウォー
タロッドW内には中性子減速材である水が多くあること
から、ウォータロッドW近辺では熱中性子が多く存在す
る。このため、ウォータロッドWにより近接させた場合
では、熱中性子吸収物質である可燃性毒物は早く燃焼す
ることになるが、制御棒が挿入される位置(図1〜図
3、図7〜図9において、上の燃料集合体横断面の左上
端位置)から離れるため、これも中性子吸収物質である
制御棒の効果はより大きくなる。
【0083】図10および図11は、本実施の形態の、
図1〜図3または図7〜図9に示す3種類の平均濃縮度
の燃料集合体4より構成した、135万kWe級BWR
(沸騰水型原子炉)の1/4炉心を示すもので、図10
は第1サイクル、図11は第2サイクルの炉心内の燃料
集合体装荷位置を示している。図10および図11にお
いて、初装荷低濃縮度燃料集合体Lは50体(1/4炉
心で)、初装荷中濃縮度燃料集合体Mは37体(1/4
炉心で)、初装荷高濃縮度燃料集合体Hは131体(1
/4炉心で)それぞれ装荷されている。本炉心の平均濃
縮度は約3.3wt%である。
【0084】図10および図11において、制御棒周囲
の4体一組の燃料4が装荷されている領域を一つの単位
として制御棒セルと呼んでおり、このような制御棒セル
が炉心中央に中心制御棒があるように原点を取って並べ
られている。特に、太い四角で囲まれている領域には、
第1サイクルでは低濃縮度燃料集合体Lが4体ずつ、第
2サイクルでは中濃縮度燃料集合体Mが4体ずつ装荷さ
れており、この四角の中心に位置する制御棒を主に操作
することで出力運転中の原子炉を制御する。この四角の
領域を特にコントロールセル5と呼んでいる。
【0085】コントロールセル5では、制御棒が第1サ
イクルの長きにわたって挿入されていると、この制御棒
セルの低濃縮度燃料集合体Lは、制御棒に面した側と、
面しない側で大きな燃え方の傾きができる。これを矯正
し、第2サイクル後に取り出される低濃縮度燃料集合体
Lの燃焼度を高めるために、第2サイクルでは中濃縮度
燃料集合体Mをコントロールセル5に配置する。
【0086】中濃縮度燃料集合体Mの濃縮度と可燃性毒
物入り燃料棒Gの本数および配置ならびに可燃性毒物の
濃度は、第2サイクルで燃料Mをコントロールセルとし
て使えるように設定する。つまり、図4と図5の実線A
L 、AM の無限増倍率を比較すると、第1サイクルで低
濃縮度燃料Lが示すレベルに中濃縮度燃料Mの無限増倍
率も設定されていることがわかる。
【0087】第1サイクルでは、最外周に高濃縮度燃料
集合体Hが配置されており、さらに第2サイクルにおい
ても最外周に最高濃縮度の初装荷燃料Hが配置されてい
る。
【0088】7.5wt%以上の濃度の可燃性毒物入り燃
料棒Gの全部または一部が、燃料集合体横断面内での燃
料棒配置において、燃料格子の外周から2列目を含む内
部に配置され、かつX方向またはY方向に隣接して配置
されるため、可燃性毒物の燃焼が、隣接可燃性毒物入り
燃料棒G同士の干渉により大幅に燃え遅れる。その結
果、より低い可燃性毒物濃度で、より長期間燃料の余剰
反応度を抑制することができる。
【0089】特に低、中濃縮度燃料集合体は、高濃縮度
燃料集合体よりも中性子のエネルギースペクトルが軟ら
かくて、熱中性子成分が多いので、可燃性毒物としてガ
ドリニアを使う場合、高濃縮度燃料集合体よりもガドリ
ニウムの燃焼が速いので、それによる急速な図4の破線
L で示すような反応度の増加の変化を生じ、第1サイ
クル中期から末期にかけての炉心全体の余剰反応度が大
きくなり過ぎるのを、7.5wt%以上の濃度の可燃性毒
物入り燃料棒Gを隣接させることにより抑制することが
できる。燃焼初期には逆に隣接配置による干渉効果の結
果、無限増倍率を隣接しない場合より高くすることがで
き、その効果は低、濃縮度燃料集合体では大きくなるの
で、低、中濃縮度燃料集合体の無限増倍率を隣接配置し
ない場合に比べて比較的平坦に高い値に保って、第1サ
イクルの燃焼をより促進する作用がある。また、ガドリ
ニウムの燃え遅れを実現するために、隣接干渉効果を利
用しているので、燃え遅れを実現するに必要なガドリニ
ア濃度を隣接させない場合よりも低減することができ、
ガドリニア入り燃料棒の熱機械設計を楽にできる。ま
た、必要なガドリニア濃度を低減できることは、次のよ
うな効果も生じる。つまり、ガドリニア濃度が高い燃料
ペレット程、熱伝導度が低いので燃料温度が高くなり、
核分裂生成ガスのペレットからの放出量が多くなるた
め、燃料棒内のガスプレナブ容量をウランペレットより
大きくする必要が出てくるが、それを軽減して燃料集合
体の燃料ペレットの充填量を増やすことができ、燃料経
済性上有利となる。
【0090】ガドリニア入り燃料棒をX方向またはY方
向に隣接さて配置し、第1サイクルの起動試験期間と商
業運転に入ってから13ヶ月1サイクルの運転期間を余
剰反応度平坦に抑制するためには、少なくとも7.5wt
%以上のガドリニア濃度が必要になる。第1の実施の形
態では、第1、第2サイクルを燃料無補給でかつ平坦な
余剰反応度の推移を得るために、10wt%のガドリニア
濃度を選定している。
【0091】このように、濃縮度多種類炉心で初装荷炉
心の平均濃縮度増加の制約になる低濃縮度燃料集合体の
平均濃縮度を高めても、余剰反応度を長く抑制すること
ができるので、従来よりも大幅に初装荷炉心全体の平均
濃縮度を高めることができ、かつ適切に余剰反応度の設
計ができる。その結果、第1サイクル、第2サイクルに
渡って、燃料の補給なしで運転できる設計が実現する。
【0092】ここで、仮に前述の特開平7−24418
4号に従い、初装荷燃料集合体の濃縮度が3種類であ
り、かつ低、中、高濃縮度燃料集合体には7.5wt%以
上の濃度の可燃性毒物入り燃料棒が含まれており、かつ
中、高濃縮度燃料集合体において可燃性毒物入り燃料棒
が隣接しており、集合体平均濃縮度が2.0wt%以上の
低濃縮度燃料集合体では可燃性毒物入り燃料棒が隣接し
ていない場合を考える。その場合の第1サイクルの余剰
反応度の変化を図12に破線E1 で、第2サイクルの余
剰反応度の変化を図13に破線E2 で示す。また、図1
2、図13において、実線D1 、D2 は、本実施の形態
の低、中、高濃縮度燃料集合体において可燃性毒物入り
燃料棒が互いにX方向またはY方向に隣接している場合
の第1サイクルと第2サイクルの余剰反応度の燃焼変化
を示したものである。
【0093】低濃縮度燃料集合体で、可燃性毒物入り燃
料棒が互いにX方向またはY方向に隣接していない場
合、第1サイクルの余剰反応度はサイクル末期で約3%
Δk程度となり、第2サイクルにおいては最大約4%Δ
kになる。この余剰反応度を制御棒で制御することは、
挿入する制御棒本数が、用意されたコントロールセルの
数(本炉心では37個)では不足し、またこれ以上の制
御棒を運転中に挿入すると、径方向出力ピーキングが大
きくなり、運転制限値の最大線出力密度、MCPRを守
る炉心の制御棒計画が非常に困難である。
【0094】2.0wt%以上の濃縮度の低濃縮度燃料集
合体でも、可燃性毒物入り燃料棒が互いにX方向または
Y方向に隣接している場合は、第1サイクルで余剰反応
度は約2%Δkとなり、燃焼期間を通じて平坦化してお
り、所定のコントロールセルの数で間に合うため、制御
棒による余剰反応度反応度および出力分布の制御は極め
て容易になる。また第2サイクルにおいても、余剰反応
度の最大値は約2.5%Δkとなり、最大29本の制御
棒で運転が可能となる。
【0095】上記解析から明らかなように、第1サイク
ルのコントロールセル用低濃縮度燃料Lとして、集合体
平均濃縮度を2wt%以上にすると、第1、第2サイクル
無補給運転が可能で、その場合7.5wt%以上の濃度の
ガドリニア入り燃料棒を3本以上配置することが必要で
ある。
【0096】本実施の形態の燃料集合体では9×9燃料
の場合であるが、10×10燃料ではほぼ同じ平均濃縮
度に対して、7.5wt%以上の濃度のガドリニア入り燃
料棒を4本以上配置することが必要となる。
【0097】また、図10に示すように、第1サイクル
に炉心最外周に高濃縮度燃料Hを配置することにより、
炉心外周部の無限増倍率を高め中性子漏洩による周辺部
の出力の低下を補い、炉心径方向ピーキングが改善され
る作用を有する。そして、第1サイクルに高濃縮度燃料
集合体Hが炉心周辺部に装荷されるため、第2サイクル
に持ち越されるウラン235の量が濃縮度の高い高濃縮
度燃料集合体Hの燃焼の遅れの形で実現され、初装荷炉
心の経済性向上に寄与する。
【0098】既に公知の技術では、初装荷濃縮度多種類
炉心において、第1サイクルの炉心配置で最外周に最高
濃縮度燃料Hを配置することによって、この初装荷高濃
縮度燃料Hの燃焼が、他の炉心中央領域に配置された高
濃縮度初装荷燃料Hより燃焼が進まず、第2サイクル以
降に持ち越されるウラン235の量がより多くなって、
初装荷燃料の取出燃焼度を上げ、燃料経済性を上げるこ
とができる効果を有するものである。
【0099】これに対して、本実施の形態は、第1サイ
クル後に燃料取出しをしないで、燃料配置替えで第2サ
イクル炉心を構成するものであり、第1サイクルで最外
周に配置された高濃縮度燃料集合体Hが炉心の外周部か
ら2層目または更に内部に配置替えされた場合でも、隣
接ガドリニア入り燃料棒配置によって、他のより低濃縮
度の燃料よりも燃焼中の無限増倍率が過大にならないよ
うに抑制することができ、これによって第2サイクルの
余剰反応度を確保し易くできるとともに、初装荷炉心の
取出燃焼度向上効果を増強している。
【0100】また、図10、11に示すように、第1サ
イクルにおいて炉心最外周に高濃縮度燃料集合体Hを配
置し、更に第2サイクルにおいても炉心最外周に高濃縮
度燃料集合体Hを配置することによって、第2サイクル
終了後にも炉心から取り出されずに第3サイクルを構成
する燃料集合体となる高濃縮度燃料集合体Hの燃焼を遅
らせることができ、次サイクルに持ち越されるウラン2
35の量を増大させることができる。つまり、第2サイ
クル終了後に取出される予定のより低濃縮度の燃料集合
体または第1サイクルに炉心中央領域に配置されてより
燃焼度の進んだ高濃縮度燃料集合体Hを、第2サイクル
においてもより炉心中央の径方向出力ピーキングの高い
所で燃焼させることができ、第2サイクル終了後に取り
出される低濃縮度または中濃縮度の初装荷燃料集合体の
燃焼度をより高くすることができ、更に第3サイクルに
おいて炉心の最外周または最外周から2層目の出力の低
い所に配置される高濃縮度燃料集合体Hの取出燃焼度を
上げ、その結果初装荷燃科集合体全体の取出燃焼度を増
加させ、燃料経済性を上げることができる。
【0101】なお、ここでは省略しているが、第1サイ
クルで最外周に配した初装荷高濃縮度燃料集合体Hを、
原則として最外周の別の位置に再配置して、第2サイク
ルでの燃焼を更に遅らせ、かつ、水反射体6に面してい
た燃料の面を炉心内側の燃料に面するように工夫するこ
とも、第2サイクルの余剰反応度に余裕がある場合は取
ることができる。
【0102】また図14は、横軸に第1サイクルの炉心
平均濃縮度、縦軸に第1サイクル運転後に第2サイクル
を新燃料と交換することなしに運転できる長さを示した
もので、実線は第1サイクル終了後、燃料を移動させた
場合、破線は第1サイクル終了後、燃料を移動させなか
った場合を示す。なお、第1サイクルでは炉心最外周に
最高濃縮度の初装荷燃料が装荷されているものとする。
【0103】通常、原子炉を約1年間(すなわち1サイ
クル)運転しようとする場合、炉心平均で最低約10G
Wd/tまで燃焼させることができる反応度が必要であ
る。したがって、図14から、第1サイクルで炉心平均
濃縮度を約3.3wt%以上とし、さらに燃料の移動を第
1サイクル終了後に行うことで、第2サイクルも新燃料
と交換することなく運転できることが分かる。
【0104】図15〜図18は、本発明の第2の実施の
形態を示すもので、図15は可燃性毒物入り燃料棒の本
数が異なる2種類の初装荷高濃縮度燃料集合体H1 、H
2 の燃料棒配置例を、図16は2種類の初装荷高濃縮度
燃料集合体H1 、H2 の他の燃料棒配置例を、図17は
第1サイクルの炉心の燃料集合体装荷配置例を、図18
は第2サイクルの炉心の燃料集合体装荷配置例を示す。
【0105】本実施の形態は、第1の実施の形態では1
種類の高濃縮度燃料集合体Hを用いているのに対して、
図15(a)、(b)に示すように、可燃性毒物入り燃
料棒Gの本数が異なる2種類の初装荷高濃縮度燃料
1 、H2 を用いるものである。図15(a)に示す高
濃縮度燃料集合体H1 は、可燃性毒物であるガドリニア
入り燃料棒Gが10本あり、5本ずつ十字型隣接配置が
ウォータロッドWに直接面しないで配置されている。ま
た、図15(b)に示す高濃縮度燃料集合体H2 は、ガ
ドリニア入り燃料棒Gは12本あり、そのうち10本が
5本ずつ十字型に隣接配置され、残りは1本ずつ離れて
配置されている。以後は、図15(a)に示す高濃縮度
燃料集合体H1 を高濃縮度低Gd燃料集合体、図15
(b)に示す高濃縮度燃料集合体H2 を高濃縮度高Gd
燃料集合体という。
【0106】また図16は、図15に対応する別の燃料
棒配置例である。十字型に隣接配置したガドリニア入り
燃料棒Gを、よりウォータロッドWに近接した場合を示
している。この場合、ウォータロッドWからの熱中性子
の供給をより受けることから図15の場合よりガドリニ
アの燃焼は早くなるが、制御棒が挿入される位置(図1
5、16では左上隅)から離れていることから、制御棒
の価値が図15の配置に比べて大きくなるという利点が
ある。
【0107】高濃縮度低Gd燃料集合体H1 と高濃縮度
高Gd燃料集合体H2 は、ともに集合体平均濃縮度が同
じ初装荷高濃縮度燃料集合体なので、当然ガドリニア入
り燃料棒Gの本数が少ない低Gd燃料集合体H1 で出力
が高く、本数が多い高Gd燃料集合体H2 で低くなる。
【0108】したがって、図17の第1サイクルの燃料
の装荷配置例に示すように、例えば出力が高くなり易い
炉心中心部に、出力が低い高濃縮度高Gd燃料集合体H
2(図17、18中、符号2で示す。)を、出力が低い
特性がある炉心外周部に、出力が高い高濃縮度低Gd燃
料集合体H1 (図17、18中、符号1およびPで示
す。)を装荷するなど、初装荷高濃縮度燃料集合体Hで
も高Gd燃料H2 と低Gd燃料H1 の装荷位置を調整す
ることで、第1、第2サイクルの径方向出力ピーキング
の平坦化を更に改善することが可能となる。
【0109】すなわち、本実施の形態では、同じ高濃縮
度燃料集合体でも、可燃性毒物入り燃料棒G本数の少な
い高濃縮度燃料H1 を炉心最外周および外側から2層
目、3層目に集中的に配置し、可燃性毒物入り燃料棒G
本数の多い高濃縮度燃料H2 を炉心中央よりに配置して
いる。なお、図17、18において、高濃縮度低Gd燃
料集合体H1 を1で示し、特に第1サイクルで炉心最外
周に配置された高濃縮度低Gd燃料集合体H1 をPで示
し、高濃縮度高Gd燃料集合体H2 を2で示している。
【0110】中性子の径方向漏れにより外周部燃料集合
体の出力が低下する傾向があるのを、可燃性毒物入り燃
料棒本数が少なく中性子無限増倍率が大きく、出力が大
きくなり易い低Gd燃料集合体を配して、炉心の径方向
出力分布を平坦化する。その結果最大線出力密度の低
下、MCPRの増大など運転中の熱的制限パラメータが
良好になる。
【0111】また、炉心の最外周に無限増倍率の大きい
低Gd燃料集合体を配置することになるが、中性子の漏
れによる効果で低温時の炉停止余裕もそれほど悪化させ
ることなく満足できる範囲にとどめることができる。
【0112】さらに、第1サイクルのコントロールセル
5(図17で、制御棒周囲に4体の低濃縮度燃料集合体
Lを配し、太線の四角で囲った部分)にXY方向に挟ま
れた制御棒セルには、一部に高濃縮度低Gd燃料集合体
「1」を配置し、コントロールセル5に対角の位置の制
御棒セルには、高濃縮度低Gd燃料集合体「1」は一体
も配置しない。
【0113】コントロールセル5は、濃縮度の低い燃料
集合体で構成されていること、および運転中制御棒が挿
入されていることが多いので出力が低く、それに隣接し
て挟まれる制御棒セルの燃料集合体の出力も抑制され
る。したがって、コントロールセル5にXY方向に隣接
する制御棒セルを、無限増倍率の大きく出力が高くなり
易い燃料集合体「1」を1体または2体配置して、高濃
縮度燃料集合体3体と中濃縮度燃料1体で構成しても、
径方向出力ピーキングは過大にならない。
【0114】これに対し、コントロールセル5に対角位
置の制御棒セルは、コントロ一ルセル5の燃料とはコー
ナーで接しているだけなので、出力の抑制はほとんど受
けない。したがって、原則的に高濃縮度燃料集合体
「2」を2体と中濃縮度燃料集合体M、低濃縮度燃料集
合体Lの4体で構成して、出力ピーキングを抑制する。
【0115】このような中央領域での高濃縮度燃料集合
体の可燃性毒物設計の異なる2種類以上の燃料集合体の
配置をとることによって、径方向出力分布が炉心中央領
域の中でも平坦化することができる。
【0116】また、第1サイクルにおいて炉心最外周に
配置されていた初装荷高濃縮度燃料集合体「P」は出力
が低いため燃焼が進まないので、これに含有されている
可燃性毒物および核分裂性物質は第2サイクルにおいて
も十分残っている。したがって、第1サイクルの後に続
く第2サイクルにおいて、図18に示すように、この初
装荷高濃縮度燃料集合体「P」を第2サイクル炉心内部
領域に移動させることによって、可燃性毒物の濃度を過
度に高めることなく第2サイクルの余剰反応度を適切な
範囲に制御することができるとともに、第2サイクルの
燃焼効率を高めることができる。
【0117】例えば、図18に示すように、第2サイク
ルにおいて、コントロールセル5にXまたはY方向に挟
まれたセルには、第1サイクルに炉心最外周に装荷され
た初装荷高濃縮度燃料集合体「P」1体と初装荷低濃縮
度燃料集合体L1体が装荷され、コントロールセル5に
斜め方向に挟まれたセルには、第1サイクルに炉心最外
周に装荷された初装荷高濃縮度燃料集合体「P」1体と
初装荷低濃縮度燃料集合体L2体が装荷されている。こ
れにより、炉心径方向ピーキングを平坦化させるととも
に、第2サイクルの炉心の反応度を上げることができ
る。
【0118】すでに述べたように、第1サイクルにおい
て炉心の最外周に装荷された燃料集合体は、他の炉心中
央領域に装荷された燃料集合体と比較してほとんど燃焼
が進まない。第1サイクルにおいて炉心最外周に装荷さ
れた初装荷燃料集合体が最高濃縮度である場合、その核
燃料物質の量をほとんど第2サイクル以降に持ち越すこ
とができる。このため、第2サイクルにおいて炉心中央
領域にこれらの燃料集合体を装荷することで、第2サイ
クルの炉心反応度をより上げることができる。ところ
が、これらの燃料集合体は反応度が高い分、第2サイク
ルにおいては出力が高くなりやすく、その炉心内におけ
る配置においてはより熟慮が必要となる。ここでは、こ
れらの燃料集合体の第2サイクルにおける装荷位置を考
慮し、1つの制御棒セルに、第1サイクルで炉心最外周
に装荷された燃料集合体を1体ずつ装荷し、コントロー
ルセル5にXY方向に隣接したセルには、制御棒による
出力抑制効果が大きいので、出力が低い初装荷低濃縮度
燃料集合体Lを1体のみ装荷し、制御棒による出力抑制
効果がより小さい、コントロールセル5に斜めに隣接し
たセルには、初装荷低濃縮度燃料集合体Lを2体装荷さ
せる。これにより、第2サイクルにおける反応度を上げ
ると同時に径方向ピーキングの平坦化が可能となる。
【0119】なお、ここでは省略しているが、図18の
第2サイクル燃料装荷パターンの変形例として、第1サ
イクルで最外周に配した初装荷高濃縮度燃料集合体
「P」を、原則として最外周の別の位置に再配置して、
第2サイクルでの燃焼をさらに遅らせ、かつ、水反射体
6に面していた燃料の面を炉心内側の燃料に面するよう
に工夫することも、第2サイクルの余剰反応度に余裕が
ある場合は可能である。
【0120】図19は、本発明の第3の実施の形態の初
装荷高濃縮度燃料集合体の燃料棒配置例を、図20は図
19の他の燃料棒配置例を示すものである。図19およ
び図20において、初装荷高濃縮度燃料集合体Hでは、
複数本の可燃性毒物入り燃料棒が十字型、またはL字型
に隣接配置され、その一部の可燃性毒物入り燃料棒は、
燃料軸方向下部の領域の少なくとも一部にのみ可燃性毒
物を含有する構成となっている。ここでは、第2の実施
の形態の高濃縮度燃料集合体のように、可燃性毒物入り
燃料棒の本数を変えた2種類を示すことは省略している
が、第2の実施の形態と同様に適用できることはもちろ
んである。
【0121】図19および図20において、G2 の燃料
棒には、燃料集合体軸方向のほぼ下半分、詳細には燃料
有効長の下端天然ウラン充填領域3を除く、燃料長有効
長の下端から1/3〜2/3の範囲の領域のみに可燃性
毒物が含まれており、G1 の燃料棒には燃料有効長上下
端の天然ウラン充填領域3を除くほぼ全長に可燃性毒物
が含まれている。また、図19、20中に、可燃性毒物
入り燃料棒G1 、G2の濃度と、それぞれの燃料棒本数
を示している。
【0122】さらに、図19、図20では省略している
が、G1の燃料棒で燃料有効長上下端の天然ウラン充填
領域3は可燃性毒物なしで、上端天然ウラン充填部3の
下に続く短い領域にはやや低い可燃性毒物濃度としてま
たは毒物なしとして、残りの濃縮部領域に7.5wt%以
上の濃度の可燃性毒物を添加しても良い。
【0123】この実施の形態では、可燃性毒物であるガ
ドリニアの濃度は10wt%であり、可燃性毒物が含まれ
ている燃料棒の本数は、燃料棒の軸方向のほぼ全てに含
まれているもの(図19、20でG1 に相当)が8本、
下部領域のみに含まれている燃料棒(図19、20でG
2 に相当)は2本である。
【0124】図21は、図19、20に示すような燃料
軸方向下部の領域の一部にのみ可燃性毒物を含有する燃
料棒G2 を有する燃料集合体を使用した場合の第1サイ
クル初期の炉心平均軸方向出力分布の例を実線Fで示
し、燃料軸方向下部の領域一部にのみ可燃性毒物を含有
している燃料棒G2 を有さない炉心軸方向出力分布を破
線Iで示している。
【0125】破線Iの軸方向出力分布においては、下部
のピークを抑制し、実線Fに近い軸方向出力分布にする
ため、制御棒を浅く挿入(炉心有効長の下端からほぼ2
/5深さ以下に挿入)することで、下部の出力を抑える
ことが可能であるが、燃料軸方向下部領域の一部にのみ
可燃性毒物を含有する燃料棒G2 を有する場合、可燃性
毒物による中性子吸収効果により、前記のような制御棒
の操作なしに、炉心軸方向の出力は抑えられる。特に、
本実施の形態の初装荷高濃縮度燃料集合体Hにおいて
は、図19、図20に示すように、十字型に隣接配置し
たガドリニア入り燃料棒の中心に、軸方向下部にのみガ
ドリニアを有する領域を設けているので、軸方向上部領
域では可燃性毒物の隣接干渉効果が弱く、下部よりも可
燃性毒物の燃える速度が大きくなる。これに対して、下
部では可燃性毒物の隣接干渉効果が大きく、可燃性毒物
の燃える速度が小さい。そのため、燃料集合体全体の反
応度がピークを迎える(つまり径方向出力ピーキングが
大きくなる)第1サイクル末期でも、可燃性毒物が下部
では燃え残りが多く、集合体上方の反応度を高めて下部
の反応度を抑制するため、燃料集合体の軸方向出力分布
が下方ピークになり易いの抑えて、軸方向出力分布を第
1サイクルを通じて、更に第2サイクルの中期まで平坦
化することができる。
【0126】図22は、本発明の第4の実施の形態の初
装荷高濃縮度燃料集合体の燃料棒配置例を示すもので、
これは第1、2、3の実施の形態の初装荷高濃縮度燃料
集合体Hに関する変形例である。
【0127】図22は、複数の長尺燃料棒と、この長尺
燃料棒よりも有効部分長さが短い複数の短尺燃料棒とを
正方格子状に束ねて構成された初装荷燃料集合体で、短
尺燃料棒の濃縮度を2種類とした例を示す。この図の上
部は燃料集合体横断面を示しており、下部は燃料棒の軸
方向平均濃縮度分布を示している。ここでは、燃料棒軸
方向の詳細な濃縮度分布は省略しているが、一部の燃料
棒は公知の従来技術による軸方向濃縮度分布を有してい
ても良い。
【0128】図22において、符号a、b、c、dは燃
料棒の天然ウラン領域を除いた濃縮部領域の平均濃縮度
を示しており、a>b>c>dである。また、燃料棒タ
イプA、B、C、Dは可燃性毒物の入っていない長尺燃
料棒を、E、Fは燃料有効長が長尺燃料棒の14/24
である短尺燃料棒を、Gは可燃性毒物入り燃料棒を示し
ている。
【0129】ところで、燃料棒格子配列の外から2層目
の隅部の位置(2、2)およびその1/4対称位置の燃
料棒は、その外側に隣接する燃料棒の局所出力ピーキン
グを抑制する必要から濃縮度を比較的低くするか可燃性
毒物を入れる。また、2層目隅部は隣接した燃料棒の出
力が高いことから、燃料集合体内での冷却条件としては
厳しい部位に当たり、燃料集合体の出力が高い期間(径
方向出力ピーキングが高い期間)、その出力ピーキング
は2層目の他の位置または3層目から内側の燃料棒より
も低く保ち続ける必要がある。そのため、この位置の燃
料棒の濃縮度は最高濃縮は使わず比較的低い濃縮度(最
高濃縮度を含めて上から3番目程度以下の濃縮度)とす
るのが通常である。
【0130】また、(5、2)およびその1/4対称配
置は2層目の位置であるが、隅部から遠ざかっているの
で、(2、2)の位置程冷却上の制約は少ない。しかし
ながら、やはり出力ピーキングの制約を受け、濃縮度的
には上から2番目以下の濃縮度が使われる一方、燃料集
合体の横断面平均濃縮度の設定、軸方向の濃縮度分布調
整に使われる。
【0131】したがって、外から2層目の隅部の(2、
2)位置および(5、2)位置ならびにその1/4対称
位置の短尺燃料棒は濃縮度を低く設定する必要があり、
またその本数が少ないことから同一濃縮度とすることが
普通であったが、初装荷燃料の可燃性毒物の濃度が取替
燃料に比較して高くなってきたことから、本発明のよう
に短尺燃料棒の濃縮度を2種類にしてより高くすること
が効果として認められる。
【0132】本実施の形態によれば、初装荷燃料集合体
に含まれる燃料棒の熱的特性をより厳しくすることなし
に、つまり、燃料集合体横断面の出力分布を平坦にでき
る同時に、燃料集合体の平均濃縮度を上げることがで
き、これにより炉心の平均濃縮度を上げることができ
る。
【0133】これは、燃料ペレットに高ガドリニア濃度
を添加する場合に、ガドリニア添加燃料ペレットの熱伝
導度が、ガドリニアを添加しない場合または取替燃料の
ようにガドリニア濃度が5wt%以下の場合に比べて、大
幅に低下することに対する燃料機械設計から来ている。
ガドリニア入り燃料ペレットの熱機械設計条件(径方向
膨張)が、最大線出力を出すウランペレットより大きく
ならないようにするには、高濃度ガドリニアを添加する
ウランペレットの濃縮度を低下させる必要があるが、こ
の濃縮度低下はガドリニア濃度が高くなるにつれ、その
必要性は大きくなる。ところが、それは最大ウラン濃縮
度5wt%以下という現在の燃料製造上の制限と絡んで、
燃料集合体平均濃縮度をできるだけ高めようという場合
には、その制約因子となる。
【0134】特に、13ヶ月運転以上で平均取出燃焼度
45GWd/tを目標とする、取替燃料と同一平均濃縮
度の初装荷高濃縮度燃料を設計する場合には、取替燃料
の可燃性毒物入り燃料棒本数が12〜16本程度に対し
て、初装荷高濃縮度燃料の可燃性毒物入り燃料棒本数は
同程度または2〜3本少ない程度であり、その本数が燃
料集合体の燃料棒本数全体に占める割合も多いので(例
えば10〜12本程度、なお9×9燃料集合体の燃料棒
本数は部分長燃料も含めて74本)、7.5wt%以上の
ガドリニア入り燃料棒の濃縮度を、前述のように10本
分、取替燃料の場合より例えば0.3wt%だけ濃縮度を
下げる必要があるとすると、燃料集合体横断面平均濃縮
度では0.04wt%下がることになる。この分を他の燃
料棒の濃縮度を上げることより補償するとしても、2層
目から内側の燃料棒は、隅部(2、2)位置とその1/
4対称位置を除くと、ほぼ最高濃縮度またはガドリニア
入り燃料棒が占めており、これ以上の濃縮度増加はでき
ない。最外周の位置の燃料棒の濃縮度の増加は局所出力
ピーキングの増加つまり最大線出力密度(kW/m)の
増加を意味し、運転余裕が低下するので採用できない。
【0135】そこで、燃料格子の2層目の列の隅部以外
の短尺燃料棒(図22では燃料棒タイプEで示す。)に
注目し、従来隅部短尺燃料棒と同一濃縮度にしていたの
を、局所出力ピーキングの許す範囲で隅部の短尺燃料棒
より濃縮度を高めて、前記の横断面平均濃縮度の補償に
使用する。その結果、燃料棒の種類は1種類増加する
が、取替燃料と同一平均濃縮度の初装荷高濃縮度燃料が
でき、初装荷炉心の取出燃焼度を取替炉心のそれに近づ
けることができると同時に、高濃縮度初装荷燃料に7.
5wt%以上のガドリニア入り燃料棒を使った場合に、こ
の燃料の局所出力ピーキングを小さくできる。
【0136】特に、初装荷濃縮度多種類炉心では、取替
炉心と異なり高濃縮度で未燃焼の新燃料が多数を占め、
その濃縮度とガドリニア入り燃料棒とて第1サイクル初
期の必要反応度を約1%Δk余裕に調整することから、
取替燃料よりもガドリニア入り燃料棒本数が少なく、そ
の分燃焼初期の無限増倍率が取替燃科より1%Δk程度
高くならざるをえない。その結果、取替炉心の場合は、
前サイクル装荷燃料(第1サイクル燃焼燃料)が径方向
出力ピーキングを示し、取替燃料の新燃料は径方向出力
ピーキングが低くその分高局所ピーキングが許されるの
に対し、第1サイクルの初期の径方向出力ピーキングも
高濃縮度初装荷燃料に発生することが多いので、取替燃
料よりも燃焼初期の局所出力ピーキングを抑制する必要
性がある。
【0137】本実施の形態によれば、このような第1サ
イクル特有の問題に対して、7.5wt%以上の濃度のガ
ドリニアを添加した初装荷高濃縮度燃料を用いる場合に
効果がある。
【0138】図23は、本発明の第5の実施の形態の初
装荷高濃縮度燃料集合体を示すもので、第4の実施の形
態の変形例を示している。この実施の形態の初装荷高濃
縮度燃料集合体Hは、複数の長尺燃料棒と、この長尺燃
料棒よりも有効部分長さが短い複数の短尺燃料棒とを正
方格子状に束ねて構成された初装荷燃料集合体で、短尺
燃料棒の濃縮度を2種類とし、最外周から2層目の
(5、2)の位置およびその1/4対称位置の短尺燃料
棒の濃縮度を、燃料集合体中最高の濃縮度のペレットと
している。
【0139】すなわち、本実施の形態は、この燃料集合
体横断面の格子配列で外側から2層目の(5、2)の位
置およびその1/4対称位置の短尺燃料棒を最高濃縮度
にすることによって、第4の実施の形態の効果を最大に
引き出したものである。つまり、図23に示す初装荷高
濃縮度燃料集合体Hで、短尺燃料棒Eに燃料集合体中最
高の濃縮度aのペレットを装荷することで、容易に目的
を達成することができる。
【0140】これにより、第4の実施の形態の初装荷高
濃縮度燃料集合体の平均濃縮度より高めて取替燃料集合
体と同じ濃縮度にすることができ、同時に局所出力ピー
キングの増加をより効果的に抑制することができる。例
えば図23において、短尺燃料棒E、Fを全て濃縮度b
(例えば4.4wt%)である場合、局所ピーキング係数
(燃料集合体平均の出力に対するそれぞれの燃料棒の出
力の比)は、短尺燃料棒で約1.2となるが、燃料集合
体の平均濃縮度は、約3.7%となる。これに対して、
(5、2)およびその1/4対称位置の短尺燃料棒Eの
濃縮度をa(例えば4.9wt%)に上げた場合では、局
所ピーキング係数はほとんど変化せず、燃料集合体の平
均濃縮度を、約3.9%に高めることができる。
【0141】このような第4、第5の実施の形態の初装
荷高濃縮度燃料集合体における短尺燃料棒E、Fの濃縮
度設計を、第1〜3の実施の形態の高濃縮度燃料集合体
に適用することにより、初装荷炉心平均濃縮度を増加さ
せることができ、かつ高濃縮度燃料集合体の局所出力ピ
ーキングを低減できることから、炉心の最大線出力密度
(kW/m)を運転制限値に対して大きく余裕のある炉
心とすることができる。
【0142】図24は、本発明の第6の実施の形態の初
装荷高濃縮度燃料集合体の燃料棒配置例を示すもので、
この初装荷高濃縮度燃料集合体Hでは、燃料集合体上端
部(下から23/24から燃料棒上端まで)のみに天然
ウランブランケット3を配している。また、天然ウラン
ブランケットを廃した燃科集合体下端部(下から1/2
4までの領域)で、可燃性毒物入り燃料棒Gが十字型
に、5本づつ隣接して配置してある。
【0143】図25に、装荷される初装荷燃料集合体の
下部天然ウランブランケットを廃した場合の、第1サイ
クル初期および第2サイクル初期における炉心平均の軸
方向出力分布を示す。図25において、初装荷燃料集合
体内で可燃性毒物入り燃料棒Gが隣接している場合を実
線Jで、隣接していない場合を破線Kで示している。燃
料集合体下端部で可燃性毒物入り燃料棒Gが隣接してい
るために、第1サイクル初期においては、実線J1 で示
すように、可燃性毒物入り燃料棒Gが隣接していない場
合(破線K1 )と比較して、下端部の出力抑制効果は小
さいが、可燃性毒物の持続効果は大きい。この可燃性毒
物は第2サイクルにおいても燃え残っているため、第2
サイクルにおいては、実線J2 で示すように、可燃性毒
物入り燃料棒Gが隣接していない場合(破線K2 )と比
較して、燃料集合体の下端部の出力を抑制でき、軸方向
の出力分布が平坦化していることがわかる。
【0144】図26は、図24に示す第6の実施の形態
の初装荷高濃縮度燃料集合体Hの他の燃料棒配置例を示
すもので、燃料集合体上端部においても天然ウランブラ
ンケットを廃している。これは、初装荷燃料に装荷され
るウラン量をより多くし、初装荷燃料の取出燃焼度を上
げて、燃料経済性を向上させる場合に有効である。
【0145】図27は、本発明の第7の実施の形態とし
て、移行サイクルに装荷される取替燃料集合体の燃料棒
配置例を示すものである。この移行サイクル取替燃料集
合体11には、初装荷燃料の最高濃縮度の燃料集合体と
等しいか少ない本数の可燃性毒物入り燃料棒Gが配置さ
れる。
【0146】第1〜6の実施の形態の初装荷燃料集合体
が装荷された炉心は、約1年間の第1サイクル運転後
に、燃焼した燃料を新燃料と交換することなしに、単に
炉心内の燃料集合体を移動するだけで第2サイクルを運
転することができる。この第2サイクルとして、また約
1年間運転された後に原子炉は停止され、今度は燃焼し
た燃料集合体が取出され、新しい燃料集合体が装荷され
る。このように燃料集合体を部分的に交換しながら第
3、第4、…と運転サイクルを繰り返し、第1サイクル
から相当の長期間を経て炉心全体の燃料成分が隣接する
サイクル間でほとんど一定となったサイクルを平衡サイ
クルという。なお、この平衡サイクルに到達すると、隣
接するサイクルの熱的特性(最大線出力密度、MCP
R、径方向出力ピーキング等)、サイクル終了後の取替
燃料集合体数、炉心の燃料装荷配置、サイクル運転中の
制御棒パターン計画等がほぼ等しく安定している。この
時の取替燃料として使用される平衡サイクル取替燃料集
合体の例を図28に示す。
【0147】図28(a)に示す取替燃料集合体12と
(b)に示す取替燃料集合体13は、平均濃縮度が等し
く、可燃性毒物であるガドリニア入り燃料棒Gの本数が
それぞれ13本(低Gd)、16本(高Gd)と異なっ
ている。
【0148】取替燃料集合体11、12、13の燃焼に
伴う反応度の変化を図29に実線、破線および一点鎖線
で示す。
【0149】通常、図28に示す2種類の取替燃料の体
数を調整することにより、炉心の反応度を調整する。し
かしながら、平衡サイクルになるまでの第3、第4サイ
クルなどの移行サイクルでは、特に第1サイクルおよび
第2サイクルを新燃料の装荷なしに運転した場合、第3
サイクル、または第4サイクル、またはその両サイクル
において、図28に示すような取替燃料を装荷した場
合、ガドリニアの本数が多いことから、図30に破線で
示すように、炉心全体の反応度が低下する。そのため、
原子炉の運転中に使用できる制御棒の本数が減り、制御
棒による反応度のコントロールが難しくなるとともに、
熱的特性も悪化することになる。
【0150】図27に示すように、可燃性毒物であるガ
ドリニア入り燃料棒Gの本数が12本であるような、初
装荷燃料の高濃縮度燃料Hと可燃性毒物入り燃料棒Gの
本数が等しいかまたは少ない取替燃料11(スペシャル
燃料)を第3サイクルまたは第4サイクルもしくはその
両サイクルにおいて使用することで、図30に実線で示
すように、炉心反応度を極度に低下させることなく、移
行サイクルを運転することが可能となる。
【0151】好ましくは取替スペシャル燃料11のみで
第3または第4サイクルなどの移行サイクルを運転でき
ることが、燃料費が安くなることから理想的であるが、
この取替スペシャル燃料11と合わせて可燃性毒物入り
燃料棒Gの本数が13本または16本である、通常使用
されている取替燃料12、13を併用することで、炉心
特性の改善を図ることも可能である。
【0152】なお、以上の第1から第7の実施の形態に
おいては、初装荷燃料の濃縮度種類数が3種類の例を示
したが、濃縮度種類数は3種類に限らず、2種類もしく
は4種類でも同様の効果が得られる。
【0153】
【発明の効果】上記したように、本発明によれば、濃縮
度多種類の初装荷炉心において、炉心平均濃縮度を増加
した場合でも、初装荷燃料集合体内のガドリニア入り燃
料棒の配置を適切にすることで、第1サイクル終了後、
第2サイクルを新燃料の交換なしで運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の初装荷低濃縮度燃
料集合体の構成を示す模式図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の初装荷中濃縮度燃
料集合体の構成を示す模式図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の初装荷高濃縮度燃
料集合体の構成を示す模式図である。
【図4】初装荷低濃縮度燃料集合体の可燃性毒物入り燃
料棒が隣接している場合と隣接していない場合の無限増
倍率の燃焼変化を示す図である。
【図5】初装荷中濃縮度燃料集合体の可燃性毒物入り燃
料棒が隣接している場合と隣接していない場合の無限増
倍率の燃焼変化を示す図である。
【図6】初装荷高濃縮度燃料集合体の可燃性毒物入り燃
料棒が隣接している場合と隣接していない場合の無限増
倍率の燃焼変化を示す図である。
【図7】本発明にかかる初装荷低濃縮度燃料集合体の他
の例を示す図である。
【図8】本発明にかかる初装荷中濃縮度燃料集合体の他
の例を示す図である。
【図9】本発明にかかる初装荷高濃縮度燃料集合体の他
の例を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態の初装荷燃料集合
体を装荷した1/4炉心の第1サイクルの燃料配置を示
す図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態の初装荷燃料集合
体を装荷した1/4炉心の第2サイクルの燃料配置を示
す図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態の炉心における第
1サイクルの余剰反応度を示す図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態の炉心における第
2サイクルの余剰反応度を示す図である。
【図14】初装荷炉心平均濃縮度と第2サイクルで運転
ができる長さの関係を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態の2種類の初装荷
高濃縮度燃料集合体の断面を示す図である。
【図16】本発明にかかる2種類の初装荷高濃縮度燃料
集合体の他の例を示す図である。
【図17】本発明の第7の実施の形態の初装荷燃料集合
体を装荷した1/4炉心の第1サイクルの燃料配置を示
す図である。
【図18】本発明の第7の実施の形態の初装荷燃料集合
体を装荷した1/4炉心の第2サイクルの燃料配置を示
す図である。
【図19】本発明の第3の実施の形態の初装荷高濃縮度
燃料の構成を示す図である。
【図20】本発明の第3の実施の形態の初装荷高濃縮度
燃料の他の例を示す図である。
【図21】本発明の第3の実施の形態の初装荷高濃縮度
燃料集合体が装荷された第1サイクルの炉心平均の軸方
向出力分布を示す図である。
【図22】本発明の第4の実施の形態の初装荷高濃縮度
燃料集合体の構成を示す図である。
【図23】本発明の第5の実施の形態の初装荷高濃縮度
燃料集合体の構成を示す図である。
【図24】本発明の第6の実施の形態の初装荷高濃縮度
燃料集合体の構成を示す図である。
【図25】本発明の第6の実施の形態の第1サイクルお
よび第2サイクルにおける炉心平均の軸方向出力分布を
示す模式図である。
【図26】本発明の第6の実施の形態の初装荷高濃縮度
燃料集合体の他の構成例を示す図である。
【図27】本発明にかかる移行サイクル取替燃料集合体
の構成例を示す図である。
【図28】平衡サイクルで使用される取替燃料集合体の
構成例を示す図である。
【図29】本発明にかかる取替燃料集合体の無限増倍率
の燃焼変化を示した図である。
【図30】本発明にかかる取替燃料集合体を使用した場
合の余剰反応度の燃焼変化を示す図である。
【符号の説明】
1………燃料棒 2………チャンネルボックス 3………天然ウランブランケット 4………燃料集合体 5………コントロールセル 6………水反射体 11、12、13………取替燃料集合体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 肥田 和毅 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 吉田 紀之 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の燃料棒をXY方向に正方格子状に
    配置して束ねた燃料集合体において、7.5重量%以上
    の可燃性毒物を含有する燃料棒を少なくとも3本以上有
    し、かつ前記可燃性毒物を含有する燃料棒の少なくとも
    1部がXまたはY方向に互いに隣接して配置されている
    ことを特徴とする燃料集合体。
  2. 【請求項2】 同一炉心に装荷される燃料集合体の中で
    最も濃縮度が高い燃料集合体であって、前記可燃性毒物
    を含有する燃料棒の1部が軸方向下部にのみ可燃性毒物
    を含有することを特徴とする請求項1記載の燃料集合
    体。
  3. 【請求項3】 有効部分長が短い短尺燃料棒を複数本有
    し、かつ前記短尺燃料棒の濃縮度が複数種類あることを
    特徴とする請求項1または2記載の燃料集合体。
  4. 【請求項4】 前記短尺燃料棒のうち少なくとも1本
    が、すべての燃料棒の中で最も高い濃縮度の核燃料物質
    を有することを特徴とする請求項3記載の燃料集合体。
  5. 【請求項5】 有効長下端部に天然ウランより大きな濃
    縮度の核分裂性物質を有する燃料棒が配置され、そのう
    ちの少なくとも3本が前記有効長下端部に可燃性毒物を
    含有し、かつ有効長下端部に天然ウランより大きな濃縮
    度の核分裂性物質と可燃性毒物を含有する前記燃料棒が
    X方向またはY方向もしくはその両方向に互いに隣接し
    ていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1
    項に記載の燃料集合体。
  6. 【請求項6】 同一炉心に装荷される燃料集合体の中で
    最も濃縮度が低い燃料集合体であって、平均濃縮度が
    2.0重量%以上であることを特徴とする請求項1記載
    の燃料集合体。
  7. 【請求項7】 炉心に初装荷される初装荷燃料集合体で
    あることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項
    に記載の燃料集合体。
  8. 【請求項8】 初装荷燃料集合体と交換される燃料集合
    体において、可燃性毒物を含有する燃料棒の本数が、同
    一炉心に装荷される初装荷燃料集合体の中で最も濃縮度
    が高い初装荷燃料集合体での前記可燃性毒物を含有する
    燃料棒の本数と比べて、同等かまたは少ないことを特徴
    とする燃料集合体。
  9. 【請求項9】 複数の燃料棒をXY方向に正方格子状に
    配列してなる燃料集合体が多数装荷された原子炉の炉心
    において、集合体平均濃縮度が異なる複数種類の初装荷
    燃料集合体で構成され、前記初装荷燃料集合体が7.5
    重量%以上の可燃性毒物を含有する燃料棒を少なくとも
    3本以上有し、かつ前記可燃性毒物を含有する燃料棒の
    少なくとも1部がXまたはY方向に互いに隣接して配置
    されていることを特徴とする原子炉の炉心。
  10. 【請求項10】 前記初装荷燃料集合体のうち最高濃縮
    度の燃料集合体が複数種類あり、それぞれ前記可燃性毒
    物を含有する燃料棒の本数が異なることを特徴とする請
    求項9記載の原子炉の炉心。
  11. 【請求項11】 軸方向下部にのみ可燃性毒物を含有す
    る燃料棒を有する最高濃縮度の燃料集合体が複数装荷さ
    れていることを特徴とする請求項9または10記載の原
    子炉の炉心。
  12. 【請求項12】 前記初装荷燃料集合体が、核燃料物質
    の濃縮度が異なる複数種類の、有効部分長が短い短尺燃
    料棒を有することを特徴とする請求項9ないし11のい
    ずれか1項に記載の原子炉の炉心。
  13. 【請求項13】 前記短尺燃料棒のうち少なくとも1本
    が、当該初装荷燃料集合体内で最も高い濃縮度の核燃料
    物質を含有することを特徴とする請求項12記載の原子
    炉の炉心。
  14. 【請求項14】 前記初装荷燃料集合体が、有効長下端
    部に天然ウランより大きな濃縮度の核分裂性物質を含有
    する燃料棒を有し、そのうちの少なくとも3本は前記有
    効長下端部に可燃性毒物を含有し、かつ有効長下端部に
    天然ウランより大きな濃縮度の核分裂性物質と可燃性毒
    物を含有する前記燃料棒がX方向またはY方向もしくは
    その両方向に互いに隣接していることを特徴とする請求
    項9ないし13のいずれか1項に記載の原子炉の炉心。
  15. 【請求項15】 炉心平均濃縮度が3.3重量%以上で
    あることを特徴とする請求項9ないし14のいずれか1
    項に記載の原子炉の炉心。
  16. 【請求項16】 前記初装荷燃料集合体のうち最低濃縮
    度の燃料集合体が、2.0重量%以上の集合体平均濃縮
    度を有することを特徴とする請求項9ないし15のいず
    れか1項に記載の原子炉の炉心。
  17. 【請求項17】 前記初装荷燃料集合体のうち最高濃縮
    度の燃料集合体が炉心最外周に装荷されていることを特
    徴とする請求項9ないし16のいずれか1項に記載の原
    子炉の炉心。
  18. 【請求項18】 前記初装荷燃料集合体の中の最高濃縮
    度の燃料集合体のうち、可燃性毒物を含有する燃料棒の
    本数が少ない燃料集合体が炉心最外周に装荷されている
    ことを特徴とする請求項9ないし17のいずれか1項に
    記載の原子炉の炉心。
  19. 【請求項19】 第2の運転サイクルで、前記初装荷燃
    料集合体のうち最高濃縮度の燃料集合体が炉心最外周に
    装荷されていることを特徴とする請求項17または18
    に記載の原子炉の炉心。
  20. 【請求項20】 第2の運転サイクルで、XまたはY方
    向にコントロールセル間に挟まれたセルには、最初の運
    転サイクルで炉心最外周に装荷された前記最高濃縮度の
    燃料集合体1体と低濃縮度の前記初装荷燃料集合体1体
    が装荷されていることを特徴とする請求項17ないし1
    9のいずれか1項に記載の原子炉の炉心。
  21. 【請求項21】 第2の運転サイクルで、斜め方向にコ
    ントロールセル間に挟まれたセルには、最初の運転サイ
    クルで炉心最外周に装荷された前記最高濃縮度の燃料集
    合体1体と低濃縮度の前記初装荷燃料集合体2体が装荷
    されていることを特徴とする請求項17または18に記
    載の原子炉の炉心。
  22. 【請求項22】 7.5重量%以上の可燃性毒物を含有
    する燃料棒を少なくとも3本以上有しかつ前記可燃性毒
    物を含有する燃料棒の少なくとも1部がXまたはY方向
    に互いに隣接して配置された、集合体平均濃縮度が異な
    る複数種類の初装荷燃料集合体を、最高濃縮度の燃料集
    合体が炉心最外周に配置されるように炉心に装荷して第
    1サイクルの運転を行った後、前記複数種類の初装荷燃
    料集合体を炉心内にて移動させ、かつ最高濃縮度の燃料
    集合体を炉心最外周に配置させることにより、新燃料を
    装荷することなく第2サイクルの運転を行い、第3サイ
    クル目から、前記初装荷燃料集合体の一部を、前記可燃
    性毒物を含有する燃料棒の本数が前記最高濃縮度の初装
    荷燃料集合体の可燃性毒物を含有する燃料棒の本数と同
    じかそれ以下の新燃料集合体と順次交換して運転するこ
    とを特徴とする炉心の運転方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011169858A (ja) * 2010-02-22 2011-09-01 Global Nuclear Fuel-Japan Co Ltd 沸騰水型原子炉の初装荷炉心
JP2012137378A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Global Nuclear Fuel-Japan Co Ltd 初装荷炉心およびそれに用いる燃料集合体ならびに沸騰水型原子炉の運転方法
WO2019062507A1 (zh) * 2017-09-28 2019-04-04 华龙国际核电技术有限公司 燃料棒和燃料组件

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