JPH10142365A - 燃料集合体 - Google Patents
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- JPH10142365A JPH10142365A JP8302630A JP30263096A JPH10142365A JP H10142365 A JPH10142365 A JP H10142365A JP 8302630 A JP8302630 A JP 8302630A JP 30263096 A JP30263096 A JP 30263096A JP H10142365 A JPH10142365 A JP H10142365A
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Abstract
余裕および炉停止余裕を改善して燃料健全性を向上させ
るとともに、より高燃焼度での使用に適した燃料経済性
の高い燃料集合体を提供する。 【解決手段】長さが異なる2種類以上の燃料棒と内部を
冷却材の一部が流れる水棒を複数のスペーサを用いて任
意の格子形状に束ね、この燃料束をチャンネルボックス
で包囲して構成された燃料集合体において、複数本の燃
料棒は長尺燃料棒とこれよりも長さの短い短尺燃料棒と
からなり、かつ短尺燃料棒の有効部上端が長尺燃料棒の
うち最も長い有効部の14/24の高さ以下に位置する
ことを特徴とする。
Description
WR)に用いられる燃料集合体に関する。
に、燃料の取出燃焼度の伸長(高燃焼度化)や、原子炉
単位体積当たりの出力増加(出力密度増加)を図ること
が進められている。沸騰水型原子炉においても、原子炉
に装荷される燃料集合体の高燃焼度化を図るため、様々
な設計が考えられてきた。
8に示す。図8(a)は燃料集合体の一部縦断面図、
(b)(c)はそれぞれ(a)のB−B,C−C矢視横
断面図である。ここで、燃料集合体1は長尺燃料棒2、
短尺燃料棒3及び太径ウォータロッド6を複数のスペー
サ8で正方格子状に束ねて上部タイプレート4及び下部
タイプレート5に固定して燃料棒束とし、この燃料棒束
をチャンネルボックス7で包囲して構成されている。
体は、以下のような特長を有している。高燃焼度化する
ためには燃料の濃縮度を高める必要があるが、これによ
り必然的に燃焼初期における燃料集合体の熱出力は上昇
する。この結果、最大線出力密度や限界出力比等の熱的
余裕は減少する。まず最大線出力密度を改善するため
に、図8の燃料集合体1では、各燃料棒2,3の配列を
従来の燃料集合体の8行8列(以下8×8)から9行9
列(9×9)にすることにより、燃料棒本数を増加させ
ている。これにより最大線出力密度は従来の80%近く
まで激減する。
の摩擦圧損が増大し、原子炉の安定性が損なわれる傾向
にある。特に燃料上部では、蒸気クォリティが大きいた
めに圧損が大きくなる。このため、図8に示す燃料集合
体では、一部の燃料棒の長さを長尺燃料棒2よりも短く
した短尺燃料棒3を使用している。この結果、燃料上部
の冷却材流路面積を拡大し、燃料上部の圧損を低減させ
ることにより、燃料集合体全体としての圧損を従来の8
×8燃料集合体と同等になるよう調整している。また、
冷却材の流れによって振動しないように、その上端から
数cm以内にスペーサ8が位置するように設定されてい
る。
出力とは、燃料集合体上部の蒸気クォリティが大きい領
域で、燃料表面への液相供給が間に合わなくなり、局所
的に沸騰遷移が生じる時の燃料集合体熱出力のことであ
り、この限界出力に達するまでの余裕を限界出力比とい
う。高燃焼度燃料集合体1では、従来の燃料棒配列8×
8に比べ、燃料棒配列を9×9にすることにより全体の
燃料棒表面積が増加し、燃料棒の単位表面積当たりの熱
伝達量が減少していることや、短尺燃料棒3を使用して
いるために燃料集合体上部断面における燃料棒本数が減
少し、この領域で燃料棒一本当たりに供給される冷却材
中の液相量が増加することにより、限界出力比も若干改
善されている。
向上させる働きがある。すなわち、原子炉停止時には、
炉心上部で反応度が高くなり中性子束がピークを形成す
る。このとき冷却材は、温度が低く密度が高いために、
ある程度の量以上ではむしろ中性子吸収材として作用す
る。従って、短尺燃料棒を用いることにより、軸方向上
部において燃料棒本数が減り、冷却材量を増すことがで
き、その結果、炉停止余裕を向上させることができるこ
のように、短尺燃料棒は燃料棒本数増加に伴う炉心圧損
増大を打ち消すために採用されたものであるが、限界出
力比や炉停止余裕といった原子炉運転上の重要なパラメ
ータを改善する効果をも果たしている。ところで、圧損
増大等の観点からは、短尺燃料棒の有効長上端は低い位
置にあった方が良いと考えられるが、一方で1体の燃料
集合体から発生できるエネルギー量の観点からは、有効
長上端を低くすればするほど核燃料物質の装加量が少な
くなるため、有効長上端は高い方が好ましい。これらの
観点から、圧損低減等の効果が十分得られる短尺燃料棒
の有効長が決められる。
は短尺燃料棒3の有効長の目安として、長尺燃料棒の3
/4(18/24)程度としている。これは以下の理由
によるものである。
冷却材流はほとんどが蒸気であり、その気流中を液相の
小さな粒(液滴と呼ばれる)が飛んでいる。燃料棒の冷
却は燃料棒表面を覆う薄い液相(液膜と呼ばれる)によ
ってなされており、冷却材流から液膜への液滴供給が燃
料棒表面の沸騰気化に追いつかなくなることにより沸騰
遷移が発生する。従って沸騰遷移は蒸気クォリティの高
い燃料上部で生じ易い。一方、スペーサは冷却材流を攪
拌して液滴を燃料棒表面へ付着させる働きがあるので、
スペーサの直下流では液膜が厚く沸騰遷移は生じにく
い。
遷移は燃料集合体最上部スペーサ、あるいは最上部から
2番目のスペーサ付近で発生する。これらは燃料有効長
の20/24から上端までの範囲に位置しており、これ
に対応して、短尺燃料棒3上端をこれよりやや低い位
置、例えば長尺燃料棒の3/4(18/24)程度に設
定することにより、限界出力を改善することが期待され
ていた。
棒上端を長尺燃料棒の3/4(18/24)程度にすれ
ば、原子炉停止時の炉心上部に生じる中性子束ピークを
小さくできるものと考えられていた。
料集合体に関する多くの設計が蓄積され、詳細な特性が
明らかになるに及んで、従来考えられてきた短尺燃料棒
の長さでは必ずしも当初期待された通りの効果を生まな
い場合があることが判明してきた。
ように短尺燃料棒により、沸騰遷移の起こりやすい燃料
集合体上部の冷却材流量を増加させ、炉心圧損を低減さ
せるべく、短尺燃料棒の有効長を決定していた。
を燃料棒表面へ付着させる効果の高いスペーサが開発さ
れつつあり、短尺燃料棒の有効長を長尺燃料棒有効長の
3/4(18/24)程度にしたのでは、燃料集合体全
体としてスペーサ性能の向上が十分に生かされないこと
等がわかってきた。また炉停止余裕の観点からは、短尺
燃料棒の導入や高燃焼度化を図るために核分裂性物質量
を増加するなどの設計によっては、中性子束ピークが必
ずしも3/4より上部に形成されるとは限らず、炉停止
余裕についても短尺燃料棒の長さを考慮する必要があ
る。
たもので、短尺燃料棒を有する燃料集合体において、熱
的余裕および炉停止余裕を改善して燃料健全性を向上さ
せるとともに、より高燃焼度での使用に適した燃料経済
性の高い燃料集合体を提供することを目的とする。
に、請求項1に係る発明は、長さが異なる2種類以上の
燃料棒と内部を冷却材の一部が流れる水棒を複数のスペ
ーサを用いて任意の格子形状に束ね、この燃料束をチャ
ンネルボックスで包囲して構成された燃料集合体におい
て、前記複数本の燃料棒は長尺燃料棒とこれよりも長さ
の短い短尺燃料棒とからなり、かつ前記短尺燃料棒の有
効部上端が前記長尺燃料棒のうち最も長い有効部の14
/24の高さ以下に位置することを特徴とする 。
方で沸騰遷移を生じることなく、燃料集合体上部の限界
出力特性を向上すると同時に、原子炉停止状態における
中性子束ピークを最小化し、炉停止余裕を大幅に改善す
ることができる。また、集合体上半部のクォリティやボ
イド率が高い領域の流路面積を拡大し、水対ウラン比を
大きくしているので、運転状態において、燃料集合体の
圧損を低減し原子炉の安定性を増すとともに、燃料の反
応度を高めて核物質の利用効率を向上することができ
る。
の内少なくとも一部に下端部に燃料ペレットの充填され
ないプレナム部を設けたことを特徴とする。この構成に
より、照射後における短尺燃料棒の内圧を過度に上昇さ
せることなく、短尺燃料棒上端のプレナム部体積を最小
化できるので、中性子利用効率の高い燃料集合体の軸方
向中央部の水対ウラン比を大きくし、燃料の反応度を高
めて核物質の利用効率を向上することができる。
全長或いは有効長の異なる2種類以上の燃料棒からなる
ことを特徴とする。この構成により、軸方向濃縮度分布
やガドリニア分布を付けなくても燃料集合体の反応度を
さらに軸方向にほぼ一定に保つことができる。
うち少なくとも一部が前記水棒またはチャンネルボック
スに隣接して配置されていることを特徴とする。この構
成により、原子炉停止時に広い水の層が形成され中性子
吸収効果が顕著となるため、炉停止余裕を更に改善する
ことができる 請求項5に係る発明は、短尺燃料棒のうち最も長いもの
の上端に最近接するスペーサから燃料集合体最下部スペ
ーサまでの平均スペーサ間隔L1、前記短尺燃料棒のう
ち最も長いものの上端に最近接するスペーサから最上部
スペーサまでの平均スペーサ間隔L2が、L1>L2で
あることを特徴とする。
集合体上部で、冷却材流を攪拌して液滴を燃料棒表面へ
付着させ、燃料集合体としての限界出力を効率的に改善
することができる。
方向位置H1における前記水棒の冷却材流路断面積をA
1、前記高さ方向位置H1よりも高い位置H2における
前記水棒の冷却材流路断面積をA2が、A1≦A2であ
ることを特徴とする。
量の比がほぼ一定にでき、燃料棒に軸方向濃縮度分布や
ガドリニア分布を付けなくても燃料集合体の反応度を軸
方向にほぼ一定に保つことができる。
向上方より俯瞰したとき水棒の一部分が少なくとも短尺
燃料棒の一部を覆い隠すように前記水棒と前記短尺燃料
棒が配置されていることを特徴とする。
部空間に集中的に流れ、他の部分の流量が減少すること
による限界出力の悪化を改善することができる。請求項
8に係る発明は、前記短尺燃料棒の少なくとも一部につ
いて燃料棒平均濃縮度が燃料集合体平均濃縮度よりも低
いことを特徴とする。
うち少なくとも一部はガドリニアを含有するペレットを
装填して成ることを特徴とする。請求項10に係る発明
は、全燃料棒の濃縮度およびガドリニア濃度のうち少な
くとも一方が上下端を除いて軸方向に一様であることを
特徴とする。請求項8ないし10に係る発明の構成によ
り、製造上のコストを低く抑えながら軸方向出力分布を
最適に制御することができる。
9,10に対応) 図1は本発明の第1の実施の形態の燃料集合体を示した
ものであり、図1(A)は燃料集合体の一部縦断面図、
(B)(C)はそれぞれ(A)のB−B,C−C矢視横
断面図であるる。なお、図中、従来の技術と同一部分は
同一符号を附し、重複する説明は省略する。
2、短尺燃料棒3及び太径ウォータロッド6をスペーサ
8で正方格子状に束ねて上部タイプレート4及び下部タ
イプレート5に固定して燃料棒束とし、この燃料棒束を
チャンネルボックス7で包囲して構成されている。
近にあり、この短尺燃料棒3の有効長上端は長尺燃料棒
の有効長の12/24にある。また、スペーサ8は、8
個設けられ、短尺燃料棒3の上端付近より上部のスペー
サ間隔L2は下部のスペーサ間隔L1より小さく配置さ
れている。
り下方で沸騰遷移を生じることなく、燃料集合体上部の
限界出力特性を向上すると同時に、原子炉停止状態にお
ける中性子束ピークを最小化し、炉停止余裕を大幅に改
善することができる。
明する。まず、炉停止余裕について説明する。従来の技
術で説明したように、原子炉停止時の中性子束ピークは
燃料集合体上方で形成されると考えられていた。ところ
が、特に運転サイクルの初期においては、短尺燃料棒の
上端部すなわち燃料集合体中央部に中性子束ピークがし
ばしば出現することがわかった。
位置に対する、原子炉停止時の軸方向出力分布を示す。
図中、それぞれ実線は短尺燃料棒の有効長上端が15/
24、点線は上端が14/24、一点鎖線は上端が13
/24、二点鎖線は上端が12/24にあるときを示し
ている。図3に示すように、短尺燃料棒の有効長上端が
15/24のときには、出力分布のピークが炉心上部よ
りもむしろ短尺燃料棒上端付近(軸方向高さ15程度)
に発生している。また、上端が15/24よりも高い位
置にあるときには、この傾向がより顕著になる。これ
は、短尺燃料棒導入により、核分裂性物質量が燃料集合
体下方に偏ったと同時に、より高燃焼度化のため濃縮度
を増加したことなどが原因で、炉心軸方向中央部の反応
度が上部よりも高くなったものと考えられる。
が均等化していることが望ましい。このため、短尺燃料
棒3の長さを、炉心上部と中央部のピーキングがほぼ同
等となる14/24程度以下とすることにより、反応度
を均等化することができる。
したのが図4であり、短尺燃料棒有効部上端高さと炉停
止余裕の関係を示している。図4より、炉停止余裕は、
短尺燃料棒3の長さが14/24以下ではほとんど変化
しないが、それ以上になると急激に減少することがわか
る。従って、短尺燃料棒3の有効長上端を14/24以
下とすることにより、従来に比べ炉停止余裕が大きく改
善される。本実施の形態では、有効長上端を12/24
としたが、これはスペーサ位置との関係や濃縮度分布等
により、適宜決定されるものであり、14/24以下で
あることを満足すれば、炉停止余裕は向上する。
ち2本をウォータロッド6に隣接させている。このよう
に短尺燃料棒3をウォータロッド6に隣接させると、原
子炉停止時に広い水の層が形成され中性子吸収効果が顕
著となるため、炉停止余裕を更に改善することができ
る。
の限界出力試験の知見から、BWRの沸騰遷移は燃料集
合体最上部スペーサ、あるいは最上部から2番目のスペ
ーサ付近、すなわち燃料有効長の20/24から上端ま
での範囲で発生するものと考えられていた。このこと
は、短尺燃料棒を用いない場合、20/24より下部で
は沸騰遷移がほとんど観察されていない事実からも確認
されていた。短尺燃料棒を用いた場合にも、概ね同様の
位置で沸騰遷移が生じ易いものと考えられるが、燃料集
合体上部は燃料棒本数が減っているため、この位置では
沸騰遷移が起こりにくく、かえって濃縮度の増加やスペ
ーサの性能によっては、最上部から3番目のスペーサ付
近、すなわち燃料有効長の16/24付近で沸騰遷移が
生じることもあることが判明した。
上端は13/24付近にあり、沸騰遷移が生じる可能性
のある燃料上部は燃料棒数が減少している。このこと
は、同じ液相流量に対して冷却が必要となる燃料棒表面
積が減少していることを意味し、燃料棒単位表面積当た
りに供給される液相は増加するので、沸騰遷移が発生し
難くなり限界出力は向上する。
棒3の有効長上端を14/24以下とすることにより、
沸騰遷移が生じ易い16/24よりも上端が低い位置と
なり、沸騰遷移が生じず限界出力が向上する。
領域においても、冷却材流中の液滴を液膜へ付着させる
効果が非常に高いスペーサが開発されてきている。例え
ば、燃料棒と燃料棒に挟まれた空間に螺旋状の捩じり翼
を設置したスペーサは、遠心分離効果によって極めて効
率的に液滴を分離し、燃料棒表面へ供給することができ
るので、従来のスペーサよりもはるかに蒸気クォリティ
が大きい領域でも沸騰遷移を生じない。しかし一方で、
蒸気クォリティが小さく冷却材中に液相が十分にあるよ
うな状況下では、相対的な改善割合は小さい。
合体に装着した場合、短尺燃料棒の効果とあいまって、
燃料上部の限界出力特性は大きく改善されるが、従来の
短尺燃料棒の長さの場合、上端より下部の領域ではあま
り限界出力特性は改善されない。この結果、短尺燃料棒
上端より下部で先に沸騰遷移が生じ、燃料集合体全体と
してはスペーサ性能の向上が十分に生かされないことが
わかってきた。
いた場合には、特に短尺燃料棒3の有効長上端を14/
24以下とすることは有効である。次に本実施の形態で
は、短尺燃料棒3の上端付近より上部のスペーサ間隔L
2は下部のスペーサ間隔L1より小さい構成としてい
る。この構成により、沸騰遷移の生じ易い燃料集合体上
部で、冷却材流を攪拌して液滴を燃料棒表面へ付着させ
スペーサ間隔を小さくすることで燃料集合体としての限
界出力を効率的に改善することができる。
却材流を攪拌して液滴を燃料棒表面へ付着させる働きが
あるので、スペーサ8の設置間隔は小さいほど限界出力
は向上するが、同時にスペーサ8は局所圧損をも生じる
ので、スペーサ数を増加しただけでは燃料集合体の圧損
が増加して、ポンプ動力費が増加したり、炉心流量が十
分に確保できなくなる懸念があった。また単に短尺燃料
棒上端より上方でスペーサを増やして間隔を縮めても、
沸騰遷移位置が下方に移るだけで燃料集合体としての限
界出力はほとんど改善されない。
14/24以下としたため、従来の燃料集合体で沸騰遷
移が生じる可能性のある部分を、全て短尺燃料棒3より
上方にすることができる。このため、この部分のスペー
サ間隔を小さくすることで圧損変化を最小に抑えること
ができる。これは、たとえスペーサ投影面積が一定とし
ても、もともと流路面積が広いためにスペーサ8が流路
を閉塞する割合が相対的に小さいためである。実際に
は、短尺燃料棒3上端より上部では燃料棒2数が少ない
ためにスペーサ8を構成する部品数が少なく、これより
更に圧損が減少する。
ーサ数を増加した際の圧損増加が小さく、短尺燃料棒の
長さが短いために圧損が従来より小さくなっていること
もあいまって、集合体全体の圧損は従来と同等に保つこ
とができ、燃料集合体としての限界出力を効率的に改善
することができる。
燃料棒の核燃料物質の濃縮度やガドリニアの濃度分布の
例を示したものであり、(A)は燃料棒の配置状態を示
す平面図、(B)は(A)における燃料棒の濃縮度およ
びガドリニア分布を示す分布図である。図2(A)中升
内の数字は燃料棒番号を示し、図2(B)下部の四角内
に数字に示す燃料棒番号と一致させている。
/24及び下端から1/24の部分に天然ウランペレッ
トが充填されているが、その内側の部分の符号はA〜E
は濃縮度を示し、またHG,LG,MGはガドリニア濃
度を示す。ここで長尺燃料棒2の濃縮度はA>B>C>
Dの順に高く軸方向に一様で、ガドリニア濃度はHG>
MGであり軸方向に一様である。また短尺燃料棒3の濃
縮度Eは集合体平均濃縮度よりも低く、有効部全長にわ
たって濃縮度Eおよびガドリニア濃度LG(MG>L
G)は軸方向に一様である。
ち、ガドリニア入りの[6],[7],[8]について
は、有効部が下端から23/24までと短くしている
が、これは燃料棒上部のプレナムと呼ばれる空間の体積
を増して燃料棒内圧を低減するためあり、燃料特性によ
ってはウラン燃料棒[1],[2],[3],[4]と
同じ有効長としてもよい。また短尺燃料棒3の有効長下
端は1/24の位置にあり、その下方にやはりプレナム
が設けられているが、これも同様である。
より、燃料集合体の断面平均濃縮度は、上下端の天然ウ
ラン部分を除けば、短尺燃料棒有効部上端を境にしてそ
の上部が下部よりも高くなる。また短尺燃料棒3の一部
にガドリニアが混入されているので、ガドリニアの含有
量も燃料下部の方が多くなる。
が高く、減速材密度が低くなっているので、燃料濃縮度
を軸方向で一様にすると下部の反応度が高くなり、出力
分布が下方に歪んで燃料下部の線出力密度が高くなりす
ぎる可能性がある。これまでの燃料ではこれを防ぐため
に、一部の燃料棒について、燃料棒内に充填するペレッ
トの濃縮度やガドリニア濃度を軸方向に変えて、燃料集
合体下部の断面平均濃縮度が上部より低くなるよう調整
することがあった。その場合、断面平均濃縮度の境界位
置としては、個々の詳細な燃料設計による差はあるもの
の、だいたい燃料有効長の半分前後が適切であることが
わかっている。ところが濃縮度の異なるペレットを同一
燃料棒に充填する場合、ペレット種類の管理や異種ペレ
ットの境界位置の確認などの煩雑な作業が必要となるた
め、燃料製造の観点からはあまり好ましい設計ではなか
った。
上端位置が12/24にあるため、上下端を除き各燃料
棒の濃縮度およびガドリニア濃度を軸方向で一様にして
も、適切な上下濃縮度差およびガドリニア量の差が付く
ため、製造上のコストを低く抑えながら軸方向出力分布
を最適に制御することが可能である。もちろん、一部或
いは全部の燃料棒について軸方向に濃縮度やガドリニア
濃度の分布を付ければ、軸方向出力分布を従来より更に
詳細に調整することが可能である。 (第2,3の実施の形態) (請求項1,2,4,5,
8,9,10に対応) 第2、3の実施の形態の燃料集合体を図5および図6に
示す。なお、図5および図6においては、燃料集合体の
軸方向構成は第1 の実施の形態と同様であるが、燃料集
合体の横断面形状の変形例を示している。すなわち、第
1の実施の形態では、9×9正方格子と丸型太径ウォー
タロッドを組み合わせた構成について説明したが、本発
明は、その他の不規則な配置を含む、任意の格子形状や
ウォータロッド形状についても明らかに有効であり、こ
れらの例を示す。
ォータロッドを2本取り入れた燃料集合体である。10×
10正方格子は燃料棒本数が多く、熱伝達面積が大きいた
め、線出力密度や限界出力等の熱的な特性は良好である
が、圧損が大きくなりやすい欠点を持っている。本発明
は短尺燃料棒3の長さが短く圧損が低い特性を持ってい
るので、このような格子に適用すれば、不利を補い、ま
た炉停止余裕や熱的特性の更に良い燃料集合体を得るこ
とができる。なお、本実施の形態では短尺燃料棒3のう
ち8本をチャンネルボックスに隣接しているため、第1
の実施の形態でウォータボックスに隣接している場合と
同様に、炉停止余裕改善の効果が高い。
45°回転して得られる格子形状に、十字型のウォータロ
ッドを組み合わせた燃料集合体である。チャンネルボッ
クスに隣接する燃料棒本数が少ないため炉停止余裕の特
性が良いが、燃料棒本数が9×9正方格子より多く、ウ
ォータロッドの表面積が大きいため、圧損が大きくなり
やすい傾向がある。本実施の形態では第2の実施の形態
と同様に圧損を改善することができる。 (第4の実施の形態) (請求項1〜7に対応) 図1は本発明の第4の実施の形態の燃料集合体を示した
ものであり、図1(A)は燃料集合体の一部縦断面図、
(B)(C)はそれぞれ(A)のB−B,C−C矢視横
断面図であるる。なお、図中、第1の実施の形態と同一
部分は同一符号を附し、重複する説明は省略する。
/24の短尺燃料棒3と、6/24の短尺燃料棒103
の2種類の短尺燃料棒を用いている。これにより、ボイ
ド率が低い燃料最下部、平均的なボイド率の中央下部、
ボイド率が高い上半部の3つの領域に応じて核分裂性物
質量を3段階に変えている。またこれらの各領域に応
じ、上方ほどウォータロッドの断面積を大きくしている
ので、各領域で減速材対ウラン量の比がほぼ一定になっ
ている。この結果、従来のような軸方向濃縮度分布やガ
ドリニア分布を付けなくても燃料集合体の反応度を軸方
向にほぼ一定に保つことができる。
び限界出力比を改善し、圧損が低減されるので、燃料集
合体の健全性、安全性、安定性が良くなり、またポンプ
動力費も削減されるなど、原子炉の運転性を向上するこ
とができるとともに、燃料棒の濃縮度やガドリニア濃度
の分布の簡素化により製造コストをも低減することがで
きる。
施の形態を一部断面で示す立面図、(B)は(A)のB
−B矢視断面図、(C)は(A)のC−C矢視断面図。
施の形態における燃料棒の配置状態を示す平面図、
(B)は(A)における燃料棒の濃縮度およびガドリニ
ア分布を示す分布図。
方向中性子分布の関係を示す図。
図。
施の形態の、短尺燃料棒上端より上部の断面における断
面図、(B)は下部の断面における断面図。
施の形態の、短尺燃料棒上端より上部の断面における断
面図、(B)は下部の断面における断面図。
施の形態を一部断面で示す立面図、(B)は(A)のB
−B矢視断面図、(C)は(A)のC−C矢視断面図、
(D)は(A)のD−D矢視断面図。
面図、(B)は(A)のB−B矢視断面図、(C)は
(A)のC−C矢視断面図。
尺燃料棒、4…上部タイプレート、5…下部タイプレー
ト、6…ウォータロッド、7…チャンネルボックス、8
…スペーサ、9…燃料棒有効部
Claims (10)
- 【請求項1】 長さが異なる2種類以上の燃料棒と内部
を冷却材の一部が流れる水棒を複数のスペーサを用いて
任意の格子形状に束ね、この燃料束をチャンネルボック
スで包囲して構成された燃料集合体において、前記複数
本の燃料棒は長尺燃料棒とこれよりも長さの短い短尺燃
料棒とからなり、かつ前記短尺燃料棒の有効部上端が前
記長尺燃料棒のうち最も長い有効部の14/24の高さ
以下に位置することを特徴とする燃料集合体。 - 【請求項2】 前記短尺燃料棒のうち少なくとも一部の
下端部に燃料ペレットの充填されないプレナム部を設け
たことを特徴とする請求項1に記載の燃料集合体。 - 【請求項3】 前記短尺燃料棒は全長或いは有効長の異
なる2種類以上の燃料棒からなることを特徴とする請求
項1または請求項2に記載の燃料集合体。 - 【請求項4】 前記短尺燃料棒のうち少なくとも一部が
前記水棒またはチャンネルボックスに隣接して配置され
ていることを特徴とする請求項1ないし請求項3に記載
の燃料集合体。 - 【請求項5】 前記短尺燃料棒のうち最も長いものの上
端に最近接するスペーサから燃料集合体最下部スペーサ
までの平均スペーサ間隔L1、前記短尺燃料棒のうち最
も長いものの上端に最近接するスペーサから最上部スペ
ーサまでの平均スペーサ間隔L2が、L1>L2である
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4の記載の燃料
集合体。 - 【請求項6】 燃料集合体の高さ方向位置H1における
前記水棒の冷却材流路断面積をA1、前記高さ方向位置
H1よりも高い位置H2における前記水棒の冷却材流路
断面積をA2が、A1≦A2であることを特徴とする請
求項1ないし請求項5に記載の燃料集合体。 - 【請求項7】 燃料集合体を軸方向上方より俯瞰したと
き水棒の一部分が少なくとも短尺燃料棒の一部を覆い隠
すように前記水棒と前記短尺燃料棒が配置されているこ
とを特徴とする請求項6に記載の燃料集合体。 - 【請求項8】 前記短尺燃料棒の少なくとも一部につい
て燃料棒平均濃縮度が燃料集合体平均濃縮度よりも低い
ことを特徴とする請求項1ないし請求項7に記載の燃料
集合体。 - 【請求項9】 前記短尺燃料棒のうち少なくとも一部は
ガドリニアを含有するペレットを装填して成ることを特
徴とする請求項1ないし請求項8に記載の燃料集合体。 - 【請求項10】 全燃料棒の濃縮度およびガドリニア濃
度のうち少なくとも一方が上下端を除いて軸方向に一様
であることを特徴とする請求項1ないし請求項9に記載
の燃料集合体。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8302630A JPH10142365A (ja) | 1996-11-14 | 1996-11-14 | 燃料集合体 |
DE19749938A DE19749938A1 (de) | 1996-11-14 | 1997-11-11 | Brennelement für einen Kernreaktor |
SE9704151A SE9704151L (sv) | 1996-11-14 | 1997-11-13 | Bränsleaggregat för kärnreaktor |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8302630A JPH10142365A (ja) | 1996-11-14 | 1996-11-14 | 燃料集合体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10142365A true JPH10142365A (ja) | 1998-05-29 |
Family
ID=17911302
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8302630A Pending JPH10142365A (ja) | 1996-11-14 | 1996-11-14 | 燃料集合体 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10142365A (ja) |
DE (1) | DE19749938A1 (ja) |
SE (1) | SE9704151L (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002533689A (ja) * | 1998-12-18 | 2002-10-08 | シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト | 沸騰水形原子炉用の燃料集合体 |
JP2012141210A (ja) * | 2010-12-28 | 2012-07-26 | Global Nuclear Fuel-Japan Co Ltd | 沸騰水型原子炉の初装荷炉心 |
JP2017156291A (ja) * | 2016-03-04 | 2017-09-07 | 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 | 燃料集合体及びそれを装荷する炉心 |
Families Citing this family (1)
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JP3253934B2 (ja) * | 1998-08-27 | 2002-02-04 | 株式会社東芝 | 沸騰水型原子炉 |
-
1996
- 1996-11-14 JP JP8302630A patent/JPH10142365A/ja active Pending
-
1997
- 1997-11-11 DE DE19749938A patent/DE19749938A1/de not_active Ceased
- 1997-11-13 SE SE9704151A patent/SE9704151L/xx not_active Application Discontinuation
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002533689A (ja) * | 1998-12-18 | 2002-10-08 | シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト | 沸騰水形原子炉用の燃料集合体 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
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DE19749938A1 (de) | 1998-06-04 |
SE9704151L (sv) | 1998-05-15 |
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