JPH1113303A - 制震装置 - Google Patents
制震装置Info
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Abstract
層に振動エネルギーを分散して局部的な破壊を防ぎ、か
つ建物構造体の柱間の開口を妨げることなく制震させる
ことを可能とする。 【解決手段】 建物5とは独立して回動変位可能に設け
られる芯柱2と、建物側となる柱体3,3間に結合され
る各階層の梁4とを、該梁4に対し所定距離上方または
下方若しくは双方に離間した位置で低強度材からなる制
震ダンパ部材6により結合したことを特徴とする。
Description
骨を主体として構築される建物の制震装置に係り、特に
建物構造体がダメージを被ることなく地震や強風による
振動を制するための制震装置に関する。
柱および柱間を結合する梁等の構成部材に塑性変形が生
じる前に、強度の低い部分で集中的に振動エネルギーを
吸収させて制震させるようにした制震装置が従来から提
供されている(例えば特開平7−317370号公
報)。
層の梁間に間柱を建込み、この間柱の上部および下部領
域は一般構造用鋼材と同等の剛性を有する鋼材製とし、
中間部領域は一般構造用鋼材に較べ強度の低いダンパ用
鋼材製として、地震や強風等により建物構造体に加わる
振動を前記間柱の中間部領域の鋼材が塑性変形を繰返す
ことにより吸収エネルギーとして該部で吸収させるよう
にすることを基本思想としている。
術では、建物構造体の各階層の梁間に間柱を建込むた
め、柱間の開口に制約を受け、設計当初の建築計画、設
備計画および将来における設備改修計画上の自由度を奪
うことになっている。また、入力地震動の特性によって
は、地震等による大きな振動エネルギーが建物構造体に
加わったとき各階層間のダンパ用鋼材が均等に変形して
その振動エネルギーを吸収すればよいが、実際にはいず
れかの階層間のダンパ用鋼材に塑性変形が集中し、他の
階層間のダンパ用鋼材が機能を果さなくなって上記変形
が集中した階層の建物構造体に振動エネルギーが集中す
ることになり、不効率な結果になる可能性もある。
歪が集中することを回避し、振動エネルギーを各階層に
分散して局部的な破壊を防ぎ、かつ建物構造体の柱間の
開口を妨げることのない制震装置を提供することを課題
とする。
る制震装置は、建物とは独立して回動変位可能に設けら
れる芯柱と、建物側となる柱体間に結合される各階層の
梁とを低強度材からなる制震ダンパ部材により結合した
ことを特徴とする。
ダンパ部材による結合位置を建物側となる柱体間に結合
される各階層の梁に対し所定距離上方または下方は若し
くは双方に離間した位置とすることが好ましい。
に比して低い降伏点を有する鋼板で構成することがで
き、好ましくは建物構造体側となる梁の中央位置の上部
または下部若しくは双方に所要高さの架台を固設し、こ
の架台の先端と芯柱とを前記制震ダンパ部材で結合する
ようにされる。
フレームとの間に生じる相対変位がダンパ部材を剪断降
伏させることにより地震入力エネルギーを消費し、これ
によって建物に生じる水平変位がダンパ部材を有しない
場合に対し小さく抑えられる。またこの芯柱による抑え
効果により、或る特定階の層間変位が突出して大きくな
り、かつその階に損傷が集中するようなことが生じにく
くなって、建物の致命的な損壊を防止する。
四隅に位置する複数本(好ましくは4本)の柱体と、制
震ダンパ部材とで構成し、建物の高さおよび面積に応じ
て上記制震装置を1〜数基用いることができる。複数基
用いる場合には、芯柱の矩形状水平断面のX方向(広幅
方向)、Y方向(厚み方向)を互いに異ならせて配置す
るようにして使用する。
形態を参照して説明する。図1は本発明による制震装置
1の一実施形態の2層の階層分を示す部分斜視図であ
り、中央に位置する芯柱2と、この芯柱2をとり囲むよ
うに芯柱2に近接してその四隅部に立設される4本の柱
体3,3,…(柱間距離2.5m程度)とを有し、建物
の階層部位において各柱体3,3,…がH型鋼からなる
梁4,4,…により剛結されている。
くとも2基の制震装置1を使用することを意図した場合
を示しているため、水平断面が矩形状とされ、ボックス
構造の鋼材製とされている。そしてこの芯柱2は図2に
示すような建物5の高さに相当する長さを有し、その上
端が建物5の天井部位置でヒンジ結合により支持される
か、あるいは下端が基礎に支持されるかして、地震や強
風により振動エネルギーが加わった際に前記芯柱2は前
記支持点を中心として前記柱体3,3,…を含む建物構
造体とは無関係に回動変位されるようになっている。
結される梁4,4,…のうち、前記芯柱2の広幅の側面
2x(X方向側面とする)と平行に位置する梁4,4の
長手方向中央位置と前記芯柱2の前記X方向側面2xと
が制震ダンパ部材6,6により結合されている。
では梁4の上下にそれぞれ設けた場合を示している。
記梁4,4の長手方向中央位置の上面および下面に高さ
1m程度の架台7,7を固設し、この架台7,7の先端
と前記芯柱2のX方向側面2xとに制震ダンパ部材6を
溶接またはボルトにより取付けることによって芯柱2と
架台7とが結合されている。
も低い降伏点を有する所要板厚(t=10〜20mm程
度)の鋼板が用いられている。
方向伸縮変形により建物が曲がることにより生じる曲げ
変形成分と、柱、梁部材の剪断変形により生じる剪断変
形成分があるが、芯柱2は曲げ変形成分が卓越し、柱、
梁部材は剪断変形が卓越することから、図5にみられる
ように芯柱2と梁4に設けられる架台7との間には回転
角αが生じることになる。この回転角αにより芯柱2と
架台7との間には水平変位の差が生じ、この変位差がダ
ンパ部材6の剪断変形となる。この場合、ダンパ部材6
の取付位置を梁4から離間させるほど前記回転角αによ
る水平変位の差が大きくなるので、ダンパ部材6の剪断
変形を大きくとれることになり、それだけエネルギーの
吸収量も増大することになる。
面2yと対応する柱体3,3間に結合された補助制震ダ
ンパ部材であり、Y方向への振動を吸収させるように設
けられたものであるが、本発明による制震装置1を複数
基使用する場合には、芯柱2のX方向、Y方向を互いに
異ならせて使用することによって前記補助制震ダンパ部
材8は必ずしも必要とするものではない。
示すもので、この建物5の中心付近に4基の制震装置
1,1,…を方形配置として組込んだ場合を例示したも
のである。この例では、建物5の居住空間以外の位置
(エレベータホール、階段部分、機械設備室部分等)に
制震装置1,1,…を設置している。上記の場合、図4
に一部を示すように各制震装置1,1,…と各階層の床
9,9,…とは縁が切られており、また各制震装置1,
1,…の芯柱2の向きは、互いに向き合う2基の制震装
置1x,1xはX方向、他の2基の制震装置1y,1y
はY方向となるように配設され、いずれの方向への振動
に対してもいずれかの制震装置1x,1y,…が関与す
るようになされている。
た層間ダンパ方式と本発明による制震装置とが吸収し得
るエネルギーの最大値(Espmax)につき4箇所に
ダンパ部材を設けた場合についての計算結果を示す。
部材11を結合したもので、この場合の最大吸収エネル
ギーEspmaxは、
に、
maxが等しいとする場合、hi (層高)=420c
m、LH (ダンパ幅)=30cm、LV (架台の高さ)
=100cm、δmax(変形角)=hi /100とす
ると、
来の層間ダンパの約2.5枚分に相当し、またLV =1
20cmとすると、α=2.99となり、上記関係は約
3枚分に相当することになる。
した層間ダンパ方式を採用した場合の各階層でのエネル
ギー配分は、例えば各階の弾性歪エネルギーあるいは各
階の水平剛性に比例させることが合理的であると考えら
れるが、この場合、従来の層間ダンパ方式では下層に行
くほどダンパの断面積を大きくするか、枚数を増すこと
になる。
吸収する全体エネルギーを各階層の平均でとらえると、
最大級の地震として入力エネルギーの等価速度を225
cm/secとしたとき、例えば30層モデルの場合1
フロワ当りの必要層間ダンパ量としては一方向につきt
16mm×120cm×60cm×10枚程度必要とな
るが、本発明の制震装置によればLV =100cmの場
合、10/2.5=4、すなわち4セット設ければよい
ことになる。
も、例えば本発明による制震装置を2セットと、層間ダ
ンパ5枚の組合わせなど、建物の規模や用途等に応じて
適宜選択することができる。
るものとの比較表を示す。
の性能は従来の層間ダンパ方式による層間の間柱に設け
るダンパ部材の2〜3枚分に相当し、制震機能を1箇所
に集約した形となる。また、芯柱による損傷分散効果を
考慮すれば、間柱ダンパ4枚分程度に相当すると考えら
れる。
物とは独立して回動変位可能な芯柱を設け、この芯柱と
建物側となる柱体間を結合する梁とを該梁から上下方向
に離間した位置で制震ダンパ部材で結合し、地震や強風
により振動する建物とこの建物の振動とは別個に回動変
位する芯柱との間の制震ダンパ部材で制震するようにし
たので、各階層において各制震ダンパ部材により均等に
分担して振動エネルギーを吸収し、一部の階層に歪が集
約されることを防ぐことができる。
間の開口を妨げることがなく、実質的な省スペース化を
図ることができ、建築計画、設備計画上の自由度を大幅
に向上することが可能となり、建物のライフサイクルを
通しても、将来の設備改修要求に対して柔軟に対応する
ことが可能となる。
の斜視図。
図。
断面図。
制震装置と階層のフロアとの関係を示す一部の斜視図。
エネルギーの算出基礎を示す説明図。
基礎を示す説明図。
Claims (8)
- 【請求項1】建物とは独立して回動変位可能に設けられ
る芯柱と、建物側となる柱体間に結合される各階層の梁
とを低強度材からなる制震ダンパ部材により結合したこ
とを特徴とする制震装置。 - 【請求項2】建物とは独立して回動変位可能に設けられ
る芯柱と、建物側となる柱体間に結合される各階層の梁
とを、該梁に対し所定距離上方または下方若しくは双方
に離間した位置で低強度材からなる制震ダンパ部材によ
り結合したことを特徴とする制震装置。 - 【請求項3】前記芯柱は、建物の各階層を貫通して建物
の略全高にわたり設けられている請求項1または2記載
の制震装置。 - 【請求項4】前記芯柱の周辺直近位置に建物構造体の一
部を構成する複数本の柱体を有し、これら柱体間を結合
する梁と前記芯柱とが前記制震ダンパ部材により結合さ
れている請求項1〜3のいずれか1項記載の制震装置。 - 【請求項5】前記芯柱は水平断面が矩形状とされ、この
芯柱の広幅の側面と前記梁とが前記制震ダンパ部材によ
り結合されている請求項1〜4のいずれか1項記載の制
震装置。 - 【請求項6】前記制震ダンパ部材は、前記梁の中央位置
の上部または下部若しくは双方に固設される架台の先端
と前記芯柱の側面とを結合する鋼板で構成されている請
求項1〜5のいずれか1項記載の制震装置。 - 【請求項7】前記制震ダンパ部材は交換可能に取付けら
れている請求項1〜6のいずれか1項記載の制震装置。 - 【請求項8】建物構造体に対し前記芯柱および柱体を複
数基設け、各芯柱の広幅の側面の向きを互いに90°異
ならせて建物に建込まれるようにした請求項5記載の制
震装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16725997A JP3803169B2 (ja) | 1997-06-24 | 1997-06-24 | 制震装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP16725997A JP3803169B2 (ja) | 1997-06-24 | 1997-06-24 | 制震装置 |
Publications (2)
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---|---|
JPH1113303A true JPH1113303A (ja) | 1999-01-19 |
JP3803169B2 JP3803169B2 (ja) | 2006-08-02 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3803169B2 (ja) |
-
1997
- 1997-06-24 JP JP16725997A patent/JP3803169B2/ja not_active Expired - Fee Related
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