JPH11131622A - 遮音性木質建築板 - Google Patents

遮音性木質建築板

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JPH11131622A
JPH11131622A JP9300599A JP30059997A JPH11131622A JP H11131622 A JPH11131622 A JP H11131622A JP 9300599 A JP9300599 A JP 9300599A JP 30059997 A JP30059997 A JP 30059997A JP H11131622 A JPH11131622 A JP H11131622A
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JP
Japan
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female
male
board
sound
substrate
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JP9300599A
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English (en)
Inventor
Masayasu Ogiwara
正康 荻原
Giichi Fujiwara
義一 藤原
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Daiken Trade and Industry Co Ltd
Original Assignee
Daiken Trade and Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 木質基板1の裏面に遮音性シート15を積層
一体化してなる遮音性木質建築板Aを、隣接する建築板
Aに対し、一方の建築板Aにおける基板1の雌実部3と
他方の建築板Aにおける基板1の雄実部7との嵌合によ
り雌実部3裏面側の雌実下片5の先端面と雄実部7裏面
側の雄実下部切欠き9の端面との間に空隙12を生じる
ように接合する場合、両建築板A,Aの接合部で遮音性
シート15,15間の空隙をなくし、基板1に対する実
加工時の切削屑の処理を容易化し、建築板Aの遮音性能
を向上させる。 【解決手段】 予め先に木質基板1の実加工を行い、そ
の実加工が施された木質基板1の裏面に基板1表面と同
じ形状の遮音性シート15を基板1の長辺に対し直交す
る方向と短辺に対し直交する方向との双方にそれぞれず
れた状態で接着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、壁材や床材等、建
築内装に用いられる遮音性を持つ木質建築板に関する技
術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、木質基板に遮音性シートを積
層して複合化することにより、遮音性能を持たせた木質
建築板は知られ、広く一般に用いられている。例えば実
開昭63―51005号公報に示されるものでは、基板
の裏面に遮音性シートを基板に対しずらして接合し、そ
のずれによって基板から外れた部分の遮音性シートの基
板側表面に粘着層を形成してそれを離型紙で被覆するこ
とが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、矩形の木質
建築板同士を実接合する場合、施工後の接合部表面の目
すきや床材として用いたときの床鳴り等の発生を防止す
るために、図7(a)に示すように、予め、基板31端
部の雌実部33表面側にある雌実上片34を裏面側の雌
実下片35よりも長く突出させるか、又は同図(b)に
示す如く雄実部37表面側の雄実上部切欠き38よりも
裏面側の雄実下部切欠き39を深く切り欠くことによっ
て、建築板の裏面側の大きさを表面側よりも若干小さく
形成し、両建築板同士の接合状態で、雌実下片35の先
端面をそれに対向する雄実下部切欠き39の端面と直接
に突き合わせないようにする工夫が行われている。
【0004】しかし、上記の遮音性木質建築板に実加工
を行う際、その木質基板31の裏面に遮音性シート45
を貼り合わせて一体化した後、接合のための実加工を行
うので、以下に示す問題があった。
【0005】すなわち、実加工に伴って木質基板31の
端面の裏面側部と遮音性シート45とが雄実側及び雌実
側で共に面一となるので、上記のような目すき防止加工
を施した場合には、両建築板の遮音性シート45,45
同士の接合部にも空隙を生じることとなり、建築板の接
合部での遮音性能の低下が生じる。
【0006】また、実加工時に基板31からなる木質部
分及び合成樹脂等からなる遮音性シート45の各切削屑
が混ざるため、その処分が面倒である。
【0007】さらに、建築板を例えば床材として用いた
ときには、建築板同士の接合部に上方(表面側)から圧
力が加わった際、遮音性シート45がその隣接建築板の
遮音性シート45との間の空隙に逃げるように潰れて変
形するので、建築板の沈み込みが大きくなり過ぎる虞れ
がある。
【0008】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、上記木質基板の裏面に接合される遮音
性シートの接合構造を改良することで、遮音性シート同
士の接合部の空隙をなくし、実加工時の切削屑の処理を
容易化し、建築板の裏面側への沈み込みを抑制して、上
記の各問題を一挙に解決しようとすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明では、予め先に実加工が施された木質基
板の裏面に遮音性シートをずらして接合一体化する構造
とした。
【0010】具体的には、請求項1の発明では、木質基
板の裏面に遮音性シートを積層一体化してなる遮音性木
質建築板が前提である。
【0011】そして、上記基板の少なくとも長辺側の端
部に雌実部又は雄実部の一方を、隣接する他の建築板の
基板端部の雌実部又は雄実部の他方と嵌合しかつ該嵌合
状態で雌実部裏面側の雌実下片の先端面と雄実部裏面側
の雄実下部切欠きの端面との間に空隙を生じるように形
成する。
【0012】また、上記基板裏面に遮音性シートを、隣
接する他の建築板の遮音性シートと突き合わせられかつ
上記基板裏面側の空隙を覆うように少なくとも基板の長
辺に対し直交する方向にずれた状態で接着する。
【0013】上記の構成により、建築板を隣接する他の
建築板に対し各々の基板の長辺側の端部で接合する場
合、一方の建築板における基板端部の雌実部に他方の建
築板における基板端部の雄実部を嵌合することで、両建
築板同士が接合される。そして、この接合時には、雌実
部裏面側の雌実下片の先端面と雄実部裏面側の雄実下部
切欠きの端面との間に空隙が生じる。この空隙により建
築板同士の接合部における目すきや床鳴りが防止され、
建築板を精度よく施工することができる。
【0014】また、基板裏面に接着されている遮音性シ
ートが少なくとも基板の長辺に対して直交する方向にず
れた状態で接着されているので、その遮音性シートと隣
接する他の建築板の遮音性シートとが突き合わせられて
端部同士が密着する。このため、建築板同士の接合部の
裏面側で遮音性シートが空隙なく連続することとなり、
よって建築板の接合部での遮音性の低下を防止すること
ができる。
【0015】また、上記遮音性シート同士の突合わせ密
着により、上記基板同士の接合部の裏面側に形成される
空隙は遮音性シートで覆われた空気層となるので、建築
板の接合部裏面側に略密閉状の空気層が形成されること
となり、この空気層によって音エネルギーの減衰効果が
得られ、上記遮音性の低下をさらに有効に防止すること
ができる。
【0016】さらに、両建築板同士の接合部で各々の遮
音性シートが端部同士を密着して突きつけられているの
で、この建築板同士の接合部に表面側から圧力がかかっ
たとしても、遮音性シート各々の端部での変形が互いに
規制され、遮音性シートが過剰に潰れるように変形する
ことはなく、よって建築板が接合部で裏面側に大きく沈
み込むことはない。
【0017】また、木質基板の裏面に遮音性シートがず
れた状態で接着されているので、両者の接着前に基板に
対する実加工と遮音性シートの切断とを別工程で行うこ
とができ、各々の工程で生じる切削屑が分離されて処分
が容易となる。
【0018】また、基板の少なくとも長辺側の端部で、
雌実下片の先端面と雄実下部切欠きの端面との間に空隙
が形成され、その空隙が遮音性シートにより覆われてい
るので、施工時に基板の短辺側での接合部よりも多数生
成される長辺側の接合部であっても、その長辺側の接合
部について上記遮音性低下防止の効果や建築板の沈み込
み防止の効果を有効に得ることができる。
【0019】請求項2の発明では、上記基板の長辺側及
び短辺側の各端部に雌実部又は雄実部の一方を、隣接す
る他の建築板の基板端部の雌実部又は雄実部の他方と嵌
合しかつ該嵌合状態で雌実下片の先端面と雄実下部切欠
きの端面との間に空隙を生じるように形成する。そし
て、その基板裏面に、基板の表面部と同じ形状及び寸法
の遮音性シートを基板の長辺に対し直交する方向と短辺
に対し直交する方向との双方にそれぞれずれた状態で接
着する。
【0020】こうすれば、建築板同士の接合部において
基板の長辺側及び短辺側の双方で上記請求項1の発明と
同様に遮音シート同士を端部が密着するように突き合わ
せることができ、遮音性の低下をさらに効果的に防止す
ることができる。
【0021】請求項3の発明では、上記請求項1又は2
の遮音性木質建築板において、基板端部の雌実部表面側
の雌実上片先端を雌実下片先端よりも長く突出させるこ
とにより、隣接する他の建築板の基板端部の雄実部との
嵌合状態で雌実下片の先端面と雄実下部切欠きの端面と
の間に空隙が生じるようにする。そして、遮音性シート
は、雌実部側の端部が上記雌実下片の先端面よりも基板
中央側に位置するようにずれた状態で基板裏面に接着す
る。
【0022】請求項4の発明では、同様に、基板端部の
雌実部表面側の雌実上片先端を雌実下片先端よりも長く
突出させることにより、隣接する他の建築板の基板端部
の雄実部との嵌合状態で雌実下片の先端面と雄実下部切
欠きの端面との間に空隙が生じるようにし、遮音性シー
トは、雌実部側の端部が上記雌実上片の先端面よりも基
板中央と反対側に位置するようにずれた状態で基板裏面
に接着する。
【0023】請求項5の発明では、上記とは逆に、基板
端部の雄実部表面側の雄実上部切欠きよりも雄実下部切
欠きを深く切り欠くことにより、隣接する他の建築板の
基板端部の雌実部との嵌合状態で雌実下片の先端面と雄
実下部切欠きの端面との間に空隙が生じるようにする。
そして、遮音性シートは、その雄実部側の端部が上記雄
実上部切欠きの端面よりも基板中央と反対側に位置する
ようにずれた状態で基板裏面に接着する。
【0024】請求項6の発明では、請求項5と同様に、
基板端部の雄実部表面側の雄実上部切欠きよりも雄実下
部切欠きを深く切り欠くことにより、隣接する他の建築
板の基板端部の雌実部との嵌合状態で雌実下片の先端面
と雄実下部切欠きの端面との間に空隙が生じるように
し、遮音性シートは、雄実部側の端部が上記雄実下部切
欠きの端面よりも基板中央側に位置するようにずれた状
態で基板裏面に接着する。
【0025】これら請求項3〜6の発明の構成による
と、隣接する建築板の基板端部の雌実部と雄実部との嵌
合状態で雌実下片の先端面と雄実下部切欠きの端面との
間に形成する空隙及びそれに対応した遮音性シートの望
ましいずれ方向が容易に得られる。
【0026】特に、請求項3又は5の発明では、基板端
部の雌実部裏面側にある雌実下片が、隣接する建築板に
おける基板端部の雄実部と、その裏面側に突出状態で位
置する遮音性シートの端部との間に挟持された状態で接
合されるので、建築板同士の接合部の強度を高めること
ができる利点がある。
【0027】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)図2及び図3は本発明の実施形態1に係
る遮音性木質建築板Aを示し、この建築板Aは例えば床
材を構成する。建築板Aは矩形板状の木質基板1の裏面
に同様の形状の遮音性シート15を接着により積層一体
化してなるもので、上記木質基板1としては、例えば無
垢材、合板、木質繊維板、パーティクルボード、ストラ
ンドボード等の剛性を有する木質板が用いられる。基板
1の表面に例えば化粧薄単板、化粧フィルム、化粧紙等
の化粧シート状物の貼着、或いは塗装等によって化粧層
が設けられてもよい。
【0028】上記木質基板1の端部には、隣接する他の
建築板A(基板1)との間の接合手段として実加工が施
されている。すなわち、木質基板1の互いに対向する1
対の長辺側端部の一方には雌実部3が、また他方には、
該長辺側端部に隣接する他の建築板Aにおける基板1の
上記雌実部3に嵌合する雄実部7がそれぞれ形成されて
いる。また、木質基板1の互いに対向する1対の短辺側
端部の一方にも雌実部3が、また他方には、該短辺側端
部に隣接する他の建築板Aにおける基板1の上記雌実部
3に嵌合する雄実部7がそれぞれ形成されており、図1
に示すように、建築板Aは隣接する他の建築板Aに対
し、基板1端部の雌実部3に、隣接する他の建築板Aに
おける基板1端部の雄実部7を嵌合することで、連続し
て接合されるようになっている。
【0029】上記各雌実部3は、基板1端面の厚さ方向
中間部を基板長さ方向及び基板幅方向に沿って切り欠い
た凹溝からなるもので、その雌実部3よりも表面側は雌
実上片4に、また裏面側は雌実下片5にそれぞれ形成さ
れている。
【0030】一方、上記各雄実部7は、基板1端面の厚
さ方向表面側及び裏面側の各隅角部をそれぞれ基板長さ
方向及び基板幅方向に沿って切り欠いて残った部分であ
る厚さ方向中間の突条からなり、上記表面側の切欠きは
雄実上部切欠き8に、また裏面側の切欠きは雄実下部切
欠き9にそれぞれ形成されている。
【0031】そして、図1に示す如く、上記基板1の雌
実部3表面側の雌実上片4先端が裏面側の雌実下片5先
端よりも所定寸法だけ長く突出していて、基板1の裏面
側部分は各雌実部3側の端部において表面側部分よりも
若干小さい矩形状とされており、このことで、隣接する
建築板A,Aの一方の基板1端部の雌実部3に他方の建
築板Aの基板1端部の雄実部7を嵌合したとき、雌実部
3表面側の雌実上片4の先端面と雄実部7表面側の雄実
上部切欠き8の端面とは密着して突き合わせられるが、
雌実部3裏面側の雌実下片5の先端面と雄実部7裏面側
の雄実下部切欠き9の端面との間に所定の大きさの空隙
12が生じるようになっている。
【0032】一方、上記遮音性シート15は基板1の表
面側部分と同じ形状でかつ同寸法のシート状のものであ
り、その厚さは例えば上記雌実下片5と略同じとされて
いる。この遮音性シート15としては、例えばポリオレ
フィン系樹脂発泡シート、ウレタン系樹脂発泡体シー
ト、合成ゴム系シート、可撓性合成樹脂シート等を用い
ることができる。
【0033】上記基板1裏面へ遮音性シート15を接着
するために用いられる接着剤は、その両者に馴染みのよ
いものが選択され、例えばウレタン樹脂系、エポキシ樹
脂系、酢酸ビニルエマルジョン系等の常温硬化型の接着
剤が好適である。
【0034】本発明の特徴として、上記遮音性シート1
5は、その各雌実部3側の端部が基板1の雌実下片5の
先端面よりも基板中央側に位置する、換言すれば各雌実
部3と反対側にある各雄実部7側の端部が雄実上部切欠
き8の端面よりも基板中央と反対側に位置するように基
板1の長辺に対し直交する方向と短辺に対し直交する方
向との双方にそれぞれ所定寸法だけずれた状態で基板1
裏面に接着されている。
【0035】したがって、この実施形態においては、多
数の建築板A,A,…を床材として床下地(図示せず)
上に並べて建築物の床面を施工する場合、1つの建築板
Aの長辺側及び短辺側にそれぞれ他の建築板A,A,…
を隣接配置し、該1つの建築板Aにおける基板1端部の
各雌実部3に対し、隣接する他方の建築板Aにおける基
板1端部の雄実部7を嵌合することで、互いに隣接する
両建築板A,A同士が接合される。
【0036】その場合、各建築板Aの基板1における雌
実部3表面側の雌実上片4先端が裏面側の雌実下片5先
端よりも長く突出しているので、各建築板Aの基板1の
雌実下片5の先端面と、この建築板Aに隣接する建築板
Aの基板1の雄実下部切欠き9の端面との間に空隙12
が生じる。この空隙12により、両建築板A,A同士の
接合部における目すきや床鳴りを防止でき、かつ建築板
Aの施工を精度よく行うことができる。
【0037】また、上記各建築板Aにおける基板1裏面
に接着されている遮音性シート15が基板1の長辺及び
短辺に対してそれぞれ直交する方向にずれた状態で接着
されているので、その遮音性シート15と、隣接する他
の建築板Aの遮音性シート15とが突き合わせられて、
両遮音性シート15,15の端部同士が密着する。この
ため、建築板A,A同士の接合部の裏面側で基板1,1
同士の間に上記空隙12が生じていても、遮音性シート
15は多数の建築板A,A,…に亘り空隙なく連続する
こととなり、この遮音性シート15の配置によって建築
板A,A同士の接合部での遮音性の低下を防止すること
ができ、遮音性に優れた床構造が得られる。
【0038】さらに、上記隣接する建築板A,Aの遮音
性シート15,15同士の突合わせ密着により、上記基
板1,1同士の接合部の裏面側に形成される空隙12は
遮音性シート15で覆われた空気層となるので、建築板
A,Aの接合部裏面側に略密閉状の空気層が形成される
こととなり、この空気層によって音エネルギーの減衰効
果が得られ、上記遮音性の低下をさらに有効に防止する
ことができる。
【0039】さらにまた、隣接する両建築板A,A同士
の接合部で各々の遮音性シート15,15が端部同士を
密着して突きつけられているので、この建築板A,A同
士の接合部に表面側から圧力がかかったとしても、遮音
性シート15,15が各々の端部で規制され、過剰に潰
れるように変形せず、よって建築板Aが他の建築板Aと
の接合部で裏面側に大きく沈み込むことはない。
【0040】また、建築板Aにおける木質基板1の裏面
に遮音性シート15がずれた状態で接着されているの
で、基板1に対する実加工を遮音性シート15とは別工
程で行った後に両者を接着すればよく、各々の切削屑を
分離できて処分が容易となる。
【0041】加えて、上記遮音性シート15は、各雄実
部7側の端部が基板1の雌実下片5の先端面よりも基板
中央と反対側に位置するようにずれた状態で基板1裏面
に接着されているので、各建築板Aにおける基板1端部
の各雄実部7と、その裏面側に突出状態で位置する遮音
性シート15の端部との間に、隣接する建築板Aにおけ
る基板1端部の雌実下片5が挟持された構造となる。こ
のため、建築板A,A同士の接合強度を高めることがで
きる。
【0042】(実施形態2)図4は本発明の実施形態2
を示し(尚、以下の各実施形態では図1〜図3と同じ部
分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略す
る)、建築板Aにおける基板1の実構造を変えたもので
ある。
【0043】すなわち、この実施形態では、上記実施形
態1とは異なり、建築板Aの基板1端部における各雌実
部3表面側の雌実上片4先端と裏面側の雌実下片5先端
とは同じ長さに突出している。これに対し、各雄実部7
裏面側の雄実下部切欠き9が表面側の雄実上部切欠き8
よりも深く切り欠かれており、このことで、隣接する建
築板A,Aの一方の基板1端部の雌実部3に他方の建築
板Aの基板1端部の雄実部7を嵌合した状態で、雌実下
片5の先端面と雄実下部切欠き9の端面との間に空隙1
2が生じるようになっている。
【0044】また、遮音性シート15は、その雄実部7
側の端部が基板1の雄実上部切欠き8の端面よりも基板
中央と反対側に位置する、つまり各雌実部3側の端部が
雌実上片4(雌実下片5)よりも基板中央側に位置する
ようにずれた状態で基板1裏面に接着されている。その
他の構成は上記実施形態1と同様である。したがって、
この実施形態においても、実施形態1と同様の作用効果
を奏することができる。
【0045】(実施形態3)図5は実施形態3を示す。
この実施形態では、建築板Aにおける基板1の実構造は
上記実施形態1と同様であり(図1参照)、基板1の雌
実上片4先端を雌実下片5先端よりも長く突出させるこ
とにより、隣接する他の建築板Aの基板1端部の雄実部
7との嵌合状態で雌実下片5の先端面と雄実下部切欠き
9の端面との間に空隙12が生じるようになっている。
その代わり、遮音性シート15は、その雌実部3側の端
部が基板1の雌実上片4の先端面よりも基板中央と反対
側に位置する、つまり雄実部7側の端部が基板1の雄実
上部切欠き8(雄実下部切欠き9)の端面よりも基板中
央側に位置するようにずれた状態で基板1裏面に接着さ
れている。したがって、この実施形態においても、上記
各実施形態と同様の効果が得られる。
【0046】(実施形態4)図6は実施形態4を示し、
上記実施形態2の構成に対し、遮音性シート15のずれ
方向を変えたものである。
【0047】すなわち、この実施形態では、建築板Aに
おける基板1の実構造は実施形態2と同様であり(図4
参照)、基板1端部における雄実上部切欠き8よりも雄
実下部切欠き9を深く切り欠くことにより、隣接する他
の建築板Aの基板1端部の雌実部3との嵌合状態で雌実
下片5の先端面と雄実下部切欠き9の端面との間に空隙
12が生じるようになっている。
【0048】そして、遮音性シート15は、その雄実部
7側の端部が基板1の雄実下部切欠き9の端面よりも基
板中央側に位置するようにずれた状態で基板1裏面に接
着されている。この実施形態でも上記実施形態3と同様
の作用効果を奏することができる。
【0049】尚、上記各実施形態では、建築板Aにおけ
る基板1の雌実部3裏面側の雌実下片5と、隣接する建
築板Aにおける基板1の雄実部7裏面側の雄実下部切欠
き9の端面との間の空隙12を、建築板Aの長辺側及び
短辺側の双方で生じるようにしているが、長辺側のみで
生じる(短辺側は雌実下片5の先端面と雄実下部切欠き
9の端面とを当接させる)ようにしてもよく、上記各実
施形態と同様の作用効果が得られる。
【0050】また、上記各実施形態では、両建築板A,
Aの遮音性シート15,15の突合わせ端部を、基板
1,1の雌実下片5及び雄実下部切欠き6の間の空隙1
2から外れた位置に位置付けているが、必ずしもそうで
なくともよく、空隙12の真下の位置に遮音性シート1
5,15の接合部を配置することも可能である。
【0051】さらに、上記各実施形態は床材として用い
られる建築板Aについて説明したが、本発明はその他、
天井板や壁板等に用いられる遮音性木質建築板にも適用
することができる。
【0052】
【実施例】次に、具体的に実施した実施例について説明
する。 (実施例)厚さ9mmの合板からなる基板の端部に上記
実施形態1と同様の構造の実加工を施した。その際、雌
実下片の突出長さを雌実上片よりも3mm短くしておい
た。こうして得られた木質基板の裏面に、その基板表面
と同じ形状及び寸法で厚さ2mmの合成ゴム系遮音性シ
ートを、基板の隣接する長短の2辺に3mmずつ非接着
面が残るようにずらして、ウレタン系接着剤を用いて貼
着することにより、実施例の建築板を得た。
【0053】(比較例)基板及びその実構造は上記実施
例と同じである。この木質基板の裏面に、基板裏面と同
寸法で厚さ2mmの合成ゴム系遮音性シートをずらさず
にウレタン系接着剤を用いて貼着して、比較例の建築板
を得た。
【0054】そして、上記実施例及び比較例の各建築板
を施工し、生活音のうちの比較的高音域での平均透過損
失を測定したところ、以下の表1とおりであった。
【0055】
【表1】
【0056】この表1から、本発明に係る実施例の建築
板は比較例に比べ、遮音性が大きく向上していることが
判る。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明で
は、木質基板の裏面に遮音性シートを積層一体化してな
る遮音性木質建築板として、基板の少なくとも長辺側の
端部に雌実部又は雄実部の一方を、隣接する他の建築板
の基板端部の雌実部又は雄実部の他方と嵌合しかつ該嵌
合状態で雌実部裏面側の雌実下片の先端面と雄実部裏面
側の雄実下部切欠きの端面との間に空隙を生じるように
形成し、その基板裏面に遮音性シートを、隣接する他の
建築板の遮音性シートと突き合わせられかつ基板裏面側
の空隙を覆うように少なくとも基板の長辺に対し直交す
る方向にずれた状態で接着した。また、請求項2の発明
では、基板の長辺側及び短辺側の各端部に雌実部又は雄
実部の一方を、隣接する他の建築板の基板端部の雌実部
又は雄実部の他方と嵌合しかつ該嵌合状態で雌実下片の
先端面と雄実下部切欠きの端面との間に空隙を生じるよ
うに形成して、その基板裏面に、基板表面部と同じ形状
及び寸法の遮音性シートを基板の長辺に対し直交する方
向と短辺に対し直交する方向との双方にそれぞれずれた
状態で接着した。これらの発明によると、建築板を隣接
する他の建築板に対し接合する接合時に、雌実下片の先
端面と雄実下部切欠きの端面との間に空隙を生じさせ
て、接合部における目すきや床鳴りを防止しながら、基
板裏面に接着されている遮音性シートと隣接する他の建
築板の遮音性シートとを突き合わせて端部同士を密着さ
せ、建築板同士の接合部の裏面側で遮音性シートを空隙
なく連続させることができるとともに、建築板の接合部
裏面側に音エネルギーの減衰効果のある略密閉状の空気
層を形成でき、よって建築板の接合部での遮音性の低下
防止を図ることができる。また、建築板同士の接合部に
表面側から圧力がかかったときの遮音性シートの各端部
での過剰な潰れ変形を抑えて、建築板の接合部での沈み
込みを防止することができるとともに、基板の実加工を
遮音性シートとは別工程で行って各々の切削屑を分離す
ることができ、その処分の容易化を図ることができる。
【0058】請求項3の発明では、上記基板端部の雌実
上片先端を雌実下片先端よりも長く突出させることによ
り、隣接する建築板同士の嵌合状態で雌実下片の先端面
と雄実下部切欠きの端面との間に空隙が生じるように
し、遮音性シートは、雌実部側の端部が上記雌実下片の
先端面よりも基板中央側に位置するようにずれた状態で
基板裏面に接着した。また、請求項4の発明では、同様
に、雌実上片先端を雌実下片先端よりも長く突出させる
ことにより、建築板同士の嵌合状態で雌実下片の先端面
と雄実下部切欠きの端面との間に空隙が生じるように
し、遮音性シートは、雌実部側の端部が上記雌実上片の
先端面よりも基板中央と反対側に位置するようにずれた
状態で基板裏面に接着した。さらに、請求項5の発明で
は、上記とは逆に、基板端部の雄実上部切欠きよりも雄
実下部切欠きを深く切り欠くことにより、建築板同士の
嵌合状態で雌実下片の先端面と雄実下部切欠きの端面と
の間に空隙が生じるようにし、遮音性シートは、雄実部
側の端部が上記雄実上部切欠きの端面よりも基板中央と
反対側に位置するようにずれた状態で基板裏面に接着し
た。また、請求項6の発明では、同様に、雄実上部切欠
きよりも雄実下部切欠きを深く切り欠くことにより、建
築板同士の嵌合状態で雌実下片の先端面と雄実下部切欠
きの端面との間に空隙が生じるようにし、遮音性シート
は、雄実部側の端部が上記雄実下部切欠きの端面よりも
基板中央側に位置するようにずれた状態で基板裏面に接
着した。これら請求項3〜6の発明の構成によると、隣
接する建築板同士の雌実部及び雄実部の嵌合状態で雌実
下片の先端面と雄実下部切欠きの端面との間に形成する
空隙及びそれに対応した遮音性シートの望ましいずれ方
向が容易に得られる。特に、請求項3又は5の発明によ
ると、基板端部の雌実下片を、隣接する建築板における
基板端部の雄実部と、その裏面側の遮音性シートの端部
との間に挟持でき、建築板同士の接合部の強度の向上を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る床材用の建築板同士
の接合構造を示す側面図である。
【図2】実施形態1に係る建築板の要部を示す斜視図で
ある。
【図3】実施形態1の建築板の平面図である。
【図4】実施形態2を示す図1相当図である。
【図5】実施形態3を示す図1相当図である。
【図6】実施形態4を示す図1相当図である。
【図7】従来例を示す図1相当図である。
【符号の説明】
A 遮音性木質建築板 1 木質基板 3 雌実部 4 雌実上片 5 雌実下片 7 雄実部 8 雄実上部切欠き 9 雄実下部切欠き 12 空隙 15 遮音性シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E04F 15/20 E04B 5/52 A G10K 11/16 G10K 11/16 D

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木質基板の裏面に遮音性シートを積層一
    体化してなる遮音性木質建築板において、 上記基板の少なくとも長辺側の端部に雌実部又は雄実部
    の一方が、隣接する他の建築板の基板端部の雌実部又は
    雄実部の他方と嵌合しかつ該嵌合状態で雌実部裏面側の
    雌実下片の先端面と雄実部裏面側の雄実下部切欠きの端
    面との間に空隙を生じるように形成されており、 上記基板裏面に遮音性シートが、隣接する他の建築板の
    遮音性シートと突き合わせられかつ上記基板裏面側の空
    隙を覆うように少なくとも基板の長辺に対し直交する方
    向にずれた状態で接着されていることを特徴とする遮音
    性木質建築板。
  2. 【請求項2】 請求項1の遮音性木質建築板において、 基板の長辺側及び短辺側の各端部に雌実部又は雄実部の
    一方が、隣接する他の建築板の基板端部の雌実部又は雄
    実部の他方と嵌合しかつ該嵌合状態で雌実下片の先端面
    と雄実下部切欠きの端面との間に空隙を生じるように形
    成されており、 上記基板裏面に、基板の表面部と同じ形状及び寸法の遮
    音性シートが基板の長辺に対し直交する方向と短辺に対
    し直交する方向との双方にそれぞれずれた状態で接着さ
    れていることを特徴とする遮音性木質建築板。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の遮音性木質建築板にお
    いて、 基板端部の雌実部表面側の雌実上片先端を雌実下片先端
    よりも長く突出させることにより、隣接する他の建築板
    の基板端部の雄実部との嵌合状態で雌実下片の先端面と
    雄実下部切欠きの端面との間に空隙が生じるようになっ
    ており、 遮音性シートは、雌実部側の端部が上記雌実下片の先端
    面よりも基板中央側に位置するようにずれた状態で基板
    裏面に接着されていることを特徴とする遮音性木質建築
    板。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2の遮音性木質建築板にお
    いて、 基板端部の雌実部表面側の雌実上片先端を雌実下片先端
    よりも長く突出させることにより、隣接する他の建築板
    の基板端部の雄実部との嵌合状態で雌実下片の先端面と
    雄実下部切欠きの端面との間に空隙が生じるようになっ
    ており、 遮音性シートは、雌実部側の端部が上記雌実上片の先端
    面よりも基板中央と反対側に位置するようにずれた状態
    で基板裏面に接着されていることを特徴とする遮音性木
    質建築板。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2の遮音性木質建築板にお
    いて、 基板端部の雄実部表面側の雄実上部切欠きよりも雄実下
    部切欠きを深く切り欠くことにより、隣接する他の建築
    板の基板端部の雌実部との嵌合状態で雌実下片の先端面
    と雄実下部切欠きの端面との間に空隙が生じるようにな
    っており、 遮音性シートは、雄実部側の端部が上記雄実上部切欠き
    の端面よりも基板中央と反対側に位置するようにずれた
    状態で基板裏面に接着されていることを特徴とする遮音
    性木質建築板。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2の遮音性木質建築板にお
    いて、 基板端部の雄実部表面側の雄実上部切欠きよりも雄実下
    部切欠きを深く切り欠くことにより、隣接する他の建築
    板の基板端部の雌実部との嵌合状態で雌実下片の先端面
    と雄実下部切欠きの端面との間に空隙が生じるようにな
    っており、 遮音性シートは、雄実部側の端部が上記雄実下部切欠き
    の端面よりも基板中央側に位置するようにずれた状態で
    基板裏面に接着されていることを特徴とする遮音性木質
    建築板。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008180062A (ja) * 2006-12-25 2008-08-07 Artrock:Kk タイルパネル
CN105804350A (zh) * 2016-03-14 2016-07-27 金螳螂精装科技(苏州)有限公司 木饰面插槽式安装结构
WO2017017144A1 (de) * 2015-07-27 2017-02-02 Hamberger Industriewerke Gmbh Wandkonstruktion und verfahren zum montieren
CN108708514A (zh) * 2018-07-03 2018-10-26 安徽扬子地板股份有限公司 一种分体式spc板

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