JPH1113135A - 柱脚固定構造における柱脚耐震性能を増大させる方法 - Google Patents

柱脚固定構造における柱脚耐震性能を増大させる方法

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JPH1113135A
JPH1113135A JP16674197A JP16674197A JPH1113135A JP H1113135 A JPH1113135 A JP H1113135A JP 16674197 A JP16674197 A JP 16674197A JP 16674197 A JP16674197 A JP 16674197A JP H1113135 A JPH1113135 A JP H1113135A
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Seiji Omori
征四 大森
Tetsuo Okabe
哲郎 岡部
Tsuneo Nakagawa
庸男 中川
Hiroshi Kurosu
廣 黒須
Masahiko Uchiyama
政彦 内山
Hiroyuki Sato
浩幸 佐藤
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Tomoe Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柱脚固定用アンカーボルトへの張力導入方法
の利点を生かしつつ、張力導入後はアンカーボルトを介
しレベルナットとアンカーナットによってベースプレー
トをより強固に締結するようにし、柱脚の復元力特性を
向上させ耐震性をより増大させることを目的とする。 【解決手段】 ほぼ鉛直状の構造物の柱脚6が接合され
たほぼ水平状のベースプレート5をグラウト材3等を介
在させて立上り基礎1上にアンボンド処理されたアンカ
ーボルト2およびアンカーナット4によって固定すると
ともに、該アンカーボルト2に螺合されてベースプレー
ト5の下部に当接してベースプレート5のレベル調整を
するレベルナット10を配置し、前記ベースプレート5
とレベルナット10との間に前記柱脚6の自重以上の所
定の荷重により軸方向に変形する変形部材8を介在させ
た柱脚固定構造において、前記変形部材8と同軸状に該
変形部材8の軸方向長さより所定量だけ短い軸方向長さ
を有する平座金12を前記ベースプレート5とレベルナ
ット10との間に配置したことを特徴とするものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ほぼ鉛直状の構造
物の柱脚が接合されたほぼ水平状のベースプレートをグ
ラウト材等を介して立上り基礎上に固定する柱脚固定構
造における柱脚耐震性能を増大させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の柱脚固定構造として図1
1および図12に示すようなものが採用されている。図
11(A)(B)に示す第1の従来例はNCベース形式
と称されるもので、ほぼ鉛直状の構造物の柱脚26が接
合されたほぼ水平状のベースプレート25をグラウト材
23を介して立上り基礎21に固定するに際して、通常
は、立上り基礎21天端の中心部位置に「まんじゅう」
と称する柱脚26の建入れ調整(レベル調整)のための
レベルモルタル28が予め打設され、該レベルモルタル
28に必要強度が発現するまでの1週間程度の養生をし
た後に、該レベルモルタル28の上にベースプレート2
5を設置して立上り基礎21に植設されたアンカーボル
ト22へのアンカーナット24の螺合による仮締めをし
て最終的な建入れ調整を行う。通常、アンカーボルト2
2に螺合され座金32を介してベースプレート25の下
方に配置される下ナット30は緩止めであり、レベル調
整はしない。なお、符号29は座金である。そして、こ
のような建入れ調整の後に、ベースプレート25と立上
り基礎21との間にグラウト材23を打設するものであ
る。この例では、ベースプレート25の建入れ調整すな
わち各アンカーナット24の位置調整によってベースプ
レート25のレベル調整を完了した後に、グラウト材2
3を打設するので、グラウト材23に強度発現のための
養生期間を必要とせず後述するハイベース形式のものに
比較して工期の短縮が図られるものであった。
【0003】これに対して、第2の従来例として図12
に示すハイベース形式と称されるものでは、レベルモル
タル28の上にベースプレート25を設置して柱脚26
の所定の建入れ調整をし、立上り基礎21とベースプレ
ート25との間にグラウト材23を打設した後、該グラ
ウト材23が硬化して強度発現後に、アンカーボルト2
2に螺合するアンカーナット24Aを本締めすることに
なるが、アンカーボルト22は立上り基礎21に植設さ
れたさや管31等によりアンボンド処理されており、ベ
ースプレート25の上方のアンカーナット24Aを本締
めすることで緊締するので、充分な強度が発現されたグ
ラウト材23およびアンボンド処理されたアンカーボル
ト22の充分な伸びの確保により、アンカーボルト22
に軸力として、ほぼ500Kg/cm2 の充分な張力を
導入することができる。なお、符号24Bおよび29
は、それぞれ緩止めナットおよび座金を示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図11
に示した第1の従来例のものでは、前記アンカーボルト
22は、立上り基礎21およびグラウト材23内に通常
の方法で一体化して埋設されているので、グラウト材2
3の打設養生後にはアンカーボルト22に螺合されてベ
ースプレート25を上方から緊締するアンカーナット2
4の本締めによってアンカーボルト22に張力を導入し
たくても、べースプレート25の下方に配置された緩止
めナット30の固定によってアンカーナット24の緊締
によりアンカーボルト22が伸びることができる範囲は
ほぼベースプレート25の厚みに相当する程度であり、
したがってアンカーボルト22には張力の導入は殆どで
きず、このため、柱脚26の立上り基礎21上での緊締
力を導入した固定はできなかった。また、図12に示し
た第2の従来例のものでは、柱脚26の建入れ調整の前
にレベルモルタル28を打設し、しかも充分に養生して
強度を発現させねばならず、さらにアンカーナット24
Aの本締めの前にもグラウト材23の充分な養生期間が
必要となり、工期の長期化は避けられないものであっ
た。
【0005】そこで、本件出願人は上記したような従来
の柱脚固定構造における柱脚固定用アンカーボルトへの
張力導入方法の諸課題を解決し、レベルモルタルを設置
せずとも柱脚の建入れ調整が可能で、グラウト材等の充
分な強度を背景にして柱脚固定用アンカーボルトへの大
きな張力の導入を可能にして、柱脚の立上り基礎上での
固定力が充分に確保され、かつ工期の短縮された柱脚固
定用アンカーボルトへの張力導入方法として、図9およ
び図10に示すようなもの(特願平8−335203
号)を提案した。
【0006】上記本件出願人による柱脚固定用アンカー
ボルトへの張力導入方法を図9によって簡単に説明する
と、ほぼ鉛直状の構造物の柱脚6が接合されたほぼ水平
状のベースプレート5をグラウト材3等を介在させて立
上り基礎1上に固定する形式の柱脚固定構造であって、
基本的には、立上り基礎1に塩化ビニール等のさや管1
1等を被覆してアンボンド処理されたアンカーボルト2
の上端部をベースプレート5に適宜個数が穿設されたボ
ルト孔7に挿入し、ベースプレート5の上方から座金9
を介在して螺合したアンカーナット4によって固定する
に際して、前記各アンカーボルト2に螺合されてベース
プレート5の下部に当接してベースプレート5のレベル
調整をするレベルナット10を配置したものにおいて、
前記ベースプレート5とレベルナット10との間に前記
柱脚6の自重以上の所定の荷重すなわちアンカーボルト
2に螺合するアンカーナット4の締付け力により軸方向
に変形する変形座金8を介在させたことを特徴とするも
のである。
【0007】前記変形座金8としては図10に示すよう
な、中心にボルト孔8Bを有して軸方向に変形すること
ができる円柱状を呈しており、図10(A)のハニカム
構造8Hからなる金属板の集合体から構成されたもの
や、図10(B)の形状を保持するためのスポンジ構造
体8Sの内部に埋設された金属の変形円筒体8Aから構
成されたものが採用される。このような構成によって、
レベルナット形式の建入れ調整が可能となり、かつアン
カーボルトにグラウト施工後の張力導入を可能にして柱
脚の立上り基礎上での固定力が充分に確保されることと
なったが、変形座金が耐力を負担できない状態になるの
で、レベルナット自体は構造要素として充分に機能して
いないものであった。したがって、柱脚の耐震性に影響
する復元力特性は図13に示すような荷重変位履歴のご
とく図12に示したハイベース型と同様なスリップ型と
なり、変形能力は大きいもののエネルギー吸収能力は低
いものとなっていた。つまり、図13(B)(C)のよ
うに地震等により水平方向Pの振動が加わって柱脚が角
度θ傾斜した場合、変形座金の塑性変形等に起因して図
13(C)のの変形状態において柱脚に復元遅れが生
じて振動エネルギーを充分に吸収しきれないスリップ現
象を引き起こす虞れがあった。ここで、Msはベースプ
レートがコンクリート面から離間したときのモーメン
ト、Myは降伏モーメントを表している。
【0008】そこで本発明は、本件出願人が先に提案し
た柱脚固定用アンカーボルトへの張力導入方法の利点を
生かしつつ、張力導入後はアンカーボルトを介しレベル
ナットとアンカーナットによってベースプレートをより
強固に締結するようにし、柱脚の復元力を向上させて耐
震性をより増大させることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、ほぼ
鉛直状の構造物の柱脚が接合されたほぼ水平状のベース
プレートをグラウト材等を介在させて立上り基礎上にア
ンボンド処理されたアンカーボルトおよびアンカーナッ
トによって固定するとともに、該アンカーボルトに螺合
されてベースプレートの下部に当接してベースプレート
のレベル調整をするレベルナットを配置し、前記ベース
プレートとレベルナットとの間に前記柱脚の自重以上の
所定の荷重により軸方向に変形する変形部材を介在させ
た柱脚固定構造において、前記変形部材と同軸状に該変
形部材の軸方向長さより所定量だけ短い軸方向長さを有
する平座金を前記ベースプレートとレベルナットとの間
に配置したことを特徴とするもので、これを課題解決の
ための手段とするものである。
【0010】
【実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に基づい
て説明する。図1および図2は、本発明の柱脚固定構造
における柱脚耐震性能を増大させる方法の第1実施の形
態を示すもので、図1は柱脚固定部におけるアンカーボ
ルトへの張力の導入前後の縦断面であり、左半分はアン
カーボルトへの張力の導入前を示し、右半分はアンカー
ボルトへの張力の導入後を示す。図2は本発明の柱脚固
定構造における柱脚耐震性能を増大させる方法の要部拡
大図である。本発明は、図1に示すように、ほぼ鉛直状
の構造物の柱脚6が接合されたほぼ水平状のベースプレ
ート5をグラウト材3等を介在させて立上り基礎1上に
固定する形式の柱脚固定構造において、基本的には、立
上り基礎1に塩化ビニール等のさや管11等を被覆して
アンボンド処理されたアンカーボルト2の上端部をベー
スプレート5に適宜個数が穿設されたボルト孔7に挿入
し、ベースプレート5の上方から座金9を介在して螺合
したアンカーナット4によって固定するに際して、前記
各アンカーボルト2に螺合されてベースプレート5の下
部に当接してベースプレート5のレベル調整をするレベ
ルナット10を配置し、前記ベースプレート5とレベル
ナット10との間に前記柱脚6の自重以上の所定の荷重
すなわちアンカーボルト2に螺合するアンカーナット4
の締付け力により軸方向に変形する変形部材としての変
形座金8を介在させたものにおいて、図2に要部を拡大
して示すように、前記変形座金8と同軸状に該変形座金
8の軸方向長さより所定量だけ短い軸方向長さを有する
平座金12を前記ベースプレート5とレベルナット10
との間に配置したことを特徴とするものである。本実施
の形態では、レベルナット10の上部には変形座金8や
平座金12を載置するフランジ状の座10Aが設けられ
て、やや大径の変形座金8や平座金12にも対応できる
ように構成される。変形座金8としては図10に説明し
たようなものが採用される。
【0011】このように構成したものの建入れ調整およ
びアンカーボルトへの張力導入の方法について説明する
と、図1の図面左側に示すように、立上り基礎1上にて
柱脚6の柱芯の墨出しを行った後、立上り基礎1にさや
管11等を被覆してアンボンド処理されたアンカーボル
ト2の上端部をベースプレート5に適宜個数が穿設され
たボルト孔7に挿入する。このとき、アンカーボルト2
の上部に螺合されたレベルナット10と該レベルナット
10の上部に配置した後述の変形座金8の位置によって
前記ベースプレート5の下端面位置が暫定的に決定され
る。好適にはベースプレート5の4隅に配置された各ア
ンカーボルト2に螺合した各レベルナッット10の位置
をそれぞれ調整することによってベースプレート5の適
切なレベル調整と柱脚6の鉛直度調整すなわち建入れ調
整を行う。次いで、ベースプレート5の上方から座金9
を介在させてアンカーボルト2にアンカーナット4を螺
合させベースプレート5を仮締めする。建入れ調整が完
了した時点でベースプレート5と立上り基礎1との間に
グラウト材3等を打設し、グラウト材3等に強度が発現
するまで養生させる。
【0012】図10に示すような、ベースプレート5と
レベルナット10との間に配置される変形座金8は、ハ
ニカム構造8Hからなる金属板の集合体や、形状を保持
するためのスポンジ構造体8Sの内部に埋設された金属
の変形円筒体8A等から構成され中心にボルト孔8Bを
有して軸方向に変形することができる円柱状を呈してお
り、前記グラウト材3等の打設の後、所定期間が経過し
て養生が完了しグラウト材3等に強度が発現した時点
で、アンカーナット4を所定の締付け力によって締め付
けていくと、下部が固定されて立上り基礎1にさや管1
1等の被覆によりアンボンド処理されたアンカーボルト
2の大部分は矢印のように立上り基礎1およびグラウト
材3等内にて自由に伸びて移動することができ、加え
て、このようなアンカーボルト2のアンボンド処理の構
成と相俟って前記変形座金8が(アンカーボルト2の)
軸方向に潰され変形する(好適には塑性変形)ので、従
来のもののようにレベルモルタルを設置せずとも前記レ
ベルナット10および変形座金8を介して柱脚6の建入
れ調整が可能であり、アンカーナット4の締付けによる
アンカーボルト2への大きな張力の導入が可能になる。
このとき、アンカーナット4の締付けによるベースプレ
ート5の下方への荷重は、前記強度が充分に発現された
グラウト材3等が受け持つので、調整されたベースプレ
ート5のレベルを狂わせることなくアンカーナット4を
充分に締め付けることができる。かくして、ほぼ鉛直状
の構造物の柱脚6が接合されたほぼ水平状のベースプレ
ート5は、グラウト材3等を介在させてアンカーナット
4によって確実かつ強固に立上り基礎1上に固定するこ
とができ、工期の短縮された柱脚固定用アンカーボルト
への張力導入方法が提供される。
【0013】そして、さらにアンカーナット4を充分に
締め付けていくことによって、最終的には図1の図面右
側に示すように、前記変形座金8と同軸状に該変形座金
8の内周側に配置された平座金12の上面と前記ベース
プレート5の下面が接触するに至る。かくして、ほぼ鉛
直状の構造物の柱脚6が接合されたほぼ水平状のベース
プレート5は、アンカーボルト2への大きな張力の導入
によりグラウト材3等を介在させてアンカーナット4に
よって確実かつ強固に立上り基礎1上に固定されるとと
もに、張力導入後はレベルナット10によって平座金1
2を介してベースプレート5をアンカーボルト2により
強固に締結することを可能にし、図14の荷重変位履歴
に示すように柱脚6の復元力特性は完全弾塑性型に近づ
けることができて、柱脚6の復元力特性を向上させて耐
震性をより増大させることができることとなった。
【0014】図3は、本発明の柱脚固定構造における柱
脚耐震性能を増大させる方法の第2実施の形態を示すも
ので、本実施の形態のものは前記第1実施の形態のもの
とは逆に大径の平座金12の内周側に変形座金8が同軸
状に配置された例である。変形座金8は矩形等適宜断面
のリング状を呈しており、側面視で弓形に湾曲して(い
わゆるばね座金)構成されている。このように構成され
ていることにより、アンカーナット4を所定の締付け力
によって締め付けていくことにより、変形座金8が塑性
変形ないし弾性変形によって変形してアンカーボルト2
へ大きな張力が導入され、張力導入後には平座金12を
介してレベルナット10の座10Aとベースプレート5
とが当接して、アンカーボルト2をより強固に締結する
ことが可能となり、柱脚6の復元力特性を向上させ耐震
性をより増大させることができる。
【0015】図4は、本発明の柱脚固定構造における柱
脚耐震性能を増大させる方法の第3実施の形態を示すも
ので、本実施の形態のものは前記第1実施の形態のもの
と同様に、大径の変形座金8の内周側に平座金12が同
軸状に配置されたものであるが、変形座金8は上方にい
く程変形し易いように厚みが減少するような断面形状を
している。また、変形座金8はその内周側の平座金12
とは別体に構成されるが、場合によっては平座金12と
一体に構成されてもよい。このように構成されているこ
とにより、アンカーナット4を所定の締付け力によって
締め付けていくことにより、変形座金8の上部がまず塑
性変形ないし弾性変形によって座屈等の変形が生じ、ア
ンカーボルト2へ大きな張力が導入され、張力導入後に
は平座金12を介してレベルナット10の座10Aとベ
ースプレート5とが当接して、アンカーボルト2をより
強固に締結することが可能となり、柱脚6の復元力特性
を向上させ耐震性をより増大させることができる。
【0016】図5は、本発明の柱脚固定構造における柱
脚耐震性能を増大させる方法の第4実施の形態を示すも
ので、本実施の形態のものは前記第3実施の形態のもの
と同様に、大径の変形座金8の内周側に平座金12が同
軸状に配置されたものであるが、変形座金8は断面L字
状の形状をしている。このように構成されていることに
より、アンカーナット4を所定の締付け力によって締め
付けていくことにより、変形座金8のL字状の上部がま
ず塑性変形ないし弾性変形によって倒伏し、アンカーボ
ルト2へ大きな張力が導入される。張力導入後には平座
金12を介してレベルナット10の座10Aとベースプ
レート5とが当接して、アンカーボルト2をより強固に
締結することが可能となり、柱脚6の復元力特性を向上
させ耐震性をより増大させることができる。
【0017】図6は、本発明の柱脚固定構造における柱
脚耐震性能を増大させる方法の第5実施の形態を示すも
ので、本実施の形態のものは前記第4実施の形態のもの
と同様に、大径の変形座金8の内周側に平座金12が同
軸状に配置されたものであるが、変形座金8は断面C字
状の形状をしている。このように構成されていることに
より、アンカーナット4を所定の締付け力によって締め
付けていくことにより、変形座金8のC字状の上部さら
には全体が塑性変形ないし弾性変形によって押しつぶさ
れ、アンカーボルト2へ大きな張力が導入される。張力
導入後には平座金12を介してレベルナット10の座1
0Aとベースプレート5とが当接して、アンカーボルト
2をより強固に締結することが可能となり、柱脚6の復
元力特性を向上させ耐震性をより増大させることができ
る。
【0018】図7は、本発明の柱脚固定構造における柱
脚耐震性能を増大させる方法の第6実施の形態を示すも
ので、本実施の形態のものは前記各実施の形態のものと
はやや異なり、変形座金8としてレベルナット10の座
10Aの周囲を起立させて変形壁10Bを形成したもの
である。これらの変形壁10Bは所定の荷重にて座屈し
易い適宜の断面形状が採用され、該変形壁10Bの内周
側に平座金12が同軸状に配置されたものである。変形
座金を構成するレベルナット10の座10Aの変形壁1
0Bは上方にいく程変形し易いように厚みが減少するよ
うな断面形状をしている。このように構成されているこ
とにより、アンカーナット4を所定の締付け力によって
締め付けていくことにより、変形座金を構成する変形壁
10Bの上部がまず塑性変形ないし弾性変形によって座
屈等の変形が生じて、アンカーボルト2へ大きな張力が
導入され、張力導入後には平座金12を介してレベルナ
ット10の座10Aとベースプレート5とが当接して、
アンカーボルト2をより強固に締結することが可能とな
り、柱脚6の復元力特性を向上させ耐震性をより増大さ
せることができる。
【0019】図8は、本発明の柱脚固定構造における柱
脚耐震性能を増大させる方法の第7実施の形態を示すも
ので、本実施の形態のものは前記図3の第2実施の形態
のものと類似し、大径の平座金12の内周側に変形座金
8が同軸状に配置されたものであり、変形座金8は上方
に拡開した皿ばね形状を呈している。また、大径の平座
金12の内周側には上方に拡開した斜面面12Aが形成
されている。このように構成されていることにより、ア
ンカーナット4を所定の締付け力によって締め付けてい
くことにより、変形座金8の上部が塑性変形ないし弾性
変形によって倒伏して変形が生じ、アンカーボルト2へ
大きな張力が導入される。この際、変形座金8が平座金
12の傾斜面12Aに沿って密着すると同時に張力導入
が完了して平座金12を介してレベルナット10の座1
0Aとベースプレート5とが当接して、アンカーボルト
2により強固に締結することが可能となり、柱脚6の復
元力特性を向上させ耐震性をより増大させることができ
る。
【0020】以上本発明の実施の形態について説明して
きたが、本発明の趣旨の範囲内で、柱脚、ベースプレー
トの形状、材質、変形部材としての変形座金、平座金、
アンカーボルトの形状、材質およびそれらの間の配置関
連構成、柱脚のベースプレートへの接合形態、レベルナ
ットおよびアンカーナットのアンカーボルトへの螺合形
態、グラウト材等の打設形態、アンカーボルトのアンボ
ンド処理形態、アンカーボルトの数および配置形態等に
ついては適宜選択できることは言うまでもないことであ
る。
【0021】
【発明の効果】以上詳細に説明してきたように、本発明
によれば、ベースプレートとレベルナットとの間に柱脚
の自重以上の所定の荷重により軸方向に変形する変形部
材を介在させたことにより、従来のもののようにレベル
モルタルを設置せずとも前記レベルナットおよび変形部
材を介して柱脚の建入れ調整が可能であり、加えて、所
定期間の経過後、養生が完了してグラウト材等に強度が
発現した時点で、アンカーナットを所定の締付け力によ
って締め付けることで、下部が固定されて立上り基礎に
さや管等の被覆によりアンボンド処理されたアンカーボ
ルトの大部分が立上り基礎およびグラウト材等内にて自
由に伸びて移動することができるので、アンカーボルト
のアンボンド処理の構成と相俟って前記変形部材の軸方
向への変形により、アンカーナットの締付けによるアン
カーボルトへの大きな張力の導入が可能になる。
【0022】このとき、アンカーナットの締付けによる
ベースプレートの下方への荷重は、前記強度が充分に発
現されたグラウト材等が受け持つので、調整されたベー
スプレートのレベルを狂わせることなくアンカーナット
を充分に締め付けることができるとともに、張力導入後
はレベルナットによって平座金を介してベースプレート
をアンカーボルトにより強固に締結することを可能にし
て、柱脚の復元力特性を向上させ耐震性をより増大させ
ることができる。このように、ほぼ鉛直状の構造物の柱
脚が接合されたほぼ水平状のベースプレートは、グラウ
ト材等を介在させてアンカーナットによって確実かつ強
固に立上り基礎上に固定することができて、工期の短縮
された柱脚固定用アンカーボルトへの張力導入を実現し
た上で、特殊な施工技術を要することなく、平座金の付
加という単純な構成のみにて柱脚の復元力特性を向上さ
せ耐震性をもより増大させることができることとなっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の柱脚固定構造における柱脚耐震性能を
増大させる方法の第1実施の形態の断面図で、左半分は
アンカーボルトへの張力の導入前を示し、右半分はアン
カーボルトへの張力の導入後を示す。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】本発明の第2実施の形態の要部断面図である。
【図4】本発明の第3実施の形態の要部断面図である。
【図5】本発明の第4実施の形態の要部断面図である。
【図6】本発明の第5実施の形態の要部断面図である。
【図7】本発明の第6実施の形態の要部断面図である。
【図8】本発明の第7実施の形態の要部断面図である。
【図9】本発明の基礎となった柱脚固定用アンカーボル
トへの張力導入方法を示す断面図である。
【図10】図9における変形座金の例を示す斜視図であ
る。
【図11】第1の従来例を示す断面図である。
【図12】第2の従来例を示す断面図である。
【図13】ハイベース型の荷重変位履歴を説明する図で
ある。
【図14】本発明の柱脚固定構造における荷重変位履歴
を説明する図である。
【符号の説明】
1・・・立上り基礎 2・・・アンカーボルト 3・・・グラウト材 4・・・アンカーナット 5・・・ベースプレート 6・・・柱脚 7・・・ボルト孔 8・・・変形部材(座金) 9・・・座金 10・・・レベルナット 10A・・座 10B・・変形壁 11・・・さや管(アンボンド処理) 12・・・平座金
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒須 廣 東京都中央区銀座6丁目2番10号 株式会 社巴コーポレーション内 (72)発明者 内山 政彦 東京都中央区銀座6丁目2番10号 株式会 社巴コーポレーション内 (72)発明者 佐藤 浩幸 東京都中央区銀座6丁目2番10号 株式会 社巴コーポレーション内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ほぼ鉛直状の構造物の柱脚が接合された
    ほぼ水平状のベースプレートをグラウト材等を介在させ
    て立上り基礎上にアンボンド処理されたアンカーボルト
    およびアンカーナットによって固定するとともに、該ア
    ンカーボルトに螺合されてベースプレートの下部に当接
    してベースプレートのレベル調整をするレベルナットを
    配置し、前記ベースプレートとレベルナットとの間に前
    記柱脚の自重以上の所定の荷重により軸方向に変形する
    変形部材を介在させた柱脚固定構造において、前記変形
    部材と同軸状に該変形部材の軸方向長さより所定量だけ
    短い軸方向長さを有する平座金を前記ベースプレートと
    レベルナットとの間に配置したことを特徴とする柱脚固
    定構造における柱脚耐震性能を増大させる方法。
JP16674197A 1997-06-24 1997-06-24 柱脚固定構造における柱脚耐震性能を増大させる方法 Pending JPH1113135A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120124919A1 (en) * 2009-05-05 2012-05-24 Aloys Wobben Method for erecting a tower, and tower
JP2018154964A (ja) * 2017-03-15 2018-10-04 三菱重工業株式会社 ベースプレート固定装置および固定方法

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