JPH11131180A - 耐摩耗性鋼 - Google Patents
耐摩耗性鋼Info
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- JPH11131180A JPH11131180A JP29555697A JP29555697A JPH11131180A JP H11131180 A JPH11131180 A JP H11131180A JP 29555697 A JP29555697 A JP 29555697A JP 29555697 A JP29555697 A JP 29555697A JP H11131180 A JPH11131180 A JP H11131180A
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- carbon
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 強度、加工性、熱的安定性に優れる上に、摺
動特性に優れ、油切れ状態ないし高ＰＶ値条件下におい
て異常摩耗を起こし難い耐摩耗性鋼を提供する。 【解決手段】 炭素：１．０重量％以上、珪素：０．８
重量％以上、マンガン：０．８重量％以上、硫黄：０．
０１重量％以下及びモリブデン：５．０重量％以下と、
必要に応じ更にニッケル：３．０重量％以下、アルミニ
ウム：１．０重量％以下、タングステン：１．５重量％
以下、バナジウム：２．０重量％以下及び硼素：０．５
重量％以下よりなる群から選ばれる１種又は２種以上と
を含み、残部が実質的に鉄よりなる耐摩耗性鋼。
動特性に優れ、油切れ状態ないし高ＰＶ値条件下におい
て異常摩耗を起こし難い耐摩耗性鋼を提供する。 【解決手段】 炭素：１．０重量％以上、珪素：０．８
重量％以上、マンガン：０．８重量％以上、硫黄：０．
０１重量％以下及びモリブデン：５．０重量％以下と、
必要に応じ更にニッケル：３．０重量％以下、アルミニ
ウム：１．０重量％以下、タングステン：１．５重量％
以下、バナジウム：２．０重量％以下及び硼素：０．５
重量％以下よりなる群から選ばれる１種又は２種以上と
を含み、残部が実質的に鉄よりなる耐摩耗性鋼。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は耐摩耗性鋼に係り、
特に、摺動特性が著しく良好で、油切れ状態や高ＰＶ
（２．５ｋｇ／ｍｍ2 ・ｍ／ｓｅｃ）値条件下での異常
摩耗を起こし難い高特性耐摩耗性鋼に関する。
特に、摺動特性が著しく良好で、油切れ状態や高ＰＶ
（２．５ｋｇ／ｍｍ2 ・ｍ／ｓｅｃ）値条件下での異常
摩耗を起こし難い高特性耐摩耗性鋼に関する。
【０００２】
【従来の技術】ディーゼルエンジン等の内燃機関のピス
トンリングやその他の摺動部材用途に用いられる耐摩耗
性鋼としては、工具鋼、軸受鋼、バネ鋼及びこれらの改
良材（表面改質材を含む）などがある。
トンリングやその他の摺動部材用途に用いられる耐摩耗
性鋼としては、工具鋼、軸受鋼、バネ鋼及びこれらの改
良材（表面改質材を含む）などがある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】従来の耐摩耗性鋼は、
いずれも摺動特性が十分でなく、このため、油切れ状態
ないし高ＰＶ値条件下では異常摩耗を起こしやすいとい
う欠点がある。
いずれも摺動特性が十分でなく、このため、油切れ状態
ないし高ＰＶ値条件下では異常摩耗を起こしやすいとい
う欠点がある。
【０００４】本発明は上記従来の問題点を解決し、強
度、加工性、熱的安定性に優れる上に、摺動特性に優
れ、油切れ状態ないし高ＰＶ値条件下において異常摩耗
を起こし難い耐摩耗性鋼を提供することを目的とする。
度、加工性、熱的安定性に優れる上に、摺動特性に優
れ、油切れ状態ないし高ＰＶ値条件下において異常摩耗
を起こし難い耐摩耗性鋼を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明の耐摩耗性鋼は、
炭素：１．０重量％以上、好ましくは１．２５〜２．５
０重量％、珪素：０．８重量％以上、好ましくは１．５
０〜３．００重量％、マンガン：０．８重量％以上、好
ましくは０．８０〜３．００重量％、硫黄：０．０１重
量％以下及びモリブデン：５．０重量％以下、好ましく
は０．２０〜２．０重量％を含み、残部が実質的に鉄よ
りなることを特徴とする。
炭素：１．０重量％以上、好ましくは１．２５〜２．５
０重量％、珪素：０．８重量％以上、好ましくは１．５
０〜３．００重量％、マンガン：０．８重量％以上、好
ましくは０．８０〜３．００重量％、硫黄：０．０１重
量％以下及びモリブデン：５．０重量％以下、好ましく
は０．２０〜２．０重量％を含み、残部が実質的に鉄よ
りなることを特徴とする。
【０００６】本発明の耐摩耗性鋼は、更に、ニッケル：
３．０重量％以下、アルミニウム：１．０重量％以下、
タングステン：１．５重量％以下、バナジウム：２．０
重量％以下及び硼素：０．５重量％以下、好ましくは、
ニッケル：２．０重量％以下、アルミニウム：０．５重
量％以下、タングステン：０．８重量％以下、バナジウ
ム：１．０重量％以下及び硼素：０．１重量％以下より
なる群から選ばれる１種又は２種以上を含んでいても良
い。
３．０重量％以下、アルミニウム：１．０重量％以下、
タングステン：１．５重量％以下、バナジウム：２．０
重量％以下及び硼素：０．５重量％以下、好ましくは、
ニッケル：２．０重量％以下、アルミニウム：０．５重
量％以下、タングステン：０．８重量％以下、バナジウ
ム：１．０重量％以下及び硼素：０．１重量％以下より
なる群から選ばれる１種又は２種以上を含んでいても良
い。
【０００７】上記組成範囲の合金であれば、強度、加工
性、熱的安定性を損なうことなく、摺動特性を片状黒鉛
鋳鉄と同程度或いはそれ以上に向上させることができ、
油切れ状態ないし高ＰＶ値条件下において異常摩耗を起
こし難い耐摩耗性鋼を実現することができる。
性、熱的安定性を損なうことなく、摺動特性を片状黒鉛
鋳鉄と同程度或いはそれ以上に向上させることができ、
油切れ状態ないし高ＰＶ値条件下において異常摩耗を起
こし難い耐摩耗性鋼を実現することができる。
【０００８】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【０００９】本発明の耐摩耗性鋼の合金組成及びその好
適範囲は下記表１に示す通りである。
適範囲は下記表１に示す通りである。
【００１０】
【表１】
【００１１】炭素（Ｃ）が１．０重量％未満では、耐摩
耗性が良好であるとは言えないが、Ｃが過度に多いと靭
性が大幅に低下するので、好ましくはＣの含有割合は
１．２５〜２．５０重量％である。
耗性が良好であるとは言えないが、Ｃが過度に多いと靭
性が大幅に低下するので、好ましくはＣの含有割合は
１．２５〜２．５０重量％である。
【００１２】珪素（Ｓｉ）が０．８重量％未満では黒鉛
化しにくいが、Ｓｉが過度に多いと靭性が大幅に低下す
るので、好ましくはＳｉの含有割合は１．５０〜３．０
０重量％である。
化しにくいが、Ｓｉが過度に多いと靭性が大幅に低下す
るので、好ましくはＳｉの含有割合は１．５０〜３．０
０重量％である。
【００１３】マンガン（Ｍｎ）が０．８重量％未満では
黒鉛化しにくいが、Ｍｎが過度に多いと靭性が大幅に低
下するので、好ましくはＭｎの含有割合は０．８０〜
３．００重量％である。
黒鉛化しにくいが、Ｍｎが過度に多いと靭性が大幅に低
下するので、好ましくはＭｎの含有割合は０．８０〜
３．００重量％である。
【００１４】ニッケル（Ｎｉ）は、機械的性質を向上す
るためのものであるが３．０重量％を超えると耐スカッ
フ性が低下する。Ｎｉの好ましい含有割合は２．０重量
％以下である。
るためのものであるが３．０重量％を超えると耐スカッ
フ性が低下する。Ｎｉの好ましい含有割合は２．０重量
％以下である。
【００１５】アルミニウム（Ａｌ）は黒鉛化、および脱
酸するためのものであるが、１．０重量％を超えると靭
性が大幅に低下する。Ａｌの好ましい含有割合は０．５
重量％以下である。
酸するためのものであるが、１．０重量％を超えると靭
性が大幅に低下する。Ａｌの好ましい含有割合は０．５
重量％以下である。
【００１６】硫黄（Ｓ）が０．０１重量％を超えると靭
性が低下するので、０．０１重量％以下とする。
性が低下するので、０．０１重量％以下とする。
【００１７】モリブデン（Ｍｏ）の存在で熱的特性の向
上という効果が得られるが、Ｍｏが５．０重量％を超え
ると靭性が低下する。Ｍｏの好ましい含有割合は０．２
０〜２．０重量％である。
上という効果が得られるが、Ｍｏが５．０重量％を超え
ると靭性が低下する。Ｍｏの好ましい含有割合は０．２
０〜２．０重量％である。
【００１８】タングステン（Ｗ）は、熱的特性を向上す
るためのものであるが、１．５重量％を超えると靭性が
低下する。Ｗの好ましい含有割合は０．８重量％以下で
ある。
るためのものであるが、１．５重量％を超えると靭性が
低下する。Ｗの好ましい含有割合は０．８重量％以下で
ある。
【００１９】バナジウム（Ｖ）は、熱的特性を向上する
ためのものであるが、Ｖが２．０重量％を超えると靭性
が低下する。Ｖの好ましい含有割合は１．０重量％以下
である。
ためのものであるが、Ｖが２．０重量％を超えると靭性
が低下する。Ｖの好ましい含有割合は１．０重量％以下
である。
【００２０】硼素（Ｂ）は、熱的特性を向上するための
ものであるが、０．５重量％を超えると靭性が低下す
る。Ｂの好ましい含有割合は０．１０重量％以下であ
る。
ものであるが、０．５重量％を超えると靭性が低下す
る。Ｂの好ましい含有割合は０．１０重量％以下であ
る。
【００２１】このような本発明の耐摩耗性鋼は、一般に
下記のような通常の熱処理を施して使用に供される。ま
た、このような熱処理の他、レーザ焼入れ処理又は深冷
処理を施しても良い。
下記のような通常の熱処理を施して使用に供される。ま
た、このような熱処理の他、レーザ焼入れ処理又は深冷
処理を施しても良い。
【００２２】[熱処理方法及び条件] 焼入（温度：７６０℃〜８２０℃）→油中急冷→焼戻
（温度１００℃〜６００℃）→放冷 本発明の耐摩耗性鋼は、内燃機関のシリンダ摺動部材
（ピストンリング材料、シリンダライナー材料、ピスト
ンスカート材料）、その他、各種摺動部材の構成材料及
びボールミル材料として極めて有用である。
（温度１００℃〜６００℃）→放冷 本発明の耐摩耗性鋼は、内燃機関のシリンダ摺動部材
（ピストンリング材料、シリンダライナー材料、ピスト
ンスカート材料）、その他、各種摺動部材の構成材料及
びボールミル材料として極めて有用である。
【００２３】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
り具体的に説明する。
【００２４】実施例１〜７，比較例１，２ 表２に示す構成を有し、下記条件で熱処理を行った合金
鋼について、下記試験を行ってその特性を調べ、結果を
表２に示した。
鋼について、下記試験を行ってその特性を調べ、結果を
表２に示した。
【００２５】[熱処理方法及び条件] 焼入（温度：７８０℃）→油中急冷→焼戻（温度５００
℃）→放冷 [摺動特性] （ピンオンディスク試験及びアムスラー摩
耗試験） 片状黒鉛鋳鉄以上 [機械的強度] 引張強度σB ≧６０ｋｇ／ｍｍ2 伸び ε ≧１．５％ [熱的特性] （クリープ試験） 片状黒鉛鋳鉄以上
℃）→放冷 [摺動特性] （ピンオンディスク試験及びアムスラー摩
耗試験） 片状黒鉛鋳鉄以上 [機械的強度] 引張強度σB ≧６０ｋｇ／ｍｍ2 伸び ε ≧１．５％ [熱的特性] （クリープ試験） 片状黒鉛鋳鉄以上
【００２６】
【表２】
【００２７】表２より、本発明の耐摩耗性鋼は、機械的
強度等に優れる上に、摺動特性が著しく良好で異常摩耗
が改善されていることが明らかである。
強度等に優れる上に、摺動特性が著しく良好で異常摩耗
が改善されていることが明らかである。
【００２８】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、強
度、加工性、熱的安定性に優れる上に、摺動特性に優
れ、油切れ状態ないし高ＰＶ値条件下において異常摩耗
を起こし難い耐摩耗性鋼が提供される。
度、加工性、熱的安定性に優れる上に、摺動特性に優
れ、油切れ状態ないし高ＰＶ値条件下において異常摩耗
を起こし難い耐摩耗性鋼が提供される。
Claims (4)
- 【請求項１】炭素：１．０重量％以上、 珪素：０．８重量％以上、 マンガン：０．８重量％以上、 硫黄：０．０１重量％以下及び モリブデン：５．０重量％以下を含み、残部が実質的に
鉄よりなることを特徴とする耐摩耗性鋼。 - 【請求項２】炭素：１．０重量％以上、 珪素：０．８重量％以上、 マンガン：０．８重量％以上、 硫黄：０．０１重量％以下及び モリブデン：５．０重量％以下と、 ニッケル：３．０重量％以下、アルミニウム：１．０重
量％以下、タングステン：１．５重量％以下、バナジウ
ム：２．０重量％以下及び硼素：０．５重量％以下より
なる群から選ばれる１種又は２種以上とを含み、残部が
実質的に鉄よりなることを特徴とする耐摩耗性鋼。 - 【請求項３】 請求項１又は２において、 炭素：１．２５〜２．５０重量％、 珪素：１．５０〜３．００重量％、 マンガン：０．８〜３．００重量％、 硫黄：０．０１重量％以下及び モリブデン：０．２０〜２．０重量％を含むことを特徴
とする耐摩耗性鋼。 - 【請求項４】 請求項３において、 炭素：１．２５〜２．５０重量％、 珪素：１．５０〜３．００重量％、 マンガン：０．８〜３．００重量％、 硫黄：０．０１重量％以下及び モリブデン：０．２０〜２．０重量％と、 ニッケル：２．０重量％以下、アルミニウム：０．５重
量％以下、タングステン：０．８重量％以下、バナジウ
ム：１．０重量％以下及び硼素：０．１重量％以下より
なる群から選ばれる１種又は２種以上とを含み、残部が
実質的に鉄よりなることを特徴とする耐摩耗性鋼。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29555697A JP3874133B2 (ja) | 1997-10-28 | 1997-10-28 | 耐摩耗性鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29555697A JP3874133B2 (ja) | 1997-10-28 | 1997-10-28 | 耐摩耗性鋼 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11131180A true JPH11131180A (ja) | 1999-05-18 |
| JP3874133B2 JP3874133B2 (ja) | 2007-01-31 |
Family
ID=17822177
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29555697A Expired - Fee Related JP3874133B2 (ja) | 1997-10-28 | 1997-10-28 | 耐摩耗性鋼 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3874133B2 (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008101235A (ja) * | 2006-10-17 | 2008-05-01 | Denki Kogyo Co Ltd | 熱処理方法 |
| JP2012518765A (ja) * | 2009-02-26 | 2012-08-16 | フェデラル−モーグル ブルシェイド ゲーエムベーハー | ピストンリングおよびシリンダスリーブを製造するための鋼材組成物 |
| CN103205635A (zh) * | 2013-04-10 | 2013-07-17 | 江苏迅达复合材料科技有限公司 | 一种vd高合金工具钢的生产方法 |
| US8845831B2 (en) | 2009-02-02 | 2014-09-30 | Denki Kogyo Co., Ltd. | Heat treatment method |
| CN104498824A (zh) * | 2014-12-02 | 2015-04-08 | 阜新蒙古族自治县晟宇铸造有限公司 | 高耐磨钢及其制备方法 |
-
1997
- 1997-10-28 JP JP29555697A patent/JP3874133B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008101235A (ja) * | 2006-10-17 | 2008-05-01 | Denki Kogyo Co Ltd | 熱処理方法 |
| US8845831B2 (en) | 2009-02-02 | 2014-09-30 | Denki Kogyo Co., Ltd. | Heat treatment method |
| JP2012518765A (ja) * | 2009-02-26 | 2012-08-16 | フェデラル−モーグル ブルシェイド ゲーエムベーハー | ピストンリングおよびシリンダスリーブを製造するための鋼材組成物 |
| US8882937B2 (en) | 2009-02-26 | 2014-11-11 | Federal-Mogul Burscheid Gmbh | Steel material composition for producing piston rings and cylinder sleeves |
| CN103205635A (zh) * | 2013-04-10 | 2013-07-17 | 江苏迅达复合材料科技有限公司 | 一种vd高合金工具钢的生产方法 |
| CN104498824A (zh) * | 2014-12-02 | 2015-04-08 | 阜新蒙古族自治县晟宇铸造有限公司 | 高耐磨钢及其制备方法 |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3874133B2 (ja) | 2007-01-31 |
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