JPH06207671A - 内燃機関のピストンリング - Google Patents
内燃機関のピストンリングInfo
- Publication number
- JPH06207671A JPH06207671A JP334493A JP334493A JPH06207671A JP H06207671 A JPH06207671 A JP H06207671A JP 334493 A JP334493 A JP 334493A JP 334493 A JP334493 A JP 334493A JP H06207671 A JPH06207671 A JP H06207671A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- piston ring
- internal combustion
- combustion engine
- tempering
- resistance
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- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐摩耗性、耐スカッフ性、加工性等に優れる
上に、機械的強度、耐疲労強度にも優れる内燃機関のピ
ストンリングを提供する。 【構成】 焼戻し温度が４５０℃±２５０℃の軸受鋼調
質材よりなる内燃機関のピストンリング。 【効果】 軸受鋼を焼入れ、４５０℃±２５０℃の高温
にて焼戻し処理して得られる材料は、ピストンリング材
料としてユーバロイ以上の特性を有し、耐摩耗性、耐ス
カッフ性、加工性に優れる上に、機械的強度、耐疲労強
度も著しく高い。
上に、機械的強度、耐疲労強度にも優れる内燃機関のピ
ストンリングを提供する。 【構成】 焼戻し温度が４５０℃±２５０℃の軸受鋼調
質材よりなる内燃機関のピストンリング。 【効果】 軸受鋼を焼入れ、４５０℃±２５０℃の高温
にて焼戻し処理して得られる材料は、ピストンリング材
料としてユーバロイ以上の特性を有し、耐摩耗性、耐ス
カッフ性、加工性に優れる上に、機械的強度、耐疲労強
度も著しく高い。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関のピストンリン
グに係り、特に、耐摩耗性、耐スカッフ性、加工性に優
れる上に機械的強度、耐疲労強度も良好な内燃機関のピ
ストンリングに関する。
グに係り、特に、耐摩耗性、耐スカッフ性、加工性に優
れる上に機械的強度、耐疲労強度も良好な内燃機関のピ
ストンリングに関する。
【０００２】
【従来の技術】舶用ディーデルエンジン等の内燃機関の
ピストンリングには、耐摩耗性、耐スカッフ性等の特性
が要求される。従来、このような要求特性を最も良く満
たすピストンリング材料としてはユーバロイ等の鋳鉄
（片状黒鉛鋳鉄）が用いられている。
ピストンリングには、耐摩耗性、耐スカッフ性等の特性
が要求される。従来、このような要求特性を最も良く満
たすピストンリング材料としてはユーバロイ等の鋳鉄
（片状黒鉛鋳鉄）が用いられている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ユーバロイ等の鋳鉄よ
りなるピストンリングでは、 鋼（スチール）に比べて一般に機械的強度が低い。 耐疲労強度が著しく低い。 といった欠点がある。
りなるピストンリングでは、 鋼（スチール）に比べて一般に機械的強度が低い。 耐疲労強度が著しく低い。 といった欠点がある。
【０００４】本発明は上記従来の問題点を解決し、耐摩
耗性、耐スカッフ性、加工性等に優れる上に、機械的強
度、耐疲労強度にも優れる内燃機関のピストンリングを
提供することを目的とする。
耗性、耐スカッフ性、加工性等に優れる上に、機械的強
度、耐疲労強度にも優れる内燃機関のピストンリングを
提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明の内燃機関のピス
トンリングは、焼戻し温度が４５０℃±２５０℃の軸受
鋼調質材よりなることを特徴とする。
トンリングは、焼戻し温度が４５０℃±２５０℃の軸受
鋼調質材よりなることを特徴とする。
【０００６】以上に本発明を詳細に説明する。
【０００７】本発明の内燃機関のピストンリングは、軸
受鋼調質材より構成されるものである。具体的には、下
記表１に示すような化学組成の鋼種の調質材を用いるこ
とができる。
受鋼調質材より構成されるものである。具体的には、下
記表１に示すような化学組成の鋼種の調質材を用いるこ
とができる。
【０００８】
【表１】
【０００９】このような軸受鋼は、軸受材料として用い
る場合、耐疲労特性や耐荷重特性を高めるために、調
質、即ち、焼入れ焼戻しを行なって使用に供する。この
焼入れ焼戻し条件は、その鋼種や用途（外輪、内輪、転
動体（球、ローラ））に応じて異なるが、一般に焼入れ
温度は８００〜８３０℃程度、焼戻し温度は１２０〜２
００℃程度とされる。
る場合、耐疲労特性や耐荷重特性を高めるために、調
質、即ち、焼入れ焼戻しを行なって使用に供する。この
焼入れ焼戻し条件は、その鋼種や用途（外輪、内輪、転
動体（球、ローラ））に応じて異なるが、一般に焼入れ
温度は８００〜８３０℃程度、焼戻し温度は１２０〜２
００℃程度とされる。
【００１０】本発明においては、このような焼入れ焼戻
しによる調質において、焼戻しを４５０℃±２５０℃の
温度で行なう。このような高温で焼戻しを行なうことに
より、ピストンリング材料としての要求特性を十分に満
足する高特性鋼が得られる。
しによる調質において、焼戻しを４５０℃±２５０℃の
温度で行なう。このような高温で焼戻しを行なうことに
より、ピストンリング材料としての要求特性を十分に満
足する高特性鋼が得られる。
【００１１】この焼戻し温度が３００℃よりも低いと、
硬度が高くなりすぎ、機械加工性に劣るものとなる。ま
た、焼戻し温度が４００℃よりも高いと機械加工性は比
較的良好である。従って、本発明においては、焼戻し温
度は４５０℃±２５０℃、好ましくは４００〜７００℃
とする。
硬度が高くなりすぎ、機械加工性に劣るものとなる。ま
た、焼戻し温度が４００℃よりも高いと機械加工性は比
較的良好である。従って、本発明においては、焼戻し温
度は４５０℃±２５０℃、好ましくは４００〜７００℃
とする。
【００１２】なお、焼入れ温度は、軸受鋼におけるのと
同様の条件で良く、通常の場合、８００〜８３０℃程度
で実施される。
同様の条件で良く、通常の場合、８００〜８３０℃程度
で実施される。
【００１３】本発明の内燃機関のピストンリングは、例
えば、前述の軸受鋼材をピストンリング形状に鋳造した
後、焼入れ、焼戻しし、これを機械加工することにより
容易に製造することができる。
えば、前述の軸受鋼材をピストンリング形状に鋳造した
後、焼入れ、焼戻しし、これを機械加工することにより
容易に製造することができる。
【００１４】
【作用】軸受鋼を焼入れ、４５０℃±２５０℃の高温に
て焼戻し処理して得られる材料は、ピストンリング材料
としてユーバロイ以上の特性を有し、耐摩耗性、耐スカ
ッフ性、加工性に優れる上に、機械的強度、耐疲労強度
も著しく高い。
て焼戻し処理して得られる材料は、ピストンリング材料
としてユーバロイ以上の特性を有し、耐摩耗性、耐スカ
ッフ性、加工性に優れる上に、機械的強度、耐疲労強度
も著しく高い。
【００１５】因に、本発明によれば、耐摩耗性について
は、現状材であるユーバロイと同等であり、耐スカッフ
性や熱へたり性、機械的強度、耐疲労強度についてはユ
ーバロイよりも著しく高く、また、加工性を損うことの
ない範囲で高硬度なピストンリングが提供される。
は、現状材であるユーバロイと同等であり、耐スカッフ
性や熱へたり性、機械的強度、耐疲労強度についてはユ
ーバロイよりも著しく高く、また、加工性を損うことの
ない範囲で高硬度なピストンリングが提供される。
【００１６】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。なお、以下において用いた試験材料は下記表
２に示す通りである。
説明する。なお、以下において用いた試験材料は下記表
２に示す通りである。
【００１７】
【表２】
【００１８】実施例１ ターカロイ製ディスク（シリンダライナに対応する。）
と上記表２のＮｏ．Ａ〜Ｈに示す材料でそれぞれ構成さ
れたピン（ピストンリングに対応する。）とを用い、下
記条件で摺動摩擦することにより摩耗試験を行ない、結
果（摩耗試験１００時間あたりの摩耗量）を図１に示し
た。
と上記表２のＮｏ．Ａ〜Ｈに示す材料でそれぞれ構成さ
れたピン（ピストンリングに対応する。）とを用い、下
記条件で摺動摩擦することにより摩耗試験を行ない、結
果（摩耗試験１００時間あたりの摩耗量）を図１に示し
た。
【００１９】摩耗試験条件 摩擦速度 ：１．６５ｍ／ｓｅｃ 接触荷重 ：４５００Ｎ 潤滑油 ：ＳＡＥ＃２０エンジンオイル 潤滑油温度：１６０℃ 図１より本発明のピストンリング材のＮｏ．Ｅ、Ｎｏ．
Ｆ及びＮｏ．Ｇは、耐摩耗性に優れることが明らかであ
る。
Ｆ及びＮｏ．Ｇは、耐摩耗性に優れることが明らかであ
る。
【００２０】実施例２ ターカロイ製回転片（シリンダライナに対応する。）と
上記表２のＮｏ．Ａ〜Ｈに示す材料で構成された固定片
（ピストンリングに対応する。）とを用いて、下記条件
でスカッフ試験を行ない、スカッフ発生時間を求め、結
果を図２に示した。
上記表２のＮｏ．Ａ〜Ｈに示す材料で構成された固定片
（ピストンリングに対応する。）とを用いて、下記条件
でスカッフ試験を行ない、スカッフ発生時間を求め、結
果を図２に示した。
【００２１】スカッフ試験条件 摩擦速度：１ｍ／ｓｅｃから５ｍ／ｓｅｃまで段階的に
増加 接触面圧：２５０Ｎ／ｃｍ2 、５５ｍｉｎ経過後に５０
０Ｎ／ｃｍ2 に増加 潤滑油 ：ＳＡＥ＃３０と白灯油との等量混合油 潤滑油量：試験前に回転片に潤滑油を一定量塗布 図２より、本発明のピストンリング材のＮｏ．Ｅ、Ｎ
ｏ．Ｆ及びＮｏ．Ｇは著しく耐スカッフ性に優れること
が明らかである。
増加 接触面圧：２５０Ｎ／ｃｍ2 、５５ｍｉｎ経過後に５０
０Ｎ／ｃｍ2 に増加 潤滑油 ：ＳＡＥ＃３０と白灯油との等量混合油 潤滑油量：試験前に回転片に潤滑油を一定量塗布 図２より、本発明のピストンリング材のＮｏ．Ｅ、Ｎ
ｏ．Ｆ及びＮｏ．Ｇは著しく耐スカッフ性に優れること
が明らかである。
【００２２】実施例３ 前記表２のＮｏ．Ａ〜Ｈの材料について、ビッカース硬
さを調べ、結果を図３に示した。
さを調べ、結果を図３に示した。
【００２３】図３より、本発明のピストンリング材のＮ
ｏ．Ｅ、Ｎｏ．Ｆ及びＮｏ．Ｇは硬度が破線で示す機械
加工性の目安（破線よりも硬度が低い方が、加工性に優
れる。）よりも低いが、比較的高硬度で、機械的強度、
耐疲労強度に優れることが明らかである。
ｏ．Ｅ、Ｎｏ．Ｆ及びＮｏ．Ｇは硬度が破線で示す機械
加工性の目安（破線よりも硬度が低い方が、加工性に優
れる。）よりも低いが、比較的高硬度で、機械的強度、
耐疲労強度に優れることが明らかである。
【００２４】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の内燃機関の
ピストンリングによれば、従来ピストンリング材料とし
て用いられているユーバロイ以上の特性を有し、耐摩耗
性、耐スカッフ性、加工性に優れる上に、機械的強度、
耐疲労強度も著しく高く、耐久性に優れた内燃機関のピ
ストンリングが提供される。
ピストンリングによれば、従来ピストンリング材料とし
て用いられているユーバロイ以上の特性を有し、耐摩耗
性、耐スカッフ性、加工性に優れる上に、機械的強度、
耐疲労強度も著しく高く、耐久性に優れた内燃機関のピ
ストンリングが提供される。
【図１】実施例１の結果を示すグラフである。
【図２】実施例２の結果を示すグラフである。
【図３】実施例３の結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 孝雄 岡山県玉野市玉３丁目１番１号 三井造船 株式会社玉野事業所内 (72)発明者 田中 正紀 岡山県玉野市玉３丁目１番１号 三井造船 株式会社玉野事業所内
Claims (1)
- 【請求項１】 焼戻し温度が４５０℃±２５０℃の軸受
鋼調質材よりなることを特徴とする内燃機関のピストン
リング。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP334493A JPH06207671A (ja) | 1993-01-12 | 1993-01-12 | 内燃機関のピストンリング |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP334493A JPH06207671A (ja) | 1993-01-12 | 1993-01-12 | 内燃機関のピストンリング |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06207671A true JPH06207671A (ja) | 1994-07-26 |
Family
ID=11554745
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP334493A Withdrawn JPH06207671A (ja) | 1993-01-12 | 1993-01-12 | 内燃機関のピストンリング |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06207671A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0754773A1 (en) * | 1995-07-19 | 1997-01-22 | MITSUI ENGINEERING & SHIPBUILDING CO., LTD | Wear resisting steel, sliding member for cylinder in internal combustion engine, and ring spring |
| KR100342177B1 (ko) * | 1999-12-08 | 2002-06-27 | 홍영철 | 엔진 피스톤 탑링용 오일 템퍼드 이형 강선 및 그 제조방법 |
| JP2012518763A (ja) * | 2009-02-26 | 2012-08-16 | フェデラル−モーグル ブルシェイド ゲーエムベーハー | ピストンリングおよびシリンダスリーブを製造するための鋼材組成物 |
| KR101704429B1 (ko) * | 2016-04-26 | 2017-02-09 | 주식회사 탑하이드로릭 | 피스톤링 제조방법 |
-
1993
- 1993-01-12 JP JP334493A patent/JPH06207671A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0754773A1 (en) * | 1995-07-19 | 1997-01-22 | MITSUI ENGINEERING & SHIPBUILDING CO., LTD | Wear resisting steel, sliding member for cylinder in internal combustion engine, and ring spring |
| US6048625A (en) * | 1995-07-19 | 2000-04-11 | Mitsui Engineering & Shipbuilding Co., Ltd. | Wear resisting steel, sliding member for cylinder in internal combustion engine, and ring spring |
| KR100342177B1 (ko) * | 1999-12-08 | 2002-06-27 | 홍영철 | 엔진 피스톤 탑링용 오일 템퍼드 이형 강선 및 그 제조방법 |
| JP2012518763A (ja) * | 2009-02-26 | 2012-08-16 | フェデラル−モーグル ブルシェイド ゲーエムベーハー | ピストンリングおよびシリンダスリーブを製造するための鋼材組成物 |
| KR101704429B1 (ko) * | 2016-04-26 | 2017-02-09 | 주식회사 탑하이드로릭 | 피스톤링 제조방법 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000404 |