JP2649835B2 - ピストンリング - Google Patents

ピストンリング

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は耐摩耗性、耐焼付性に優れ、且つ初期馴染み
性に優れた皮膜を形成した内燃機関用ピストンリングに
関する。
〔従来の技術〕
従来、ピストンリングの外周摺動面の表面処理として
は、硬質クロムめっきが主に使用されている。硬質クロ
ムめっきを被覆したピストンリングは、自身の耐摩耗性
に優れ、相手シリンダの摩耗も少ないことから、長い間
ピストンリングの表面処理の主流をなしてきた。
しかしながら、近年、エンジンの高出力化、高回転化
に伴い、ピストンリングが晒される環境は益々過酷にな
っており、このような環境下では従来の硬質クロムめっ
きでは対処できなくなりつつあり、一層強力な耐摩耗性
能及び耐焼付性能を持つピストンリングが要求されるよ
うになってきた。
かかる状況に対処するため、Fe−Cr系プラズマ溶射ピ
ストンリング、ステンレス製窒化処理ピストンリング、
セラミック系粉末複合めっきピストンリング等が開発さ
れ、一部のエンジンで採用されている。
〔発明が解決しようとする課題〕 これらの技術によれば、耐摩耗性および耐焼付性の点
で、従来技術による硬質クロムめっきに比し、はるかに
改善されたが、次のような不具合が見出されている。
Fe−Cr系プラズマ溶射ピストンリングは、優れた耐摩
耗性及び耐焼付性を持つが、相手シリンダ材の摩耗が多
いという欠点があり、また腐食雰囲気下に晒されると、
溶射層が母材より剥離し易いという弱点をもつ。
セラミック系粉末複合めっきピストンリングは、優れ
た耐焼付性を持つものの、マトリックスの強度に問題が
あり、エンジン運転中においてめっきの割れ、剥離が発
生しやすいという欠点をもつ。
ステンレス製窒化処理ピストンリングは、優れた耐摩
耗性能を持ち、且つ相手材の摩耗も少ないという優れた
摩耗特性を持つものの、耐焼付性が低く、熱負荷の高い
エンジンでは問題の出ることがある。
ステンレス製窒化処理ピストンリングでは、かかる状
況に対処するため、外周摺動面に更にイオンプレーティ
ングにより所定厚さを有する窒化チタン皮膜を被覆する
技術が開示されている。しかし、現在使用されている窒
化チタン皮膜は相手材への馴染み性が悪く、且つ表面粗
さが0.6μmRzより大きくなると、相手材攻撃性が急激に
高くなることが判明している。
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、窒化
チタン皮膜の初期摩耗をコントロールし、初期馴染み性
を良くして、早期にシリンダボアを馴染ませた後、耐摩
耗性、耐焼付性に優れた窒化チタン皮膜層を摺動させる
ようにしたピストンリングを提供することを目的とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明のピストンリングは、外周摺動面に窒化チタン
皮膜を形成したピストンリングにおいて、前記窒化チタ
ン皮膜は表層部の窒素濃度を他の部分よりも低くして表
層部の表面硬さをHV1800以下にしたことを特徴とする。
前記窒化チタン皮膜の下地は、表面酸化層および白層
を除去した窒化層であるのが好ましい。
そして、窒化チタン皮膜の被覆はイオンプレーティン
グによるのが好ましい。
ピストンリング表面に、本発明の窒化チタン皮膜を被
覆する場合は500℃以下、好ましくは350℃以下で処理す
るのが好ましい。第3図に、窒化処理層の加熱(各温度
に1時間保持)による硬さの変化を示す特性曲線図を示
す。図中、窒化処理層はマルテンサイト系17Crステンレ
ス製ピストンリング母材に窒化処理を施し、表面の酸化
層及び白層を除去したものである。第3図より、窒化処
理層は、500℃以下の加熱では硬さの低下はほとんどみ
られない。
〔作用〕
一般に、窒化チタン皮膜は耐摩耗性、耐焼付性に優れ
ることが知られているが、高硬度故に自身の表面粗さが
大きくなるに従い、相手材摩耗が急増する欠点がある。
それゆえに、窒化チタン皮膜の表面粗さを0.6μmRz以下
にしたり、ピストンリングが外周表面形状を滑らかな、
大きなR形状にして局部的に高面圧が発生しないような
処置が必要となる。しかしながら、これらの処理を施し
ても、高温、高圧下においては、耐焼付性は優れるもの
の、相手材摩耗が多いという欠点を有する。また、ピス
トンリング、ピストンが充分に馴染まないうちに、シリ
ンダ内周面が鏡面化した場合、窒化チタン皮膜が持たな
い他のピストンリングやピストン、シリンダにスカッフ
ィングが発生する場合がある。
これに比べ、本発明のピストンリングは、窒化チタン
皮膜の表層部の表面硬さを低くしているので、エンジン
運転初期において、早期に窒化チタン皮膜の表層部が摩
耗し、良好な摺動面形状が形成され、その後耐摩耗性に
優れた窒化チタン皮膜層が摺動するために、シリンダ内
周面の初期摩耗が少なく、且つ耐焼付性、耐摩耗性に優
れる。
そして、耐焼付性能は従来の窒化チタン皮膜よりも優
れていることが基礎・実機性能評価で確認された。これ
は初期摩耗が速いために、初期の局部当たり(ミクロ的
視野での金属接触)を回避するために耐焼付性能が向上
したものと考えられる。
窒化チタン皮膜の被覆をイオンプレーティングで行う
のは、ピストンリング母材の軟化を防ぎ、母材の耐摩耗
性能を損なうことがないような温度で処理する必要があ
ること、また変形を防止する上からも処理温度は低い方
が望ましいためである。また、窒化チタン皮膜の窒素濃
度(硬さ)を自由にコントロールできることによる。
〔実施例〕
第1図と第2図はそれぞれ本発明のピストンリングの
断面図を示す。
第1図はマルテンサイト系17Crステンレス材のピスト
ンリング101の外周摺動面に窒化チタン皮膜102を被覆形
成したもので、第2図はマルテンサイト系17Crステンレ
ス材のピストンリング101の全表面にガス窒化層を形成
し、その窒化層の表面酸化層及び白層を除去した層103
の外周摺動面上に窒化チタン皮膜102を被覆形成したも
のである。そして窒化チタン皮膜102は、表層部の窒素
濃度を他の部分よりも低くして表層部の表面硬さをHV18
00以下にしている。
(試験1) 第4図は、試験に使用した往復動摩擦試験機の概要を
示す。
第4図において、ピストンリングに相当する上試験片
1は、上試験片固定ブロック2により保持され、上方か
ら油圧シリンダ3により下向きの荷重が加えられる。一
方、シリンダに相当する相手部分たる下試験片4は可動
ブロック5により保持され、図示の如きクランク機構6
により矢印方向に往復動せしめられる。また、7はロー
ドセルである。第4図に示す摩擦試験機は公知であるの
で、詳しい説明は省略する。
上試験片1の摩耗量は第5図(A)に示す如く、上試
験片1の試験前形状8と試験後形状9を測定し、その差
を測定することにより算出する。下試験片4の摩耗量は
第5図(B)に示す如く、離間する3ケ所a,b,cの凹み
量を測定し、その平均値で示す。
試験条件は以下の通りである。
1.供試試料 A.下試験片4:シリンダブロック用鋳鉄製(FC25相当材)
平板(寸法:長さ70mm、幅17mm、厚さ14mm)の試験面を
バフ研磨し、面粗さを0.1μm以下にしたもの。なお、
硬さはHRB90である。
B.上試験片1:マルテンサイト系17Crステンレス材のピス
トンリング用棒(寸法:直径8mm、長さ23mm)を母材と
して以下の表面処理を施した試料を調整した。
試料1.(従来技術)−上試験片1端面を18mmRの球面加
工後、ガス窒化処理し、再度18mmRの球面加工により表
面の酸化層及び白層を取り除き、バフ研磨仕上げしたも
のである。なお、窒化層の厚さは90μmで、硬さはHV12
00である。
試料2.(従来技術)−上試験片1端面を18mmRの球面加
工後、ガス窒化処理し、再度18mmRの球面加工により表
面の酸化層及び白層を取り除き、バフ研磨後、イオンプ
レーティングにより、窒化チタン皮膜を被覆したもの。
窒化層の厚さは90μm、硬さはHV1200で、窒化チタン皮
膜の硬さはHV2400、厚さは2.5μmである。
試料3.(本発明)−上試験片1端面を18mmRの球面加工
後、ガス窒化処理し、再度18mmRの球面加工により表面
の酸化層及び白層を取り除き、バフ研磨後、イオンプレ
ーティングにより、窒化チタン皮膜を被覆したもの。た
だし、被覆時の炉内圧(窒素分圧)を随時変化させて、
窒化チタン皮膜は、表層部の窒素濃度を他の部分よりも
低くして表層部の表面硬さをHV1800以下にしたものであ
る。窒化層の厚さは90μm、硬さはHV1200で、窒化チタ
ン皮膜の表面硬さはHV1780、厚さは2.5μmである。
2.窒化チタン−イオンプレーティング皮膜の製造方法。
使用装置:イオンプレーティング装置 処理条件:真空引き 1×10-6Torr ヒータ加熱 イオンボンバード Arガス中で15分 真空引き 1×10-6Torr Ti溶解 *N2ガス導入−蒸着 炉内圧 7×10-4〜1×10-5Torr 冷却 真空槽を大気状態にする。−ワーク取り出し。
*試料2(従来技術)−炉内圧(N2ガス分圧) 3〜5×10-4Torr *試料3(本発明)−炉内圧(N2ガス分圧) 3×10-4Torr 40分 5×10-4Torr 30分 7×10-4Torr 30分 1×10-5Torr 15分 なお、上記試料3の条件(炉内圧)においてはTiの蒸
発レートは一定とした。
3.摩耗試験条件 試験装置:往復動摩擦試験機(第4図参照) 試験条件:ならし 2kgf×100cpm×5min 本試験 10kgf×600cpm×10Hr (いずれもストロークは50mm) 潤滑油JIS2号軽油(ミスト状吹き付け3cc/min) 試験結果:第6図に示すように、窒化チタン皮膜を被覆
した試料2,3は窒化層のみの試料1に比べていずれも良
好な耐摩耗性能を示した。そして、試料3(本発明)は
初期には試料2(従来技術)に比べやや摩耗が多いもの
の、時間の経過と共に同等の摩耗量となった。また相手
材の摩耗量は窒化チタン皮膜を被覆した試料2(従来技
術)が最も多く、窒化チタン皮膜を被覆した試料3(本
発明)は窒化層のみの試料1と同等の摩耗値を示し、相
手材摩耗は良好な性能を示した。
(試験2) 第7〜8図は、耐焼付試験に使用したピン・ディスク
型高面圧摩擦試験機の概要を示す。
ステータ20に取り外し可能に取り付けられた直径80mm
の円板21(摺動相手部材)の中央には、裏側から注油孔
22を通して潤滑油が注油される。また、ステータ20は油
圧装置により所定圧力でロータ23側に押し付けられ、圧
力Pが作用するようになっている。ステータ20に相対向
してロータ23が配され、該ロータ23は駆動装置によって
所定速度で回転する。
ロータ23の円板21に対抗する端面には試料保持具24が
設けられていて、該試料保持具24には同心円上に等間隔
をなして正方形の摺動面を有する4個の試験片25が取り
付けられ、該摺動面が円板(ステータ)に対接摺動す
る。
このような装置において、摺動面に所定量の給油をし
ながら、ロータ23を回転させる。一定時間毎にステータ
20に作用する圧力を段階的に増加させ、円板21と試験片
25との摺動により発生する摩擦力をトルクTとしてワイ
ヤーを介してロードセル26に作用させ、その変化を動歪
計27で読み、記録計28に記録させる。焼き付き現象が発
生するとトルクが急激に上昇する。したがって、トルク
Tが急激に上昇するときに摺動接触面に作用している接
触面圧を焼き付き発生面圧とし、この焼き付き発生面圧
の大小で焼き付き特性の良否を判定する。
試験条件は次の通りである。
摺動速度:8m/sec 潤滑油:SAE SE級 10W−30モータオイル 潤滑油供給条件:300cc/min 潤滑油温度:80℃ 接触圧力:20kg/cm2から3分間経過毎に10kg/cm2ずつ上
昇させる。
相手摺動部材(ステータ):鋳鉄材FC20 供試試料: 試料1.(従来技術)−硬質クロムめっきを試験片25表面
に50μm付け、エメリーペーパーで所定の表面粗さに調
整したもの。めっき硬さはHV910である。
試料2.(従来技術)−試験片25(マルテンサイト系17Cr
ステンレス材)をガス窒化処理したのち、表面の酸化層
及び白層を取り除き、エメリーペーパーで所定の表面粗
さに調整したもの。窒化層の厚さは90μm、硬さはHV12
00である。
試料3.(従来技術)−試験片25(マルテンサイト系17Cr
ステンレス材)をガス窒化処理したのち、表面の酸化層
及び白層を取り除き、エメリーペーパーで所定の表面粗
さに調整し、イオンプレーティングにより窒化チタン皮
膜を被覆したもの。イオンプレーティング条件は試験1
と同じである。窒化層の厚さは90μm、硬さはHV1200、
窒化チタン皮膜の厚さは2.5μmで、硬さはHV2500であ
る。
試料4.(本発明)−試験片25(マルテンサイト系17Crス
テンレス材)をガス窒化処理したのち、表面の酸化層及
び白層を取り除き、エメリーペーパーで所定の表面粗さ
に調整し、イオンプレーティングにより窒化チタン皮膜
を被覆したもの。ただし、被覆時の炉内圧(窒素分圧)
を随時変化させて、窒化チタン皮膜は、表層部の窒素濃
度を他の部分よりも低くして表層部の表面硬さをHV1800
以下にしたものである。イオンプレーティングの条件は
試験1と同じである。窒化層の厚さは90μm、硬さはHV
1200で、窒化チタン皮膜の表面硬さはHV1750、厚さ2.5
μmである。
なお、各試料1〜4の表面粗さは全て0.8μmRzであ
る。
試験結果を第9図に示す。
第9図に示す如く、本発明皮膜は従来技術の表面処理
皮膜に比べ、良好な耐焼付性を示した。これは本発明皮
膜は初期馴染み性に優れているために、試験初期におい
て良好な摺動面が形成されるためと考えられる。
(試験3) 第1圧力リングの摺動面に下記に示す表面処理を施
し、エンジンテストに供した。シリンダブロックの材質
はFC25相当材である。
試料1.(従来技術)−マルテンサイト系17Crステンレス
製ピストンリングの全表面にガス窒化処理したのち、表
面の酸化層及び白層を取り除いたもの。なお、外周摺動
面の窒化層の厚さは90μm、硬さはHV1200である。
試料2.(従来技術)−マルテンサイト系17Crステンレス
製ピストンリングの全表面にガス窒化処理したのち、表
面の酸化層及び白層を取り除き、バフ研磨後、イオンプ
レーティングにより、外周摺動面に窒化チタン皮膜を被
覆したもの。イオンプレーティングの条件は試験1と同
じである。外周摺動面の窒化層の厚さは90μmであり、
硬さはHV1200である。窒化チタン皮膜の厚さは4μmで
あり、硬さはHV2400である。
試料3.(本発明)−マルテンサイト系17Crステンレス製
ピストンリングの全表面にガス窒化処理したのち、表面
の酸化層及び白層を取り除き、バフ研磨後、イオンプレ
ーティングにより、外周摺動面に窒化チタン皮膜を被覆
したもの。ただし、被覆時の炉内圧(窒素分圧)を随時
変化させて、窒化チタン皮膜は、表層部の窒素濃度を他
の部分よりも低くして表層部の表面硬さをHV1800以下に
したものである。イオンプレーティングの条件は試験1
と同じである。外周摺動面の窒化層の厚さは90μmであ
り、硬さはHV1200である。窒化チタン皮膜の厚さは4μ
mであり、表面硬さはHV1780である。
各試料1〜3の外周摺動面の表面粗さは全て0.8μmRz
である。
上記のピストンリングを排気量2000cc、水冷6気筒の
4サイクルガソリンエンジンに組み込み、加鉛ガソリン
を燃料として、回転数5200rpm、水温110℃、油温130℃
以上、全負荷の条件で10時間のスカッフテストを2回実
施した。テスト後のピストンリングの外周摺動面及びシ
リンダ内周面のスカッフィングの状況は次の通りであ
る。
試料1はスカッフィングが発生し、試料2はスカッフ
ィングの発生はないものの、傷の発生があり、試料3は
スカッフィング、傷の発生は認められなかった。
以上のように、本発明品は、ピストンリング外周摺動
面はもちろんシリンダ内周面にもスカッフィングの発生
は全く認められず、また傷もなく、良好な初期馴染み性
及び耐焼付性を持つことが確認された。
(試験4) 試験3で作製したピストンリングを耐久テストに供試
し、耐摩耗性について調査した。
各ピストンリングを排気量2000cc、水冷6気筒の4サ
イクルガソリンエンジンに組み込み、無鉛ガソリンを燃
料として、回転数5200rpm、水温90℃、油温110℃、全負
荷の条件で100時間の耐久テストを実施した。
第10図にピストンリングの外周摺動面及びシリンダ内
周面のTOP−TDC部の摩耗を示す。また、第11図に100時
間運転後の第1圧力リングの外周摺動面形状を示す。
(A)は試料1、(B)は試料2、(C)は試料3のも
のである。
第10図に示す如く、運転初期においては本発明品は、
従来技術によるピストンリングよりも自分自身の摩耗量
は多いものの、ピストンリングとシリンダとの合計摩耗
量は本発明品の方が少ない。100時間運転後において
は、ピストンリングの摩耗量については本発明品と従来
品との差がなくなり、シリンダの摩耗量については本発
明品の方が摩耗が少ないことが確認された。
また、第11図に示す如く、本発明ピストンリングの外
周摺動面形状は運転初期において良好な摺動面形状が形
成される。このことが運転初期以降の耐摩耗性能に大き
な影響を与えたものと考えられる。面圧が低下したのち
は従来技術による窒化チタン皮膜と同等の膜が表面に出
て来るために耐摩耗性があるものと考えられる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明のピストンリングは耐摩
耗性、耐焼付性に優れ、且つ初期馴染み性に優れた効果
を有するものである。
【図面の簡単な説明】 第1図及び第2図は本発明ピストンリングの断面図、第
3図は窒化処理層の温度による硬さの変化を示す図、第
4図は往復動摩擦試験機の説明図、第5図(A)は上試
験片の摩耗量算出説明図、第5図(B)は下試験片の摩
耗量算出説明図、第6図は試験1の試験結果を示す図、
第7図及び第8図はピン・ディスク型高面圧摩擦試験機
の説明図、第9図は試験2の試験結果を示す図、第10図
は試験3の試験結果を示す図、第11図は試験4の試験結
果を示す図で、(A)は試料1、(B)は試料2、
(C)は試料3のものである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周摺動面に窒化チタン皮膜を形成したピ
    ストンリングにおいて、前記窒化チタン皮膜は表層部の
    窒素濃度を他の部分よりも低くして表層部の表面硬さを
    HV1800以下としたことを特徴とするピストンリング。
  2. 【請求項2】前記窒化チタン皮膜の下地が、表面酸化層
    および白層を除去した窒化層であることを特徴とする請
    求項1記載のピストンリング。
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