JPH0643570Y2 - ピストンリング - Google Patents
ピストンリングInfo
- Publication number
- JPH0643570Y2 JPH0643570Y2 JP1987057397U JP5739787U JPH0643570Y2 JP H0643570 Y2 JPH0643570 Y2 JP H0643570Y2 JP 1987057397 U JP1987057397 U JP 1987057397U JP 5739787 U JP5739787 U JP 5739787U JP H0643570 Y2 JPH0643570 Y2 JP H0643570Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- piston ring
- layer
- wear
- nickel
- composite plating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16J—PISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
- F16J9/00—Piston-rings, e.g. non-metallic piston-rings, seats therefor; Ring sealings of similar construction
- F16J9/26—Piston-rings, e.g. non-metallic piston-rings, seats therefor; Ring sealings of similar construction characterised by the use of particular materials
Description
【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は内燃機関のピストンに設けられたリング溝に装
着されて用いられるピストンリングに係るものであり特
に圧縮ピストンリングに係るものである。
着されて用いられるピストンリングに係るものであり特
に圧縮ピストンリングに係るものである。
内燃機関用のピストンリング特に燃焼ガスのシールを行
う圧縮ピストンリングは、直接燃焼ガスにさらされ且つ
近時の高出力、高回転化にともないその使用条件はます
ます苛酷さを加えている。
う圧縮ピストンリングは、直接燃焼ガスにさらされ且つ
近時の高出力、高回転化にともないその使用条件はます
ます苛酷さを加えている。
このような苛酷な使用条件に於ても充分なガスシール効
果を長時間にわたり維持させるため、種々の改善策が構
じられてきた。
果を長時間にわたり維持させるため、種々の改善策が構
じられてきた。
その改善策は、シリンダ内周面と摺動するピストンリン
グの外周面に窒化層（ガス窒化、塩浴室化、酸窒化など
による）、やクロムめっき層（硬さHV800〜1300）など
の耐摩耗性を有する硬質層を設けて、長時間にわたる充
分なガスシール効果を得たものである。
グの外周面に窒化層（ガス窒化、塩浴室化、酸窒化など
による）、やクロムめっき層（硬さHV800〜1300）など
の耐摩耗性を有する硬質層を設けて、長時間にわたる充
分なガスシール効果を得たものである。
しかしながら、この外周面に耐摩耗性を有する硬質層を
設ける手段は、使用初期におけるなじみ性において問題
点を有していた。
設ける手段は、使用初期におけるなじみ性において問題
点を有していた。
すなわち、硬質層を設けて耐摩耗性を得ようとするもの
であるため、シリンダとピストンリングとが、なじむま
でに長時間を要した。また、過給機付機関やディーゼル
機関などのように使用条件が苛酷な機関では、なじみ性
が悪いことが要因となって、使用初期にスカッフィング
摩耗を生じ、潤滑油消費量の増大を招くと言う問題点も
有していた。
であるため、シリンダとピストンリングとが、なじむま
でに長時間を要した。また、過給機付機関やディーゼル
機関などのように使用条件が苛酷な機関では、なじみ性
が悪いことが要因となって、使用初期にスカッフィング
摩耗を生じ、潤滑油消費量の増大を招くと言う問題点も
有していた。
この初期なじみ性を改善することも、多くの対策が講じ
られてきた。その内の１つに特公昭35-8304号「ピスト
ンリング等の機械摺動部品の改良」に示される如く、ク
ロムめっき層の上に錫、鉛、銅またはそれらの合金の軟
金属めっきを行って、速かになじませようとしたものが
ある。
られてきた。その内の１つに特公昭35-8304号「ピスト
ンリング等の機械摺動部品の改良」に示される如く、ク
ロムめっき層の上に錫、鉛、銅またはそれらの合金の軟
金属めっきを行って、速かになじませようとしたものが
ある。
しかしながら、近時の使用条件の苛酷となった機関にお
いては、前述の如き初期なじみ対策では不充分であり、
使用初期のスカッフィングの問題を充分に解決できなく
なってきた。
いては、前述の如き初期なじみ対策では不充分であり、
使用初期のスカッフィングの問題を充分に解決できなく
なってきた。
本考案は従来技術であるピストンリングの外周面に耐摩
耗性の硬質層を設けたピストンリングの最大の欠陥であ
る初期なじみ性を改善することによって、使用初期のス
カッフィング性を改善し、耐摩耗性硬質層の持つ本来の
性能を遺憾なく発揮させ得るピストンリングを得ようと
するものである。
耗性の硬質層を設けたピストンリングの最大の欠陥であ
る初期なじみ性を改善することによって、使用初期のス
カッフィング性を改善し、耐摩耗性硬質層の持つ本来の
性能を遺憾なく発揮させ得るピストンリングを得ようと
するものである。
本考案はピストンリングの外周面に耐摩耗性硬質層を設
け、該耐摩耗性硬質層の上に燐を12.2〜15.0重量％含有
するニッケル複合めっき層を５〜10μｍ設けたことを特
徴とするピストンリングである。
け、該耐摩耗性硬質層の上に燐を12.2〜15.0重量％含有
するニッケル複合めっき層を５〜10μｍ設けたことを特
徴とするピストンリングである。
従来の耐摩耗性硬質層の上に設けられる本願の特徴であ
るニッケル複合めっきは、ニッケルめっき層中に硬質微
粒子（例えば窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ケイ
素、酸化鉄、シリコンカーバイド、炭化タングステン、
炭化チタン、炭化ホウ素、炭化クロム、ダイヤモンド、
金属性微粒子、セラミック、酸化ジルコニウムなど）を
均一に分散させためっきである。
るニッケル複合めっきは、ニッケルめっき層中に硬質微
粒子（例えば窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ケイ
素、酸化鉄、シリコンカーバイド、炭化タングステン、
炭化チタン、炭化ホウ素、炭化クロム、ダイヤモンド、
金属性微粒子、セラミック、酸化ジルコニウムなど）を
均一に分散させためっきである。
そのため硬質層の上にニッケル複合めっきが設けられた
ピストンリングが摺動するとベースとなるニッケルと硬
質微粒子とが共存して摺動することとなるが、ベースと
なるニッケルは比較的軟質のため、初期なじみ性に優れ
る。しかも前述の如く、ニッケルめっき層中に硬質微粒
子が均一に分散されているため、この硬質微粒子とニッ
ケルとの間に微小摩耗段差を生ずることとなる。
ピストンリングが摺動するとベースとなるニッケルと硬
質微粒子とが共存して摺動することとなるが、ベースと
なるニッケルは比較的軟質のため、初期なじみ性に優れ
る。しかも前述の如く、ニッケルめっき層中に硬質微粒
子が均一に分散されているため、この硬質微粒子とニッ
ケルとの間に微小摩耗段差を生ずることとなる。
微小摩耗段差が形成されると、この微小摩耗段差の間に
潤滑油が保持されて、摺動条件を良好にして、スカッフ
ィングの発生を防止する。
潤滑油が保持されて、摺動条件を良好にして、スカッフ
ィングの発生を防止する。
このようにして、使用初期のなじみを良好にすると共に
使用初期のスカッフィングを顕著に防止するものであ
る。なじみが良好に形成された後は次第にニッケル複合
めっきは摩滅してスカッフィングが発生することなくニ
ッケル複合めっきの下に設けてある耐摩耗性硬質層が摺
動面に表われて、スムースに摩耗が移行し、本来の耐摩
耗性を遺憾なく発揮することとなる。
使用初期のスカッフィングを顕著に防止するものであ
る。なじみが良好に形成された後は次第にニッケル複合
めっきは摩滅してスカッフィングが発生することなくニ
ッケル複合めっきの下に設けてある耐摩耗性硬質層が摺
動面に表われて、スムースに摩耗が移行し、本来の耐摩
耗性を遺憾なく発揮することとなる。
なお、ニッケル複合めっきは、めっき厚が厚くなると、
ニッケルメッキ層中に分散される硬質微粒子のためにク
ラックが入りやすく、このクラックが原因となってニッ
ケル複合めっき層の剥離を生じたり、ひいてはピストン
リングの折損といった大きな問題を招来することが、本
考案者の研究の結果明らかとなった。
ニッケルメッキ層中に分散される硬質微粒子のためにク
ラックが入りやすく、このクラックが原因となってニッ
ケル複合めっき層の剥離を生じたり、ひいてはピストン
リングの折損といった大きな問題を招来することが、本
考案者の研究の結果明らかとなった。
従って、本考案においては、ニッケル複合めっきの厚さ
は10μｍ未満とするように限定した。
は10μｍ未満とするように限定した。
ただし、５μｍ未満では早期に摩耗しすぎるため前述し
た如き摩耗、潤滑のメカニズムが得られなくなり、使用
初期のなじみを与えることができない。また、厚さが10
μｍ以上では耐摩耗性硬質層に達するピンホールがかな
り存在し、強度の低下をきたすものであり、使用に供せ
ない。そのためニッケル複合めっきの厚さは５μｍ〜10
μｍの範囲に限定することによって初めて効果を有する
ものである。
た如き摩耗、潤滑のメカニズムが得られなくなり、使用
初期のなじみを与えることができない。また、厚さが10
μｍ以上では耐摩耗性硬質層に達するピンホールがかな
り存在し、強度の低下をきたすものであり、使用に供せ
ない。そのためニッケル複合めっきの厚さは５μｍ〜10
μｍの範囲に限定することによって初めて効果を有する
ものである。
また、使用条件が苛酷な近年の機関の場合にはニッケル
複合めっきのベースであるニッケルの部分をある程度硬
くしても、前述したメカニズムを得ることができる。こ
のニッケルの部分を硬くするために燐を12.2〜15.0重量
％含有させて200〜450℃熱処理を施すことにより、マイ
クロビッカース硬さ800以上とすることができ、特に過
給機付ディーゼル機関の如く苛酷な機関のピストンリン
グとして最適なピストンリングを得ることができる。
複合めっきのベースであるニッケルの部分をある程度硬
くしても、前述したメカニズムを得ることができる。こ
のニッケルの部分を硬くするために燐を12.2〜15.0重量
％含有させて200〜450℃熱処理を施すことにより、マイ
クロビッカース硬さ800以上とすることができ、特に過
給機付ディーゼル機関の如く苛酷な機関のピストンリン
グとして最適なピストンリングを得ることができる。
燐の量は12.2％未満では、硬度を上げるのに効果がな
く、15.0％以上となると、ニッケル複合めっきの密着度
の低下をきたし、剥離を生じたり、被膜強度の低下をき
たし、めっき層のカケやクラックが入るようになり、ピ
ストンリングとして使用に供せなくなるために、燐を添
加する場合には12.2〜15.0重量％の範囲内から設定する
必要がある。特に燐量が15.0％を超え且つ、複合めっき
厚さが10μを超えると、ニッケル−燐複合めっきにおい
て、通常の加熱温度200〜450℃にて熱処理を施し、硬さ
HV600のものをHV900に硬化処理することによりニッケル
−燐複合めっき層に発生するクラックが相乗的に増加
し、クラックによる切欠け効果によるピストンリング母
材の強度低下、ひいてはピストンリングの折損につなが
るものである。
く、15.0％以上となると、ニッケル複合めっきの密着度
の低下をきたし、剥離を生じたり、被膜強度の低下をき
たし、めっき層のカケやクラックが入るようになり、ピ
ストンリングとして使用に供せなくなるために、燐を添
加する場合には12.2〜15.0重量％の範囲内から設定する
必要がある。特に燐量が15.0％を超え且つ、複合めっき
厚さが10μを超えると、ニッケル−燐複合めっきにおい
て、通常の加熱温度200〜450℃にて熱処理を施し、硬さ
HV600のものをHV900に硬化処理することによりニッケル
−燐複合めっき層に発生するクラックが相乗的に増加
し、クラックによる切欠け効果によるピストンリング母
材の強度低下、ひいてはピストンリングの折損につなが
るものである。
従来のニッケル−燐複合めっきに於いては耐摩耗性向上
のため通常の鋳鉄製ピストンリングに約100μｍ〜120μ
ｍのめっき厚さを有しており、加熱硬化処理により硬さ
Hv700〜950のものが得られるが厚めっきによるクラック
発生と厚めっきによる加熱硬化処理時に於ける体積収縮
（寸法変化）の増大との相乗逆効果により、特に高負荷
のガソリン機関、デーィゼル機関、高過給機関に於いて
は折損が多発し、厚めっきニッケル−燐複合めっきは使
用に供することができない。
のため通常の鋳鉄製ピストンリングに約100μｍ〜120μ
ｍのめっき厚さを有しており、加熱硬化処理により硬さ
Hv700〜950のものが得られるが厚めっきによるクラック
発生と厚めっきによる加熱硬化処理時に於ける体積収縮
（寸法変化）の増大との相乗逆効果により、特に高負荷
のガソリン機関、デーィゼル機関、高過給機関に於いて
は折損が多発し、厚めっきニッケル−燐複合めっきは使
用に供することができない。
前述の燐含有量12.2〜15.0重量％は、分析値であり、本
願は５〜10μｍのニッケル複合めっき厚として、クラッ
クを防止してあるため、どのようにしても、めっき層を
剥離させて、分析試料を得ることができない。従って、
化学的にニッケル複合めっき以外の部分を溶解させて分
析試料を得て分析する方法をとることとなる。この分析
手法による燐の含有量を示すものである。
願は５〜10μｍのニッケル複合めっき厚として、クラッ
クを防止してあるため、どのようにしても、めっき層を
剥離させて、分析試料を得ることができない。従って、
化学的にニッケル複合めっき以外の部分を溶解させて分
析試料を得て分析する方法をとることとなる。この分析
手法による燐の含有量を示すものである。
以下、本考案のピストンリングを添付図面に沿って詳細
に説明する。
に説明する。
第１図は本考案ピストンリングの一実施例を示す縦断面
図を示すものであって、 ピストンリングの母材は、成分が重量パーセントでC0.8
〜0.95、Si0.35〜0.50、Mn0.25〜0.40、Cr17.00〜18.5
0、Mo1.00〜1.25、V0.08〜0.15、P0.04以下、S0.04以下
残Feからなる焼戻マルテンサイトのスチールであり、硬
さはHRC38〜44である。
図を示すものであって、 ピストンリングの母材は、成分が重量パーセントでC0.8
〜0.95、Si0.35〜0.50、Mn0.25〜0.40、Cr17.00〜18.5
0、Mo1.00〜1.25、V0.08〜0.15、P0.04以下、S0.04以下
残Feからなる焼戻マルテンサイトのスチールであり、硬
さはHRC38〜44である。
このスチールピストンリング１の全表面（外周面11、内
周面12、上面13、下面14）にガス窒化による化合物層が
除去された化合物が点在した窒化拡散層（耐摩耗性硬質
層）２が深さ90μｍ設けられている。そして、この外周
面の窒化層２の上にニッケル複合めっき層３が８μｍの
厚さ設けられている。
周面12、上面13、下面14）にガス窒化による化合物層が
除去された化合物が点在した窒化拡散層（耐摩耗性硬質
層）２が深さ90μｍ設けられている。そして、この外周
面の窒化層２の上にニッケル複合めっき層３が８μｍの
厚さ設けられている。
第２図は第１図の外周面11部分を拡大した説明用の断面
図であって、使用前の状態を示す。
図であって、使用前の状態を示す。
ピストンリングの外周面11には窒化層２があり、その上
に窒化ケイ素（硬質微粒子）31が均一に分散されたニッ
ケル複合めっき層３が設けられている。
に窒化ケイ素（硬質微粒子）31が均一に分散されたニッ
ケル複合めっき層３が設けられている。
第３図はなじみの付いた状態を示す拡大断面図を示すも
のである。第１図、第２図に示す如くピストンリングを
使用すると、シリンダ内周面とピストンリング外周面と
は、ニッケル複合めっき３のベースとなるニッケル４と
窒化ケイ素31とが共存して摺動する。ベースとなるニッ
ケル４は比較的軟質なため、容易になじみがつく。しか
もニッケル４と窒化ケイ素31とが摺動面に共存するた
め、軟質のニッケルの方が先に摩耗し、両者間に微小摩
耗段差ｌが形成される。この微小摩耗段差ｌには、潤滑
油が保持されるため、摺動条件を良好にして初期のスカ
ッフィングを顕著に防止することができる。
のである。第１図、第２図に示す如くピストンリングを
使用すると、シリンダ内周面とピストンリング外周面と
は、ニッケル複合めっき３のベースとなるニッケル４と
窒化ケイ素31とが共存して摺動する。ベースとなるニッ
ケル４は比較的軟質なため、容易になじみがつく。しか
もニッケル４と窒化ケイ素31とが摺動面に共存するた
め、軟質のニッケルの方が先に摩耗し、両者間に微小摩
耗段差ｌが形成される。この微小摩耗段差ｌには、潤滑
油が保持されるため、摺動条件を良好にして初期のスカ
ッフィングを顕著に防止することができる。
以下、本考案と従来例との比較試験について述べる。
（１）耐スカッフィング試験 高速摩擦摩耗試験機を用いJIS、FC25材からなる第４図
に示す回転円板５（外径139mm、内径105mm、厚さ7mm）
に対し、従来品及び比較品並びに本考案の試料である固
定片６（18mm×12mm×6mm）を圧接し、その圧接面に潤
滑油を供給しつつ回転片を回転させた。
に示す回転円板５（外径139mm、内径105mm、厚さ7mm）
に対し、従来品及び比較品並びに本考案の試料である固
定片６（18mm×12mm×6mm）を圧接し、その圧接面に潤
滑油を供給しつつ回転片を回転させた。
固定片である試料は母材をJIS、SUS440Bを用いそれぞれ
表面処理を施した。
表面処理を施した。
試料１…従来品、圧接面にガス窒化による窒化層（厚さ
90μｍ） 試料２…従来品、圧接面クロムめっき層（厚さ120μ
ｍ） 試料３…比較品、厚さ90μｍのガス窒化による圧接面の
窒化層の上に更に粒径0.7μｍの窒化珪素（Si3N4）を容
積比で15〜20％分散させたニッケル複合めっき層（厚さ
８μｍ、Ｐ量０％） 試料４…比較品、厚さ90μｍのガス窒化による圧接面の
窒化層の上に更に粒径0.7μｍの窒化珪素（Si3N4）を容
積比で15〜20％分散させたニッケル複合めっき層（厚さ
８μｍ、Ｐ量５％） 試料５……比較品、厚さ90μｍのガス窒化による圧接面
の窒化層の上に更に粒径0.7μｍの窒化珪素（Si3N4）を
容積比で15〜20％分散させたニッケル複合めっき層（厚
さ８μｍ、Ｐ量10％） 試料６…本考案品、厚さ90μｍのガス窒化による圧接面
の窒化層の上に更に粒径0.7μｍの窒化珪素（Si3N4）を
容積比で15〜20％分散させたニッケル複合めっき層（厚
さ８μｍ、Ｐ量12.2％） 試料７…本考案品、厚さ90μｍのガス窒化による圧接面
の窒化層の上に更に粒径0.7μｍの窒化珪素（Si3N4）を
容積比で15〜20％分散させたニッケル複合めっき層（厚
さ８μｍ、Ｐ量13.5％） 試料８…本考案品、厚さ90μｍのガス窒化による圧接面
の窒化層の上に更に粒径0.7μｍの窒化珪素（Si3N4）を
容積比で15〜20％分散させたニッケル複合めっき層（厚
さ８μｍ、Ｐ量15.0％） 試料９…比較品、厚さ90μｍのガス窒化による圧接面の
窒化層の上に更に粒径0.7μｍの窒化珪素（Si3N4）を容
積比で15〜20％分散させたニッケル複合めっき層（厚さ
８μｍ、Ｐ量17％） 〔試験条件〕 潤滑油 :SAE＃30＋白灯油（各50％） 油 温:50℃ 潤滑油量:0.02l/min 摩擦速度:3.75m/sec（300r.p.m） 面 圧：面圧25kg/cm2で20分間ならし運転後潤滑油の
供給を中止し、面圧30kg/cm2より、２分毎に10kg/cm2づ
つ加圧し、これによってスカッフィングが発生した面圧
をスカッフィング限界面圧とする。
90μｍ） 試料２…従来品、圧接面クロムめっき層（厚さ120μ
ｍ） 試料３…比較品、厚さ90μｍのガス窒化による圧接面の
窒化層の上に更に粒径0.7μｍの窒化珪素（Si3N4）を容
積比で15〜20％分散させたニッケル複合めっき層（厚さ
８μｍ、Ｐ量０％） 試料４…比較品、厚さ90μｍのガス窒化による圧接面の
窒化層の上に更に粒径0.7μｍの窒化珪素（Si3N4）を容
積比で15〜20％分散させたニッケル複合めっき層（厚さ
８μｍ、Ｐ量５％） 試料５……比較品、厚さ90μｍのガス窒化による圧接面
の窒化層の上に更に粒径0.7μｍの窒化珪素（Si3N4）を
容積比で15〜20％分散させたニッケル複合めっき層（厚
さ８μｍ、Ｐ量10％） 試料６…本考案品、厚さ90μｍのガス窒化による圧接面
の窒化層の上に更に粒径0.7μｍの窒化珪素（Si3N4）を
容積比で15〜20％分散させたニッケル複合めっき層（厚
さ８μｍ、Ｐ量12.2％） 試料７…本考案品、厚さ90μｍのガス窒化による圧接面
の窒化層の上に更に粒径0.7μｍの窒化珪素（Si3N4）を
容積比で15〜20％分散させたニッケル複合めっき層（厚
さ８μｍ、Ｐ量13.5％） 試料８…本考案品、厚さ90μｍのガス窒化による圧接面
の窒化層の上に更に粒径0.7μｍの窒化珪素（Si3N4）を
容積比で15〜20％分散させたニッケル複合めっき層（厚
さ８μｍ、Ｐ量15.0％） 試料９…比較品、厚さ90μｍのガス窒化による圧接面の
窒化層の上に更に粒径0.7μｍの窒化珪素（Si3N4）を容
積比で15〜20％分散させたニッケル複合めっき層（厚さ
８μｍ、Ｐ量17％） 〔試験条件〕 潤滑油 :SAE＃30＋白灯油（各50％） 油 温:50℃ 潤滑油量:0.02l/min 摩擦速度:3.75m/sec（300r.p.m） 面 圧：面圧25kg/cm2で20分間ならし運転後潤滑油の
供給を中止し、面圧30kg/cm2より、２分毎に10kg/cm2づ
つ加圧し、これによってスカッフィングが発生した面圧
をスカッフィング限界面圧とする。
この結果は第５図に示す如くであり、本考案は従来のガ
ス窒化やクロムめっきに比較し、耐スカッフィング性に
優れていることが確認された。特に燐量が12.2％を超え
ると良好であることが分る。なお、燐量が17.0％の試料
９は耐スカッフィング性は試料6.7.8と同様に優れてい
るが、ピストンリングとして使用した場合には、熱処理
による硬化時にクラックが発生する。そのためこのクラ
ックが原因となる折損を生ずることがあるので使用に供
することはできない。
ス窒化やクロムめっきに比較し、耐スカッフィング性に
優れていることが確認された。特に燐量が12.2％を超え
ると良好であることが分る。なお、燐量が17.0％の試料
９は耐スカッフィング性は試料6.7.8と同様に優れてい
るが、ピストンリングとして使用した場合には、熱処理
による硬化時にクラックが発生する。そのためこのクラ
ックが原因となる折損を生ずることがあるので使用に供
することはできない。
（２）被膜強度試験 特公昭36-19046号「鍍金密着度の定量的試験装置」によ
り、めっき面に対し衝撃を与え、何回衝撃を与えたとき
に剥離するかを試験した。
り、めっき面に対し衝撃を与え、何回衝撃を与えたとき
に剥離するかを試験した。
試料１はJIS、SUS440 B材のピストンリングの外周面に9
0μｍのガス窒化による窒化層をを施し更にその上に粒
径0.7μｍの窒化珪素（Si3N4）を容積比で15〜20％分散
させた燐を12.2％有するニッケル複合めっき層を設けた
ものである。試料２は試料１と燐量が15.5％と異なる外
は全く同じである。
0μｍのガス窒化による窒化層をを施し更にその上に粒
径0.7μｍの窒化珪素（Si3N4）を容積比で15〜20％分散
させた燐を12.2％有するニッケル複合めっき層を設けた
ものである。試料２は試料１と燐量が15.5％と異なる外
は全く同じである。
その結果は第６図に示す如くであり、５〜10μｍの厚さ
のとき被膜強度が大きいことが分る。
のとき被膜強度が大きいことが分る。
上記の如くピストンリング外周面を構成することによっ
て、使用初期において速やかにニッケルと硬質微粒子間
に微小摩耗段差が形成されて、初期なじみ性を良好にす
る。この微小摩耗段差は潤滑油の保持を行うために、摺
動条件を良好にするので、初期のスカッフィング性を顕
著に防止するものである。そして、ニッケル複合めっき
層が摩滅した後は、耐摩耗性のある硬質層が表われ、本
来の優れた耐摩耗性を発揮するので、長時間にわたり優
れた耐摩耗性を有するピストンリングを提供できるもの
である。
て、使用初期において速やかにニッケルと硬質微粒子間
に微小摩耗段差が形成されて、初期なじみ性を良好にす
る。この微小摩耗段差は潤滑油の保持を行うために、摺
動条件を良好にするので、初期のスカッフィング性を顕
著に防止するものである。そして、ニッケル複合めっき
層が摩滅した後は、耐摩耗性のある硬質層が表われ、本
来の優れた耐摩耗性を発揮するので、長時間にわたり優
れた耐摩耗性を有するピストンリングを提供できるもの
である。
第１図は本考案ピストンリングの一実施例を示す断面
図。第２図は第１図の要部拡大断面図。第３図は使用後
の状態を示す第２図に相当する要部拡大断面図である。
第４図はスカッフィング試験方法を説明する概略図、第
５図はスカッフィング試験結果を示すグラフ、第６図は
被膜強度試験結果を示すグラフである。 符号の説明 １……ピストンリング ２……耐摩耗性硬質層（窒化拡散層） ３……ニッケル複合めっき 11……外周面 31……硬質微粒子
図。第２図は第１図の要部拡大断面図。第３図は使用後
の状態を示す第２図に相当する要部拡大断面図である。
第４図はスカッフィング試験方法を説明する概略図、第
５図はスカッフィング試験結果を示すグラフ、第６図は
被膜強度試験結果を示すグラフである。 符号の説明 １……ピストンリング ２……耐摩耗性硬質層（窒化拡散層） ３……ニッケル複合めっき 11……外周面 31……硬質微粒子
Claims (4)
- 【請求項１】ピストンリングの外周面に耐摩耗性硬質層
を設け、該耐摩耗性硬質層の上に燐を12.2〜15.0重量％
含有するニッケル複合めっき層を５〜10μｍ設けたこと
を特徴とするピストンリング。 - 【請求項２】前記、耐摩耗性硬質層は窒化層であること
を特徴とする前記第１項記載のピストンリング。 - 【請求項３】前記、耐摩耗性硬質層はクロムめっき層で
あることを特徴とする前記第１項記載のピストンリン
グ。 - 【請求項４】前記、耐摩耗性硬質層は窒化拡散層である
ことを特徴とする前記第１項記載のピストンリング。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1987057397U JPH0643570Y2 (ja) | 1987-04-17 | 1987-04-17 | ピストンリング |
| DE19883812656 DE3812656C2 (de) | 1987-04-17 | 1988-04-15 | Kolbenring für eine Verbrennungskraftmaschine mit einer verschleissfesten Schicht hoher Härte auf seiner Umfangsfläche und mit einer äusseren Umfangsschicht als Einlaufschicht |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1987057397U JPH0643570Y2 (ja) | 1987-04-17 | 1987-04-17 | ピストンリング |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63164661U JPS63164661U (ja) | 1988-10-26 |
| JPH0643570Y2 true JPH0643570Y2 (ja) | 1994-11-14 |
Family
ID=13054498
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1987057397U Expired - Lifetime JPH0643570Y2 (ja) | 1987-04-17 | 1987-04-17 | ピストンリング |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0643570Y2 (ja) |
| DE (1) | DE3812656C2 (ja) |
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|---|---|---|---|---|
| JP2552638B2 (ja) * | 1987-05-29 | 1996-11-13 | 株式会社 リケン | ピストンリング |
| JPH0717882Y2 (ja) * | 1989-03-30 | 1995-04-26 | 株式会社リケン | ピストンリング |
| JP2891745B2 (ja) * | 1990-04-23 | 1999-05-17 | 日本ピストンリング株式会社 | ピストンリング |
| DE4325520A1 (de) * | 1992-08-08 | 1994-02-10 | Nagel Masch Werkzeug | Bauteil im Bereich von Arbeitsräumen, wie Verbrennungsräumen, von Kraft- oder Arbeitsmaschinen mit einer Beschichtung |
| US5655955A (en) * | 1993-07-30 | 1997-08-12 | Nagel Maschinen Und Werekzeugfabrik Gmbh | Method and tool for improving the structure of the inner faces of working chambers of machines and motors |
| DE19720779C1 (de) * | 1997-05-17 | 1998-10-01 | Ae Goetze Gmbh | Kolbenring aus Gußeisen |
| DE19851424A1 (de) * | 1998-11-07 | 2000-05-11 | Nagel Masch Werkzeug | Kolbenring und seine Verwendung |
| CN103511622A (zh) * | 2012-06-17 | 2014-01-15 | 芜湖市艾德森自动化设备有限公司 | 一种气缸活塞杆 |
| WO2015125832A1 (ja) * | 2014-02-19 | 2015-08-27 | 株式会社リケン | ピストンリング |
| DE102015209887A1 (de) * | 2015-05-29 | 2016-12-01 | Mahle International Gmbh | Kolben für einen Zylinder einer Brennkraftmaschine |
Family Cites Families (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| DE1848781U (de) * | 1961-12-13 | 1962-03-22 | Goetzewerke | Kolbenring. |
| DE1264146B (de) * | 1966-12-22 | 1968-03-21 | Goetzewerke | Kolbenring fuer Brennkraftmaschinen |
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| JPS6045717A (ja) * | 1983-08-23 | 1985-03-12 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 多気筒２サイクルエンジン |
| JPS60155056A (ja) * | 1984-01-23 | 1985-08-14 | Nippon Piston Ring Co Ltd | 鋼製圧縮ピストンリング |
| JPS60206962A (ja) * | 1984-03-30 | 1985-10-18 | Riken Corp | 内燃機関用鉄鋼製ピストンリング |
| US4681817A (en) * | 1984-12-24 | 1987-07-21 | Kabushiki Kaisha Riken | Piston ring |
| JPS62118164A (ja) * | 1985-11-19 | 1987-05-29 | Riken Corp | ピストンリング |
-
1987
- 1987-04-17 JP JP1987057397U patent/JPH0643570Y2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1988
- 1988-04-15 DE DE19883812656 patent/DE3812656C2/de not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| DE3812656C2 (de) | 1994-04-28 |
| JPS63164661U (ja) | 1988-10-26 |
| DE3812656A1 (de) | 1989-01-05 |
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