JPS60206962A - 内燃機関用鉄鋼製ピストンリング - Google Patents
内燃機関用鉄鋼製ピストンリングInfo
- Publication number
- JPS60206962A JPS60206962A JP6265484A JP6265484A JPS60206962A JP S60206962 A JPS60206962 A JP S60206962A JP 6265484 A JP6265484 A JP 6265484A JP 6265484 A JP6265484 A JP 6265484A JP S60206962 A JPS60206962 A JP S60206962A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- wear
- white
- piston ring
- combustion engine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16J—PISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
- F16J9/00—Piston-rings, e.g. non-metallic piston-rings, seats therefor; Ring sealings of similar construction
- F16J9/26—Piston-rings, e.g. non-metallic piston-rings, seats therefor; Ring sealings of similar construction characterised by the use of particular materials
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
1、産業上の利用分野
本発明は内燃機関用鉄鋼製ピストンリングに関し、更に
詳述すれば、耐久性の改善された内燃機関用鉄鋼製ピス
トンリングに関する。
詳述すれば、耐久性の改善された内燃機関用鉄鋼製ピス
トンリングに関する。
2、従来技術
第1図に示すように、内燃機関の運転中、ピストンリン
グのうちの圧力リング1は、その外周面2がシリンダま
たはシリンダライナ4の内周面4aと、上下面3がピス
トン5のリング溝5aの側面5bと摺動し、第2図に示
すように、組合せオイルリングのサイトレール6にあっ
ては、外周面7、上下面8のほかに内周面9もスペーサ
エキスパンダ10の耳部10aと摺接するので、これら
の摺接面には耐摩耗性が要求される。
グのうちの圧力リング1は、その外周面2がシリンダま
たはシリンダライナ4の内周面4aと、上下面3がピス
トン5のリング溝5aの側面5bと摺動し、第2図に示
すように、組合せオイルリングのサイトレール6にあっ
ては、外周面7、上下面8のほかに内周面9もスペーサ
エキスパンダ10の耳部10aと摺接するので、これら
の摺接面には耐摩耗性が要求される。
そのため、従来からこれらの表面に硬質クロムめっき、
その他のめっき、モリブデンその他の爆射、窒化等の耐
摩耗性表面処理を施す例が多い。
その他のめっき、モリブデンその他の爆射、窒化等の耐
摩耗性表面処理を施す例が多い。
近年、内燃機関の高出力化、高速回転化に伴ない、特に
、高鉛ガソリンを燃料とする内燃機関にあっては、鉄鋼
製ピストンリングに上記表面処理の内の1種類だけを施
しても、外周面、上下面、内周面は摺動条件が異なるた
め、充分な成果を挙げることができなくなってきている
。
、高鉛ガソリンを燃料とする内燃機関にあっては、鉄鋼
製ピストンリングに上記表面処理の内の1種類だけを施
しても、外周面、上下面、内周面は摺動条件が異なるた
め、充分な成果を挙げることができなくなってきている
。
従って、内燃機関の仕様や運転条件に応じて上記の各表
面処理を前記各表面に適宜撰択して施す例も見られる。
面処理を前記各表面に適宜撰択して施す例も見られる。
例えば外周面には硬質クロムめっき、硬質粒子分散めっ
き、或いはモリブデンその他の溶射を、上下面に硬質ク
ロムめっきを、上下面及び内周面のいずれか一方または
双方に窒化処理を施したピストンリング等が見られる。
き、或いはモリブデンその他の溶射を、上下面に硬質ク
ロムめっきを、上下面及び内周面のいずれか一方または
双方に窒化処理を施したピストンリング等が見られる。
特に外周面を除く表面では窒化処理が生産性及び処理コ
ストの点で有利なことから適用分野が広くなりつつある
。
ストの点で有利なことから適用分野が広くなりつつある
。
ところで、例えば鉄鋼製ピストンリング素材の上下面及
び/または内周面に窒化層を有し、外周面に硬質クロム
めっき層を有するピストンリングを得ようとする場合、
外周面へのクロムめっき処理に先立って窒化処理が施さ
れるが、窒化処理に際して外周面のみを窒化させないよ
うにすることは極めて面倒であるので、全面に窒化処理
を施してから、外周面に形成された窒化処理層の上にク
ロムめっき層を被着、形成する方法が採られている。
び/または内周面に窒化層を有し、外周面に硬質クロム
めっき層を有するピストンリングを得ようとする場合、
外周面へのクロムめっき処理に先立って窒化処理が施さ
れるが、窒化処理に際して外周面のみを窒化させないよ
うにすることは極めて面倒であるので、全面に窒化処理
を施してから、外周面に形成された窒化処理層の上にク
ロムめっき層を被着、形成する方法が採られている。
このような従来の方法により、クロムめっき層等の耐摩
耗性表面層を窒化処理層の上に被着、形成する場合には
、形成される耐摩耗性表面層の密着性が良好でなく、特
に、ピストンリングにあっては応力の作用の下で使用さ
れるので、この耐摩耗性表面層に剥離や亀裂が発生し易
く、却ってピストンリングの摩耗、シリングライチ等相
手材の摩耗が共に増大するようになる。
耗性表面層を窒化処理層の上に被着、形成する場合には
、形成される耐摩耗性表面層の密着性が良好でなく、特
に、ピストンリングにあっては応力の作用の下で使用さ
れるので、この耐摩耗性表面層に剥離や亀裂が発生し易
く、却ってピストンリングの摩耗、シリングライチ等相
手材の摩耗が共に増大するようになる。
3、発明の目的
本発明は上記のような従来のピストンリングの問題点を
解消し、内燃機関の仕様や運転条件に対応して優れた耐
久性を示す内燃機関用鉄鋼製ピストンリングを提供する
ことを目的としている。
解消し、内燃機関の仕様や運転条件に対応して優れた耐
久性を示す内燃機関用鉄鋼製ピストンリングを提供する
ことを目的としている。
4、発明の構成
即ち、本発明は、上下面、外周面及び内周面の少なくと
も一つの表面に窒化層を有し、他の少なくとも一つの表
面に耐摩耗性表面層が被着された内燃機関用鉄鋼製ピス
トンリングに於いて、前記耐摩耗製表面層力入窒化処理
によって形成された窒素拡散層上に直接被着されている
ことを特徴とする内燃機関用鉄鋼製ピストンリングに係
る。
も一つの表面に窒化層を有し、他の少なくとも一つの表
面に耐摩耗性表面層が被着された内燃機関用鉄鋼製ピス
トンリングに於いて、前記耐摩耗製表面層力入窒化処理
によって形成された窒素拡散層上に直接被着されている
ことを特徴とする内燃機関用鉄鋼製ピストンリングに係
る。
本発明に於いて「耐摩耗性表面層が被着され」とは、耐
摩耗性表面層が母材表面を覆うようにして密着している
ことを意味し、浸炭、窒化、其他のセメンチージョンに
より、母材外部から侵入した元素によって母材表層に耐
摩耗性表面層が形成されたものを含むものではない。
摩耗性表面層が母材表面を覆うようにして密着している
ことを意味し、浸炭、窒化、其他のセメンチージョンに
より、母材外部から侵入した元素によって母材表層に耐
摩耗性表面層が形成されたものを含むものではない。
5、実施例
以下に組合せオイルリングのサイトレールに本発明を適
用した例について説明する。
用した例について説明する。
5US440Bの帯から成形されたサイトレール素材の
表面に通例のガス窒化処理を施して表面に第3図に示し
た窒化層Aを形成した。ここで、窒化層Aは、最表面の
ζ相と呼ばれる稠密六方格子のF e、Nとε相とから
なる厚さ0.5〜1μmの所謂用層11と、これに接し
て内側にf相と呼ばれる面心立方格子のF e、VNか
らなる厚さ3〜5μ−の所謂白N12と、更にその深層
部を構成する鉄基地中に窒素が拡散して固溶した厚さ1
0〜20μ−の窒素拡散層13とからなっている。
表面に通例のガス窒化処理を施して表面に第3図に示し
た窒化層Aを形成した。ここで、窒化層Aは、最表面の
ζ相と呼ばれる稠密六方格子のF e、Nとε相とから
なる厚さ0.5〜1μmの所謂用層11と、これに接し
て内側にf相と呼ばれる面心立方格子のF e、VNか
らなる厚さ3〜5μ−の所謂白N12と、更にその深層
部を構成する鉄基地中に窒素が拡散して固溶した厚さ1
0〜20μ−の窒素拡散層13とからなっている。
この窒化層Aから通例の方法によって用層11を除去し
て白層12を表面に露出させた。
て白層12を表面に露出させた。
次に第4図に示すように、このサイトレール累月の内周
面を円筒体17の外周面に密着させ、かつ、サイトレー
ル側面を密着させてスタ・ツク状に重ね合わせて保持し
、これを25℃に保持された17vo1%の希塩酸中に
30秒間浸漬して外周面の白Jii12をエツチング除
去し、第3図に示した窒素拡散層13を外周面に露出さ
せ、次いで通例の方法によって外周面の窒素拡散層13
の上に硬質クロムめっき層を被着させた。
面を円筒体17の外周面に密着させ、かつ、サイトレー
ル側面を密着させてスタ・ツク状に重ね合わせて保持し
、これを25℃に保持された17vo1%の希塩酸中に
30秒間浸漬して外周面の白Jii12をエツチング除
去し、第3図に示した窒素拡散層13を外周面に露出さ
せ、次いで通例の方法によって外周面の窒素拡散層13
の上に硬質クロムめっき層を被着させた。
ここで、サイトレール素材の内周面及び上下面に形成さ
れている窒化層の白眉は、エツチング処理が短時間でな
されるために処理液がこれらの面に迄浸透せず、エツチ
ングされずに残留していた。
れている窒化層の白眉は、エツチング処理が短時間でな
されるために処理液がこれらの面に迄浸透せず、エツチ
ングされずに残留していた。
第4図はめっき後の状態を示す拡大断面図で、14は5
US440Bの母材、15は窒素拡散層上に被着されて
いる硬質クロムめっき層である。
US440Bの母材、15は窒素拡散層上に被着されて
いる硬質クロムめっき層である。
第4図の硬質クロムめっき層15が母材14に被着して
いるサイトレール外周面の部分Bの組織を第5図に顕微
鏡写真(倍率400倍)で示す。
いるサイトレール外周面の部分Bの組織を第5図に顕微
鏡写真(倍率400倍)で示す。
第5図に示すように、サイトレール外周部分Bでは母材
14の表面部分に窒素拡散層13が形成され、その上に
硬質クロムめっき層15が被着されても\る。
14の表面部分に窒素拡散層13が形成され、その上に
硬質クロムめっき層15が被着されても\る。
なお、サイトレールの上下面(第4図の部分C)は、号
イドレールがスタックされた状態で、また、サイトレー
ルの内周面(第4図の部分D)は円筒体17に密着した
状態で前記エツチング処理がされているために、最表面
には白層12が残留した状態になっている。
イドレールがスタックされた状態で、また、サイトレー
ルの内周面(第4図の部分D)は円筒体17に密着した
状態で前記エツチング処理がされているために、最表面
には白層12が残留した状態になっている。
このようにして得られたサイトレールは、第6図に断面
図で示すように、5US440Bの母材14の表面には
窒素拡散層13が形成され、上下面及び内周面には窒素
拡散層13の上に白層12が残留し、外周面には窒素拡
散層13の上に硬質クロムめっき1515が被着された
構造となっている。
図で示すように、5US440Bの母材14の表面には
窒素拡散層13が形成され、上下面及び内周面には窒素
拡散層13の上に白層12が残留し、外周面には窒素拡
散層13の上に硬質クロムめっき1515が被着された
構造となっている。
次に、硬質クロムめっき層の密着性を調べるために、以
下の実験を行った結果を説明する。
下の実験を行った結果を説明する。
呼び径86.0m111、幅寸法0 、60mm、厚さ
寸法2.8mmの5US440Bi!!サイトレール素
材に通例のガス窒化処理によって表面に窒化層を形成し
、通例の方法によって焦眉を除去して白層を最表面に露
出させた。
寸法2.8mmの5US440Bi!!サイトレール素
材に通例のガス窒化処理によって表面に窒化層を形成し
、通例の方法によって焦眉を除去して白層を最表面に露
出させた。
このサイトレール素材をスタック状に重ね、外周面に炭
化珪素粉末を懸濁させた水を5 kg/cjの圧縮空気
で吹付ける液体ホーニング処理を軸方向に4往復施し、
次いでクロムめっき浴中で20A/dnfの逆電処理を
90秒間または120秒間施してから直ちに通例のめっ
き方法によって硬質クロムめっき層を形成させた。
化珪素粉末を懸濁させた水を5 kg/cjの圧縮空気
で吹付ける液体ホーニング処理を軸方向に4往復施し、
次いでクロムめっき浴中で20A/dnfの逆電処理を
90秒間または120秒間施してから直ちに通例のめっ
き方法によって硬質クロムめっき層を形成させた。
第7図に示すように、このサイトレール16の合い口1
6aの相対向する合い口端部を掴持具18a、18bで
掴持し、掴持具18aを固定しておいて、掴持具18b
をサイトレール16の合い口反対側16bを軸として破
線で示されるように回転してサイトレール16を捩り、
所定の捩り角度毎にサイトレール16の合い口反対側1
6bに於けるめっき層の剥離の有無を目視で観察するツ
イスト試験を行った。供試サイトレールには、めっき後
に300℃に1時間加熱のベーキング処理を行ってめっ
き層の密着性を向上させたものと、このベーキング処理
を施さなかったものの両者を使用した。
6aの相対向する合い口端部を掴持具18a、18bで
掴持し、掴持具18aを固定しておいて、掴持具18b
をサイトレール16の合い口反対側16bを軸として破
線で示されるように回転してサイトレール16を捩り、
所定の捩り角度毎にサイトレール16の合い口反対側1
6bに於けるめっき層の剥離の有無を目視で観察するツ
イスト試験を行った。供試サイトレールには、めっき後
に300℃に1時間加熱のベーキング処理を行ってめっ
き層の密着性を向上させたものと、このベーキング処理
を施さなかったものの両者を使用した。
比較のために、液体ホーニング及び逆電処理を前記より
も短かくして白眉を少しく残留させたサイトレール及び
前記前処理を施さずに硬質クロムめっき層を白眉の上に
形成した従来のサイトレールについて同様の試験を行っ
た。
も短かくして白眉を少しく残留させたサイトレール及び
前記前処理を施さずに硬質クロムめっき層を白眉の上に
形成した従来のサイトレールについて同様の試験を行っ
た。
供試サイトレールの個数は各々50個である。
試験結果は第8図に示す通りである0図中、斜線を付し
たものはベーキング処理を施した場合の結果である。
たものはベーキング処理を施した場合の結果である。
同図から以下のことが解る。即ち、前記液体ホーニング
と逆電処理との前処理を施さない従来のサイトレールで
は、捩り角度50°でめっき層の剥離を起すものがあり
、ベーキング処理を施さないものでは60°の捩り角度
で、ベーキング処理を施したものでは70°の捩り角度
で総て剥離を起している。
と逆電処理との前処理を施さない従来のサイトレールで
は、捩り角度50°でめっき層の剥離を起すものがあり
、ベーキング処理を施さないものでは60°の捩り角度
で、ベーキング処理を施したものでは70°の捩り角度
で総て剥離を起している。
前記前処理の不完全な、白層を一部残留させた比較のサ
イトレールでは、ベーキング処理を施さないものでは1
40〜160°の捩り角度でめっき層の剥離を起すもの
があり、140〜180°の捩り角度で総てが剥離を起
しており、ベーキング処理を施したものでは160°の
捩り角度で剥離を起すものがでていて、そのめっき層の
密着性は従来品のそれに較べて大幅に改善されている。
イトレールでは、ベーキング処理を施さないものでは1
40〜160°の捩り角度でめっき層の剥離を起すもの
があり、140〜180°の捩り角度で総てが剥離を起
しており、ベーキング処理を施したものでは160°の
捩り角度で剥離を起すものがでていて、そのめっき層の
密着性は従来品のそれに較べて大幅に改善されている。
充分な前記前処理を施して白眉を完全に除去した本発明
に係るサイトレールは、ベーキング処理の有無に拘らず
、180°の捩り角度でもめっき層の剥離が認められず
、不充分な前処理を施した上記の比較のサイトレールに
較べて更に一層めっき層の密着性が改善されている。
に係るサイトレールは、ベーキング処理の有無に拘らず
、180°の捩り角度でもめっき層の剥離が認められず
、不充分な前処理を施した上記の比較のサイトレールに
較べて更に一層めっき層の密着性が改善されている。
上記第8図の結果から、本発明に係るサイトレールは、
白眉の上に硬質クロムめっき層を被着させた従来のサイ
トレールに較べて、めっき層の密着性が著しく改善され
ていることが理解できる。
白眉の上に硬質クロムめっき層を被着させた従来のサイ
トレールに較べて、めっき層の密着性が著しく改善され
ていることが理解できる。
また、硬質クロムめっき層が被着されていない表面には
白層が形成されていて耐摩耗性に寄与しており、その上
、窒化処理によって疲労強度も上昇しているので、本発
明に係るサイトレールは耐久性に極めて優れることが容
易に理解されよう。
白層が形成されていて耐摩耗性に寄与しており、その上
、窒化処理によって疲労強度も上昇しているので、本発
明に係るサイトレールは耐久性に極めて優れることが容
易に理解されよう。
上記実施例は組合せオイルリングのサイトレールについ
ての例であるが、本発明はサイトレールに限らず、圧力
リングにも同様に通用できることは言う迄もない。
ての例であるが、本発明はサイトレールに限らず、圧力
リングにも同様に通用できることは言う迄もない。
また、上記実施例では窒素拡散層上に被着させる耐摩耗
性表面層を硬質クロムめっき層としているが、この層は
硬質クロムめっき層に限られるものではなく、ピストン
リングの使用条件に応じて、例えば炭化珪素粒子のよう
な硬質粒子が分散したニッケルめっき層若しくはニッケ
ルー燐めっき層、モリブデン溶剤層、多量のクロムを含
有する合金溶剤層または硬質粒子分散溶剤層等適宜の耐
摩耗性表面層を撰択することができる。
性表面層を硬質クロムめっき層としているが、この層は
硬質クロムめっき層に限られるものではなく、ピストン
リングの使用条件に応じて、例えば炭化珪素粒子のよう
な硬質粒子が分散したニッケルめっき層若しくはニッケ
ルー燐めっき層、モリブデン溶剤層、多量のクロムを含
有する合金溶剤層または硬質粒子分散溶剤層等適宜の耐
摩耗性表面層を撰択することができる。
また、耐摩耗性表面層の被着個所は外周面に限られるも
のではなく、圧力リングにあっては上下面、組合せオイ
ルリングのサイトレールにあっては外周面、上下面、内
周面の内のいずれか一つまた二つの面に被着させても良
く、サイトレールと組合されるスペーサエキスパンダの
耳部のサイトレール内周面との摺接面に窒化層を形成ま
たは耐摩耗性表面層を被着させても良い。
のではなく、圧力リングにあっては上下面、組合せオイ
ルリングのサイトレールにあっては外周面、上下面、内
周面の内のいずれか一つまた二つの面に被着させても良
く、サイトレールと組合されるスペーサエキスパンダの
耳部のサイトレール内周面との摺接面に窒化層を形成ま
たは耐摩耗性表面層を被着させても良い。
また、窒化の方法はガス窒化、ガス軟窒化、塩浴窒化等
いずれの方法によっても良い。
いずれの方法によっても良い。
なお、窒化層の白眉を除去する方法としては、耐摩耗性
表面層をめっき層とする場合は、例えば25℃前後に保
持された5vo1%希塩酸中に5〜60秒間浸漬する、
室温の5vo1%希硫酸中に5〜60秒間浸漬する、ま
たは室温若しくは50〜60℃に保持された無水クロム
酸200〜300g/l硫酸0〜3 g / lの液中
で20A/datの電流密度で30〜90秒間エツチン
グするエツチング処理によるのほか、前述のような液体
ホーニングと逆電処理とによって行うことができる。耐
摩耗性表面層を溶剤層とする場合は、例えば研磨剤で研
磨する機械的処理によって行うことができる。
表面層をめっき層とする場合は、例えば25℃前後に保
持された5vo1%希塩酸中に5〜60秒間浸漬する、
室温の5vo1%希硫酸中に5〜60秒間浸漬する、ま
たは室温若しくは50〜60℃に保持された無水クロム
酸200〜300g/l硫酸0〜3 g / lの液中
で20A/datの電流密度で30〜90秒間エツチン
グするエツチング処理によるのほか、前述のような液体
ホーニングと逆電処理とによって行うことができる。耐
摩耗性表面層を溶剤層とする場合は、例えば研磨剤で研
磨する機械的処理によって行うことができる。
6、発明の詳細
な説明したように、本発明によるピストンリングでは、
ピストンリングの少なくとも一つの表面に被着、形成さ
れる耐摩耗性表面層は、窒化処理層を構成する白眉の上
にではなく、窒化処理層の深層部を構成する高強度の窒
素拡散層の上に直接被着、形成されているので、この耐
摩耗性表面層の密着性が極めて良好であり、応力の作用
する状態で、かつ、苛酷な運転条件で長時間使用される
場合でも、この耐摩耗性表面層に亀裂や剥離の生ずるこ
とがない。
ピストンリングの少なくとも一つの表面に被着、形成さ
れる耐摩耗性表面層は、窒化処理層を構成する白眉の上
にではなく、窒化処理層の深層部を構成する高強度の窒
素拡散層の上に直接被着、形成されているので、この耐
摩耗性表面層の密着性が極めて良好であり、応力の作用
する状態で、かつ、苛酷な運転条件で長時間使用される
場合でも、この耐摩耗性表面層に亀裂や剥離の生ずるこ
とがない。
その上、上記耐摩耗性表面層が被着されていない表面に
は耐摩耗性を有する白眉が形成されており、窒化処理に
よる疲労強度の向上と相俟って極めて優れた耐久性を示
す。
は耐摩耗性を有する白眉が形成されており、窒化処理に
よる疲労強度の向上と相俟って極めて優れた耐久性を示
す。
従って、本発明によれば、ピストンリングの異なる摺動
面に夫々窒化層と耐摩耗性表面層を有する従来のピスト
ンリングに生ずる難点が解消され、ピストンリングの耐
久性が著しく改善される。
面に夫々窒化層と耐摩耗性表面層を有する従来のピスト
ンリングに生ずる難点が解消され、ピストンリングの耐
久性が著しく改善される。
第1図は圧力リング及びその周辺の断面図、第2図は組
合せオイルリング及びその周辺の断面図である。 第3図は窒化層の組織を示す顕微鏡写真である。 第4図〜第8図は本発明の実施例を示し、第4図はサイ
トレールの硬質クロムめっき層被着処理直後の状態を示
す拡大断面図、 第5図は第4図のB部分の外周面組織を示す顕微鏡写真
、 第6図はサイトレールの拡大断面図、 第7図はサイトレールの硬質クロムめっき層の密着性を
調べるツイスト試験の方法を説明するための要部概略平
面図、 第8図はツイスト試験の結果を示すグラフである。 なお、図面に示された符号に於いて、 1・・・・・・・・・・・・・・・圧力リング6.16
・・・・・・・・・サイトレールlO・・・・・・・・
・・・・・・・スペーサエキスパンダA・・・・・・・
・・・・・・・・窒化層11・・・・・・・・・・・・
・・・焦眉12・・・・・・・・・・・・・・・白層1
3・・・・・・・・・・・・・・・窒素拡散層14・・
・・・・・・・・・・・・・母材15・・・・・・・・
・耐摩耗性表面層(硬質クロムめっき層)である。 代理人 弁理士 逢 坂 宏(他1名)第10 .sh ! 嶌 。 第2し1 第3日 400 第4日 、、f4 L /り l/ 第50 、、l 、、! 、:、5.1) @60 (( 第 7羽
合せオイルリング及びその周辺の断面図である。 第3図は窒化層の組織を示す顕微鏡写真である。 第4図〜第8図は本発明の実施例を示し、第4図はサイ
トレールの硬質クロムめっき層被着処理直後の状態を示
す拡大断面図、 第5図は第4図のB部分の外周面組織を示す顕微鏡写真
、 第6図はサイトレールの拡大断面図、 第7図はサイトレールの硬質クロムめっき層の密着性を
調べるツイスト試験の方法を説明するための要部概略平
面図、 第8図はツイスト試験の結果を示すグラフである。 なお、図面に示された符号に於いて、 1・・・・・・・・・・・・・・・圧力リング6.16
・・・・・・・・・サイトレールlO・・・・・・・・
・・・・・・・スペーサエキスパンダA・・・・・・・
・・・・・・・・窒化層11・・・・・・・・・・・・
・・・焦眉12・・・・・・・・・・・・・・・白層1
3・・・・・・・・・・・・・・・窒素拡散層14・・
・・・・・・・・・・・・・母材15・・・・・・・・
・耐摩耗性表面層(硬質クロムめっき層)である。 代理人 弁理士 逢 坂 宏(他1名)第10 .sh ! 嶌 。 第2し1 第3日 400 第4日 、、f4 L /り l/ 第50 、、l 、、! 、:、5.1) @60 (( 第 7羽
Claims (1)
- 1、上下面、外周面及び内周面の少なくとも一つの表面
に窒化層を有し、他の少なくとも一つの表面に耐摩耗性
表面層が被着された内燃機関用鉄鋼製ピストンリングに
於いて、前記耐摩耗性表面層が、窒化処理によって形成
された窒素拡散層上に直接被着、形成されていることを
特徴とする内燃機関用鉄鋼製ピストンリング。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6265484A JPS60206962A (ja) | 1984-03-30 | 1984-03-30 | 内燃機関用鉄鋼製ピストンリング |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6265484A JPS60206962A (ja) | 1984-03-30 | 1984-03-30 | 内燃機関用鉄鋼製ピストンリング |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60206962A true JPS60206962A (ja) | 1985-10-18 |
Family
ID=13206522
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6265484A Pending JPS60206962A (ja) | 1984-03-30 | 1984-03-30 | 内燃機関用鉄鋼製ピストンリング |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60206962A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63164661U (ja) * | 1987-04-17 | 1988-10-26 | ||
JPH04181067A (ja) * | 1990-11-15 | 1992-06-29 | Teikoku Piston Ring Co Ltd | 鋼製組合せオイルリングのサイドレール及びその製造方法 |
JPWO2004020878A1 (ja) * | 2002-08-27 | 2005-12-15 | 株式会社リケン | 組み合せオイルリング用サイドレール及びその窒化方法 |
WO2007025533A1 (de) * | 2005-09-01 | 2007-03-08 | Mahle International Gmbh | Verfahren zur herstellung eines kolbenrings für verbrennungsmotoren sowie einen derartigen kolbenring |
-
1984
- 1984-03-30 JP JP6265484A patent/JPS60206962A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63164661U (ja) * | 1987-04-17 | 1988-10-26 | ||
JPH04181067A (ja) * | 1990-11-15 | 1992-06-29 | Teikoku Piston Ring Co Ltd | 鋼製組合せオイルリングのサイドレール及びその製造方法 |
JPWO2004020878A1 (ja) * | 2002-08-27 | 2005-12-15 | 株式会社リケン | 組み合せオイルリング用サイドレール及びその窒化方法 |
JP4603359B2 (ja) * | 2002-08-27 | 2010-12-22 | 株式会社リケン | 組み合せオイルリング用サイドレール及びその窒化方法 |
WO2007025533A1 (de) * | 2005-09-01 | 2007-03-08 | Mahle International Gmbh | Verfahren zur herstellung eines kolbenrings für verbrennungsmotoren sowie einen derartigen kolbenring |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5322001B2 (ja) | 鉄鋼材料及びその製造方法並びに高周波焼入れ部品 | |
CN101331246A (zh) | 用于涂覆叶片的方法和燃气透平的叶片 | |
JPS60206962A (ja) | 内燃機関用鉄鋼製ピストンリング | |
JP4323456B2 (ja) | スペーサエキスパンダ及びその製造方法 | |
JPS60152668A (ja) | 圧縮ピストンリングの製造方法 | |
DE102009023794A1 (de) | Turboladergehäuse mit einer Konversionsbeschichtung und Verfahren zur Herstellung der Konversionsbeschichtung | |
US7341648B2 (en) | Method for coating piston rings for internal combustion engine | |
JP3191839B2 (ja) | コントロールケーブル用インナーワイヤ及びその製造方法 | |
CN218294805U (zh) | 一种卡合紧密的卡套 | |
JPH0467585B2 (ja) | ||
JPS60172773A (ja) | 高耐久性ピストンリング及びその製造方法 | |
JPH04203677A (ja) | ピストンリング及びその製造法 | |
JPH05320948A (ja) | チタン合金製コイルばねの製造方法 | |
CN214330767U (zh) | 选择性氮化的活塞环 | |
US11060609B2 (en) | Method for producing a piston ring | |
JPH11351390A (ja) | 組合せオイルリングのスペーサエキスパンダおよび組合せオイルリング | |
JPH1151186A (ja) | ピストンリングおよびその製造方法 | |
US11149851B2 (en) | Piston ring with wear resistant coating | |
JPS5896892A (ja) | 黒色クロムメツキ法 | |
JPH08100228A (ja) | Ti合金製バルブスプリングリテーナ | |
JPH0625890A (ja) | 電気めっき法 | |
JP3023738B2 (ja) | チタン製エンジンバルブの表面改質方法 | |
JPH05311467A (ja) | ピストンロッドの表面処理方法 | |
KR100512452B1 (ko) | 고내식성 강부품과 이를 제조하기 위한 복합 표면 개질 방법 | |
JPS58207375A (ja) | 耐熱・耐食性被覆金属管及びその製造方法 |