JP2003314212A - タペットローラ支持軸受 - Google Patents
タペットローラ支持軸受Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 過酷な潤滑条件下においても耐久性に優れ、
且つ製造が容易で安価なタペットローラ支持軸受を提供
する。 【解決手段】 カム2の回転に対応して運動するロッカ
ーアーム3に備えられ、カム2に当接されるローラ6
と、ローラ6を回転自在に支持する支持軸5と、を備え
たタペットローラ支持軸受において、ローラ6及び支持
軸5を、黒鉛の含有量が面積率で0.5〜15%である
黒鉛鋼で構成し、その表面層5a,6aの黒鉛の含有量
を面積率で0.1〜12%とした。
且つ製造が容易で安価なタペットローラ支持軸受を提供
する。 【解決手段】 カム2の回転に対応して運動するロッカ
ーアーム3に備えられ、カム2に当接されるローラ6
と、ローラ6を回転自在に支持する支持軸5と、を備え
たタペットローラ支持軸受において、ローラ6及び支持
軸5を、黒鉛の含有量が面積率で0.5〜15%である
黒鉛鋼で構成し、その表面層5a,6aの黒鉛の含有量
を面積率で0.1〜12%とした。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、過酷な潤滑条件下
においても耐久性に優れるタペットローラ支持軸受に係
り、特に、内燃機関の燃料噴射装置や給排気弁などのよ
うな被駆動部品に好適なタペットローラ支持軸受に関す
る。 【0002】 【従来の技術】カムの回転に対応して運動するタペット
には、支持軸に回転自在に支持されたローラからなるタ
ペットローラ支持軸受が備えられており、ローラの外周
面がカムの外周面に当接されて、運動時にタペットとカ
ムとの間に働く摩擦力が低減されるようになっている。 【0003】内燃機関においては一般に、摩擦を低減し
燃焼消費率を低減することを目的として、クランクシャ
フトと同期したカムシャフトの回転を給気弁及び排気弁
の往復運動に変換する部分に、タペットローラ支持軸受
が組み込まれている。このようなタペットローラ支持軸
受やカムの潤滑にはエンジンオイルが使用されることが
多いが、タペットローラ支持軸受やカムは内燃機関の中
でも潤滑油が希薄となりやすい箇所であり、特にエンジ
ンの始動時は潤滑油が十分に供給されにくいので、潤滑
条件が非常に過酷となりやすい。また、支持軸とローラ
の摺接面は密閉されているため潤滑油が供給されにくい
ので、油膜の形成が非常に困難である。 【0004】そこで、支持軸とローラの摺接面の潤滑性
を向上させるための様々な工夫が、従来から行われてい
る。例えば、実開平4−32210号公報には、潤滑油
であるエンジンオイルをロッカーアーム及び支持軸に供
給するための給油孔を設ける技術が開示されている。ま
た、特許第2965441号明細書には、滑り面にラン
ダムに形成した微小なくぼみによる油溜まり効果(マイ
クロ弾性流体潤滑効果)によって、油膜保持性を向上さ
せる技術が開示されている。 【0005】さらに、摺接面の潤滑が不十分な場合でも
摩耗や焼付き等のような損傷が生じることを防止するた
めに、支持軸,ローラ等は耐摩耗性に優れる材料で構成
されている。すなわち、支持軸やローラは、SUJ2の
ような高炭素クロム軸受鋼や銅合金で構成されることが
多く、カムを含むカムシャフトはSUJ2又は鋳鉄で構
成されることが多い。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、SUJ
2のような高炭素クロム軸受鋼では、回転初期のような
油膜が十分に形成されていない場合の摩耗(初期摩耗)
を抑制することが困難である。また、銅合金は使用初期
のなじみ性に優れるため、初期摩耗を抑制することは可
能であるが、硬度が低いため境界潤滑における耐摩耗性
は必ずしも高くなく、異常摩耗やカジリ等の不具合が早
期に発生することがある。 【0007】このような問題点を解決するため、例えば
特開平10−110720号公報には、摺接面にイオン
窒化処理や物理蒸着処理を施して表面硬度を向上させ、
摩耗を低減する技術が開示されている。また、特開平6
−159373号公報には、自己潤滑性に優れる被膜を
形成する技術が開示されている。さらに、特開平4−1
5296号公報や特開平7−102913号公報には、
ローラ等を窒化ケイ素等のセラミックで構成する技術が
開示されている。セラミックを用いれば、耐摩耗性の向
上に非常に効果があるだけでなく、軽量であることから
タペットの動作性の向上にも効果がある。 【0008】しかしながら、セラミックは耐摩耗性は優
れるものの、加工性が乏しいうえ高価であるという問題
があった。また、前述のような表面処理は高コストであ
るので、加工費の上昇を招いてしまう。加工性に優れる
鉄鋼材料としては快削鋼があり、例えば、イオウを添加
したものや炭化物を黒鉛化した黒鉛鋼が知られている。
しかし、このような快削鋼は加工性は良好であるが、十
分な疲労強度が得られない等の問題がある。また、従来
の黒鉛鋼では、軸受の表面に大きな黒鉛粒が残留した
り、十分な表面硬さが得られなかったりするので、軸受
への適用は困難であった。 【0009】特開平2−274837号公報や特開平8
−20841号公報には、軸受鋼を適用する技術が開示
されているが、軸受が過酷な潤滑条件下で使用されるこ
とは考慮されていない。そこで、本発明は、上記のよう
な従来技術が有する問題点を解決し、過酷な潤滑条件下
においても耐久性に優れ、且つ製造が容易で安価なタペ
ットローラ支持軸受を提供することを課題とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発
明のタペットローラ支持軸受は、カムの回転に対応して
運動するタペットに備えられ、前記カムに当接されるロ
ーラと、前記ローラを回転自在に支持する支持軸と、を
備えたタペットローラ支持軸受において、前記ローラ及
び前記支持軸のうち少なくとも前記支持軸は、黒鉛の含
有量が面積率で0.5〜15%である黒鉛鋼で構成され
るとともに、その表面層の黒鉛の含有量は面積率で0.
1〜12%であることを特徴とする。 【0011】前記黒鉛鋼は加工性が優れていて旋削,研
削等の加工が容易であるので、タペットローラ支持軸受
の加工コストを大きく低減することができる。特に、支
持軸を前記黒鉛鋼で構成すると、冷間加工性が向上して
支持軸のタペットへのかしめ固定を容易に行うことがで
きるので、加工コストの低減効果が大きい。また、前記
黒鉛鋼は黒鉛による潤滑作用を有しているので、内燃機
関の始動初期等のような過酷な潤滑条件下においても、
摩耗や焼付き等のような損傷が生じることを効果的に防
止できる。さらに、黒鉛が脱落した後には微小ピットが
形成され、油溜まり効果によって油膜形成が良好に行わ
れるため、摺接面における摩擦摩耗の抑制できる。 【0012】例えば、ローラ及びカムの外周面は、表面
粗さRaが数μm以上である場合が多い。そのため、ロ
ーラの外周面とカムとの摺接面における油膜形成性は良
好であるとは言えず、ローラやカムが摩耗しやすく、タ
ペットのカムに対する追従性が低下するという問題が生
じる場合がある。そこで、自己潤滑性を有し油膜形成性
に優れている前記黒鉛鋼でローラを構成すれば、前記摩
耗を抑制することが可能となる。また、ローラと支持軸
との摺接面は潤滑油が浸入しにくく、摩耗や焼付きが特
に発生しやすい部分であるが、ローラ及び支持軸のいず
れか一方又は両方を前記黒鉛鋼で構成すれば、摩耗や焼
付きを効果的に抑制することができる。 【0013】以下に、前記黒鉛鋼における黒鉛の含有量
や合金成分について説明する。 〔炭素の含有量:0.1〜1.5質量%〕炭素(C)は
黒鉛鋼として不可欠であり、基地をマルテンサイト化し
て軸受として必要な硬さを得るために重要な元素であ
る。浸炭処理や浸炭窒化処理を施すことで表面層に適量
の炭素や窒素を添加することができるが、浸炭処理や浸
炭窒化処理の処理時間が長くなると製造コストが高くな
る。よって、短時間の浸炭処理や浸炭窒化処理で十分な
硬さと硬化層深さを得て長寿命とするために、炭素の含
有量は0.1質量%以上とすることが好ましい。 【0014】ただし、炭素の含有量が1.5質量%を超
えると、加工性が低下したり、製鋼時に巨大な炭化物の
生成や偏析を防ぐためのソーキングが必要となったりす
る。したがって、炭素の含有量は0.1〜1.5質量%
とすることが好ましい。焼入れ後に十分な硬さを得るた
めには炭素の含有量は0.4質量%以上とすることがよ
り好ましく、加工性を低下させないためには1.0質量
%以下とすることがより好ましい。 【0015】〔ケイ素の含有量:0.5〜1.5質量
%〕ケイ素(Si)は、製鋼時の脱酸剤として必要な元
素であり、また、鋼中のセメンタイトを不安定にして黒
鉛化を促進させる元素としても有効である。さらに、焼
戻し軟化抵抗性や焼入性の向上にも有効な元素である。
このような効果を十分に発揮させるためには、ケイ素の
含有量は0.5質量%以上とすることが好ましい。しか
しながら、多量に添加しても黒鉛化の効果が飽和してし
まうばかりか、鋼材の加工性が低下するため、上限は
1.5質量%とすることが好ましい。 【0016】〔マンガンの含有量:0.1〜1.5質量
%〕マンガン(Mn)は、ケイ素と同様に製鋼時の脱酸
剤として必要な元素であり、また、焼入れ性を向上させ
て熱処理後の強度向上にも寄与する元素であるため、
0.1質量%以上含有させることが好ましい。しかし、
含有量を高くしすぎると寸法安定性に有害な残留オース
テナイトが生成したり、黒鉛化が阻害されたり、さらに
は加工性が低下するので、上限は1.5質量%とするこ
とが好ましい。 【0017】〔クロムの含有量:1.5質量%以下〕ク
ロム(Cr)は焼入れ性を向上させるのに有効な元素で
あり、熱処理後の強度向上にも寄与する元素であるが、
多量に添加すると鋼中のセメンタイトが安定化して黒鉛
化が阻害される。さらに、素材のコストが高くなり、ま
た、加工性も低下するので、上限は1.5質量%とする
ことが好ましい。 【0018】〔モリブデンの含有量:0.5質量%以
下〕モリブデン(Mo)は、焼入れ性を向上させるのに
有効な元素であり、熱処理後の強度向上及び疲労寿命の
向上にも寄与する元素であるが、多量に添加すると黒鉛
化が阻害される。また、素材のコストが高くなり、さら
に、加工性も低下するので、上限は0.5質量%とする
ことが好ましい。 【0019】〔ニッケルの含有量:1.0質量%以下〕
ニッケル(Ni)は、ケイ素と同様に鋼中のセメンタイ
トを不安定にして黒鉛化を促進させる元素として有効で
あるが、非常に高価であるため上限は1.0質量%とす
ることが好ましい。 〔バナジウムの含有量:0.2質量%以下〕バナジウム
(V)は、モリブデンと同様に焼入れ性を向上させるの
に有効な元素であり、熱処理後の強度向上及び疲労寿命
の向上にも寄与する元素であるが、多量に添加するとセ
メンタイトを安定化させ黒鉛化が阻害される。また、素
材のコストが高くなり、さらに、加工性も低下するの
で、上限は0.2質量%とすることが好ましい。 【0020】〔黒鉛化を促進する元素について〕黒鉛
は、窒化ホウ素(BN),窒化チタン(TiN),窒化
ジルコニウム(ZrN),窒化アルミニウム(AlN)
等の窒化物を核生成サイトとして析出しやすい。核とな
る窒化物の量が多いほど黒鉛化に要する時間が短縮さ
れ、また、黒鉛が微細化されるため十分な焼入れ硬さが
得られやすいので、前述のような窒化物をコストの許す
限り必要に応じて含有させるとよい。 【0021】ただし、ホウ素(B)の場合は、過剰に添
加すると熱間加工性が低下するため、含有量の上限は
0.01質量%とすることが好ましい。また、チタン
(Ti)の場合は、過剰に添加するとTiNが多量に析
出して黒鉛化が促進されるものの、疲労寿命が低下す
る。よって、含有量の上限は0.03質量%とすること
が好ましい。 【0022】さらに、ジルコニウム(Zr)の場合は、
過剰に添加しても添加効果が飽和してしまうばかりでな
く、加工性が低下するため、含有量の上限は0.1質量
%とすることが好ましい。さらに、アルミニウム(A
l)の場合は、過剰に添加すると疲労寿命に悪影響を及
ぼすアルミニウム酸化物が多量に析出するため、含有量
の上限は0.3質量%とすることが好ましい。 【0023】〔その他の添加元素及び不可避の不純物に
ついて〕上記の合金元素の他では、被削性を向上させる
ためにイオウ(S)やリン(P)を添加してもよい。た
だし、Pを過剰に添加すると靱性や疲労寿命が低下する
ため、Pの含有量は0.02質量%以下とすることが好
ましい。また、SはMnSを形成し被削性を向上させる
が、MnSは非金属介在物であり疲労寿命を低下させる
ので、Sの含有量は0.05質量%以下とすることが好
ましい。 【0024】さらに、酸素(O)は、疲労寿命に有害な
酸化物系の非金属介在物を形成するため、その含有量は
極力低くする必要がある。寿命に悪影響を及ぼさないた
めには、15ppm以下とすることが好ましく、10p
pm以下とすることがより好ましい。 〔黒鉛鋼中の黒鉛の含有量及び粒径について〕黒鉛は、
鋼の被削性及び研削性を格段に向上させる効果を有して
いる。このような効果を十分に得るためには、黒鉛の含
有量は、面積率で0.5%以上とする必要がある。ただ
し、15.0%を超えると前記効果が飽和するばかりで
なく、黒鉛化に長時間を要しコストアップを招く。よっ
て、黒鉛鋼は、主として黒鉛とフェライト及びセメンタ
イト等を含み、黒鉛の含有量は面積率で0.5〜15.
0%とする必要がある。 【0025】また、黒鉛の粒径が大きすぎると、焼入れ
時に母相への固溶が十分に進行せず、焼入れ後の硬さが
十分に得られないことがある。よって、黒鉛の粒径は極
力小さく抑えることが好ましい。 〔表面層の黒鉛の含有量及び粒径について〕上記のよう
な黒鉛鋼に高周波焼入れ等の焼入れ処理を施して表面を
硬化し、タペットローラ支持軸受を完成させる。そし
て、該硬化により生成する表面層の厚さは、前記支持軸
の直径の2%以上とすることが好ましい。 【0026】この表面層には黒鉛が含有されるが、黒鉛
による自己潤滑効果と黒鉛が脱落した後に生じるマイク
ロピットによるマイクロ弾性流体潤滑効果とを得るため
には、表面層の黒鉛の含有量は面積率で0.1%以上と
する必要があり、耐久寿命を考慮すると1.0%以上と
することがより好ましい。ただし、素材段階の黒鉛は焼
入れ処理によってマトリックスに固溶するので、表面層
の黒鉛の含有量は素材段階の15.0%よりも小さくな
って、上限値は12.0%となる。 【0027】また、表面層の黒鉛の粒径が大きすぎると
疲労寿命が低下するので、表面層の黒鉛の平均粒径は3
0μm以下とすることが好ましい。なお、タペットロー
ラ支持軸受に備えられるローラと支持軸のうち、支持軸
の方が損耗が大きいので、少なくとも支持軸は上記表面
層を備えている必要がある。しかし、タペットローラ支
持軸受をより長寿命とするためには、支持軸の外周面に
摺接するローラの内周面も、同様の表面層を備えている
ことが好ましい。 【0028】 【発明の実施の形態】本発明に係るタペットローラ支持
軸受の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。な
お、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、
本発明は本実施形態に限定されるものではない。図1は
タペットローラ支持軸受の構成を示す断面図であり、図
2は図1のA−A線断面図である。 【0029】内燃機関のクランクシャフト(図示せず)
に同期して回転するカムシャフト1に固定したカム2に
対向して、このカム2の回転に対応して揺動するロッカ
ーアーム3(タペット)が配置されており、ロッカーア
ーム3の端部には一対の支持壁部4,4が互いに間隔を
開けて設けられている。この一対の支持壁部4,4の間
には、黒鉛の含有量が面積率で0.5〜15%である黒
鉛鋼で構成された中空又は中実の支持軸5が掛け渡され
ており、支持軸5の周囲には前記黒鉛鋼製のローラ6が
回転自在に支承されている。そして、このローラ6の外
周面がカム2の外周面に当接されている。 【0030】対向する支持軸5の外周面5aとローラ6
の内周面6aとには、高周波焼入れ処理が施されて硬化
されており、黒鉛の含有量が面積率で0.1〜12%で
ある表面層5b,6bが形成されている。この表面層5
b,6bの厚さは、支持軸5の直径の2%となってい
る。なお、ローラ6の内周面6aについては、その全面
に焼入れ処理が施されていて表面層6bが形成されてい
るが、支持軸5の外周面5aについては、ローラ6の内
周面6aと接触する部分(中央部)のみに焼入れ処理が
施されていて、支持軸5の両端には焼入れ処理が施され
ていない(表面層5bも形成されていない)。したがっ
て、支持軸5を固定する際には、この未焼入れ部分を上
記一対の支持壁部4,4に形成した通孔7,7の内周面
に向けてかしめることによって固定することができる。 【0031】また、支持軸5及びローラ6には、表面層
5b,6bの黒鉛の含有量が上記範囲であるならば、浸
炭処理や浸炭窒化処理を施してもよい。このようなタペ
ットローラ支持軸受は、支持軸5及びローラ6が前述の
ような黒鉛鋼で構成されているうえ、摺接する部分に前
述のような表面層5b,6bを有しているので、内燃機
関の始動直後等のような過酷な潤滑条件下においても、
耐久性に優れている。よって、内燃機関等に好適に適用
することができる。また、この表面層5b,6bは、イ
オン窒化処理や物理蒸着処理による表面層と比較して、
処理が容易で低コストであるので、タペットローラ支持
軸受は製造が容易で安価である。 【0032】次に、種々の鋼材について切削試験及び研
削試験を行い、その被削性を評価した。鋼材の合金組成
を表1に示し、黒鉛化処理の有無及び黒鉛の含有量(面
積率)を表2,3に示す。なお、黒鉛の含有量(面積
率)は、以下のようにして求めたものである。棒状又は
円柱状の鋼材の断面をラップ仕上げにより鏡面に仕上
げ、金属顕微鏡で50視野観察した(倍率は1000
倍)。そして、各視野ごとの黒鉛の面積率を求めて、そ
れらの平均値を算出した。 【0033】また、黒鉛化処理の条件は600〜700
℃で5時間以上保持するというものであり、温度と保持
時間を選択することで黒鉛の含有量を調整した。 【0034】 【表1】 【0035】 【表2】【0036】 【表3】 【0037】切削試験は、各種鋼材を切削して上記ロー
ラ6と同様の部材を製造することによって行った。そし
て、切削不能となるまでの時間、すなわち、切削工具の
チップが摩耗してクレータ摩耗が0.1mmになるまで
の時間によって、被削性を評価した。切削試験の条件は
以下の通りである。 【0038】 切削機械:高速旋盤 切削工具:P10(JIS B 4053に規定のも
の) 切り込み速度:180m/min 切り込み深さ:1.6mm 送り量 :0.3mm/rev. 試験結果を表2及び表3に示す。なお、各試験結果は、
切削不能となるまでの時間が比較例5(鋼材はSUJ2
のずぶ焼き)の5.0倍以上であった場合は◎印で、
3.0倍以上5.0倍未満であった場合は○印で、1.
5倍以上3.0倍未満であった場合は△印で、そして
1.5倍未満であった場合は×印で示してある。 【0039】また、研削試験は、上記切削試験において
製造したローラを研削することによって行った。そし
て、砥石のドレスを必要とするまでに研削したローラの
個数によって、被削性を評価した。研削試験の条件は以
下の通りである。 砥石 :WA100(JIS R 6210に規定
のもの) 砥石の周速:2000rpm 研削液 :ソリュブルタイプ 試験結果を表2及び表3に併せて示す。なお、各試験結
果は、砥石のドレスを必要とするまでに研削したローラ
の個数が比較例5の5.0倍以上であった場合は◎印
で、3.0倍以上5.0倍未満であった場合は○印で、
1.5倍以上3.0倍未満であった場合は△印で、そし
て1.5倍未満であった場合は×印で示してある。 【0040】表2及び表3から分かるように、実施例1
〜14の鋼材は比較例5と比べて被削性が非常に優れて
いた。それに対して、比較例3〜5は黒鉛化処理が施さ
れておらず黒鉛を含有していないので、前記各実施例と
比べて被削性が劣っていた。また、比較例1はSiの含
有量が0.5質量%未満であるため、黒鉛化処理を施し
たにもかかわらずセメンタイトの分解が十分に行われな
かった。その結果、黒鉛の含有量が0.5%未満となっ
たため、被削性が不十分であった。さらに、比較例2は
黒鉛化処理は施されているが、処理時間が短時間である
ため黒鉛の含有量が0.5%未満となった。その結果、
被削性が不十分であった。 【0041】次に、上記のように旋削及び研削を行って
製造したローラについて、実際の使用条件を再現可能な
図3の表面損傷試験機を用いて耐久試験を行った。な
お、図3においては、図1と同一又は相当する部分に
は、図1と同一の符号を付してある。図示しない電動モ
ータにより回転駆動される回転軸10の中間部には、カ
ムに相当するリング11が取り付けられている。そし
て、支持軸5により回転自在に支持されたローラ6の外
周面が、負荷用レバー12からのラジアル荷重によっ
て、リング11の外周面に押圧されている。 【0042】支持軸5及びローラ6は同種の鋼材で構成
されており、黒鉛化処理が施された黒鉛鋼に旋削及び研
削を施して目的の形状に仕上げ、焼入れ・焼戻しを施し
たものである。この焼入れ処理は800〜950℃で3
0分間保持するというものであり、そして焼戻し処理は
160〜180℃で2時間程度保持するというものであ
る。 【0043】このようにして得られた支持軸5及びロー
ラ6は、硬化された表面層がその表面に形成されてお
り、表面層の黒鉛の含有量及び平均粒径は表4及び表5
に示す通りである。この表面層の黒鉛の含有量及び平均
粒径は、焼入れ温度によって調整した。なお、表4及び
表5においては、表2及び表3に記載の黒鉛鋼と同一の
黒鉛鋼で構成されたローラに対して、表2及び表3と同
一の実施例番号及び比較例番号を付してある。例えば、
表4の実施例1のローラは、鋼種Aのような組成の鋼に
黒鉛化処理を施して3.5%の黒鉛を含有させた黒鉛鋼
で構成されていて、そこに焼入れ処理が施されて2.1
%の黒鉛を含有する表面層が形成されているものであ
る。 【0044】 【表4】【0045】 【表5】 【0046】そして、ローラ6の外周面とリング11の
外周面との間に潤滑油を滴下し、ローラ6の内周面と支
持軸5の外周面との間には潤滑油を滴下せずに、下記の
条件にて回転試験を行った。 ローラ6の回転速度:2000rpm(リング11の径
との関係から計算で求めた) ラジアル荷重:1470N 潤滑油 :すす、その他の不溶解成分を混入したエ
ンジンオイル 潤滑油の温度:100℃ 潤滑油の滴下量:0.1ml/min このような回転試験を2時間行った後、ローラ6の内周
面及び支持軸5の外周面の表面損傷を金属顕微鏡により
観察した。その結果を表4及び表5に併せて示す。な
お、5個のローラについて試験を行って、すべてのロー
ラについて表面損傷が認められなかった場合は◎印で、
1個のローラについて表面損傷が認められた場合は○印
で、2〜3個の場合は△印で、そして4個以上の場合は
×印で示した。 【0047】表4及び表5から分かるように、実施例1
〜14のローラは比較例5と比べて、厳しい潤滑条件下
においても耐久性が優れていた。これは、表面層に黒鉛
が存在するため、潤滑性が向上していることが原因と考
えられる。特に、表面層の黒鉛の含有量が1.0%以上
のものは、耐久性が非常に優れていた。それに対して、
比較例1〜5は焼入れによって黒鉛粒が消失してしまっ
たため、十分な耐久性は得られなかった。 【0048】 【発明の効果】以上説明したように、本発明のタペット
ローラ支持軸受は、過酷な潤滑条件下においても耐久性
に優れ、且つ製造が容易で安価である。
においても耐久性に優れるタペットローラ支持軸受に係
り、特に、内燃機関の燃料噴射装置や給排気弁などのよ
うな被駆動部品に好適なタペットローラ支持軸受に関す
る。 【0002】 【従来の技術】カムの回転に対応して運動するタペット
には、支持軸に回転自在に支持されたローラからなるタ
ペットローラ支持軸受が備えられており、ローラの外周
面がカムの外周面に当接されて、運動時にタペットとカ
ムとの間に働く摩擦力が低減されるようになっている。 【0003】内燃機関においては一般に、摩擦を低減し
燃焼消費率を低減することを目的として、クランクシャ
フトと同期したカムシャフトの回転を給気弁及び排気弁
の往復運動に変換する部分に、タペットローラ支持軸受
が組み込まれている。このようなタペットローラ支持軸
受やカムの潤滑にはエンジンオイルが使用されることが
多いが、タペットローラ支持軸受やカムは内燃機関の中
でも潤滑油が希薄となりやすい箇所であり、特にエンジ
ンの始動時は潤滑油が十分に供給されにくいので、潤滑
条件が非常に過酷となりやすい。また、支持軸とローラ
の摺接面は密閉されているため潤滑油が供給されにくい
ので、油膜の形成が非常に困難である。 【0004】そこで、支持軸とローラの摺接面の潤滑性
を向上させるための様々な工夫が、従来から行われてい
る。例えば、実開平4−32210号公報には、潤滑油
であるエンジンオイルをロッカーアーム及び支持軸に供
給するための給油孔を設ける技術が開示されている。ま
た、特許第2965441号明細書には、滑り面にラン
ダムに形成した微小なくぼみによる油溜まり効果(マイ
クロ弾性流体潤滑効果)によって、油膜保持性を向上さ
せる技術が開示されている。 【0005】さらに、摺接面の潤滑が不十分な場合でも
摩耗や焼付き等のような損傷が生じることを防止するた
めに、支持軸,ローラ等は耐摩耗性に優れる材料で構成
されている。すなわち、支持軸やローラは、SUJ2の
ような高炭素クロム軸受鋼や銅合金で構成されることが
多く、カムを含むカムシャフトはSUJ2又は鋳鉄で構
成されることが多い。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、SUJ
2のような高炭素クロム軸受鋼では、回転初期のような
油膜が十分に形成されていない場合の摩耗(初期摩耗)
を抑制することが困難である。また、銅合金は使用初期
のなじみ性に優れるため、初期摩耗を抑制することは可
能であるが、硬度が低いため境界潤滑における耐摩耗性
は必ずしも高くなく、異常摩耗やカジリ等の不具合が早
期に発生することがある。 【0007】このような問題点を解決するため、例えば
特開平10−110720号公報には、摺接面にイオン
窒化処理や物理蒸着処理を施して表面硬度を向上させ、
摩耗を低減する技術が開示されている。また、特開平6
−159373号公報には、自己潤滑性に優れる被膜を
形成する技術が開示されている。さらに、特開平4−1
5296号公報や特開平7−102913号公報には、
ローラ等を窒化ケイ素等のセラミックで構成する技術が
開示されている。セラミックを用いれば、耐摩耗性の向
上に非常に効果があるだけでなく、軽量であることから
タペットの動作性の向上にも効果がある。 【0008】しかしながら、セラミックは耐摩耗性は優
れるものの、加工性が乏しいうえ高価であるという問題
があった。また、前述のような表面処理は高コストであ
るので、加工費の上昇を招いてしまう。加工性に優れる
鉄鋼材料としては快削鋼があり、例えば、イオウを添加
したものや炭化物を黒鉛化した黒鉛鋼が知られている。
しかし、このような快削鋼は加工性は良好であるが、十
分な疲労強度が得られない等の問題がある。また、従来
の黒鉛鋼では、軸受の表面に大きな黒鉛粒が残留した
り、十分な表面硬さが得られなかったりするので、軸受
への適用は困難であった。 【0009】特開平2−274837号公報や特開平8
−20841号公報には、軸受鋼を適用する技術が開示
されているが、軸受が過酷な潤滑条件下で使用されるこ
とは考慮されていない。そこで、本発明は、上記のよう
な従来技術が有する問題点を解決し、過酷な潤滑条件下
においても耐久性に優れ、且つ製造が容易で安価なタペ
ットローラ支持軸受を提供することを課題とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発
明のタペットローラ支持軸受は、カムの回転に対応して
運動するタペットに備えられ、前記カムに当接されるロ
ーラと、前記ローラを回転自在に支持する支持軸と、を
備えたタペットローラ支持軸受において、前記ローラ及
び前記支持軸のうち少なくとも前記支持軸は、黒鉛の含
有量が面積率で0.5〜15%である黒鉛鋼で構成され
るとともに、その表面層の黒鉛の含有量は面積率で0.
1〜12%であることを特徴とする。 【0011】前記黒鉛鋼は加工性が優れていて旋削,研
削等の加工が容易であるので、タペットローラ支持軸受
の加工コストを大きく低減することができる。特に、支
持軸を前記黒鉛鋼で構成すると、冷間加工性が向上して
支持軸のタペットへのかしめ固定を容易に行うことがで
きるので、加工コストの低減効果が大きい。また、前記
黒鉛鋼は黒鉛による潤滑作用を有しているので、内燃機
関の始動初期等のような過酷な潤滑条件下においても、
摩耗や焼付き等のような損傷が生じることを効果的に防
止できる。さらに、黒鉛が脱落した後には微小ピットが
形成され、油溜まり効果によって油膜形成が良好に行わ
れるため、摺接面における摩擦摩耗の抑制できる。 【0012】例えば、ローラ及びカムの外周面は、表面
粗さRaが数μm以上である場合が多い。そのため、ロ
ーラの外周面とカムとの摺接面における油膜形成性は良
好であるとは言えず、ローラやカムが摩耗しやすく、タ
ペットのカムに対する追従性が低下するという問題が生
じる場合がある。そこで、自己潤滑性を有し油膜形成性
に優れている前記黒鉛鋼でローラを構成すれば、前記摩
耗を抑制することが可能となる。また、ローラと支持軸
との摺接面は潤滑油が浸入しにくく、摩耗や焼付きが特
に発生しやすい部分であるが、ローラ及び支持軸のいず
れか一方又は両方を前記黒鉛鋼で構成すれば、摩耗や焼
付きを効果的に抑制することができる。 【0013】以下に、前記黒鉛鋼における黒鉛の含有量
や合金成分について説明する。 〔炭素の含有量:0.1〜1.5質量%〕炭素(C)は
黒鉛鋼として不可欠であり、基地をマルテンサイト化し
て軸受として必要な硬さを得るために重要な元素であ
る。浸炭処理や浸炭窒化処理を施すことで表面層に適量
の炭素や窒素を添加することができるが、浸炭処理や浸
炭窒化処理の処理時間が長くなると製造コストが高くな
る。よって、短時間の浸炭処理や浸炭窒化処理で十分な
硬さと硬化層深さを得て長寿命とするために、炭素の含
有量は0.1質量%以上とすることが好ましい。 【0014】ただし、炭素の含有量が1.5質量%を超
えると、加工性が低下したり、製鋼時に巨大な炭化物の
生成や偏析を防ぐためのソーキングが必要となったりす
る。したがって、炭素の含有量は0.1〜1.5質量%
とすることが好ましい。焼入れ後に十分な硬さを得るた
めには炭素の含有量は0.4質量%以上とすることがよ
り好ましく、加工性を低下させないためには1.0質量
%以下とすることがより好ましい。 【0015】〔ケイ素の含有量:0.5〜1.5質量
%〕ケイ素(Si)は、製鋼時の脱酸剤として必要な元
素であり、また、鋼中のセメンタイトを不安定にして黒
鉛化を促進させる元素としても有効である。さらに、焼
戻し軟化抵抗性や焼入性の向上にも有効な元素である。
このような効果を十分に発揮させるためには、ケイ素の
含有量は0.5質量%以上とすることが好ましい。しか
しながら、多量に添加しても黒鉛化の効果が飽和してし
まうばかりか、鋼材の加工性が低下するため、上限は
1.5質量%とすることが好ましい。 【0016】〔マンガンの含有量:0.1〜1.5質量
%〕マンガン(Mn)は、ケイ素と同様に製鋼時の脱酸
剤として必要な元素であり、また、焼入れ性を向上させ
て熱処理後の強度向上にも寄与する元素であるため、
0.1質量%以上含有させることが好ましい。しかし、
含有量を高くしすぎると寸法安定性に有害な残留オース
テナイトが生成したり、黒鉛化が阻害されたり、さらに
は加工性が低下するので、上限は1.5質量%とするこ
とが好ましい。 【0017】〔クロムの含有量:1.5質量%以下〕ク
ロム(Cr)は焼入れ性を向上させるのに有効な元素で
あり、熱処理後の強度向上にも寄与する元素であるが、
多量に添加すると鋼中のセメンタイトが安定化して黒鉛
化が阻害される。さらに、素材のコストが高くなり、ま
た、加工性も低下するので、上限は1.5質量%とする
ことが好ましい。 【0018】〔モリブデンの含有量:0.5質量%以
下〕モリブデン(Mo)は、焼入れ性を向上させるのに
有効な元素であり、熱処理後の強度向上及び疲労寿命の
向上にも寄与する元素であるが、多量に添加すると黒鉛
化が阻害される。また、素材のコストが高くなり、さら
に、加工性も低下するので、上限は0.5質量%とする
ことが好ましい。 【0019】〔ニッケルの含有量:1.0質量%以下〕
ニッケル(Ni)は、ケイ素と同様に鋼中のセメンタイ
トを不安定にして黒鉛化を促進させる元素として有効で
あるが、非常に高価であるため上限は1.0質量%とす
ることが好ましい。 〔バナジウムの含有量:0.2質量%以下〕バナジウム
(V)は、モリブデンと同様に焼入れ性を向上させるの
に有効な元素であり、熱処理後の強度向上及び疲労寿命
の向上にも寄与する元素であるが、多量に添加するとセ
メンタイトを安定化させ黒鉛化が阻害される。また、素
材のコストが高くなり、さらに、加工性も低下するの
で、上限は0.2質量%とすることが好ましい。 【0020】〔黒鉛化を促進する元素について〕黒鉛
は、窒化ホウ素(BN),窒化チタン(TiN),窒化
ジルコニウム(ZrN),窒化アルミニウム(AlN)
等の窒化物を核生成サイトとして析出しやすい。核とな
る窒化物の量が多いほど黒鉛化に要する時間が短縮さ
れ、また、黒鉛が微細化されるため十分な焼入れ硬さが
得られやすいので、前述のような窒化物をコストの許す
限り必要に応じて含有させるとよい。 【0021】ただし、ホウ素(B)の場合は、過剰に添
加すると熱間加工性が低下するため、含有量の上限は
0.01質量%とすることが好ましい。また、チタン
(Ti)の場合は、過剰に添加するとTiNが多量に析
出して黒鉛化が促進されるものの、疲労寿命が低下す
る。よって、含有量の上限は0.03質量%とすること
が好ましい。 【0022】さらに、ジルコニウム(Zr)の場合は、
過剰に添加しても添加効果が飽和してしまうばかりでな
く、加工性が低下するため、含有量の上限は0.1質量
%とすることが好ましい。さらに、アルミニウム(A
l)の場合は、過剰に添加すると疲労寿命に悪影響を及
ぼすアルミニウム酸化物が多量に析出するため、含有量
の上限は0.3質量%とすることが好ましい。 【0023】〔その他の添加元素及び不可避の不純物に
ついて〕上記の合金元素の他では、被削性を向上させる
ためにイオウ(S)やリン(P)を添加してもよい。た
だし、Pを過剰に添加すると靱性や疲労寿命が低下する
ため、Pの含有量は0.02質量%以下とすることが好
ましい。また、SはMnSを形成し被削性を向上させる
が、MnSは非金属介在物であり疲労寿命を低下させる
ので、Sの含有量は0.05質量%以下とすることが好
ましい。 【0024】さらに、酸素(O)は、疲労寿命に有害な
酸化物系の非金属介在物を形成するため、その含有量は
極力低くする必要がある。寿命に悪影響を及ぼさないた
めには、15ppm以下とすることが好ましく、10p
pm以下とすることがより好ましい。 〔黒鉛鋼中の黒鉛の含有量及び粒径について〕黒鉛は、
鋼の被削性及び研削性を格段に向上させる効果を有して
いる。このような効果を十分に得るためには、黒鉛の含
有量は、面積率で0.5%以上とする必要がある。ただ
し、15.0%を超えると前記効果が飽和するばかりで
なく、黒鉛化に長時間を要しコストアップを招く。よっ
て、黒鉛鋼は、主として黒鉛とフェライト及びセメンタ
イト等を含み、黒鉛の含有量は面積率で0.5〜15.
0%とする必要がある。 【0025】また、黒鉛の粒径が大きすぎると、焼入れ
時に母相への固溶が十分に進行せず、焼入れ後の硬さが
十分に得られないことがある。よって、黒鉛の粒径は極
力小さく抑えることが好ましい。 〔表面層の黒鉛の含有量及び粒径について〕上記のよう
な黒鉛鋼に高周波焼入れ等の焼入れ処理を施して表面を
硬化し、タペットローラ支持軸受を完成させる。そし
て、該硬化により生成する表面層の厚さは、前記支持軸
の直径の2%以上とすることが好ましい。 【0026】この表面層には黒鉛が含有されるが、黒鉛
による自己潤滑効果と黒鉛が脱落した後に生じるマイク
ロピットによるマイクロ弾性流体潤滑効果とを得るため
には、表面層の黒鉛の含有量は面積率で0.1%以上と
する必要があり、耐久寿命を考慮すると1.0%以上と
することがより好ましい。ただし、素材段階の黒鉛は焼
入れ処理によってマトリックスに固溶するので、表面層
の黒鉛の含有量は素材段階の15.0%よりも小さくな
って、上限値は12.0%となる。 【0027】また、表面層の黒鉛の粒径が大きすぎると
疲労寿命が低下するので、表面層の黒鉛の平均粒径は3
0μm以下とすることが好ましい。なお、タペットロー
ラ支持軸受に備えられるローラと支持軸のうち、支持軸
の方が損耗が大きいので、少なくとも支持軸は上記表面
層を備えている必要がある。しかし、タペットローラ支
持軸受をより長寿命とするためには、支持軸の外周面に
摺接するローラの内周面も、同様の表面層を備えている
ことが好ましい。 【0028】 【発明の実施の形態】本発明に係るタペットローラ支持
軸受の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。な
お、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、
本発明は本実施形態に限定されるものではない。図1は
タペットローラ支持軸受の構成を示す断面図であり、図
2は図1のA−A線断面図である。 【0029】内燃機関のクランクシャフト(図示せず)
に同期して回転するカムシャフト1に固定したカム2に
対向して、このカム2の回転に対応して揺動するロッカ
ーアーム3(タペット)が配置されており、ロッカーア
ーム3の端部には一対の支持壁部4,4が互いに間隔を
開けて設けられている。この一対の支持壁部4,4の間
には、黒鉛の含有量が面積率で0.5〜15%である黒
鉛鋼で構成された中空又は中実の支持軸5が掛け渡され
ており、支持軸5の周囲には前記黒鉛鋼製のローラ6が
回転自在に支承されている。そして、このローラ6の外
周面がカム2の外周面に当接されている。 【0030】対向する支持軸5の外周面5aとローラ6
の内周面6aとには、高周波焼入れ処理が施されて硬化
されており、黒鉛の含有量が面積率で0.1〜12%で
ある表面層5b,6bが形成されている。この表面層5
b,6bの厚さは、支持軸5の直径の2%となってい
る。なお、ローラ6の内周面6aについては、その全面
に焼入れ処理が施されていて表面層6bが形成されてい
るが、支持軸5の外周面5aについては、ローラ6の内
周面6aと接触する部分(中央部)のみに焼入れ処理が
施されていて、支持軸5の両端には焼入れ処理が施され
ていない(表面層5bも形成されていない)。したがっ
て、支持軸5を固定する際には、この未焼入れ部分を上
記一対の支持壁部4,4に形成した通孔7,7の内周面
に向けてかしめることによって固定することができる。 【0031】また、支持軸5及びローラ6には、表面層
5b,6bの黒鉛の含有量が上記範囲であるならば、浸
炭処理や浸炭窒化処理を施してもよい。このようなタペ
ットローラ支持軸受は、支持軸5及びローラ6が前述の
ような黒鉛鋼で構成されているうえ、摺接する部分に前
述のような表面層5b,6bを有しているので、内燃機
関の始動直後等のような過酷な潤滑条件下においても、
耐久性に優れている。よって、内燃機関等に好適に適用
することができる。また、この表面層5b,6bは、イ
オン窒化処理や物理蒸着処理による表面層と比較して、
処理が容易で低コストであるので、タペットローラ支持
軸受は製造が容易で安価である。 【0032】次に、種々の鋼材について切削試験及び研
削試験を行い、その被削性を評価した。鋼材の合金組成
を表1に示し、黒鉛化処理の有無及び黒鉛の含有量(面
積率)を表2,3に示す。なお、黒鉛の含有量(面積
率)は、以下のようにして求めたものである。棒状又は
円柱状の鋼材の断面をラップ仕上げにより鏡面に仕上
げ、金属顕微鏡で50視野観察した(倍率は1000
倍)。そして、各視野ごとの黒鉛の面積率を求めて、そ
れらの平均値を算出した。 【0033】また、黒鉛化処理の条件は600〜700
℃で5時間以上保持するというものであり、温度と保持
時間を選択することで黒鉛の含有量を調整した。 【0034】 【表1】 【0035】 【表2】【0036】 【表3】 【0037】切削試験は、各種鋼材を切削して上記ロー
ラ6と同様の部材を製造することによって行った。そし
て、切削不能となるまでの時間、すなわち、切削工具の
チップが摩耗してクレータ摩耗が0.1mmになるまで
の時間によって、被削性を評価した。切削試験の条件は
以下の通りである。 【0038】 切削機械:高速旋盤 切削工具:P10(JIS B 4053に規定のも
の) 切り込み速度:180m/min 切り込み深さ:1.6mm 送り量 :0.3mm/rev. 試験結果を表2及び表3に示す。なお、各試験結果は、
切削不能となるまでの時間が比較例5(鋼材はSUJ2
のずぶ焼き)の5.0倍以上であった場合は◎印で、
3.0倍以上5.0倍未満であった場合は○印で、1.
5倍以上3.0倍未満であった場合は△印で、そして
1.5倍未満であった場合は×印で示してある。 【0039】また、研削試験は、上記切削試験において
製造したローラを研削することによって行った。そし
て、砥石のドレスを必要とするまでに研削したローラの
個数によって、被削性を評価した。研削試験の条件は以
下の通りである。 砥石 :WA100(JIS R 6210に規定
のもの) 砥石の周速:2000rpm 研削液 :ソリュブルタイプ 試験結果を表2及び表3に併せて示す。なお、各試験結
果は、砥石のドレスを必要とするまでに研削したローラ
の個数が比較例5の5.0倍以上であった場合は◎印
で、3.0倍以上5.0倍未満であった場合は○印で、
1.5倍以上3.0倍未満であった場合は△印で、そし
て1.5倍未満であった場合は×印で示してある。 【0040】表2及び表3から分かるように、実施例1
〜14の鋼材は比較例5と比べて被削性が非常に優れて
いた。それに対して、比較例3〜5は黒鉛化処理が施さ
れておらず黒鉛を含有していないので、前記各実施例と
比べて被削性が劣っていた。また、比較例1はSiの含
有量が0.5質量%未満であるため、黒鉛化処理を施し
たにもかかわらずセメンタイトの分解が十分に行われな
かった。その結果、黒鉛の含有量が0.5%未満となっ
たため、被削性が不十分であった。さらに、比較例2は
黒鉛化処理は施されているが、処理時間が短時間である
ため黒鉛の含有量が0.5%未満となった。その結果、
被削性が不十分であった。 【0041】次に、上記のように旋削及び研削を行って
製造したローラについて、実際の使用条件を再現可能な
図3の表面損傷試験機を用いて耐久試験を行った。な
お、図3においては、図1と同一又は相当する部分に
は、図1と同一の符号を付してある。図示しない電動モ
ータにより回転駆動される回転軸10の中間部には、カ
ムに相当するリング11が取り付けられている。そし
て、支持軸5により回転自在に支持されたローラ6の外
周面が、負荷用レバー12からのラジアル荷重によっ
て、リング11の外周面に押圧されている。 【0042】支持軸5及びローラ6は同種の鋼材で構成
されており、黒鉛化処理が施された黒鉛鋼に旋削及び研
削を施して目的の形状に仕上げ、焼入れ・焼戻しを施し
たものである。この焼入れ処理は800〜950℃で3
0分間保持するというものであり、そして焼戻し処理は
160〜180℃で2時間程度保持するというものであ
る。 【0043】このようにして得られた支持軸5及びロー
ラ6は、硬化された表面層がその表面に形成されてお
り、表面層の黒鉛の含有量及び平均粒径は表4及び表5
に示す通りである。この表面層の黒鉛の含有量及び平均
粒径は、焼入れ温度によって調整した。なお、表4及び
表5においては、表2及び表3に記載の黒鉛鋼と同一の
黒鉛鋼で構成されたローラに対して、表2及び表3と同
一の実施例番号及び比較例番号を付してある。例えば、
表4の実施例1のローラは、鋼種Aのような組成の鋼に
黒鉛化処理を施して3.5%の黒鉛を含有させた黒鉛鋼
で構成されていて、そこに焼入れ処理が施されて2.1
%の黒鉛を含有する表面層が形成されているものであ
る。 【0044】 【表4】【0045】 【表5】 【0046】そして、ローラ6の外周面とリング11の
外周面との間に潤滑油を滴下し、ローラ6の内周面と支
持軸5の外周面との間には潤滑油を滴下せずに、下記の
条件にて回転試験を行った。 ローラ6の回転速度:2000rpm(リング11の径
との関係から計算で求めた) ラジアル荷重:1470N 潤滑油 :すす、その他の不溶解成分を混入したエ
ンジンオイル 潤滑油の温度:100℃ 潤滑油の滴下量:0.1ml/min このような回転試験を2時間行った後、ローラ6の内周
面及び支持軸5の外周面の表面損傷を金属顕微鏡により
観察した。その結果を表4及び表5に併せて示す。な
お、5個のローラについて試験を行って、すべてのロー
ラについて表面損傷が認められなかった場合は◎印で、
1個のローラについて表面損傷が認められた場合は○印
で、2〜3個の場合は△印で、そして4個以上の場合は
×印で示した。 【0047】表4及び表5から分かるように、実施例1
〜14のローラは比較例5と比べて、厳しい潤滑条件下
においても耐久性が優れていた。これは、表面層に黒鉛
が存在するため、潤滑性が向上していることが原因と考
えられる。特に、表面層の黒鉛の含有量が1.0%以上
のものは、耐久性が非常に優れていた。それに対して、
比較例1〜5は焼入れによって黒鉛粒が消失してしまっ
たため、十分な耐久性は得られなかった。 【0048】 【発明の効果】以上説明したように、本発明のタペット
ローラ支持軸受は、過酷な潤滑条件下においても耐久性
に優れ、且つ製造が容易で安価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタペットローラ支持軸受の一実施形態
を示す断面図である。 【図2】図1のタペットローラ支持軸受のA−A線断面
図である。 【図3】ローラの耐久試験を行う表面損傷試験機の構成
を示す断面図である。 【符号の説明】 2 カム 3 ロッカーアーム 4 支持壁部 5 支持軸 6 ローラ 5b,6b 表面層
を示す断面図である。 【図2】図1のタペットローラ支持軸受のA−A線断面
図である。 【図3】ローラの耐久試験を行う表面損傷試験機の構成
を示す断面図である。 【符号の説明】 2 カム 3 ロッカーアーム 4 支持壁部 5 支持軸 6 ローラ 5b,6b 表面層
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
F02M 59/44 F02M 59/44 B
R
F16C 13/02 F16C 13/02
33/12 33/12 Z
F16H 53/06 F16H 53/06
Fターム(参考) 3G016 AA19 BA18 BA19 BA47 BA50
BB03 BB04 BB22 CA21 CA22
CA32 CA35 CA52 EA03 EA24
FA16 FA20 GA02
3G066 BA46 BA54 BA61 CA01S
CD09 CD14 CD21 CD28 CE05
3J011 AA20 BA02 CA10 DA01 JA02
KA02 MA02 SB20
3J030 EA22 EB05 EB07 EC07
3J103 AA02 CA22 FA12 GA52 HA08
HA52
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 カムの回転に対応して運動するタペット
に備えられ、前記カムに当接されるローラと、前記ロー
ラを回転自在に支持する支持軸と、を備えたタペットロ
ーラ支持軸受において、 前記ローラ及び前記支持軸のうち少なくとも前記支持軸
は、黒鉛の含有量が面積率で0.5〜15%である黒鉛
鋼で構成されるとともに、その表面層の黒鉛の含有量は
面積率で0.1〜12%であることを特徴とするタペッ
トローラ支持軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002116377A JP2003314212A (ja) | 2002-04-18 | 2002-04-18 | タペットローラ支持軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002116377A JP2003314212A (ja) | 2002-04-18 | 2002-04-18 | タペットローラ支持軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003314212A true JP2003314212A (ja) | 2003-11-06 |
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ID=29533999
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002116377A Withdrawn JP2003314212A (ja) | 2002-04-18 | 2002-04-18 | タペットローラ支持軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003314212A (ja) |
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