JPH08109445A - 加工性に優れたピストンリング材 - Google Patents

加工性に優れたピストンリング材

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JPH08109445A JP6247401A JP24740194A JPH08109445A JP H08109445 A JPH08109445 A JP H08109445A JP 6247401 A JP6247401 A JP 6247401A JP 24740194 A JP24740194 A JP 24740194A JP H08109445 A JPH08109445 A JP H08109445A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 線材製造時の温間または冷間における引抜加
工性や圧延加工性を向上し、異形線材の加工性を高める
とともに、工程中の焼なまし回数を少なくして、製造コ
ストの低減を図り、さらにリング成形時の折損も少なく
することのできるピストンリング材を提供する。 【構成】 重量%で、C 0.4〜1.0%、Cr 5.0〜25.0%
およびSi,Mnを含有し、残部Feおよび不純物から
なるピストンリング材であって、SiとMnの少なくと
も1種がSi 0.25%以下、Mn 0.30%以下であることを
特徴とする加工性に優れたピストンリング材。さらに、
前記ピストンリング材の組成のFeの一部をMo,W,
V,Nbの1種または2種以上を必要に応じて添加する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関のピストンリ
ング材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、内燃機関は、燃費の向上、高性能
化、軽量化、および廃ガス対策等種々な改善が加えられ
ている。特に内燃機関の摺動部であるピストンリングに
対しては、軽量化のための薄肉化、高速回転化にともな
う疲労特性、耐摩耗性、耐スカッフィング性などの特性
向上が求められ、従来使用されていた鋳鉄製のピストン
リングが、薄肉化がやり易く、強度、疲労特性に優れた
鋼製のリングに替わりつつある。鋼製のピストンリング
には、トップリング(圧力リング)として、シリクロム
鋼、または11〜17%Crのマルテンサイト系ステンレス
鋼を素材として、クロムメッキあるいは窒化処理を行な
ったものが使用されている。また、セカンドリングに
は、現状では鋳鉄製のリングが主体であるが、上記の要
求に呼応して鋼製のリングに替わりつつある。鋳鉄製リ
ングについても、耐スカッフィング、耐摩耗性向上のた
め、クロムメッキまたは窒化処理を施したリングが使用
されている。
【0003】一方、シリンダと摺動しながら油掻き機能
を設けたオイルリングには、3ピースタイプと2ピース
タイプの2通りに大別される。このうち、3ピースタイ
プの場合には、直接シリンダと摺動する2枚のサイドレ
ールが耐摩耗性を重視した高Cr(17Cr)系の材料
に窒化処理を施したものが主に使用されている。また、
2ピースタイプのオイルリングには、複雑な断面形状を
した異形線材が使用されている。これ等のピストンリン
グは、内燃機械のタイプ、特性によって、数種の材料が
使い分けされている。すなわち、量産規模で生産される
上記ピストンリングのうち、特に耐摩耗性、耐スカッフ
ィング性、耐食性が重視される摺動部には、必要に応じ
てMoやVを添加した0.8〜0.9C−17Cr鋼が、また一
般にガソリンエンジンのトップリングは必要に応じてM
oやVを添加した0.7C−12Cr鋼などが主に用いられ
ている。具体的には、特公昭57−8302号は圧力リ
ングが、特公昭58−46542号にはスチール製ピス
トンリング材が、特公平2−4829号にはオイルリン
グ用サイドレールなどが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】鋼製ピストンリング
は、平線または異形線材を900〜1100℃に加熱後、急冷
焼入れを行なった後、高めの温度で焼戻しを行なうこと
によって、熱処理後の硬さを38〜52HRC程度に調整され
る。これは、その後に実施するピストンリングの形状に
成形する曲げ加工性(カーリング性)を高めるため、鋼の
熱処理硬さを低めに調整されている。つまり、ピストン
リングとして使用する際の耐摩耗性や耐スカッフィング
性などの要求特性を重視すれば硬さの高い方が望ましい
が、この場合、ピストンリングの曲げ加工時に折損する
問題があり、要求特性を多少犠牲にして熱処理硬さを低
めに調整されているのが現状である。連続的に曲げ加工
した熱処理後の平線または異形線材は、個々のリングに
切断され、次いで熱矯正、表面処理(メッキまたは窒化)
を施して製作され、ピストンリングとして供される。
【0005】一方、マルテンサイト系の鋼の場合、加工
硬化が大きく、平線や異形線材に仕上げるまでの加工率
が大きくできず、引抜加工あるいは圧延工程途中の焼な
まし回数が多くなり、コスト高となる問題があった。本
発明の目的は、線材製造時の温間または冷間における引
抜加工性や圧延加工性を向上し、異形線材の加工性を高
めるとともに、工程中の焼なまし回数を少なくして、製
造コストの低減を図り、さらにリング成形時の折損をも
少なくすることのできるピストンリング材を提供するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者は、熱間圧延後の
ピストンリング用線状素材から温間または冷間で行なわ
れる引抜や、圧延、さらには熱処理後の曲げ加工性を高
めるだけでなく、ピストンリングとして要求される疲労
特性、靭性、耐摩耗性、耐スカッフィング性、窒化特性
などを低下させることなく、目的を達成できる成分検討
を行なった結果、合金系に含まれている元素のうち、S
iとMnの少なくとも1種をそれぞれの特定値以下に制
限することが極めて有効であることを見出し、本発明に
至ったものである。すなわち本発明の第1発明は、重量
%で、C 0.4〜1.0%、Cr 5.0〜25.0%およびSi,M
nを含有し、残部Feおよび不純物からなるピストンリ
ング材であって、SiとMnの少なくとも1種がSi
0.25%以下、Mn 0.30%以下であることを特徴とする加
工性に優れたピストンリング材であり、第2発明は重量
%で、C 0.4〜1.0%、Cr 5.0〜25.0%、MoとWの1
種または2種をMo+1/2Wで2.5%以下およびSi,Mn
を含有し、残部Feおよび不純物からなるピストンリン
グ材であって、SiとMnの少なくとも1種がSi 0.2
5%以下、Mn 0.30%以下であることを特徴とする加工性
に優れたピストンリング材である。
【0007】第3発明は、重量%で、C 0.4〜1.0%、C
r 5.0〜25.0%、VとNbの1種または2種をV+1/2N
bで1.5%以下およびSi,Mnを含有し、残部Feおよ
び不純物からなるピストンリング材であって、SiとM
nの少なくとも1種がSi0.25%以下、Mn 0.30%以下
であることを特徴とする加工性に優れたピストンリング
材であり、第4発明は重量%で、C 0.4〜1.0%、Cr
5.0〜25.0%、MoとWの1種または2種をMo+1/2Wで
2.5%以下、VとNbの1種または2種をV+1/2Nbで
1.5%以下、および残部Feおよび不純物からなるピスト
ンリング材であって、SiとMnの少なくとも1種がS
i 0.25%以下、Mn 0.30%以下であることを特徴とする
加工性に優れたピストンリング材であり、第5発明は重
量%で、C 0.4〜0.7%、Cr 5.0〜9.0%、およびSi,
Mnを含有し、および残部Feおよび不純物からなるピ
ストンリング材であって、SiとMnの少なくとも1種
がSi 0.25%以下、Mn 0.30%以下であり、かつ焼入
れ、焼戻し後の硬さが48HRC以上の時の引張試験伸び値
が9%以上であることを特徴とする加工性に優れたピスト
ンリング材である。
【0008】
【作用】以下に本発明の加工性に優れたピストンリング
材の成分限定理由について述べる。Cは、一部が基地中
に固溶して強度、疲労特性の向上に寄与し、また炭化物
を形成して耐摩耗性や耐スカッフィング性を高める重要
な元素である。これらの効果を得るため、Cは少なくと
も0.4%が必要である。しかしながら、1.0%を越えるCは
温間または冷間で行なわれる引抜や圧延時の加工性、さ
らには熱処理後の曲げ加工性を低下させるため、Cの範
囲を0.4〜1.0%に限定する。ピストンリング材のうち、
サイドレールや圧力リングなど、特に耐摩耗性が必要と
されるリング材のCは、0.6〜1.0%が望ましい。また、
セカンドリングなど加工性が要求される場合には、Cの
範囲は0.4〜0.7%が望ましい。
【0009】SiとMnは、本発明が目的とする線材製
造時の加工性を高めると共に、熱処理硬化後のリング成
形性をも併せて良好にするため、少なくとも1種が特定
値以下に制限することが重要である。また、本発明のピ
ストンリング材の組成のうち、特に炭化物を多く形成さ
せるものについては、SiとMnをともに特定値以下に
制限することが望ましい。Siは、鋼を溶製する際の脱
酸元素として必要な元素であり、例えば特公平2482
9号には、耐酸化性、熱ヘタリ性を高める元素で0.3%以
上のSiが必要とされてきた。しかし、耐酸化性に関し
ては、ピストンリングが油中で使用されること、およ
び、または表面処理が施されることから、必ずしも最重
要視する必要性が薄くなり、さらに熱ヘタリ性について
は、ピストンリングが高温焼戻しの状態で使用されるこ
とから、二次硬化に寄与する他の添加元素の効果の方が
大きいことかわかった。
【0010】発明者が、焼なまし状態のSiの含有量と
冷間加工性の関係について検討した結果、特にSiの含
有量が0.25%以下になると、冷間塑性加工性が著しく向
上することを見出した。この傾向は、引張試験の伸び、
絞りが大きく改善されていることからも裏付けられる。
また、焼入れ、焼戻し熱処理(1000〜1100℃焼入れ,550
〜650℃焼戻し)を行なって、その硬さを40〜52HRCに調
整した場合においても、Siの含有量が0.25%以下にな
ると引張試験での伸び、絞り量が増大し、曲げ加工性が
改善されることが認められた。さらに、最近の製鋼技術
の進歩により、Si含有量を低くしても酸化物系非金属
介在物を低減することが可能である。以上の理由によ
り、Siの範囲を0.25%以下に限定する。望ましいSi
の範囲は、0.05〜0.15%である。
【0011】Mnは、脱酸や脱硫剤として、鋼の精錬に
必要な元素の一つであり、前述の特公平2−4829号
によれば、強度、硬さの向上のために最低0.5%が有効で
あることが記載されている。しかし、Mnは0.30%を越
えて含有すると焼なまし硬さが低下しにくく、焼なまし
状態の塑性加工性が悪化することが明らかとなった。そ
のうえ、Mnの含有量が030%を越えて含有すると、焼入
れ、焼戻しによって、40〜52HRCの硬さに調整した場合
においても、引張試験の伸び、絞り値の低下が認められ
た。以上の理由により、Mnの範囲を0.30%以下に限定
する。のぞましいMnの範囲は0.07〜0.25%である。こ
のようにSiとMnは、単独または複合で含有量を制限
することにより、線状素材の加工性および熱処理後の曲
げ加工性を高める効果だけでなく、熱処理後のリング成
形時の曲げ加工が容易になる程、熱処理硬さを高めに調
整できる利点がある。すなわち、使用時のピストンリン
グ自身に要求される耐摩耗性や耐スカッフィング性をよ
り高度に発揮できる点で極めて有効である。
【0012】Crは、一部が固溶して耐食性を高め、同
時に焼戻し軟化抵抗を上昇させる。また、Crの一部
は、Cと結合して炭化物を形成し、耐摩耗性、耐スカッ
フィング性の向上に寄与する。さらに、窒化処理を行な
うことにより、窒素と結び付いて硬い窒化物を形成し、
耐摩耗性、耐スカッフィング性をさらに向上させること
ができる。上記効果を得るために、Crは最低5%必要で
あり、また、Cr量が増大すれば、焼なまし状態および
40〜52HRCに熱処理した場合の塑性加工性は、Si,M
n量を低くしてもその効果が少なくなるところから、C
rの上限を25.0%とした。望ましいCrの範囲は5.0〜1
5.0%であり、さらに加工性を重視した範囲で、焼入れ焼
戻し後の硬さが50HRCを狙う場合には、Crの範囲は5.0
〜9.0%とするのがよい。
【0013】MoとWは、硬さ 40〜52HRCに焼入れ、焼
戻し処理によって、微細な炭化物を析出して耐摩耗性、
耐スカッフィング性、疲労強度を高める効果を有するた
め、必要に応じて1種または2種をMo+1/2Wで2.5%
以下添加することができる。しかし、Mo+1/2Wの含
有量が2.5%を越えると焼なまし状態の加工性、および硬
さを40〜52HRCに熱処理調整した時の曲げ加工性を害す
るため、MoとWの1種または2種を添加する場合に
は、Mo+1/2Wで2.5%以下とするのがよい。望ましく
は1.5%以下である。VとNbは、硬質炭化物を形成して
耐摩耗性の向上に有効であり、必要に応じて1種または
2種をV+1/2Nbで1.5%以下に添加することができ
る。しかし、V+1/2Nbの含有量が1.5%を越えると1
次炭化を生成し、焼なまし状態の加工性、および焼入、
焼戻し状態の曲げ加工性を害するため、VとNbの1種
または2種を添加する場合には、V+1/2Nbで1.5%以
下とするのがよい。望ましくは1.0%以下である。
【0014】
【実施例】次に本発明の効果を実施例により説明する。 (実施例1)大気中の高周波誘導溶解により、表1に示
す組成の30kgインゴットを得た。このうち、本発明材は
No.1〜15、また比較材はNo.21〜29である。これらの
インゴットは、熱間加工を行なって、8mm径の線状素材
とした。続いて、この線状素材を860℃に加熱後徐冷し
て焼なまし処理後、加工性の評価として引張試験を行な
った。さらに、残りの焼なまし後の線状素材を室温で5.
5mmの線径になるまで引抜加工を施し、次いで1050℃焼
入れ後、本発明材No.1〜3および比較材No.21〜23は、
硬さが39〜42HRCになるように、また本発明材No.4〜15
および比較材No.24〜29は、硬さが48〜50HRCになるよ
うにそれぞれ焼戻し温度を調整した。このようにして得
られた硬さの異なる2グループの供試材から、それぞれ
引張試験片を作製し、引張試験を行なった。
【0015】次に、熱処理後のピストンリングに通常実
施される窒化処理を施した場合に、本発明材と比較材と
の間に特性上の差異があるか確認するために、疲労試験
および耐スカッフィング性試験を行なった。この試験
は、上記の引抜後の供試材から疲労試験片および耐スカ
ッフィング性試験片を採取し、前記引張試験と同じ熱処
理を行なった後、540℃×20時間のガス窒化を施し、次
いで試験片の表面に生成した脆い窒化物を研磨、除去し
てから行なった。表2にこれらの試験結果、および窒化
処理を行なった試験片の表面硬さを併記する。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】なお、スカッフィングテスト(焼付試験)
は、超高圧摩擦摩耗試験機を下記の条件で行なった。試
験機試験片部の概略を図1、図2に示す。 摩擦速度・・・8m/s 摩擦面圧力・・・初期圧 20kgf/cm2、3分毎に10kg/cm2づつ
上昇 潤滑油・・・・・モーターオイル #30,温度 80℃、ステータ
ーホルダー中心より400ml/min注油 焼付検出・・・・ロードセルおよび動歪計にて検出(焼付時
に異常摩擦力を検知) 相手材・・・・・JIS ねずみ鋳鉄4種(FC25)
【0019】表2に示した評価結果から、本発明材は比
較材より焼なまし時の、引張試験での絞り値が大きく、
冷間加工性が良好であることを示している。また、熱処
理後の引張試験においても、本発明材の伸びが大きく、
本発明の効果が十分にあると言える。さらに、疲労特
性、窒化特性、スカッフィング試験の値は、比較材と差
異がなく、SiおよびまたはMnの低減によって、焼な
まし時の塑性加工性、焼入れ後の曲げ加工性の改善が達
成されることから明らかとなった。
【0020】(実施例2)実施例1で行なった、焼なま
し後の線状素材の引抜加工の状況を、焼なまし状態の引
張試験の値と対比させてみると、その絞り値が、65%を
越した場合、冷間引抜は中間焼なましなしで減面率が90
%以上を示し、絞り値が40%未満では50%の減面率でも表
面にクラックが生じることが判った。つまり、絞り値が
40%未満の線状素材を引抜加工するには、中間焼なまし
処理を頻繁に行なう必要があり、量産工程がより複雑に
なることが予想される。一方、焼入れ、焼戻しの熱処理
を行なった後の引張特性と実際に曲げ加工を行なって比
較してみると、引張試験における伸びが6%を越えた場合
には、曲げ加工に折損を起こさずにスムースに成形でき
ることが認められた。すなわち、熱処理後の引張試験の
伸びが6%以下の場合には、ピストンリング自身の要求特
性を犠牲にして熱処理によって硬さを若干低めに調整す
る必要が生じることになる。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、ピストンリング材のS
iとMnの1種または2種をそれぞれ0.25%以下、0.30%
以下に制限することで、熱間圧延後に実施する冷間また
は温間で引抜加工性や圧延加工性を高め製造コストの低
減が可能となった。また同時に熱処理後のリング曲げ加
工性をも改善することから、本来ピストンリング自身に
要求される特性を向上させるため、熱処理硬さをより高
めに調整することができるので、ピストンリング材の特
性を一段と高められる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】超高圧摩耗試験装置の断面図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【符号の説明】
1 試験片(5.0mm角×10L) 2 円板(相手材・・・FC25) 3 ステータホルダー 4 ロータ 5 試験片保持具 6 潤滑油注入口 7 ロードセル 8 動歪計 P 摩擦圧力

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C 0.4〜1.0%、Cr 5.0〜2
    5.0%およびSi,Mnを含有し、残部Feおよび不純物
    からなるピストンリング材であって、SiとMnの少な
    くとも1種がSi 0.25%以下、Mn 0.30%以下であるこ
    とを特徴とする加工性に優れたピストンリング材。
  2. 【請求項2】 重量%で、C 0.4〜1.0%、Cr 5.0〜2
    5.0%、MoとWの1種または2種をMo+1/2Wで2.5%以
    下およびSi,Mnを含有し、残部Feおよび不純物か
    らなるピストンリング材であって、SiとMnの少なく
    とも1種がSi 0.25%以下、Mn 0.30%以下であること
    を特徴とする加工性に優れたピストンリング材。
  3. 【請求項3】 重量%で、C 0.4〜1.0%、Cr 5.0〜2
    5.0%、VとNbの1種または2種をV+1/2Nbで1.5%
    以下およびSi,Mnを含有し、残部Feおよび不純物
    からなるピストンリング材であって、SiとMnの少な
    くとも1種がSi 0.25%以下、Mn 0.30%以下であるこ
    とを特徴とする加工性に優れたピストンリング材。
  4. 【請求項4】 重量%で、C 0.4〜1.0%、Cr 5.0〜2
    5.0%、MoとWの1種または2種をMo+1/2Wで2.5%以
    下、VとNbの1種または2種をV+1/2Nbで1.5%以
    下、および残部Feおよび不純物からなるピストンリン
    グ材であって、SiとMnの少なくとも1種がSi 0.2
    5%以下、Mn 0.30%以下であることを特徴とする加工性
    に優れたピストンリング材。
  5. 【請求項5】 重量%で、C 0.4〜0.7%、Cr 5.0〜9.
    0%、およびSi,Mnを含有し、および残部Feおよび
    不純物からなるピストンリング材であって、SiとMn
    の少なくとも1種がSi 0.25%以下、Mn 0.30%以下で
    あり、かつ焼入れ、焼戻し後の硬さが48HRC以上の時の
    引張試験伸び値が9%以上であることを特徴とする加工性
    に優れたピストンリング材。
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