JP2001011577A - 内燃機関用ピストンのセカンドリング材 - Google Patents

内燃機関用ピストンのセカンドリング材

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JP2001011577A
JP2001011577A JP11179537A JP17953799A JP2001011577A JP 2001011577 A JP2001011577 A JP 2001011577A JP 11179537 A JP11179537 A JP 11179537A JP 17953799 A JP17953799 A JP 17953799A JP 2001011577 A JP2001011577 A JP 2001011577A
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steel
ring
piston
internal combustion
combustion engine
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Takehiro Ono
丈博 大野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで十分な耐摩耗性と耐焼付き性を有
するスチールセカンドリングを提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.5〜0.8%未満、
Si:1.0〜2.0%、Mn:0.5〜1.5%、C
r:0.3〜1.0%、S:0.04〜0.10%を含
み、残部Feおよび不可避的不純物からなる内燃機関用
ピストンのセカンドリング材である。そして、上記組成
に加え0.01%以下のCaを添加した内燃機関用ピス
トンのセカンドリング材である。ここで好ましくは、C
aが0.002〜0.01%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関に使用さ
れるピストンリングのうち特に自動車エンジンに装着さ
れセカンドリングとして使用される材料に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関、特に自動車エンジンに使用さ
れるピストンリングは、従来の鋳鉄製から鋼平線といっ
た線材をリング状に加工して用いられる、いわゆるスチ
ールピストンリングへと移行が進んでいる。これはエン
ジンの高速化、高出力化要求に対応するためのリングの
軽量化や機械的強度の向上の必要性が背景にあり、さら
にリング製造工程の大幅短縮の効果もその大きな原因と
なっている。
【0003】スチールピストンリングへの移行は、高負
荷領域にあるトップリングやオイルリングにおいて先行
しており、その材質としてはSi−Cr鋼や11〜17
%Crのマルテンサイトステンレス鋼が用いられてい
る。さらにこのような素材にクロムメッキあるいは窒化
処理を施したピストンリングが多く用いられている。し
かし、比較的負荷の少ないセカンドリングにおいては、
依然としてFC250のような鋳鉄が多く用いられてい
るが、近年上記要求に呼応してスチール化への要求が高
まってきており、スチールセカンドリングの使用が検討
され始めている。
【0004】セカンドリングは摺動部材として耐摩耗
性、耐焼付き性が要求されるが、その作動環境はトップ
リングほど過酷ではないので、トップリングほどの高性
能の特性は必要とされない。従ってできるだけ低合金系
の鋼を用いて低コスト化を図ることが望ましい。しか
も、窒化処理などの表面処理を施さなくとも使用できる
ことが望ましいので、ある程度の鋼自体の耐摩耗性と耐
焼付き性が要求される。こうした要求に答えるため、前
述のSi−Cr鋼に代表される低合金鋼がセカンドリン
グに適用され始めている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述した
Si−Cr鋼などの低合金鋼をそのままセカンドリング
に用いた場合、従来の鋳鉄製のセカンドリングに比べて
機械的性質、耐摩耗性は優れるものの耐焼付き性が劣る
ことが明らかになってきた。本発明の目的は、低コスト
で十分な耐摩耗性と耐焼付き性を有するスチールセカン
ドリングを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため種々検討の結果、0.5%から0.8%を
超えないC量を基本とする低合金鋼にSを適正量添加す
ることにより耐焼付き性向上に効果があること、さらに
好ましくはSとCaを複合添加することで大きな効果が
得られることを見いだし、本発明に至った。
【0007】すなわち本発明の第一は、重量%で、C:
0.5〜0.8%未満、Si:1.0〜2.0%、M
n:0.5〜1.5%、Cr:0.3〜1.0%、S:
0.04〜0.10%を含み、残部Feおよび不可避的
不純物からなる内燃機関用ピストンのセカンドリング材
である。
【0008】また本発明の第二は、上記組成に加え0.
01%以下のCaを添加した内燃機関用ピストンのセカ
ンドリング材である。ここで好ましくは、Caが0.0
02〜0.01%である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳しく説明する。
Cは一部が基地中に固溶して強度を付与し、一部は炭化
物を形成して耐摩耗性と耐焼付き性を高める重要な元素
である。このためには少なくとも0.5%が必要であ
る。しかしながら0.8%以上になると平線への加工性
やリングへの加工性を困難にする。特にセカンドリング
においては製造性を高めることにより安価に製造できる
ことが重要であるので0.8%未満を上限とした。
【0010】Siは通常脱酸剤として添加されるが、一
方では鋼の焼戻し軟化挙動にも影響し特に低合金鋼にお
いてはSiの影響は重要である。焼戻し軟化を防ぎ耐熱
強度を高めるためにSiは少なくとも1.0%が必要で
ある。しかしながら過度に添加すると冷間加工性を低下
させるのでSiの上限は2.0%に規定する。
【0011】MnもSiと同様脱酸剤として使用され、
最低0.5%は必要であるが過度に添加すると熱間にお
ける加工性を害する。そのため上限を1.5%に規定し
た。
【0012】Crは一部はCと結合して炭化物を形成し
耐摩耗性、耐焼付き性を高める。また一部は基地に固溶
して耐食性を高め、かつ焼戻し軟化抵抗を高める。さら
に、焼入れ性を確保し十分な熱処理硬さを得るために必
要である。これらの効果を得るためには少なくとも0.
3%必要であるが、過度の添加は熱伝導率を低下させる
ことにより摺動による接触面の昇温を助長し、耐焼付き
性を害するため1.0%を上限とした。
【0013】Sは本発明における重要な元素である。前
述のようにSi−Cr鋼では耐焼付き性が不十分である
が、Sを適量添加することにより耐焼付き性を大幅に改
善することができる。Sは大部分がMnと結びついてM
nSを形成し、このMnSがそれ自身潤滑効果を持つと
ともに、エンジンオイルを保持する効果も期待できるの
で潤滑効果を高め耐焼付き性向上に有効である。この効
果を得るためにはSは少なくとも0.04%必要である
が、過度に添加すると機械的性質を劣化させるので、上
限を0.10%とした。
【0014】Sの効果をさらに高めるにはCaをSとと
もに添加することが有効である。Sは前述のようにMn
と結びついてMnSを形成するが、単独のMnSは塑性
加工時に変形して細長く連なった形状、あるいはそれが
ちぎれて断続的に分布したものになりやすくこの場合は
潤滑効果が十分に得られない。一方、Caを添加すると
Caの介在物を核としたMnSが形成され、この複合介
在物は塑性加工時にもあまり伸びず、紡錘状の介在物と
して残存するため、十分な潤滑効果を得ることができ
る。しかしCaは過度に添加すると熱間加工性を害する
ので0.01%以下に規定する。好ましくは0.002
〜0.01%である。なお、上記のSおよびCaの効果
は耐焼付きの他にも、切削性や研削性も良くすることが
期待できる。
【0015】以下の元素は下記の範囲内であれば本発明
鋼に含まれてもよい。 P≦0.04%,Mo≦1.0%,W≦1.0% V≦0.5%,Nb≦0.5%,Ni≦2.0% Mg≦0.01%,B≦0.01%,Zr≦0.1%
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明の効果を説明す
る。 (実施例1)大気中の高周波誘導溶解により表1に示す
組成のインゴットを得た。これらのインゴットに熱間加
工を施して、8mm径の線状素材を得た。続いて焼きな
まし処理後に、所定の焼入れ、焼戻し処理により硬さを
40HRC前後に調整した試料を作製した。ここで従来
材No.31はSi−Cr鋼であり、No.32は鋳鉄
FC250である。
【0017】
【表1】
【0018】これらの試料を用いて、耐焼付き性を評価
した。試験方法は図1、図2に示す超高圧摩擦摩耗試験
機を用いて以下の条件で行い、荷重が急激に立ち上がっ
た時点を焼付き開始と評価した。評価結果を表1に合わ
せて示す。 摩擦速度 :8m/s 摩擦面圧力:初期圧10kgf/cm、3分毎に10
kgf/cmずつ上昇 潤 滑 油:モーターオイル#30 相 手 材:FC250(JISねずみ鋳鉄)
【0019】さらに耐摩耗性を往復動摩耗試験により評
価した。これは直径8mm、長さ20mmの試験片を相
手材(FC250)と往復運動によりこすり合わせてそ
の時の摩耗幅を測定するものである。評価結果を表1に
合わせて示す。
【0020】表1より本発明鋼は、いずれも優れた耐焼
付き性と耐摩耗性を示す。一方、従来材No.32(鋳
鉄FC250)は摩耗幅が大きく耐摩耗性が不十分であ
る。従来材No.31(Si−Cr鋼)は耐摩耗性は良
好であるが、耐焼付き性が不足している。比較鋼No.
21も耐焼付き性が不足している。
【0021】(実施例2)表1における本発明鋼No.
13と比較鋼No.22を熱間圧延により直径5.5m
mのコイルとした後、冷間圧延により1.5mm×3.
1mmの平線形状に仕上げた。本発明鋼No.13は問
題無く加工できたが、比較鋼No.22は冷間加工性が
悪くキズが発生した。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば従来の鋳鉄製ピストンリ
ングより、耐摩耗性、機械的性質に優れ、耐焼付き性が
同等以上の安価なスチールピストンリング材を提供する
ことが可能であり、セカンドリングの軽量化、性能向
上、製造工程の簡略化に大きく貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】超高圧摩擦摩耗試験機の断面図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【符号の説明】
1.試験片(5mm角×10L)、2.円板(相手材・・
・FC250)、3.ステータホルダー、4.ロータ、
5.試験片保持具、6.潤滑油注入口、7.ロードセ
ル、8.動歪計、P:摩擦圧力

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.5〜0.8%未満、
    Si:1.0〜2.0%、Mn:0.5〜1.5%、C
    r:0.3〜1.0%、S:0.04〜0.10%を含
    み、残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴
    とする内燃機関用ピストンのセカンドリング材。
  2. 【請求項2】 重量%で、C:0.5〜0.8%未満、
    Si:1.0〜2.0%、Mn:0.5〜1.5%、C
    r:0.3〜1.0%、S:0.04〜0.10%、C
    a:0.01%以下を含み、残部Feおよび不可避的不
    純物からなることを特徴とする内燃機関用ピストンのセ
    カンドリング材。
  3. 【請求項3】 重量%で、C:0.5〜0.8%未満、
    Si:1.0〜2.0%、Mn:0.5〜1.5%、C
    r:0.3〜1.0%、S:0.04〜0.10%、C
    a:0.002〜0.01%を含み、残部Feおよび不
    可避的不純物からなることを特徴とする内燃機関用ピス
    トンのセカンドリング材。
JP11179537A 1999-06-25 1999-06-25 内燃機関用ピストンのセカンドリング材 Pending JP2001011577A (ja)

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KR10-2000-0034464A KR100370454B1 (ko) 1999-06-25 2000-06-22 내연기관용 자기 윤활 피스톤 링 재료와 피스톤 링
BRPI0002865-7A BR0002865B1 (pt) 1999-06-25 2000-06-23 anel de pistão para motores de combustão interna.
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US09/884,072 US6527879B2 (en) 1999-06-25 2001-06-20 Self-lubricating piston ring material for internal combustion engine and piston ring

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015117208A1 (pt) * 2014-02-07 2015-08-13 Mahle Metal Leve S/A Second piston ring and automotive piston
IT201700040796A1 (it) * 2017-04-12 2018-10-12 Gabriele Guizzardi Metodo di realizzazione di un acciaio trattato e relativo acciaio trattato

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