JP2016079498A - シリンダライナ用ねずみ鋳鉄及びそれを用いたシリンダライナの製造方法 - Google Patents

シリンダライナ用ねずみ鋳鉄及びそれを用いたシリンダライナの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、ねずみ鋳鉄を製造するための溶鋼を構成する成分を含量を調節することで、優れた疲労強度及び熱衝撃特性を保持することができるシリンダライナ用ねずみ鋳鉄及びそれを用いたシリンダライナの製造方法に関する。
【解決手段】本発明の一実施形態によるシリンダライナ用ねずみ鋳鉄は、C:3.2〜3.7wt%、Si:2.0〜2.8wt%、Mn:0.50〜1.0wt%、P:0.20wt%以下(0wt%を除く)、S:0.10wt%以下(0wt%を除く)、Cr:0.50wt%以下(0wt%を除く)、Cu:0.20〜0.80wt%、Mo:0.10〜0.40wt%、残部のFe、及びその他の不可避的不純物を含み、下記式1を満たすことを特徴とする。
0.8≦Cu+1.5Cr+1.2Mo≦1.5 ………………[式1]
式1中、Cu、Cr及びMoは各成分の含量(wt%)を意味する。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリンダライナ用ねずみ鋳鉄及びそれを用いたシリンダライナの製造方法に関し、より詳細には、ねずみ鋳鉄を製造するための溶鋼を構成する成分の含量を調節することで、優れた疲労強度及び熱衝撃特性を保持することができるシリンダライナ用ねずみ鋳鉄及びそれを用いたシリンダライナの製造方法に関する。
ねずみ鋳鉄は、比較的安い価格及び優れた性能により、車両用エンジンのシリンダブロック、シリンダヘッド、シリンダライナ用として広く用いられる材料である。かかる構成品を使用時、材料の引張強度、疲労強度などの物性と、コスト、加工性などの生産性とが兼ね合う関係にあるため、様々な成分を適宜組み合わせて用いられている。
近年、車両の出力の増加、環境規制の強化などにより、ブロック、ヘッド及びライナに加えられる負荷が増加しており、これに応えるべく、物性を向上させながらも生産性を保持することができる新たなねずみ鋳鉄の必要性が増大している。
一方、エンジンシリンダライナは、シリンダブロックの内部に挿入されて燃焼室を構成する核心部品である。従来のシリンダライナの素材としては、通常、250MPaの引張強度を有する一般的なねずみ鋳鉄を用いていた。かかるねずみ鋳鉄は、燃焼圧及び荷重負荷の低い一般的なガソリンエンジンには適するが、最近開発されている高出力エンジンやディーゼルエンジン用として用いられるには、耐久性に関する問題が発生する恐れがある。
これを克服するために、従来の250MPa級の鋳鉄に合金元素を添加して製造された400MPa級の鋳鉄が大型ディーゼルエンジンなどの一部に適用されているが、これは、既存素材に比べ原価が高いという欠点がある。
例えば、「高強度ねずみ鋳鉄及びその製造方法(公開特許10‐2012‐0133778;特許文献1)」には、高マンガン鋼板スクラップを活用して高強度ねずみ鋳鉄を製造する方法に関する技術が開示されている。
しかし、特許文献1によれば、スクラップを活用して生産コストを低め、且つ高強度を保持することはできたが、依然として高価の合金元素を添加しなければならないという欠点があった。
韓国特許出願公開第10‐2012‐0133778号(2012.12.11)
本発明は、高価の合金元素を添加しなくても、パーライトを安定化させ、基地組織の硬度を向上させる合金成分の含量を調節することで、優れた疲労強度及び熱衝撃特性を保持することができるシリンダライナ用ねずみ鋳鉄及びそれを用いたシリンダライナの製造方法を提供する。
本発明の一実施形態によるシリンダライナ用ねずみ鋳鉄は、C:3.2〜3.7wt%、Si:2.0〜2.8wt%、Mn:0.50〜1.0wt%、P:0.20wt%以下(0wt%を除く)、S:0.10wt%以下(0wt%を除く)、Cr:0.50wt%以下(0wt%を除く)、Cu:0.20〜0.80wt%、Mo:0.10〜0.40wt%、残部のFe、及びその他の不可避的不純物を含み、下記式1を満たすことを特徴とする。
0.8≦Cu+1.5Cr+1.2Mo≦1.5………………[式1]
式1中、Cu、Cr及びMoは、各成分の含量(wt%)を意味する。
前記ねずみ鋳鉄の引張強度が300MPa以上であることを特徴とする。
前記ねずみ鋳鉄の疲労強度が140MPa以上であることを特徴とする。
本発明の一実施形態によるシリンダライナの製造方法は、C:3.2〜3.7wt%、Si:2.0〜2.8wt%、Mn:0.50〜1.0wt%、P:0.20wt%以下(0wt%を除く)、S:0.10wt%以下(0wt%を除く)、Cr:0.50wt%以下(0wt%を除く)、Cu:0.20〜0.80wt%、Mo:0.10〜0.40wt%、残部のFe、及びその他の不可避的不純物からなる溶鋼を製造する段階と、前記溶鋼を遠心鋳造する段階と、を含み、前記溶鋼を構成する成分が下記式1を満たすことを特徴とする。
0.8≦Cu+1.5Cr+1.2Mo≦1.5………………[式1]
式1中、Cu、Cr及びMoは、各成分の含量(wt%)を意味する。
前記遠心鋳造後のシリンダライナの引張強度が300MPa以上であることを特徴とする。
前記遠心鋳造後のシリンダライナの疲労強度が140MPa以上であることを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、ねずみ鋳鉄を製造するための溶鋼を構成する成分のうち、パーライトの安定化及び基地組織の硬度の向上に影響を与える合金成分の含量を最適に調節することで、従来の250MPa級のねずみ鋳鉄に比べ引張強度が20%向上された300MPa級のねずみ鋳鉄素材を製造することができる。
これにより、従来の100MPaより約40%向上された140MPaの疲労強度が得られるとともに、熱衝撃特性が著しく向上されて、高温/高圧の燃焼室環境にも適用可能なねずみ鋳鉄を製造することができながらも、加工性は既存素材と同様の水準を保持するため、生産性の点でも大きい効果が期待できる。
本発明によるシリンダライナ用ねずみ鋳鉄のミクロ組織写真である。 比較例によるねずみ鋳鉄のミクロ組織写真である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態をより詳細に説明する。しかし、本発明が以下で開示された実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態に具現され得る。本実施形態は、本発明の開示が完全になるようにするとともに、通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。
本発明は、C:3.2〜3.7wt%、Si:2.0〜2.8wt%、Mn:0.50〜1.0wt%、P:0.20wt%以下(0wt%を除く)、S:0.10wt%以下(0wt%を除く)、Cr:0.50wt%以下(0wt%を除く)、Cu:0.20〜0.80wt%、Mo:0.10〜0.40wt%、残部のFe、及びその他の不可避的不純物を含むねずみ鋳鉄を提供する。
炭素(C)の含量は3.2wt%以上3.7wt%以下であることが好ましい。炭素は、凝固中に片状黒鉛を形成し、炭化物を析出させることで、硬度及び耐磨耗性を向上させるために必須な元素である。炭素量及びケイ素量により計算される炭素当量(Ceq=C+1/3Si)が共晶点(4.3wt%)に近いほど、溶湯の融点が低くなって流動性が向上するという利点がある。しかし、過剰量の炭素が添加される場合には、硬度及び強度の低い黒鉛の晶出量が多くなるため、鋳鉄の強度が低下する。また、炭素量が低い場合には、溶湯の流動性が低下して鋳造不良が誘発し得るとともに、片状黒鉛の量が減少して潤滑特性が低下するという欠点がある。したがって、適正量の炭素含量が非常に重要であり、本実施形態では、炭素の含量を3.2〜3.7wt%に限定することが好ましい。この際、炭素の含量が上記範囲より少ない場合には鋳造不良が誘発され、炭素の含量が上記範囲より多い場合には強度及び疲労寿命が低下するという問題がある。
ケイ素(Si)の含量は2.0wt%以上2.8wt%以下であることが好ましい。ケイ素は、炭素とともに炭素当量を決定する主要元素の一つであって、黒鉛の形成に寄与し、耐酸化性を向上させる元素である。炭素量及びケイ素量により計算される炭素当量においてケイ素の含量が高いほど黒鉛の形成が促進されるため、同一の炭素当量であっても、黒鉛の晶出量を増大させることができる。また、ケイ素は、耐熱性を高め、酸化環境でSi系耐酸化被膜を形成することで、材料の熱衝撃特性を向上させる効果を有する。そのため、本実施形態では、ケイ素の含量を2.0〜2.8wt%に限定することで、適正水準の鋳造性及び耐酸化性を有するようにした。
マンガン(Mn)の含量は0.50wt%以上1.0wt%以下であることが好ましい。マンガンは、硫黄(S)と結合して潤滑相のMnSを形成し、炭化物を安定させることで強度を向上させる元素である。しかし、マンガンの含量が提示された範囲より少ない場合には、MnSが十分に形成されないため、所望の水準の潤滑性を確保することができず、マンガンの含量が提示された範囲より多い場合には、黒鉛晶出が妨害され、粗大炭化物の形成が促進されて摩擦特性が低下するという問題がある。したがって、本実施形態では、マンガンの含量を0.50〜1.0wt%に限定することで、適正量のMnS潤滑相が形成され、摩擦特性が向上されるようにした。
リン(P)の含量は0.20wt%以下(0wt%を除く)であることが好ましい。通常、リンは不純物に分類される。しかし、多量のリンが添加される場合、基地組織にFePの組成を有する高硬度のステダイト相が形成されて、耐磨耗性が向上される。適正量のステダイト相が基地組織内に均一に分布される場合には優れた効果を示すが、粗大なステダイト相は加工性を低下させる。したがって、本実施形態ではその含量を0.2%以内に制限した。
クロム(Cr)の含量は0.50wt%以下(0wt%を除く)であることが好ましく、銅(Cu)の含量は0.20wt%以上0.80wt%以下であることが好ましく、モリブデン(Mo)の含量は0.10wt%以上0.40wt%以下であることが好ましい。銅(Cu)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)は何れも、パーライトを安定化させ、且つ基地組織の硬度を向上させる元素であって、固溶及び析出強化の効果により、製品の強度を増大させる。しかし、過剰量が添加される場合には、加工性が低下し得る。
特に、銅はパーライトの安定化において最も重要な元素であって、適正量を添加することが重要である。また、モリブデンは、基地組織に一部が固溶されて高温で基地組織の軟化抵抗性を高めることができるため、本発明の目的のように熱衝撃に露出される部品の場合、適正量を添加すると耐久性を著しく向上させることができる。したがって、本実施形態では、多くの試験を経てCr、Cu、Moの含量の最適の割合を検討した結果、Crの含量を最大0.5wt%、Cuの含量を0.2〜0.8wt%、Moの含量を0.1〜0.4wt%と、最適の含量に限定した。
本発明は、疲労強度及び熱衝撃特性に優れたシリンダライナを製造するために、上記の組成を有する溶鋼を用いて通常の遠心鋳造法を行う。
特に、溶鋼の各成分の含量を調節する場合、シリンダライナの引張強度を300MPa以上に保持し、疲労強度を140MPa以上に保持するためには、Cu、Cr及びMoの含量をより限定的に制限することが好ましい。例えば、下記式1を満たすことが好ましい。
0.8≦Cu+1.5Cr+1.2Mo≦1.5………………[式1]
説明の便宜のために、式1中、「Cu+1.5Cr+1.2Mo」により演算される値を「A」と定義し、Cu、Cr及びMoは各成分の含量(wt%)を意味する。
前記式1により演算される値Aは、Cu、Cr及びMoの含量により決定される。Cu、Cr及びMoは、基地組織に固溶されて一部が微細炭化物を形成する元素であって、A値が0.8〜1.5の範囲を満たす場合、加工性の低下を最小化しながらも目標とする物性を確保することができる。A値が提示された範囲を超える場合には、粗大な有害炭化物が形成される恐れがあり、提示された範囲未満である場合には、目標とする物性を達成できない。
[実施例]
以下、比較例及び実施例を用いて本発明を説明する。
商業生産されるシリンダライナの生産条件に応じて最終製品を生産し、最終製品から試験片を製作した後、硬度、引張強度、疲労強度、熱疲労寿命及び加工性を測定した。
具体的には、表1の実施例1、2及び比較例1〜5のように成分含量が調整された溶鋼を準備した後、遠心鋳造法によりシリンダライナを製作した。そして、製作されたシリンダライナで試験片を製作した。
一方、硬度は、製作された試験片を平坦に加工した後、ブリネル硬さ計を用いて測定した。引張強度は、シリンダライナをKS D0801 8A試験片として加工して測定した。また、平滑試験片を製作して回転曲げ疲労試験を行った後、疲労寿命が100万サイクル以上である時の荷重を疲労強度と決定した。また、熱疲労寿命は、熱機械疲労試験(Thermal Mechanical Fatigue)条件下で、拘束率40%の条件で100〜350℃の温度区間で加熱と冷却を繰り返すことで行った。加工性は、ライナーの内径を荒加工したときにおけるツールの寿命を基準として算出した。そして、各測定値を表2に示した。また、実施例及び比較例のミクロ組織を撮影(光学顕微鏡、100倍)して図1及び図2に示した。
表2に示したように、実施例1及び2は、比較例1(既存材料)に比べ、硬度が5〜10%、引張強度が20%、疲労強度が40〜50%と機械的特性が向上されたことを確認することができる。また、熱疲労寿命は約3倍以上に著しく増大し、加工性は90%以上の水準を保持することを確認することができる。また、図1は本発明によるシリンダライナ用ねずみ鋳鉄のミクロ組織写真であって、実施例1及び2のミクロ組織写真を参照すれば、パーライト基地組織上に微細炭化物が均一に形成されていることを確認することができた。
また、実施例1及び2と比較例2〜5の結果を比較すれば、比較例がより優れた硬度、引張強度、疲労強度などを示す場合もあるが、各特性の組み合わせの点で、比較例2〜5が実施例1及び2に及ばないことが分かる。
一方、図2は比較例によるねずみ鋳鉄のミクロ組織写真である。
それぞれの比較例をより詳細に説明すれば、比較例1は、従来の250MPa級のシリンダライナを生産する一般的なねずみ鋳鉄素材であって、硬度93(HRB)、引張強度260Mpa、疲労強度98Mpa、熱疲労寿命135サイクルを示しており、加工性は、比較例1の荒加工時におけるツール寿命を基準(100%)として決定した。また、図2から分かるように、比較例1の場合、パーライト基地組織に片状黒鉛が形成されていることを確認することができた。
一方、比較例2は、本発明で提示したCu、Cr、Mo成分量の合計範囲であるA値の範囲を満たすが、それぞれの元素が本発明で提示された範囲を外れている場合である。この場合、Crの含量が規格を超過して、図2に示したように粗大なCr系炭化物が多量形成された。これにより、既存材料である実施例1に比べ硬度は向上されるものの、その他の物性は大きく向上されないことが分かる。
また、比較例3は、それぞれの元素は本発明で提示された範囲を満たすが、Cu、Cr、Mo成分量の合計範囲であるA値を超過する場合であって、図2に示したように微細炭化物が過度に形成されたため、硬度は大きく上昇したものの、加工性が大きく低下することが分かる。
そして、比較例4は、それぞれの元素は本発明で提示された範囲を満たすが、Cu、Cr、Mo成分量の合計範囲であるA値に達しない場合であって、図2に示したように、微細炭化物が所望の水準に形成されなかったため、比較例1に比べ物性が向上されたものの、実施例1及び2に比べ疲労強度及び熱疲労寿命が所望の水準を満たしていないことが分かる。
また、比較例5は、本発明で提示したCu、Cr、Mo成分量の合計範囲であるA値の範囲は満たすが、Moの含量が規格を満たさない場合であって、図2に示したように、微細炭化物が所望の水準に形成されなかったため、殆どの物性は目標水準を満たすものの、熱疲労寿命が実施例1及び2に比べ大きく低下することが分かる。
したがって、パーライト基地組織に微細炭化物を適正水準に形成して、所望の水準の硬度、引張強度、疲労強度、熱疲労寿命及び加工性を確保するためには、式1で表されるA値が0.8以上1.5以下となるようにCu、Cr及びMoの含量を制御することが好ましい。
本発明を添付図面及び上述の好ましい実施形態を参照して説明したが、本発明はこれに限定されず、添付の特許請求の範囲により限定される。したがって、この技術分野において通常の知識を有する者であれば、添付の特許請求の範囲の技術的思想を逸脱することなく、範囲内で本発明を多様に変形及び修正することができる。

Claims (6)

  1. C:3.2〜3.7wt%、Si:2.0〜2.8wt%、Mn:0.50〜1.0wt%、P:0.20wt%以下(0wt%を除く)、S:0.10wt%以下(0wt%を除く)、Cr:0.50wt%以下(0wt%を除く)、Cu:0.20〜0.80wt%、Mo:0.10〜0.40wt%、残部のFe、及びその他の不可避的不純物を含み、下記式1を満たす、シリンダライナ用ねずみ鋳鉄
    0.8≦Cu+1.5Cr+1.2Mo≦1.5………………[式1]
    式1中、Cu、Cr及びMoは、各成分の含量(wt%)を意味する。
  2. 前記ねずみ鋳鉄の引張強度が300MPa以上である、請求項1に記載のシリンダライナ用ねずみ鋳鉄。
  3. 前記ねずみ鋳鉄の疲労強度が140MPa以上である、請求項1に記載のシリンダライナ用ねずみ鋳鉄。
  4. C:3.2〜3.7wt%、Si:2.0〜2.8wt%、Mn:0.50〜1.0wt%、P:0.20wt%以下(0wt%を除く)、S:0.10wt%以下(0wt%を除く)、Cr:0.50wt%以下(0wt%を除く)、Cu:0.20〜0.80wt%、Mo:0.10〜0.40wt%、残部のFe、及びその他の不可避的不純物からなる溶鋼を製造する段階と、前記溶鋼を遠心鋳造する段階と、を含み、
    前記溶鋼を構成する成分が下記式1を満たす、シリンダライナの製造方法。
    0.8≦Cu+1.5Cr+1.2Mo≦1.5………………[式1]
    式1中、Cu、Cr及びMoは、各成分の含量(wt%)を意味する。
  5. 前記遠心鋳造後のシリンダライナの引張強度が300MPa以上である、請求項4に記載のシリンダライナの製造方法。
  6. 前記遠心鋳造後のシリンダライナの疲労強度が140MPa以上である、請求項4に記載のシリンダライナの製造方法。
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