JP2001234274A - 熱間圧延用複合ロール - Google Patents
熱間圧延用複合ロールInfo
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- JP2001234274A JP2001234274A JP2000048444A JP2000048444A JP2001234274A JP 2001234274 A JP2001234274 A JP 2001234274A JP 2000048444 A JP2000048444 A JP 2000048444A JP 2000048444 A JP2000048444 A JP 2000048444A JP 2001234274 A JP2001234274 A JP 2001234274A
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- hot rolling
- composite roll
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高合金グレン鋳鉄材を用いたロールの耐焼付
き性、耐事故性の特長を損なうことなく、耐摩耗性を大
幅に向上させた熱間圧延用複合ロールの提供を課題とす
る。 【解決手段】 外層材と内層材とを一体化させてなる熱
間圧延用複合ロールであって、前記外層材からなる外層
部の成分組成が重量%で、C:2.0〜4.0%、S
i:0.5〜2.0%、Mn:0.2〜2.0%、N
i:2.0〜6.0%、Cr:1.0〜4.0%、M
o:0.3〜4.0%、及びW、V、Nbの1種又は2
種以上を0.3〜2.0%含有すると共に、残部が実質
的にFeから成る。
き性、耐事故性の特長を損なうことなく、耐摩耗性を大
幅に向上させた熱間圧延用複合ロールの提供を課題とす
る。 【解決手段】 外層材と内層材とを一体化させてなる熱
間圧延用複合ロールであって、前記外層材からなる外層
部の成分組成が重量%で、C:2.0〜4.0%、S
i:0.5〜2.0%、Mn:0.2〜2.0%、N
i:2.0〜6.0%、Cr:1.0〜4.0%、M
o:0.3〜4.0%、及びW、V、Nbの1種又は2
種以上を0.3〜2.0%含有すると共に、残部が実質
的にFeから成る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱間圧延用複合ロー
ルに関する。
ルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば熱間薄板圧延用の仕上後段
用ロールには、高合金グレン鋳鉄材を外層部とした複合
ロールが使用されていた。一般に高合金グレン材質は耐
焼付き性に優れ、絞り事故等が発生しても圧延材の焼付
きが少なく、またクラックの発生、進展も少ないという
長所を持っている。一方、最近では耐摩耗性の向上に対
する要求に応える材料として、Cr、Mo、W、V、C
o等を各数重量%含有するハイス系ロール材の適用が進
んでいる。
用ロールには、高合金グレン鋳鉄材を外層部とした複合
ロールが使用されていた。一般に高合金グレン材質は耐
焼付き性に優れ、絞り事故等が発生しても圧延材の焼付
きが少なく、またクラックの発生、進展も少ないという
長所を持っている。一方、最近では耐摩耗性の向上に対
する要求に応える材料として、Cr、Mo、W、V、C
o等を各数重量%含有するハイス系ロール材の適用が進
んでいる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記ハイス
系ロール材を熱間圧延ロールの外層部に適用した場合に
は、耐摩耗性の向上に大きな効果がある反面、絞り事故
の発生の際に圧延材が焼付き易く、またクラックの発
生、進展が起こり易く、ダメージが大きくなるという問
題がある。
系ロール材を熱間圧延ロールの外層部に適用した場合に
は、耐摩耗性の向上に大きな効果がある反面、絞り事故
の発生の際に圧延材が焼付き易く、またクラックの発
生、進展が起こり易く、ダメージが大きくなるという問
題がある。
【0004】そこで本発明は、高合金グレン鋳鉄材に立
ち返って、高合金グレン鋳鉄材を用いたロールの耐焼付
き性、耐事故性の特長を損なうことなく、耐摩耗性を大
幅に向上させた熱間圧延用複合ロールの提供を課題とす
る。
ち返って、高合金グレン鋳鉄材を用いたロールの耐焼付
き性、耐事故性の特長を損なうことなく、耐摩耗性を大
幅に向上させた熱間圧延用複合ロールの提供を課題とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の熱間圧延用複合ロールは、外層材と内層材とを一体
化させてなる熱間圧延用複合ロールであって、前記外層
材からなる外層部の成分組成が重量%で、C:2.0〜
4.0%、Si:0.5〜2.0%、Mn:0.2〜
2.0%、Ni:2.0〜6.0%、Cr:1.0〜
4.0%、Mo:0.3〜4.0%、及びW、V、Nb
の1種又は2種以上を0.3〜2.0%含有すると共
に、残部が実質的にFeから成ることを第1の特徴とし
ている。また本発明の熱間圧延用複合ロールは、上記第
1の特徴に加えて、外層部の組織中に面積率で25〜4
5%のセメンタイトと1〜5%の黒鉛を分散させ、基地
中に微細炭化物を分散させてなることを第2の特徴とし
ている。また本発明の熱間圧延用複合ロールは、上記第
1又は第2の特徴に加えて、外層材の溶湯とダクタイル
鋳鉄からなる内層材の溶湯とを遠心鋳造法により溶着一
体化させてなることを第3の特徴としている。
明の熱間圧延用複合ロールは、外層材と内層材とを一体
化させてなる熱間圧延用複合ロールであって、前記外層
材からなる外層部の成分組成が重量%で、C:2.0〜
4.0%、Si:0.5〜2.0%、Mn:0.2〜
2.0%、Ni:2.0〜6.0%、Cr:1.0〜
4.0%、Mo:0.3〜4.0%、及びW、V、Nb
の1種又は2種以上を0.3〜2.0%含有すると共
に、残部が実質的にFeから成ることを第1の特徴とし
ている。また本発明の熱間圧延用複合ロールは、上記第
1の特徴に加えて、外層部の組織中に面積率で25〜4
5%のセメンタイトと1〜5%の黒鉛を分散させ、基地
中に微細炭化物を分散させてなることを第2の特徴とし
ている。また本発明の熱間圧延用複合ロールは、上記第
1又は第2の特徴に加えて、外層材の溶湯とダクタイル
鋳鉄からなる内層材の溶湯とを遠心鋳造法により溶着一
体化させてなることを第3の特徴としている。
【0006】上記本発明の第1の特徴によれば、そこに
示されるC〜Moまでの各成分で構成される高合金グレ
ン材に、W、V、Nbを合計で0.3〜2.0重量%程
度の少量を加えることで、黒鉛の他に十分硬質のセメン
タイトを適度に1次晶出させ、また基地中に硬質の微細
炭化物を晶出或いは析出させることが可能となる。これ
により、従来からの高合金グレン材の優れた耐焼付き
性、耐事故性を保持しつつ、耐摩耗性を向上させた熱間
圧延用複合ロールを提供することが可能になる。また上
記本発明の第2の特徴によれば、上記第1の特徴による
作用効果に加えて、組織中に1〜5%の黒鉛を晶出させ
ることができ、高合金グレン材の優れた耐焼付き性、耐
事故性を保持することができる。加えて25〜45%の
面積率を有するセメンタイトと基地中に分散された微細
炭化物とによって良好な耐摩耗性を発揮させることがで
きる。また上記第3の特徴によれば、上記第1又は第2
の特徴による作用効果に加えて、耐焼付き性、耐事故
性、耐摩耗性に優れた外層材に対して、内層材としてダ
クタイル鋳鉄を用いて遠心鋳造法により溶着一体化させ
て複合ロールを構成したことで、熱間圧延用複合ロール
に更に強靭性を付与させることができる。
示されるC〜Moまでの各成分で構成される高合金グレ
ン材に、W、V、Nbを合計で0.3〜2.0重量%程
度の少量を加えることで、黒鉛の他に十分硬質のセメン
タイトを適度に1次晶出させ、また基地中に硬質の微細
炭化物を晶出或いは析出させることが可能となる。これ
により、従来からの高合金グレン材の優れた耐焼付き
性、耐事故性を保持しつつ、耐摩耗性を向上させた熱間
圧延用複合ロールを提供することが可能になる。また上
記本発明の第2の特徴によれば、上記第1の特徴による
作用効果に加えて、組織中に1〜5%の黒鉛を晶出させ
ることができ、高合金グレン材の優れた耐焼付き性、耐
事故性を保持することができる。加えて25〜45%の
面積率を有するセメンタイトと基地中に分散された微細
炭化物とによって良好な耐摩耗性を発揮させることがで
きる。また上記第3の特徴によれば、上記第1又は第2
の特徴による作用効果に加えて、耐焼付き性、耐事故
性、耐摩耗性に優れた外層材に対して、内層材としてダ
クタイル鋳鉄を用いて遠心鋳造法により溶着一体化させ
て複合ロールを構成したことで、熱間圧延用複合ロール
に更に強靭性を付与させることができる。
【0007】本発明の熱間圧延用複合ロールについて、
その外層部を構成する高合金の外層材の成分組成におけ
る各成分元素の含有範囲の限定理由について、以下に説
明する。なお成分組成は全て重量%で示す。
その外層部を構成する高合金の外層材の成分組成におけ
る各成分元素の含有範囲の限定理由について、以下に説
明する。なお成分組成は全て重量%で示す。
【0008】Cの含有量は2.0〜4.0%とする。C
は硬質の炭化物を形成して耐摩耗性の向上に寄与すると
共に、黒鉛を晶出して耐焼付き性を高めるために必要な
元素である。その含有量が2.0%未満では炭化物量が
不足すると共に黒鉛が晶出せず、4.0%を超えると炭
化物が増大し、靭性が低下する。Cの含有量は、より好
ましくは2.8〜3.5%とする。
は硬質の炭化物を形成して耐摩耗性の向上に寄与すると
共に、黒鉛を晶出して耐焼付き性を高めるために必要な
元素である。その含有量が2.0%未満では炭化物量が
不足すると共に黒鉛が晶出せず、4.0%を超えると炭
化物が増大し、靭性が低下する。Cの含有量は、より好
ましくは2.8〜3.5%とする。
【0009】Siの含有量は0.5〜2.0%とする。
Siは黒鉛化促進元素であると共に、鋳造性を改善する
効果がある。その含有量が0.5%未満では十分な効果
が得られず、一方、2.0%を超えると靭性、機械的性
質が劣化する。Siの含有量は、より好ましくは0.6
〜1.2%とするのがよい。
Siは黒鉛化促進元素であると共に、鋳造性を改善する
効果がある。その含有量が0.5%未満では十分な効果
が得られず、一方、2.0%を超えると靭性、機械的性
質が劣化する。Siの含有量は、より好ましくは0.6
〜1.2%とするのがよい。
【0010】Mnの含有量は0.2〜2.0%とする。
Mnには脱酸効果があり、その含有量が0.2%未満で
は十分な効果が得られず、一方、2.0%を超えると靭
性が低下し、黒鉛化を阻害する。Mnの含有量は、より
好ましくは0.5〜1.2%とするのがよい。
Mnには脱酸効果があり、その含有量が0.2%未満で
は十分な効果が得られず、一方、2.0%を超えると靭
性が低下し、黒鉛化を阻害する。Mnの含有量は、より
好ましくは0.5〜1.2%とするのがよい。
【0011】Niの含有量は2.0〜6.0%とする。
Niは黒鉛晶出及び基地組織の強化に有効である。その
含有量が2.0%未満では十分な効果が得られず、一
方、6.0%を超えるとオーステナイトが安定しすぎ、
硬度低下、靭性低下につながる。Niの含有量は、より
好ましくは3.0〜5.0%とするのがよい。
Niは黒鉛晶出及び基地組織の強化に有効である。その
含有量が2.0%未満では十分な効果が得られず、一
方、6.0%を超えるとオーステナイトが安定しすぎ、
硬度低下、靭性低下につながる。Niの含有量は、より
好ましくは3.0〜5.0%とするのがよい。
【0012】Crの含有量は1.0〜4.0%とする。
Crは耐摩耗性を向上させる炭化物を構成する主要元素
の1つであると共に、基地硬度の向上にも不可欠な元素
である。その含有量が1.0%未満では炭化物の生成量
が不足するため硬度が低下し、4.0%を超えると炭化
物量が増大し、靭性が低下し且つ黒鉛化を阻害する。C
rの含有量は、より好ましくは1.5〜3.0%とする
のがよい。
Crは耐摩耗性を向上させる炭化物を構成する主要元素
の1つであると共に、基地硬度の向上にも不可欠な元素
である。その含有量が1.0%未満では炭化物の生成量
が不足するため硬度が低下し、4.0%を超えると炭化
物量が増大し、靭性が低下し且つ黒鉛化を阻害する。C
rの含有量は、より好ましくは1.5〜3.0%とする
のがよい。
【0013】Moの含有量は0.3〜4.0%とする。
Moは基地組織中に固溶して基地を強化するため、耐摩
耗性の向上に有効な元素である。0.3%未満ではその
効果が得られず、一方、4.0%を超えると板状のM2
C型炭化物が晶出し、靭性の低下を招き且つ耐肌荒れ性
を低下させる。Moの含有量は、より好ましくは0.5
〜2.0%とするのがよい。
Moは基地組織中に固溶して基地を強化するため、耐摩
耗性の向上に有効な元素である。0.3%未満ではその
効果が得られず、一方、4.0%を超えると板状のM2
C型炭化物が晶出し、靭性の低下を招き且つ耐肌荒れ性
を低下させる。Moの含有量は、より好ましくは0.5
〜2.0%とするのがよい。
【0014】W、V、Nbは、その1種又は2種以上を
全体で0.3〜2.0%含有させる。WはM2C型炭化
物及びM6C型を、V及びNbはMC型炭化物を晶出ま
たは析出させる。また1次晶出のセメンタイト中に固溶
し、セメンタイトを硬くする効果がある。全体の含有量
が0.3%未満ではそれらの効果が得られず、一方、各
元素とも1.0%を超えると粗大な1次炭化物が晶出
し、黒鉛晶出量も少なくなり、耐肌荒れ性、耐焼付き性
を劣化させる。好ましくはWを0.3〜1.0%、V又
はNbを0.3〜1.0%とするのがよい。
全体で0.3〜2.0%含有させる。WはM2C型炭化
物及びM6C型を、V及びNbはMC型炭化物を晶出ま
たは析出させる。また1次晶出のセメンタイト中に固溶
し、セメンタイトを硬くする効果がある。全体の含有量
が0.3%未満ではそれらの効果が得られず、一方、各
元素とも1.0%を超えると粗大な1次炭化物が晶出
し、黒鉛晶出量も少なくなり、耐肌荒れ性、耐焼付き性
を劣化させる。好ましくはWを0.3〜1.0%、V又
はNbを0.3〜1.0%とするのがよい。
【0015】外層材の成分組成を上記のような範囲とす
ることで、組織中に面積率で25〜45%のセメンタイ
トと1〜5%の黒鉛、及び基地中に微細炭化物を晶・析
出させることが可能となる。
ることで、組織中に面積率で25〜45%のセメンタイ
トと1〜5%の黒鉛、及び基地中に微細炭化物を晶・析
出させることが可能となる。
【0016】本発明の熱間圧延用複合ロールは、上記の
成分組成を持つ外層材の溶湯とダクタイル鋳鉄からなる
内層材を溶着一体化させる遠心鋳造法により製造するこ
とができる。
成分組成を持つ外層材の溶湯とダクタイル鋳鉄からなる
内層材を溶着一体化させる遠心鋳造法により製造するこ
とができる。
【0017】本発明の熱間圧延用複合ロールは、上記外
層材に内層材を遠心鋳造法で溶着一体化して鋳造した
後、残留オーステナイトの変態と残留応力除去のための
歪取り調質熱処理を行う必要がある。この熱処理は、鋳
放し状態から400〜600℃に加熱・保持後、ゆっく
りと徐冷する方法で行う。
層材に内層材を遠心鋳造法で溶着一体化して鋳造した
後、残留オーステナイトの変態と残留応力除去のための
歪取り調質熱処理を行う必要がある。この熱処理は、鋳
放し状態から400〜600℃に加熱・保持後、ゆっく
りと徐冷する方法で行う。
【0018】本発明の熱間圧延用複合ロールは、例えば
熱間薄板圧延の仕上後段用ロールとして好適である。
熱間薄板圧延の仕上後段用ロールとして好適である。
【0019】
【実施例】本発明に係る複合ロールに用いられる外層材
として、この実施例1〜5を用意し、この実施例1〜5
の材料を胴径φ350mm、胴長600mmを持つロー
ルに遠心鋳造した。同様に、比較例1〜4の材料を用い
てロールを遠心鋳造した。得られた鋳造ロールは、残留
オーステナイトの変態と残留応力除去のための歪取り調
質熱処理を施した。得られた熱処理後の各ロールの外層
部の組織においては、光学顕微鏡の範囲では実施例と比
較例との組織差は検出できなかったが、電子顕微鏡では
実施例の各組識において、1次晶出のセメンタイトへの
W、V又はNbの固溶と、基地中に非常に微細な炭化物
が均一に分散していることが認められた。実施例1〜5
の材料及び比較例1〜4の材料の成分組成を表1に示
す。
として、この実施例1〜5を用意し、この実施例1〜5
の材料を胴径φ350mm、胴長600mmを持つロー
ルに遠心鋳造した。同様に、比較例1〜4の材料を用い
てロールを遠心鋳造した。得られた鋳造ロールは、残留
オーステナイトの変態と残留応力除去のための歪取り調
質熱処理を施した。得られた熱処理後の各ロールの外層
部の組織においては、光学顕微鏡の範囲では実施例と比
較例との組織差は検出できなかったが、電子顕微鏡では
実施例の各組識において、1次晶出のセメンタイトへの
W、V又はNbの固溶と、基地中に非常に微細な炭化物
が均一に分散していることが認められた。実施例1〜5
の材料及び比較例1〜4の材料の成分組成を表1に示
す。
【0020】
【表1】
【0021】これら実施例、比較例の材料の評価とし
て、試料を採取し、ショア硬度、組織、摩擦摩耗試験、
焼付試験を実施した。結果を表2に示す。
て、試料を採取し、ショア硬度、組織、摩擦摩耗試験、
焼付試験を実施した。結果を表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】なお上記の組織評価は、EPMA面分析と
画像解析により炭化物面積率の測定をした。摩擦摩耗試
験は、下記に示すピンオンディスク法で摩擦係数、摩耗
減量を測定した。焼付試験は、下記に示すファレックス
法により焼付荷重、焼付トルクを測定した。 <摩擦摩耗試験> 試験方法 :ピンオンディスク法 試験片温度 :300℃ 荷重 :5kg/cm2 回転速度 :100m/min 摺動距離 :20000m <焼付試験> 試験方法 :ファレックス法(KF型焼付試験機) 試験片サイズ :φ6.35×32L 相手材(Vブロック) :SUS304 回転速度 :290rpm
画像解析により炭化物面積率の測定をした。摩擦摩耗試
験は、下記に示すピンオンディスク法で摩擦係数、摩耗
減量を測定した。焼付試験は、下記に示すファレックス
法により焼付荷重、焼付トルクを測定した。 <摩擦摩耗試験> 試験方法 :ピンオンディスク法 試験片温度 :300℃ 荷重 :5kg/cm2 回転速度 :100m/min 摺動距離 :20000m <焼付試験> 試験方法 :ファレックス法(KF型焼付試験機) 試験片サイズ :φ6.35×32L 相手材(Vブロック) :SUS304 回転速度 :290rpm
【0024】実施例の各成分組成からなるロールにおい
て、C〜Moまでの各成分を変えることにより、炭化物
と黒鉛の面積率をコントロールすることができる。黒鉛
を多く晶出させると耐焼付き性は向上するが、摩耗減量
が増加する傾向が認められる。また逆に炭化物を多く晶
出させると摩耗減量は減少するが、耐焼付き性が劣化す
る傾向が認められる。また実施例の全てのものについて
W、V、Nbを少量加えることにより、比較例と比べる
と明らかに摩耗減量が減少することが判る。即ち、C〜
Moまでの各成分を適正な範囲に調整し、W、V、Nb
を少量加えることにより、従来の高合金グレン材の優れ
た耐焼付き性、耐事故性を維持しつつ、耐摩耗性の向上
が期待できることが判る。
て、C〜Moまでの各成分を変えることにより、炭化物
と黒鉛の面積率をコントロールすることができる。黒鉛
を多く晶出させると耐焼付き性は向上するが、摩耗減量
が増加する傾向が認められる。また逆に炭化物を多く晶
出させると摩耗減量は減少するが、耐焼付き性が劣化す
る傾向が認められる。また実施例の全てのものについて
W、V、Nbを少量加えることにより、比較例と比べる
と明らかに摩耗減量が減少することが判る。即ち、C〜
Moまでの各成分を適正な範囲に調整し、W、V、Nb
を少量加えることにより、従来の高合金グレン材の優れ
た耐焼付き性、耐事故性を維持しつつ、耐摩耗性の向上
が期待できることが判る。
【0025】
【発明の効果】本発明は以上の構成、作用よりなり、請
求項1に記載の熱間圧延用複合ロールによれば、そこに
示されるC〜Moまでの各成分で構成される高合金グレ
ン材に、W、V、Nbを合計で0.3〜2.0重量%程
度の少量を加えることで、黒鉛の他に十分硬質のセメン
タイトを適度に1次晶出させ、また基地中に硬質の微細
炭化物を晶出或いは析出させることが可能となる。これ
により、従来からの高合金グレン材の優れた耐焼付き
性、耐事故性を保持しつつ、耐摩耗性を向上させた熱間
圧延用ロール、特に熱間薄板圧延仕上後段用ロールに好
適で、圧延製品の品質の向上及び圧延作業の高生産性を
実現できる複合ロールを提供することができる。また請
求項2に記載の熱間圧延用複合ロールによれば、上記請
求項1の構成による効果に加えて、現に外層部の組織中
に面積率で25〜45%のセメンタイトと1〜5%の黒
鉛を分散させ、基地中に微細炭化物を分散させてなるこ
とにより、高合金グレン材の優れた耐焼付き性、耐事故
性を保持しつつ、良好な耐摩耗性を発揮させることがで
きる。また請求項3に記載の熱間圧延用複合ロールによ
れば、上記請求項1又は2に記載の構成による効果に加
えて、耐焼付き性、耐事故性、耐摩耗性に優れた外層材
に対して、内層材としてダクタイル鋳鉄を用いて遠心鋳
造法により溶着一体化させて複合ロールを構成したこと
で、熱間圧延用複合ロールに更に強靭性を付与させるこ
とができる。
求項1に記載の熱間圧延用複合ロールによれば、そこに
示されるC〜Moまでの各成分で構成される高合金グレ
ン材に、W、V、Nbを合計で0.3〜2.0重量%程
度の少量を加えることで、黒鉛の他に十分硬質のセメン
タイトを適度に1次晶出させ、また基地中に硬質の微細
炭化物を晶出或いは析出させることが可能となる。これ
により、従来からの高合金グレン材の優れた耐焼付き
性、耐事故性を保持しつつ、耐摩耗性を向上させた熱間
圧延用ロール、特に熱間薄板圧延仕上後段用ロールに好
適で、圧延製品の品質の向上及び圧延作業の高生産性を
実現できる複合ロールを提供することができる。また請
求項2に記載の熱間圧延用複合ロールによれば、上記請
求項1の構成による効果に加えて、現に外層部の組織中
に面積率で25〜45%のセメンタイトと1〜5%の黒
鉛を分散させ、基地中に微細炭化物を分散させてなるこ
とにより、高合金グレン材の優れた耐焼付き性、耐事故
性を保持しつつ、良好な耐摩耗性を発揮させることがで
きる。また請求項3に記載の熱間圧延用複合ロールによ
れば、上記請求項1又は2に記載の構成による効果に加
えて、耐焼付き性、耐事故性、耐摩耗性に優れた外層材
に対して、内層材としてダクタイル鋳鉄を用いて遠心鋳
造法により溶着一体化させて複合ロールを構成したこと
で、熱間圧延用複合ロールに更に強靭性を付与させるこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神戸 隆 兵庫県姫路市大津区吉美403 虹技株式会 社姫路西工場内 (72)発明者 高木 隆明 兵庫県姫路市大津区吉美403 虹技株式会 社姫路西工場内 Fターム(参考) 4E016 AA02 CA08 DA03 EA03 FA02
Claims (3)
- 【請求項1】 外層材と内層材とを一体化させてなる熱
間圧延用複合ロールであって、前記外層材からなる外層
部の成分組成が重量%で、 C : 2.0〜4.0% Si: 0.5〜2.0% Mn: 0.2〜2.0% Ni: 2.0〜6.0% Cr: 1.0〜4.0% Mo: 0.3〜4.0% 及びW、V、Nbの1種又は2種以上を0.3〜2.0
%含有すると共に、残部が実質的にFeから成ることを
特徴とする熱間圧延用複合ロール。 - 【請求項2】 外層部の組織中に面積率で25〜45%
のセメンタイトと1〜5%の黒鉛を分散させ、基地中に
微細炭化物を分散させてなることを特徴とする請求項1
に記載の熱間圧延用複合ロール。 - 【請求項3】 外層材の溶湯とダクタイル鋳鉄からなる
内層材の溶湯とを遠心鋳造法により溶着一体化させてな
ることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱間圧延用
複合ロール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000048444A JP2001234274A (ja) | 2000-02-25 | 2000-02-25 | 熱間圧延用複合ロール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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