JP3338681B2 - 高クロム鋳鋼系圧延用ロール材 - Google Patents

高クロム鋳鋼系圧延用ロール材

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隆 神戸
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱間圧延等に適した
高クロム鋳鋼系圧延用ロール材に関する。
【0002】
【従来の技術】圧延用ロール材には、耐摩耗性、耐肌荒
れ性、耐事故性、その他加工性等が要求され、従来から
使用されている材料として鋳鉄系材料、アダマイト系材
料、或いは耐摩耗性を重視したハイス系材料等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記従来の鋳
鉄系材料、アダマイト系材料の圧延用ロール材では、耐
摩耗性、耐肌荒れ性において改善すべき点があり、また
ハイス系材料では耐摩耗性は良いが、耐事故性、加工性
の面で改善すべき点がある。
【0004】そこで、本発明は優れた耐摩耗性と強靭
性、即ち耐事故性(スリーブロールの場合には耐割損
性)に優れ、耐肌荒れ性もまずまずの高クロム鋳鋼系の
圧延用ロール材の提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の高クロム鋳鋼系圧延用ロール材は、成分組成が重量
%で、C:1.0〜1.7%、Si:0.2〜1.5
%、Mn:0.2〜1.5%、Cr:7.0〜14.0
%、Mo:2.0〜6.0%、V:0.5〜4.0%、
W:0.5〜4.0%を含有すると共に、残部が実質的
にFeから成り、且つ重量%でCr/(Mo+W)≧
1.6と、Cr+Mo≧5×V%を満たし、更に基地を
ベイナイト組織にしてあることを特徴としている。
【0006】上記本発明の特徴によれば、そこに示され
るC、Si、Mn、Cr、Mo、V、Wの各成分条件と
すると共に、加えて基地をベイナイト組織にしたこと
で、耐摩耗性に優れ且つ十分な強靭性を保持することに
よる耐事故性にも優れ、耐肌荒れ性もまずまずの高クロ
ム鋳鉄系の圧延用ロール材を提供することが可能にな
る。かかる圧延用ロール材は熱間圧延用ロールの材料と
して好ましく用いることができるが、熱間圧延用ロール
が複合ロールの場合には、その外層部を構成する材料と
して好ましく用いることができる。また熱間圧延用以外
の冷間圧延用のロールにも用いることが可能である。
【0007】本発明の高クロム鋳鋼系圧延用ロール材に
ついて、その成分組成における各成分元素の含有範囲の
限定理由について以下に説明する。尚、含有量は全て重
量%で示す。
【0008】Cの含有量は1.0〜1.7%とする。C
はCr、Mo、V、Wと結合して、高硬度の炭化物を形
成して耐摩耗性を高める。1.0%未満では炭化物量不
足で耐摩耗性が不足し、1.7%を超えると全体の炭化
物量が増大し、強靭性が低下する。好ましくは1.2〜
1.6%とする。
【0009】Siの含有量は0.2〜1.5%とする。
Siは溶湯の脱酸と鋳造性を改善する効果がある。0.
2%未満では前記効果が不足し、1.5%を超えると靭
性、機械的性質が劣化する。好ましくは0.4〜1.2
%とする。
【0010】Mnの含有量は0.2〜1.5%とする。
Mnは脱酸効果がある。0.2%未満では前記効果が不
足し、1.5%を超えると靭性が低下する。好ましくは
0.4〜1.2%とする。
【0011】Crの含有量は7.0〜14.0%とす
る。Crは本発明のポイントとなる元素で、Cと結合し
て高硬度のM型共晶炭化物を形成し、耐摩耗性、
靭性を高める効果がある。一部は基地中に固溶して基地
を強化する。7.0%未満では、炭化物の生成量が不足
して硬度が低下する。14.0%を超えると炭化物が増
大し、靭性が低下する。好ましくは、8.0〜13.0
%とする。
【0012】Moの含有量は2.0〜6.0%とする。
MoはCと結合してMC型炭化物を形成し、また基地
に固溶して焼入れ性の向上と高温軟化抵抗の改善をなす
効果がある。2.0%未満では効果が薄く、6.0%を
超えると靭性の低下を招く。好ましくは、2.0〜5.
0%とする。
【0013】Vの含有量は0.5〜4.0%とする。V
はCと結合して高硬度のMC型炭化物を形成して、耐摩
耗性を向上させる。0.5%未満では効果が薄く、4.
0%を超えるとMC型炭化物を多く晶出し、加工性の悪
化、ロール表面の肌荒れを引き起こし易くなる。好まし
くは、1.0〜2.5%とする。
【0014】Wの含有量は0.5〜4.0%とする。W
はCと結合してMC型、MC型等の複合炭化物を形
成して、耐摩耗性を向上させる。0.5%未満では効果
が薄く、4.0%を超えると鋳造時に偏析等を発生し易
くなる。好ましくは、1.0〜2.0%とする。
【0015】上記各成分毎の含有量の他、CrとMoと
Wとは、Cr/(Mo+W)≧1.6となるように成分
間の条件を満たすようにする。またCrとMoとVと
は、Cr+Mo≧5×V%となるように成分間の条件を
満たすようにする。上記2つの成分間の条件を満たすこ
とで、基地硬度を高めて好ましい機械的性質を確保する
と共に、組織中に主としてM型炭化物と少量のM
C型及びM C型炭化物を均一に晶出させることで、耐
摩耗性と靭性を向上させることが可能となる。M
型炭化物の代わりにMC型及びMC型炭化物が多く晶
出する場合には、基地硬度の低下、機械的性質の低下に
つながり、耐摩耗性の確保、強靭性の確保が困難とな
る。
【0016】本発明のロール材は、溶湯から鋳造した後
に、機械加工を行い易くするため、また割れ防止のため
の軟化焼鈍を、例えば図1に示すような軟化焼鈍工程で
行う。またロールの外層部等として加工させた後の熱処
理として、例えば図2に示すような熱処理工程を行う。
この熱処理は、先ず900〜1100℃に10〜15時
間保持することで基地をオーステナイト化し、次に15
0℃/時間以上の速度でベイナイト変態とマルテンサイ
ト変態との間の温度である300〜500℃の温度に焼
入れ、その後500〜600℃の温度で10〜15時間
保持する焼戻し作業を3回以上行う。この処理は、要す
るに基地のほとんどがベイナイト組織になる(マルテン
サイトが少し混在する)ようにする処理であって、その
結果、材料の硬度がショア硬度で70〜80になる。基
地がベイナイト組織となることで、耐摩耗性の他に靭性
を兼ね備えることができる。
【0017】
【実施例】実施例1〜6、及び比較例1〜4の各材料
を、表1に示す成分組成となるように鋳造した。その
後、基地組織と硬度調整のため図2に示す熱処理を施し
た。得られた実施例1〜6、及び比較例1〜4の各材料
について、炭化物の同定、基地硬度(ビッカース硬度
(Hv))の測定、抗張力、シャルピー衝撃試験を実施
した。その結果を表2に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】実施例1〜6と比較例1〜4とを比較する
と、Cr/(Mo+W)の値が1.6より十分大きい値
であり、且つCr+Moの値が5×V%よりも十分に大
きい値となる実施例1〜3では、主たる炭化物がM
型炭化物となり、Cr/(Mo+W)の値及びCr+
Moの値が低下するに従って、MC型炭化物とMC型
炭化物が徐々に増えてくることが判る。また比較例1〜
4では、Cr/(Mo+W)≧1.6の条件とCr+M
o≧5×V%の条件との何れか一方又は両方を満たさ
ず、MC型炭化物とMC型炭化物が増加している。ま
た実施例1〜6では基地硬度、抗張力、シャルピー衝撃
値が何れも良好であるのに対して、比較例1〜4ではそ
れらの各値がかなり低い値となっていることが判る。
尚、実施例1〜6のものは耐肌荒れ性もまずまずであっ
た。
【0021】
【発明の効果】本発明は以上の構成、作用よりなり、請
求項1に記載の高クロム鋳鋼系圧延用ロール材によれ
ば、成分組成が重量%で、C:1.0〜1.7%、S
i:0.2〜1.5%、Mn:0.2〜1.5%、C
r:7.0〜14.0%、Mo:2.0〜6.0%、
V:0.5〜4.0%、W:0.5〜4.0%を含有す
ると共に、残部が実質的にFeから成り、且つ重量%で
Cr/(Mo+W)≧1.6と、Cr+Mo≧5×V%
を満たし、更に基地をベイナイト組織にしてあることと
したので、耐摩耗性に優れ、且つ十分な強靭性を保持す
ることによる耐事故性にも優れ、耐肌荒れ性もまずまず
の高クロム鋳鉄系の圧延用ロール材を提供することが可
能になる。かかる圧延用ロール材は熱間圧延用ロールの
材料として好ましく用いることができる。また熱間圧延
用ロールが複合ロールの場合には、その外層部を構成す
る材料として好ましく用いることができる。勿論、熱間
圧延用以外の冷間圧延用のロールにも用いることが可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロール材の軟化焼鈍工程の例を示す図
である。
【図2】本発明のロール材の熱処理工程の例を示す図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神戸 隆 兵庫県姫路市大津区吉美403 虹技株式 会社 姫路西工場内 (72)発明者 岩根 潤 兵庫県姫路市大津区勘兵衛町3丁目12 虹技株式会社 姫路東工場内 (56)参考文献 特開 平3−153841(JP,A) 特開 平11−61322(JP,A) 特開 平6−145888(JP,A) 特開 平6−65683(JP,A) 特開 平5−179391(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成分組成が重量%で、 C : 1.0〜1.7% Si: 0.2〜1.5% Mn: 0.2〜1.5% Cr: 7.0〜14.0% Mo: 2.0〜6.0% V : 0.5〜4.0% W : 0.5〜4.0% を含有すると共に、残部が実質的にFeから成り、且つ
    重量%でCr/(Mo+W)≧1.6と、Cr+Mo≧
    5×V%を満たし、更に基地をベイナイト組織にしてあ
    ことを特徴とする高クロム鋳鋼系圧延用ロール材。
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