JP3077568B2 - 低温鉄筋用鋼材の製造方法 - Google Patents
低温鉄筋用鋼材の製造方法Info
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Description
【発明の属する技術分野】本発明は、低温鉄筋用鋼材の
製造方法に関し、より詳しくはLNGタンクの構造部材
などに使用される低温での強度と靱性に優れた低温鉄筋
用鋼材の製造方法に関する。
製造方法に関し、より詳しくはLNGタンクの構造部材
などに使用される低温での強度と靱性に優れた低温鉄筋
用鋼材の製造方法に関する。
【従来の技術】従来、コンクリート用鉄筋はJIS G 3112
に「鉄筋コンクリート用棒鋼」としてその化学成分と機
械的性質が規格化された鋼材が用いられてきた。現在、
この規格鋼材は通常の一般ビル建築構造用鉄筋としては
勿論のこと、例えばLNGタンク用鉄筋や寒冷地におけ
る鉄筋コンクリート構造物用鉄筋など低温環境用の鉄筋
としても用いられている。しかしながら、前記のJIS G
3112に「鉄筋コンクリート用棒鋼」として規格化された
鉄筋は、実使用環境の温度として常温もしくはそれ以上
の温度を想定したものであって、必ずしも上記のような
低温環境で使用される場合を想定したものではない。そ
のため、特公平6−72260号公報にはVノッチシャ
ルピーの破面遷移温度が−80℃以下の「低温用鉄筋棒
の製造方法」が提案されている。また、特公平2−24
904号公報には「低温靱性及び耐海水性のすぐれた鉄
筋棒鋼」が開示されている。しかしこれらの公報に記載
の低温用鉄筋は、いずれも低温における衝撃特性を改善
するためにNiを必須成分として添加するため、鉄筋と
して使用するにはコスト面で問題を有する。特公平4−
8486号公報には特定の化学組成を有する鋼材を制御
圧延冷却して、ベイナイト組織を20%以上含有させた
ベイナイト+フェライト組織を有する「低温靱性に優れ
た鉄筋棒鋼の製造方法」が提案されている。しかしこの
公報に提案された方法で用いる鋼のC量は0.02〜
0.10%であるため、太径の鉄筋棒鋼にあっては、そ
の中心部領域で所望の強度を達成できない場合がある。
に「鉄筋コンクリート用棒鋼」としてその化学成分と機
械的性質が規格化された鋼材が用いられてきた。現在、
この規格鋼材は通常の一般ビル建築構造用鉄筋としては
勿論のこと、例えばLNGタンク用鉄筋や寒冷地におけ
る鉄筋コンクリート構造物用鉄筋など低温環境用の鉄筋
としても用いられている。しかしながら、前記のJIS G
3112に「鉄筋コンクリート用棒鋼」として規格化された
鉄筋は、実使用環境の温度として常温もしくはそれ以上
の温度を想定したものであって、必ずしも上記のような
低温環境で使用される場合を想定したものではない。そ
のため、特公平6−72260号公報にはVノッチシャ
ルピーの破面遷移温度が−80℃以下の「低温用鉄筋棒
の製造方法」が提案されている。また、特公平2−24
904号公報には「低温靱性及び耐海水性のすぐれた鉄
筋棒鋼」が開示されている。しかしこれらの公報に記載
の低温用鉄筋は、いずれも低温における衝撃特性を改善
するためにNiを必須成分として添加するため、鉄筋と
して使用するにはコスト面で問題を有する。特公平4−
8486号公報には特定の化学組成を有する鋼材を制御
圧延冷却して、ベイナイト組織を20%以上含有させた
ベイナイト+フェライト組織を有する「低温靱性に優れ
た鉄筋棒鋼の製造方法」が提案されている。しかしこの
公報に提案された方法で用いる鋼のC量は0.02〜
0.10%であるため、太径の鉄筋棒鋼にあっては、そ
の中心部領域で所望の強度を達成できない場合がある。
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記現状に鑑
みなされたもので、その目的とするところは低コスト
で、且つ低温環境で使用するに充分な強度と低温靱性、
具体的には常温での降伏強度400MPa以上、シャル
ピー破面遷移温度−60℃以下と−60℃での切り欠き
引張強度750MPa以上を備え、特にJISのD32
〜51に相当する寸法の太径低温鉄筋用鋼材の製造方法
を提供することにある。
みなされたもので、その目的とするところは低コスト
で、且つ低温環境で使用するに充分な強度と低温靱性、
具体的には常温での降伏強度400MPa以上、シャル
ピー破面遷移温度−60℃以下と−60℃での切り欠き
引張強度750MPa以上を備え、特にJISのD32
〜51に相当する寸法の太径低温鉄筋用鋼材の製造方法
を提供することにある。
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために先ず現行のJIS G 3112規格鋼材の低温
における特性を調査して、これを低温環境下で使用した
場合の問題点を検討した。その結果、JIS規格鋼材は
使用環境温度が−10℃以下になると靱性(衝撃値)及
び切り欠き引張強度が著しく低下して、脆く破断し易く
なることが明らかとなった。これは鉄筋を低温で使用す
る場合には極めて致命的な欠陥となる。従って、構造物
の安全性を高めるためには低温での靱性と切り欠き引張
強度を高めることが必要であるとの結論に達した。そこ
で本発明者は次に、高価な元素であるNiを含まない低
合金鋼の場合にも低温での靱性と切り欠き引張強度を高
めることのできる組織に関して検討した。その結果、下
記〜の知見を得た。鋼材の表面近傍を微細なフェ
ライト・パーライト組織とすれば低温靱性並びに低温で
の切り欠き引張強度を高めることができる。上記の組
織とするには、先ず中間圧延及び/または仕上げ圧延の
パス間で水冷して鋼材の表面を600〜700℃の温度
域に急冷すれば良い。上記の処理に続いて圧延仕上
げ温度を750〜950℃の範囲に制御し、その後3℃
/sを超え10℃/sまでの冷却速度で550〜400
℃の温度域の温度まで加速冷却した後放冷すれば効果が
大きい。常温での降伏強度400MPa以上、シャル
ピー破面遷移温度−60℃以下と−60℃での切り欠き
引張強度750MPa以上を有する前記した微細なフェ
ライト・パーライト組織からなる鉄筋用鋼材は、LNG
タンク用鉄筋や寒冷地における鉄筋コンクリート構造物
用鉄筋など低温環境用の鉄筋として充分使用に耐え得
る。上記のとの処理を行えば、Niを添加しない
鋼を用いて降伏強度400MPa以上、シャルピー破面
遷移温度−60℃以下及び−60℃での切り欠き引張強
度750MPa以上を有する低温鉄筋用鋼材が得られ
る。上記知見に基づく本発明は、下記(1)〜(4)に
示す低温鉄筋用鋼材の製造方法を要旨とする。 (1)圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧延の各
工程からなる低温鉄筋用鋼材の製造方法であって、重量
%で、C:0.10〜0.40%、Si:0.05〜
0.60%、Mn:0.60〜2.00%、Al:0.
005〜0.080%を含有し、残部はFe及び不可避
不純物からなる鋼材を、950〜1250℃の温度域に
加熱して粗圧延を行い、次いで中間圧延及び/または仕
上げ圧延のパス間で水冷して鋼材の表面を600〜70
0℃の温度域に急冷することを1〜5回繰り返しながら
圧延し、更に、圧延仕上げ温度を750〜950℃の範
囲に制御して圧延を終了し、その後3℃/sを超え10
℃/sまでの冷却速度で550〜400℃の温度域の温
度まで加速冷却した後放冷することを特徴とする低温鉄
筋用鋼材の製造方法。 (2)圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧延の各
工程からなる低温鉄筋用鋼材の製造方法であって、上記
(1)に記載の成分と含有量、並びに重量%で、0.0
1〜0.20%のV及び0.01〜0.10%のNbの
1種以上を含有し、残部はFe及び不可避不純物からな
る鋼材を、950〜1250℃の温度域に加熱して粗圧
延を行い、次いで中間圧延及び/または仕上げ圧延のパ
ス間で水冷して鋼材の表面を600〜700℃の温度域
に急冷することを1〜5回繰り返しながら圧延し、更
に、圧延仕上げ温度を750〜950℃の範囲に制御し
て圧延を終了し、その後3℃/sを超え10℃/sまで
の冷却速度で550〜400℃の温度域の温度まで加速
冷却した後放冷することを特徴とする低温鉄筋用鋼材の
製造方法。(3)圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧延の各
工程からなる低温鉄筋用鋼材の製造方法であって、上記
(1)に記載の成分と含有量、及び重量%で、B:0.
0003〜0.0050%を含有し、残部はFe及び不
可避不純物からなる鋼材を、950〜1250℃の温度
域に加熱して粗圧延を行い、次いで中間圧延及び/また
は仕上げ圧延のパス間で水冷して鋼材の表面を600〜
700℃の温度域に急冷することを1〜5回繰り返しな
がら圧延し、更に、圧延仕上げ温度を750〜950℃
の範囲に制御して圧延を終了し、その後3℃/sを超え
10℃/sまでの冷却速度で550〜400℃の温度域
の温度まで加速冷却した後放冷することを特徴とする低
温鉄筋用鋼材の製造方法。 (4)圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧延の各
工程からなる低温鉄筋用鋼材の製造方法であって、上記
(1)に記載の成分と含有量、及び重量%で、B:0.
0003〜0.0050%、並びに0.01〜0.20
%のV及び0.01〜0.10%のNbの1種以上を含
有し、残部はFe及び不可避不純物からなる鋼材を、9
50〜1250℃の温度域に加熱して粗圧延を行い、次
いで中間圧延及び/または仕上げ圧延のパス間で水冷し
て鋼材の表面を600〜700℃の温度域に急冷するこ
とを1〜5回繰り返しながら圧延し、更に、圧延仕上げ
温度を750〜950℃の範囲に制御して圧延を終了
し、その後3℃/sを超え10℃/sまでの冷却速度で
550〜400℃の温度域の温度まで加速冷却した後放
冷することを特徴とする低温鉄筋用鋼材の製造方法。
を解決するために先ず現行のJIS G 3112規格鋼材の低温
における特性を調査して、これを低温環境下で使用した
場合の問題点を検討した。その結果、JIS規格鋼材は
使用環境温度が−10℃以下になると靱性(衝撃値)及
び切り欠き引張強度が著しく低下して、脆く破断し易く
なることが明らかとなった。これは鉄筋を低温で使用す
る場合には極めて致命的な欠陥となる。従って、構造物
の安全性を高めるためには低温での靱性と切り欠き引張
強度を高めることが必要であるとの結論に達した。そこ
で本発明者は次に、高価な元素であるNiを含まない低
合金鋼の場合にも低温での靱性と切り欠き引張強度を高
めることのできる組織に関して検討した。その結果、下
記〜の知見を得た。鋼材の表面近傍を微細なフェ
ライト・パーライト組織とすれば低温靱性並びに低温で
の切り欠き引張強度を高めることができる。上記の組
織とするには、先ず中間圧延及び/または仕上げ圧延の
パス間で水冷して鋼材の表面を600〜700℃の温度
域に急冷すれば良い。上記の処理に続いて圧延仕上
げ温度を750〜950℃の範囲に制御し、その後3℃
/sを超え10℃/sまでの冷却速度で550〜400
℃の温度域の温度まで加速冷却した後放冷すれば効果が
大きい。常温での降伏強度400MPa以上、シャル
ピー破面遷移温度−60℃以下と−60℃での切り欠き
引張強度750MPa以上を有する前記した微細なフェ
ライト・パーライト組織からなる鉄筋用鋼材は、LNG
タンク用鉄筋や寒冷地における鉄筋コンクリート構造物
用鉄筋など低温環境用の鉄筋として充分使用に耐え得
る。上記のとの処理を行えば、Niを添加しない
鋼を用いて降伏強度400MPa以上、シャルピー破面
遷移温度−60℃以下及び−60℃での切り欠き引張強
度750MPa以上を有する低温鉄筋用鋼材が得られ
る。上記知見に基づく本発明は、下記(1)〜(4)に
示す低温鉄筋用鋼材の製造方法を要旨とする。 (1)圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧延の各
工程からなる低温鉄筋用鋼材の製造方法であって、重量
%で、C:0.10〜0.40%、Si:0.05〜
0.60%、Mn:0.60〜2.00%、Al:0.
005〜0.080%を含有し、残部はFe及び不可避
不純物からなる鋼材を、950〜1250℃の温度域に
加熱して粗圧延を行い、次いで中間圧延及び/または仕
上げ圧延のパス間で水冷して鋼材の表面を600〜70
0℃の温度域に急冷することを1〜5回繰り返しながら
圧延し、更に、圧延仕上げ温度を750〜950℃の範
囲に制御して圧延を終了し、その後3℃/sを超え10
℃/sまでの冷却速度で550〜400℃の温度域の温
度まで加速冷却した後放冷することを特徴とする低温鉄
筋用鋼材の製造方法。 (2)圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧延の各
工程からなる低温鉄筋用鋼材の製造方法であって、上記
(1)に記載の成分と含有量、並びに重量%で、0.0
1〜0.20%のV及び0.01〜0.10%のNbの
1種以上を含有し、残部はFe及び不可避不純物からな
る鋼材を、950〜1250℃の温度域に加熱して粗圧
延を行い、次いで中間圧延及び/または仕上げ圧延のパ
ス間で水冷して鋼材の表面を600〜700℃の温度域
に急冷することを1〜5回繰り返しながら圧延し、更
に、圧延仕上げ温度を750〜950℃の範囲に制御し
て圧延を終了し、その後3℃/sを超え10℃/sまで
の冷却速度で550〜400℃の温度域の温度まで加速
冷却した後放冷することを特徴とする低温鉄筋用鋼材の
製造方法。(3)圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧延の各
工程からなる低温鉄筋用鋼材の製造方法であって、上記
(1)に記載の成分と含有量、及び重量%で、B:0.
0003〜0.0050%を含有し、残部はFe及び不
可避不純物からなる鋼材を、950〜1250℃の温度
域に加熱して粗圧延を行い、次いで中間圧延及び/また
は仕上げ圧延のパス間で水冷して鋼材の表面を600〜
700℃の温度域に急冷することを1〜5回繰り返しな
がら圧延し、更に、圧延仕上げ温度を750〜950℃
の範囲に制御して圧延を終了し、その後3℃/sを超え
10℃/sまでの冷却速度で550〜400℃の温度域
の温度まで加速冷却した後放冷することを特徴とする低
温鉄筋用鋼材の製造方法。 (4)圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧延の各
工程からなる低温鉄筋用鋼材の製造方法であって、上記
(1)に記載の成分と含有量、及び重量%で、B:0.
0003〜0.0050%、並びに0.01〜0.20
%のV及び0.01〜0.10%のNbの1種以上を含
有し、残部はFe及び不可避不純物からなる鋼材を、9
50〜1250℃の温度域に加熱して粗圧延を行い、次
いで中間圧延及び/または仕上げ圧延のパス間で水冷し
て鋼材の表面を600〜700℃の温度域に急冷するこ
とを1〜5回繰り返しながら圧延し、更に、圧延仕上げ
温度を750〜950℃の範囲に制御して圧延を終了
し、その後3℃/sを超え10℃/sまでの冷却速度で
550〜400℃の温度域の温度まで加速冷却した後放
冷することを特徴とする低温鉄筋用鋼材の製造方法。
【発明の実施の形態】以下、本発明の各要件について詳
しく説明する。なお、成分含有量の「%」は「重量%」
を意味する。 (A)鋼材の化学組成 C: Cは強度を高めるのに有効な元素である。しかし、その
含有量が0.10%未満では添加効果に乏しく所望の強
度が得られない。一方、0.40%を超えると、本発明
の製造方法によっても製品鋼材の靱性及び切り欠き引張
強度が目標値に達しない。従って、Cの含有量を0.1
0〜0.40%とした。 Si: Siは焼入れ性を向上させるとともに熱間での加熱・圧
延時に高温での表面酸化を阻止する作用がある。更に、
強度を向上させる効果も有する。しかし、その含有量が
0.05%未満では所望の強度が確保できないことに加
えて高温での表面の耐酸化性が劣化し、0.60%を超
えると靱性と切り欠き引張強度の劣化を招くことになる
ので、その含有量を0.05〜0.60%とした。 Mn: Mnは鋼の焼入れ性向上及び熱間延性向上に有効な元素
である。しかし、その含有量が0.60%未満では充分
な焼入れ性が得られず、2.00%を超えて含有させる
と偏析を起こし、却って熱間延性が低下するようにな
る。従って、Mnの含有量を0.60〜2.00%とし
た。 Al: Alは鋼の脱酸の安定化及び均質化を図る作用がある。
更に、Nと結合して微細なAlNを形成し結晶粒を微細
にして靱性と強度を向上させる効果も有する。しかし、
その含有量が0.005%未満では所望の効果が得られ
ず、0.080%を超えると前記効果が飽和するばかり
か、却って熱間圧延中に鋼材表面に割れを生ずることと
なるので、Alの含有量を0.005〜0.080%と
した。 B: Bは添加すれば焼入れ性を高める作用がある。この効果
を確実に得るにはBは0.0003%以上の含有量とす
ることが望ましい。しかし、その含有量が0.0050
%を超えると前記効果が飽和することに加えて、結晶粒
の粗大化をきたして靱性の劣化を招く場合がある。従っ
て、Bを添加する場合には、その含有量を0.0003
〜0.0050%とするのが良い。本発明で用いる鋼に
は、上記の成分に加えて、更に、V及びNbのうちの1
種以上を含んでいても良い。これらの合金元素の作用効
果と望ましい含有量は下記のとおりである。 V、Nb: V及びNbは鋼の焼入れ性を向上させるとともに、鋼中
で炭化物を形成して結晶粒を微細化して靱性と強度を向
上させる効果を有する。従って、V及びNbは必要に応
じて一方または両方を添加しても良い。しかし、Vの場
合には0.01%未満の含有量では所望の効果が得られ
ず、0.20%を超えて含有すると前記効果が飽和する
ばかりか、却って脆化現象を引き起こし靱性と切り欠き
引張強度の低下を招く。一方、Nbの場合にも、0.0
1%未満の含有量では所望の効果が得られず、0.10
%を超えて含有すると前記効果が飽和するばかりか、却
って脆化現象を引き起こし靱性と切り欠き引張強度の低
下を招く。従って、これらの合金元素を1種以上添加す
る場合には、V:0.01〜0.20%、Nb:0.0
1〜0.10%の含有量とするのが良い。ところで、本
発明で用いる鋼は上記の成分元素に加えて、Cu、N
i、Cr、Mo及びTiを通常の不純物のレベルで含ん
でいても良い。すなわち、Cu、Ni、Crをそれぞれ
0.3%以下、Moを0.1%以下、Tiを0.01%
以下含有していても良い。これは、本発明によって得ら
れる低温鉄筋用鋼材の特性に対して何ら悪影響がないか
らである。 (B)熱間圧延 (B−1)加熱 熱間での連続圧延に際しての加熱温度は、オーステナイ
ト結晶粒の粗大化を防ぐために低温であることが望まし
いが、950℃未満ではAlNが多数残存して圧延時に
割れを生ずる恐れがあり、また低温ほど圧延抵抗が高く
なって圧延機に過度の負荷がかかる。一方、加熱温度が
1250℃を超えると圧延素材の表面酸化が著しくなっ
て圧延時に表面割れを生ずる。従って、加熱温度を95
0〜1250℃とした。 (B−2)中間圧延及び/または仕上げ圧延のパス間水
冷 熱間連続圧延工程は、粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧延
の3工程からなるが、このうち中間圧延及び/または仕
上げ圧延のパス間において水冷を行い、鋼材の表面を6
00〜700℃の温度域に急冷することを1〜5回繰り
返しながら圧延することが重要である。すなわち、中間
圧延及び/または仕上げ圧延のパス間で水冷して鋼材の
表面をAr1点を下回る700℃以下に急冷してオ−ステ
ナイトからフェライトとパーライトに変態させる処理
と、鋼材内部の保有熱により復熱させてフェライト・パ
ーライトからオ−ステナイトへ逆変態させる処理を繰り
返すことにより、最終的な鋼材の組織を微細なフェライ
ト・パーライト組織にすることが必要である。前記の処
理によって鋼材の表面を微細なフェライト・パーライト
組織にすることで始めて鋼材の低温靱性と強度及び切り
欠き引張強度を著しく改善することが可能となる。パス
間水冷した場合の鋼材表面温度が700℃を上回る場合
はオ−ステナイトからフェライトとパーライトへの変態
が充分起こらないので所望の組織が得られず、600℃
を下回る場合は鋼材内部の保有熱による復熱による再加
熱が充分でないためフェライト・パーライトからオ−ス
テナイトへの逆変態が不十分となってやはり所望の組織
が得られない。従って、前記のパス間水冷を行う場合に
鋼材の表面を急冷する温度は600〜700℃の温度域
としなければならない。前記したパス間水冷を1回以上
行うことにより、鋼材表面を微細なフェライト・パーラ
イト組織にすることが可能であるが、6回以上繰り返し
てもフェライト・パーライト組織を微細化する効果が飽
和する。従って、パス間水冷は1〜5回繰り返すことと
した。ところで、パス間水冷する「鋼材表面」は単に鋼
材の表面に留まらず、鋼材表面から半径比で0.3の深
さの部位までであっても良い。パス間水冷によって60
0〜700℃の温度域に急冷される部位が前記深さまで
の場合には所謂「表面部」の組織が微細となり、仕上げ
圧延後に後述する条件で加速冷却することで、常温での
降伏強度400MPa以上、シャルピー破面遷移温度−
60℃以下と−60℃での切り欠き引張強度750MP
a以上という低温環境用の鉄筋に必要な特性を付与する
ことができるためである。これに対して前記深さが鋼材
表面から半径比で0.3の深さを超えると、内部保有熱
量が小さくなって復熱による再加熱が充分起こらなくな
って所望の組織が得られなくなるとともに、急冷後の圧
延時に変形抵抗が大きくなって圧延機に過度の負荷がか
かってしまう。 (B−3)圧延仕上げ温度 結晶粒微細化のためには圧延仕上げ温度を低くするほど
効果があるが、750℃を下回ると圧延機に対する負荷
が過大となることに加えて鋼材に表面割れが生じるよう
になり、一方、950℃を超えると結晶粒が粗大化して
所望の微細な組織が得られなくなるので、圧延仕上げ温
度を750〜950℃とした。なお、この圧延仕上げ温
度は、被圧延鋼材自身の復熱及び圧延時の加工発熱によ
って確保できる。 (C)圧延後の加速冷却 圧延終了後は鋼材を3℃/sを超え10℃/sまでの冷
却速度で550〜400℃の温度域の温度まで加速冷却
する必要がある。10℃/sを超える冷却速度で加速冷
却した場合には、表層部は焼きが入った所謂「低温変態
組織」となり内部はフェライト・パーライト組織となっ
て、組織が不均一となるため靱性並びに切り欠き引張強
度の劣化を招く。一方、3℃/s以下の冷却速度では中
心部の組織が粗大なフェライト・パーライト組織となっ
て所望の機械的性質(降伏強度、靱性、切り欠き引張強
度)が得られない場合がある。従って、圧延後の加速冷
却速度は3℃/sを超え10℃/sまでとした。加速冷
却する温度が550℃を超える場合にはたとえ3℃/s
を超え10℃/sまでの冷却速度で加速冷却しても所望
の組織とならず、そのため所望の機械的性質が得られな
い。一方、加速冷却する温度が400℃を下回れば鋼材
の内部まで焼きの入った組織となって、やはり所望の機
械的性質が得られなくなる場合がある。従って、3℃/
sを超え10℃/sまでの冷却速度で加速冷却する温度
を550〜400℃の温度域の温度とした。この加速冷
却の後は放冷すれば良い。なお、ここでいう冷却速度と
は鋼材表面における冷却速度のことである。上記の
(A)に示した成分組成を有する鋼材に、上記の(B)
及び(C)に示した条件によって制御圧延・加速冷却を
行うことにより、常温での降伏強度400MPa以上、
シャルピー破面遷移温度−60℃以下と−60℃での切
り欠き引張強度750MPa以上という低温環境用の鉄
筋に必要な特性を有する低温鉄筋用鋼材を製造すること
ができる。
しく説明する。なお、成分含有量の「%」は「重量%」
を意味する。 (A)鋼材の化学組成 C: Cは強度を高めるのに有効な元素である。しかし、その
含有量が0.10%未満では添加効果に乏しく所望の強
度が得られない。一方、0.40%を超えると、本発明
の製造方法によっても製品鋼材の靱性及び切り欠き引張
強度が目標値に達しない。従って、Cの含有量を0.1
0〜0.40%とした。 Si: Siは焼入れ性を向上させるとともに熱間での加熱・圧
延時に高温での表面酸化を阻止する作用がある。更に、
強度を向上させる効果も有する。しかし、その含有量が
0.05%未満では所望の強度が確保できないことに加
えて高温での表面の耐酸化性が劣化し、0.60%を超
えると靱性と切り欠き引張強度の劣化を招くことになる
ので、その含有量を0.05〜0.60%とした。 Mn: Mnは鋼の焼入れ性向上及び熱間延性向上に有効な元素
である。しかし、その含有量が0.60%未満では充分
な焼入れ性が得られず、2.00%を超えて含有させる
と偏析を起こし、却って熱間延性が低下するようにな
る。従って、Mnの含有量を0.60〜2.00%とし
た。 Al: Alは鋼の脱酸の安定化及び均質化を図る作用がある。
更に、Nと結合して微細なAlNを形成し結晶粒を微細
にして靱性と強度を向上させる効果も有する。しかし、
その含有量が0.005%未満では所望の効果が得られ
ず、0.080%を超えると前記効果が飽和するばかり
か、却って熱間圧延中に鋼材表面に割れを生ずることと
なるので、Alの含有量を0.005〜0.080%と
した。 B: Bは添加すれば焼入れ性を高める作用がある。この効果
を確実に得るにはBは0.0003%以上の含有量とす
ることが望ましい。しかし、その含有量が0.0050
%を超えると前記効果が飽和することに加えて、結晶粒
の粗大化をきたして靱性の劣化を招く場合がある。従っ
て、Bを添加する場合には、その含有量を0.0003
〜0.0050%とするのが良い。本発明で用いる鋼に
は、上記の成分に加えて、更に、V及びNbのうちの1
種以上を含んでいても良い。これらの合金元素の作用効
果と望ましい含有量は下記のとおりである。 V、Nb: V及びNbは鋼の焼入れ性を向上させるとともに、鋼中
で炭化物を形成して結晶粒を微細化して靱性と強度を向
上させる効果を有する。従って、V及びNbは必要に応
じて一方または両方を添加しても良い。しかし、Vの場
合には0.01%未満の含有量では所望の効果が得られ
ず、0.20%を超えて含有すると前記効果が飽和する
ばかりか、却って脆化現象を引き起こし靱性と切り欠き
引張強度の低下を招く。一方、Nbの場合にも、0.0
1%未満の含有量では所望の効果が得られず、0.10
%を超えて含有すると前記効果が飽和するばかりか、却
って脆化現象を引き起こし靱性と切り欠き引張強度の低
下を招く。従って、これらの合金元素を1種以上添加す
る場合には、V:0.01〜0.20%、Nb:0.0
1〜0.10%の含有量とするのが良い。ところで、本
発明で用いる鋼は上記の成分元素に加えて、Cu、N
i、Cr、Mo及びTiを通常の不純物のレベルで含ん
でいても良い。すなわち、Cu、Ni、Crをそれぞれ
0.3%以下、Moを0.1%以下、Tiを0.01%
以下含有していても良い。これは、本発明によって得ら
れる低温鉄筋用鋼材の特性に対して何ら悪影響がないか
らである。 (B)熱間圧延 (B−1)加熱 熱間での連続圧延に際しての加熱温度は、オーステナイ
ト結晶粒の粗大化を防ぐために低温であることが望まし
いが、950℃未満ではAlNが多数残存して圧延時に
割れを生ずる恐れがあり、また低温ほど圧延抵抗が高く
なって圧延機に過度の負荷がかかる。一方、加熱温度が
1250℃を超えると圧延素材の表面酸化が著しくなっ
て圧延時に表面割れを生ずる。従って、加熱温度を95
0〜1250℃とした。 (B−2)中間圧延及び/または仕上げ圧延のパス間水
冷 熱間連続圧延工程は、粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧延
の3工程からなるが、このうち中間圧延及び/または仕
上げ圧延のパス間において水冷を行い、鋼材の表面を6
00〜700℃の温度域に急冷することを1〜5回繰り
返しながら圧延することが重要である。すなわち、中間
圧延及び/または仕上げ圧延のパス間で水冷して鋼材の
表面をAr1点を下回る700℃以下に急冷してオ−ステ
ナイトからフェライトとパーライトに変態させる処理
と、鋼材内部の保有熱により復熱させてフェライト・パ
ーライトからオ−ステナイトへ逆変態させる処理を繰り
返すことにより、最終的な鋼材の組織を微細なフェライ
ト・パーライト組織にすることが必要である。前記の処
理によって鋼材の表面を微細なフェライト・パーライト
組織にすることで始めて鋼材の低温靱性と強度及び切り
欠き引張強度を著しく改善することが可能となる。パス
間水冷した場合の鋼材表面温度が700℃を上回る場合
はオ−ステナイトからフェライトとパーライトへの変態
が充分起こらないので所望の組織が得られず、600℃
を下回る場合は鋼材内部の保有熱による復熱による再加
熱が充分でないためフェライト・パーライトからオ−ス
テナイトへの逆変態が不十分となってやはり所望の組織
が得られない。従って、前記のパス間水冷を行う場合に
鋼材の表面を急冷する温度は600〜700℃の温度域
としなければならない。前記したパス間水冷を1回以上
行うことにより、鋼材表面を微細なフェライト・パーラ
イト組織にすることが可能であるが、6回以上繰り返し
てもフェライト・パーライト組織を微細化する効果が飽
和する。従って、パス間水冷は1〜5回繰り返すことと
した。ところで、パス間水冷する「鋼材表面」は単に鋼
材の表面に留まらず、鋼材表面から半径比で0.3の深
さの部位までであっても良い。パス間水冷によって60
0〜700℃の温度域に急冷される部位が前記深さまで
の場合には所謂「表面部」の組織が微細となり、仕上げ
圧延後に後述する条件で加速冷却することで、常温での
降伏強度400MPa以上、シャルピー破面遷移温度−
60℃以下と−60℃での切り欠き引張強度750MP
a以上という低温環境用の鉄筋に必要な特性を付与する
ことができるためである。これに対して前記深さが鋼材
表面から半径比で0.3の深さを超えると、内部保有熱
量が小さくなって復熱による再加熱が充分起こらなくな
って所望の組織が得られなくなるとともに、急冷後の圧
延時に変形抵抗が大きくなって圧延機に過度の負荷がか
かってしまう。 (B−3)圧延仕上げ温度 結晶粒微細化のためには圧延仕上げ温度を低くするほど
効果があるが、750℃を下回ると圧延機に対する負荷
が過大となることに加えて鋼材に表面割れが生じるよう
になり、一方、950℃を超えると結晶粒が粗大化して
所望の微細な組織が得られなくなるので、圧延仕上げ温
度を750〜950℃とした。なお、この圧延仕上げ温
度は、被圧延鋼材自身の復熱及び圧延時の加工発熱によ
って確保できる。 (C)圧延後の加速冷却 圧延終了後は鋼材を3℃/sを超え10℃/sまでの冷
却速度で550〜400℃の温度域の温度まで加速冷却
する必要がある。10℃/sを超える冷却速度で加速冷
却した場合には、表層部は焼きが入った所謂「低温変態
組織」となり内部はフェライト・パーライト組織となっ
て、組織が不均一となるため靱性並びに切り欠き引張強
度の劣化を招く。一方、3℃/s以下の冷却速度では中
心部の組織が粗大なフェライト・パーライト組織となっ
て所望の機械的性質(降伏強度、靱性、切り欠き引張強
度)が得られない場合がある。従って、圧延後の加速冷
却速度は3℃/sを超え10℃/sまでとした。加速冷
却する温度が550℃を超える場合にはたとえ3℃/s
を超え10℃/sまでの冷却速度で加速冷却しても所望
の組織とならず、そのため所望の機械的性質が得られな
い。一方、加速冷却する温度が400℃を下回れば鋼材
の内部まで焼きの入った組織となって、やはり所望の機
械的性質が得られなくなる場合がある。従って、3℃/
sを超え10℃/sまでの冷却速度で加速冷却する温度
を550〜400℃の温度域の温度とした。この加速冷
却の後は放冷すれば良い。なお、ここでいう冷却速度と
は鋼材表面における冷却速度のことである。上記の
(A)に示した成分組成を有する鋼材に、上記の(B)
及び(C)に示した条件によって制御圧延・加速冷却を
行うことにより、常温での降伏強度400MPa以上、
シャルピー破面遷移温度−60℃以下と−60℃での切
り欠き引張強度750MPa以上という低温環境用の鉄
筋に必要な特性を有する低温鉄筋用鋼材を製造すること
ができる。
【実施例】表1に示す化学組成の鋼を通常の方法により
70t転炉溶製した。表1において、鋼A〜Cは成分の
いずれかが本発明で規定する含有量の範囲から外れた比
較鋼であり、鋼D〜Gは本発明の対象鋼(以下、本発明
鋼という)である。次いで、これらの鋼を連続鋳造法に
より鋼片となし、更に、通常の方法で3tビレットに分
塊圧延した。この後、前記の3tビレットに表2〜7に
示す条件で連続圧延と冷却を施し、直径が32、35、
38、41及び51mmの棒鋼を製造した。なお、表2
〜7に示すように、加速冷却終了後は放冷した。こうし
て得られた棒鋼から制御圧延・冷却したままの直径で長
さが30mmの組織観察用試験片を切り出し、表面から
半径比で0.3の深さの部位の組織を光学顕微鏡によっ
て観察した。また棒鋼の表面部からJIS4号引張試験
片、JIS4号シャルピー衝撃試験片及び切り欠き引張
試験片(平滑部径:7mm、切り欠き部径:5mm、切
り欠き底半径:0.05mm、切り欠き角度:60度)
を採取し、常温での引張特性、シャルピー破面遷移温度
及び−60℃での低温切り欠き引張強度を調査した。試
験結果の一例を表8〜13に示す。表8〜13によれ
ば、本発明で規定する化学組成を有する鋼を、本発明で
規定する条件で「熱間圧延−加速冷却」すれば所望の降
伏強度、靱性及び切り欠き引張強度が得られることが明
らかである。
70t転炉溶製した。表1において、鋼A〜Cは成分の
いずれかが本発明で規定する含有量の範囲から外れた比
較鋼であり、鋼D〜Gは本発明の対象鋼(以下、本発明
鋼という)である。次いで、これらの鋼を連続鋳造法に
より鋼片となし、更に、通常の方法で3tビレットに分
塊圧延した。この後、前記の3tビレットに表2〜7に
示す条件で連続圧延と冷却を施し、直径が32、35、
38、41及び51mmの棒鋼を製造した。なお、表2
〜7に示すように、加速冷却終了後は放冷した。こうし
て得られた棒鋼から制御圧延・冷却したままの直径で長
さが30mmの組織観察用試験片を切り出し、表面から
半径比で0.3の深さの部位の組織を光学顕微鏡によっ
て観察した。また棒鋼の表面部からJIS4号引張試験
片、JIS4号シャルピー衝撃試験片及び切り欠き引張
試験片(平滑部径:7mm、切り欠き部径:5mm、切
り欠き底半径:0.05mm、切り欠き角度:60度)
を採取し、常温での引張特性、シャルピー破面遷移温度
及び−60℃での低温切り欠き引張強度を調査した。試
験結果の一例を表8〜13に示す。表8〜13によれ
ば、本発明で規定する化学組成を有する鋼を、本発明で
規定する条件で「熱間圧延−加速冷却」すれば所望の降
伏強度、靱性及び切り欠き引張強度が得られることが明
らかである。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の低温鉄筋
用鋼材の製造方法によれば、従来よりも低コストで低温
での靱性と切り欠き引張強度に優れ、且つ降伏強度が高
い低温鉄筋用鋼材を製造することが可能で、低温環境で
使用される場合にも安全性の高い構造用鉄筋を提供する
ことができるので産業上の効果は極めて大きい。
用鋼材の製造方法によれば、従来よりも低コストで低温
での靱性と切り欠き引張強度に優れ、且つ降伏強度が高
い低温鉄筋用鋼材を製造することが可能で、低温環境で
使用される場合にも安全性の高い構造用鉄筋を提供する
ことができるので産業上の効果は極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−49020(JP,A) 特開 昭53−89817(JP,A) 特開 平1−143704(JP,A) 特開 平5−228503(JP,A) 特開 昭57−185921(JP,A) 特公 昭62−1454(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 8/06 - 8/08 B21B 1/16,3/00
Claims (4)
- 【請求項1】圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧
延の各工程からなる低温鉄筋用鋼材の製造方法であっ
て、重量%で、C:0.10〜0.40%、Si:0.
05〜0.60%、Mn:0.60〜2.00%、A
l:0.005〜0.080%を含有し、残部はFe及
び不可避不純物からなる鋼材を、950〜1250℃の
温度域に加熱して粗圧延を行い、次いで中間圧延及び/
または仕上げ圧延のパス間で水冷して鋼材の表面を60
0〜700℃の温度域に急冷することを1〜5回繰り返
しながら圧延し、更に、圧延仕上げ温度を750〜95
0℃の範囲に制御して圧延を終了し、その後3℃/sを
超え10℃/sまでの冷却速度で550〜400℃の温
度域の温度まで加速冷却した後放冷することを特徴とす
る低温鉄筋用鋼材の製造方法。 - 【請求項2】圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧
延の各工程からなる低温鉄筋用鋼材の製造方法であっ
て、請求項1に記載の成分と含有量、並びに重量%で、
0.01〜0.20%のV及び0.01〜0.10%の
Nbの1種以上を含有し、残部はFe及び不可避不純物
からなる鋼材を、950〜1250℃の温度域に加熱し
て粗圧延を行い、次いで中間圧延及び/または仕上げ圧
延のパス間で水冷して鋼材の表面を600〜700℃の
温度域に急冷することを1〜5回繰り返しながら圧延
し、更に、圧延仕上げ温度を750〜950℃の範囲に
制御して圧延を終了し、その後3℃/sを超え10℃/
sまでの冷却速度で550〜400℃の温度域の温度ま
で加速冷却した後放冷することを特徴とする低温鉄筋用
鋼材の製造方法。 - 【請求項3】圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧
延の各工程からなる低温鉄筋用鋼材の製造方法であっ
て、請求項1に記載の成分と含有量、及び重量%で、
B:0.0003〜0.0050%を含有し、残部はF
e及び不可避不純物からなる鋼材 を、950〜1250
℃の温度域に加熱して粗圧延を行い、次いで中間圧延及
び/または仕上げ圧延のパス間で水冷して鋼材の表面を
600〜700℃の温度域に急冷することを1〜5回繰
り返しながら圧延し、更に、圧延仕上げ温度を750〜
950℃の範囲に制御して圧延を終了し、その後3℃/
sを超え10℃/sまでの冷却速度で550〜400℃
の温度域の温度まで加速冷却した後放冷することを特徴
とする低温鉄筋用鋼材の製造方法。 - 【請求項4】圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧
延の各工程からなる低温鉄筋用鋼材の製造方法であっ
て、請求項1に記載の成分と含有量、及び重量%で、
B:0.0003〜0.0050%、並びに0.01〜
0.20%のV及び0.01〜0.10%のNbの1種
以上を含有し、残部はFe及び不可避不純物からなる鋼
材を、950〜1250℃の温度域に加熱して粗圧延を
行い、次いで中間圧延及び/または仕上げ圧延のパス間
で水冷して鋼材の表面を600〜700℃の温度域に急
冷することを1〜5回繰り返しながら圧延し、更に、圧
延仕上げ温度を750〜950℃の範囲に制御して圧延
を終了し、その後3℃/sを超え10℃/sまでの冷却
速度で550〜400℃の温度域の温度まで加速冷却し
た後放冷することを特徴とする低温鉄筋用鋼材の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07204127A JP3077568B2 (ja) | 1995-08-10 | 1995-08-10 | 低温鉄筋用鋼材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07204127A JP3077568B2 (ja) | 1995-08-10 | 1995-08-10 | 低温鉄筋用鋼材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0949021A JPH0949021A (ja) | 1997-02-18 |
JP3077568B2 true JP3077568B2 (ja) | 2000-08-14 |
Family
ID=16485282
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07204127A Expired - Fee Related JP3077568B2 (ja) | 1995-08-10 | 1995-08-10 | 低温鉄筋用鋼材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Families Citing this family (4)
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CN102747274A (zh) * | 2012-07-13 | 2012-10-24 | 江苏永钢集团有限公司 | 钒硼微合金化余热处理钢筋用钢及其生产工艺 |
CN103667894A (zh) * | 2013-12-23 | 2014-03-26 | 钢铁研究总院 | 一种液化石油气储罐用低温钢筋及其生产工艺 |
CN106367680A (zh) * | 2016-08-31 | 2017-02-01 | 云南德胜钢铁有限公司 | 一种抗震钢筋 |
CN115141975B (zh) * | 2021-11-05 | 2023-02-07 | 柳州钢铁股份有限公司 | 时效性能稳定的热轧钢筋 |
-
1995
- 1995-08-10 JP JP07204127A patent/JP3077568B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH0949021A (ja) | 1997-02-18 |
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