JP3077568B2 - 低温鉄筋用鋼材の製造方法 - Google Patents

低温鉄筋用鋼材の製造方法

Info

Publication number
JP3077568B2
JP3077568B2 JP07204127A JP20412795A JP3077568B2 JP 3077568 B2 JP3077568 B2 JP 3077568B2 JP 07204127 A JP07204127 A JP 07204127A JP 20412795 A JP20412795 A JP 20412795A JP 3077568 B2 JP3077568 B2 JP 3077568B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rolling
temperature
steel
cooling
low
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP07204127A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0949021A (ja
Inventor
八寿男 黒川
芳彦 鎌田
佳昭 片山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP07204127A priority Critical patent/JP3077568B2/ja
Publication of JPH0949021A publication Critical patent/JPH0949021A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3077568B2 publication Critical patent/JP3077568B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温鉄筋用鋼材の
製造方法に関し、より詳しくはLNGタンクの構造部材
などに使用される低温での強度と靱性に優れた低温鉄筋
用鋼材の製造方法に関する。
【従来の技術】従来、コンクリート用鉄筋はJIS G 3112
に「鉄筋コンクリート用棒鋼」としてその化学成分と機
械的性質が規格化された鋼材が用いられてきた。現在、
この規格鋼材は通常の一般ビル建築構造用鉄筋としては
勿論のこと、例えばLNGタンク用鉄筋や寒冷地におけ
る鉄筋コンクリート構造物用鉄筋など低温環境用の鉄筋
としても用いられている。しかしながら、前記のJIS G
3112に「鉄筋コンクリート用棒鋼」として規格化された
鉄筋は、実使用環境の温度として常温もしくはそれ以上
の温度を想定したものであって、必ずしも上記のような
低温環境で使用される場合を想定したものではない。そ
のため、特公平6−72260号公報にはVノッチシャ
ルピーの破面遷移温度が−80℃以下の「低温用鉄筋棒
の製造方法」が提案されている。また、特公平2−24
904号公報には「低温靱性及び耐海水性のすぐれた鉄
筋棒鋼」が開示されている。しかしこれらの公報に記載
の低温用鉄筋は、いずれも低温における衝撃特性を改善
するためにNiを必須成分として添加するため、鉄筋と
して使用するにはコスト面で問題を有する。特公平4−
8486号公報には特定の化学組成を有する鋼材を制御
圧延冷却して、ベイナイト組織を20%以上含有させた
ベイナイト+フェライト組織を有する「低温靱性に優れ
た鉄筋棒鋼の製造方法」が提案されている。しかしこの
公報に提案された方法で用いる鋼のC量は0.02〜
0.10%であるため、太径の鉄筋棒鋼にあっては、そ
の中心部領域で所望の強度を達成できない場合がある。
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記現状に鑑
みなされたもので、その目的とするところは低コスト
で、且つ低温環境で使用するに充分な強度と低温靱性、
具体的には常温での降伏強度400MPa以上、シャル
ピー破面遷移温度−60℃以下と−60℃での切り欠き
引張強度750MPa以上を備え、特にJISのD32
〜51に相当する寸法の太径低温鉄筋用鋼材の製造方法
を提供することにある。
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために先ず現行のJIS G 3112規格鋼材の低温
における特性を調査して、これを低温環境下で使用した
場合の問題点を検討した。その結果、JIS規格鋼材は
使用環境温度が−10℃以下になると靱性(衝撃値)及
び切り欠き引張強度が著しく低下して、脆く破断し易く
なることが明らかとなった。これは鉄筋を低温で使用す
る場合には極めて致命的な欠陥となる。従って、構造物
の安全性を高めるためには低温での靱性と切り欠き引張
強度を高めることが必要であるとの結論に達した。そこ
で本発明者は次に、高価な元素であるNiを含まない低
合金鋼の場合にも低温での靱性と切り欠き引張強度を高
めることのできる組織に関して検討した。その結果、下
記〜の知見を得た。鋼材の表面近傍を微細なフェ
ライト・パーライト組織とすれば低温靱性並びに低温で
の切り欠き引張強度を高めることができる。上記の組
織とするには、先ず中間圧延及び/または仕上げ圧延の
パス間で水冷して鋼材の表面を600〜700℃の温度
域に急冷すれば良い。上記の処理に続いて圧延仕上
げ温度を750〜950℃の範囲に制御し、その後3℃
/sを超え10℃/sまでの冷却速度で550〜400
℃の温度域の温度まで加速冷却した後放冷すれば効果が
大きい。常温での降伏強度400MPa以上、シャル
ピー破面遷移温度−60℃以下と−60℃での切り欠き
引張強度750MPa以上を有する前記した微細なフェ
ライト・パーライト組織からなる鉄筋用鋼材は、LNG
タンク用鉄筋や寒冷地における鉄筋コンクリート構造物
用鉄筋など低温環境用の鉄筋として充分使用に耐え得
る。上記のとの処理を行えば、Niを添加しない
鋼を用いて降伏強度400MPa以上、シャルピー破面
遷移温度−60℃以下及び−60℃での切り欠き引張強
度750MPa以上を有する低温鉄筋用鋼材が得られ
る。上記知見に基づく本発明は、下記(1)〜(4)
示す低温鉄筋用鋼材の製造方法を要旨とする。 (1)圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧延の各
工程からなる低温鉄筋用鋼材の製造方法であって、重量
%で、C:0.10〜0.40%、Si:0.05〜
0.60%、Mn:0.60〜2.00%、Al:0.
005〜0.080%を含有し、残部はFe及び不可避
不純物からなる鋼材を、950〜1250℃の温度域に
加熱して粗圧延を行い、次いで中間圧延及び/または仕
上げ圧延のパス間で水冷して鋼材の表面を600〜70
0℃の温度域に急冷することを1〜5回繰り返しながら
圧延し、更に、圧延仕上げ温度を750〜950℃の範
囲に制御して圧延を終了し、その後3℃/sを超え10
℃/sまでの冷却速度で550〜400℃の温度域の温
度まで加速冷却した後放冷することを特徴とする低温鉄
筋用鋼材の製造方法。 (2)圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧延の各
工程からなる低温鉄筋用鋼材の製造方法であって、上記
(1)に記載の成分と含有量、並びに重量%で、0.0
1〜0.20%のV及び0.01〜0.10%のNbの
1種以上を含有し、残部はFe及び不可避不純物からな
る鋼材を、950〜1250℃の温度域に加熱して粗圧
延を行い、次いで中間圧延及び/または仕上げ圧延のパ
ス間で水冷して鋼材の表面を600〜700℃の温度域
に急冷することを1〜5回繰り返しながら圧延し、更
に、圧延仕上げ温度を750〜950℃の範囲に制御し
て圧延を終了し、その後3℃/sを超え10℃/sまで
の冷却速度で550〜400℃の温度域の温度まで加速
冷却した後放冷することを特徴とする低温鉄筋用鋼材の
製造方法。(3)圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧延の各
工程からなる低温鉄筋用鋼材の製造方法であって、上記
(1)に記載の成分と含有量、及び重量%で、B:0.
0003〜0.0050%を含有し、残部はFe及び不
可避不純物からなる鋼材を、950〜1250℃の温度
域に加熱して粗圧延を行い、次いで中間圧延及び/また
は仕上げ圧延のパス間で水冷して鋼材の表面を600〜
700℃の温度域に急冷することを1〜5回繰り返しな
がら圧延し、更に、圧延仕上げ温度を750〜950℃
の範囲に制御して圧延を終了し、その後3℃/sを超え
10℃/sまでの冷却速度で550〜400℃の温度域
の温度まで加速冷却した後放冷することを特徴とする低
温鉄筋用鋼材の製造方法。 (4)圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧延の各
工程からなる低温鉄筋用鋼材の製造方法であって、上記
(1)に記載の成分と含有量、及び重量%で、B:0.
0003〜0.0050%、並びに0.01〜0.20
%のV及び0.01〜0.10%のNbの1種以上を含
有し、残部はFe及び不可避不純物からなる鋼材を、9
50〜1250℃の温度域に加熱して粗圧延を行い、次
いで中間圧延及び/または仕上げ圧延のパス間で水冷し
て鋼材の表面を600〜700℃の温度域に急冷するこ
とを1〜5回繰り返しながら圧延し、更に、圧延仕上げ
温度を750〜950℃の範囲に制御して圧延を終了
し、その後3℃/sを超え10℃/sまでの冷却速度で
550〜400℃の温度域の温度まで加速冷却した後放
冷することを特徴とする低温鉄筋用鋼材の製造方法。
【発明の実施の形態】以下、本発明の各要件について詳
しく説明する。なお、成分含有量の「%」は「重量%」
を意味する。 (A)鋼材の化学組成 C: Cは強度を高めるのに有効な元素である。しかし、その
含有量が0.10%未満では添加効果に乏しく所望の強
度が得られない。一方、0.40%を超えると、本発明
の製造方法によっても製品鋼材の靱性及び切り欠き引張
強度が目標値に達しない。従って、Cの含有量を0.1
0〜0.40%とした。 Si: Siは焼入れ性を向上させるとともに熱間での加熱・圧
延時に高温での表面酸化を阻止する作用がある。更に、
強度を向上させる効果も有する。しかし、その含有量が
0.05%未満では所望の強度が確保できないことに加
えて高温での表面の耐酸化性が劣化し、0.60%を超
えると靱性と切り欠き引張強度の劣化を招くことになる
ので、その含有量を0.05〜0.60%とした。 Mn: Mnは鋼の焼入れ性向上及び熱間延性向上に有効な元素
である。しかし、その含有量が0.60%未満では充分
な焼入れ性が得られず、2.00%を超えて含有させる
と偏析を起こし、却って熱間延性が低下するようにな
る。従って、Mnの含有量を0.60〜2.00%とし
た。 Al: Alは鋼の脱酸の安定化及び均質化を図る作用がある。
更に、Nと結合して微細なAlNを形成し結晶粒を微細
にして靱性と強度を向上させる効果も有する。しかし、
その含有量が0.005%未満では所望の効果が得られ
ず、0.080%を超えると前記効果が飽和するばかり
か、却って熱間圧延中に鋼材表面に割れを生ずることと
なるので、Alの含有量を0.005〜0.080%と
した。 B: Bは添加すれば焼入れ性を高める作用がある。この効果
を確実に得るにはBは0.0003%以上の含有量とす
ることが望ましい。しかし、その含有量が0.0050
%を超えると前記効果が飽和することに加えて、結晶粒
の粗大化をきたして靱性の劣化を招く場合がある。従っ
て、Bを添加する場合には、その含有量を0.0003
0.0050%とするのが良い。本発明で用いる鋼に
は、上記の成分に加えて、更に、V及びNbのうちの1
種以上を含んでいても良い。これらの合金元素の作用効
果と望ましい含有量は下記のとおりである。 V、Nb: V及びNbは鋼の焼入れ性を向上させるとともに、鋼中
で炭化物を形成して結晶粒を微細化して靱性と強度を向
上させる効果を有する。従って、V及びNbは必要に応
じて一方または両方を添加しても良い。しかし、Vの場
合には0.01%未満の含有量では所望の効果が得られ
ず、0.20%を超えて含有すると前記効果が飽和する
ばかりか、却って脆化現象を引き起こし靱性と切り欠き
引張強度の低下を招く。一方、Nbの場合にも、0.0
1%未満の含有量では所望の効果が得られず、0.10
%を超えて含有すると前記効果が飽和するばかりか、却
って脆化現象を引き起こし靱性と切り欠き引張強度の低
下を招く。従って、これらの合金元素を1種以上添加す
る場合には、V:0.01〜0.20%、Nb:0.0
1〜0.10%の含有量とするのが良い。ところで、本
発明で用いる鋼は上記の成分元素に加えて、Cu、N
i、Cr、Mo及びTiを通常の不純物のレベルで含ん
でいても良い。すなわち、Cu、Ni、Crをそれぞれ
0.3%以下、Moを0.1%以下、Tiを0.01%
以下含有していても良い。これは、本発明によって得ら
れる低温鉄筋用鋼材の特性に対して何ら悪影響がないか
らである。 (B)熱間圧延 (B−1)加熱 熱間での連続圧延に際しての加熱温度は、オーステナイ
ト結晶粒の粗大化を防ぐために低温であることが望まし
いが、950℃未満ではAlNが多数残存して圧延時に
割れを生ずる恐れがあり、また低温ほど圧延抵抗が高く
なって圧延機に過度の負荷がかかる。一方、加熱温度が
1250℃を超えると圧延素材の表面酸化が著しくなっ
て圧延時に表面割れを生ずる。従って、加熱温度を95
0〜1250℃とした。 (B−2)中間圧延及び/または仕上げ圧延のパス間水
冷 熱間連続圧延工程は、粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧延
の3工程からなるが、このうち中間圧延及び/または仕
上げ圧延のパス間において水冷を行い、鋼材の表面を6
00〜700℃の温度域に急冷することを1〜5回繰り
返しながら圧延することが重要である。すなわち、中間
圧延及び/または仕上げ圧延のパス間で水冷して鋼材の
表面をAr1点を下回る700℃以下に急冷してオ−ステ
ナイトからフェライトとパーライトに変態させる処理
と、鋼材内部の保有熱により復熱させてフェライト・パ
ーライトからオ−ステナイトへ逆変態させる処理を繰り
返すことにより、最終的な鋼材の組織を微細なフェライ
ト・パーライト組織にすることが必要である。前記の処
理によって鋼材の表面を微細なフェライト・パーライト
組織にすることで始めて鋼材の低温靱性と強度及び切り
欠き引張強度を著しく改善することが可能となる。パス
間水冷した場合の鋼材表面温度が700℃を上回る場合
はオ−ステナイトからフェライトとパーライトへの変態
が充分起こらないので所望の組織が得られず、600℃
を下回る場合は鋼材内部の保有熱による復熱による再加
熱が充分でないためフェライト・パーライトからオ−ス
テナイトへの逆変態が不十分となってやはり所望の組織
が得られない。従って、前記のパス間水冷を行う場合に
鋼材の表面を急冷する温度は600〜700℃の温度域
としなければならない。前記したパス間水冷を1回以上
行うことにより、鋼材表面を微細なフェライト・パーラ
イト組織にすることが可能であるが、6回以上繰り返し
てもフェライト・パーライト組織を微細化する効果が飽
和する。従って、パス間水冷は1〜5回繰り返すことと
した。ところで、パス間水冷する「鋼材表面」は単に鋼
材の表面に留まらず、鋼材表面から半径比で0.3の深
さの部位までであっても良い。パス間水冷によって60
0〜700℃の温度域に急冷される部位が前記深さまで
の場合には所謂「表面部」の組織が微細となり、仕上げ
圧延後に後述する条件で加速冷却することで、常温での
降伏強度400MPa以上、シャルピー破面遷移温度−
60℃以下と−60℃での切り欠き引張強度750MP
a以上という低温環境用の鉄筋に必要な特性を付与する
ことができるためである。これに対して前記深さが鋼材
表面から半径比で0.3の深さを超えると、内部保有熱
量が小さくなって復熱による再加熱が充分起こらなくな
って所望の組織が得られなくなるとともに、急冷後の圧
延時に変形抵抗が大きくなって圧延機に過度の負荷がか
かってしまう。 (B−3)圧延仕上げ温度 結晶粒微細化のためには圧延仕上げ温度を低くするほど
効果があるが、750℃を下回ると圧延機に対する負荷
が過大となることに加えて鋼材に表面割れが生じるよう
になり、一方、950℃を超えると結晶粒が粗大化して
所望の微細な組織が得られなくなるので、圧延仕上げ温
度を750〜950℃とした。なお、この圧延仕上げ温
度は、被圧延鋼材自身の復熱及び圧延時の加工発熱によ
って確保できる。 (C)圧延後の加速冷却 圧延終了後は鋼材を3℃/sを超え10℃/sまでの冷
却速度で550〜400℃の温度域の温度まで加速冷却
する必要がある。10℃/sを超える冷却速度で加速冷
却した場合には、表層部は焼きが入った所謂「低温変態
組織」となり内部はフェライト・パーライト組織となっ
て、組織が不均一となるため靱性並びに切り欠き引張強
度の劣化を招く。一方、3℃/s以下の冷却速度では中
心部の組織が粗大なフェライト・パーライト組織となっ
て所望の機械的性質(降伏強度、靱性、切り欠き引張強
度)が得られない場合がある。従って、圧延後の加速冷
却速度は3℃/sを超え10℃/sまでとした。加速冷
却する温度が550℃を超える場合にはたとえ3℃/s
を超え10℃/sまでの冷却速度で加速冷却しても所望
の組織とならず、そのため所望の機械的性質が得られな
い。一方、加速冷却する温度が400℃を下回れば鋼材
の内部まで焼きの入った組織となって、やはり所望の機
械的性質が得られなくなる場合がある。従って、3℃/
sを超え10℃/sまでの冷却速度で加速冷却する温度
を550〜400℃の温度域の温度とした。この加速冷
却の後は放冷すれば良い。なお、ここでいう冷却速度と
は鋼材表面における冷却速度のことである。上記の
(A)に示した成分組成を有する鋼材に、上記の(B)
及び(C)に示した条件によって制御圧延・加速冷却を
行うことにより、常温での降伏強度400MPa以上、
シャルピー破面遷移温度−60℃以下と−60℃での切
り欠き引張強度750MPa以上という低温環境用の鉄
筋に必要な特性を有する低温鉄筋用鋼材を製造すること
ができる。
【実施例】表1に示す化学組成の鋼を通常の方法により
70t転炉溶製した。表1において、鋼A〜Cは成分の
いずれかが本発明で規定する含有量の範囲から外れた比
較鋼であり、鋼D〜Gは本発明の対象鋼(以下、本発明
鋼という)である。次いで、これらの鋼を連続鋳造法に
より鋼片となし、更に、通常の方法で3tビレットに分
塊圧延した。この後、前記の3tビレットに表2〜7に
示す条件で連続圧延と冷却を施し、直径が32、35、
38、41及び51mmの棒鋼を製造した。なお、表2
〜7に示すように、加速冷却終了後は放冷した。こうし
て得られた棒鋼から制御圧延・冷却したままの直径で長
さが30mmの組織観察用試験片を切り出し、表面から
半径比で0.3の深さの部位の組織を光学顕微鏡によっ
て観察した。また棒鋼の表面部からJIS4号引張試験
片、JIS4号シャルピー衝撃試験片及び切り欠き引張
試験片(平滑部径:7mm、切り欠き部径:5mm、切
り欠き底半径:0.05mm、切り欠き角度:60度)
を採取し、常温での引張特性、シャルピー破面遷移温度
及び−60℃での低温切り欠き引張強度を調査した。試
験結果の一例を表8〜13に示す。表8〜13によれ
ば、本発明で規定する化学組成を有する鋼を、本発明で
規定する条件で「熱間圧延−加速冷却」すれば所望の降
伏強度、靱性及び切り欠き引張強度が得られることが明
らかである。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の低温鉄筋
用鋼材の製造方法によれば、従来よりも低コストで低温
での靱性と切り欠き引張強度に優れ、且つ降伏強度が高
い低温鉄筋用鋼材を製造することが可能で、低温環境で
使用される場合にも安全性の高い構造用鉄筋を提供する
ことができるので産業上の効果は極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−49020(JP,A) 特開 昭53−89817(JP,A) 特開 平1−143704(JP,A) 特開 平5−228503(JP,A) 特開 昭57−185921(JP,A) 特公 昭62−1454(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 8/06 - 8/08 B21B 1/16,3/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧
    延の各工程からなる低温鉄筋用鋼材の製造方法であっ
    て、重量%で、C:0.10〜0.40%、Si:0.
    05〜0.60%、Mn:0.60〜2.00%、A
    l:0.005〜0.080%を含有し、残部はFe及
    び不可避不純物からなる鋼材を、950〜1250℃の
    温度域に加熱して粗圧延を行い、次いで中間圧延及び/
    または仕上げ圧延のパス間で水冷して鋼材の表面を60
    0〜700℃の温度域に急冷することを1〜5回繰り返
    しながら圧延し、更に、圧延仕上げ温度を750〜95
    0℃の範囲に制御して圧延を終了し、その後3℃/sを
    超え10℃/sまでの冷却速度で550〜400℃の温
    度域の温度まで加速冷却した後放冷することを特徴とす
    る低温鉄筋用鋼材の製造方法。
  2. 【請求項2】圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧
    延の各工程からなる低温鉄筋用鋼材の製造方法であっ
    て、請求項1に記載の成分と含有量、並びに重量%で、
    0.01〜0.20%のV及び0.01〜0.10%の
    Nbの1種以上を含有し、残部はFe及び不可避不純物
    からなる鋼材を、950〜1250℃の温度域に加熱し
    て粗圧延を行い、次いで中間圧延及び/または仕上げ圧
    延のパス間で水冷して鋼材の表面を600〜700℃の
    温度域に急冷することを1〜5回繰り返しながら圧延
    し、更に、圧延仕上げ温度を750〜950℃の範囲に
    制御して圧延を終了し、その後3℃/sを超え10℃/
    sまでの冷却速度で550〜400℃の温度域の温度ま
    で加速冷却した後放冷することを特徴とする低温鉄筋用
    鋼材の製造方法。
  3. 【請求項3】圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧
    延の各工程からなる低温鉄筋用鋼材の製造方法であっ
    て、請求項1に記載の成分と含有量、及び重量%で、
    B:0.0003〜0.0050%を含有し、残部はF
    e及び不可避不純物からなる鋼材 を、950〜1250
    ℃の温度域に加熱して粗圧延を行い、次いで中間圧延及
    び/または仕上げ圧延のパス間で水冷して鋼材の表面を
    600〜700℃の温度域に急冷することを1〜5回繰
    り返しながら圧延し、更に、圧延仕上げ温度を750〜
    950℃の範囲に制御して圧延を終了し、その後3℃/
    sを超え10℃/sまでの冷却速度で550〜400℃
    の温度域の温度まで加速冷却した後放冷することを特徴
    とする低温鉄筋用鋼材の製造方法。
  4. 【請求項4】圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧
    延の各工程からなる低温鉄筋用鋼材の製造方法であっ
    て、請求項1に記載の成分と含有量、及び重量%で、
    B:0.0003〜0.0050%、並びに0.01〜
    0.20%のV及び0.01〜0.10%のNbの1種
    以上を含有し、残部はFe及び不可避不純物からなる鋼
    材を、950〜1250℃の温度域に加熱して粗圧延を
    行い、次いで中間圧延及び/または仕上げ圧延のパス間
    で水冷して鋼材の表面を600〜700℃の温度域に急
    冷することを1〜5回繰り返しながら圧延し、更に、圧
    延仕上げ温度を750〜950℃の範囲に制御して圧延
    を終了し、その後3℃/sを超え10℃/sまでの冷却
    速度で550〜400℃の温度域の温度まで加速冷却し
    た後放冷することを特徴とする低温鉄筋用鋼材の製造方
    法。
JP07204127A 1995-08-10 1995-08-10 低温鉄筋用鋼材の製造方法 Expired - Fee Related JP3077568B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07204127A JP3077568B2 (ja) 1995-08-10 1995-08-10 低温鉄筋用鋼材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07204127A JP3077568B2 (ja) 1995-08-10 1995-08-10 低温鉄筋用鋼材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0949021A JPH0949021A (ja) 1997-02-18
JP3077568B2 true JP3077568B2 (ja) 2000-08-14

Family

ID=16485282

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07204127A Expired - Fee Related JP3077568B2 (ja) 1995-08-10 1995-08-10 低温鉄筋用鋼材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3077568B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102747274A (zh) * 2012-07-13 2012-10-24 江苏永钢集团有限公司 钒硼微合金化余热处理钢筋用钢及其生产工艺
CN103667894A (zh) * 2013-12-23 2014-03-26 钢铁研究总院 一种液化石油气储罐用低温钢筋及其生产工艺
CN106367680A (zh) * 2016-08-31 2017-02-01 云南德胜钢铁有限公司 一种抗震钢筋
CN115141975B (zh) * 2021-11-05 2023-02-07 柳州钢铁股份有限公司 时效性能稳定的热轧钢筋

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0949021A (ja) 1997-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4776900A (en) Process for producing nickel steels with high crack-arresting capability
JP3758508B2 (ja) 二相ステンレス鋼管の製造方法
US20030066580A1 (en) Method for making high-strength high-toughness martensitic stainless steel seamless pipe
JPH11140582A (ja) 溶接熱影響部靱性に優れた高靱性厚鋼板およびその製造方法
JP4193315B2 (ja) 延性に優れ降伏比の低い高強度薄鋼板および高強度亜鉛めっき薄鋼板ならびにそれらの製造方法
JP2004515653A (ja) 溶接構造物用のTiN+ZrNを析出させている鋼板、及びそれを製造するための方法、並びにそれを用いる溶接構造物
CN112236539B (zh) 极低温用高张力厚钢板及其制造方法
JP6682988B2 (ja) 延性に優れた高張力厚鋼板及びその製造方法
JP2567150B2 (ja) 低温用高強度低降伏比ラインパイプ材の製造法
JP2005298956A (ja) 熱延鋼板およびその製造方法
JP3724119B2 (ja) 建築構造用圧延棒鋼及びその製造方法
JPH10306316A (ja) 低温靭性に優れた低降伏比高張力鋼材の製造方法
JP3738003B2 (ja) 冷間加工性と浸炭時の粗大粒防止特性に優れた肌焼用鋼材およびその製造方法
JP3022280B2 (ja) 耐震性に優れる鉄筋用鋼材の製造方法
JP7493138B2 (ja) 超低降伏比高張力厚鋼板およびその製造方法
JPH09111340A (ja) 高強度低降伏比鉄筋用鋼材及びその製造方法
JP3077567B2 (ja) 低温鉄筋用鋼材の製造方法
JP3077568B2 (ja) 低温鉄筋用鋼材の製造方法
JP3422864B2 (ja) 加工性の優れたステンレス鋼およびその製造方法
JP7534595B2 (ja) 耐摩耗鋼の製造方法
JP3022279B2 (ja) 耐震性に優れる鉄筋用鋼材の製造方法
JPH07150244A (ja) 冷間加工用フェライトステンレス鋼の製造方法
JP2007277697A (ja) 耐疲労亀裂伝播特性および脆性亀裂伝播停止特性に優れた高張力厚鋼板およびその製造方法
JP2002105594A (ja) 低サイクル疲労強度に優れる高バーリング性熱延鋼板およびその製造方法
JP2007246985A (ja) 高靭性高張力厚鋼板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees