JP3077567B2 - 低温鉄筋用鋼材の製造方法 - Google Patents

低温鉄筋用鋼材の製造方法

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JP3077567B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温鉄筋用鋼材の
製造方法に関し、より詳しくはLNGタンクの構造部材
などに使用される低温での強度と靱性に優れた低温鉄筋
用鋼材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリート用鉄筋はJIS G 3112
に「鉄筋コンクリート用棒鋼」としてその化学成分と機
械的性質が規格化された鋼材が用いられてきた。現在、
この規格鋼材は通常の一般ビル建築構造用鉄筋としては
勿論のこと、例えばLNGタンク用鉄筋や寒冷地におけ
る鉄筋コンクリート構造物用鉄筋など低温環境用の鉄筋
としても用いられている。
【0003】しかしながら、前記のJIS G 3112に「鉄筋
コンクリート用棒鋼」として規格化された鉄筋は、実使
用環境の温度として常温もしくはそれ以上の温度を想定
したものであって、必ずしも上記のような低温環境で使
用される場合を想定したものではない。
【0004】そのため、特公平6−72260号公報に
はVノッチシャルピーの破面遷移温度が−80℃以下の
「低温用鉄筋棒の製造方法」が提案されている。また、
特公平2−24904号公報には「低温靱性及び耐海水
性のすぐれた鉄筋棒鋼」が開示されている。しかしこれ
らの公報に記載の低温用鉄筋は、いずれも低温における
衝撃特性を改善するためにNiを必須成分として添加す
るため、鉄筋として使用するにはコスト面で問題を有す
る。
【0005】特公平4−8486号公報には特定の化学
組成を有する鋼材を制御圧延冷却して、ベイナイト組織
を20%以上含有させたベイナイト+フェライト組織を
有する「低温靱性に優れた鉄筋棒鋼の製造方法」が提案
されている。しかしこの公報に提案された方法で用いる
鋼のC量は0.02〜0.10%であるため、太径の鉄
筋棒鋼に関しては、その中心部領域で所望の強度を達成
できない場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記現状に鑑
みなされたもので、その目的とするところは低コスト
で、且つ低温環境で使用するに充分な強度と低温靱性、
具体的には常温での降伏強度400MPa以上、シャル
ピー破面遷移温度−60℃以下と−60℃での切り欠き
引張強度750MPa以上とを備え、特にJISのD3
2〜D51に相当する寸法の太径低温鉄筋用鋼材の製造
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために先ず現行のJIS G 3112規格鋼材の低温
における特性を調査して、これを低温環境下で使用した
場合の問題点を検討した。その結果、JIS規格鋼材は
使用環境温度が−10℃以下になると靱性(衝撃値)及
び切り欠き引張強度が著しく低下して、脆く破断し易く
なることが明らかとなった。これは鉄筋を低温で使用す
る場合には致命的な欠陥となる。従って、構造物の安全
性を高めるためには低温での靱性と切り欠き引張強度を
高めることが必要であるとの結論に達した。
【0008】そこで本発明者は次に、高価な元素である
Niを含まない低合金鋼の場合にも低温での靱性と切り
欠き引張強度を高めることのできる組織に関して検討し
た。その結果、下記〜の知見を得た。
【0009】鋼材の表面近傍を微細なフェライト・パ
ーライト組織とすれば低温靱性並びに低温での切り欠き
引張強度を高めることができる。
【0010】上記の組織とするには中間圧延及び/ま
たは仕上げ圧延のパス間で水冷して鋼材の表面を600
〜700℃の温度域に急冷すれば良い。
【0011】上記の処理に続いて圧延仕上げ温度を
750〜950℃の範囲に制御し、その後0.1〜3.
0℃/sの冷却速度で400℃未満の温度まで冷却すれ
ば効果が大きい。
【0012】常温での降伏強度400MPa以上、シ
ャルピー破面遷移温度−60℃以下と−60℃での切り
欠き引張強度750MPa以上を有する微細なフェライ
ト・パーライト組織からなる鉄筋用鋼材は、LNGタン
ク用鉄筋や寒冷地における鉄筋コンクリート構造物用鉄
筋など低温環境用の鉄筋として充分使用に耐え得る。
【0013】上記のとの処理を行えば、Niを添
加しない鋼を用いて降伏強度400MPa以上、シャル
ピー破面遷移温度−60℃以下及び−60℃での切り欠
き引張強度750MPa以上を有する低温鉄筋用鋼材が
得られる。
【0014】上記知見に基づく本発明は、下記(1)
(4)に示す低温鉄筋用鋼材の製造方法を要旨とする。 (1)圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧延の各
工程からなる低温鉄筋用鋼材の製造方法であって、重量
%で、C:0.10〜0.40%、Si:0.05〜
0.60%、Mn:0.60〜2.00%、Al:0.
005〜0.080%を含有し、残部はFe及び不可避
不純物からなる鋼材を、950〜1250℃の温度域に
加熱して粗圧延を行い、次いで中間圧延及び/または仕
上げ圧延のパス間で水冷して鋼材の表面を600〜70
0℃の温度域に急冷することを1〜5回繰り返しながら
圧延し、更に、圧延仕上げ温度を750〜950℃の範
囲に制御して圧延を終了し、その後0.1〜3.0℃/
sの冷却速度で400℃未満の温度まで冷却することを
特徴とする低温鉄筋用鋼材の製造方法。 (2)圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧延の各
工程からなる低温鉄筋用鋼材の製造方法であって、上記
(1)に記載の成分と含有量、並びに重量%で、0.0
1〜0.20%のV及び0.01〜0.10%のNbの
1種以上を含有し、残部はFe及び不可避不純物からな
る鋼材を、950〜1250℃の温度域に加熱して粗圧
延を行い、次いで中間圧延及び/または仕上げ圧延のパ
ス間で水冷して鋼材の表面を600〜700℃の温度域
に急冷することを1〜5回繰り返しながら圧延し、更
に、圧延仕上げ温度を750〜950℃の範囲に制御し
て圧延を終了し、その後0.1〜3.0℃/sの冷却速
度で400℃未満の温度まで冷却することを特徴とする
低温鉄筋用鋼材の製造方法。(3)圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧延の各
工程からなる低温鉄筋用鋼材の製造方法であって、上記
(1)に記載の成分と含有量、及び重量%で、B:0.
0003〜0.0050%を含有し、残部はFe及び不
可避不純物からなる鋼材を、950〜1250℃の温度
域に加熱して粗圧延を行い、次いで中間圧延及び/また
は仕上げ圧延のパス間で水冷して鋼材の表面を600〜
700℃の温度域に急冷することを1〜5回繰り返しな
がら圧延し、更に、圧延仕上げ温度を750〜950℃
の範囲に制御して圧延を終了し、その後0.1〜3.0
℃/sの冷却速度で400℃未満の温度まで冷却するこ
とを特徴とする低温鉄筋用鋼材の製造方法。 (4)圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧延の各
工程からなる低温鉄筋用 鋼材の製造方法であって、上記
(1)に記載の成分と含有量、及び重量%で、B:0.
0003〜0.0050%、並びに0.01〜0.20
%のV及び0.01〜0.10%のNbの1種以上を含
有し、残部はFe及び不可避不純物からなる鋼材を、9
50〜1250℃の温度域に加熱して粗圧延を行い、次
いで中間圧延及び/または仕上げ圧延のパス間で水冷し
て鋼材の表面を600〜700℃の温度域に急冷するこ
とを1〜5回繰り返しながら圧延し、更に、圧延仕上げ
温度を750〜950℃の範囲に制御して圧延を終了
し、その後0.1〜3.0℃/sの冷却速度で400℃
未満の温度まで冷却することを特徴とする低温鉄筋用鋼
材の製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の各要件について、
詳しく説明する。なお、成分含有量の「%」は「重量
%」を意味する。 (A)鋼材の化学組成 C: Cは強度を高めるのに有効な元素である。しかし、その
含有量が0.10%未満では添加効果に乏しく所望の強
度が得られない。一方、0.40%を超えると、本発明
の製造方法によっても製品鋼材の靱性及び切り欠き引張
強度が目標値に達しない。従って、Cの含有量を0.1
0〜0.40%とした。
【0016】Si: Siは焼入れ性を向上させるとともに熱間での加熱・圧
延時に高温での表面酸化を阻止する作用がある。更に、
強度を向上させる効果も有する。しかし、その含有量が
0.05%未満では所望の強度が確保できないことに加
えて高温での表面の耐酸化性が劣化し、0.60%を超
えると靱性と切り欠き引張強度の劣化を招くことになる
ので、その含有量を0.05〜0.60%とした。
【0017】Mn: Mnは鋼の焼入れ性向上及び熱間延性向上に有効な元素
である。しかし、その含有量が0.60%未満では充分
な焼入れ性が得られず、2.00%を超えて含有させる
と偏析を起こし、却って熱間延性が低下するようにな
る。従って、Mnの含有量を0.60〜2.00%とし
た。
【0018】Al: Alは鋼の脱酸の安定化及び均質化を図る作用がある。
更に、Nと結合して微細なAlNを形成し結晶粒を微細
にして靱性と強度を向上させる効果も有する。しかし、
その含有量が0.005%未満では所望の効果が得られ
ず、0.080%を超えると前記効果が飽和するばかり
か、却って熱間圧延中に鋼材表面に割れを生ずることと
なるので、Alの含有量を0.005〜0.080%と
した。
【0019】B: Bは添加すれば焼入れ性を高める作用がある。この効果
を確実に得るにはBは0.0003%以上の含有量とす
ることが望ましい。しかし、その含有量が0.0050
%を超えると前記効果が飽和することに加えて、結晶粒
の粗大化をきたして靱性の劣化を招く場合がある。従っ
て、Bを添加する場合には、その含有量を0.0003
0.0050%とするのが良い。本発明で用いる鋼に
は、上記の成分に加えて、更に、V及びNbのうちの1
種以上を含んでいても良い。これらの合金元素の作用効
果と望ましい含有量は下記のとおりである。
【0020】V、Nb: V及びNbは鋼の焼入れ性を向上させるとともに、鋼中
で炭化物を形成して結晶粒を微細化して靱性と強度を向
上させる効果を有する。従って、V及びNbは必要に応
じて一方または両方を添加しても良い。しかし、Vの場
合には0.01%未満の含有量では所望の効果が得られ
ず、0.20%を超えて含有すると前記効果が飽和する
ばかりか、却って脆化現象を引き起こし靱性と切り欠き
引張強度の低下を招く。一方、Nbの場合にも、0.0
1%未満の含有量では所望の効果が得られず、0.10
%を超えて含有すると前記効果が飽和するばかりか、却
って脆化現象を引き起こし靱性と切り欠き引張強度の低
下を招く。従って、これらの合金元素を1種以上添加す
る場合には、V:0.01〜0.20%、Nb:0.0
1〜0.10%の含有量とするのが良い。
【0021】ところで、本発明で用いる鋼は上記の成分
元素に加えて、Cu、Ni、Cr、Mo及びTiを通常
の不純物のレベルで含んでいても良い。すなわち、C
u、Ni、Crをそれぞれ0.3%以下、Moを0.1
%以下、Tiを0.01%以下含有していても、本発明
によって得られる低温鉄筋用鋼材の特性に対しては何ら
悪影響がない。 (B)熱間圧延 (B−1)加熱 熱間での連続圧延に際しての加熱温度は、オーステナイ
ト結晶粒の粗大化を防ぐために低温であることが望まし
いが、950℃未満ではAlNが多数残存して圧延時に
割れを生ずる恐れがあり、また低温ほど圧延抵抗が高く
なって圧延機に過度の負荷がかかる。一方、加熱温度が
1250℃を超えると圧延素材の表面酸化が著しくなっ
て圧延時に表面割れを生ずる。従って、加熱温度を95
0〜1250℃とした。
【0022】(B−2)中間圧延及び/または仕上げ圧
延のパス間水冷 熱間連続圧延工程は、粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧延
の3工程からなるが、このうち中間圧延及び/または仕
上げ圧延のパス間において水冷を行い、鋼材の表面を6
00〜700℃の温度域に急冷することを1〜5回繰り
返しながら圧延することが重要である。すなわち、中間
圧延及び/または仕上げ圧延のパス間で水冷して鋼材の
表面をAr1点を下回る700℃以下に急冷してオ−ステ
ナイトからフェライトとパーライトに変態させる処理
と、鋼材内部の保有熱により復熱させてフェライト・パ
ーライトからオ−ステナイトへ逆変態させる処理を繰り
返すことにより、最終的な鋼材の組織を微細なフェライ
ト・パーライト組織にすることが必要である。前記の処
理によって鋼材の表面を微細なフェライト・パーライト
組織にすることで始めて鋼材の低温靱性と強度及び切り
欠き引張強度を著しく改善することが可能となる。
【0023】パス間水冷した場合の鋼材表面温度が70
0℃を上回る場合はオ−ステナイトからフェライトとパ
ーライトへの変態が充分起こらないので所望の組織が得
られず、600℃を下回る場合は鋼材内部の保有熱によ
る復熱による再加熱が充分でないためフェライト・パー
ライトからオ−ステナイトへの逆変態が不十分となって
やはり所望の組織が得られない。従って、前記のパス間
水冷を行う場合に鋼材の表面を急冷する温度は600〜
700℃の温度域としなければならない。
【0024】前記したパス間水冷を1回以上行うことに
より、鋼材表面を微細なフェライト・パーライト組織に
することが可能であるが、6回以上繰り返してもフェラ
イト・パーライト組織を微細化する効果が飽和する。従
って、パス間水冷は1〜5回繰り返すこととした。
【0025】ところで、パス間水冷する「鋼材表面」は
単に鋼材の表面に留まらず、鋼材表面から半径比で0.
3の深さの部位までであっても良い。パス間水冷によっ
て600〜700℃の温度域に急冷される部位が前記深
さまでの場合には所謂「表面部」の組織が微細となっ
て、常温での降伏強度400MPa以上、シャルピー破
面遷移温度−60℃以下と−60℃での切り欠き引張強
度750MPa以上という低温環境用の鉄筋に必要な特
性を付与することができるためである。これに対して前
記深さが鋼材表面から半径比で0.3の深さを超える
と、内部保有熱量が小さくなって復熱による再加熱が充
分起こらなくなって所望の組織が得られなくなるととも
に、急冷後の圧延時に変形抵抗が大きくなって圧延機に
過度の負荷がかかってしまう。
【0026】(B−3)圧延仕上げ温度 結晶粒微細化のためには圧延仕上げ温度を低くするほど
効果があるが、750℃を下回ると圧延機に対する負荷
が過大となることに加えて鋼材に表面割れが生じるよう
になり、一方、950℃を超えると結晶粒が粗大化して
所望の微細な組織が得られなくなるので、圧延仕上げ温
度を750〜950℃とした。なお、この圧延仕上げ温
度は、被圧延鋼材自身の復熱及び圧延時の加工発熱によ
って確保できる。(C)圧延後の冷却 圧延終了後は鋼材を0.1〜3.0℃/sの冷却速度で
400℃未満の温度まで冷却する必要がある。3.0℃
/sを超える冷却速度で400℃未満の温度まで冷却し
た場合には、極表層部は焼きが入った所謂「低温変態組
織」となり内部はフェライト・パーライト組織となっ
て、組織が不均一となるため靱性並びに切り欠き引張強
度の劣化を招く。一方、0.1℃/s未満の冷却速度で
は中心部の組織が粗大なフェライト・パーライト組織と
なるため所望の機械的性質(降伏強度、靱性、切り欠き
引張強度)が得られない。従って、圧延後は0.1〜
3.0℃/sの冷却速度で400℃未満の温度まで冷却
することとした。なおここでいう冷却速度とは鋼材表面
における冷却速度のことである。
【0027】上記の(A)に示した成分組成を有する鋼
材に、上記の(B)及び(C)に示した条件によって制
御圧延・冷却を行うことにより、常温での降伏強度40
0MPa以上、シャルピー破面遷移温度−60℃以下と
−60℃での切り欠き引張強度750MPa以上という
低温環境用の鉄筋に必要な特性を有する低温鉄筋用鋼材
を製造することができる。
【0028】
【実施例】表1に示す化学組成の鋼を通常の方法により
70t転炉溶製した。表1において、鋼A〜Cは成分の
いずれかが本発明で規定する含有量の範囲から外れた比
較鋼であり、鋼D〜Gは本発明の対象鋼(以下、本発明
鋼という)である。
【0029】次いで、これらの鋼を連続鋳造法により鋼
片となし、更に、通常の方法で3tビレットに分塊圧延
した。
【0030】この後、前記の3tビレットに表2〜6に
示す条件で連続圧延と冷却を施し、直径が32、35、
38、41及び51mmの棒鋼を製造した。なお、圧延
後の冷却は表中に記載の冷却速度で常温まで行った。
【0031】こうして得られた棒鋼から制御圧延・冷却
したままの直径で長さが30mmの組織観察用試験片を
切り出し、表面から半径比で0.3の深さの部位の組織
を光学顕微鏡によって観察した。
【0032】また棒鋼の表面部からJIS4号引張試験
片、JIS4号シャルピー衝撃試験片及び切り欠き引張
試験片(平滑部径:7mm、切り欠き部径:5mm、切
り欠き底半径:0.05mm、切り欠き角度:60度)
を採取し、常温での引張特性、シャルピー破面遷移温度
及び−60℃での低温切り欠き引張強度を調査した。
【0033】試験結果の一例を表7〜11に示す。表7
〜11によれば、本発明で規定する化学組成を有する鋼
を、本発明で規定する条件で「熱間圧延−冷却」すれば
所望の降伏強度、靱性及び切り欠き引張強度が得られる
ことが明らかである。
【0034】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の低温鉄筋
用鋼材の製造方法によれば、従来よりも低コストで低温
での靱性と切り欠き引張強度に優れ、且つ降伏強度が高
い低温鉄筋用鋼材を製造することが可能で、低温環境で
使用される場合にも安全性の高い構造用鉄筋を提供する
ことができるので産業上の効果は極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−49021(JP,A) 特開 昭53−89817(JP,A) 特開 平1−143704(JP,A) 特開 平5−228503(JP,A) 特開 昭57−185921(JP,A) 特公 昭62−1454(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 8/06 - 8/08 B21B 1/16,3/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧
    延の各工程からなる低温鉄筋用鋼材の製造方法であっ
    て、重量%で、C:0.10〜0.40%、Si:0.
    05〜0.60%、Mn:0.60〜2.00%、A
    l:0.005〜0.080%を含有し、残部はFe及
    び不可避不純物からなる鋼材を、950〜1250℃の
    温度域に加熱して粗圧延を行い、次いで中間圧延及び/
    または仕上げ圧延のパス間で水冷して鋼材の表面を60
    0〜700℃の温度域に急冷することを1〜5回繰り返
    しながら圧延し、更に、圧延仕上げ温度を750〜95
    0℃の範囲に制御して圧延を終了し、その後0.1〜
    3.0℃/sの冷却速度で400℃未満の温度まで冷却
    することを特徴とする低温鉄筋用鋼材の製造方法。
  2. 【請求項2】圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧
    延の各工程からなる低温鉄筋用鋼材の製造方法であっ
    て、請求項1に記載の成分と含有量、並びに重量%で、
    0.01〜0.20%のV及び0.01〜0.10%の
    Nbの1種以上を含有し、残部はFe及び不可避不純物
    からなる鋼材を、950〜1250℃の温度域に加熱し
    て粗圧延を行い、次いで中間圧延及び/または仕上げ圧
    延のパス間で水冷して鋼材の表面を600〜700℃の
    温度域に急冷することを1〜5回繰り返しながら圧延
    し、更に、圧延仕上げ温度を750〜950℃の範囲に
    制御して圧延を終了し、その後0.1〜3.0℃/sの
    冷却速度で400℃未満の温度まで冷却することを特徴
    とする低温鉄筋用鋼材の製造方法。
  3. 【請求項3】 圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧
    延の各工程からなる低温鉄筋用鋼材の製造方法であっ
    て、請求項1に記載の成分と含有量、及び重量%で、
    B:0.0003〜0.0050%を含有し、残部はF
    e及び不可避不純物からなる鋼材を、950〜1250
    ℃の温度域に加熱して粗圧延を行い、次いで中間圧延及
    び/または仕上げ圧延のパス間で水冷して鋼材の表面を
    600〜700℃の温度域 に急冷することを1〜5回繰
    り返しながら圧延し、更に、圧延仕上げ温度を750〜
    950℃の範囲に制御して圧延を終了し、その後0.1
    〜3.0℃/sの冷却速度で400℃未満の温度まで冷
    却することを特徴とする低温鉄筋用鋼材の製造方法。
  4. 【請求項4】 圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧
    延の各工程からなる低温鉄筋用鋼材の製造方法であっ
    て、請求項1に記載の成分と含有量、及び重量%で、
    B:0.0003〜0.0050%、並びに0.01〜
    0.20%のV及び0.01〜0.10%のNbの1種
    以上を含有し、残部はFe及び不可避不純物からなる鋼
    材を、950〜1250℃の温度域に加熱して粗圧延を
    行い、次いで中間圧延及び/または仕上げ圧延のパス間
    で水冷して鋼材の表面を600〜700℃の温度域に急
    冷することを1〜5回繰り返しながら圧延し、更に、圧
    延仕上げ温度を750〜950℃の範囲に制御して圧延
    を終了し、その後0.1〜3.0℃/sの冷却速度で4
    00℃未満の温度まで冷却することを特徴とする低温鉄
    筋用鋼材の製造方法。
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