JP2015193025A - 圧延用複合ロール - Google Patents
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Abstract
Description
外層を有する圧延用複合ロールであって、
前記外層は、圧延に供される外周面の金属組織が、セメンタイトの面積率が40%〜60%、黒鉛の面積率が0.5%〜2.0%である。
外層を有する圧延用複合ロールであって、
前記外層は、質量%にて、C:3.0%〜4.5%、Si:0%を越えて2.0%以下、Mn:0%を越えて1.5%以下、Ni:3.0%〜5.0%、Cr:1.4%〜4.0%、Mo:0.1%〜3.0%、V:0%を越えて3.0%以下、残部Fe及び不可避的不純物、但し、4.0%≦C+Si/3+Cr/7.5≦5.5%であり、
前記外層の圧延に供される周面の金属組織は、セメンタイトの面積率が40%〜60%である。
本発明の圧延用複合ロールの外層である高合金グレン鋳鉄材の成分限定理由を説明する。なお、以下において、特に明示しない場合、「%」は、質量%である。
Cは、主としてFeと結合してM3C1型炭化物のセメンタイトを形成する。また、黒鉛を晶出させ、耐摩耗性耐クラック性を改善する。Cの含有量が3.0%に満たないと、セメンタイトの面積率を40%〜60%、黒鉛面積率を0.5%〜2.0%にすることができない。また、炭化物の晶出量が不足して、耐摩耗性や耐肌荒れ性が不十分となる。なお、M1C1型炭化物の面積率は、1.5%〜5.5%が好適である。また、Cの含有量が4.5%を越えると、炭化物が過剰に晶出して、炭化物の粗大化を招く。従って、Cは、3.0%〜4.5%とする。望ましくは、3.2%〜3.8%とする。但し、後述するとおり、C、Si、Crは、4.0%≦C+Si/3+Cr/7.5≦5.5%とする。
Siは、溶湯の脱酸剤として必要な元素である。とくに、遠心力鋳造では、湯流れ性の確保のためにも必要である。また、高合金グレン鋳鉄材の場合、黒鉛晶出(一部は析出)の促進元素として必要である。従って、0%超、望ましくは1.0%以上含有させる。しかし、2.0%を超えると脆化して耐クラック性低下の原因となる。従って、2.0%以下とする。望ましくは、1.8%以下とする。
Mnは、溶湯の脱硫剤としてあるいは脱酸剤として溶湯の健全性を向上させるため、および基地組織の強化に必要な元素である。従って0%超、望ましくは0.4%以上含有させる。しかし、1.5%を超えて含有すると、脆化して耐クラック性が低下するため、1.5%以下とする。望ましくは、1.2%以下とする。
Niは、黒鉛晶出の補助元素として、また基地の焼入れ性を改善してベイナイト化を促進し、基地強化を図るのに有効な元素である。3.0%未満ではこのような効果が十分ではなく、高硬度が得られず、耐摩耗性が不十分となる。このため、下限は3.0%とする。望ましくは4.0%以上とする。一方、5%を超えて含まれると残留オーステナイト量が多くなり、熱間圧延中に残留オーステナイトが分解して耐肌荒れ性が低下する。従って、上限は5%とする。望ましくは4.6%以下とする。
Crは、主としてCと結合して晶出セメンタイト中に固溶され、耐摩耗性の向上に寄与する。また、一部は析出炭化物を形成して、基地を強化する。含有量が1.4%に満たないとこのような効果が十分ではない。一方、4.0%を超えて含有すると、黒鉛の晶出及び析出が阻害され、摩擦係数が増大し、耐焼付き性も低下する。このため、圧延材の通板性が損なわれ、ロール表面に圧延材が焼き付くトラブルの原因となる。また、脆化して耐クラック性低下の原因にもなる。従って、含有量は1.4%〜4.0%に規定する。望ましくは、2.0%〜3.5%とする。但し、後述するとおり、C、Si、Crは、4.0%≦C+Si/3+Cr/7.5≦5.5%とする。
Moは、主としてCと結合して晶出セメンタイトの中に固溶し、耐摩耗性の向上に寄与する。また、一部は析出炭化物を形成して、基地を強化する作用を有するため、0.1%以上含有させる。望ましくは、0.2%以上とする。しかし、3.0%を越えると、黒鉛の晶出及び析出が阻害され、摩擦係数が増大し、耐焼付き性も低下する。このため、圧延材の通板性が損なわれてロール表面に圧延材が焼き付いたり、脆化して、耐クラック性低下の原因となる。従って、上限は3.0%以下とする。望ましくは、1.5%以下とする。
Vは、主としてCと結合し、M1C1型の硬質炭化物を形成する。このM1C1型炭化物は耐摩耗性を改善する作用がある。また、これらの元素はミクロ組織を微細化させる作用があり、斑点状偏析を目立ち難くする。一方、含有量があまり多くなると、黒鉛の晶出(一部は析出)が阻害され、摩擦係数の増大と耐焼付き性の低下を招き、圧延材の通板性と耐クラック性が低下する。このため、Vは、0%を越えて3.0%以下含有させる。望ましくは、1.5%〜2.5%とする。
高合金グレン鋳鉄材は、残部実質的にFeであり、溶製時に不可避的に混入する不純物は鋳鉄材の特性に影響を及ぼさない範囲でその含有は許容される。なお、P、Sはいずれも材質の靱性を低下させるため、少ない程好ましく、両者とも0.2%以下に抑えることが望ましい。
Nbは、Cと結合して炭化物を晶出し、耐摩耗性の向上を図るために含有させる。NbとCの結合したM1C1型炭化物は、極めて高硬度であり、耐摩耗性を改善させると共に、基地中に入って基地の強化に寄与するため含有させることが望ましい。一方、M1C1型炭化物であるNbCは溶湯に比べて比重が大きいため、たとえば遠心力鋳造により外層を作製した場合、径大側に偏析してしまう。従って、その上限を2.0%とすることが望ましい。なお、望ましくは、0.01%〜0.5%とする。
BはBNとして黒鉛の晶出時(一部は析出)の核となり、黒鉛を微細化させる。同時にセメンタイトや基地も微細化させる効果があり、斑点状偏析も微細化され、圧延製品への影響も小さくなるため含有させることが望ましい。一方、あまり多く含まれると、黒鉛の晶出(一部は析出)が過多となり、耐肌荒れ性と耐摩耗性の低下を招く。また、Bは焼入れ性を低下させる弊害もあり、高硬度が得難くなる。従って、0.3%以下の範囲で含有させることが望ましい。なお、より望ましくは、0.01%〜0.1%とする。
C、Si、Crは、上記組成の高合金グレン鋳鉄材が凝固する際の基地のデンドライト成長を抑制する目的で、4.0%≦C+Si/3+Cr/7.5≦5.5%とする。このように成分調整を行なうことで、より固液共存域を狭め、液相線温度TLからセメンタイトの晶出温度TFe3Cまでの差ΔTを0≦ΔT≦95℃に調整することができる。
結果を表1に示す。比摩耗量は、小さい程好適であり、15×10−8mm2/kgf以下が好適であり、10×10−8mm2/kgf以下がより望ましい。
Claims (6)
- 外層を有する圧延用複合ロールであって、
前記外層は、圧延に供される周面の金属組織が、セメンタイトの面積率が40%〜60%、黒鉛の面積率が0.5%〜2.0%である、
ことを特徴とする圧延用複合ロール。 - 前記外層は、前記セメンタイトの面積率が、46%〜60%である、
請求項1に記載の圧延用複合ロール。 - 外層を有する圧延用複合ロールであって、
前記外層は、質量%にて、C:3.0%〜4.5%、Si:0%を越えて2.0%以下、Mn:0%を越えて1.5%以下、Ni:3.0%〜5.0%、Cr:1.4%〜4.0%、Mo:0.1%〜3.0%、V:0%を越えて3.0%以下、残部Fe及び不可避的不純物、但し、4.0%≦C+Si/3+Cr/7.5≦5.5%であり、
前記外層の圧延に供される周面の金属組織は、セメンタイトの面積率が40%〜60%である、
ことを特徴とする圧延用複合ロール。 - 前記外層は、さらにNb:0%を越えて2.0%以下を含有する、
請求項3に記載の圧延用複合ロール。 - 前記外層は、さらにB:0%を越えて0.3%以下を含有する、
請求項3又は請求項4に記載の圧延用複合ロール。 - 前記外層の圧延に供される周面の金属組織は、セメンタイトの面積率が46%〜60%であり、黒鉛の面積率が0.5%〜2.0%である、
請求項3乃至請求項5の何れかに記載の圧延用複合ロール。
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