JP4223442B2 - シボ加工性と被削性に優れたプラスチック金型用鋼 - Google Patents

シボ加工性と被削性に優れたプラスチック金型用鋼 Download PDF

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Description

本発明は、良好な被削性を備え、かつシボ加工性に優れたプラスチック金型用鋼に関する。
プラスチック金型の製作コストにおいて、金型の機械加工費が占める割合が大きいため、加工容易性すなわち被削性が求められる。従来、金型用鋼としては、S55C等の機械構造用炭素鋼やSCM440等の機械構造用合金鋼が用いられてきたが、近年、金型製作コストのより一層の低減が求められてきており、被削性を改善した鋼種が種々提案されている。
例えば、特開平8−13088号公報(特許文献1)には、C:0.05〜0.20%の下で適量(0.01〜0.10%)のSを添加し、低Si化することで、溶接熱影響部とその周囲との硬さの差を小さくすることにより被削性の改善やシボむらの発生防止を図った鋼が、また特許第3141735号(特開平9−49067号)公報(特許文献2)には、従来被削性に有害とされてきたSiを0.5〜2.5%と高添加することによって被削性を改善した鋼が、また特開平10−121196号公報(特許文献3)には、Sを0.06〜0.20%と多量に添加するとともに靭性の劣化を防止すべくMn/S比を10〜14に規定した鋼が、また特開2000−303140号公報(特許文献4)には、前記特許文献1の鋼に対してSを0.02〜0.04%に減らす一方、Cを0.20超〜0.30%に増加してパーライト量を増やすと共に焼入性を確保すべくCrを1.30〜1.50%添加した鋼が開示されている。
特開平8−13088号公報 特許第3141735号公報 特開平10−121196号公報 特開2000−303140号公報
しかしながら、近年、単に被削性を改善するだけでなく、成形品の表面品質の向上や離型促進などのために金型表面に硬度なシボ加工が施される場合が多くなり、プラスチック金型用鋼に対して優れたシボ加工性が要求されるようななってきた。
従来の技術においても、低Si化によってある程度のシボ加工ムラの防止が図れれてきたが、優れた被削性とシボ加工性とが兼備するには至っていない。すなわち、特許文献1の鋼では、C量が少ないため、強度を確保しようとすると種々の合金元素の添加が不可欠となり、これらの合金元素の偏析のために十分なシボ加工性が得られない。また、特許文献2の鋼では、高Si化によって被削性を改善するために、シボ加工性に問題があり、十分なシボ加工性が得られているとは言えない。また、特許文献3の鋼は、S量が多く、大形のMnSが圧鍛方向に展伸され易く、良好なシボ加工性が得られいない。また、特許文献4の鋼では、低Si化により、シボ加工性の向上を図っているものの、焼入性を確保するためにCr等の合金元素添加量が多く、十分なシボ加工性が得られていない。
本発明はかかる問題に鑑みなされたもので、優れた被削性とシボ加工性とを兼備したプラスチック金型用鋼を提供することを目的とする。
合金元素量が多くなると、凝固時のミクロ偏析が大きくなり、その結果、鍛造・圧延を行ってもミクロ偏析は完全には消失せず、シボ加工むらが生じ易くなることは従来から報告されていた。もっとも、偏析を助長する元素としては、MnSを生成させるS、P、Si並びに必要以上に添加された場合のCr、Moが知られていた。しかし、本発明者が合金元素の偏折について、詳細に調査したところ、偏析には前記以外の他の元素も影響を及ぼすことと、従来偏析に悪影響を及ぼすと言われていたMoはむしろ偏析を低減してシボ加工性を改善させることを見出した。さらに、被削性を改善するには、大形で球状の硫化物系介在物が所定量以上存在することが重要であり、一方大形であっても展伸された介在物が多くなると、偏析と同様にシボ加工性を低下させることを突き止めた。本発明はかかる知見を基に完成されたものである。
すなわち、本発明のプラスチック金型用鋼は、mass%で、
C :0.25%超,0.40%以下、
Si:0.05%以上,0.50%未満、
Mn:0.9%超,1.5%以下、
P :0.01%以下、
S :0.02%以上,0.08%未満、
Ni:0.05%以上,0.30%以下、
Cr:0.30%以上,1.35%未満、
Mo:002%以上,0.50%未満、
V :0.02%以上,0.30%以下、
Zr:0.02%以上,0.10%以下、
Al:0.035%未満
を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、KおよびCeqを下記式で表したとき、K:0.63以下、Ceq:0.72以上,0.85以下を満足し、
サイズが50μm2以上で、アスペクト比が3.8以下の硫化物系介在物Aを2.5個/mm2 以上で、サイズが50μm2以上で、アスペクト比が7.0以上の硫化物系介在物Bを4.0個/mm2 以下としたものである。
K=0.01(C%)+0.60(Si%)+0.12(Mn%)+3.5(P%)
+4.10(S%)−0.19(Mo%)+0.10(Cr%)−0.10(Ni%)
Ceq=(C%)+(Si%)/10+((Mn%)−32/55×(S%))/5
+(Ni%)/23+(Cr%)/9+(Mo%)/2+(V%)/2
前記プラスチック金型用鋼において、
C :0.25%超,0.35%以下、
S :0.03%以上,0.05%未満、
Ni:0.10%以上,0.20%以下、
Cr:0.50%以上,1.0%未満、
Mo:005%以上,0.25%以下、
V :0.05%以上,0.30%以下、
Al:0.005%未満
K:0.57以下、
Ceq:0.74以上,0.81以下
とすることが好ましく、あるいはさらに硫化物系介在物Aを3.5個/mm2 以上で、硫化物系介在物Bを3.0個/mm2 以下とすることが好ましい。
本発明のプラスチック金型用鋼は、所定成分の下、構成成分元素の偏析傾向を定量化したK値を0.63以下、成分の硬さ(強度)上昇傾向を定量化したCeq値を0.72〜0.85に規定し、さらに被削性、シボ加工性を左右する50μm2以上のサイズの硫化物形介在物について、アスペクト比が3.8以下の球状介在物の個数を2.5個/mm2 以上とし、アスペクト比が7.0以上の展伸状介在物の個数を4.0個/mm2 以下としたので、被削性およびシボ加工性とが共に優れる。
まず、本発明のプラスチック金型用鋼の成分(mass%)限定理由について説明する。
C:0.25%超,0.40%以下
Cは強度確保に必要な元素である。被削性の改善にはC量を低下させることが有効であるが、C量を低下させると、強度が低下し、必要強度を確保するには合金元素の添加量を増大させることが必要となり、シボ加工性が低下する。すなわち、C量が0.25%以下では被削性を損なわない範囲で合金元素を添加しても強度の確保が困難になり、一方0.40%超では被削性が低下する。このため、C量の下限を0.25%(0.25%を含まず。)とし、その上限を0.40%とし、好ましくは0.35%とするのがよい。
Si:0.05%以上,0.50%未満
Siは強度向上元素として、また脱酸元素として0.05%以上添加することが必要であるが、多すぎると偏析、バンド状組織の生成促進によりシボ加工性が低下する。このため、Si量の下限を0.05%、好ましくは0.10%とし、上限を0.50%(0.50%を含まず。)、好ましくは0.40%以下とする。
Mn:0.9%超,1.5%以下
Mnは脱酸と強度確保の観点から重要な元素であり、0.9%以下ではかかる作用が過少であり、一方1.5%超では偏析傾向が著しくなり、バンド組織の生成促進によりシボ加工性が劣化するようになる。このため、Mn量の下限を0.9%(0.9%を含まず。)とし、好ましくは1.0%とするのがよい。一方、その上限を1.5%とし、好ましくは1.4%とするのがよい。
P:0.01%以下
Pは不純物元素で、偏析傾向があり、シボ加工性を低下させるので少ないほどよく、本発明では0.01%以下に止める。
S:0.02%以上、0.08%未満
Sは被削性の向上に有効な元素であるが、多すぎるとシボ加工性を害する。このため、S量の下限を0.02%とし、好ましくは0.03%とするのがよく、その上限を0.08%(0.08%を含まず。)とし、好ましくは0.05%とするのがよい。
Ni:0.05%以上,0.30%以下
Mo:0.02%以上,0.50%以下
NiおよびMoはシボ加工性を低下させずに焼入性を向上させる有効な元素であり、Ni0.05%未満、Mo0.20%未満ではかかる作用が過少であり、一方Ni0.30%超では添加効果が飽和し、コスト高を招来し、またMo0.50%以上では被削性が低下するようになる。このため、Niの下限を0.05%とし、好ましくは0.10%とするのがよく、その上限を0.30%とし、好ましくは0.20%とするのがよい。また、Moの下限を0.02%とし、好ましくは0.05%とするのがよく、その上限を0.50%(0.50%を除く。)とし、好ましくは0.25%とするのがよい。
Cr:0.30%以上,1.35%未満
Crは強度確保の観点から重要な元素であるが、多すぎると偏析傾向が著しくなりシボ加工性が劣化する。このため、Cr量の下限を0.30%とし、好ましくは0.50%とするのがよく、一方その上限を1.35%(1.35%を除く。)とし、好ましくは1.0%(1.0%を除く。)とするのがよい。
V:0.02%以上,0.30%以下
Vは強度向上に不可欠な元素であるだけでなく、強度向上の割りには被削性の低下が小さい元素である。0.02%未満ではかかる作用が過少であり、一方0.30%超添加しても作用が飽和するようになり、原料コスト高を招来する。このため、V量の下限を0.02%とし、好ましくは0.05%とするのがよく、一方その上限を0.30%とし、好ましくは0.20%とするのがよい。
Zr:0.02%以上,0.10%以下
ZrはMnS系介在物を球状化させる作用があり、これによって被削性を向上させると同時に展伸MnSを減少させることができるので、シボ加工性も向上する。0.02%未満ではかかる作用が過少であり、一方0.10%超では前記作用が飽和し、原料コスト高を招来する。このため、Zr量の下限を0.02%とし、好ましくは0.04%とするのがよく、一方その上限を0.10%とし、好ましくは0.08%とするのがよい。
Al:0.035%未満
Alは脱酸元素として添加されることがあるが、Alの添加により酸化物系介在物が硬質なアルミナ系酸化物になり、被削性が低下する。さらに、MnSの生成に影響を及ぼす展伸を促進させて被削性とシボ加工性の低下を招く。このため、少ないほどよいが、本発明では0.035%未満の添加が許容される。好ましくは0.005%未満に止めるのがよい。
K:0.63以下
K=0.01(C%)+0.60(Si%)+0.12(Mn%)+3.5(P%)
+4.10(S%)−0.19(Mo%)+0.10(Cr%)−0.10(Ni%)
K値は凝固時の合金元素のミクロ偏析への影響を表す尺度であり、この値が0.630超では後述の実施例から明らかなように偏析傾向が顕著になり、シボ加工性が劣化するようになる。このため、K値の上限を0.63とし、好ましくは0.57とするのがよい。なお、上記Kを規定する式は、キルド鋼塊の逆V偏析密度は固溶共存相内残溶鋼に働く平均浮力と相関があるとの知見から得られた式(拝田等:「鉄と鋼」、Vol. 67, 1981, p954-958)を基に、係数を発明者等の実験により修正したものである。
Ceq:0.72以上,0.85以下
Ceq=(C%)+(Si%)/10+((Mn%)−32/55×(S%))/5
+(Ni%)/23+(Cr%)/9+(Mo%)/2+(V%)/2
Ceq値は鋼中の合金元素の硬さへの影響をC量に換算して示したもので、後述の実施例から明らかなように、Ceqが0.720未満と低過ぎる場合、安定して必要な硬さ(Hv190〜210)を満足させることができず、一方0.850超と高過ぎる場合、焼戻し温度を高めても硬さがHv210超となって高過ぎる個所が生成し、被削性、シボ加工性が低下するようになる。このため、Ceqの下限を0.72とし、好ましくは0.74とするのがよく、一方その上限を0.85とし、好ましくは0.81とするのがよい。硬さと強度は相関関係があり、本発明鋼では硬さをHv190〜210とすることにより、必要強度が満足される。なお、前記Ceqの式は当業者によく知られた経験式である。
本発明鋼の構成成分は上記のとおりであり、残部Feおよび不可避的不純物よりなる。上記成分のほか、被削性、シボ加工性を向上させる元素とし、Cu,Pb,Bi,REM,Nb,Tiを適量(合計で4%以下程度)添加してもよい。また、上記成分では硫化物系介在物の形態制御元素としてZrを挙げたが、他にもCa,Mg,Te,Seなどが考えられる。もっとも、Caについては大形酸化物を生成しやすくなり、シボ加工性や疲労強度を低下させることがあるので注意が必要である。
本発明鋼の組織は、基本的にフェライトおよびパーライトの二相組織であるが、本発明者の実験により、組織中に存在する硫化物系介在物の内、サイズが50μm2以上の大形介在物については、被削性およびシボ加工性への影響が特に大きいことが分かった。
被削性の改善には大形で球状の硫化物系介在物が多数存在することが有効であり、本発明では、後述の実施例から明らかなようにアスペクト比が3.8以下の球状硫化物系介在物Aの個数を2.5個/mm2 以上、好ましくは3.5個/mm2 以上とする。一方、大形で展伸された硫化物系介在物が多数存在すると、展伸された部分とその周りの部分との被削性が異なるため、シボ加工性が劣化する。このため、後述の実施例から明らかなようにアスペクト比が7.0以上の球状硫化物系介在物Bの個数を4.0個/mm2 以下、好ましくは3.0個/mm2 以下とする。
なお、前記硫化物系介在物とは、MnSに代表されるMn系の硫化物が主体となるが、Zr,Ca,Mg,Te,Seの硫化物も対象となる。また、これらの複合硫化物でもよい。あるいはさらに、その他の元素で硫化物に含有されることが知られているFe,Cr,Ti,Oを含んだものでもよい。
本発明のプラスチック金型用鋼の製造に際しては、所定成分の鋼を溶製し、その鋳造片に熱間鍛造を施した後、必要に応じて焼準を行った後、硬度をHv190〜210に調整すべく焼き戻しが施される。特に、硫化物系介在物のサイズを制御するには、成分的にはZrの作用が大きいが、製造上は鋳造時の冷却速度の制御や、熱間鍛造の鍛造温度、鍛圧比を制御することが有効である。その他、脱酸元素の制御によってもサイズのコントロールが可能である。
代表的な製造方法は以下の通りである。電気炉において、原料を投入して成分調整を行った後、取鍋精錬と真空処理を行う。取鍋精錬と真空処理の主な目的は、被削性などに有害な酸化物系介在物を低減することにある。その後、鋼塊に鋳造する。鋳造速度はMnSのサイズコントロールに有効であり、大型化には鋳造速度を遅く、例えば15℃/min以下、好ましくは10℃/min以下程度にする。鋳造後、1100℃以上に加熱・保持した後、鍛造加工される。MnSの大形球状化には加熱温度を高めることが有効である。また、加熱にあたっては、鋼塊内部まで十分に温度が上昇する様にすることが必要である。更に、鍛造加工の途中で再加熱することもMnSの大形球状化には有効である。鍛造加工に際しての鍛圧比は、製品の要求仕様によって異なり、内部品質を確保するためには、ある程度以上の鍛圧比が必要であるが、MnSの大形化のためには、必要以上に上昇させないようにすることが望ましい。例えば、2〜4程度の鍛圧比にすること、好ましくは2〜3程度にすることが推奨される。また、逆方向からの鍛造加工を追加することは、内部品質を確保しながらMnSの展伸を抑制して大形球状化を確保する上で有効である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はかかる実施例によって限定的に解釈されるものではない。
表1に示す成分を実験用の真空誘導加熱炉で溶解し、鋳造後、鋳造時の平均冷却速度を制御して凝固させ、得られた鋳造片を100mm×l00mmの角材に熱間鍛造した。鋳造時の平均冷却速度、熱間鍛造における加熱温度及び平均の鍛圧比を表2に併せて示す。
得られた鍛造片を880℃×2hの焼準を行った後、焼戻しを行った。この際、焼戻し温度T、焼戻し後の冷却速度CRは標準的な範囲(T:580〜640℃、CR:1〜5℃/min )で調整した。
上記のようにして製造された鋼材を用いて、その表面から25mm深さ部位から組織観察試験片、シボ加工性試験片、切削試験片を採取した。
組織観察は硫化物系介在物のサイズ、形態を観察する目的で画像解析機能を有するEPMAを用いて実施された。1サンプル当りの被顕面積を約120mm2 とし、介在物1個当りの面積、長径と短径を測定し、アスペクト比(長径/短径)を求めた。表2にはサイズが50μm2以上の大径の硫化物で、アスペクト比が3.8以下のものAとアスペクト比が7.0以上のものBの個数を示した。
切削試験は、超硬工具を使用したフライス試験を行い、エ具磨耗量が2mmになる切削長さを工具寿命として評価した。切削条件は、回転数=1050rpm、送り速度=250mm/min 、切り込み=5mm、切削幅=15mmのダウンカットとした。
シボ加工性は、試験片に対して、#2000番までペーパー研磨した後、塩化第2鉄水溶液によってエッチングを施し、触針式の粗さ測定機を用いて表面粗さを測定することにより評価した。測定結果Ra(nm)を表2に併せて示す。
Figure 0004223442
Figure 0004223442
表1および表2より、本発明にかかる成分、硫化物の個数条件を満足する発明例は、被削性およびシボ加工性が共に優れている。しかし、成分条件を満足しても製造条件が不適当な試料No. 32、34では硫化物の個数条件が満足されず、切削長が13.8m、13.6mであり、被削性はまずまずであったが、シボ加工性が著しく劣化した。

Claims (3)

  1. mass%で、
    C :0.25%超,0.40%以下、
    Si:0.05%以上,0.50%未満、
    Mn:0.9%超,1.5%以下、
    P :0.01%以下、
    S :0.02%以上,0.08%未満、
    Ni:0.05%以上,0.30%以下、
    Cr:0.30%以上,1.35%未満、
    Mo:002%以上,0.50%未満、
    V :0.02%以上,0.30%以下、
    Zr:0.02%以上,0.10%以下、
    Al:0.035%未満
    を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、KおよびCeqを下記式で表したとき、K:0.63以下、Ceq:0.72以上,0.85以下を満足し、
    サイズが50μm2以上で、アスペクト比が3.8以下の硫化物系介在物Aが2.5個/mm2 以上で、サイズが50μm2以上で、アスペクト比が7.0以上の硫化物系介在物Bが4.0個/mm2 以下である、シボ加工性と被削性に優れたプラスチック金型用鋼。
    K=0.01(C%)+0.60(Si%)+0.12(Mn%)+3.5(P%)
    +4.10(S%)−0.19(Mo%)+0.10(Cr%)−0.10(Ni%)
    Ceq=(C%)+(Si%)/10+((Mn%)−32/55×(S%))/5
    +(Ni%)/23+(Cr%)/9+(Mo%)/2+(V%)/2
  2. 請求項1に記載した成分において、
    C :0.25%超,0.35%以下、
    S :0.03%以上,0.05%未満、
    Ni:0.10%以上,0.20%以下、
    Cr:0.50%以上,1.0%未満、
    Mo:005%以上,0.25%以下、
    V :0.05%以上,0.30%以下、
    Al:0.005%未満
    であり、
    K:0.57以下、
    Ceq:0.74以上,0.81以下
    を満足する、請求項1に記載したプラスチック金型用鋼。
  3. 硫化物系介在物Aが3.5個/mm2 以上で、硫化物系介在物Bが3.0個/mm2 以下である、請求項1又は2に記載したプラスチック金型用鋼。
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