JPH1113072A - 地下室構造体およびその施工方法 - Google Patents

地下室構造体およびその施工方法

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JPH1113072A
JPH1113072A JP9164664A JP16466497A JPH1113072A JP H1113072 A JPH1113072 A JP H1113072A JP 9164664 A JP9164664 A JP 9164664A JP 16466497 A JP16466497 A JP 16466497A JP H1113072 A JPH1113072 A JP H1113072A
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JP
Japan
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slab
precast concrete
wall
concrete
cast
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JP9164664A
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English (en)
Inventor
Takeshi Koshii
健 越井
Yoshikatsu Matsumoto
義勝 松本
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Koshii and Co Ltd
Original Assignee
Koshii and Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建設コストの低減を図った上で地下室のレイ
アウトを自由に選択し得るようにする。 【解決手段】 所定形状のPC壁版2を、敷地内に掘削
された縦穴の底部の捨てコンクリート層上に順次隣接配
置することによって得られる地下室構造体1であって、
複数のPC壁版2が配置された状態でPC壁版2同士の
相互に当接していない部分が場所打ちコンクリート版3
によって補完され、かつ、PC壁版2と場所打ちコンク
リート版3とで囲繞された捨て捨てコンクリート層上に
は土間スラブ4が形成され、PC壁版2と場所打ちコン
クリート版3との頂部には、枠組壁工法または丸太組工
法によって構築される木造建築物の基礎となる土台5が
敷設されているとともに、対向した上記土台5間に所定
本数の根太51が架橋され、この根太51および土台5
上に一体に合板52が敷設されることによって床組み5
aが形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生活空間または物
品収納空間として利用される鉄筋コンクリート製の地下
室構造体およびその施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、生活空間の充実を目指して、一戸
建ての居住用住宅にも地下室を設けることが行われるよ
うになっている。地下室を設けることで、狭い敷地面積
を有効に利用することができるとともに、住環境の充実
を図ることが可能であり、今後地下室の需要はますます
増加すると考えられる。従来、地下室は、敷地の所定部
分に縦穴を掘削した後、縦穴の底部に基礎杭を打ち込
み、ついで縦穴内で配筋工事を施してからコンクリート
打設用の枠組みを組み立て、この枠組み内にコンクリー
トを流し込む、いわゆる打設工事が施された後、長い養
生期間を経て完成されるものが一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来の地下室工事は非常に面倒であり、多くの人手と
費用がかかるばかりか工期も長く、これらがネックにな
って地下室の普及を遅らせている。
【0004】このような不都合を解消するものとして、
特開平3−76933号公報、特開平8−92973号
公報、特開平8−92974号公報等には、工場で大量
に生産する、いわゆるユニット式の地下室が提案されて
いる。このユニット式の地下室は、予め地下室の立体形
状を複数に分断した鉄筋コンクリート製の地下室ブロッ
クを工場で大量生産し、これらの地下室ブロックを建築
現場に運び込み、予め掘削された縦穴に継ぎ足しながら
埋設することによって形成されるものであり、従来の建
築現場での一連の作業の多くを省略することができるた
め、建設コストの低減および工期の短縮が実現する。
【0005】しかしながら、上記各公報に開示された地
下室ブロックを採用する方式にあっては、各ブロックが
非常に大きく、工場で大量生産を行うことが困難である
ばかりか、工場内での取り扱いや建築現場までの運搬が
容易ではなく、さらに、現場施工時に大型の作業機械が
必要になる等、全体的に建設コストが期待した程には削
減されるものではない。
【0006】また、地下室ブロックを採用する方式にあ
っては、地下室は、地下室ブロックの大きさの整数倍の
容積のものになるため、敷地環境等にマッチした所望の
容積や立体形状の地下室を設けることができず、地下室
レイアウトを任意に行う上での自由度が小さいという新
たな問題点が提起される。
【0007】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、建設コストの低減を図った
上で地下室のレイアウトを自由に選択し得る地下室構造
体およびその施工方法を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
地下室構造体は、内部に鉄筋が埋設された所定形状のプ
レキャストコンクリート壁版を、敷地内に掘削された縦
穴の底部基礎上に順次隣接配置することによって得られ
る地下室構造体であって、複数のプレキャストコンクリ
ート壁版が配置された状態で必要に応じてプレキャスト
コンクリート同士の相互に当接していない部分が内部に
鉄筋の埋設された場所打ちコンクリート版によって補完
され、かつ、上記プレキャストコンクリート壁版と上記
場所打ちコンクリート版とで囲繞された上記底部基礎上
には内部に鉄筋の埋設された土間スラブが形成され、上
記プレキャストコンクリート壁版と上記場所打ちコンク
リート版との頂部には、枠組壁工法または丸太組工法に
よって構築される木造建築物の基礎となる土台が敷設さ
れているとともに、対向した上記土台間に所定本数の根
太が架橋され、この根太および上記土台上に一体に合板
が敷設されることによって床組みが形成されていること
を特徴とするものである。
【0009】この地下室構造体によれば、敷地内に掘削
された縦穴の底部基礎上にプレキャストコンクリート壁
版を配設し、プレキャストコンクリート同士の相互に当
接していない部分に場所打ちコンクリート版を配置する
とともに、これらプレキャストコンクリート壁版および
場所打ちコンクリート版の頂部に土台を設けることによ
って地下室構造体が形成される。このようにして形成さ
れた地下室構造体は、それ自身で地下室を構成すること
ができるとともに、土台および根太等からなる床組みを
介して土台上に構築される枠組壁工法または丸太組工法
による木造建造物の基礎として利用することが可能にな
る。
【0010】そして、予め工場生産されるプレキャスト
コンクリート壁版と、現地で施工される場所打ちコンク
リート版とによって地下室構造体が形成されているた
め、従来、場所打ちのみでは建設コストが嵩み、かつ、
工期が長引くという問題点が解消されるとともに、プレ
キャストコンクリート壁版のみでは、地下室の広さが規
格化されたプレキャストコンクリート壁版のサイズによ
って制約され、地下室レイアウトの自由度が少なくなる
という問題点も解消される。
【0011】また、地下室構造体は、下部が鉄筋コンク
リート製の土間スラブによって、また頂部が土台と根太
と合板とが一体化した床組みによって緊結された状態に
なっているため、ベイ周縁に敷設されたプレキャストコ
ンクリート壁版の頂部が不揃いになり、これによって地
下室の壁面が傾いた状態になったり、上部に構築される
建造物の基礎としての役割を果たし得なくなるという不
都合が確実に防止される。
【0012】すなわち、請求項1の地下室構造体は、在
来工法の優れた点と、プレキャストコンクリート壁版を
用いた工法との優れた点とを組み合わせたものになって
おり、それぞれの短所が相互に補い合わされることによ
り、建設コストを安価に抑えた上で、自由にレイアウト
し得るものになっている。
【0013】本発明の請求項2記載の地下室構造体は、
請求項1記載の地下室構造体において、上記プレキャス
トコンクリート壁版は、水平方向に延びる平板状の基底
部と、この基底部の略中央部から上方に向けて立設され
た直立部とから構成されていることを特徴とするもので
ある。
【0014】この地下室構造体によれば、プレキャスト
コンクリート壁版は、平板状の基底部の存在で基礎上に
安定して立設させ得るものになっており、これによって
地下室構造体の施工が容易になる。
【0015】本発明の請求項3記載の地下室構造体は、
請求項1または2記載の地下室構造体において、上記プ
レキャストコンクリート壁版の両側端面には、側端面同
士が当接した状態のプレキャストコンクリート壁版同士
を互いに締結固定するコネクターが設けられていること
を特徴とするものである。
【0016】この地下室構造体によれば、両側端面同士
を当接させたプレキャストコンクリート壁版同士をコネ
クタで連結することにより、プレキャストコンクリート
壁版同士は互いに締結固定され、これによって得られた
地下室構造体は一体化して構造的強度が向上したものに
なる。
【0017】本発明の請求項4記載の地下室構造体は、
請求項3記載の地下室構造体において、上記コネクタ
は、表面側が上記プレキャストコンクリート壁版の側端
面と面一状態になるようにプレキャストコンクリート壁
版に取り付けられる金属板と、この金属板と一体でプレ
キャストコンクリート壁版内に埋設されるアンカーロッ
ドとから構成され、上記金属板には、中心部分に対角線
に沿う斜め長孔が穿設されているとともに、この金属板
の裏面側のコンクリート部分には、ボルトまたはナット
を外部から挿入し得る切込み部が形成されていることを
特徴とするものである。
【0018】この地下室構造体によれば、プレキャスト
コンクリート壁版の側端面同士を当接させた状態で、一
方のプレキャストコンクリート壁版のコンクリート部分
に設けられた切込み部を介してボルトを金属板の斜め長
孔に挿通し、他方のプレキャストコンクリート壁版の金
属板の斜め長孔から他方の切込み部にボルトの先端部分
を突出させた状態で、これにナットを螺着締結すること
により、互いに隣接したプレキャストコンクリート壁版
同士は連結固定される。
【0019】本発明の請求項5記載の地下室構造体は、
請求項1乃至4のいずれかに記載の地下室構造体におい
て、上記プレキャストコンクリート壁版の両側端面に
は、膨潤ゴムからなるシール材が貼設されていることを
特徴とするものである。
【0020】この地下室構造体によれば、隣接するプレ
キャストコンクリート壁版同士が結合された状態で、両
プレキャストコンクリート壁版の側端面間にシール材が
介設された状態になるため、プレキャストコンクリート
壁版の側縁面間の隙間を介した地下室構造体内への雨水
等の侵入が防止される。
【0021】本発明の請求項6記載の地下室構造体は、
請求項1乃至5のいずれかに記載の地下室構造体におい
て、上記プレキャストコンクリート壁版の両側端面に
は、上下方向に延びるシール溝が凹設され、一のプレキ
ャストコンクリート壁版と他のプレキャストコンクリー
ト壁版との側端面が相互に当接された状態で上記シール
溝内にモルタルが注入されていることを特徴とするもの
である。
【0022】この地下室構造体によれば、隣接するプレ
キャストコンクリート壁版同士が結合された状態で、両
プレキャストコンクリート壁版の側端面に凹設されたシ
ール溝にモルタルが注入されているため、このモルタル
に阻止されてプレキャストコンクリート壁版の側縁面間
の隙間を介した地下室構造体内への雨水等の侵入が防止
される。
【0023】本発明の請求項7記載の地下室構造体は、
請求項1乃至6のいずれかに記載の地下室構造体におい
て、上記プレキャストコンクリート壁版および場所打ち
コンクリート版の内のいずれか一方または双方は、一部
のものの高さ寸法が標準的なものの高さ寸法よりも低め
に寸法設定されていることを特徴とするものである。
【0024】この地下室構造体によれば、標準的な高さ
寸法よりも低めの高さ寸法を有するプレキャストコンク
リート壁版または場所打ちコンクリート版を適宜標準的
なものの間に介在させることにより、この部分を地下室
の明かり取り用および換気用の開口部として利用するこ
とが可能になり、地下室内を生活し易い環境にする上で
有効である。
【0025】本発明の請求項8記載の地下室構造体の施
工方法は、内部に鉄筋が埋設された所定形状のプレキャ
ストコンクリート壁版を、敷地内に掘削された縦穴の底
部基礎上に順次隣接配置することによっ地下室構造体を
構築する地下室構造体の施工方法であって、上記縦穴の
底部に砕石および防湿シートを敷設した後、上記防湿シ
ート上に捨てコンクリート層を形成する捨てコンクリー
ト層形成工程と、上記捨てコンクリート層上に複数のプ
レキャストコンクリート壁版を配置するプレキャストコ
ンクリート壁版据付工程と、プレキャストコンクリート
壁版据付工程で形成されたプレキャストコンクリート同
士が相互に当接していない部分に配筋を行った後、この
配筋の周囲に型枠を組み付けてこの型枠内に生コンクリ
ートを流し込むコンクリート版場所打ち工程と、上記プ
レキャストコンクリート壁版と上記場所打ちコンクリー
ト版とで囲繞された上記捨てコンクリート層上に鉄筋を
配筋した後、この配筋に生コンクリートを打設して土間
スラブを形成する土間スラブ打ち工程と、上記プレキャ
ストコンクリート壁版と上記場所打ちコンクリート版と
の頂部には、枠組壁工法または丸太組工法によって構築
される木造建築物の基礎となる土台を敷設する土台敷設
工程と、対向した土台間に所定本数の根太を架橋してこ
の根太と上記土台との上に一体に合板を敷設して床組み
を形成する床組み形成工程とを備えて構成されているこ
とを特徴とするものである。
【0026】この地下室構造体の施工方法によれば、捨
てコンクリート層形成工程において、敷地に掘削された
縦穴の底部に砕石および防湿シートが敷設された後、防
湿シート上に生コンクリートが流し込まれることによっ
て捨てコンクリート層が形成され、ついで、プレキャス
トコンクリート壁版据付工程において、捨てコンクリー
ト層上に複数のプレキャストコンクリート壁版が配置さ
れ、その後、コンクリート版場所打ち工程において、プ
レキャストコンクリート同士が相互に当接していない部
分に配筋が施された後、この配筋の周囲に型枠が組み付
けられ、この型枠内に生コンクリートが供給されてプレ
キャストコンクリート壁版が形成され、さらに、土間ス
ラブ打ち工程において、プレキャストコンクリート壁版
と場所打ちコンクリート版とで囲繞された捨てコンクリ
ート層上に鉄筋が配筋された後、この配筋に生コンクリ
ートが打設されて土間スラブが形成され、最後に、土台
敷設工程において、プレキャストコンクリート壁版と場
所打ちコンクリート版との頂部に、枠組壁工法または丸
太組工法によって構築される木造建築物の基礎となる土
台が敷設されて地下室構造体が完成する。
【0027】そして、予め工場生産されるプレキャスト
コンクリート壁版と、現地で施工される場所打ちコンク
リート版とによって地下室構造体が形成されているた
め、従来、場所打ちのみでは建設コストが嵩み、かつ、
工期が長引くという問題点が解消されるとともに、プレ
キャストコンクリート壁版のみでは、地下室の広さが規
格化されたプレキャストコンクリート壁版のサイズによ
って制約され、地下室レイアウトの自由度が少なくなる
という問題点も解消される。
【0028】また、床組み形成工程において地下室構造
体の頂部に床組みが設けられるため、地下室構造体は、
下部が鉄筋コンクリート製の土間スラブによって、また
頂部が土台と根太と合板とが一体化した床組みによって
緊結された状態になり、これによってベイ周縁に敷設さ
れたプレキャストコンクリート壁版の頂部が不揃いにな
ることにが防止され、これによって地下室の壁面が傾い
た状態になったり、上部に構築される建造物の基礎とし
ての役割を果たし得なくなるという不都合が確実に防止
される。
【0029】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る地下室構造
体1の一実施形態を示す斜視図である。この図に示すよ
うに、地下室構造体1は、地下室10の壁面を構成する
PC(プレキャストコンクリート)壁版2と、このPC
壁版2間に介設される場所打ちコンクリート版3と、ベ
イ11(耐力壁に囲繞された平面部分、本実施形態で
は、PC壁版2および場所打ちコンクリート版3によっ
て囲まれた矩形状の平面部分)に形成される土間スラブ
4と、上記ケーシング2および底蓋3の頂部に設けられ
る木材製の土台5とを備えた基本構成を有している。
【0030】そして、所定の敷地Gに地下室10の立体
形状に沿い、かつ、立体形状よりも若干大きめの縦穴が
掘削(根切り工事)され、この縦穴の穴壁に当接するよ
うに矢板Sが張り巡らされた状態で、矢板Sから内側に
若干離間した部分に上記PC壁版2が配設されるととも
に、所定のPC壁版2間に寸法調整用としての場所打ち
コンクリート版3が形成され、ついでベイ11に土間ス
ラブ4が設けられることによって本発明に係る地下室構
造体1が形成されている。地下室構造体1が縦穴内に形
成された状態で構造体の外壁面と上記矢板Sとの間には
土砂が充填される。上記矢板Sは、縦穴の内周面に沿う
ように所定ピッチで立設された複数本のI型鋼材からな
る支柱材Iの溝間に挟持されている。また、縦穴の深さ
寸法は、PC壁版2の高さ寸法の略65%に設定され、
これによって敷地Gに地下室構造体1が埋設されるとそ
の略35%が地表から突出した状態になっている。
【0031】このようにして形成された本実施形態の地
下室構造体1は、所定の内装を行った上でそれ自体が地
下室10として利用されるとともに、枠組壁工法(いわ
ゆるツーバイフォー通称されている工法)あるいは丸太
組壁工法(いわゆるログハウスと通称されている建造物
を建てる工法)による木造建築物の基礎として利用され
るものである。
【0032】図2は、PC壁版2の内の標準壁版2aの
一実施形態を示す一部切欠き斜視図である。なお、図2
において、X−X方向を幅方向、Y−Y方向を前後方向
といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方
向を前方、+Y方向を後方という。図2に示すように、
標準壁版2aは、予め型に生コンクリートを流し込むこ
とによって大量生産されるものであり、水平方向に延び
る平面視で矩形板状の基底部21と、この基底部21の
前方寄りの部分に立設された幅方向に延びる直立部22
とからなっている。上記基底部21によって標準壁版2
aのベイ11外周への配設が安定して行われるようにな
っている。
【0033】上記基底部21および直立部22内には縦
横に鉄筋23が配筋され、これによって標準壁版2aの
構造的な強度が大きくなるようにしている。また、基底
部21には、所定本数のアンカーロッド24の基端側が
埋設され、その先端側が基底部21の後端面から後方に
向かって突出されている。この後方に突出したアンカー
ロッド24によって、後に詳述する土間スラブ4とPC
壁版2との結合状態が強化されるようにしている。
【0034】また、上記直立部22の頭頂部22aに
は、複数本のアンカーボルト25の基端側が埋設され、
これによって頭頂部22aからアンカーボルト25の先
端側の螺設部が上方に向かって突出した状態になってい
る。このアンカーボルト25は、上記土台5を標準壁版
2aの頭頂部22aに固定するためのものである。
【0035】そして、本実施形態においては、一つのベ
イ11に係る互いに対向した土台5間に所定ピッチで複
数本の根太51が架橋され、さらにこれらの根太51と
上記土台5上に釘止め等によって合板52が固定され、
これら土台5と根太51と合板52とで床組み5aが形
成されている。かかる床組み5aをPC壁版2の頂部に
形成することによって、敷設された複数のPC壁版2の
頂部が相互に一体化し、これによってPC壁版2の頂部
が不揃いになるのを確実に防止するようにしている。
【0036】また、上記直立部22の幅方向の両側縁面
22bには、上下方向に延びるシール溝26が凹設され
ている。このシール溝26は、エポキシ樹脂を流し込む
ためのものであり、複数のPC壁版2を直立部22の側
縁面22bが相互に当接するように直列配置した状態
で、互いに対向したシール溝26内に流動状態のエポキ
シ樹脂を流し込んで固まらせ、これによって隣接するP
C壁版2間の隙間を埋めるようにしている。
【0037】また、複数のPC壁版2を隣接配置するに
際し、予め側縁面22bに膨潤ゴム等のシール材7が貼
着され、これによって地下室構造体1が完成した状態
で、PC壁版2間の隙間から雨水や地下水等が地下室1
0内に侵入するのが防止されるようにしている。上記シ
ール材7の厚み寸法は、本実施形態においては、5mm
よりも若干厚めに寸法設定され、これによって側縁面2
2b同士間の隙間寸法が10mm未満になるように隣接
するPC壁版2同士を隣接配置すれば、それぞれのシー
ル材7同士が弾性変形した状態で密着され、これによっ
てPC壁版2間のシール効果が向上するようにしてい
る。
【0038】さらに、上記直立部22の側縁面22bに
は、所定の上部位置および下部位置のそれぞれに前後方
向一対の切込み部22cが形成され、この切込み部22
cのそれぞれに、隣接したPC壁版2接続用の締緊金具
であるコネクター6が装着され、当接したコネクター6
同士を締結することによって隣接したPC壁版2が一体
に結合されるようにしている。
【0039】なお、上記標準壁版2aは、上下寸法が略
3mの長尺標準壁版と、上下寸法が略2mの短尺標準壁
版との2種類が容易されている。短尺標準壁版は、長尺
標準壁版間に挟持された状態で配設され、これによって
長尺標準壁版間の上部に形成された上部開口部分を地下
室10の高窓15として利用し、この高窓15によって
地下室10の採光および換気を行い得るようにするとと
もに、緊急避難時の脱出口としても役立たせるようにし
ている。
【0040】図3は、コネクター6の一実施形態を示す
斜視図であり、(イ)は一対のコネクター6が互いに対
向した状態、(ロ)は対向した一対のコネクター6が締
結された状態をそれぞれ示している。図3に示すよう
に、コネクター6は、側面視でコ字状を呈したコ字状部
材(金属板)61と、このコ字状部材61に溶接止めさ
れた4本のアンカーロッド62と、互いに対向した一対
のコ字状部材61を締結するボルト63およびナット6
4をと備えて形成されている。
【0041】上記コ字状部材61は、平板部61aと、
この平板部61aの上下端縁から幅方向に延設された一
対の翼部61bとからなっており、上記アンカーロッド
62は、2本ずつが幅方向に延びるように各翼部61b
に固定されている。そして、各アンカーロッド62は、
それぞれの翼部61bに取り付けられた状態で、その端
面がコ字状部材61の表面と略面一状態になるように取
り付け位置が設定されている。
【0042】また、上記平板部61aには、その中心を
挟んで対角線に沿って延びる斜め長孔61cが穿設され
ており、図3の(イ)に示すように、コ字状部材61の
表面側同士を互いに対向させた状態で、各斜め長孔61
cに側板63を挿通してナット64で螺着締結すること
により、図3の(ロ)に示すように、各コネクター6同
士が一体に連結固定されるようになっている。
【0043】そして、ボルト63を通す孔は、上記のよ
うに斜め長孔61cにしているため、一対のコ字状部材
61の表面同士を対向させた状態では、それぞれの斜め
長孔61c同士は「×印」のように相互に重なり合い、
その交点部分にボルト63を通すことができ、互いに対
向したコネクター6間で相互に位置狂いが存在しても、
それぞれの斜め長孔61cにボルト63を挿通すること
が可能になる。
【0044】このようなコネクター6は、コ字状部材6
1の表面がPC壁版2の側縁面22bと面一状態にな
り、かつ、アンカーロッド62がPC壁版2のコンクリ
ート中に埋設されるようにシール溝26を挟んで複数段
でPC壁版2に設けられている。そして、コネクター6
が設けられている部分のPC壁版2には端縁から内側に
向かって切り込まれた状態の切込み部22cが設けら
れ、この切込み部22cを介してボルト63およびナッ
ト64が互いに当接した一対のコネクター6に装着され
るようになっている。
【0045】従って、PC壁版2を各側縁面22bが互
いに当接するようにベイ11の周囲に順次配設しつつ、
互いに当接した一対のコネクター6の斜め長孔61cに
ボルト63を挿通してからナット64で螺着締結するこ
とにより、隣接したPC壁版2同士が順次結合されてい
くことになる。
【0046】図4は、PC壁版2の内の仕切壁版2bの
一実施形態を示す一部切欠き斜視図である。なお、図4
において、X−X方向を幅方向、Y−Y方向を前後方向
といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方
向を前方、+Y方向を後方という。
【0047】図4に示すように、仕切壁版2bは、直立
部22から前後方向に同一の長さ寸法で突設されて形成
された前後方向一対の基底部21aを有しているととも
に、各基底部21aの先端縁部から互いに反対方向に突
設された複数のアンカーロッド24を有している。仕切
壁版2bのその他の構成は、先の標準壁版2aと同様で
ある。この仕切壁版2bは、図1に示すように、2室に
仕切られた地下室10の仕切り壁用に用いられるもので
あり、前方および後方への倒れ防止作用を均等にするた
めに前後の基底部21aの前後長寸法が同一に設定され
ている。
【0048】図5は、PC壁版2の内の隅部壁版2cの
一実施形態を示す一部切欠き斜視図である。なお、図5
において、X−X方向を幅方向、Y−Y方向を前後方向
といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方
向を前方、+Y方向を後方という。
【0049】図5に示すように、隅部壁版2cは、地下
室10の隅部に適用されるPC壁版2であり、標準壁版
2aと同一寸法の第1直立部221とこの第1直立部2
21に直交した同一寸法の第2直立部222とからなる
平面視でL字形状の直立部220を有している。そし
て、両者の下端部の内角側に突出量が大きい方の基底部
21bが突設されているとともに、外角側に突出量が小
さい方の基底部21bが突設され、これによって隅部壁
版2cが標準壁版2aに隣接配置された状態で、両者の
高されべルが揃うようになっている。なお、基底部21
bには、上記アンカーロッド24は設けられていない。
隅部壁版2cのその他の構成は、先の標準壁版2aと同
様である。この隅部壁版2cを用いることにより、地下
室構造体1の隅部の構造的強度が大きくなる。
【0050】図6は、場所打ちコンクリート版3および
土間スラブ4の配筋状態の一実施形態を示す斜視図であ
る。この図に示すように、PC壁版2は、縦穴の底に敷
設された砕石層12と、この砕石層12上を被覆したポ
リエチレン製の防湿シート13と、この防湿シート13
上に略厚み寸法が50mmになるように敷き詰められた
捨てコンクリート層(底部基礎)14とからなる基層の
上面であって、かつ、ベイ11の外周に沿って敷設され
ている。
【0051】なお、捨てコンクリート層14上のPC壁
版2を配設する部分に、空練りモルタルを厚さ20mm
程度になるように施工することが好ましい。こうするこ
とによって捨てコンクリート層14の上面とPC壁版2
の基底部21の底面との間に隙間が生じないようにする
ことができる。そして複数のPC壁版2を捨てコンクリ
ート層14上に配設した状態で、地下室10の平面寸法
によっては規格寸法のPC壁版2を採用することができ
ない半端な部分が発生する。
【0052】本発明においては、上記半端な部分を、場
所打ちコンクリート版3によって補完するようにしてい
る。そのために、一のPC壁版2の側端面と、他のPC
壁版2の側端面との間に、図6に示すような場所打ちコ
ンクリート版3用の鉄筋(壁用鉄筋31)が配筋され、
ついで、所定の木枠が組み付けられた後、この木枠内に
生コンクリートを流し込むことによって場所打ちコンク
リート版3(図1に点描で表示)を形成するようにして
いる。かかる場所打ちコンクリート版3を採用すること
によって、PC壁版2のみでは任意の地下室10の平面
寸法に対応することができないという不都合が解消さ
れ、PC壁版2を利用した地下室構築の寸法設定の自由
度が向上する。
【0053】また、上記防湿シート13上には、土間ス
ラブ4用の鉄筋(スラブ用鉄筋31)が配筋され、つい
でこのスラブ用鉄筋41が配筋された部分に生コンクリ
ートが流し込まれることによって土間スラブ4が形成さ
れている。上記スラブ用鉄筋41は、上記PC壁版2の
下部のアンカーロッド24に針金等によって締結される
下部鉄筋42と、PC壁版2の基底部21の上面に配置
される上部鉄筋43とを備えて形成され、これら下部鉄
筋42および上部鉄筋43とによって土間スラブ4の構
造的な強度を向上させるようにしている。
【0054】図7は、本発明に係る地下室構造体1の施
工方法の一実施形態を示す工程図である。以下、図7お
よび必要に応じて図1〜図6を参照しつつ地下室構造体
1の施工方法について説明する。本発明に係る施工方法
は、図7に示すように、土留め工事P1、根切り工事P
2、地業工事P3、床下防湿工事P4、捨てコンクリー
ト工事P5、敷モルタル工事P6、PC壁版据付工事P
7、コンクリート版場所打ち工事P8、PC壁版接合部
防水工事P9、土間スラブ打ち工事P10、および埋戻
し工事P11とからなっている。
【0055】上記地業工事P3、床下防湿工事P4およ
び捨てコンクリート工事P5によって本発明の捨てコン
クリート層形成工程が形成されている。また、上記PC
壁版据付工事P7によって本発明のプレキャストコンク
リート壁版据付工程が形成されている。また上記コンク
リート版場所打ち工事P8によって本発明のコンクリー
ト版場所打ち工程が形成されている。
【0056】上記土留め工事P1は、地下室10の施工
を行うべき地面において、掘削された縦穴が崩れないよ
うにする工事であり、予め平面視で環状の溝を掘削し、
この溝の外方内周面に所定ピッチで支柱材Iを立設した
後、この支柱材Iの溝間に矢板Sを上下に複数段になる
ように嵌め込んでいく工事である。通常、上記環状溝は
PC壁版2の高さ寸法の略2/3の深さに掘削され、こ
の溝底に支柱材Iが突き立てられる。この工事を確実に
施工しておくことにより、降雨等の障害があっても土砂
崩れ等の発生が阻止され、以後の工事の安全性が確保さ
れる。また、この工事においては、後の型枠設置に支障
をきたさないように、矢板Sの位置が立設されるPC壁
版2の直立部22から略500mm外側の位置になるよ
うに支柱材Iの設置位置が設定される。
【0057】上記根切り工事P2は、土留め工事P1に
おいて矢板Sの敷設された敷地内を作業機械によって掘
削して縦穴を得る工事である。この工事においては、基
礎の地盤を乱さないように慎重に掘削工事が進められ
る。掘削深さは、PC壁版2の略2/3に設定される。
掘削が完了した時点で地盤の地耐力が所定の方法で測定
される。地耐力が5t/m2を越えている場合は地盤と
して良好であるためつぎの工事に進められ、地耐力が5
t/m2未満の場合は、所定の地盤強化の方策が講じら
れる。
【0058】上記地業工事P3は、根切り工事P2にお
いて掘削された縦穴の底に砕石を敷く工事である。この
工事においては、矢板Sから略500mmの間隔を空け
てそれより内側の敷地上に略100mmの厚み寸法にな
るように砕石が敷き詰められ、これによって平坦な砕石
層12(図6)が形成される。
【0059】上記床下防湿工事P4は、上記地業工事P
3において形成された砕石層12の表面にポリエチレン
製の防湿シート13(図6)を被せる工事である。こう
することによって土壌の湿気の地下室生活空間への上昇
を遮断することができる。本実施形態においては、防湿
シート13として0.1mmの厚み寸法のものが採用さ
れている。
【0060】上記捨てコンクリート工事P5は、上記床
下防湿工事P4において形成された防湿シート13上に
コンクリートを敷設して捨てコンクリート層14を形成
する工事である。この工事によって地下室10の実質的
な床面が形成される。捨てコンクリート層14の厚み寸
法は略50mmに設定され、表面は木ごて等を用いて平
坦な水平面にされる。またコンクリートは、強度が18
0kgf/cm2以上のものが採用される。コンクリー
ト敷設後は、相当期間をかけた適切な養生処理が施され
る。
【0061】上記敷モルタル工事P6は、上記捨てコン
クリート工事P5において形成された捨てコンクリート
層14上のPC壁版2を敷設する部分にモルタルを敷い
てモルタル層を形成する工事である。モルタル層を形成
することによって、PC壁版2を捨てコンクリート層1
4上に配置した状態で、PC壁版2の基底部21底面と
捨てコンクリート層14表面との間の隙間が塞がれ、雨
水や地下水等の侵入が防止される。
【0062】上記モルタルは、本実施形態においては、
セメントと砂との比率が「1:3」の空練りモルタルが
採用され、この空練りモルタルが厚み寸法略20mmに
なるように施工されている。そして、モルタル施工後
に、PC壁版2の配設位置を明示するための墨出し処理
が施される。この墨出し処理は、水糸を張設することに
よって行われ、PC壁版2の基底部21の外側部分が対
応する外周部基準線と、同内側部分が対応する内周部基
準線とが張設される。また、内周部基準線のさらに内側
100mmの位置に内周部基準線に平行に逃げ墨が表示
され、この逃げ墨と実際に配設されたPC壁版基底部2
1の縁部との距離を目視観察することによってPC壁版
2の配設状態の適否を判定し易くしている。
【0063】上記PC壁版据付工事P7は、上記敷モル
タル工事P6において捨てコンクリート層14上に敷か
れたモルタル層の上に順次上記内外周基準線に合わせて
PC壁版2を据え付けていく工事である。
【0064】このPC壁版据付工事P7においては、ク
レーン車等の作業機械を用いて第1番目のPC壁版2を
吊上げ、ついで捨てコンクリート層14上の上記外周部
基準線と内周部基準線との間を目指して徐々に吊下げて
いき、基底部21が外周部基準線と内周部基準線との間
に位置するようにPC壁版2を据え付ける。そして、一
旦据え付け処理が終わった後、PC壁版2の水平度が水
準器によって検査され、所定の水平度が得られない場合
は、所定の水平度が得られるまで吊上げおよび吊下げ処
理が繰り返される。
【0065】第1番目のPC壁版2が捨てコンクリート
層14上に据え付けられた後、第2番目のPC壁版2が
上記と同様の操作で第1番目のPC壁版2の隣に配設さ
れる。このとき、2番目のPC壁版2は、その側縁面2
2b(図2)が1番目のPC壁版2の側縁面22bと1
0mm離間した状態になるように据え付けられる。こう
することによって、各側縁面22bに貼設されたシール
材7同士が弾性変形した状態で相互に密着され、これに
よって隣接するPC壁版2間のシール効果が向上する。
第3番目以降のPC壁版2についても同様に捨てコンク
リート層14上に順次据え付けられる。
【0066】そして、全てのPC壁版2が捨てコンクリ
ート層14上に据え付けられた後、PC壁版2の切込み
部22c(図2、図3)に設けられている、互いに対向
したコネクター6(図3)の斜め長孔61cにボルト6
3が差し通され、ついでナット64で締結されることに
よって隣接したPC壁版2同士は相互に一体に緊結され
た状態になる。その後、上記切込み部22cにエポキシ
樹脂を含有したモルタルが充填され、これによってボル
ト63による締結部分が外部から遮断されてこの部分の
腐食が抑止される。
【0067】上記コンクリート版場所打ち工事P8は、
上記PC壁版据付工事P7においてPC壁版2を据え付
けることができなかった半端な部分を補完するための工
事であり、PC壁版2間の間隙部分のシール材7間に、
予め決められた配筋設計に従って縦横に所定の鉄筋が配
筋され、ついで型枠が組み付けられた後、生コンクリー
トを型枠内に流し込むコンクリート打設処理が行われ
る。生コンクリートには予め防水機能を有するコンクリ
ート混和剤が混入され、これによってPC壁版2そのも
のの耐水性を向上させるようにしている。
【0068】また、生コンクリートの流し込み作業時に
は、バイブレーター等の打設器具が用いられ、型枠内に
満遍なく生コンクリートが行き渡るようにしている。養
生期間は、気温が15℃以上のときは3日、5℃以下の
ときは5日が目安として採用され、この目安を基準とし
てローカルコンディションに応じて決められる。
【0069】そして、型枠内への生コンクリートの打設
処理が完了した後、上記所定の養生期間の経過を待って
型枠が取り除かれ、PC壁版2との対向部分に耐水性向
上のためのエポキシ樹脂を含有したモルタルが充填され
る。
【0070】なお、このコンクリート版場所打ち工事P
8において、配筋処理時に隣接したPC壁版2のコネク
ター6の斜め長孔61cにボルトを挿通し、かつ、この
ボルトの頭部を適所の鉄筋に溶接止めするようにしても
よい。こうすることによって、場所打ちコンクリート版
3が形成された後、上記ボルトにナットを螺着して締結
することにより、場所打ちコンクリート版3とPC壁版
2との結合状態がより確実なものになる。この場合、ボ
ルトとナットとが存在するPC壁版2の切込み部22c
に上記モルタルが充填される。
【0071】そして、上記PC壁版据付工事P7と、こ
のコンクリート版場所打ち工事P8とが完了した後、P
C壁版2の頂部に土台5が敷設される(土台敷設工
程)。この土台5の敷設に先立って、各土台5にはPC
壁版2の頂部に設けられたアンカーボルト25に対応す
る貫通孔が穿設されており、この貫通孔を上記アンカー
ボルト25に外嵌してナットで締結することにより土台
5がPC壁版2に取り付けられる。そして、互いに対向
した土台5間に所定本数の根太51(図1)が架橋さ
れ、ついでこれらの根太51および上記土台5上に合板
52が敷設されることによって床組み5aが形成される
(床組み形成工程)。地下室構造体1が完成してからこ
の床組み上に丸太組工法や枠組壁工法の木造建造物が構
築される。
【0072】上記PC壁版接合部防水工事P9は、上記
コンクリート版場所打ち工事P8において完成したPC
壁版2および場所打ちコンクリート版3とからなる耐力
壁の隣接したPC壁版2間のシール溝26に、主剤と硬
化剤とを所定の混合割合で混合したエポキシ樹脂を注入
する工事である。
【0073】この工事を行うことによって、エポキシ樹
脂の硬化後にPC壁版2間の隙間が完全に塞がれた状態
になり、上記シール材7との相加作用でPC壁版2間の
隙間の防水効果が確実になる。
【0074】上記土間スラブ打ち工事P10は、捨てコ
ンクリート層14のベイ11上に配筋した後、生コンク
リートを打設する工事であり、この工事によって地下室
10の実質的な床面が形成される。この工事は、配設さ
れたPC壁版2の基底部21のベイ11側端面にシール
材を貼設することから始められる。そして、シール材の
貼設後に、まず所定の鉄筋を用いて下部鉄筋42(図
6)が配筋される。この下部鉄筋42の配筋時には、各
鉄筋の端部がPC壁版2の下部のアンカーロッド24
(図2)に溶接その他で結合され、これによって下部鉄
筋42の配筋状態が確実に行われるとともに、下部鉄筋
42とPC壁版2との結合状態が良好になるようにして
いる。
【0075】ついで、所定の鉄筋を用いた上部鉄筋43
の配筋処理が施される。この上部鉄筋43の配筋に当っ
ては、各鉄筋は端部がPC壁版2の基底部21上面に載
るように長さ寸法が設定され、これによって各鉄筋を縦
横にベイ11上に配筋した状態で、各鉄筋が互いに対向
した基底部21上に載置された状態の上部鉄筋43が形
成される。そして、上記下部鉄筋42と上部鉄筋43と
で2層構造のスラブ用鉄筋41が配筋された状態にな
る。
【0076】このようなスラブ用鉄筋41が捨てコンク
リート層14上に形成された状態で、生コンクリートが
流し込まれ、所定期間の養生の後、場所打ちコンクリー
ト版3が形成される。なお、この場所打ちコンクリート
版3に用いられるコンクリートの種類や、養生等につい
ては、上記PC壁版据付工事P7の場合と同様である。
そして、上記養生が完了することによって本実施形態に
係る、PC壁版2と、場所打ちコンクリート版3と、土
間スラブ4と、土台5とからなる地下室構造体1が得ら
れる。
【0077】そして最後に、埋戻し工事P11が実行さ
れ、地盤に影響が生じない場合には上記支柱材Iおよび
矢板Sが取り除かれ、地盤に影響が生じるときには支柱
材Iおよび矢板Sはそのまま残された状態で、地下室構
造体1の外周に形成されている環状溝が土砂で埋められ
る。なお、支柱材Iおよび矢板Sを残留させた場合に
は、これらは、いわゆる埋め殺しにされる。
【0078】図8は、本発明の地下室構造体1の上部に
建造物が構築された状態を例示する斜視図である。この
図に示す例では、地下室構造体1の土台5を基礎とし
て、丸太組工法による、いわゆるログハウス8が構築さ
れている。そして、このログハウス8の地下室として、
地下室構造体1の内部が利用されている。
【0079】このように、本発明に係る地下室構造体1
を、丸太組工法の木造建造物の基礎として利用すること
により、上記木造建造物専用の基礎を別途施工すること
なく、本来、地下室10用のものである地下室構造体1
を基礎として地下室10と兼用することが可能になり、
その分地下室10を備えた木造建造物の建設コストの低
減化を図ることが可能になる。
【0080】そして、地下室構造体1の構成要素である
PC壁版2は、地下室の壁面を形成する直立部22の底
部に平板状の基礎部21を備えて側面視で逆T字形状に
形成されているためPC壁版2の据え付け状態が安定す
るとともに、並設されたPC壁版2の各基礎部21はそ
れぞれが土間スラブ4によって一体化され、かつ、同各
直立部22の頂部は床組み5aによってそれぞれが一体
化され、さらに各直立部22同士はコネクター6によっ
て強固に締結され、これらによって都下室構造体1は、
全体的に一体化した直方体の箱状になっている。従っ
て、地下室構造体1は、構造的に強度が極めて大きく、
耐震性にも優れたものになっており、その上への丸太組
工法による木造建造物の構築は非常に好適である。
【0081】また、地下室構造体1は、上下方向の略1
/3が地表上に露出するように施工されるため、この部
分に高窓15を設けて明かり取り用にしたり、換気用に
することができ、地下室10の居住環境を良好なものに
する上で好都合である。
【0082】本発明は、上記の実施形態に限定されるも
のではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0083】(1)上記の実施形態においては、PC壁
版2として、地下室10の標準的な外壁材としての標準
壁版2aと、地下室10内に配設される仕切壁版2b
と、地下室10の隅部に適用される隅部壁版2cとの3
種類が採用され、特に標準壁版2aについては標準上下
寸法の直立部22を有するものと、短めの直立部22を
有するものとの2種類が採用されて合計4種類が利用さ
れているが、本発明は、PC壁版2が4種類であること
に限定されるものではなく、各壁版2a,2b,2cの
水平幅寸法が異なるものや、平面視でT字形状のものを
採用する等、5種類以上のPC壁版を適用してもよい。
【0084】(2)上記の実施形態においては、隣接配
置されたPC壁版2同士は、ボルト止めされるコネクタ
ー6によって相互に結合されるようにしているが、ボル
ト止めに代えてフック等を係合することのみによってP
C壁版2同士を結合するようにしてもよい。こうするこ
とによって、ボルトの締結操作が省略され、地下室構造
体1施工の工期短縮を図り得るようになる。
【0085】(3)上記の実施形態においては、支柱材
Iおよび矢板Sは敷地内に埋め殺しにされているが、本
発明は、支柱材Iおよび矢板Sを埋め殺しにすることに
限定されるものではなく、敷地の状態が良好であり、か
つ、地下室構造体1の施工後に支柱材Iおよび矢板Sを
取り除いても地盤に影響が生じないことが明らかな場合
は、支柱材Iおよび矢板Sを取り除いてから環状溝に土
砂を埋め戻すようにしてもよい。
【0086】(4)上記の実施形態においては、地下室
構造体1の上部には図8に示すように丸太組工法による
ログハウス8が構築されているが、本発明は、地下室構
造体1の上部に構築される建造物が丸太組工法によるも
のに限定されるものではなく、枠組壁工法による建造物
を構築してもよい。
【0087】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の地下室構造体に
よれば、敷地内に掘削された縦穴の底部基礎上にプレキ
ャストコンクリート壁版を配設し、プレキャストコンク
リート同士の相互に当接していない部分に場所打ちコン
クリート版を配置するとともに、これらプレキャストコ
ンクリート壁版および場所打ちコンクリート版の頂部に
土台を設けることによって地下室構造体が形成される。
このようにして形成された地下室構造体は、それ自身で
地下室を構成することができるとともに、土台および根
太等からなる床組みを介して土台上に構築される枠組壁
工法または丸太組工法による木造建造物の基礎として利
用することができる。
【0088】そして、予め工場生産されるプレキャスト
コンクリート壁版と、現地で施工される場所打ちコンク
リート版とによって地下室構造体が形成されているた
め、従来、場所打ちのみでは建設コストが嵩み、かつ、
工期が長引くという問題点を解消することができるとと
もに、プレキャストコンクリート壁版のみでは、地下室
の広さが規格化されたプレキャストコンクリート壁版の
サイズによって制約され、地下室レイアウトの自由度が
少なくなるという問題点をも解消することができ、在来
工法の優れた点と、プレキャストコンクリート壁版を用
いた工法との優れた点とを組み合わせたものになってお
り、それぞれの短所が相互に補い合わされることによ
り、建設コストを安価に抑えた上で、自由に地下室をレ
イアウトすることができる。
【0089】本発明の請求項2記載の地下室構造体によ
れば、プレキャストコンクリート壁版を、水平方向に延
びる平板状の基底部と、この基底部の略中央部から上方
に向けて立設された直立部とから構成したため、プレキ
ャストコンクリート壁版は、平板状の基底部の存在で基
礎上に安定して立設させ得るものになっており、これに
よって地下室構造体を容易に施工することができる。
【0090】本発明の請求項3記載の地下室構造体によ
れば、プレキャストコンクリート壁版の両側端面には、
側端面同士が当接した状態のプレキャストコンクリート
壁版同士を互いに締結固定するコネクターを設けたた
め、両側端面同士を当接させたプレキャストコンクリー
ト壁版同士をコネクタで連結することにより、プレキャ
ストコンクリート壁版同士は互いに締結固定され、これ
によって得られた地下室構造体を構造的に頑丈なものに
することができる。
【0091】本発明の請求項4記載の地下室構造体によ
れば、プレキャストコンクリート壁版の側端面同士を当
接させた状態で、一方のプレキャストコンクリート壁版
のコンクリート部分に設けられた切込み部を介してボル
トを金属板の斜め長孔に挿通し、他方のプレキャストコ
ンクリート壁版の金属板の斜め長孔から他方の切込み部
にボルトの先端部分を突出させた状態で、これにナット
を螺着締結することにより、互いに隣接したプレキャス
トコンクリート壁版同士を容易に、かつ、強固に連結固
定することができる。
【0092】本発明の請求項5記載の地下室構造体によ
れば、プレキャストコンクリート壁版の両側端面に膨潤
ゴムからなるシール材を貼設したため、隣接するプレキ
ャストコンクリート壁版同士が結合された状態で、両プ
レキャストコンクリート壁版の側端面間にシール材が介
設された状態になり、プレキャストコンクリート壁版の
側縁面間の隙間を介した地下室構造体内への雨水等の侵
入を防止することができる。
【0093】本発明の請求項6記載の地下室構造体によ
れば、プレキャストコンクリート壁版の両側端面に上下
方向に延びるシール溝を凹設し、一のプレキャストコン
クリート壁版と他のプレキャストコンクリート壁版との
側端面が相互に当接された状態でシール溝内にモルタル
を注入したため、このモルタルに阻止されてプレキャス
トコンクリート壁版の側縁面間の隙間を介した地下室構
造体内への雨水等の侵入を確実に防止することができ
る。
【0094】本発明の請求項7記載の地下室構造体によ
れば、プレキャストコンクリート壁版および場所打ちコ
ンクリート版の内のいずれか一方または双方の一部の高
さ寸法を、標準的なものの高さ寸法よりも低めに寸法設
定したため、標準的な高さ寸法よりも低めの高さ寸法を
有するプレキャストコンクリート壁版または場所打ちコ
ンクリート版を適宜標準的なものの間に介在させること
により、この部分を地下室の明かり取り用および換気用
の開口部として利用することができ、地下室内を生活し
易い環境にする上で有効である。
【0095】本発明の請求項8記載の地下室構造体の施
工方法によれば、捨てコンクリート層形成工程におい
て、敷地に掘削された縦穴の底部に砕石および防湿シー
トが敷設された後、防湿シート上に生コンクリートが流
し込まれることによって捨てコンクリート層が形成さ
れ、ついで、プレキャストコンクリート壁版据付工程に
おいて、捨てコンクリート層上に複数のプレキャストコ
ンクリート壁版が配置され、その後、コンクリート版場
所打ち工程において、プレキャストコンクリート同士が
相互に当接していない部分に配筋が施された後、この配
筋の周囲に型枠が組み付けられ、この型枠内に生コンク
リートが供給されてプレキャストコンクリート壁版が形
成され、さらに、土間スラブ打ち工程において、プレキ
ャストコンクリート壁版と場所打ちコンクリート版とで
囲繞された捨てコンクリート層上に鉄筋が配筋された
後、この配筋に生コンクリートが打設されて土間スラブ
が形成され、最後に、土台敷設工程において、プレキャ
ストコンクリート壁版と場所打ちコンクリート版との頂
部に、枠組壁工法または丸太組工法によって構築される
木造建築物の基礎となる土台が敷設されて地下室構造体
を完成させることができる。
【0096】そして、予め工場生産されるプレキャスト
コンクリート壁版と、現地で施工される場所打ちコンク
リート版とによって地下室構造体が形成されているた
め、従来、場所打ちのみでは建設コストが嵩み、かつ、
工期が長引くという問題点を解消することができるとと
もに、プレキャストコンクリート壁版のみでは、地下室
の広さが規格化されたプレキャストコンクリート壁版の
サイズによって制約され、地下室レイアウトの自由度が
少なくなるという問題点をも解消することができる。
【0097】また、床組み形成工程において地下室構造
体の頂部に床組みが設けられるため、地下室構造体は、
下部が鉄筋コンクリート製の土間スラブによって、また
頂部が土台と根太と合板とが一体化した床組みによって
緊結された状態になり、これによってベイ周縁に敷設さ
れたプレキャストコンクリート壁版の頂部が不揃いにな
ることにが防止され、これによって地下室の壁面が傾い
た状態になったり、上部に構築される建造物の基礎とし
ての役割を果たし得なくなるという不都合を確実に防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る地下室構造体の一実施形態を示す
一部切欠き斜視図である。
【図2】PC壁版の内の標準壁版の一実施形態を示す一
部切欠き斜視図である。
【図3】コネクターの一実施形態を示す斜視図であり、
(イ)は一対のコネクターが互いに対向した状態、
(ロ)は対向した一対のコネクターが締結された状態を
それぞれ示している。
【図4】PC壁版の内の仕切壁版の一実施形態を示す斜
視図である。
【図5】PC壁版の内の隅部壁版の一実施形態を示す斜
視図である。
【図6】場所打ちコンクリート版および土間スラブの配
筋状態の一実施形態を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る地下室構造体の施工方法の一実施
形態を説明するための工程図である。
【図8】本発明の地下室構造体の上部に建造物が構築さ
れた状態を例示する斜視図である。
【符号の説明】
1 地下室構造体 11 ベイ 12 砕石層 13 防湿シート 14 捨てコンクリート層(底部基礎) 15 高窓 2 PC壁版 2a 標準壁版 2b 仕切壁版 2c 隅部壁版 21,220 基底部 221 第1直立部 222 第2直立部 22a 頭頂部 22b 側縁面 22c 切込み部 23 鉄筋 24 アンカーロッド 25 アンカーボルト 26 シール溝 3 場所打ちコンクリート版 31 壁用鉄筋 4 土間スラブ 41 スラブ用鉄筋 42 下部鉄筋 43 上部鉄筋 5 土台 5a 床組み 51 根太 52 合板 6 コネクター 61 コ字状部材(金属板) 61a 平板部 61b 翼部 61c 斜め長孔 62 アンカーロッド 63 ボルト 64 ナット I 支柱材 S 矢板 G 敷地 P1 土留め工事 P2 根切り工事 P3 地業工事 P4 床下防湿工事 P5 捨てコンクリート工事(コンクリート層形成工
程) P6 敷モルタル工事 P7 PC壁版据付工事(プレキャストコンクリート壁
版据付工程) P8 コンクリート版場所打ち工事(コンクリート版場
所打ち工程) P9 PC壁版接合部防水工事 P11 埋戻し工事

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に鉄筋が埋設された所定形状のプレ
    キャストコンクリート壁版を、敷地内に掘削された縦穴
    の底部基礎上に順次隣接配置することによって得られる
    地下室構造体であって、複数のプレキャストコンクリー
    ト壁版が配置された状態で必要に応じてプレキャストコ
    ンクリート同士の相互に当接していない部分が内部に鉄
    筋の埋設された場所打ちコンクリート版によって補完さ
    れ、かつ、上記プレキャストコンクリート壁版と上記場
    所打ちコンクリート版とで囲繞された上記底部基礎上に
    は内部に鉄筋の埋設された土間スラブが形成され、上記
    プレキャストコンクリート壁版と上記場所打ちコンクリ
    ート版との頂部には、枠組壁工法または丸太組工法によ
    って構築される木造建築物の基礎となる土台が敷設され
    ているとともに、対向した上記土台間に所定本数の根太
    が架橋され、この根太および上記土台上に一体に合板が
    敷設されることによって床組みが形成されていることを
    特徴とする地下室構造体。
  2. 【請求項2】 上記プレキャストコンクリート壁版は、
    水平方向に延びる平板状の基底部と、この基底部の略中
    央部から上方に向けて立設された直立部とから構成され
    ていることを特徴とする請求項1記載の地下室構造体。
  3. 【請求項3】 上記プレキャストコンクリート壁版の両
    側端面には、側端面同士が当接した状態のプレキャスト
    コンクリート壁版同士を互いに締結固定するコネクター
    が設けられていることを特徴とする請求項1または2記
    載の地下室構造体。
  4. 【請求項4】 上記コネクタは、表面側が上記プレキャ
    ストコンクリート壁版の側端面と面一状態になるように
    プレキャストコンクリート壁版に取り付けられる金属板
    と、この金属板と一体でプレキャストコンクリート壁版
    内に埋設されるアンカーロッドとから構成され、上記金
    属板には、中心部分に対角線に沿う斜め長孔が穿設され
    ているとともに、この金属板の裏面側のコンクリート部
    分には、ボルトまたはナットを外部から挿入し得る切込
    み部が形成されていることを特徴とする請求項3記載の
    地下室構造体。
  5. 【請求項5】 上記プレキャストコンクリート壁版の両
    側端面には、膨潤ゴムからなるシール材が貼設されてい
    ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の
    地下室構造体。
  6. 【請求項6】 上記プレキャストコンクリート壁版の両
    側端面には、上下方向に延びるシール溝が凹設され、一
    のプレキャストコンクリート壁版と他のプレキャストコ
    ンクリート壁版との側端面が相互に当接された状態で上
    記シール溝内にモルタルが注入されていることを特徴と
    する請求項1乃至5のいずれかに記載の地下室構造体。
  7. 【請求項7】 上記プレキャストコンクリート壁版およ
    び場所打ちコンクリート版の内のいずれか一方または双
    方は、一部のものの高さ寸法が標準的なものの高さ寸法
    よりも低めに寸法設定されていることを特徴とする請求
    項1乃至6のいずれかに記載の地下室構造体。
  8. 【請求項8】 内部に鉄筋が埋設された所定形状のプレ
    キャストコンクリート壁版を、敷地内に掘削された縦穴
    の底部基礎上に順次隣接配置することによっ地下室構造
    体を構築する地下室構造体の施工方法であって、上記縦
    穴の底部に砕石および防湿シートを敷設した後、上記防
    湿シート上に捨てコンクリート層を形成する捨てコンク
    リート層形成工程と、上記捨てコンクリート層上に複数
    のプレキャストコンクリート壁版を配置するプレキャス
    トコンクリート壁版据付工程と、プレキャストコンクリ
    ート壁版据付工程で形成されたプレキャストコンクリー
    ト同士が相互に当接していない部分に配筋を行った後、
    この配筋の周囲に型枠を組み付けてこの型枠内に生コン
    クリートを流し込むコンクリート版場所打ち工程と、上
    記プレキャストコンクリート壁版と上記場所打ちコンク
    リート版とで囲繞された上記捨てコンクリート層上に鉄
    筋を配筋した後、この配筋に生コンクリートを打設して
    土間スラブを形成する土間スラブ打ち工程と、上記プレ
    キャストコンクリート壁版と上記場所打ちコンクリート
    版との頂部には、枠組壁工法または丸太組工法によって
    構築される木造建築物の基礎となる土台を敷設する土台
    敷設工程と、対向した土台間に所定本数の根太を架橋し
    てこの根太と上記土台との上に一体に合板を敷設して床
    組みを形成する床組み形成工程とを備えて構成されてい
    ることを特徴とする地下室構造体の施工方法。
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