JPH07111060B2 - コンクリート製組立型地下室およびその施工方法 - Google Patents

コンクリート製組立型地下室およびその施工方法

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JPH07111060B2
JPH07111060B2 JP2150304A JP15030490A JPH07111060B2 JP H07111060 B2 JPH07111060 B2 JP H07111060B2 JP 2150304 A JP2150304 A JP 2150304A JP 15030490 A JP15030490 A JP 15030490A JP H07111060 B2 JPH07111060 B2 JP H07111060B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は住宅の地下室として好適なコンクリート製組立
型地下室およびその施工方法にかかわり、特に複数のプ
レキャストコンクリート製ブロックを箱型に一体化して
なる地下ユニットによって形成した地下室およびその施
工方法に関するものである。
「従来の技術」 近年における住宅事情の悪化などから、一般の住宅にお
いても地下室を設置することが行なわれるようになって
きた。
従来、住宅の地下室は、地下収蔵庫として構成されたも
のが多いため、その構造も例えば容器状のカプセルを、
地面に掘った穴の中にアンカーボルトを介して据え付
け、穴を埋め戻してなる構成のものなどであった(例え
ば特公平1−15663号地下庫およびその製造方法」参
照)。
しかし、このような構成の地下室は、地下収蔵庫として
機能された構成であるため、全体的に内部の大きさが小
さく、住宅の居室として要求される機能を十分満足させ
るものではなかった。したがって、近年では、地下室を
コンクリート造りとして部屋全体を大型化する傾向にあ
る。
このような鉄筋コンクリート製の地下室は、例えば現場
打ちコンクリートにより築造されたものが一般的であ
る。これは、まず、パワーショベル等を用いて地下室の
敷地よりやや広めに掘削工事を行ない、次に、その底部
に砂利等を敷いて、該砂利等を敷いた上にコンクリート
を打設して、いわゆる基礎コンクリートの施工を行な
う。
そして、床鉄筋を格子状に配設して、この床鉄筋にコン
クリートを打設し、このとき、側壁が立設される位置に
側壁の鉄筋に連設される突出筋をコンクリートの表面か
ら突出するように配設しておく。
次に、床部のコンクリートが固まった後に、その所定の
位置に突出した突出筋に側壁の縦筋を連結し、これら側
壁の縦筋に、横筋を連結して、側壁の鉄筋を施工する。
次いで、施工した側壁の鉄筋の両側に型枠を組立てて、
その中にコンクリートを打設して側壁を施工する。
そして、側壁のコンクリートが固まった後に、型枠を解
体し、側壁の外側の空間を埋めて完成させるものであ
る。
「発明が解決しようとする課題」 しかしながら、従来の地下室の技術においては、その施
工作業が現場打ちコンクリートの施工作業となるため、
現場での作業能率が悪く、工期が長くなるなどの難点が
あった。
しかも、現場打ちコンクリートによる施工作業では、側
壁を構築する場合に、側壁鉄筋の両側に型枠を組立てる
ための空間を設けなければならず、施工面積よりも広め
に地盤を掘り下げなければならず、コスト高になるなど
の問題点があった。
そこで、本発明者等はこれらの問題点を解決すべく鋭意
研究した結果、地下室全体をプレキャストコンクリート
製ブロックの接合により築造すれば、現場での作業能率
が向上し、またブロックの据え付けだけで地下室が形成
されるので、掘削面積も少なくてすむとの考えに至っ
た。
しかしながら、単に地下室の内部を区画し、それぞれを
ブロックに分割してもブロック自身の大きさが大型化
し、またブロックどうしの接合作業が新たに必要となる
などの解決すべき課題を残されている。
また、地下室をプレキャストコンクリート製とした場合
には、その防水について特に配慮しなければならず、防
水作業によって現場での作業能率が悪くなるなどの課題
も残されている。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、その目的
とするところは、単純な構造によってプレキャストコン
クリート製ブロックからなる地下室を容易に形成するこ
とができ、また現場での防水作業の能率も向上させるこ
とのできるコンクリート製組立型地下室およびその施工
方法を提供することにある。
「課題を解決するための手段」 かかる目的を達成するために本発明の地下室は、底板部
およびこの底板部の周囲を囲む側板部により上面が開口
した矩形箱型の地下ユニットを、その幅方向に複数隣接
した状態で並べ、隣接する地下ユニットどうしを相互に
接合し一体化してなるコンクリート製組立型地下室であ
って、前記地下ユニットをこの地下ユニットの長手方向
に直交する面で分割された複数のプレキャストコンクリ
ート製ブロックにより構成するとともに、これらブロッ
クを金属製締結部材により一体化し、しかも前記ブロッ
クの底板部および側板部の外面にそれぞれこれら外面全
部を覆う防水層ならびに当該防水層全面を覆う保護層を
設けたことを特徴とするものである。
また、本発明にかかる地下室の施工方法では、底板部お
よびこの底板部の周囲を囲む側板部により上面が開口し
た矩形箱型の地下ユニットを、その幅方向に複数隣接し
た状態で並べ、隣接する地下ユニットどうしを相互に接
合し一体化してなるコンクリート製組立型地下室の施工
方法であって、前記地下ユニットを、その長手方向に直
交する複数の面で分割して、底板部および相対向する側
板部からなる縦断面U字型の本体部と、底板部およびこ
の底板部の周囲3面を囲む側板部からなる妻壁部とに分
け、これら各部をそれぞれプレキャストコンクリートに
より本体ブロックと妻壁ブロックとして製造するととも
にこれら本体ブロックおよび妻壁ブロックの底板部およ
び側板部の外面にそれぞれこれら外面全部を覆う防水層
ならびに当該防水層全面を覆う保護層を設けておき、こ
れらブロックのうち妻壁ブロックの間に本体ブロックを
配置して各ブロックを基礎部に据え付け、隣接するブロ
ックどうしを相互に一体に接続することを特徴とするも
のである。
「作用」 本発明によれば、地下ユニットを、その長手方向に直交
する面で分割する形態の複数のプレキャストコンクリー
ト製ブロックにより築造し、これらブロックを、根切り
穴の内部に据え付け、地下ユニットの長さ方向に連結す
ることにより、地下ユニットの施工ができるので、現場
での組立てを容易に実施することができる。
しかも本発明では、前記ブロックを構成する底板部およ
び側板部の外面にそれぞれこれら外面全部を覆う防水層
ならびに当該防水層全面を覆う保護層を設けてあるた
め、現場での防水作業を簡略化することができる。
「実施例」 以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
第1図はこの発明にかかる組立型コンクリート製地下室
の施工方法を示す工程図、第2図はこの施工方法に用い
られる地下室構築用ブロックの一構造例を示すものであ
る。
まず、これら第1図および第2図を参照して、本発明に
より施工方法を実施する際の基本的な考え方を説明す
る。地下室をプレキャストコンクリート製とした場合に
問題となるのは、単に築造すべき地下室の内部を区画
し、それぞれをブロックに分割してもブロック自身の大
きさが大型化し、またその種類も多くなり、現場での施
工作業が複雑化し、また現場での防水作業が面倒になる
ことである。
そこで、本発明では、築造すべき地下室として、底板部
およびこの底板部の周囲を囲む側板部により上面が開口
した矩形箱型の地下ユニット(実施例では2形態の地下
ユニット1、2)から構成し、この際、現場へのブロッ
クの運搬性、ブロック据え付けの際の作業性等を考慮
し、その運搬性、施工性を良好にする目的で、前記地下
ユニット1、2を、それぞれ地下ユニットの長手方向に
直交する複数の面で分割された縦断面U字型の本体ブロ
ック10、20と、地下ユニットの両端を構成する妻壁ブロ
ック11、21とから構成したことに第1の特徴がある。
また、本発明では、第2図に示すように、現場での防水
作業を考慮して、本体ブロック10、20および妻壁ブロッ
ク11、21の各底板部および側板部の外面にそれぞれこれ
ら外面全部を覆う防水層50ならびに当該防水層全面を覆
う保護層51を設けたことに第2の特徴がある。
第3図ないし第12図は、この施工方法によって構築され
た地下室の具体例を示すもので、図中符号Gは地下室、
符号Hはこの地下室の上に載置される住宅家屋である。
前記地下室Gは底板部Yおよびこの底板部Yの周囲を囲
む側板部Sにより上面が開口した矩形箱型の2種類の地
下ユニット1、2を、その幅方向に隣接した状態(図示
例では地下ユニット2を間に挟んでその左右に地下ユニ
ット1を隣接した状態)で並べ、地下ユニット1、2の
隣接する側板部どうしを側板部を貫通する連結ボルトお
よび連結金物を介して相互に接合するとともに地下ユニ
ット1、2をそれぞれ構成するブロックをこれらブロッ
クを貫通するPC鋼材(金属製締結部材)13により一体化
してなる基本構成となっている。そして、図示例では、
前記本体ブロック10、11の上端に各ブロックを連結する
長短2種類の臥梁14、15が架け渡されて前記地下ユニッ
ト1、2が基礎としても作用し、この上に家屋などの建
物Hが載置されるようになっている。
この地下室の左右を構成する地下ユニット1は、地下ユ
ニットの長手方向に直交する面で分割された複数のプレ
キャストコンクリート製ブロック10、11を止水用の目地
材を介在させて互いに連結し、ブロックの底板部を貫通
するPC鋼材13および前記ブロック10、11の上端に架け渡
された臥梁14を介して一体化されてなる基本構造となっ
ている。
より具体的には、前記本体ブロック10、11はそれぞれ予
め工場において後述する所定の形状、寸法に製作される
もので、本体ブロック10は地下ユニット1の中央部を構
成するようになっており、また妻壁ブロック11は地下ユ
ニット1の両端部の妻壁部を構成するようになってい
る。
そして、これら本体ブロック10および妻壁ブロック11
は、妻壁ブロック11を地下ユニット1の両側に配置し、
これら妻壁ブロック11の間に本体ブロック10を介在させ
た状態で、各ブロック10、11の端面どうしを突き合わ
せ、これらブロックを貫通するPC鋼材13を緊張すること
によってプレストレスが導入されるようになっており、
またこれにより各ブロックは強固に連結されて地下ユニ
ット1を形成するようになっている。
なお、この地下ユニット1を形成する本体ブロック10
は、第2図に示すように、底板部10aおよび相対向する
側板部10b、10cによって縦断面U字型に形成されてお
り、また本体ブロック10の底板部10aおよび側板部10b、
10cの外面にはそれぞれこれら外面全部を覆う防水層50
ならびに当該防水層50全面を覆う保護層51が設けられ、
地山側から地下室内部に地下水がしみ込まないように配
慮されている。
なお、前記防水層50としては、例えばゴム化アスファル
ト、過硫ゴム、塩ビシートなどの防水シートがブロック
の底板部および側板部にそれぞれ貼られることにより構
成されるものが好適であるが、本発明では、このような
構成の防水層50に限定されるものではなく、アスファル
ト系の防水材などを壁面に塗布することにより構成して
もよい。
またこの防水層50を保護する保護層51としては例えばプ
ラスチックボードなどを防水層50の上から貼り付けるこ
とにより構成されたものが適用されるが、防水層50に直
接土がつかないようにできるものであれば、他の構成で
あってもよい。
なお、ブロック10を構成する底板部10aには、第5図お
よび第6図に示すように、連結金物30を収めるための凹
部10dが形成され、この凹部10d内には一枚の平板状の鋼
鈑F1を主体とした連結金物30を止めるボルト32を螺合す
るためのインサート31が埋設されている。
一方、前記ブロック10を構成する側板部10b、10cのうち
地下ユニット2に接合される側の側板部10cの厚さWは
他の側板部10bの厚さTの約2/3の大きさに設定されてお
り、これにより、側板部どうしを重ね合わせたときにこ
の部分の壁の厚さが厚くならないように配慮されている
(第1図参照)。
この厚みの薄く形成された側板部10cには、必要に応じ
て第7図に示すように、地下ユニット連結用の連結ボル
ト29を通す挿通孔10eが設けられるとともに、側板部10c
の上端には、第8図に示すように、臥梁14、15を止める
長ボルト16をねじ込むためのインサート17が埋設されて
いる。図示例では、前記長ボルト16は、おねじの形成さ
れた軸体16aと、この軸体16aの上部に定着板16bを介し
て螺合されるナット16cとを主体として構成されてい
る。
なお、前記側板部10b、10cには、第9図および第10図に
示すように、必要に応じてボルト・ナット18a、18bによ
り止められる構造の継手金物18が取付けられる。
一方、地下ユニット1の両端を構成する妻壁ブロック11
は、第11図に示すように、矩形に形成された底板部11a
とこの底板部11aの周囲3面を囲む側板部11b、11c、11d
によって形成されており、実施例では側板部11cが部屋
ユニット1の妻壁を構成するようになっている。
そして、この妻壁ブロック11においても、妻壁ブロック
11の底板部11aおよび側板部11bの外面にそれぞれこれら
外面全部を覆う防水層50ならびに当該防水層50全面を覆
う保護層51が設けられるとともに、長ボルト16をねじ込
むためのインサート17が埋設された凹部11eが底板部11a
に形成され、またその地下ユニット2に接合される側の
側板部11dの厚さWが他の側板部11bの厚さTの約2/3の
大きさに設定され、隣接する地下ユニットの側板部どう
しを重ね合わせたときにこの部分の壁の厚さが厚くなら
ないように配慮されていることは勿論であり、前記ブロ
ック11の各側板部11b、11c、11dの上端にも、第8図に
示すように、臥梁14、15を止める長ボルト16をねじ込む
ためのインサート17が埋設されていることは言うまでも
ない。
次に、地下ユニットの間に挟まれる地下ユニット2の構
成について説明する。
この地下ユニット2も、基本的には、前述した地下ユニ
ット1と同様に、地下ユニットの長手方向に直交する面
で分割される形態の複数のプレキャストコンクリート製
ブロック(本体ブロック20、妻壁ブロック21)を止水用
の目地材を介在させて互いに連結し、PC鋼材13で一体化
して組立てられてなるもので、前記ブロック20、21の上
端にはこれらブロックを連結するようにして長短2種類
の臥梁14、15が架け渡されている。
また、地下ユニット2を構成する2種類のブロック20、
21のうち前記ブロック20は底板部20aおよび相対向する
側板部20b、20cによって縦断面U字型に形成され、また
地下ユニット2の両端のブロック21は矩形に形成された
底板部21aとこの底板部21aの周囲3面を囲む側板部21
b、21c、21dによって形成されており、それぞれの底板
部20a、21aおよび側板部20b、20c、21b、21c、21dの外
面にそれぞれこれら外面全部を覆う防水層50ならびに当
該防水層50全面を覆う保護層51を設けている点は、先の
ブロック10、11と同様である。
しかしながら、この地下ユニット2においては地下ユニ
ット1の間に挟まれて設置される構造上、地下ユニット
2の中央部を構成するブロック20および地下ユニットの
妻壁部を構成するブロック21の対向する左右の側板部20
b、20c、21b、21dがそれぞれ、ブロック10の外壁を構成
する側板部10bの厚さTの約2/3の大きさに形成されてい
ることに特徴を有している。
なお、これらのブロック20、21においても、各ブロック
の側板部20b、20c、21b、21c、21dの上端に、それぞれ
臥梁14、15を止める長ボルト16をねじ込むためのインサ
ート17を埋設する点、必要に応じて側板部20b、20cなど
に、継手金物18を取付ける点、地下ユニット連結用の連
結ボルト29を通す挿通孔20eを設ける点などについては
前述したブロック10、11と同様である。
前記ブロック10、11の上端に架け渡される長短2種類の
臥梁14、15について説明すると、各臥梁14、15はそれぞ
れプレキャストコンクリートによって四角柱状に形成さ
れていて長手方向に連結されたブロック10、11、20、21
の上端を固定すると共に、上部建築物(図示例では家
屋)の1階床パネルを支持するもので、長尺の臥梁14は
部屋ユニット1の長手方向に沿う側板部上に臥梁14の上
下に貫通する長ボルト16により固定されるようになって
いる。
なお、この臥梁14の側部には、第12図に示すように、短
尺の臥梁15を載せる載置部14aが突出形成されておい
り、短尺の臥梁15の上下を貫通する長ボルト16をインサ
ート17にねじこむことによって載置部14aに強固に固定
できるようになっている。
なお、前記短尺の臥梁15は、実施例ではプレキャストコ
ンクリート製とされているが、H型鋼により構成しても
よい。
ところで、家屋Hとしては、例えばユニット化した床パ
ネルを臥梁14の上に敷き込み、その上に1階の壁パネル
および2階の床パネル、2階の壁パネルを組み上げ、さ
らに、軸組、木組等をして、屋根パネルを組み立ててな
る構成のものなどが挙げられるが、家屋の構成はこのよ
うなものに限定されるものではなく、在来工法で構築さ
れるものや、ユニット住宅などであっても良い。
なお、前記各パネル工法による家屋の場合における家屋
と臥梁との接合は、例えば臥梁の上面に、アンカーボル
トを突出させて設けておき、このアンカーボルトを介し
て壁、床等のパネルを一体化するようにすればよい。
次に、このように構成された地下ユニット等を用いて実
際に地下室を施工する方法およびその作用を説明する。
まず、地下ユニット1、2を構成する各プレキャストコ
ンクリート製ブロックは、工場において、予め一定の寸
法、形状にコンクリート等によって一体に打設して形成
され、またその外面にはそれぞれこれら外面全部を覆う
防水層50ならびに当該防水層50全面を覆う保護層51が設
けられる。
そして、これらブロックは、トラックによって作業現場
に運搬されるが、この際、ブロックは部屋ユニットの長
手方向に直交する面で分割された断面U字型に形成され
ているため、ブロックの形態は部屋ユニットの中央部を
形成するU字型のものと、妻壁を形成するものとの2種
類で済み、特に大型地下室を構成する場合には、U字型
のブロックの数を増すことにより対応できるので、ブロ
ック自身を大型化する必要がなく、現場への運搬性をき
わめて良好にすることができる。
次に、現場において、地下室を組立てるには、地下室を
構築すべき地面の根切り作業を行ない、所定の大きさの
穴を掘った後、割栗地業工程、捨てコンクリートの打設
工程を経て、基礎部の施工を行ない、また、この際にブ
ロックの据え付けレベルの基準となる鋼管40を埋め込む
(第1図(イ)参照)。
次いで、ブロックをトラックからクレーン等を使って吊
り下ろし、次々にこれらを組合わせて接合していくわけ
であるが、その組立て順序は第1図(ロ)ないし(ホ)
による工程により行なう。
すなわち、一番最初の据え付けは第1図(ロ)に示すよ
うに、配置の中心部(実施例では部屋ユニット2の中心
部)から始め、第1図(ハ)に示すように、このブロッ
ク20の左右に部屋ユニット1のブロック10を接合する。
この際(左右に部屋ユニット1のブロック10を接合する
際)、ブロック10、20の間に連結金物30を差し渡すとと
もに、これらブロックを貫通する連結ボルトを使って各
ブロックを一体化する。
その後、部屋ユニット2のブロック20をその軸方向に接
合しながら、その都度、ブロック20の左右に、部屋ユニ
ット1のブロック10を据え付け接合していき、最終的に
妻壁を形成するブロック11、21を取り付ける。
その後、地下ユニット2のブロック20をその軸方向に接
合しながら、その都度、ブロック20の左右に、地下ユニ
ット1のブロック10を据え付け接合していき、最終的に
妻壁を形成するブロック11、21を取付け、各ブロックの
シース穴にPC鋼材13を挿入し、これをジャッキにより緊
張して両端を定着することによりプレストレスを導入す
る(第1図(ホ)参照)。なお、PC鋼材13の緊張後、シ
ース管内にグラウトの充填を行なう。
PC鋼材13の緊張後、第1図(ヘ)に示すように、地下ユ
ニットの側板部の上に長尺の臥梁14を取付け、さらに第
1図(ト)に示すように、短尺の臥梁15を組つけて地下
室の躯体を完成させる。
以上のようにして、PC鋼材13の緊張と臥梁14、15の取付
けとを終えたならば、ブロックの底板部と基礎コンクリ
ートとの間にグラウトを注入し、底板部と基礎コンクリ
ートとの間の隙間をグラウトで充填し、各ブロックの底
板部を基礎に密着させる。
そして、最終的に内部の仕上げ工事等を完了させると、
第1図(リ)に示すような地下室が完成する。
一方、前記家屋Hの施工は、例えば、家屋の構成がパネ
ルを主体として構成されている場合には、臥梁14、15の
上にユニット化した床パネルを敷き込み、その上に1階
および2階の壁パネルを組み上げ、さらに、軸組、木組
等をして、屋根パネルを組み立てて、建築物を構築する
といった方法が採られる。
なお、1階部分の各壁パネルは、コンクリート製の臥梁
の上面より突出するアンカーボルトへ壁パネルの下端の
穴を落とし込んでボルト締めにより、一体化すれば良
い。
以上の手順によれば、配置の中心からブロックを据え付
けて、ブロックの左右前後にブロックを組立てていくよ
うにしたことから、根切り穴の内部において、各ブロッ
クの据え付け、接合作業を精度良く実施していくことが
できる。すなわち、実施例においては、地下室の中心に
位置する本体ブロックを基準に他のブロックを接合して
いくため、どのブロックも前記基準とする本体ブロック
から大きく離れてしまうことがなくなるので、基準のブ
ロックに対してずれを小さくすることができるので、接
合作業を精度良く実施していくことができるものであ
る。
また実施例では、地下ユニット1、2を、その長手方向
に直交する面で分割する形態の複数のプレキャストコン
クリート製ブロック10、11、20、21により築造し、これ
ら隣接するブロック10、11、20、21間に連結金物30を架
け渡して、連結金物30をブロック10、11、20、21にボル
ト止めすることによりブロックどうしを繋げていく構成
としたので、ブロックを長手方向および幅方向に容易に
連結し得て、地下ユニットの施工ができ、現場での組立
てを容易に実施することができる。
しかも本発明では、前記ブロック10、11、20、21を構成
する底板部および側板部の外面にそれぞれこれら外面全
部を覆う防水層50ならびの当該防水層全面を覆う保護層
51を設けてあるため、現場での防水作業を簡略化するこ
とができるといった利点がある。
また実施例では、部屋ユニットを構成する前記ブロック
10、11、20、21は、その接合される側板部が他の側板部
の約2/3の厚さに形成されているため、側板部どうしを
接合させて重ね合わせても仕切りとなる側壁が厚みを増
すことがないので、複数の部屋ユニットをその幅方向に
繋げる構成の地下室であっても、部材の有効利用が図
れ、内部の仕切り壁の厚さが増すことがないといった利
点を有する。
さらに実施例では、さらに、隣接する部屋ユニットのブ
ロックは、ブロックの側板部を貫通するボルトにより一
体化されるため、部屋ユニットの間に段差が形成される
ようなことがなく、また部屋ユニットどうしが強固に連
結されるため、構造体としての強度を向上させることが
できる利点がある。
また、地下室の臥梁を基礎して、この上に家屋Hを組立
てていく構成としているので、従来必要であった基礎の
施工作業を省略することができ、また、これにより基礎
の位置に制限を受けることなく、地下室を形成すること
ができるので、大型の地下室を容易に築造することがで
きるといった利点がある。
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではな
く、その設計要求などに応じて、ブロックの大きさ、形
状等を変更できることは言うまでもない。また、部屋の
入り口などを形成する部分の各ブロックには、必要に応
じて、入り口を構成する開口部などが形成されることは
勿論であり、このような場合には底板部どうしが連結さ
れて部屋ユニットが一体化される。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明によれば、次のような優れた
効果を奏することができる。
(a)請求項1記載の地下室によれば、底板部およびこ
の底板部の周囲を囲む側板部により上面が開口した矩形
箱型の地下ユニットを、その幅方向に複数隣接した状態
で並べ、隣接する地下ユニットどうしを相互に接合し一
体化してなるコンクリート製組立型地下室であって、前
記地下ユニットをこの地下ユニットの長手方向に直交す
る面で分割された複数のプレキャストコンクリート製ブ
ロックにより構成するとともに、これらブロックを金属
製締結部材により一体化し、しかも前記ブロックの底板
部および側板部の外面にそれぞれこれら外面全部を覆う
防水層ならびに当該防水層全面を覆う保護層を設けたこ
とを特徴とするものであるから、ブロックを長手方向に
連結する単純作業により地下ユニットを形成し得て、現
場での組立てを容易に実施することができ、また前記ブ
ロックを構成する底板部および側板部の外面に設けられ
た防水層ならびに当該防水層全面を覆う保護層により、
地下ユニットの防水性能が向上するといった利点があ
る。
(b)請求項2記載の施工方法では、底板部およびこの
底板部の周囲を囲む側板部により上面は開口した矩形箱
型の地下ユニットを、その幅方向に複数隣接した状態で
並べ、隣接する地下ユニットどうしを相互に接合し一体
化してなるコンクリート製組立型地下室の施工方法であ
って、前記地下ユニットを、その長手方向に直交する複
数の面で分割して、底板部および相対向する側板部から
なる縦断面U字型の本体部と、底板部およびこの底板部
の周囲3面を囲む側板部からなる妻壁部とに分け、これ
ら各部をそれぞれプレキャストコンクリートにより本体
ブロックと妻壁ブロックとして製造するとともにこれら
本体ブロックおよび妻壁ブロックの底板部および側板部
の外面にそれぞれこれら外面全部を覆う防水層ならびに
当該防水層全面を覆う保護層を設けておき、これらブロ
ックのうち妻壁ブロックの間に本体ブロックを配置して
各ブロックを基礎部に据え付け、隣接するブロックどう
しを相互に一体に接続することを特徴とするものである
から、ブロック自身を大型化することなく地下室の大型
化を図ることができ、ブロックの現場への運搬性をきわ
めて良好にすることができる上、現場での防水作業を簡
略化することができるといった効果がある。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示すもので、第1図(イ)な
いし(リ)はこの地下室の施工工程を示す斜視図、第2
図はこの施工方法に用いられるブロックの一構造例を示
す斜視図、第3図は地下室の上に家屋を載置した状態を
示す断面図、第4図はその側断面図、第5図は隣接する
地下ユニットを繋ぐ連結金物を示す平面図、第6図はそ
の断面図、第7図は隣接する地下ユニットの側板部の連
結構造を示す断面図、第8図は臥梁と側板部との連結構
造を示す断面図、第9図はブロックどうしを連結する継
手金具の平面図、第10図はその断面図、第11図は妻壁部
を構成するブロックの斜視図、第12図は臥梁の接合部の
構造を示す断面図である。 G……地下室、H……家屋、1、2、3、4……部屋ユ
ニット、10、11、20、21……プレキャストコンクリート
製ブロック、14、15……臥梁、16……長ボルト、17……
インサート、18……継手金物、30……連結金物。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】底板部およびこの底板部の周囲を囲む側板
    部により上面が開口した矩形箱型の地下ユニットを、そ
    の幅方向に複数隣接した状態で並べ、隣接する地下ユニ
    ットどうしを相互に接合し一体化してなるコンクリート
    製組立型地下室であって、 前記地下ユニットはこの地下ユニットの長手方向に直交
    する面で分割された複数のプレキャストコンクリート製
    ブロックにより構成されるとともに、これらブロックは
    金属製締結部材により一体化されてなり、しかも前記ブ
    ロックの底板部および側板部の外面にはそれぞれこれら
    外面全部を覆う防水層ならびに当該防水層全面を覆う保
    護層が設けられていることを特徴とするコンクリート製
    組立型地下室。
  2. 【請求項2】底板部およびこの底板部の周囲を囲む側板
    部により上面が開口した矩形箱型の地下ユニットを、そ
    の幅方向に複数隣接した状態で並べ、隣接する地下ユニ
    ットどうしを相互に接合し一体化してなるコンクリート
    製組立型地下室の施工方法であって、 前記地下ユニットを、その長手方向に直交する複数の面
    で分割して、底板部および相対向する側板部からなる縦
    断面U字型の本体部と、底板部およびこの底板部の周囲
    3面を囲む側板部からなる妻壁部とに分け、これら各部
    をそれぞれプレキャストコンクリートにより本体ブロッ
    クと妻壁ブロックとして製造するとともにこれら本体ブ
    ロックおよび妻壁ブロックの底板部および側板部の外面
    にそれぞれこれら外面全部を覆う防水層ならびに当該防
    水層全面を覆う保護層を設けておき、これらブロックの
    うち妻壁ブロックの間に本体ブロックを配置して各ブロ
    ックを基礎部に据え付け、隣接するブロックどうしを相
    互に一体に接続することを特徴とするコンクリート製組
    立型地下室の施工方法。
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