JPH1113061A - 振動杭打抜工法および振動杭打抜装置 - Google Patents

振動杭打抜工法および振動杭打抜装置

Info

Publication number
JPH1113061A
JPH1113061A JP16743997A JP16743997A JPH1113061A JP H1113061 A JPH1113061 A JP H1113061A JP 16743997 A JP16743997 A JP 16743997A JP 16743997 A JP16743997 A JP 16743997A JP H1113061 A JPH1113061 A JP H1113061A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pile
leader
axis
reader
arm
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP16743997A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3223481B2 (ja
Inventor
Kazuyuki Nagabuchi
和幸 永渕
Kazuya Tanida
一也 谷田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chowa Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Chowa Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chowa Kogyo Co Ltd filed Critical Chowa Kogyo Co Ltd
Priority to JP16743997A priority Critical patent/JP3223481B2/ja
Publication of JPH1113061A publication Critical patent/JPH1113061A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3223481B2 publication Critical patent/JP3223481B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Placing Or Removing Of Piles Or Sheet Piles, Or Accessories Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベース機器(例えばショベルカー)により、
アーム9を介して起振機(図示せず)用のリーダ10を
支持する技術を改良して、該リーダ10の上下動と、総
べての方向(例えば矢印e,e′,f,f′)の傾動を
可能ならしめる。 【解決手段】 (A)図はリーダ10の支持・駆動機構
であり、該リーダ10は上方の箇所αでアーム9により
支持され、下方の箇所βにチルトシリンダ14L,14
Rが取付けられている。(B)図に示すように上記チル
トシリンダは、チルトシリンダ・左14Lとチルトシリ
ンダ・右14Rとの1対が、ハの字形に配置されてい
る。該1対のチルトシリンダ・左,右の両方が一緒に伸
縮すると、リーダ10に対する取付箇所βが矢印e,
e′方向に動かされる。前記1対のチルトシリンダ・左
と同右との片方が伸長するとともに他方が収縮すると、
取付箇所βが矢印f,f′方向に動かされて、リーダ1
0が傾動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、起振機に装着され
た杭用チャックで杭を把持しつつ該起振機を作動させて
該杭に振動を与え、杭を地中に打ち込んだり地中から引
き抜いたりする技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8は、起振機に装着された杭用チャッ
クで杭を把持して地中に打ち込んでいる状態の1例を示
す模式的な正面図であって、地中に打ち込まれた杭を引
き抜いている状態として見ることもできる図である。振
動式の杭打ち込み技術の基本は、起振機1に装着された
杭用チャック2で杭3を把持するとともに、該杭3を地
盤4上に立てて保持しつつ、上記起振機1を作動させて
上記の杭3に振動を与える。これにより該杭3は重力荷
重と振動とによって地盤4の中へ沈下してゆく。上記の
ように、杭用チャック2で把持した杭3を地盤4上に立
てて保持するには、図示しないクレーンで吊持する技術
も公知である。しかし、杭の打込地点の上方に空中障害
物が有るなどして、作業可能空間の地上高Hが制限され
ている場合は、本図8に示すようにリーダ5を立てて起
振機1を上下方向に案内する。上記のリーダ5を支持し
たり運搬したりするため、多くの場合ショベルカーをベ
ース機器6として用い、そのアーム6aの先端にリーダ
5を取り付ける。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図8に示した従来例に
おいては、ベース機器6によってリーダ5を地上に立て
て支持したり、地表から持ち上げて移動させたりするこ
とができる。説明の便宜上、水平な地盤4の上にベース
機器としてのショベルカー6を位置せしめた状態で、シ
ョベルカーの旋回中心である垂直軸Zと、水平な直交2
軸X,Yとから成る直交3軸を想定する。本図8におい
てY軸は紙面に直交し、点として表されている。a−a
はリーダ5の中心線、b−bは杭3の中心線であり、基
本的に中心線b−bは中心線a−aと平行であり、杭の
打抜き方向である。本図8の従来技術によると、アーム
シリンダ6bを伸縮させてアーム6aを起伏傾動させる
ことが出来、リーダ5を持ち上げて地表から離間させた
り、地表に押し付けて支持したりすることが可能であ
る。しかし、実際の杭打抜作業現場においてはベース機
器であるショベルカー6の地盤が水平とは限らないの
で、該ショベルカー6の車体が傾斜する場合が少なくな
い。その上、杭3の打抜き方向(b−b)は必ずしも鉛
直とは限らず、工事設計書に従って傾斜方向に杭を打ち
込まねばならないことも有り、また、斜めに打ち込まれ
ている杭を引き抜かねばならないことも有る。
【0004】こうした問題に対応して図8の従来例で
は、アーム6aの先端に対してリーダ5を、Y軸方向の
連結ピン6cによって回動可能に連結するとともに、該
アーム6aとリーダ5との間にリーダシリンダ7を接続
して、ショベルカー6の旋回軸Z−Zとリーダ5の中心
線a−aとの平行度を変化させ得るように構成されてい
る。これにより、リーダ5は連結ピン6cを中心として
X−Z面内で回動することが出来る。以上に説明した従
来技術(図8)によると、地盤4が水平でなくてY軸周
りに傾斜していても、すなわち、ショベルカー6が尻上
がりの姿勢で降り坂に位置していたり、前上がりの姿勢
で登り坂に位置していたりしても、リーダシリンダ7を
伸縮させて調節することにより、リーダ5を垂直に支持
することが出来る。しかしながら、地盤4がX軸回りに
傾斜している場合にはリーダ5を垂直に支持することが
出来ない。すなわち、傾斜路面を横行する形に、車体が
右上がりに傾いていたり左上がりに傾いていたりする
と、リーダ5を連結ピン6c周りに回動させても該リー
ダ5は鉛直にならない。本発明は上述の事情に鑑みて為
されたものであって、ベース機器(例えばショベル系建
設車両)が水平地盤上に在っても傾斜地盤上に在って
も、リーダを所望方向の姿勢ならしめて支持することが
出来る振動杭打抜方法、および、上記振動杭打抜方法を
実施するに好適な振動杭打抜装置を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに創作した本発明の基本的な原理について、その実施
形態を模式的に示した図4を援用して略述すると次のと
おりである。リーダ5は(A)図に示すように、その上
端部近傍をアーム9によって傾動可能に支持されてい
る。そして、上記のアームによる支持箇所よりも下方
を、チルトシリンダ14R,14Lで支持されている。
この(A)図では2本のチルトシリンダが重なって1本
だけ描かれているが、平面図である(B)図に表されて
いるように2本のチルトシリンダが設けられている。上
記2本のチルトシリンダ、すなわちチルトシリンダ・左
14Lとチルトシリンダ・右14Rとは、その基端部の
ボールジョイント16をY軸方向に離間させてベース機
器8(図4(A)参照)に取り付けられるとともに、そ
の先端部を相互に接近させてリーダ5に取り付けられて
いる。上記2本のチルトシリンダ14R,同14Lの内
の片方を伸長させるとともに他方を収縮させると、該2
本のチルトシリンダの先端部は矢印e方向もしくは矢印
f方向に、すなわちY軸方向の成分を含む方向に移動す
る。これにより、リーダ5はアーム9による支持箇所の
近傍を中心として、その傾斜方向を任意に調節すること
ができる。
【0006】以上に説明した原理に基づいて請求項1に
係る発明方法の構成は、杭用チャックを装着されている
起振機を支持している部材をリーダによってほぼ上下方
向に案内するとともに、上記リーダをベース機器によっ
て支持し、前記の起振機を作動させて、杭用チャックで
把持した杭を地中に打ち込み、および/または地中から
引き抜く工法において、前記のベース機械を水平な地盤
上に置いて、該ベース機器によってリーダを垂直に保持
した状態において、リーダの中心線とベース機器の中央
部とを結ぶ水平なX軸と、上記X軸に直交する水平なY
軸と、垂直なZ軸とから成る直交3軸を想定し、ベース
機器に対して基端部を取り付けられて起伏傾動するアー
ムの先端によって前記リーダを支持し、1対の液圧シリ
ンダの基端部をベース機器に対して、Y軸方向に離間さ
せて取り付けるとともに、該1対の液圧シリンダの先端
部を相互にY軸方向に近接せしめて、前記リーダの「ア
ーム先端による支持箇所よりも下方」に取り付け、前記
1対の液圧シリンダの両方を収縮せしめたり両方を伸長
せしめたりして、該1対の液圧シリンダのリーダに対す
る取付箇所をベース機器に対して接近・離間せしめるこ
とにより該リーダを「Z軸を通る平面内もしくはその近
傍」で傾動せしめ、上記の傾動と同時に、もしくは上記
の傾動と異なる時に、前記1対の液圧シリンダの片方を
収縮せしめるとともに他方を伸長せしめて該1対の液圧
シリンダのリーダに対する取付箇所を「Y軸方向」に、
または「Y軸方向およびX軸方向」に移動せしめること
により該リーダを傾動せしめて、X,Y,Z座標空間に
おけるリーダの3次元的な方向を制御することを特徴と
する。
【0007】以上に説明した請求項1の発明方法による
と、2本の液圧シリンダが、ベース機器に対して開き、
リーダに対して閉じる形のハの字形ないし八字状に配設
されるので、該2本の液圧シリンダを共に伸長させるこ
とによってベース機器から見てリーダを押しのける形に
移動させることができる。2点で支持されているリーダ
の片方の支持点が押しのけられると該リーダは他方の支
持点(アームによる支持箇所)を中心として傾動せしめ
られる。同様に、2本の液圧シリンダを共に収縮させる
と、リーダの片方の支持点が引き付けられる形に傾動せ
しめられる。以上に述べた押しのけ・引きつけ形のリー
ダ傾動は、従来技術における1本のリーダシリンダの作
用と同様の作用であるが、本請求項1を適用して2本の
液圧シリンダ(チルトシリンダとして作用する)をハの
字形に、つまり非平行に配設したことの特徴的な効果と
して、その片方を伸長させるとともに他方を収縮させた
とき、ベース機器から見てリーダの支持点が左右に振り
回される形に移動せしめられる(すなわち、ベクトル解
析するとY軸方向成分を含んでいる方向に移動せしめら
れる)。これにより、リーダをZ軸方向に比して傾動せ
しめることができる。詳しくは、Z軸周りの傾動を除
き、X軸周りおよび/またはY軸周りに傾動せしめるこ
とができる。従って、ベース機器が水平地盤上に置かれ
ているか傾斜地盤上に置かれているかに拘らず、リーダ
を鉛直にでも任意の傾斜角にでも支持して、所望の方向
に杭を打ち込むこともでき、どのような方向に打ち込ま
れている杭であっても無理なく引き抜くこともできる。
【0008】請求項2に係る発明方法の構成は前記請求
項1の発明方法の構成要件に加えて、前記のリーダを前
記アームの先端に対して「X軸と平行な軸の周りに回動
する回転継手」と、「Y軸方向の連結ピン」とを介して
支持することを特徴とする。以上に説明した請求項2の
発明方法によると、リーダをX,Y両軸周りの回動可能
に支持して該リーダの方向を所望のごとく調節すること
ができ、しかも、Z軸周りに回動しないのでリーダの支
持機構が簡単で足り、しかも支持状態が安定する。この
作用・効果は「リーダをアーム先端に対してX,Y,Z
3軸周りの回動可能な継手機構(例えば球継手)を介し
て支持した状態」を想定して比較してみると明らかにな
る。すなわち、Z軸周りに無用の回動をすると、リーダ
の方向を決めても、該リーダによって案内される起振機
・杭用チャック・杭が首振り動して杭打込地点が定まら
なくなるからである。
【0009】請求項3に係る発明方法の構成は前記請求
項1,2の発明方法の構成要件に加えて、前記1対の液
圧シリンダの基端部を前記ベース機器に対して「X,
Y,Z3軸周りの回動可能な継手機構」を介して取り付
けるとともに、上記1対の液圧シリンダの先端部をリー
ダに対して「Y,Z2軸周りの回動可能な継手機構」を
介して取り付けることを特徴とする。以上に説明した請
求項3の発明方法によると、リーダの上下動と該リーダ
の傾動に対して、チルトシリンダとして作用する1対の
液圧シリンダの連結部分に無理を与えることなく順応す
ることができ、余分な(もしくは省略可能な)機能部材
を用いることなく実施することができる。すなわち、リ
ーダは、アーム先端部に連結されて上下動することと、
上記連結部を支点としてリーダ下端部をX,Y方向に移
動せしめる形の傾動することとが必要であるから、前記
1対の液圧シリンダの基端部も先端部も、上記の上下動
と傾動とを許容しなければならない。そこで該1対の液
圧シリンダの基端部をベース部材に対して3軸方向の回
動可能に連結することによって上記の上下動と傾動とに
順応することができる。また該1対の液圧シリンダの先
端部が前記の上下動と傾動とに順応するにはY軸周りの
回動機能とZ軸周りの回動機能とを不可欠とするが、X
軸周りの回動機能については省略することができる。そ
の理由は、該1対の液圧シリンダそれぞれの基端部がベ
ース機器に対してX軸周りの回動可能に連結されている
からである。上記のX軸周り回動機能は、1対の液圧シ
リンダのそれぞれについて、基端部もしくは先端部の何
れか一方で足りるのであるが、軽量の作業機であるリー
ダに対して連結される先端部よりも、大形大重量のベー
ス機器に連結される基端部に設ける方が、構成部材の重
量配分の点からも、組立作業性の点からも合理的であ
る。
【0010】請求項4に係る発明方法の構成は前記請求
項1の発明方法の構成要件に加えて、前記リーダの上端
部付近と下端部付近とのそれぞれにスプロケットを設置
するとともに、無端環状のチェーンを上記スプロケット
に巻き掛け、前記のリーダによって案内されている起振
機の支持部材に前記無端環状のチェーンを取り付け、ま
たは、チェーンの両端を起振機の支持部材に取り付けて
環状に繋いで、これを前記スプロケットに巻き掛け、前
記スプロケットを正,逆転せしめるように駆動して前記
環状のチェーンを往復周回動せしめて起振機を上方に持
ち上げたり下方へ押し下げたりすることを特徴とする。
以上に説明した請求項4の発明方法によると、起振機を
支持してリーダに沿って案内されている部材(例えば起
振機のブラケット)に、上昇方向の力と圧下方向の力と
を任意に加えることができる。上下方向のリーダによっ
て案内されている部材をシリンダ手段によって往復駆動
する方法を用いると、テレスコピックシリンダを用いて
も上下動ストロークをリーダ長さ寸法いっぱいに取るこ
とが出来ない上に、リーダを継ぎ足すなどしてリーダ長
さを変える場合に順応することが困難である。チェーン
を介して上下駆動すると、チェーンの継ぎ足しなどによ
ってリーダ延長に順応することは容易であるが、チェー
ンの特性として張力を伝動することは出来るが押圧力を
伝動することが出来ない。本請求項4においては、リー
ダの上,下両端部に設けたスプロケットに無端環状のチ
ェーンを巻き掛けて、このチェーンに起振機支持部材を
取り付けるとともに、上記スプロケットを正,逆転駆動
してチェーンを往復周回動させることによって、起振機
を引き上げたり押し下げたり出来るようにした。このよ
うにして起振機を引き上げる方向の力を与えることによ
って振動杭抜き作業が可能となり、起振機を押し下げる
方向の力を与えることによって強力な振動杭打込作業が
可能となる。
【0011】請求項5に係る発明方法の構成は前記請求
項1の発明方法の構成要件に加えて、前記のベース機器
として、X−Y平面内の走行機能と、Z軸周りの旋回機
能とを有するショベル系建設車両の本体部分を用い、該
ベース機器を走行せしめて杭用チャックを杭に接近せし
め、Z軸とほぼ平行に仮保持されている杭を側方から把
持して受け取り、上記の杭を把持した杭用チャックを、
杭の中心線周りに回動せしめて所望の角位置ならしめて
該杭を地中に打ち込み、および/または、上記とほぼ反
対の手順で、地中から杭を引き抜くことを特徴とする。
以上に説明した請求項5の発明方法を適用して請求項1
の発明方法を実施すると、請求項1の発明の効果である
ところの「リーダの方向を任意に調節できるという作
用」を妨げることなく、杭の打抜き作業途中で中止する
場合や、再度作業を再開する場合、杭の把持を放して退
避したり再度把持したりすることが容易であり、特に、
空中障害物の存在などによって作業空間の高さ寸法が制
限されている場合に有効である。その上、杭が回転対称
形でない場合(例えばシートパイルのように、方向性を
有している場合)該杭を回動させて所望の角位置に支持
して打ち込んだり、打ち込まれている杭に合わせて杭チ
ャックを回して杭を正しく把持したりすることが迅速,
容易に可能である。
【0012】請求項6に係る発明装置の構成は、水平な
直交2軸X,Yと、垂直軸Zとから成る直交3軸を想定
し、水平な地盤上に載置された状態でZ軸周りに回転す
る旋回台と、走行機能とを有するショベル系建設車両を
ベース機器とし、上記ベース機器によってほぼ鉛直に支
持されたリーダによって起振機の支持部材を上下に案内
して、該起振機に装着されている杭用チャックで把持し
た杭に振動を与えて該杭を地中に打ち込んだり地中から
引き抜いたりする振動式の杭打抜き装置において、ベー
ス機器に対して起伏傾動するアームの先端にリーダが装
着されており、上記アームをX−Z平面に位置せしめた
状態で、ベース機器上の、Y軸方向に離間した2点に1
対の液圧シリンダそれぞれの基端部が取り付けられてお
り、上記1対の液圧シリンダの先端部はリーダに対し
て、ほぼ等高の近接した2点にそれぞれ取り付けられて
いて、前記のリーダは、その上端に近い箇所をアームの
先端に取り付けて支持されるとともに、上記の箇所より
も下方の箇所を1対の液圧シリンダで支持され、概要的
には上下2箇所で、上下動可能に、かつ、傾動可能に支
持されていることを特徴とする。
【0013】以上に説明した請求項6の発明装置による
と、リーダが上下2箇所で支持されており、該リーダの
上端に近い方の箇所は「起伏傾動するアームの先端」に
装着されているので、上記アームの起伏傾動によって上
下に駆動され、下降せしめられたときは該リーダの下端
が地表に押圧されて支持状態が強固に固定される。そし
て、前記アームの起伏傾動によって上昇せしめられたリ
ーダは地表から離間し、下側の支持箇所の移動に伴って
傾動せしめ得る状態となる。さらに、上記下側の支持箇
所は「基端部をY軸方向に離間せしめてベース機器に連
結された1対の液圧シリンダの先端部」によって支持さ
れているので、該1対の液圧シリンダが共に伸長すると
リーダは、その下方がベース機器から押し離される方向
に傾動する。また、該1対の液圧シリンダが共に収縮す
るとリーダは、その下方がベース機器に引き寄せられる
方向に傾動する。上記1対の液圧シリンダの片方が伸長
して他方が収縮するとリーダは、その下方がY軸方向へ
移動する形に傾動せしめられる。この作動に際して純粋
にY軸方向に傾動することは、余程の偶然が重なっても
なかなか現出しないと考えられるが、その動きをベクト
ル解析すると主としてY軸方向成分によって形成されて
いる。上述の作用によってリーダが、Z軸方向を中立姿
勢としてX,Y方向に任意に傾動せしめられるので、ベ
ース機器が水平地盤上に在っても傾斜地盤上に在って
も、杭を任意所望の方向に打ち込むこと、および/また
は、打ち込まれている杭の方向の如何に拘らず適正方向
に引き抜くことができる。
【0014】請求項7に係る発明装置の構成は前記請求
項6の発明装置の構成要件に加えて、前記アーム基端部
が、ベース機器に対してY軸方向のアームピンによって
起伏傾動可能に支持されるとともに、該アームの先端部
が「リーダに装着されたX軸周りの回転継手」に対して
「Y軸方向の連結ピン」を介して接続されていることを
特徴とする。以上に説明した請求項7の発明装置による
と、リーダの上端近傍がアーム先端部によってX軸周り
およびY軸周りの回動可能に支持されるので、該リーダ
は上端部付近を中心として傾動可能に支持される。これ
に比してアームはベース機器に対してY軸周り方向にの
み回動可能に軸支されるので、純粋の起伏動が行なわれ
てリーダの位置決め操縦が容易にかつ確実に行なわれ
る。そして、該アームが装着されているベース機器がZ
軸周りに旋回し得る構造であるから、アームの基端部が
Y軸周り以外の回動が出来ないことによって何らの支障
を生じない。さらに、本請求項に係るアームがベース機
器に対してY軸方向のピンによって軸支される構造であ
るため、現在製造供給されている各種型式のショベル系
建設車両に対して本発明に係るアーム部材を装着する作
業が容易であって、該ショベル系建設車両のフロントア
タッチメント装着用の軸受ブラケットに対する適合性が
良い。
【0015】請求項8に係る発明装置の構成は前記請求
項6の発明装置の構成要件に加えて、前記1対の液圧シ
リンダのそれぞれが、その基端部はベース機器に対し
て、X,Y,Z3軸周りの回動可能な継手機構を介して
接続されるとともに、その先端部はリーダに対して「X
軸周りの回転継手」および「Y軸方向の連結ピン」を介
して接続されていることを特徴とする。以上に説明した
請求項8の発明に係る構成を前記請求項6の発明におけ
る1対の液圧シリンダに適用すると、該1対の液圧シリ
ンダが一緒に伸縮したり、相互に関連して伸長・収縮し
たりして、前記のリーダがその上端部付近を支点として
各種の方向に傾動する際、あらゆる方向の傾動に順応し
て該1対の液圧シリンダの基端側連結部にも先端側連結
部にも無理な力が掛からない(いわゆる、拗(こじ)れ
ることが無い)。しかも、これら1対の液圧シリンダに
よってリーダをあらゆる方向に往復傾動させるに必要な
力を伝えるについて、本請求項8に係る3種類の継手機
構が支障を及ぼす虞れが無い。すなわち、本請求項8の
構成は請求項6の発明装置における1対の液圧シリンダ
が該請求項6の発明の効果を発揮せしめるための、該1
対の液圧シリンダの連結構造に関する必要かつ充分な構
成要件である。
【0016】請求項9の発明に係る装置の構成は前記請
求項6の発明装置の構成要件に加えて、前記のリーダに
よってその長手方向に案内されつつ前記の起振機を支持
する部材と、該リーダの上端付近と下端付近とのそれぞ
れに設置されたスプロケットと、前記起振機支持部材に
取り付けられるとともに前記スプロケットに巻き掛けら
れた無端環状のチェーンと、前記スプロケットの内の少
なくとも1個を往復回転せしめて前記のチェーンを周回
動せしめる駆動手段とを具備していることを特徴とす
る。以上に説明した請求項9の発明装置によると、起振
機を支持している部材に取り付けられて無端環状をなし
ているチェーンがスプロケットにより駆動されて往復周
回動すると、起振機を持ち上げる方向および押し下げる
方向に上下動せしめられる。該起振機の上昇動は杭の振
動引抜き作業に必要な機能であり、該起振機の下降動は
杭の振動打込み作業を強力に支援助勢する。さらに、リ
ーダ上,下両端部のスプロケットに環状のチェーンを巻
き掛けた構成であるから、起振機の上下動ストロークが
リーダの長さ寸法にほぼ等しくなる。このような長いス
トローク寸法,および、上,下両方向の駆動は、本請求
項における「リーダ上,下のスプロケット」と「環状チ
ェーン」とを構成要件として達成し得たものである。
【0017】請求項10に係る発明装置の構成は前記請
求項6〜9の発明の構成要件に加えて、前記の杭用チャ
ックは、リーダの長手方向に見たときの形状がコの字状
ないしC字状をなしており、上記コの字状ないしC字状
の中空部に位置せしめた杭を、リーダの長手方向と平行
に把持して、該杭の長手方向中心線の周りに少なくとも
90度往復回動せしめ得る構造であることを特徴とす
る。以上に説明した請求項10の発明装置によると、コ
の字状ないしC字状(すなわち、環の一部を切り欠いた
形状)とすることによって、中空部に杭を貫通させて把
持し、かつ、該杭を側方から把持したり放したりするこ
とができるので、特に、作業可能空間の高さ寸法が制限
されている場合の杭打抜き作業を容易に行ない得る。さ
らに、杭用チャックで把持した杭を、その中心線周りに
往復回動させることができるので、非回転対称形の杭を
所定の角位置に回動させて打込むことができ、また、既
に打設されている杭を迅速,容易に把持して引き抜いた
り、引き抜いた杭を所望の角位置に回動させたるするこ
とができる。
【0018】請求項11に係る発明装置の構成は前記請
求項10の発明装置の構成要件に加えて、前記の杭用チ
ャックが起振機の下方に装着されており、該杭用チャッ
クの水平断面形状の輪郭は前記起振機の水平断面形状の
輪郭よりも小さく、かつ、水平姿勢のチャック用シリン
ダが上下2段に配置されていることを特徴とする。以上
に説明した請求項11の発明装置によると、杭を把持す
る押圧力を発生するチャック用シリンダが上下2段に配
置されているので、該チャック用シリンダで駆動されて
杭に押圧せしめられるジョー部材が杭に対して振動杭打
抜き作業中に回動する虞れが無い。その上、杭用チャッ
クのZ軸方向長さ寸法が長くなり、杭の頂面を地表付近
まで打ち込む場合に設けるべき布掘りが、起振機を容れ
得る内法寸法を有しなくても、杭用チャックを容れ得る
内法寸法を有していれば足りるので、布掘り用の土工量
を軽減することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る振動杭打抜装
置の全体的な外観を示し、(A)は平面図に水平直交座
標軸X,Yを付記した図であり、(B)は正面図に垂直
座標軸Zを付記した図である。この実施形態の要部拡大
図は後掲の図2,図3に示すので、先ず本図1(A),
(B)を対比参照しつつ全体的な構成の概要を述べる
と、図示の8は起振機1を装着して保持するベース機器
としてのショベル計建設車両であって、水平な地盤上に
載置された状態を描いてある。このショベル系建設車両
は無限軌道式の走行機能を有する車体の上に、垂直軸Z
周りに回動し得る旋回台が搭載されている。上記旋回台
に対してアーム9が起伏傾動可能に軸支されている。1
1は、上記アーム9を起伏傾動させるアームシリンダで
あって、本実施形態では油圧シリンダによって構成され
ている。座標軸Xは、前記アーム9が起伏傾動する面内
に設定した水平軸、座標軸Yは上記X軸に直交する水平
な座標軸である。上述の構成から明らかなように、本発
明における水平直交2軸X,Yは、ベース機器8の旋回
台がZ軸周りに旋回すると、これに伴って回転する座標
である。しかし、以下の説明においては、特に断わらな
い限りベース機器8が旋回しない状態について述べる。
従って、特に断わらない限り直交3軸X,Y,Zは静止
座標系である。
【0020】リーダ10は、起振機1をほぼ上下方向に
案内し、かつ、その上下動を駆動する。その案内機構お
よび駆動機構の詳細は図3を参照して後述する。上記起
振機1には杭用チャック12が設置されていて、杭13
をリーダ10と平行に把持する。リーダ10の上端に近
い箇所αは前記アーム9の先端に取り付けられている。
このため、該アーム9が起伏傾動すると、該リーダ10
の下端が地表から離れて持ち上げられたり、地表に押し
付けられたりする。前記リーダ10の、前記の箇所αよ
りも下方の箇所βに1対のチルトシリンダ14R,同1
4Lが取り付けられている。この取付状態の詳細は後掲
の図2について後述するが、このチルトシリンダとは、
後述するようにリーダ10を傾動させる作用をすること
に着目しての命名であり、本実施形態においては油圧シ
リンダによって構成されている。本発明を実施する際、
このチルトシリンダは油圧シリンダに限らず、液圧シリ
ンダ(例えば水圧シリンダ)によって構成することがで
きる。
【0021】図2は、前掲の図1(A)に示した振動杭
打抜装置の実施形態の要部を拡大して描いた平面図であ
る。この実施形態のベース機器8を形成しているショベ
ル系建設車両は、走行機構8a上に旋回台8bが搭載さ
れて成り、上記旋回台8bの旋回軸Zは本図2において
紙面に直交し、点Zとして現れている。上記旋回台8b
には、アーム9を軸支するためのアーム用ブラケット8
c,および、アームシリンダ11を軸支するためのアー
ムシリンダ用ブラケット8dが固定されている。これら
のブラケットは、ベース機器であるショベル系建設車両
(ショベルカー)のフロントアタッチメント取付用の部
材をその侭用いたものである。上記のブラケットを利用
して、本発明に係るアーム9やアームシリンダ11を装
着する構造であるから、市販の機器であるショベル系建
設車両をベースマシーンとして本発明を容易に適用する
ことができる。本図2は、リーダ10がZ軸方向に支持
された状態を描いてある。この状態において、杭用チャ
ック12によって把持されている杭13の中心線z′は
Z軸と平行に、すなわちリーダ10と平行になってい
る。
【0022】図3は、前掲の図1(B)に示された実施
形態に係る振動杭打抜装置の要部拡大正面図である。
【0023】本図3に示された状態において、リーダ1
0はアーム9とチルトシリンダ14R,14Lとによ
り、概要的にはα,β2点で支持されているが、その詳
細については図4を参照して後述する。リーダ10には
ガイドレール10dが固着されていて、このガイドレー
ル10dはブラケット15を上下方向に案内している。
ただし、後に説明するようにリーダ10は、その中心線
a−aをZ軸に対して傾斜せしめるように傾動するの
で、前記ブラケット15の案内方向はほぼ上下方向であ
る。該ブラケット15は起振機1を支持する部材であっ
て、該起振機1と1体的に上下動する。上記のブラケッ
ト15は、次のようにして上下動を駆動され、これによ
り起振機1、これに固定された杭用チャック12、およ
び、これに把持された杭13を上昇方向にも下降方向に
も動力で駆動されるようになっている。
【0024】リーダ10の上端付近にはガイドスプロケ
ット10aが回転自在に軸支されている。これに対応し
て該リーダの下端付近にはドライブスプロケット10b
が配置されていて、図示しない油モータおよび歯車減速
機によって往復回転駆動されるようになっている。無端
環状のチェーン10cは前記ガイドスプロケット10a
とドライブスプロケット10bとに巻き掛けられてい
て、該ドライブスプロケット10bの往復回転駆動によ
り往復周回動する。前記のブラケット15は上記無端環
状のチェーン10cに取り付けられていて、該チェーン
10cの往復周回動によって上昇方向に駆動されたり下
降方向に駆動されたりして、前記ガイドレール10dに
沿ってその上端から下端までの間を往復駆動される。
【0025】ブラケット15をリーダ10で案内して上
下駆動する技術については種々の方式が公知であるが、
油圧シリンダでブラケット15を直接的に駆動すると充
分な往復ストロークが得られない。また、チェーンを介
して駆動する場合、チェーンの特性として張力を伝動す
るが押圧力を伝動しないので往復駆動が不得意である。
本実施形態においては、環状のチェーンを1対のスプロ
ケットに巻き掛ける構成を採った。この構成自体は公知
であるが、振動杭打抜機にこの構成を適用することによ
って、リーダの長さ寸法に近い長ストロークで、杭の引
き抜き用の上昇駆動と、杭の打ち込み用の圧下駆動との
両方を可能ならしめることを得た。上述の作用,効果を
得るために必要なチェーンの構造は、必ずしも該チェー
ン自体が無端環状を為していなくても良く、1連のチェ
ーンの両端がそれぞれブラケット15に取り付けられて
いて、チェーンとブラケットとの連結体が環状をなして
いても良い。本図3に示した4aは、杭を地盤4の地表
よりも下方まで打ち込むための布掘りである。この布掘
りと本実施形態の振動杭打抜機との関係については、図
6を参照して後述する。
【0026】図4は、リーダの支持構造、並びに該リー
ダの上下駆動機構および傾動駆動機構を説明するために
示したもので、(A)はリーダとその支持・駆動部材を
模式的に描いた正面図、(B)は上記支持・駆動部材の
中から傾動駆動用部材を抽出して描いた平面図である。
図4(A)に示すように、ベース機器8に対して起伏傾
動可能に軸支されたアーム9の先端部は、Y軸方向の連
結ピン10f,およびχ−χ軸周りの回動可能な回転継
手10eを介してリーダ10の上端部付近に連結されて
いる。上記の軸χ−χは、リーダ10の中心線a−a′
に垂直な軸であって、ほぼ水平な軸であるが、リーダ1
0の傾動に伴って傾動する。上記の構成により、アーム
9を下降傾動させるとリーダ10の下端が地表4cに押
し当てられて強固に支持される。また、アーム9を上昇
傾動させるとリーダ10の下端が地表4cを離れて持ち
上げられ、該リーダ10がアーム9による支持箇所(上
端部付近α)を中心として傾動せしめ得る状態となる。
この状態で、リーダ10は、アーム9による支持箇所α
を中心としてX軸周り、およびY軸周りに傾動できる。
Z軸周りには傾動できない支持構造になっているが、後
に図5を参照して説明するように杭用チャックがほぼ垂
直な軸の周りに回動することができ、かつ、本図4
(A)に示されているベース機器8は既述のごとくZ軸
周りに旋回できるので、図示の箇所αを中心としてZ軸
(垂直軸)周りの回動機能を必要としない。本実施形態
では無用な回動機能を形成しないようにして構造の簡素
化を図ってある。
【0027】図4(A)においては、1対の液圧シリン
ダより成る1対のチルトシリンダ14Rと同14Lとが
重なって、1個だけ描かれている。上記1対のチルトシ
リンダ・右14Rとチルトシリンダ・左14Lとは、平
面図(図4(B)参照)においてはX軸を対称軸として
ハの字状ないし八の字状に、ほぼ水平に配置されてい
る。説明の便宜上、ベース機器8に対する取付部を基端
と呼び、その反対端を先端と呼ぶ。上記1対のチルトシ
リンダ14R,14Lそれぞれの基端部は、Y軸方向に
距離y1だけ離間させて、ボールジョイント16を介し
て、ベース機器8に対してX,Y,Zの3軸周りの回動
可能に接続されている。一方、上記1対のチルトシリン
ダ14R,14Lそれぞれの先端部は相互に接近させて
(間隔寸法y2<<y1ならしめて)、ほぼ等高に位置せ
しめてリーダ10の箇所βに接続されている。上記チル
トシリンダ先端部のリーダ10に対する接続は、Y方向
の連結ピン10gおよびZ方向の連結ピン10hを介し
て接続されている。この箇所βにおける接続構造は、X
軸周りの回動が自在でないが、該チルトシリンダ14
R,14Lそれぞれの基端部がX,Y,Z3軸周りの回
動が可能であるから、先端部にX軸周りの無理な力が掛
かる虞れは無い。
【0028】図4(B)において、1対のチルトシリン
ダ14R,14Lの両方が伸長すると、リーダに対する
接続箇所βは矢印e方向に移動せしめられる。同図4
(A)を参照して容易に理解されるように、箇所αで傾
動可能に支持されているリーダ10の箇所βが矢印e方
向に移動すると、該リーダ10はその下方をベース機器
8から押し離される方向に傾く。同様に、前記1対のチ
ルトシリンダ14R,14Lの両方が収縮すると、取付
箇所βが矢印e′方向に移動し、リーダ10はその下方
をベース機器8に引き寄せられる方向に傾く。これらの
傾動に際して、アーム9がリーダ10を支持している取
付箇所αは、回転継手10eの回動によって順応する。
【0029】前記チルトシリンダ・右14Rを収縮せし
めるとともに、これと関連せしめてチルトシリンダ・左
14Lを伸長させると、矢印fのように、ベース機器側
から見て箇所βを右方へ振る形に移動せしめることがで
きる。上記f方向の駆動に際して矢印e方向の駆動を併
せて行なうことにより、例えば矢印g方向に移動させる
こともできる。また、チルトシリンダ・右14Rを伸長
せしめながら、これと関連せしめてチルトシリンダ・左
14Lを収縮させると、矢印f′のように駆動させるこ
ともできる。これらの矢印f,g,f′の移動により、
(図4(A)参照)リーダ10は、軸χ−χを中心とし
て傾動する。以上に説明した矢印f,e,f′,e′の
うち、隣り合う2つの矢印のベクトル和として、180
度の全方向に傾動せしめることが可能であり、これら全
方向の傾動に対して、傾動中心に当たる箇所αの支持機
構は、Y方向連結ピン10f周りの回動と回転継手10
eのχ−χ軸周り回動とによって順応する。この箇所α
の支持機構がZ軸周りに回動しないことは、リーダ10
を安定して支持するために必要な機能である。
【0030】図5は、本発明に係る振動杭打抜装置の1
実施形態における杭のチャック機能を説明するために示
した模式的な平面図であって、(A)は杭を把持する機
能を表し、(B)は把持した杭を回動させる機能を表し
ている。本図5(A),(B)に共通して、紙面の左右
方向がX軸,上下方向がY軸であり、Z軸は紙面と直交
している。図示の15は、前掲の図2,図3に示したブ
ラケット15であって、リーダ10からX軸方向に突出
して起振機1を支持している。杭用チャック12は上記
起振機1に対して、Z軸と平行な中心線z′周りに回動
可能である。前記の起振機1および杭用チャック12
は、その平面図形がコの字形ないしC字状をなし、杭3
を上下に貫通せしめ得る中空部を有し、かつ、該中空部
と外周部とを連通する切欠部とが形成されている。
【0031】仮想線で示した3′のように、杭をZ軸方
向(鉛直方向)に仮保持して、先に説明したベース機器
(ショベルカー)を矢印F方向に走行させると、3′位
置の杭は杭用チャック12に対して相対的に矢印F′の
ごとく接近して実線位置3となり、チャックシリンダ2
cを作動させると、杭用チャック12は杭3をその側方
から把持する。このように、杭を側方から把持すること
により、杭打地点の上方に空中障害物(図8参照)があ
るなどして、作業可能な空間の高さ寸法Hが制約されて
いるとき、上記寸法Hとほぼ等しい長さの杭を打ち,抜
くことが可能となる。また、杭打作業中に何らかの事情
で杭打抜装置を退避せしめなければならない場合、コの
字形ないしC字形杭用チャック12で側方から把持して
いた杭3を、3′位置に放出(相対的に)することがで
きる。さらに、図5(A)のように杭3を把持した杭用
チャック12を、同図(B)のように回動させて所望の
角位置θとする。こうした機能は、例えば円柱状の杭の
ように回転対称形の杭でない場合、工事設計書の指示に
従って所定の角位置で杭を打ち込む場合、および、既に
打設されている杭を把持して引き抜く場合に有効であ
る。本実施形態においては杭用チャック12が、本図5
(A)に示した中立姿勢から左回り(反時計方向)に4
5度、右回り(時計方向)に45度、計90度の往復回
動が可能である。本発明を実施する際、杭用チャックの
往復回動ストローク角度を90度もしくはそれ以上とす
ることにより、実用上、総べての場合に対応することが
できる。
【0032】図6は、杭の頂面を地表よりも下方まで打
ち込み、もしくは、地表よりも下方まで打ち込まれてい
る杭を引き抜くために、杭用チャックで杭を把持した状
態を示し、(A)は通常の杭用チャックで杭を把持した
場合を描いた模式的な断面図、(B)は本発明の1実施
形態に係る杭用チャックで杭を把持した場合を描いた模
式的な断面図である。本図(A),(B)に共通して、
GLは地表のレベルであり、PLは杭3の頂面を打ち込
むべきレベルであって、上記のGLよりも下方に設定さ
れている。そして、杭用チャック2Aの水平断面形状の
輪郭も、杭用チャック2Bの水平断面形状の輪郭も、起
振機1の水平断面形状の輪郭に比して格段に小さい。そ
して、チャック2Aの上下方向寸法h1は、チャック2
Bの上下方向寸法h2に比して格段に小さく構成されて
いる。杭3の頂面がレベルPLまで打ち込まれた状態
で、杭用チャックや起振機が地盤と干渉しないように、
布掘り4a,もしくは布掘り4bが形成される。図から
容易に理解されるように、背の高さが低い(寸法h1
杭用チャック2Aの場合の布掘り4aの幅寸法W1に比
して、背の高さが高い(寸法h2)杭用チャック2Bの
場合の布掘り4bの幅寸法W2は小さい。すなわち、杭
用チャックの高さ寸法を高くすることによって布掘りを
削成するための土工量を軽減することができる。
【0033】上記杭用チャックの高さ寸法を伸ばすため
に、該杭用チャックと起振機1との間にスペーサ(図示
せず)を介装することも考えられるが、本図6(B)の
実施形態においては単なるスペーサを設けることなく、
次のようにしてその高さ寸法(h2)を伸ばしてある。
すなわち、杭用チャック2Aにおいては杭を挟持するた
めのシリンダ2cを1本だけ設けているのに比して、杭
用チャック2Bにおいては、その高さ寸法を延長
(h2)したスペースを有効に利用して、2本のシリン
ダ2c,2dを上下2段に配設してある。上記シリンダ
2c,2dは、液圧シリンダによって構成する。本実施
形態においては油圧シリンダを用いた。
【0034】図7は、2個の水平なシリンダを上下2段
に配列した杭用チャックにおける液圧駆動機構部分の構
成を説明するために示した模式図であって、(A)は水
平断面図、(B)は垂直断面図である。チャック本体1
2aの中に2個のシリンダ12bが、それぞれX軸方向
(水平方向)に、上下2段に配設されている。ただし水
平断面を描いた(A)図には、その内の1個だけが現れ
ている。それぞれのシリンダ12b内に収納されている
ピストン12cに取り付けられたピストンロッド12d
は、可動ジョー12eを固定ジョー12fに向けて押動
し、杭3を挟圧する。このような構成によって、杭チャ
ック全体の輪郭形状が自から縦長になり、前掲の図6に
ついて説明したように、布掘りの土工量が軽減される。
さらに、図6(A)のように1個のシリンダ2cだけが
設けられているときは、振動杭打抜きにおける激しい振
動を受けると、ピストンおよびピストンロッドが可動ジ
ョーと一緒に回動して、杭用チャックや杭が損傷を被る
が、図7(B)のように2個のシリンダ12bが平行に
配設されていると、ピストン12cやピストンロッド1
2dが回らなくなり、杭用チャックおよび杭の損傷が未
然に防止される。
【0035】
【発明の効果】以上に本発明の実施形態を挙げてその構
成・機能を明らかならしめたように、請求項1の発明方
法によると、2本の液圧シリンダが、ベース機器に対し
て開き、リーダに対して閉じる形のハの字形ないし八字
状に配設されるので、該2本の液圧シリンダを共に伸長
させることによってベース機器から見てリーダを押しの
ける形に移動させることができる。2点で支持されてい
るリーダの片方の支持点が押しのけられると該リーダは
他方の支持点(アームによる支持箇所)を中心として傾
動せしめられる。同様に、2本の液圧シリンダを共に収
縮させると、リーダの片方の支持点が引き付けられる形
に傾動せしめられる。以上に述べた押しのけ・引きつけ
形のリーダ傾動は、従来技術における1本のリーダシリ
ンダの作用と同様の作用であるが、本請求項1を適用し
て2本の液圧シリンダ(チルトシリンダとして作用す
る)をハの字形に、つまり非平行に配設したことの特徴
的な効果として、その片方を伸長させるとともに他方を
収縮させたとき、ベース機器から見てリーダの支持点が
左右に振り回される形に移動せしめられる(すなわち、
ベクトル解析するとY軸方向成分を含んでいる方向に移
動せしめられる)。これにより、リーダをZ軸方向に比
して傾動せしめることができる。詳しくは、Z軸周りの
傾動を除き、X軸周りおよび/またはY軸周りに傾動せ
しめることができる。従って、ベース機器が水平地盤上
に置かれているか傾斜地盤上に置かれているかに拘ら
ず、リーダを鉛直にでも任意の傾斜角にでも支持して、
所望の方向に杭を打ち込むこともでき、どのような方向
に打ち込まれている杭であっても無理なく引き抜くこと
もできる。
【0036】請求項2の発明方法によると、リーダを
X,Y両軸周りの回動可能に支持して該リーダの方向を
所望のごとく調節することができ、しかも、Z軸周りに
回動しないのでリーダの支持機構が簡単で足り、しかも
支持状態が安定する。この作用・効果は「リーダをアー
ム先端に対してX,Y,Z3軸周りの回動可能な継手機
構(例えば球継手)を介して支持した状態」を想定して
比較してみると明らかになる。すなわち、Z軸周りに無
用の回動をすると、リーダの方向を決めても、該リーダ
によって案内される起振機・杭用チャック・杭が首振り
動して杭打込地点が定まらなくなるからである。
【0037】請求項3の発明方法によると、リーダの上
下動と該リーダの傾動に対して、チルトシリンダとして
作用する1対の液圧シリンダの連結部分に無理を与える
ことなく順応することができ、余分な(もしくは省略可
能な)機能部材を用いることなく実施することができ
る。すなわち、リーダは、アーム先端部に連結されて上
下動することと、上記連結部を支点としてリーダ下端部
をX,Y方向に移動せしめる形の傾動することとが必要
であるから、前記1対の液圧シリンダの基端部も先端部
も、上記の上下動と傾動とを許容しなければならない。
そこで該1対の液圧シリンダの基端部をベース部材に対
して3軸方向の回動可能に連結することによって上記の
上下動と傾動とに順応することができる。また該1対の
液圧シリンダの先端部が前記の上下動と傾動とに順応す
るにはY軸周りの回動機能とZ軸周りの回動機能とを不
可欠とするが、X軸周りの回動機能については省略する
ことができる。その理由は、該1対の液圧シリンダそれ
ぞれの基端部がベース機器に対してX軸周りの回動可能
に連結されているからである。上記のX軸周り回動機能
は、1対の液圧シリンダのそれぞれについて、基端部も
しくは先端部の何れか一方で足りるのであるが、軽量の
作業機であるリーダに対して連結される先端部よりも、
大形大重量のベース機器に連結される基端部に設ける方
が、構成部材の重量配分の点からも、組立作業性の点か
らも合理的である。
【0038】請求項4の発明方法によると、起振機を支
持してリーダに沿って案内されている部材(例えば起振
機のブラケット)に、上昇方向の力と圧下方向の力とを
任意に加えることができる。上下方向のリーダによって
案内されている部材をシリンダ手段によって往復駆動す
る方法を用いると、テレスコピックシリンダを用いても
上下動ストロークをリーダ長さ寸法いっぱいに取ること
が出来ない上に、リーダを継ぎ足すなどしてリーダ長さ
を変える場合に順応することが困難である。チェーンを
介して上下駆動すると、チェーンの継ぎ足しなどによっ
てリーダ延長に順応することは容易であるが、チェーン
の特性として張力を伝動することは出来るが押圧力を伝
動することが出来ない。本請求項4においては、リーダ
の上,下両端部に設けたスプロケットに無端環状のチェ
ーンを巻き掛けて、このチェーンに起振機支持部材を取
り付けるとともに、上記スプロケットを正,逆転駆動し
てチェーンを往復周回動させることによって、起振機を
引き上げたり押し下げたり出来るようにした。このよう
にして起振機を引き上げる方向の力を与えることによっ
て振動杭抜き作業が可能となり、起振機を押し下げる方
向の力を与えることによって強力な振動杭打込作業が可
能となる。
【0039】請求項5の発明方法を適用して請求項1の
発明方法を実施すると、請求項1の発明の効果であると
ころの「リーダの方向を任意に調節できるという作用」
を妨げることなく、杭の打抜き作業途中で中止する場合
や、再度作業を再開する場合、杭の把持を放して退避し
たり再度把持したりすることが容易であり、特に、空中
障害物の存在などによって作業空間の高さ寸法が制限さ
れている場合に有効である。その上、杭が回転対称形で
ない場合(例えばシートパイルのように、方向性を有し
ている場合)該杭を回動させて所望の角位置に支持して
打ち込んだり、打ち込まれている杭に合わせて杭チャッ
クを回して杭を正しく把持したりすることが迅速,容易
に可能である。
【0040】請求項6の発明装置によると、リーダが上
下2箇所で支持されており、該リーダの上端に近い方の
箇所は「起伏傾動するアームの先端」に装着されている
ので、上記アームの起伏傾動によって上下に駆動され、
下降せしめられたときは該リーダの下端が地表に押圧さ
れて支持状態が強固に固定される。そして、前記アーム
の起伏傾動によって上昇せしめられたリーダは地表から
離間し、下側の支持箇所の移動に伴って傾動せしめ得る
状態となる。さらに、上記下側の支持箇所は「基端部を
Y軸方向に離間せしめてベース機器に連結された1対の
液圧シリンダの先端部」によって支持されているので、
該1対の液圧シリンダが共に伸長するとリーダは、その
下方がベース機器から押し離される方向に傾動する。ま
た、該1対の液圧シリンダが共に収縮するとリーダは、
その下方がベース機器に引き寄せられる方向に傾動す
る。上記1対の液圧シリンダの片方が伸長して他方が収
縮するとリーダは、その下方がY軸方向へ移動する形に
傾動せしめられる。この作動に際して純粋にY軸方向に
傾動することは、余程の偶然が重なってもなかなか現出
しないと考えられるが、その動きをベクトル解析すると
主としてY軸方向成分によって形成されている。上述の
作用によってリーダが、Z軸方向を中立姿勢としてX,
Y方向に任意に傾動せしめられるので、ベース機器が水
平地盤上に在っても傾斜地盤上に在っても、杭を任意所
望の方向に打ち込むこと、および/または、打ち込まれ
ている杭の方向の如何に拘らず適正方向に引き抜くこと
ができる。
【0041】請求項7の発明装置によると、リーダの上
端近傍がアーム先端部によってX軸周りおよびY軸周り
の回動可能に支持されるので、該リーダは上端部付近を
中心として傾動可能に支持される。これに比してアーム
はベース機器に対してY軸周り方向にのみ回動可能に軸
支されるので、純粋の起伏動が行なわれてリーダの位置
決め操縦が容易にかつ確実に行なわれる。そして、該ア
ームが装着されているベース機器がZ軸周りに旋回し得
る構造であるから、アームの基端部がY軸周り以外の回
動が出来ないことによって何らの支障を生じない。さら
に、本請求項に係るアームがベース機器に対してY軸方
向のピンによって軸支される構造であるため、現在製造
供給されている各種型式のショベル系建設車両に対して
本発明に係るアーム部材を装着する作業が容易であっ
て、該ショベル系建設車両のフロントアタッチメント装
着用の軸受ブラケットに対する適合性が良い。
【0042】請求項8の発明に係る構成を前記請求項6
の発明における1対の液圧シリンダに適用すると、該1
対の液圧シリンダが一緒に伸縮したり、相互に関連して
伸長・収縮したりして、前記のリーダがその上端部付近
を支点として各種の方向に傾動する際、あらゆる方向の
傾動に順応して該1対の液圧シリンダの基端側連結部に
も先端側連結部にも無理な力が掛からない(いわゆる、
拗(こじ)れることが無い)。しかも、これら1対の液
圧シリンダによってリーダをあらゆる方向に往復傾動さ
せるに必要な力を伝えるについて、本請求項8に係る3
種類の継手機構が支障を及ぼす虞れが無い。すなわち、
本請求項8の構成は請求項6の発明装置における1対の
液圧シリンダが該請求項6の発明の効果を発揮せしめる
ための、該1対の液圧シリンダの連結構造に関する必要
かつ充分な構成要件である。
【0043】請求項9の発明装置によると、起振機を支
持している部材に取り付けられて無端環状をなしている
チェーンがスプロケットにより駆動されて往復周回動す
ると、起振機を持ち上げる方向および押し下げる方向に
上下動せしめられる。該起振機の上昇動は杭の振動引抜
き作業に必要な機能であり、該起振機の下降動は杭の振
動打込み作業を強力に支援助勢する。さらに、リーダ
上,下両端部のスプロケットに環状のチェーンを巻き掛
けた構成であるから、起振機の上下動ストロークがリー
ダの長さ寸法にほぼ等しくなる。このような長いストロ
ーク寸法,および、上,下両方向の駆動は、本請求項に
おける「リーダ上,下のスプロケット」と「環状チェー
ン」とを構成要件として達成し得たものである。
【0044】請求項10の発明装置によると、コの字状
ないしC字状(すなわち、環の一部を切り欠いた形状)
とすることによって、中空部に杭を貫通させて把持し、
かつ、該杭を側方から把持したり放したりすることがで
きるので、特に、作業可能空間の高さ寸法が制限されて
いる場合の杭打抜き作業を容易に行ない得る。さらに、
杭用チャックで把持した杭を、その中心線周りに往復回
動させることができるので、非回転対称形の杭を所定の
角位置に回動させて打込むことができ、また、既に打設
されている杭を迅速,容易に把持して引き抜いたり、引
き抜いた杭を所望の角位置に回動させたるすることがで
きる。
【0045】請求項11の発明装置によると、杭を把持
する押圧力を発生するチャック用シリンダが上下2段に
配置されているので、該チャック用シリンダで駆動され
て杭に押圧せしめられるジョー部材が杭に対して振動杭
打抜き作業中に回動する虞れが無い。その上、杭用チャ
ックのZ軸方向長さ寸法が長くなり、杭の頂面を地表付
近まで打ち込む場合に設けるべき布掘りが、起振機を容
れ得る内法寸法を有しなくても、杭用チャックを容れ得
る内法寸法を有していれば足りるので、布掘り用の土工
量を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る振動杭打抜装置の全体的な外観を
示し、(A)は平面図に水平直交座標軸X,Yを付記し
た図であり、(B)は正面図に垂直座標軸Zを付記した
図である。
【図2】前掲の図1(A)に示した振動杭打抜装置の実
施形態の要部を拡大して描いた平面図である。
【図3】前掲の図1(B)に示された実施形態に係る振
動杭打抜装置の要部拡大正面図である。
【図4】リーダの支持構造、並びに該リーダの上下駆動
機構および傾動駆動機構を説明するために示したもの
で、(A)はリーダとその支持・駆動部材を模式的に描
いた正面図、(B)は上記支持・駆動部材の中から傾動
駆動用部材を抽出して描いた平面図である。
【図5】本発明に係る振動杭打抜装置の1実施形態にお
ける杭のチャック機能を説明するために示した模式的な
平面図であって、(A)は杭を把持する機能を表し、
(B)は把持した杭を回動させる機能を表している。
【図6】杭の頂面を地表よりも下方まで打ち込み、もし
くは、地表よりも下方まで打ち込まれている杭を引き抜
くために、杭用チャックで杭を把持した状態を示し、
(A)は通常の杭用チャックで杭を把持した場合を描い
た模式的な断面図、(B)は本発明の1実施形態に係る
杭用チャックで杭を把持した場合を描いた模式的な断面
図である。
【図7】2個の水平なシリンダを上下2段に配列した杭
用チャックにおける液圧駆動機構部分の構成を説明する
ために示した模式図であって、(A)は水平断面図、
(B)は垂直断面図である。
【図8】起振機に装着された杭用チャックで杭を把持し
て地中に打ち込んでいる状態の1例を示す模式的な正面
図であって、地中に打ち込まれた杭を引き抜いている状
態として見ることもできる図である。
【符号の説明】
1…起振機、2…杭用チャック、3…杭、4…地盤、4
a,4b…布掘り、4c…地表、5…リーダ、6…ベー
ス機器としてのショベルカー、7…リーダシリンダ、8
…ベース機器としてのショベル系建設車両、8a…走行
機構、8b…旋回台、8c…アーム用ブラケット、8d
…アームシリンダ用ブラケット、9…アーム、9a…ア
ームピン、10…リーダ、10a…ガイドスプロケッ
ト、10b…ドライブスプロケット、10c…無端環状
チェーン、10d…ガイドレール、10e…回転継手、
10f,10g…Y方向連結ピン、10h…Z方向連結
ピン、11…アームシリンダ、12…杭用チャック、1
2a…チャック本体、12b…シリンダ、12c…ピス
トン、12d…ピストンロッド、12e…可動ジョー、
12f…固定ジョー、14L…チルトシリンダ・左、1
4R…チルトシリンダ・右、15…ブラケット、16…
ボールジョイント。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 杭用チャックを装着されている起振機を
    支持している部材をリーダによってほぼ上下方向に案内
    するとともに、上記リーダをベース機器によって支持
    し、 前記の起振機を作動させて、杭用チャックで把持した杭
    を地中に打ち込み、および/または地中から引き抜く工
    法において、 前記のベース機械を水平な地盤上に置いて、該ベース機
    器によってリーダを垂直に保持した状態において、リー
    ダの中心線とベース機器の中央部とを結ぶ水平なX軸
    と、上記X軸に直交する水平なY軸と、垂直なZ軸とか
    ら成る直交3軸を想定し、 ベース機器に対して基端部を取り付けられて起伏傾動す
    るアームの先端によって前記リーダを支持し、 1対の液圧シリンダの基端部をベース機器に対して、Y
    軸方向に離間させて取り付けるとともに、該1対の液圧
    シリンダの先端部を相互にY軸方向に近接せしめて、前
    記リーダの「アーム先端による支持箇所よりも下方」に
    取り付け、 前記1対の液圧シリンダの両方を収縮せしめたり両方を
    伸長せしめたりして、該1対の液圧シリンダのリーダに
    対する取付箇所をベース機器に対して接近・離間せしめ
    ることにより該リーダを「Z軸を通る平面内もしくはそ
    の近傍」で傾動せしめ、 上記の傾動と同時に、もしくは上記の傾動と異なる時
    に、前記1対の液圧シリンダの片方を収縮せしめるとと
    もに他方を伸長せしめて該1対の液圧シリンダのリーダ
    に対する取付箇所を「Y軸方向」に、または「Y軸方向
    およびX軸方向」に移動せしめることにより該リーダを
    傾動せしめて、 X,Y,Z座標空間におけるリーダの3次元的な方向を
    制御することを特徴とする、振動杭打抜工法。
  2. 【請求項2】 前記のリーダを前記アームの先端に対し
    て「X軸と平行な軸の周りに回動する回転継手」と、
    「Y軸方向の連結ピン」とを介して支持することを特徴
    とする、請求項1に記載した振動杭打抜工法。
  3. 【請求項3】 前記1対の液圧シリンダの基端部を前記
    ベース機器に対して「X,Y,Z3軸周りの回動可能な
    継手機構」を介して取り付けるとともに、上記1対の液
    圧シリンダの先端部をリーダに対して「Y,Z2軸周り
    の回動可能な継手機構」を介して取り付けることを特徴
    とする、請求項1もしくは請求項2に記載した振動杭打
    抜工法。
  4. 【請求項4】 前記リーダの上端部付近と下端部付近と
    のそれぞれにスプロケットを設置するとともに、 無端環状のチェーンを上記スプロケットに巻き掛け、前
    記のリーダによって案内されている起振機の支持部材に
    前記無端環状のチェーンを取り付け、 または、チェーンの両端を起振機の支持部材に取り付け
    て環状に繋いで、これを前記スプロケットに巻き掛け、 前記スプロケットを正,逆転せしめるように駆動して前
    記環状のチェーンを往復周回動せしめて起振機を上方に
    持ち上げたり下方へ押し下げたりすることを特徴とす
    る、請求項1に記載した振動杭打抜工法。
  5. 【請求項5】 前記のベース機器として、X−Y平面内
    の走行機能と、Z軸周りの旋回機能とを有するショベル
    系建設車両の本体部分を用い、 該ベース機器を走行せしめて杭用チャックを杭に接近せ
    しめ、Z軸とほぼ平行に仮保持されている杭を側方から
    把持して受け取り、 上記の杭を把持した杭用チャックを、杭の中心線周りに
    回動せしめて所望の角位置ならしめて該杭を地中に打ち
    込み、および/または、上記とほぼ反対の手順で、地中
    から杭を引き抜くことを特徴とする、請求項1に記載し
    た振動杭打抜工法。
  6. 【請求項6】 水平な直交2軸X,Yと、垂直軸Zとか
    ら成る直交3軸を想定し、 水平な地盤上に載置された状態でZ軸周りに回転する旋
    回台と、走行機能とを有するショベル系建設車両をベー
    ス機器とし、上記ベース機器によってほぼ鉛直に支持さ
    れたリーダによって起振機の支持部材を上下に案内し
    て、該起振機に装着されている杭用チャックで把持した
    杭に振動を与えて該杭を地中に打ち込んだり地中から引
    き抜いたりする振動式の杭打抜き装置において、 ベース機器に対して起伏傾動するアームの先端にリーダ
    が装着されており、 上記アームをX−Z平面に位置せしめた状態で、ベース
    機器上の、Y軸方向に離間した2点に1対の液圧シリン
    ダそれぞれの基端部が取り付けられており、 上記1対の液圧シリンダの先端部はリーダに対して、ほ
    ぼ等高の近接した2点にそれぞれ取り付けられていて、 前記のリーダは、その上端に近い箇所をアームの先端に
    取り付けて支持されるとともに、上記の箇所よりも下方
    の箇所を1対の液圧シリンダで支持され、概要的には上
    下2箇所で、上下動可能に、かつ、傾動可能に支持され
    ていることを特徴とする、振動杭打抜装置。
  7. 【請求項7】 前記アーム基端部が、ベース機器に対し
    てY軸方向のアームピンによって起伏傾動可能に支持さ
    れるとともに、該アームの先端部が「リーダに装着され
    たX軸周りの回転継手」に対して「Y軸方向の連結ピ
    ン」を介して接続されていることを特徴とする、請求項
    6に記載した振動杭打抜装置。
  8. 【請求項8】 前記1対の液圧シリンダのそれぞれが、
    その基端部はベース機器に対して、X,Y,Z3軸周り
    の回動可能な継手機構を介して接続されるとともに、 その先端部はリーダに対して「X軸周りの回転継手」お
    よび「Y軸方向の連結ピン」を介して接続されているこ
    とを特徴とする、請求項6に記載した振動杭打抜装置。
  9. 【請求項9】 前記のリーダによってその長手方向に案
    内されつつ前記の起振機を支持する部材と、該リーダの
    上端付近と下端付近とのそれぞれに設置されたスプロケ
    ットと、前記の起振機支持部材に取り付けられるととも
    に前記スプロケットに巻き掛けられた無端環状のチェー
    ンと、前記スプロケットの内の少なくとも1個を往復回
    転せしめて前記のチェーンを周回動せしめる駆動手段と
    を具備していることを特徴とする、請求項6に記載した
    振動杭打抜装置。
  10. 【請求項10】 前記の杭用チャックは、リーダの長手
    方向に見たときの形状がコの字状ないしC字状をなして
    おり、 上記コの字状ないしC字状の中空部に位置せしめた杭
    を、リーダの長手方向と平行に把持して、該杭の長手方
    向中心線周りに少なくとも90度往復回動せしめ得る構
    造であることを特徴とする、請求項6ないし請求項9の
    何れかに記載した振動杭打抜装置。
  11. 【請求項11】 前記の杭用チャックが起振機の下方に
    装着されており、該杭用チャックの水平断面形状の輪郭
    は前記起振機の水平断面形状の輪郭よりも小さく、 かつ、水平姿勢のチャック用シリンダが上下2段に配置
    されていることを特徴とする、請求項10に記載した振
    動杭打抜装置。
JP16743997A 1997-06-24 1997-06-24 振動杭打抜工法および振動杭打抜装置 Expired - Lifetime JP3223481B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16743997A JP3223481B2 (ja) 1997-06-24 1997-06-24 振動杭打抜工法および振動杭打抜装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16743997A JP3223481B2 (ja) 1997-06-24 1997-06-24 振動杭打抜工法および振動杭打抜装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1113061A true JPH1113061A (ja) 1999-01-19
JP3223481B2 JP3223481B2 (ja) 2001-10-29

Family

ID=15849739

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16743997A Expired - Lifetime JP3223481B2 (ja) 1997-06-24 1997-06-24 振動杭打抜工法および振動杭打抜装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3223481B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008156926A (ja) * 2006-12-25 2008-07-10 Giken Seisakusho Co Ltd 杭圧入機及び杭圧入方法
JP2009221659A (ja) * 2008-03-13 2009-10-01 Onoda Chemico Co Ltd 掘削装置のリーダー鉛直調整機構
JP2021139155A (ja) * 2020-03-05 2021-09-16 大都技研株式会社 位置決定装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008156926A (ja) * 2006-12-25 2008-07-10 Giken Seisakusho Co Ltd 杭圧入機及び杭圧入方法
JP2009221659A (ja) * 2008-03-13 2009-10-01 Onoda Chemico Co Ltd 掘削装置のリーダー鉛直調整機構
JP2021139155A (ja) * 2020-03-05 2021-09-16 大都技研株式会社 位置決定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3223481B2 (ja) 2001-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3223481B2 (ja) 振動杭打抜工法および振動杭打抜装置
US9074334B2 (en) Post driver and puller
JPS59109617A (ja) 静荷重型杭打抜機
JP5517295B2 (ja) 切断処理装置
JPH1171757A (ja) 振動杭打抜工法および振動杭打抜装置
JPH09268557A (ja) 杭打抜装置
JP4190811B2 (ja) 高所作業車
JPH11350480A (ja) 杭の振動圧入・引抜装置および同工法、並びに振動圧入・引抜装置用チャック機構
JPH07102561A (ja) 振動杭打機
JPH07125986A (ja) 水平ブームの張り出し、格納装置
JP4518457B2 (ja) 法面への吹付材料吹付設備及び装置
JP3428280B2 (ja) 油圧式法面削孔作業車両
JP4324069B2 (ja) 建設作業機械
JP2014113844A (ja) 傾斜地用作業機械
JP3076366U (ja) 作業機におけるブーム用アタッチメント
JPH0657747A (ja) パイル打設機
JPS6227542Y2 (ja)
JP7451339B2 (ja) 杭上移動装置用作業足場
JP3357878B2 (ja) 法面穿孔機
JP5227939B2 (ja) 作業機械
JP7251267B2 (ja) 連結ピン挿入装置
JPH09328752A (ja) 杭打抜機、および、杭打工法
JP2537768Y2 (ja) 杭打ち機
JP6735256B2 (ja) 建設機械用作業機の載置台装置
JPH09209399A (ja) 建設機械のフロント配管保持装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080824

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090824

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100824

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110824

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110824

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120824

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120824

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120824

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130824

Year of fee payment: 12

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term