JP2537768Y2 - 杭打ち機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、ガードレール用ポール
などを地面に打ち込む杭打ち機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、杭打ち機としては、大型の走行車
輌上にクレーン状のアームを突設して、同アームには、
上下動するハンマーを具備しながらポールを支持するマ
ストを連結したものが存在する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところが、従来の杭打
ち機は、機体全体が大形に形成されていると共に、クレ
ーン状のアームなどが杭打ち専用に構成されており、製
作費が高いものであった。また、従来のものは、杭打ち
機に設けるハンマーを上下動する特殊エンジンや火薬類
を使用して駆動するものであるから、騒音が高く杭打ち
作業を能率的にできないといった問題点を有していた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案は、走行自在の機
体に、杭打ち機構部を具備する主ブームを設けた杭打ち
機において、上記主ブームの先端に、ブラケットを介し
て縦形のスライドガイド体を設けると共に、同スライド
ガイド体を、前後軸芯回りと左右軸芯回りで左右方向、
及び前後方向に姿勢変更自在として、かつ、同スライド
ガイド体の前側には上下摺動面に沿って作動する杭打ち
用ウエイトを装着し、しかも、スライドガイド体の上部
には、昇降用油圧シリンダの伸縮により上下作動する滑
車を設け、同滑車の上下動によりワイヤーを介して杭打
ち用ウエイトを上下動自在に吊装したことを特徴とする
杭打ち機を提供せんとするものである。

【０００５】

【実施例】本考案の実施例を図面に基づいて具体的に説
明すると、１はガードレール用ポールなどを地面に打ち
込む杭打ち機であって、走行装置２を有する機体３の前
部に主ブーム４を上下動自在に連結している。５は主ブ
ーム４の先端に連結する杭打ち機構部で、縦形のスライ
ドガイド体６を設けている。７は同スライドガイド体６
の中間部後側に固着する取付ブラケットで、前記主ブー
ム４先端と連結されている。８は主ブーム４を上下動さ
せるブーム用シリンダ、９は取付ブラケット７及びスラ
イドガイド体６を前後方向に傾斜させる前後調節用シリ
ンダである。

【０００６】また、スライドガイド体６は、取付ブラケ
ット７に対して前後軸芯Ｐ回りで機体左右方向に調整自
在に固定ボルト10により装着されている。11は取付ブラ
ケット７側に設ける円弧状長孔、12は主ブーム４とブラ
ケット７とを連結する枢支ピンで、同枢支ピン12の左右
軸芯Ｑ回りでスライドガイド体６が前後方向に姿勢変更
自在となっている。12-1は前後調節用シリンダ９とブラ
ケット７を連結する横ピンである。

【０００７】また、上記スライドガイド体６の前側には
上下摺動面13を設けて、同上下摺動面13に沿って上下方
向に作動する杭打ち用ウエイト14を装着している。

【０００８】15はスライドガイド体６の上部に設ける昇
降用油圧シリンダでピストンロッド16を上向き状態に伸
縮できるようにしている。

【０００９】そして、同ピストンロッド16の上端には滑
車17を回転自在に枢支していると共に、滑車17に巻掛け
たワイヤー18の先端を杭打ち用ウエイト14に連結してい
る。

【００１０】19は昇降用油圧シリンダ15の後部をカバー
するカバー体、20はスライドガイド体６の前側に設ける
ポールガイドで、下側にはポール位置決め用ガイド21を
設けている。22は機体３側に設ける操作レバーである。

【００１１】本考案の実施例は上記のように構成されて
おり、したがって、上記杭打ち機１により地面にポール
を打ち込む場合は、機体３を現場に停止させて主ブーム
４を上昇させる。そして、先端に連結するスライドガイ
ド体６を垂直状態にセットする。この場合に同スライド
ガイド体６は、前後軸芯Ｐ回りと左右軸芯Ｑ回りで機体
に対して左右方向、及び前後方向に姿勢を変更しながら
調整し、固定することができる。

【００１２】次に、油圧操作レバー22を操作しながら昇
降用油圧シリンダ15を伸縮させる。すると、同昇降用油
圧シリンダ15の上端に設ける滑車17が上下動して、ワイ
ヤー18を緊緩しながら、杭打ち用ウエイト14を落下させ
る。そして、同ウエイト14の落下衝撃によりポールを打
ち込むものである。

【００１３】以上の如く、上記実施例によれば、杭打ち
機の主ブーム４先端にブラケット７を介して縦形のスラ
イドガイド体６を設けたものであるから、同スライドガ
イド体６を左右方向及び前後方向に姿勢変更自在にセッ
トすることができ、したがって、地表面が傾斜面であっ
ても杭打ち作業を確実に行うことができる。

【００１４】また、杭打ち用ウエイト14は、スライドガ
イド体６の上部に設ける昇降用油圧シリンダ15を介し
て、滑車17を上下動させると共に、同滑車17によりワイ
ヤー18を引張るものであるから、杭打ち用ウエイト14の
落下速度及びストローク並びに打込み荷重を自在に調整
することができ、全体として構造が簡単でありながら杭
打ち作業を能率的に行うことができるものである。

【００１５】また、上記杭打ち機は、バックホーなどに
装備すれば、油圧機器が兼用できて安価に製作ができる
ものである。

【００１６】

【考案の効果】本考案によれば、走行自在の機体に、杭
打ち機構を具備する主ブームを設けて、同主ブームの先
端にブラケットを介して縦形のスライドガイド体を設け
ると共に、同スライドガイド体を、前後軸芯回りと左右
軸芯回りで左右方向及び前後方向に姿勢変更自在とした
ものであるから、地表面が傾斜面であってもスラスイド
ガイド体を垂直にセットすることができ、したがって、
杭打ち作業を確実に行うことができるものである。

【００１７】また、杭打ち用ウエイトの上下動は、昇降
用油圧シリンダの作動により上下作動する滑車によりワ
イヤーを引張って行うものであるから、同杭打ち用ウエ
イトの落下速度及びストローク並びに打込み荷重を自在
に調整することができ、全体として構造が簡単でありな
がら、杭打ち作業を能率的に行うことができるものであ
る。

【００１８】また、本考案に係る杭打ち機は、バックホ
ーなどの機体に装備すれば油圧機器を兼用することがで
き、したがって、安価に製作できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る杭打ち機の斜視図。

【図２】本考案要部の側面図。

【図３】ブラケット部の背面図。

【図４】杭打ち用ウエイト部の断面平面図。

【符号の説明】

Ｐ 前後軸芯 Ｑ 左右軸芯 ３ 機体 ４ 主ブーム ５ 杭打ち機構部 ６ スライドガイド体 ７ ブラケット 13 上下摺動面 14 杭打ち用ウエイト 15 昇降用油圧シリンダ 17 滑車 18 ワイヤ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 走行自在の機体３に、杭打ち機構部５を
   具備する主ブーム４を設けた杭打ち機において、 上記主ブーム４の先端に、ブラケット７を介して縦形の
   スライドガイド体６を設けると共に、同スライドガイド
   体６を、前後軸芯Ｐ回りと左右軸芯Ｑ回りで左右方向、
   及び前後方向に姿勢変更自在として、かつ、同スライド
   ガイド体６の前側には上下摺動面13に沿って作動する杭
   打ち用ウエイト14を装着し、しかも、スライドガイド体
   ６の上部には、昇降用油圧シリンダ15の伸縮により上下
   作動する滑車17を設け、同滑車17の上下動によりワイヤ
   ー18を介して杭打ち用ウエイト14を上下動自在に吊装し
   たことを特徴とする杭打ち機。