JPH11129947A - 装軌式車両 - Google Patents

装軌式車両

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JPH11129947A
JPH11129947A JP31125797A JP31125797A JPH11129947A JP H11129947 A JPH11129947 A JP H11129947A JP 31125797 A JP31125797 A JP 31125797A JP 31125797 A JP31125797 A JP 31125797A JP H11129947 A JPH11129947 A JP H11129947A
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JP
Japan
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vehicle
brake
crawler
drive shaft
swing
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JP31125797A
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English (en)
Inventor
Fujio Sato
藤男 佐藤
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 起伏の激しい路面を走行するときでも、走行
性を高めることができ、車両の発進時、走行ブレーキの
作動時でも車両の姿勢を安定できるようにする。 【解決手段】 フロントアクスル装置13のドライブシ
ャフト17先端側に減速機等を介してハブ20を設け、
このハブ20には駆動輪22を一体に取付ける。また、
ハブ20の外周側には揺動ブラケット24のボス部24
Bを相対回転可能に取付け、揺動ブラケット24の三角
プレート24Aと保持プレート24Eとの間には複数の
転輪27を設ける。さらに、駆動輪22と各転輪27と
の間には履帯28を巻回する。そして、アクスルハウジ
ング14の一部を構成するナックル16下面側には、三
角プレート24Aに設けた制止プレート29の両側を上
側から跨ぐように制止ブレーキ30を設け、制止ブレー
キ30により揺動ブラケット24の揺動を制止するよう
にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧ショベ
ル等の建設機械に用いられる装軌式車両に関し、特に、
不整地な路上を走行するのに好適に用いられる装軌式車
両に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧ショベル等の建設機械は、
車両のトラックフレームと、該トラックフレームの左,
右両側に設けた一対の履帯装置等とからなる装軌式車両
として構成されている。(以下、第1の従来技術とい
う)。
【0003】また、ホイール式油圧ショベル等からなる
他の従来技術にあっては、前記第1の従来技術で述べた
履帯装置に替えてトラックフレームの前,後,左,右に
合計4個のホイールを設け、該各ホイールを回転駆動す
ることにより路上走行を行うホイール式車両として構成
している(以下、第2の従来技術という)。
【0004】さらに、実開昭64−29082号等に記
載の従来技術(以下、第3の従来技術という)による油
圧ショベルにあっては、トラックフレームの前,後,
左,右に離間して合計4個の履帯装置を設けたものが開
示されている。そして、この従来技術では、前,後に延
びる各履帯装置の一端側をトラックフレームに対して揺
動可能に設けると共に、各履帯装置とトラックフレーム
との間には、該各履帯装置の他端側を常に下向きに押圧
するばね部材が設けられている。
【0005】一方、特開平4−244489号公報等
(以下、第4の従来技術という)には、図10ないし図
12に示す装軌式車両の下部走行体に適用したものが開
示されている。
【0006】ここで、第4の従来技術による装軌式車両
の下部走行体は、トラックフレーム1と、該トラックフ
レーム1の前,後に離間してトラックフレーム1に回動
可能に設けられた駆動軸2,2と、該各駆動軸2の両端
側に揺動可能に設けられた前,後,左,右の履帯装置
3,3(2個のみ図示)とから構成されている。
【0007】また、履帯装置3は、駆動軸2の両端側に
一体に設けられたスプロケット等かなる駆動輪4(一方
のみ図示)と、三角形の平板状に形成され、その上側部
分が駆動輪4とトラックフレーム1との間に位置して駆
動軸2の周囲に相対回転可能に設けられた略三角形状の
ブラケット5と、該ブラケット5の下側部分に回転可能
に設けられた転輪6,6,…と、該各転輪6と駆動輪4
との間に巻回され、両者間で周回動作を行う履帯7とか
ら構成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した第
1の従来技術では、例えば起伏の激しい凹凸状の路面を
乗り越えるときには、油圧ショベルの重心位置が起伏の
最も高い凸の部分を通過するまで、履帯装置の前方部分
が路面から浮き上がってしまう。そして、この油圧ショ
ベルは、重心位置が凸の部分を通過した途端に前側に倒
れてしまい、このときの「ばたつき」により走行性が低
下し、オペレータに恐怖感を与え易くなるという問題が
ある。
【0009】また、トラックフレームの前,後,左,右
に4個のホイールを設けた第2の従来技術では、常に
前,後のホイールを路面に対して接地させることがで
き、上述したような起伏のある路面に対しては走行性の
面で比較的有利である。
【0010】しかし、この従来技術にあっては、路面に
接する各ホイールの接地面積が小さくなるため、泥濘地
等の地盤が柔らかい不整地な路面を走行するときには、
スリップが生じ易く、走行性等が低下するという問題が
ある。
【0011】さらに、トラックフレームの前,後,左,
右に離間して各履帯装置を揺動可能に設けた第3の従来
技術では、凹凸状の路面を走行するときに各履帯装置が
それぞれ路面の凹凸に合わせて揺動することにより、該
各履帯装置をそれぞれ路面に対して広く接地させること
ができ、このような起伏のある路面を乗り越えるときに
比較的安定した走行性が得られる。
【0012】しかし、この従来技術にあっては、各履帯
装置を揺動中心から離れた位置でばね部材により地面に
強く押付ける構成としているから、ばね部材のばね力に
より履帯装置の最大揺動角が小さくなり、上述した起伏
の激しい凹凸状の路面等を乗り越えるとき等には、起伏
の傾斜に合わせて履帯装置を十分に揺動させることがで
きなくなることがある。そして、この場合には、路面に
接する各履帯装置の接地面積が小さくなり、走行が不安
定になるという問題がある。
【0013】一方、第4の従来技術では、図10に示す
ように起伏の激しい路面を乗り越えるようなときでも、
路面の傾斜に合わせて各履帯装置3をトラックフレーム
1に対して揺動させ、路面に広く接地させることがで
き、このような乗り越え時の走行性を向上できる。
【0014】しかし、この種の従来技術にあっては、ブ
ラケット5を駆動軸2の周囲に回動自在に取付ける構成
としているから、例えば図11に示すように矢示A方向
への走行中に、ブレーキをかけて駆動軸2の回転に制動
力を与えると、トラックフレーム1自体の慣性によって
各履帯装置3の後方部分が前側の転輪6を支点とし矢示
B方向へと上向きに浮き上がり、路面から離れることが
ある(以下、後上り現象という)。
【0015】また、図12に示すように坂道を矢示C方
向に向けて発進するときには、トラックフレーム1に慣
性力が作用することにより、各履帯装置3の前方部分が
後側の転輪6を支点とし矢示D方向へと浮き上がり、路
面から離れることがある(以下、前上り現象という)。
そして、このような前上り現象または後上り現象が生じ
ると、車体の姿勢が不安定になり、走行性等が低下する
という問題がある。
【0016】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は、起伏の激しい路面や地盤が柔
らかい不整地な路面等に対しても、履帯装置を広く接地
させることができ、走行性を高めることができる上に、
坂道発進時等に生じる履帯装置の「前上り現象」、およ
び走行ブレーキの作動時に生じる履帯装置の「後上り現
象」を防止でき、車両の姿勢を安定させ、乗り心地を高
めることができるようにした装軌式車両を提供すること
を目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために請求項1の発明による装軌式車両は、車両のトラ
ックフレームと、該トラックフレームの前,後に離間し
て該トラックフレームに回動可能に設けられた前,後の
駆動軸と、該各駆動軸の周囲に揺動可能に設けられ、該
駆動軸により走行される前,後の履帯装置と、常時は待
機位置となって該各履帯装置の揺動を許し、待機位置か
ら制止位置に切換わったときに該各履帯装置の揺動を制
止する制止装置とから構成している。
【0018】上記構成により、凹凸状の路面を走行する
ときには、制止装置を待機位置に保持することにより、
路面の傾斜に合わせて履帯装置を駆動軸を中心に揺動さ
せつつ駆動させることができ、これにより、履帯装置を
路面に対して広く接地させ、安定した走行を行うことが
できる。また、制止装置を待機位置から制止位置に切換
えることにより、履帯装置の揺動を制止することができ
る。
【0019】また、請求項2の発明による装軌式車両
は、車両のトラックフレームと、該トラックフレームの
前,後に離間して該トラックフレームに設けられたアク
スルハウジングと、該アクスルハウジング内に回動可能
に挿通して設けられた前,後の駆動軸と、該各駆動軸の
周囲に相対回転可能に設けられ、該各駆動軸を中心にし
て揺動する前,後の揺動ブラケットと、前記駆動軸から
離間して該各揺動ブラケットに回転可能に設けられた転
輪と、前記駆動軸に設けた駆動輪と該転輪との間に巻回
された履帯と、前記アクスルハウジング側に設けられ前
記駆動軸に制動力を付与するブレーキ装置と、前記アク
スルハウジングと揺動ブラケットとの間に設けられ、常
時は前記揺動ブラケットが駆動軸に対して揺動するのを
許し、少なくとも前記ブレーキ装置の作動時に前記揺動
ブラケットの揺動を制止する制止装置とから構成してい
る。
【0020】上記構成により、路上走行時には、路面の
傾斜に合わせて揺動ブラケットを駆動軸を中心に揺動さ
せつつ、履帯をアクスルハウジング内の駆動軸に設けた
駆動輪と転輪との間で周回動作させることができ、これ
により、履帯を路面に対して広く接地させ、安定した走
行を行うことができる。そして、車両の走行を停止する
ために、ブレーキ装置を作動させるときには、同時にア
クスルハウジング側に設けた制止装置を自動的に作動さ
せることができ、ブレーキ装置と制止装置とを別々に操
作する手間を省くことができる。
【0021】さらに、請求項3の発明では、前記制止装
置は、車両の発進時に連動して作動する構成としてい
る。
【0022】これにより、車両を発進させるときには、
同時に制止装置を自動的に作動させることができ、制止
装置の操作性を向上できる。
【0023】一方、請求項4の発明では、前記制止装置
を作動、停止させるための制止スイッチを備える構成と
している。
【0024】この場合には、走行状況等に応じてオペレ
ータが適宜に制止スイッチを操作することにより、制止
装置を作動または停止でき、履帯装置の揺動を制止した
り、揺動を許したりすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
装軌式車両を油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、
添付図面に従って詳細に説明する。
【0026】ここで、図1ないし図9は本発明の実施の
形態を示している。図中、11は下部走行体、12は該
下部走行体11の本体を構成するトラックフレームを示
し、該トラックフレーム12には、その中央から丸胴1
2Aが上向きに突設されている。
【0027】13はトラックフレーム12の前側に設け
られたフロントアクスル装置で、該フロントアクスル装
置13は、後述のアクスルハウジング14、ドライブシ
ャフト17、車両ブレーキ18および減速機19等から
構成され、トラックフレーム12側に設けた油圧モータ
(図示せず)によりリヤアクスル装置31と共に各履帯
装置21,37を走行駆動させるものである。
【0028】14はトラックフレーム12の前側に一体
に設けられたアクスルハウジングを示し、該アクスルハ
ウジング14は、図4および図5に示す如くトラックフ
レーム12の下側で左,右方向に延びた角筒体として形
成され、その長さ方向中間部にはディファレンシャルギ
ヤ15用のギヤハウジング14Aが一体形成されてい
る。そして、アクスルハウジング14は、フロントアク
スル装置13の非回転部分を構成し、その内部にはドラ
イブシャフト17が挿通されている。
【0029】また、アクスルハウジング14の左,右両
端側には、操舵用のタイロッド(図示せず)が取付けら
れるナックル16(一方のみ図示)が回転可能に設けら
れ、該ナックル16は、その内部にドライブシャフト1
7が挿通され、アクスルハウジング14の一部を構成し
ている。
【0030】17はフロントアクスル装置13のアクス
ルハウジング14内等にジョイント(図示せず)等を介
して回転可能に挿通して設けられた駆動軸としての前側
のドライブシャフトで、該ドライブシャフト17は、ア
クスルハウジング14内を軸方向に延び、その基端側が
ディファレンシャルギヤ15側に連結されている。そし
て、ドライブシャフト17は、その先端側がナックル1
6等を介して減速機19側に連結され、トラックフレー
ム12側の油圧モータからの駆動力を後述の駆動輪22
側に伝達する構成となっている。
【0031】18,18はフロントアクスル装置13の
左,右両側に設けられたブレーキ装置としての前側の車
両ブレーキを示し、該各車両ブレーキ18は、図5およ
び図7に示す如く、ドラム18Aと、該ドラム18Aの
外周側に設けられたライニング18B,18B等から構
成されている。
【0032】ここで、車両ブレーキ18のドラム18A
は減速機19を介してドライブシャフト17に連結さ
れ、ナックル16に対しては相対回転する構成となって
いる。そして、車両ブレーキ18は、後述するエアシリ
ンダ57を介してブレーキ液圧が供給されることにより
各ライニング18Bがドラム18Aの外周側に押圧さ
れ、ドライブシャフト17の回転に制動力を与える構成
になっている。
【0033】20は減速機19を外側から覆うように車
両ブレーキ18側に一体に設けられたハブで、該ハブ2
0は、図4および図5に示す如く環状の鍔部20Aを有
する筒状体として形成され、該鍔部20Aが車両ブレー
キ18のドラム18Aに締着されている。これにより、
ハブ20はドラム18Aと一体となって回転し、ドライ
ブシャフト17と共に前側の駆動軸を構成している。
【0034】21はトラックフレーム12の前側に位置
し、ハブ20の周囲に揺動可能に設けられた前側の履帯
装置を示し、該履帯装置21は、後述の駆動輪22、揺
動ブラケット24、各転輪27および履帯28等から構
成され、駆動輪22により走行駆動されるものである。
【0035】22はハブ20の先端側に一体に設けられ
たスプロケットからなる駆動輪で、該駆動輪22は、図
2ないし図5に示す如く外周側が履帯28に噛合した環
状の歯車として形成されている。そして、該駆動輪22
は、その内周側が蓋板23等を介してハブ20の先端部
に締着されている。
【0036】24はハブ20の外周側に揺動可能に設け
られた揺動ブラケットで、該揺動ブラケット24は、図
1ないし図5に示す如く、三角形の平板からなる三角プ
レート24Aと、該三角プレート24Aの上側部分に一
体形成されたボス部24Bと、三角プレート24Aの表
面側に位置して該ボス部24Bの外周側から下向きに延
びた中央の補強プレート24Cと、該補強プレート24
Cの両側に位置してボス部24Bの外周側から斜め下向
きに延びた前,後の補強プレート24D,24Dと、該
各補強プレート24C,24Dの下端側に設けられ、三
角プレート24Aとの間で後述の各転輪27を回転可能
に保持した保持プレート24Eおよび後述の制止プレー
ト29とから構成されている。
【0037】さらに、揺動ブラケット24には、図5に
示すようにボス部24Bとハブ20との間に位置してベ
アリング25,25,…と、該各ベアリング25側への
ダスト等の異物の侵入を防止するダストシール26,2
6,…とが介装され、ベアリング25はボス部24Bを
ハブ20に対して相対回転可能に保持する構成となって
いる。
【0038】27,27,…はハブ20から下側に離れ
た位置で揺動ブラケット24の三角プレート24Aと保
持プレート24Eとの間に回転可能に設けられた転輪、
28は該各転輪27と駆動輪22との間に巻回された履
帯を示し、該履帯28は、駆動輪22に噛合することに
より、駆動輪22と各転輪27との間で三角プレート2
4Aの周囲を周回動作するものである。
【0039】29は三角プレート24Aの裏面側に一体
に設けられた制止プレートで、該制止プレート29は、
図3ないし図5に示す如く、断面略L字状をなし、ボス
部24Bの下側で一定の曲率をもって凹湾曲状に湾曲し
て延びた弓形状の板体として形成されている。そして、
該制止プレート29は、基端側が三角プレート24Aに
固着され、先端側が水平方向に延びた延設板29Aと、
該延設板29Aの先端側から上向きに屈曲して延び、後
述する制止ブレーキ30の各摩擦パッド30Bに摩擦接
触される屈曲板29Bとから構成されている。
【0040】30,30はトラックフレーム12と揺動
ブラケット24との間に位置してフロントアクスル装置
13側に設けられた前側の制止ブレーキを示し、該制止
ブレーキ30は、図7に示すように後述の電磁弁67等
と共に制止装置を構成している。
【0041】ここで、制止ブレーキ30は、図4および
図5に示す如く、例えば水平対向ピストン型のディスク
ブレーキから構成され、制止プレート29の屈曲板29
B両面側を上側から跨ぐように配設され、ナックル16
の下面側に締着されたキャリア30Aと、屈曲板29B
を挟んで両側に対応して配設され、キャリア30Aに対
して摺動可能に設けられた一対の摩擦パッド30B,3
0B等とから構成されている。
【0042】そして、制止ブレーキ30は、図7に示す
如く後述のエアシリンダ59を介してブレーキ液圧が供
給されることにより、各摩擦パッド30Bが屈曲板29
Bの両面側に押圧され、揺動ブラケット24の揺動に対
して制止力を与える構成になっている。
【0043】かくして、制止ブレーキ30は、常時は図
4,5中に示すように各摩擦パッド30Bが制止プレー
ト29から離間した位置(以下、待機位置という)にお
かれ、この間は履帯装置21の揺動を許す。そして、各
摩擦パッド30Bが制止プレート29に押圧される位置
(以下、制止位置という)に切換えられたときに、制止
ブレーキ30は、揺動ブラケット24の揺動を制止する
構成になっている。
【0044】また、制止ブレーキ30は、後述のブレー
キスイッチ65および制止スイッチ68を切換え操作す
ることにより、各車両ブレーキ18,34の作動時また
は車両の発進時(加速時)等に作動し、各履帯装置21
の揺動を抑えるものである。
【0045】31はトラックフレーム12の後側に設け
られたリヤアクスル装置で、該リヤアクスル装置31
は、図6に示す如くフロントアクスル装置13とほぼ同
様に、後述のアクスルハウジング32、ドライブシャフ
ト33、車両ブレーキ34および減速機35等から構成
されている。
【0046】32はトラックフレーム12の後側に一体
に設けられたアクスルハウジングを示し、該アクスルハ
ウジング32は、アクスルハウジング14とほぼ同様に
トラックフレーム12下側で左,右方向に延びた角筒体
として形成されている。そして、アクスルハウジング3
2は、リヤアクスル装置31の非回転部分を構成し、そ
の内部にはドライブシャフト33が挿通されている。
【0047】33はリヤアクスル装置31のアクスルハ
ウジング32内等に回転可能に設けられた駆動軸として
の後側のドライブシャフトを示し、該ドライブシャフト
33は、アクスルハウジング32内を軸方向に延び、ト
ラックフレーム12側の油圧モータからの駆動力を後述
の駆動輪38側に伝えるものである。
【0048】34,34はリヤアクスル装置31の左,
右両側に設けられたブレーキ装置としての後側の車両ブ
レーキを示し、該車両ブレーキ34は、ドラム34Aお
よびライニング34B,34B等から車両ブレーキ18
と同様に構成されている。
【0049】また、車両ブレーキ34のドラム34A
は、減速機35等を介してドライブシャフト33に連結
され、アクスルハウジング32に対しては相対回転する
構成となっている。そして、車両ブレーキ34は、エア
シリンダ57を介してブレーキ液圧が供給されることに
より、各ライニング34Bがドラム34Aの外周側に押
圧され、ドライブシャフト33の回転に制動力を与える
構成になっている。
【0050】36は減速機35を外側から覆うように車
両ブレーキ34側に一体に設けられたハブで、該ハブ3
6は、図6に示す如くハブ20と同様に環状の鍔部36
Aを有する筒状体として形成され、該鍔部36Aが車両
ブレーキ34に締着されている。これにより、ハブ36
はドラム34Aと一体なって回転し、ドライブシャフト
33と共に後側の駆動軸を構成する。
【0051】37はトラックフレーム12の後側に位置
し、ハブ36の周囲に揺動可能に設けられた後側の履帯
装置を示し、該履帯装置37は、後述の駆動輪38、揺
動ブラケット40、各転輪43および履帯44等から大
略構成され、駆動輪38により駆動されるものである。
38はハブ36の先端側に一体に設けられたスプロケッ
トからなる駆動輪を示し、該駆動輪38は、図6に示す
如く外周側が履帯44に噛合した歯車からなり、蓋板3
9と共にハブ36の先端部に締着されている。
【0052】40はハブ36の外周側に揺動可能に設け
られた揺動ブラケットで、該揺動ブラケット40は、揺
動ブラケット24とほぼ同様に三角プレート40A、ボ
ス部40B、各補強プレート40C,40D、保持プレ
ート40Eおよび後述の制止プレート45とから構成さ
れ、揺動ブラケット40には、ボス部40Bとハブ36
との間に位置して各ベアリング41および各ダストシー
ル42が介装されている。
【0053】43,43,…はハブ36から下側に離れ
た位置で揺動ブラケット40の三角プレート40Aと保
持プレート40Eとの間に回転可能に設けられた転輪、
44は該各転輪43と駆動輪38との間に巻回された履
帯を示し、該履帯44は、駆動輪38に噛合することに
より、駆動輪38と各転輪43との間を周回動作するも
のである。
【0054】45は三角プレート40Aの裏面側に一体
に設けられた制止プレートで、該制止プレート45は、
図6に示す如く制止プレート29とほぼ同様に形成さ
れ、三角プレート40Aに固着された延設板45Aと、
該延設板45Aの先端側から上向きに屈曲して延びた屈
曲板45Bとから構成されている。
【0055】46,46はトラックフレーム12と揺動
ブラケット40との間に位置してリヤアクスル装置31
側に設けられた後側の制止ブレーキを示し、該制止ブレ
ーキ46は、図7に示すように電磁弁67等と共に他の
制止装置を構成している。そして、該制止ブレーキ46
は、図6に示す如くキャリア46Aと各摩擦パッド46
B等とから制止ブレーキ30と同様に構成され、キャリ
ア46Aがアクスルハウジング32の下面側に締着され
ている。
【0056】また、制止ブレーキ46は、常時は図6中
に示すように各摩擦パッド46Bが制止プレート45か
ら離間した待機位置におかれ、この間は揺動ブラケット
40の揺動を許す。そして、各摩擦パッド46Bが制止
プレート45に押圧される制止位置に切換えられたとき
には、制止ブレーキ46は揺動ブラケット40の揺動を
制止する構成となっている。また、各制止ブレーキ46
は、ブレーキスイッチ65および制止スイッチ68を切
換え操作することにより、各制止ブレーキ30と共に各
車両ブレーキ18,34の作動時または車両の発進時
(加速時)等に作動し、履帯装置37の揺動を抑えるも
のである。
【0057】47はトラックフレーム12の丸胴12A
上に旋回可能に搭載された上部旋回体で、該上部旋回体
47は、旋回フレーム48と、該旋回フレーム48上に
設けられた運転室49、機械室50等から構成され、上
部旋回体47の前部には土砂等の掘削作業を行う作業装
置51が俯仰動可能に設けられている。そして、運転室
49内には走行ペダル(図示せず)および後述のブレー
キペダル61A(ブレーキ弁61)等が装備され、これ
らをペダル操作することにより当該油圧ショベルを走
行、停止させる。
【0058】次に、図7を参照して各車両ブレーキ1
8,34および各制止ブレーキ30,46の作動を制御
する制御回路について説明する。
【0059】図中、52は上部旋回体47の機械室50
内に装備される原動機としてのエンジン、53は該エン
ジン52によって駆動されるエアポンプを示し、該エア
ポンプ53は、圧縮空気をエアタンク54内に貯留させ
るものである。そして、エアタンク54は管路55,5
6等を介してそれぞれ後述のエアシリンダ57,59に
接続されている。
【0060】57は各車両ブレーキ18,34にブレー
キ液圧を給排するエアシリンダで、該エアシリンダ57
は、管路58等を介してエアタンク54と接続され、エ
アタンク54から供給される圧縮空気の空気圧をブレー
キ液圧に変換し、各車両ブレーキ18,34を作動させ
るものである。また、エアタンク54からの圧縮空気が
後述するブレーキ弁61Aの開口61Bを介して外部に
排出されたときには、エアシリンダ57が縮小して各車
両ブレーキ18,34が解除位置に戻される。
【0061】59は各制止ブレーキ30,46に設けら
れた他のエアシリンダを示し、該エアシリンダ59は、
管路56,60等を介してエアタンク54と接続され、
エアタンク54から供給される圧縮空気の空気圧をブレ
ーキ液圧に変換して各制止ブレーキ30,46を作動さ
せるものである。また、エアタンク54からの圧縮空気
が後述する電磁弁67の開口67Cを介して外部に排出
されたときには、エアシリンダ59が縮小して各制止ブ
レーキ30,46の作動が停止される。
【0062】61は管路55の途中に設けられたブレー
キ弁で、該ブレーキ弁61は、運転室49内でオペレー
タにより踏込み操作されるブレーキペダル61Aを有
し、常時は管路58が開口61Bを介して大気に開放さ
れることにより、各車両ブレーキ18,34をエアシリ
ンダ57を介してブレーキの解除位置におかれる。そし
て、ブレーキ弁61は、ブレーキペダル61Aの踏込み
操作時に、エアタンク54からの圧縮空気を管路55お
よび後述のバイパス管路63等を介してエアシリンダ5
7に供給させ、エアシリンダ57を介して各車両ブレー
キ18,34を作動させるものである。
【0063】62は管路55,56と管路58との間に
設けられた電磁弁、63は該電磁弁62をバイパスする
ように管路55,58間に接続されたバイパス管路を示
し、該バイパス管路63の途中にはチェック弁64が設
けられている。そして、チェック弁64はバイパス管路
63側から管路58側に向けて空気圧が流通するのを許
し、逆向きに流通するのを阻止するものである。
【0064】ここで、電磁弁62は、ソレノイド62A
とばね62Bとを有し、切換位置(イ)に保持される間
は、各車両ブレーキ18,34のエアシリンダ57を管
路58等を介してブレーキ弁61の開口61Bにより大
気に開放させる。また、電磁弁62は駐車用のブレーキ
スイッチ65によりソレノイド62Aが励磁されたとき
に切換位置(ロ)に切換えられ、各車両ブレーキ18,
34のエアシリンダ57を管路58および管路55等を
介してエアタンク54に接続させる。
【0065】65は各車両ブレーキ18,34を駐車ブ
レーキとして作動させるために運転室49内に設けられ
た駐車用のブレーキスイッチで、該ブレーキスイッチ6
5は、可動接点65Aを「T」位置に切換えたときに電
磁弁62のソレノイド62Aを消磁させ、「W」位置に
切換えたときにバッテリ66からの電力でソレノイド6
2Aを励磁させる構成になっている。そして、ブレーキ
スイッチ65は、路上走行時には「T」位置に切換えら
れ、掘削作業時等の駐車時には「W」位置に切換えられ
るものである。
【0066】67は管路60の途中に設けた他の電磁弁
で、該電磁弁67は、ソレノイド67A、ばね67Bお
よび開口67C等を有し、常時はばね67Bにより待機
位置(ハ)に保持され、エアシリンダ59を開口67C
を介して大気に開放する。また、電磁弁67は後述する
コントローラ71からの制御信号によりソレノイド67
Aが励磁されたときに、待機位置(ハ)から制止位置
(ニ)に切換えられ、各制止ブレーキ30,46のエア
シリンダ59を管路56,60を介してエアタンク54
に接続させ、これによって、各制止ブレーキ30,46
を作動させるものである。
【0067】68は各制止ブレーキ30,46を制止操
作するために運転室49内に設けられた制止スイッチ
で、該制止スイッチ68は、オペレータが可動接点68
Aを「OFF」位置に切換操作したときに、コントロー
ラ71を介して電磁弁67のソレノイド67Aを消磁さ
せ、各制止ブレーキ30,46の作動を解除する。そし
て、制止スイッチ68の可動接点68Aを「ON」位置
に切換操作したときには、バッテリ66からの電力でソ
レノイド67Aを励磁させ、各制止ブレーキ30,46
を作動させるものである。
【0068】また、制止スイッチ68は、可動接点68
Aを「A」位置に切換操作したときに、ペダルセンサ6
9,70からの操作信号に応じてソレノイド67Aを励
磁または消磁させ、各制止ブレーキ30,46を作動ま
たは解除させる構成になっている。
【0069】69はブレーキペダル61A(ブレーキ弁
61)のペダルセンサで、該ペダルセンサ69は、例え
ばブレーキペダル61Aの踏込み操作量をブレーキペダ
ル61Aの傾転角として検出する角度センサ等により構
成され、検出した傾転角をブレーキペダル61Aの操作
信号としてコントローラ71に入力するものである。
【0070】70は走行ペダルのペダルセンサで、該ペ
ダルセンサ70は、走行ペダルの踏み込み操作量に比例
して発生するパイロット圧を検出する圧力センサ(いず
れも図示せず)等により構成され、検出した圧力値を走
行ペダルの操作信号としてコントローラ71に入力する
ものである。なお、ペダルセンサ70はペダルセンサ6
9と同様に角度センサ等により構成してもよく、ペダル
センサ69を圧力センサ等により構成してもよい。
【0071】71はマイクロコンピュータ等によって構
成されるコントローラで、該コントローラ71は、入力
側がブレーキスイッチ65、制止スイッチ68およびペ
ダルセンサ69,70に接続され、出力側が電磁弁67
のソレノイド67Aに接続されている。そして、コント
ローラ71は、その記憶回路内に図8に示すプログラム
等を格納し、電磁弁67の切換制御処理等を行うように
なっている。
【0072】本実施の形態による油圧ショベルは上述の
如き構成を有するもので、次に、図8を参照してコント
ローラ71による各制止ブレーキ30,46の制御処理
について説明する。
【0073】まず、ステップ1では、ブレーキスイッチ
65が「W」位置に切換操作されたか否かを判定し、
「YES」と判定した場合には、ステップ5に移って後
述の如く各制止ブレーキ30,46を作動させ、例えば
油圧ショベルの作業時等に履帯装置21,37が揺動す
るのを防止する。
【0074】また、ステップ1で「NO」と判定した場
合には、ブレーキスイッチ65が「T」位置に切換操作
され、電磁弁62のソレノイド62Aが消磁され、車両
は走行可能な状態となっているから、この場合にはステ
ップ2に移る。
【0075】次に、ステップ2では、制止スイッチ68
が「A」位置に切換操作されているか否かを判定し、
「NO」と判定した場合には、後述のステップ9に移
り、ステップ2で「YES」と判定した場合にはステッ
プ3に移る。
【0076】そして、ステップ3では、ペダルセンサ6
9,70の操作信号を読込み、次なるステップ4では、
ペダルセンサ69からの操作信号により各車両ブレーキ
18,34により車両のブレーキ操作が行われたか否か
を判定する。そして、ステップ4で「YES」と判定し
た場合には、車両のブレーキ操作時であるから、ステッ
プ5に移って電磁弁67のソレノイド67Aを励磁さ
せ、各制止ブレーキ30,46を作動させる。
【0077】一方、ステップ4で「NO」と判定した場
合には、ステップ6に移ってペダルセンサ70からの操
作信号により、車両が発進時または加速時にあるか否か
を判定する。ここで、ペダルセンサ70からの操作信号
が急激に増大する場合には、車両の急発進または急加速
時に該当し、操作信号が一定値に保持されるか、または
漸次減少する場合には、車両が等速状態にあるか、また
は減速、停止状態にあるものとみなす。
【0078】そして、ステップ6で「YES」と判定し
た場合には、車両の発進、加速時であるから、ステップ
5に移ってソレノイド67Aを励磁させ、各制止ブレー
キ30,46を作動させる。
【0079】また、ステップ6で「NO」と判定した場
合にはステップ7に移り、ステップ7では、電磁弁67
のソレノイド67Aを消磁させ、各制止ブレーキ30,
46の制止操作を解除させると共に、ステップ8でリタ
ーンさせる。
【0080】次に、ステップ9では、制止スイッチ68
が「ON」の位置に切換操作されたか否かを判定し、
「YES」と判定した場合には、ステップ5に移り、ソ
レノイド67Aを励磁させる。
【0081】また、ステップ9で「NO」と判定した場
合には、ステップ10に移り、制止スイッチ68が「O
FF」位置に切換操作されたか否かを判定し、「YE
S」と判定した場合には、ステップ7に移って電磁弁6
7のソレノイド67Aを消磁させ、各制止ブレーキ3
0,46を解除する。また、ステップ10で「NO」と
判定した場合には、ステップ8に移ってリターンし、ス
テップ1以降の処理を繰返す。
【0082】かくして、本実施の形態では、ブレーキス
イッチ65を「A」位置に予め切換操作した状態で、車
両の走行時にブレーキペダル61Aを踏込み操作したと
きには、各車両ブレーキ18,34が作動し、これに連
動して電磁弁67が待機位置(ハ)から制止位置(ニ)
に切換わることにより、各制止ブレーキ30,46を作
動でき、車両の制動時に各履帯装置21,37がトラッ
クフレーム12に対して揺動するのを自動的に制止でき
る。
【0083】また、坂道等の途中で走行ペダルを踏込み
操作し、坂道発進等を行うようなときでも、制止スイッ
チ68を「A」位置に切換操作しておくことにより、走
行ペダルの踏込み操作に連動して電磁弁67を待機位置
(ハ)に切換え、各制止ブレーキ30,46を自動的に
作動させることができ、各履帯装置21,37の揺動を
車両の発進時等にも制止できる。
【0084】さらに、車両の通常走行等には、電磁弁6
7が待機位置(ハ)に保持されることにより、各制止ブ
レーキ30,46の作動を解除でき、各履帯装置21,
37が路面の傾斜等に応じて揺動するのを揺することが
できる。
【0085】一方、各履帯装置21,37を揺動させる
必要がないとき、例えば舗装道路等の平坦な路面を走行
するときにおいては、制止スイッチ68を予め「ON」
位置に切換操作しておくことにより、電磁弁67を制止
位置(ニ)に切換えることができ、これによって、各履
帯装置21,37の揺動を各制止ブレーキ30,46に
より常に制止させた状態で走行を行うことができる。
【0086】また、各履帯装置21,37を常に揺動さ
せる必要があるとき、例えば起伏の激しい凹凸状の路面
を走行するときにおいては、制止スイッチ68を予め
「OFF」位置に切換操作しておくことにより、電磁弁
67を待機位置(ハ)に保持でき、これによって、各制
止ブレーキ30,46の作動を解除し、各履帯装置2
1,37を路面の傾斜に合わせて適宜に揺動させること
ができる。
【0087】一方、土砂等の掘削作業時には、ブレーキ
スイッチ65を「W」位置に切換操作することにより、
電磁弁62を切換位置(ロ)に切換えると共に、電磁弁
67を制止位置(ニ)に自動切換でき、各車両ブレーキ
18,34および各制止ブレーキ30,46の両方を同
時に作動させることができる。これによって、起伏の激
しい凹凸状の路面上で作業を行うようなときでも、駆動
輪22,38が不用意に回転して各履帯装置21,37
が動いたり、上部旋回体47が各履帯装置21,37上
で揺れ動いたりするのを共に抑えた状態で安定した作業
を行うことができ、作業効率等を向上することができ
る。
【0088】従って、本実施の形態によれば、車両の発
進時またはブレーキ操作時等に、各制止ブレーキ30,
46により各履帯装置21,37の揺動を制止すること
ができ、従来技術で述べたように履帯装置21,37の
「前上り現象」、「後上り現象」等の不具合が生じるの
を防止でき、これによって、車両の円滑な発進操作また
は制動操作を行うことができ、走行を安定させて乗り心
地等を高めることができる。
【0089】また、制止スイッチ68を「A」位置に切
換操作することにより、上述した加速走行時およびブレ
ーキ操作時には、ペダルセンサ69,70により走行状
況に合わせて各制止ブレーキ30,46を自動的に作動
させることができ、これによって、各制止ブレーキ3
0,46の操作性を向上することができる。
【0090】さらに、車両の走行途中等にあってはオペ
レータが制止スイッチ68を適宜に「ON」、「OF
F」位置に切換操作することにより、制止ブレーキ3
0,46のマニュアル操作を行うことができ、これによ
っても、各制止ブレーキ30,46の操作性を高めるこ
とができる。
【0091】なお、前記実施の形態では、履帯装置21
を、揺動ブラケット24と、該揺動ブラケット24の
上,下に回動可能に設けた駆動輪22および4個の転輪
27と、該駆動輪22と各転輪27との間に巻回された
履帯28とから構成するものとして述べた。しかし、本
発明の履帯装置21は、実施の形態のものに限ることな
く、例えば図9に示す変形例のように、履帯装置81
を、前,後方向に延びた揺動ブラケット82と、該揺動
ブラケット82の前側に設けられた駆動輪83と、同じ
く揺動ブラケット82の後側に設けられた1個の転輪8
4と、該駆動輪83と転輪84との間に巻回された履帯
85とから構成してもよい。この場合、駆動輪83と転
輪84は前,後方向を逆としてもよい。
【0092】また、前記実施の形態では、制止ブレーキ
30をフロントアクスル装置13のナックル16に取付
け、制止ブレーキ46をリヤアクスル装置31のアクス
ルハウジング32に取付けるものとして述べたが、本発
明はこれに限らず、下部走行体11のうち非回転部分で
あればいずれの箇所に制止ブレーキ30,46を取付け
てもよく、例えば後側の制止ブレーキ46については、
リヤアクスル装置31とは異なる位置でトラックフレー
ム12側に取付けてもよい。
【0093】また、前記実施の形態では、各車両ブレー
キ18,34および各制止ブレーキ30,46をエアシ
リンダ57,59を介してブレーキ液圧により作動させ
るものとして述べたが、これに替えて、各車両ブレーキ
18,34および各制止ブレーキ30,46をエアタン
ク54からの空気圧により直接作動させる構成とてもよ
く、また、電動式のブレーキ等により構成してもよい。
【0094】さらに、前記実施の形態では、装軌式車両
として油圧ショベルを例に挙げて説明したが、本発明は
これに限らず、例えば、トラック等の荷物運搬車に各履
帯装置21,37を適用してもよい。
【0095】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の発
明によれば、トラックフレームの前,後に離間して設け
た駆動軸にそれぞれ履帯装置を揺動可能に設け、駆動軸
により履帯装置を駆動させると共に、各履帯装置の揺動
を制止する制止装置を設ける構成としたから、車両を発
進させたり、車両を制動したり停止するときには、履帯
装置の揺動を制止装置により制限することができ、これ
によって、車両の発進、停止時等に生じる履帯装置の前
上り現象、後上り現象等の不具合が生じるのを防止で
き、走行時に車両の姿勢を安定させて乗り心地を向上す
ることができる。
【0096】また、請求項2の発明によれば、車両のト
ラックフレームの前,後に離間して設けたアクスルハウ
ジング内の駆動軸に揺動ブラケットを揺動可能に設け、
該揺動ブラケットに設けた転輪と駆動軸に設けた駆動輪
との間に履帯を巻回させると共に、アクスルハウジング
には駆動軸に制動力を付与するブレーキ装置を設け、ト
ラックフレームと揺動ブラケットとの間には、少なくと
もブレーキ装置の作動時に揺動ブラケットの揺動を制止
する制止装置を設ける構成としたから、ブレーキ装置に
より車両の走行を停止させときに、揺動ブラケットの揺
動を自動的に制止でき、これによっても、請求項1の発
明と同様に、履帯装置の前上り現象、後上り現象等の不
具合が生じるのを防止でき、走行時の車両の姿勢を安定
させることができる。また、ブレーキ装置と制止装置と
を別々に操作する手間を省くことができ、操作性を向上
させることができる。
【0097】また、請求項3の発明では、制止装置を車
両の発進時に連動して作動させる構成としたから、車両
を発進させるときには、これと同時に制止装置を自動的
に作動させることができ、これによっても、制止装置の
操作性を向上することができる。
【0098】さらに、請求項4の発明では、制止装置を
作動、停止させるための制止スイッチを備える構成とし
たから、作業状況、走行状況に応じて作業者が制止スイ
ッチを適宜に操作することにより、制止装置のマニュア
ル操作を行うことができ、これによっても、制止装置の
操作性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による油圧ショベルを示す
外観図である。
【図2】図1中の履帯装置を拡大して示す正面図であ
る。
【図3】図2中の履帯装置を示す背面図である。
【図4】履帯を破断した状態で履帯装置と共にフロント
アクスル装置を示す図2の左側面図である。
【図5】図1中の履帯装置を矢示V−V方向からみた要
部拡大断面図である。
【図6】図1中の履帯装置を矢示VI−VI方向からみた要
部拡大断面図である。
【図7】実施の形態による油圧ショベルのブレーキ回路
図である。
【図8】制止ブレーキの制御処理を示す流れ図である。
【図9】本発明の変形例による油圧ショベルを示す外観
図である。
【図10】従来技術による装軌式車両の下部走行体を示
す概略図である。
【図11】走行用のブレーキを作動させた状態で図9中
の装軌式車両を示す概略図である。
【図12】坂道発進を行った状態で図9中の装軌式車両
を示す概略図である。
【符号の説明】
12 トラックフレーム 14,32 アクスルハウジング 16 ナックル 18,34 車両ブレーキ(ブレーキ装置) 21,37,81 履帯装置 17,33 ドライブシャフト(駆動軸) 22,38,83 駆動輪 24,40,82 揺動ブラケット 27,43,84 転輪 28,44,85 履帯 30,46 制止ブレーキ(制止装置) 65 ブレーキスイッチ 68 制止スイッチ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のトラックフレームと、該トラック
    フレームの前,後に離間して該トラックフレームに回動
    可能に設けられた前,後の駆動軸と、該各駆動軸の周囲
    に揺動可能に設けられ、該駆動軸により走行される前,
    後の履帯装置と、常時は待機位置となって該各履帯装置
    の揺動を許し、待機位置から制止位置に切換わったとき
    に該各履帯装置の揺動を制止する制止装置とから構成し
    てなる装軌式車両。
  2. 【請求項2】 車両のトラックフレームと、該トラック
    フレームの前,後に離間して該トラックフレームに設け
    られたアクスルハウジングと、該アクスルハウジング内
    に回動可能に挿通して設けられた前,後の駆動軸と、該
    各駆動軸の周囲に相対回転可能に設けられ、該各駆動軸
    を中心にして揺動する前,後の揺動ブラケットと、前記
    駆動軸から離間して該各揺動ブラケットに回転可能に設
    けられた転輪と、前記駆動軸に設けた駆動輪と該転輪と
    の間に巻回された履帯と、前記アクスルハウジング側に
    設けられ前記駆動軸に制動力を付与するブレーキ装置
    と、前記アクスルハウジングと揺動ブラケットとの間に
    設けられ、常時は前記揺動ブラケットが駆動軸に対して
    揺動するのを許し、少なくとも前記ブレーキ装置の作動
    時に前記揺動ブラケットの揺動を制止する制止装置とか
    ら構成してなる装軌式車両。
  3. 【請求項3】 前記制止装置は、車両の発進時に連動し
    て作動する構成としてなる請求項1または2に記載の装
    軌式車両。
  4. 【請求項4】 前記制止装置を作動、停止させるための
    制止スイッチを備える構成としてなる請求項1,2また
    は3に記載の装軌式車両。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102941887A (zh) * 2012-10-24 2013-02-27 广西悍牛工程设备有限公司 压雪车扭杆悬挂减震装置
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