JP2009023595A - 運搬車両のサスペンション装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 サスペンションシリンダ内の油液温度を検出して流量制御を行うことにより、車両走行時の振動を安定して緩衝することができるようにする。
【解決手段】 左,右の前懸架シリンダ8L,8R、左,右の後懸架シリンダ11L,11R内の油室圧力を圧力センサ18L,18R,19L,19Rで検出する。また、前懸架シリンダ8L,8R、後懸架シリンダ11L,11Rの油室A等に給排される油液の温度を温度センサ20L,20R,21L,21Rで検出する。そして、制御装置22は、これらの圧力センサ18L,18R,19L,19R、温度センサ20L,20R,21L,21Rから読込んだ夫々の検出信号に従って、流量制御弁14L,14R,17L,17Rの開度を独立して可変に制御し、走行条件に応じた適正な減衰力を発生できるようにしている。
【選択図】 図3
【解決手段】 左,右の前懸架シリンダ8L,8R、左,右の後懸架シリンダ11L,11R内の油室圧力を圧力センサ18L,18R,19L,19Rで検出する。また、前懸架シリンダ8L,8R、後懸架シリンダ11L,11Rの油室A等に給排される油液の温度を温度センサ20L,20R,21L,21Rで検出する。そして、制御装置22は、これらの圧力センサ18L,18R,19L,19R、温度センサ20L,20R,21L,21Rから読込んだ夫々の検出信号に従って、流量制御弁14L,14R,17L,17Rの開度を独立して可変に制御し、走行条件に応じた適正な減衰力を発生できるようにしている。
【選択図】 図3
Description
本発明は、例えば採掘場、石切り場、鉱山等で採掘した砕石物または掘削した土砂等を運搬するダンプトラック等の車両に好適に用いられる運搬車両のサスペンション装置に関する。
一般に、ダンプトラックと呼ばれる大型の運搬車両は、車体のフレーム上に起伏可能となったベッセル(荷台)を備え、このベッセル上に砕石物または土砂等の運搬対象物を多量に積載した状態で、例えば集荷場等に向けて運搬、搬送するものである(例えば、特許文献1参照)。
また、作業車両のサスペンション装置としては、自走可能な車体と、車輪側の車軸と該車体との間にそれぞれ設けられ該車体を車輪上で懸架する複数のサスペンションシリンダと、該各サスペンションシリンダの伸縮を制御する制御手段等とを備えたものが知られている(例えば、特許文献2,3参照)。
そして、この種の従来技術によるサスペンション装置では、車両のプロペラシャフト近傍等に走行速度を検出するための回転センサを設け、該回転センサからの検出信号に基づいて車両が走行中であるか否かを検出し、車両の走行中にはサスペンションシリンダの伸縮を許すことにより、車両の振動を緩衝できるようにしている。
一方、車両を駐車、停車している状態では、例えば荷物等を車両に積載する積荷作業、または土砂の掘削作業等を行うことがあるので、このような駐車・停車時には、サスペンションシリンダをロックして伸縮動作を規制することにより、前記積荷作業、掘削作業時等において車両が前,後方向、左,右方向等に傾いてしまうのを防止する構成としている。
ところで、上述した従来技術によるサスペンション装置では、回転センサ等を用いて車両の走行,停止を検出し、その検出結果に基づいてサスペンションシリンダの伸縮,ロックを制御する構成としている。このため、車両の走行時における乗り心地を向上させる上で、油液の温度変化に伴って下記のような問題が生じることがある。
即ち、車両の懸架機構として用いるサスペンションシリンダは、例えばアキュムレータ内に蓄圧した油液(圧油)をサスペンションシリンダの油室に給排するときに、流通する油液に対し流量制御弁等で絞り抵抗を与えることにより、車両の振動を緩衝し、乗り心地を良好に保つように構成している。
しかし、サスペンションシリンダ(油室)内に収容される油液は、大きな重量の車体を下側から支えるために高圧状態にさらされることが多く、このために油液の温度は無視できないレベルまで上昇することがある。そして、油液の温度が上昇すると、油液の粘性が低下して前記絞り抵抗が変化してしまう。
このため、車両を長い時間にわたって運転(稼働)していると、運転開始直後に比較して油液の温度が大きく変動し、これに伴って油液の絞り抵抗が変化してしまう。この結果、サスペンションシリンダの油液による緩衝作用が低下することがあり、車両の乗り心地を良好に保つのが難しくなるという問題がある。
特に、鉱山の砕石場等を走行するダンプトラック等の運搬車両は、作業現場の路面に凹凸等が多い悪路条件下での走行を繰返すため、サスペンションシリンダ(油室)内の油液は、温度上昇し易くなり、これによって振動の緩衝作用が低下し、乗り心地を悪くする原因になるという問題がある。
また、このような運搬車両では、荷台上に多量の運搬対象物(砕石等)を積載するために、左,右の後車輪をそれぞれ複数個のタイヤを用いて構成する場合が多い。そして、複数個のタイヤを用いた場合には、左,右の後輪側サスペンション間の間隔が必然的に狭められることになり、このために車両の後輪側では左,右方向の揺れ(ローリング)を左,右のサスペンションで緩衝するのが難しくなるという問題がある。
さらに、ダンプトラック等の運搬車両は、車体のフレーム上に設けたベッセル(荷台)に、砕石物または土砂等の運搬対象物を多量に積載するため、例えば一般の乗用車等に比較して車両の重心が高くなる傾向があり、前,後の車輪間の間隔(ホイールベース)も相対的には短くなっている。
このため、車両の発進・加速時には、車両の前輪側が浮上がる現象(所謂スクワットと呼ばれる現象)が発生し易く、車両の減速・急停車時には、車両の前輪側が沈み込む現象(所謂ノーズダイブと呼ばれる現象)が発生し易く、これによって車両の乗り心地が悪くなるという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、サスペンションシリンダ内の油液温度を監視することにより、車両走行時の振動を安定して緩衝することができ、乗り心地を向上することができるようにした運搬車両のサスペンション装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、車両の走行時における左,右方向の揺れ(ローリング)を良好に減衰することができ、乗り心地の向上化を図ることができるようにした運搬車両のサスペンション装置を提供することにある。
さらに、本発明の別の目的は、車両の発進・加速時または減速時における車体の前,後方向の揺れ(スクワットまたはノーズダイブ)を良好に減衰することができ、乗り心地の向上化を図ることができるようにした運搬車両のサスペンション装置を提供することにある。
上述した課題を解決するため本発明は、左,右の前車輪、左,右の後車輪によって自走可能となり運搬対象物を積載する荷台が設けられた車体と、前記各車輪と該車体との間にそれぞれ設けられ各車輪上で該車体を懸架する複数のサスペンションシリンダと、該各サスペンションシリンダ毎にそれぞれ設けられ内部に蓄圧した油液を該各サスペンションシリンダの油室に給排する複数のアキュムレータと、該各アキュムレータと各サスペンションシリンダとの間にそれぞれ設けられ各サスペンションシリンダの油室に給排する油液の流量を可変に制御する複数の流量制御弁とからなる運搬車両のサスペンション装置に適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記サスペンションシリンダに設けられ前記油室内の圧力を検出する圧力検出手段と、前記サスペンションシリンダに設けられ前記油室に給排される油液の温度を検出する油温検出手段と、前記圧力検出手段および油温検出手段からの検出信号に従って前記流量制御弁の開度を可変に制御する制御手段とを備える構成としたことにある。
また、請求項2の発明によると、前記圧力検出手段および油温検出手段は、左,右の車輪側に位置する左,右のサスペンションシリンダ毎にそれぞれ設け、前記制御手段は、前記各圧力検出手段および各油温検出手段からの検出信号に従って前記各流量制御弁を個別に切換制御する構成としている。
また、請求項3の発明によると、前記制御手段は、左,右のサスペンションシリンダ間の圧力差を前記各圧力検出手段から読込み、この圧力差が既定の圧力差よりも大きいときには前記流量制御弁を閉弁し、既定の圧力差よりも小さいときには前記各油温検出器で検出した油液の温度を基準温度と比較し、その比較結果に従って前記流量制御弁の開度を変えると共に前記油室内の圧力に基づいて決められた開度となるように制御する構成としている。
一方、請求項4の発明は、前記車体の前,後方向の加速度を検出する加速度検出手段を備え、前記圧力検出手段および油温検出手段は、前車輪,後車輪側のサスペンションシリンダ毎にそれぞれ設け、前記制御手段は、前記加速度検出手段、各圧力検出手段および各油温検出手段からの検出信号に従って前記各流量制御弁を個別に切換制御する構成としている。
また、請求項5の発明によると、前記制御手段は、前記加速度検出手段から読込んだ前,後方向の加速度が既定の加速度よりも大きいときに車両の発進,加速時と判定し、この発進,加速時には、前,後のサスペンションシリンダのうち後輪側に位置する油温検出器で検出した油液の温度を基準温度と比較し、その比較結果に従って後輪側の流量制御弁の開度を変えると共に前記後輪側のサスペンションシリンダの油室内圧力に基づいて決められた開度となるように制御する構成としている。
さらに、請求項6の発明によると、前記制御手段は、前記加速度検出手段から読込んだ前,後方向の加速度が他の既定の加速度よりも小さいときに車両の減速時と判定し、この減速時には、前,後のサスペンションシリンダのうち前輪側に位置する油温検出器で検出した油液の温度を基準温度と比較し、その比較結果に従って前輪側の流量制御弁の開度を変えると共に前記前輪側のサスペンションシリンダの油室内圧力に基づいて決められた開度となるように制御する構成としている。
上述の如く、請求項1に記載の発明によれば、サスペンションシリンダ(油室)内の圧力を圧力検出手段で検出すると共に、サスペンションシリンダの油室に給排される油液の温度を油温検出手段で検出し、制御手段は前記圧力検出手段および油温検出手段からの検出信号に従って流量制御弁の開度を可変に制御する構成としているので、前記油液の温度が上昇するに伴って油液の粘性が下がるようなときには、流量制御弁の開度を小さく制御することにより、油液の絞り抵抗が油温に応じて変動するの抑えることができる。また、逆に油液の温度が低下して粘性が高くなるような場合には、流量制御弁の開度を大きくするように制御することにより、油液の絞り抵抗が油温に応じて変動するの抑えることができる。そして、圧力検出手段で検出したサスペンションシリンダ(油室)内の圧力が増減するときにも、これに応じて流量制御弁の開度を可変に制御することにより、例えば車両の加速度変化、積載重量の変化等に対応した適正な振動緩衝作用、減衰力特性等を得ることができる。
従って、サスペンションシリンダ内の油液温度を油温検出手段で検出し監視すると共に、油室内の圧力変化を圧力検出手段で検出し監視することにより、流量制御弁の開度制御を適正に行うことができ、車両走行時の振動を安定して緩衝できると共に、振動を早期に減衰して車両の乗り心地を向上することができる。
また、請求項2に記載の発明は、圧力検出手段と油温検出手段とを、左,右の車輪側に位置する左,右のサスペンションシリンダ毎にそれぞれ設ける構成としているので、油液の温度変化に拘わらず、左,右のサスペンションシリンダ間で安定した振動緩衝作用を得ることができ、車両の走行時における左,右方向の揺れ(ローリング)を良好に減衰し、乗り心地の向上化を図ることができる。
この場合、請求項3に記載の発明は、上述の如き構成を採用することにより、左,右のサスペンションシリンダ間の圧力差を各圧力検出手段から読込み、この圧力差が既定の圧力差よりも大きいときには、左,右の流量制御弁を全て閉弁することによって、左,右のサスペンションシリンダをロック状態に保持することができ、車両のローリングを抑えることができる。また、前記圧力差が既定の圧力差よりも小さいときには、各油温検出器で検出した油液の温度を基準温度と比較し、その比較結果に従って各流量制御弁の開度を可変に制御することができると共に、このときの開度を左,右のサスペンションシリンダ(油室)内の圧力に基づいて決められた開度となるように制御することができ、これにより、車両のローリングを良好に減衰することができる。
一方、請求項4に記載の発明は、車体の前,後方向の加速度を検出する加速度検出手段を備え、圧力検出手段と油温検出手段とを、前車輪,後車輪側のサスペンションシリンダ毎にそれぞれ設ける構成としているので、油液の温度変化に拘わらず、前,後のサスペンションシリンダ間で安定した振動緩衝作用を得ることができ、車両の発進・加速時または減速時における車体の前,後方向の揺れ(スクワットまたはノーズダイブ)を良好に減衰し、乗り心地の向上化を図ることができる。
この場合、請求項5に記載の発明は、上述の如き構成を採用することにより、加速度検出手段から読込んだ前,後方向の加速度が既定の加速度よりも大きいときには、これを車両の発進,加速時として判別することができる。そして、車両の発進,加速時には、前,後のサスペンションシリンダのうち後輪側の油温検出器で検出した油液の温度を基準温度と比較し、その比較結果に従って後輪側の流量制御弁の開度を可変に制御することができると共に、このときの開度を後輪側のサスペンションシリンダ(油室)内の圧力に基づいて決められた開度となるように制御することができ、これにより、後輪側の沈み込みを抑えて車両のスクワット(前輪側の浮上がり)を良好に減衰することができる。
また、請求項6に記載の発明は、上述の如き構成を採用することにより、加速度検出手段から読込んだ前,後方向の加速度が他の既定の加速度より小さいときには、これを車両の減速(停車操作)時として判別することができる。そして、車両の減速時には、前,後のサスペンションシリンダのうち前輪側の油温検出器で検出した油液の温度を基準温度と比較し、その比較結果に従って前輪側の流量制御弁の開度を可変に制御することができると共に、このときの開度を前輪側のサスペンションシリンダ(油室)内の圧力に基づいて決められた開度となるように制御することができ、これにより、車両のノーズダイブ(前輪側の沈み込み)を良好に減衰することができる。
以下、本発明の実施の形態による運搬車両のサスペンション装置を、鉱山等で採掘した砕石物等を運搬するダンプトラックに適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
ここで、図1ないし図8は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は大型の運搬車両であるダンプトラックで、該ダンプトラック1は、図1、図2に示すように頑丈なフレーム構造をなす車体2と、該車体2上に傾転(起伏)可能に搭載された荷台としてのベッセル3とにより大略構成されている。
そして、ベッセル3は、例えば砕石物等の重い運搬対象物(以下、砕石4という)を多量に積載するため全長が10〜13m(メートル)にも及ぶ大型の容器として形成され、その後側底部が、車体2の後端側に連結ピン5等を介して傾転可能に連結されている。また、ベッセル3の前側上部には、後述のキャブ6を上側から覆う庇部3Aが一体に設けられている。
即ち、ベッセル3の底部側は、車体2の後部側に連結ピン5を用いて回動可能に支持され、後述の起伏シリンダ26を伸長または縮小させることにより、ベッセル3の前部側(庇部3A側)は、連結ピン5を支点として上,下方向に回動(昇降)される。そして、ベッセル3に積載された多量の砕石4は、例えば所定の集荷場等に運搬され、べッセル3を起伏シリンダ26で後方へと傾けたときに、ベッセル3から滑り落ちるように排出されるものである。
6は庇部3Aの下側に位置して車体2の前部に設けられたキャブで、該キャブ6は、ダンプトラック1のオペレータが乗降する運転室を形成し、その内部には運転席、起動スイッチ、アクセルペダル、ブレーキペダル、操舵用のハンドル(いずれも図示せず)等が設けられている。
そして、ベッセル3の庇部3Aは、キャブ6を上側からほぼ完全に覆うことにより、例えば岩石等の飛び石からキャブ6を保護すると共に、車両(ダンプトラック1)の転倒時等にもキャブ6内のオペレータを保護する機能を有しているものである。
7は車体2の前部側に回転可能に設けられた左,右の前車輪としての前輪(一方のみ図示)で、該前輪7は、ダンプトラック1のオペレータによって操舵(ステアリング操作)される操舵輪を構成するものである。そして、前輪7は後述の後輪9と同様に、例えば2〜4mに及ぶタイヤ径(外径寸法)をもって形成されている。
8L,8Rは車体2の前部と左,右の前輪7側との間に設けられた左,右の前輪側サスペンションシリンダ(以下、左,右の前懸架シリンダ8L,8Rという)を示している。該左,右の前懸架シリンダ8L,8Rは、例えば油圧シリンダ等を用いて構成され、車体2の前部側を左,右の前輪7上で懸架しつつ、車体2の上,下方向の振動を後述の如く緩衝するものである。
ここで、例えば前懸架シリンダ8Lは、図3に示すように円筒状のチューブ8aと、該チューブ8a内を2つの油室A,Bに画成するピストン8bと、一端側が該ピストン8bに固着され、他端側がチューブ8a外に突出したロッド8cとにより構成されている。そして、ロッド8cは、懸架ばね(図示せず)等を用いてチューブ8aから常時伸長する方向に付勢されている。また、この場合のピストン8bには、チューブ8a内で油室A,B間を常時連通した状態に保つ油穴(図示せず)が穿設されている。
そして、車両の振動等に伴ってロッド8cがチューブ8aから上,下に伸縮するときには、チューブ8a内に収容される油液の量が、ロッド8cの伸縮に伴うチューブ8a内での容積変化(ロッド8cの進入体積の変化)によって増減される。即ち、前懸架シリンダ8L(チューブ8a)内に収容される油液は、ロッド8cが縮小方向に変位するときに後述のアキュムレータ12Lに向けて排出され、ロッド8cが伸長方向に変位するときには、前懸架シリンダ8L(チューブ8a)内に向けてアキュムレータ12L側から油液が供給(流入)されるものである。
なお、右側の前懸架シリンダ8R、後述する左,右の後懸架シリンダ11L,11Rについても、前述した左側の前懸架シリンダ8Lと同様に構成されるものである。このため、右側の前懸架シリンダ8Rおよび左,右の後懸架シリンダ11L,11Rについては、これ以上の説明を省略するものとする。
9,9は車体2の後部側に回転可能に設けられた左,右の後車輪(以下、後輪9という)で、該各後輪9は、図2に示すように夫々2個のタイヤ9A,9Aを用いて構成され、これらのタイヤ9Aは、後輪側の車軸となる筒状のアクスルハウジング10に回転可能に設けられている。
ここで、筒状のアクスルハウジング10内には、例えば電動モータ等の回転源および減速機等を含んでなる左,右の走行駆動装置(いずれも図示せず)が設けられ、この走行駆動装置により、左,右の後輪9,9はそれぞれ独立して回転駆動される。そして、この場合の後輪9は、ダンプトラック1の駆動輪を構成するものである。
11L,11Rは車体2の後部と左,右の後輪9側との間に設けられた左,右の後輪側サスペンションシリンダ(以下、左,右の後懸架シリンダ11L,11Rという)を示している。該左,右の後懸架シリンダ11L,11Rは、図2に示すように、筒状のアクスルハウジング10と車体2の後部との間に左,右方向の間隔Lをもって配設されている。
即ち、左,右の後懸架シリンダ11L,11Rは、図2に示す如く左,右のタイヤ9A,9Aの間となる位置に配置されるため、その間隔Lは、車体2の横幅寸法W(車幅)に比較して、例えば1/6〜1/4程度の寸法に設定されるものである。そして、左,右の後懸架シリンダ11L,11Rは、図3に示すように油圧シリンダにより構成され、車体2の後部側をアクスルハウジング10(左,右の後輪9)上で懸架しつつ、上,下方向の振動を緩衝するものである。
12L,12Rは左,右の前懸架シリンダ8L,8Rに接続して設けられた左,右の前輪側アキュムレータで、該アキュムレータ12L,12Rは、図3に示すように管路13L,13Rを介して左,右の前懸架シリンダ8L,8Rに接続されている。そして、アキュムレータ12L,12Rは、内部に油液(圧油)を蓄圧状態で収容し、この圧油を前懸架シリンダ8L,8Rの伸縮動作に応じて、例えば油室Aに補給するように給排するものである。
14L,14Rは管路13L,13Rの途中に設けられた前輪側の流量制御弁で、該流量制御弁14L,14Rは、例えば比例ソレノイド弁等を用いて構成され、左,右の前懸架シリンダ8L,8Rとアキュムレータ12L,12Rとの間に配置されている。そして、流量制御弁14L,14Rの開度は、後述する制御装置22からの制御信号(電流値、周波数等)に応じて増減され、これにより、左,右の前懸架シリンダ8L,8Rに給排される圧油(油液)の流量が可変に制御されるものである。
ここで、流量制御弁14L,14Rは、前懸架シリンダ8L,8Rが上,下に伸縮動作するときに例えば油室Aとアキュムレータ12L,12Rとの間を管路13L,13Rを介して流通する油液に対し、その開度に応じた絞り作用を与えて振動緩衝用の減衰力を発生する。そして、このときの減衰力は、流量制御弁14L,14Rの開度を小さくするに応じて漸次増大されるものである。
15L,15Rは左,右の後懸架シリンダ11L,11Rに接続して設けられた左,右の後輪側アキュムレータで、該アキュムレータ15L,15Rは、図3に示すように管路16L,16Rを介して左,右の後懸架シリンダ11L,11Rに接続されている。そして、アキュムレータ15L,15Rは、内部に油液(圧油)を蓄圧状態で収容し、この圧油を後懸架シリンダ11L,11Rの伸縮動作に応じて、例えば油室Aに補給するように給排するものである。
17L,17Rは管路16L,16Rの途中に設けられた後輪側の流量制御弁で、該流量制御弁17L,17Rは、例えば比例ソレノイド弁等を用いて構成され、左,右の後懸架シリンダ11L,11Rとアキュムレータ15L,15Rとの間に配置されている。そして、流量制御弁17L,17Rの開度は、後述する制御装置22からの制御信号に応じて増減され、これにより、左,右の後懸架シリンダ11L,11Rに給排される圧油(油液)の流量が可変に制御される。また、このときに流量制御弁17L,17Rは、油液の絞り作用に応じた振動緩衝用の減衰力を発生するものである。
18L,18Rは左,右の前懸架シリンダ8L,8R毎に設けられた圧力検出手段としての前輪側の圧力センサで、該左,右の圧力センサ18L,18Rは、前懸架シリンダ8L,8R(例えば、油室A)内の油室圧力Pa (または、前輪側での左,右の油室圧力PL ,PR )を検出し、その検出信号を後述の制御装置22に出力するものである。
19L,19Rは左,右の後懸架シリンダ11L,11R毎に設けられた圧力検出手段としての後輪側の圧力センサで、該左,右の圧力センサ19L,19Rは、後懸架シリンダ11L,11R(例えば、油室A)内の油室圧力Pb (または、後輪側での左,右の油室圧力PL ,PR )を検出し、その検出信号を後述の制御装置22に出力するものである。
20L,20Rは左,右の前懸架シリンダ8L,8R毎に設けられた油温検出手段としての前輪側の温度センサで、該左,右の温度センサ20L,20Rは、前懸架シリンダ8L,8R(油室A,B)内に収容した油液の温度Tを検出し、その検出信号を後述の制御装置22に出力するものである。
21L,21Rは左,右の後懸架シリンダ11L,11R毎に設けられた油温検出手段としての後輪側の温度センサで、該左,右の温度センサ21L,21Rは、後懸架シリンダ11L,11R(油室A,B)内に収容した油液の温度Tを検出し、その検出信号を後述の制御装置22に出力するものである。
22はマイクロコンピュータ等からなる制御手段としての制御装置で、該制御装置22は、その入力側が圧力センサ18L,18R,19L,19R、温度センサ20L,20R,21L,21Rおよび加速度検出手段としての加速度センサ23等に接続され、その出力側は流量制御弁14L,14R,17L,17R等に接続されている。加速度センサ23は、ダンプトラック1のキャブ6(図1参照)等に設けられ、車体2の前,後方向の加速度αを検出するものである。
また、制御装置22は、ROM,RAM等からなる記憶部22Aを有し、該記憶部22A内には、後述の図4〜図7に示す処理プログラムと、後述する既定の加速度αa ,αb (αa は正の加速度、αb は負の加速度)、基準温度Tr (例えば、Tr =40〜80℃)、既定の圧力差Pc (例えば、Pc =0.1〜0.3MPa )と、図8に特性線24,25として例示した開度制御用の特性A,B等とが格納されている。
ここで、図8中に特性線24として示す特性Aは、油液の温度Tが基準温度Tr よりも低い場合に、流量制御弁14L,14R,17L,17Rの開度を油室圧力(例えば、油室圧力Pa ,Pb ,PL ,PR のいずれか)に応じて制御するための制御特性を示している。また、特性線25として示す特性Bは、油液の温度Tが基準温度Tr 以上となった場合の同様な制御特性を示している。
そして、制御装置22は、ダンプトラック1の前懸架シリンダ8L,8R,後懸架シリンダ11L,11R毎に設けられた流量制御弁14L,14R,17L,17Rの開,閉制御(開度の可変制御を含む)を、発進・加速時の制御処理、減速時の制御処理および定常時の制御処理等として図4〜図7に示すプログラムに従って後述の如く実行するものである。
26は車体2とベッセル3との間に伸縮可能に設けられた一対の起伏シリンダ(図1中に一方のみ図示)で、該起伏シリンダ26は、前輪7と後輪9との間に位置して車体2の左,右両側に配設されている。そして、起伏シリンダ26は、外部から圧油が給排されることにより上,下方向に伸縮し、後部側の連結ピン5を中心にしてベッセル3を起伏(傾転)させるものである。
27は作動油タンクで、該作動油タンク27は、図1に示すようにベッセル3の下方に位置して車体2の側面等に取付けられている。そして、作動油タンク27内に収容した作動油は、油圧ポンプにより圧油となって起伏シリンダ26およびパワーステアリング用の操舵シリンダ等に給排されるものである。
本実施の形態によるダンプトラック1は、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
まず、キャブ6内に乗込んだオペレータが、原動機となるエンジンを起動しアクセルペダル等を踏込み操作すると、例えば駆動輪となる後輪9が前記走行駆動装置により回転駆動され、ダンプトラック1は前進方向(または後進方向)に走行駆動される。また、キャブ6内のオペレータが操舵用のハンドルを操作することにより、ダンプトラック1は右方向または左方向にステアリング操作(操舵)される。
そして、例えば鉱山等の砕石場では、ダンプトラック1を所定位置に停車した状態で、大型の油圧ショベル等(図示せず)を用いて運搬対象の砕石4をベッセル3上に積載する。このとき、左,右の前懸架シリンダ8L,8Rと後懸架シリンダ11L,11Rは、図4中のステップ1に示す如く流量制御弁14L,14R,17L,17Rが全て閉弁されることによりロック状態におかれる。
即ち、ダンプトラック1を駐車、停車している状態では、前懸架シリンダ8L,8Rと後懸架シリンダ11L,11Rとを全てロックして伸縮動作を規制することにより、砕石4等の積荷作業にダンプトラック1の車体2が前,後方向または左,右方向等に傾いてしまうのを防止するものである。
次に、このような積荷作業が完了した後には、ダンプトラック1は走行駆動され、ベッセル3上に砕石4等を多量に積載した状態で集荷場等に向けて運搬、搬送する。そして、集荷場等においては、キャブ6内のオペレータが、操作レバー等を傾転操作することにより、起伏シリンダ26が伸長してベッセル3を斜め後方へと傾斜させるように持上げる。
このとき、ダンプトラック1は、ベッセル3が連結ピン5を支点として斜め後方に傾斜した姿勢を保つことにより、ベッセル3内の砕石4等を下方へと滑り落とすように集荷場に向けて排出することができる。そして、このような停車時にも、全ての懸架シリンダ8L,8R,11L,11Rをロック状態として、車両を安定した姿勢に保つものである。
また、砕石4等の排出が終了すると、オペレータが前記操作レバーを逆向きに傾転操作することにより、起伏シリンダ26は、ベッセル3の自重による落下を許すように縮小し、ベッセル3を図1に示す初期位置へと倒伏させて車体2上に着座させる。そして、ダンプトラック1は、ベッセル3が図1に示す如く車体2上に着座した状態で、アクセルペダルの踏込み操作により前進または後進方向に走行駆動される。
ところで、鉱山の砕石場等を走行するダンプトラック1は、作業現場の路面に凹凸等が多い悪路条件下での走行を繰返すため、各懸架シリンダ8L,8R,11L,11Rの伸縮動作に伴って内部(例えば、油室A,B)内の油液は、温度上昇し易くなり、これによって振動の緩衝作用が低下する虞れがある。
また、左,右の後輪9側では夫々2個のタイヤ9A(図2参照)を用いているため、左,右の後懸架シリンダ11L,11R間の間隔Lが車体2の横幅寸法W(車幅)に比較して、例えば1/6〜1/4程度の寸法に設定されているため、車両の後輪9側では左,右方向の揺れ(ローリング)を左,右の後懸架シリンダ11L,11Rにより緩衝・吸収するのが難しくなっている。
さらに、ダンプトラック1は、車体2のフレーム上に設けたベッセル3に砕石4等の運搬対象物を多量に積載するので、車両の重心が高くなる傾向があり、前,後輪7,9間の間隔(ホイールベース)も相対的には短くなっている。これにより、車両の発進・加速時には、車両の前輪側が浮上がる現象(所謂スクワットと呼ばれる現象)が発生し易く、車両の減速・急停車時には、車両の前輪側が沈み込む現象(所謂ノーズダイブと呼ばれる現象)が発生し易いものである。
そこで、本実施の形態では、このような問題を解消するために、ダンプトラック1の前懸架シリンダ8L,8R,後懸架シリンダ11L,11R毎に設けられた流量制御弁14L,14R,17L,17Rの開,閉制御(開度の可変制御を含む)を、制御装置22からの制御信号により図4〜図7に示す如く発進・加速時の制御処理、減速時の制御処理および定常時の制御処理等として実行するものである。
即ち、エンジン等の起動により図4に示す処理動作がスタートすると、ステップ1では、例えば図3中に示す各流量制御弁14L,14R,17L,17Rを全て閉弁し、左,右の前懸架シリンダ8L,8R、後懸架シリンダ11L,11Rを共にロック状態とすることにより、例えば停車時における積荷作業等に伴って車両が荷物で傾いたりするのを防ぐ。
次に、ステップ2では、加速度センサ23から車体2の前,後方向の加速度αを読込み、ステップ3では加速度αが既定の加速度αa (予め決められた正の加速度値)よりも大きいか否かを判定する。そして、ステップ3で「YES」と判定したときには、ダンプトラック1を発進させることにより、前,後方向の加速度αが大きくなっているか、または走行途中にアクセルを踏込んで加速操作が行われた場合と判断することができる。
そこで、この場合には次なるステップ4に移って、発進・加速時の制御処理を図5に示すステップ11〜17に従って後述の如く行う。そして、その後は図4に示すステップ8に移って車両が停止しているか否かを判定し、「NO」と判定する間は、ステップ2以降の処理を繰返すようにする。
一方、前記ステップ3で「NO」と判定したときには、前,後方向の加速度αが既定の加速度αa以下まで低下し、ダンプトラック1(車両)は走行速度がほぼ一定の定常走行時か、またはブレーキ等の制動操作が行われて減速途中にあると判断することができる。
そこで、次なるステップ5では、車体2の加速度αが他の既定の加速度αb (予め決められた負の加速度値)よりも小さいか否かを判定する。そして、ステップ5で「YES」と判定したときには、ダンプトラック1がブレーキ操作等で減速されている判断できるので、この場合には次なるステップ6に移って、減速時の制御処理を図6に示すステップ21〜27に従って後述の如く行う。
そして、その後は図4に示すステップ8で、車両が停止しているか否かを判定し、「YES」と判定したときには、ステップ9に移ってリターンする。また、ステップ8で「NO」と判定する間は、前述したステップ2の処理に戻り、これ以降の処理を繰返すようにする。
一方、前記ステップ5で「NO」と判定したときには、車体2の加速度αが既定の加速度αa ,αb の範囲内(αa ≧α≧αb )となり、車両は走行速度がほぼ一定の定常走行状態にあると判断することができる。そこで、この場合にはステップ7に移って、定常時の制御処理を図7に示すステップ31〜41に従って後述の如く行う。
次に、車両の発進・加速時の制御処理について、図5を参照して詳述すると、ステップ11では、左,右の後懸架シリンダ11L,11Rに付設した圧力センサ19L,19Rと温度センサ21L,21Rとから後輪側の油室圧力Pb と油液の温度Tとを読込む。
次に、ステップ12では、後輪側の温度Tが基準温度Tr (例えば、Tr =40〜80℃)よりも低いか否かを判定し、「YES」と判定するときには、次なるステップ13に移って、後述の特性Aによる制御が行われているか否かを判定する。そして、ステップ13で「YES」と判定するときには、前記ステップ11以降の処理を繰返すようにする。
一方、ステップ13で「NO」と判定するときには、次なるステップ14に移って後輪側の流量制御弁17L,17Rの開度を、図8中の特性線24による特性Aに沿って可変に制御する。即ち、この場合には、前記ステップ11で読込んだ後輪側の油室圧力Pb に基づき、これに対応した流量制御弁17L,17Rの開度を特性線24(特性A)から演算等により求め、実際の開度が演算結果に一致するように流量制御弁17L,17Rを可変に制御する。
この結果、車両の発進・加速に伴って前輪側が浮上り、後輪側に沈み込むように変位し、所謂スクワットと呼ばれる現象が生じようとするときには、後輪側の油室圧力Pb が増大するに応じて流量制御弁17L,17Rの開度を、特性線24(特性A)の如く漸次小さくするように制御することができ、このときに流量制御弁17L,17Rを流通する油液の絞り抵抗により、左,右の後懸架シリンダ11L,11Rを硬めにし、減衰力特性が大きくなるように調整することができる。そして、その後はステップ15でリターンする。
また、このような発進・加速時には、左,右の前懸架シリンダ8L,8Rについても、左,右の流量制御弁14L,14Rの開度を、前輪側の油室圧力Pa に基づいて図8中に示す特性線24(特性A)の如く可変に制御する構成としてもよく、あるいは、前輪側では左,右の流量制御弁14L,14Rを閉弁状態に保持する構成としてもよい。
次に、ステップ12で「NO」と判定するときには、後輪側の温度Tが基準温度Tr 以上まで高くなっているので、この場合にはステップ16に移って、後述の特性Bによる制御が行われているか否かを判定する。そして、ステップ16で「YES」と判定するときには、前記ステップ11以降の処理を繰返すようにする。
一方、ステップ16で「NO」と判定するときには、次なるステップ17に移って後輪側の流量制御弁17L,17Rの開度を、図8中の特性線25による特性Bに沿って可変に制御する。そして、この場合には、前記ステップ11で読込んだ後輪側の油室圧力Pb に基づき、これに対応した流量制御弁17L,17Rの開度を特性線25(特性B)から演算等により求め、実際の開度が演算結果に一致するように流量制御弁17L,17Rを可変に制御する。
この結果、車両の発進・加速に伴ったスクワット現象で、前輪側が浮上り、後輪側に沈み込むように変位するときには、後輪側の油室圧力Pb が増大するに応じて流量制御弁17L,17Rの開度を、特性線25(特性B)の如く漸次小さくするように制御することができ、左,右の後懸架シリンダ11L,11Rを、油液の絞り抵抗で特性Aよりも一層硬めに、大なる減衰力特性をもって調整することができる。そして、その後はステップ15でリターンする。
また、このような発進・加速時には、左,右の前懸架シリンダ8L,8Rについても、左,右の流量制御弁14L,14Rの開度を、前輪側の油室圧力Pa に基づいて図8中に示す特性線25(特性B)の如く可変に制御する構成としてもよく、あるいは、前輪側では左,右の流量制御弁14L,14Rを閉弁状態に保持する構成としてもよい。
次に、図6に示す車両の減速時の制御処理について説明すると、ステップ21では、左,右の前懸架シリンダ8L,8Rに付設した圧力センサ18L,18Rと温度センサ20L,20Rとから前輪側の油室圧力Pa と油液の温度Tとを読込む。
次に、ステップ22では、前輪側の温度Tが基準温度Tr よりも低いか否かを判定し、「YES」と判定するときには、次なるステップ23に移り、特性Aによる制御が行われているか否かを判定する。そして、ステップ23で「YES」と判定するときには、前記ステップ21以降の処理を繰返すようにする。
一方、ステップ23で「NO」と判定するときには、次なるステップ24に移って前輪側の流量制御弁14L,14Rの開度を、図8中の特性線24による特性Aに沿って可変に制御する。即ち、この場合には、前記ステップ21で読込んだ前輪側の油室圧力Pa に基づき、これに対応した流量制御弁14L,14Rの開度を特性線24(特性A)から演算等により求め、実際の開度が演算結果に一致するように流量制御弁14L,14Rを可変に制御する。
この結果、車両の減速に伴って前輪側が沈み込むように変位し、所謂ノーズダイブと呼ばれる現象が生じようとするときには、前輪側の油室圧力Pa が増大するに応じて流量制御弁14L,14Rの開度を、特性線24(特性A)の如く漸次小さくするように制御することができ、このときに流量制御弁14L,14Rを流通する油液の絞り抵抗により、左,右の前懸架シリンダ8L,8Rを硬めにし、減衰力特性を大きくするように調整することができる。そして、その後はステップ25でリターンする。
次に、ステップ22で「NO」と判定するときには、前輪側の温度Tが基準温度Tr 以上まで高くなっているので、この場合にはステップ26に移って、特性Bによる制御が行われているか否かを判定する。そして、ステップ26で「YES」と判定するときには、前記ステップ21以降の処理を繰返すようにする。
一方、ステップ26で「NO」と判定するときには、次なるステップ27に移って前輪側の流量制御弁14L,14Rの開度を、図8中の特性線25による特性Bに沿って可変に制御する。そして、この場合には、前記ステップ21で読込んだ前輪側の油室圧力Pa に基づき、これに対応した流量制御弁14L,14Rの開度を特性線25(特性B)から演算等により求め、実際の開度が演算結果に一致するように流量制御弁14L,14Rを可変に制御する。
この結果、車両の減速に伴ったノーズダイブ現象で、前輪側が沈み込むように変位するときには、前輪側の油室圧力Pa が増大するに応じて流量制御弁14L,14Rの開度を、特性線25(特性B)の如く漸次小さくするように制御することができ、左,右の前懸架シリンダ8L,8Rを油液の絞り抵抗で特性Aよりも一層硬めに、大なる減衰力特性をもって調整することができる。そして、その後はステップ25でリターンする。
また、このような車両の減速時には、左,右の後懸架シリンダ11L,11Rについても、左,右の流量制御弁17L,17Rの開度を、後輪側の油室圧力Pb に基づいて図8中に示す特性線24,25(特性A,B)の如く可変に制御する構成としてもよく、あるいは、後輪側では左,右の流量制御弁17L,17Rを閉弁状態に保持する構成としてもよい。
次に、図7に示す定常時の制御処理について説明する。まず、ステップ31では、後輪側の左,右の圧力センサ19L,19Rと温度センサ21L,21Rとから後輪側の左,右の油室圧力PL ,PR と油液の温度Tとを読込む。そして、ステップ32では、下記の数1式により左,右の油室圧力PL ,PR 間の圧力差ΔPを絶対値として演算する。
次に、ステップ33では、数1式による圧力差ΔPが既定の圧力差Pc (例えば、Pc =0.1〜0.3MPa )よりも小さいか否かを判定する。そして、ステップ33で「NO」と判定するときには、例えば走行途中でのステアリング操作等により、車体2が左,右方向(横方向)の慣性力を受けて同方向に揺れ、左,右の後懸架シリンダ11L,11R間では、油室圧力PL ,PR の差(圧力差ΔP)が、既定の圧力差Pc 以上に大きくなっていると判断できる。
そこで、この場合には、次なるステップ34に移って、後輪側で左,右の流量制御弁17L,17Rが共に閉弁されているか否か、即ち左,右の後懸架シリンダ11L,11Rがロック状態にあるか否かを判定する。そして、ステップ34で「YES」と判定するときには、前記ステップ31以降の処理を繰返すようにする。
一方、ステップ34で「NO」と判定するときには、次なるステップ35に移って左,右の流量制御弁17L,17Rを共に閉弁させ、左,右の後懸架シリンダ11L,11Rが共にロック状態となるように制御する。これにより、ダンプトラック1の車体2が後輪9側で左,右方向に揺れるローリング現象が、これ以上に大きくなるのを抑えることができ、車両のローリングを早期に規制することができる。そして、その後はステップ39に移ってリターンする。
一方、ステップ33で「YES」と判定したときには、前記数1式による圧力差ΔPが既定の圧力差Pc よりも小さく、前記ステアリング操作等に伴う横方向の慣性力を左,右の後懸架シリンダ11L,11Rの伸縮動作により緩衝または吸収可能であると判断することができる。
そこで、この場合には、次なるステップ36に移って、後輪側の温度Tが基準温度Tr よりも低いか否かを判定し、「YES」と判定するときには、次なるステップ37に移って、特性Aによる制御が行われているか否かを判定する。そして、ステップ37で「YES」と判定するときには、前記ステップ31以降の処理を繰返すようにする。
一方、ステップ37で「NO」と判定するときには、次なるステップ38に移って左,右の流量制御弁17L,17Rの開度を、図8中の特性線24による特性Aに沿って可変に制御する。即ち、この場合には、前記ステップ31で読込んだ左,右の油室圧力PL ,PR に基づき、これに対応した流量制御弁17L,17Rの開度を特性線24(特性A)から演算等により求め、実際の開度が演算結果に一致するように流量制御弁17L,17Rを可変に制御する。
この結果、車両のステアリング操作等に伴って所謂ローリングと呼ばれる現象が生じるようなときには、左,右の油室圧力PL ,PR が増減するに応じて流量制御弁17L,17Rの開度を、特性線24(特性A)の如く制御することができ、車体2の後輪側が左,右方向に揺れるように変位するのを、左,右の後懸架シリンダ11L,11Rで緩衝、吸収することができる。そして、その後はステップ39でリターンする。
次に、ステップ36で「NO」と判定するときには、後輪側の温度Tが基準温度Tr 以上まで高くなっているので、この場合にはステップ40に移って、特性Bによる制御が行われているか否かを判定する。そして、ステップ40で「YES」と判定するときには、前記ステップ31以降の処理を繰返すようにする。
一方、ステップ40で「NO」と判定するときには、次なるステップ41に移って後輪側の流量制御弁17L,17Rの開度を、図8中の特性線25による特性Bに沿って可変に制御する。そして、この場合には、前記ステップ31で読込んだ左,右の油室圧力PL ,PR に基づき、これに対応した流量制御弁17L,17Rの開度を特性線25(特性B)から演算等により求め、実際の開度が演算結果に一致するように流量制御弁17L,17Rを可変に制御する。
この結果、車両のステアリング操作等に伴ったローリング現象で、左,右方向に揺れるように変位するときには、左,右の油室圧力PL ,PR が増減するに応じて流量制御弁17L,17Rの開度を、特性線25(特性B)の如く制御することができ、左,右の後懸架シリンダ11L,11Rを、油液の絞り抵抗で特性Aよりも一層硬めに、減衰力特性がより一層大きくなるように調整することができる。そして、その後はステップ25でリターンする。
また、このような定常時の制御処理は、左,右の後懸架シリンダ11L,11Rに限るものではなく、左,右の前懸架シリンダ8L,8Rについても、左,右の流量制御弁14L,14Rの開度を、左,右の圧力センサ18L,18Rによる油室圧力PL ,PR に基づいて図8中に示す特性線24,25(特性A,B)の如く可変に制御する構成としてもよくことは勿論である。
かくして、本実施の形態によれば、左,右の前懸架シリンダ8L,8R、左,右の後懸架シリンダ11L,11R内の油室圧力PL ,PR (または油室圧力Pa ,Pb )を圧力センサ18L,18R,19L,19Rで検出すると共に、前懸架シリンダ8L,8R、後懸架シリンダ11L,11Rの油室A等に給排される油液の温度を温度センサ20L,20R,21L,21Rで検出し、これらの温度センサ20L,20R,21L,21R、圧力センサ18L,18R,19L,19Rからの検出信号に従って、制御装置22は流量制御弁14L,14R,17L,17Rの開度をそれぞれ独立して可変に制御する構成としている。
このため、前懸架シリンダ8L,8R、後懸架シリンダ11L,11Rのそれぞれ毎に、前記油液の温度が上昇するに伴って油液の粘性が下がるようなときには、それぞれに対応した流量制御弁14L,14R,17L,17Rの開度を小さく制御することにより、油液の絞り抵抗が油温に応じて変動するの抑えることができる。また、逆に油液の温度が低下して粘性が高くなるような場合には、流量制御弁14L,14R,17L,17Rの開度を大きくするように制御することにより、油液の絞り抵抗が油温に応じて変動するの抑えることができる。
そして、圧力センサ18L,18R,19L,19Rで検出した前懸架シリンダ8L,8R、後懸架シリンダ11L,11Rの油室圧力PL ,PR (または油室圧力Pa ,Pb )が増減するときにも、これに応じて流量制御弁14L,14R,17L,17Rの開度を可変に制御することにより、例えば車両の加速度変化、積載重量の変化等に対応した適正な振動緩衝作用、減衰力特性等を得ることができる。
従って、左,右の前懸架シリンダ8L,8R、左,右の後懸架シリンダ11L,11R内の油室圧力を検出して監視すると共に、それぞれの油液温度を検出して監視することにより、流量制御弁14L,14R,17L,17Rの開度制御を適正に行うことができ、車両走行時の振動を安定して緩衝できると共に、振動を早期に減衰して車両の乗り心地を向上することができる。
そして、車両の定常走行時にステアリング操作等を行うような場合には、図7に示す定常時の制御処理を採用することにより、例えば左,右の後懸架シリンダ11L,11R内の油室圧力PL ,PR の圧力差ΔPを圧力センサ19L,19Rからの検出信号を読込んで演算し、この圧力差ΔPが既定の圧力差Pc よりも大きいときには、左,右の流量制御弁17L,17Rを全て閉弁することによって、左,右の後懸架シリンダ11L,11Rをロック状態に保持することができ、車両のローリングを抑えることができる。
また、圧力差ΔPが既定の圧力差Pc よりも小さいときには、左,右の温度センサ21L,21Rで検出した油液の温度Tを基準温度Tr と比較し、その比較結果に従って左,右の流量制御弁17L,17Rの開度を、例えば図8に示す特性線24,25(特性A,B)のいずれかを選択しつつ、夫々の特性A,B毎に左,右の油室圧力PL ,PR に基づいて決められた開度となるように制御することができ、これにより、車両の後輪9側における左,右方向の揺れを良好に減衰することができる。
そして、車両の前輪7側においても、図7に示す定常時の制御処理を同様に行うことにより、左,右の後懸架シリンダ8L,8Rを必要に応じてロック状態に保持してローリングを抑えることができると共に、左,右の流量制御弁14L,14Rの開度を、図8に示す特性線24,25(特性A,B)のいずれかの特性A,B毎に、左,右の油室圧力PL ,PR に基づいて決められた開度となるように制御することができ、これにより、車両の前輪7側における左,右方向の揺れを良好に減衰することができる。
また、加速度センサ23から読込んだ前,後方向の加速度αが既定の加速度αa よりも大きいときには、これを車両の発進,加速時として判別することができる。そして、車両の発進,加速時には、図5に例示した発進・加速時の制御処理のように、後輪側の温度センサ21L,21Rで検出した油液の温度Tを基準温度Tr と比較し、その比較結果に従って後輪側の流量制御弁17L,17Rの開度を、図8に示す特性線24,25(特性A,B)のいずれかを選択しつつ、夫々の特性A,B毎に後輪側の油室圧力Pb に基づいて決められた開度となるように制御することができ、これにより、後輪側の沈み込みを抑えて車両のスクワット(前輪側の浮上がり)を良好に減衰することができる。
一方、前,後方向の加速度αが他の既定の加速度αb より小さいときには、これを車両の減速(停車操作)時として判別することができる。そして、車両の減速時には、図6に例示した減速時の制御処理のように、前輪側の温度センサ20L,20Rで検出した油液の温度Tを基準温度Tr と比較し、その比較結果に従って前輪側の流量制御弁14L,14Rの開度を、図8に示す特性線24,25(特性A,B)のいずれかを選択しつつ、夫々の特性A,B毎に前輪側の油室圧力Pa に基づいて決められた開度となるように制御することができ、これにより、車両のノーズダイブ(前輪側の沈み込み)を良好に減衰することができる。
従って、本実施の形態によれば、左,右の前懸架シリンダ8L,8R、左,右の後懸架シリンダ11L,11Rの油室等に給排される油液の温度Tを検出すると共に、各油室圧力PL ,PR (または油室圧力Pa ,Pb )を検出して、前述した制御処理を実行することにより、車両走行時の振動を安定して緩衝することができ、乗り心地を向上することができる。
なお、前記実施の形態では、温度センサ20L,20R,21L,21Rで検出した油液の温度Tを基準温度Tr と比較し、その比較結果に従って図8に示す特性線24,25(2段階の特性A,B)のいずれかを選択する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば油液の温度Tを互いに異なる複数の基準温度と比較し、それぞれの比較結果に従って3段階以上の特性で流量制御弁の開度をより細かく制御する構成としてもよい。
また、前記実施の形態では、油室圧力と流量制御弁の開度との関係を図8に示す特性線24,25のように、それぞれ直線状をなす特性A,Bとする場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば2次曲線または3次曲線等からなる曲線状の制御特性としてもよいものである。
また、前記実施の形態では、サスペンション装置が適用される運搬車両として後輪駆動式のダンプトラック1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば前輪駆動式または前,後輪を共に駆動する4輪駆動式のダンプトラックに適用してもよい。さらに、ダンプトラック以外の運搬車両に適用してもよいものである。
1 ダンプトラック(運搬車両)
2 車体
3 ベッセル(荷台)
4 砕石(運搬対象物)
5 連結ピン
6 キャブ
7 前輪(前車輪)
8L,8R 左,右の前懸架シリンダ(前輪側サスペンションシリンダ)
9 後輪(後車輪)
10 アクスルハウジング(後輪側の車軸)
11L,11R 左,右の後懸架シリンダ(後輪側サスペンションシリンダ)
12L,12R 前輪側のアキュムレータ
14L,14R 前輪側の流量制御弁
15L,15R 後輪側のアキュムレータ
17L,17R 後輪側の流量制御弁
18L,18R 前輪側の圧力センサ(圧力検出手段)
19L,19R 後輪側の圧力センサ(圧力検出手段)
20L,20R 前輪側の温度センサ(油温検出手段)
21L,21R 後輪側の温度センサ(油温検出手段)
22 制御装置(制御手段)
23 加速度センサ(加速度検出手段)
26 起伏シリンダ
27 作動油タンク
2 車体
3 ベッセル(荷台)
4 砕石(運搬対象物)
5 連結ピン
6 キャブ
7 前輪(前車輪)
8L,8R 左,右の前懸架シリンダ(前輪側サスペンションシリンダ)
9 後輪(後車輪)
10 アクスルハウジング(後輪側の車軸)
11L,11R 左,右の後懸架シリンダ(後輪側サスペンションシリンダ)
12L,12R 前輪側のアキュムレータ
14L,14R 前輪側の流量制御弁
15L,15R 後輪側のアキュムレータ
17L,17R 後輪側の流量制御弁
18L,18R 前輪側の圧力センサ(圧力検出手段)
19L,19R 後輪側の圧力センサ(圧力検出手段)
20L,20R 前輪側の温度センサ(油温検出手段)
21L,21R 後輪側の温度センサ(油温検出手段)
22 制御装置(制御手段)
23 加速度センサ(加速度検出手段)
26 起伏シリンダ
27 作動油タンク
Claims (6)
- 左,右の前車輪、左,右の後車輪によって自走可能となり運搬対象物を積載する荷台が設けられた車体と、前記各車輪と該車体との間にそれぞれ設けられ各車輪上で該車体を懸架する複数のサスペンションシリンダと、該各サスペンションシリンダ毎にそれぞれ設けられ内部に蓄圧した油液を該各サスペンションシリンダの油室に給排する複数のアキュムレータと、該各アキュムレータと各サスペンションシリンダとの間にそれぞれ設けられ各サスペンションシリンダの油室に給排する油液の流量を可変に制御する複数の流量制御弁とからなる運搬車両のサスペンション装置において、
前記サスペンションシリンダに設けられ前記油室内の圧力を検出する圧力検出手段と、
前記サスペンションシリンダに設けられ前記油室に給排される油液の温度を検出する油温検出手段と、
前記圧力検出手段および油温検出手段からの検出信号に従って前記流量制御弁の開度を可変に制御する制御手段とを備える構成としたことを特徴とする運搬車両のサスペンション装置。 - 前記圧力検出手段および油温検出手段は、左,右の車輪側に位置する左,右のサスペンションシリンダ毎にそれぞれ設け、前記制御手段は、前記各圧力検出手段および各油温検出手段からの検出信号に従って前記各流量制御弁を個別に切換制御する構成としてなる請求項1に記載の運搬車両のサスペンション装置。
- 前記制御手段は、左,右のサスペンションシリンダ間の圧力差を前記各圧力検出手段から読込み、この圧力差が既定の圧力差よりも大きいときには前記流量制御弁を閉弁し、既定の圧力差よりも小さいときには前記各油温検出器で検出した油液の温度を基準温度と比較し、その比較結果に従って前記流量制御弁の開度を変えると共に前記油室内の圧力に基づいて決められた開度となるように制御する構成としてなる請求項2に記載の運搬車両のサスペンション装置。
- 前記車体の前,後方向の加速度を検出する加速度検出手段を備え、前記圧力検出手段および油温検出手段は、前車輪,後車輪側のサスペンションシリンダ毎にそれぞれ設け、前記制御手段は、前記加速度検出手段、各圧力検出手段および各油温検出手段からの検出信号に従って前記各流量制御弁を個別に切換制御する構成としてなる請求項1,2または3に記載の運搬車両のサスペンション装置。
- 前記制御手段は、前記加速度検出手段から読込んだ前,後方向の加速度が既定の加速度よりも大きいときに車両の発進,加速時と判定し、この発進,加速時には、前,後のサスペンションシリンダのうち後輪側に位置する油温検出器で検出した油液の温度を基準温度と比較し、その比較結果に従って後輪側の流量制御弁の開度を変えると共に前記後輪側のサスペンションシリンダの油室内圧力に基づいて決められた開度となるように制御する構成としてなる請求項4に記載の運搬車両のサスペンション装置。
- 前記制御手段は、前記加速度検出手段から読込んだ前,後方向の加速度が他の既定の加速度よりも小さいときに車両の減速時と判定し、この減速時には、前,後のサスペンションシリンダのうち前輪側に位置する油温検出器で検出した油液の温度を基準温度と比較し、その比較結果に従って前輪側の流量制御弁の開度を変えると共に前記前輪側のサスペンションシリンダの油室内圧力に基づいて決められた開度となるように制御する構成としてなる請求項4または5に記載の運搬車両のサスペンション装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007190960A JP2009023595A (ja) | 2007-07-23 | 2007-07-23 | 運搬車両のサスペンション装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007190960A JP2009023595A (ja) | 2007-07-23 | 2007-07-23 | 運搬車両のサスペンション装置 |
Publications (1)
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JP2009023595A true JP2009023595A (ja) | 2009-02-05 |
Family
ID=40395812
Family Applications (1)
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JP2007190960A Pending JP2009023595A (ja) | 2007-07-23 | 2007-07-23 | 運搬車両のサスペンション装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009023595A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103042893A (zh) * | 2012-12-27 | 2013-04-17 | 三一重工股份有限公司 | 油气悬挂系统及工程车辆 |
JP2017074908A (ja) * | 2015-10-16 | 2017-04-20 | 日立建機株式会社 | リジッドダンプトラックのサスペンション装置 |
US10369856B2 (en) | 2015-12-09 | 2019-08-06 | Ford Global Technologies, Llc | Suspension damper temperature compensation systems and methods |
-
2007
- 2007-07-23 JP JP2007190960A patent/JP2009023595A/ja active Pending
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JP2017074908A (ja) * | 2015-10-16 | 2017-04-20 | 日立建機株式会社 | リジッドダンプトラックのサスペンション装置 |
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