JP4557696B2 - ホイール式建設機械 - Google Patents

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本発明は、ホイールショベル等のホイール式の建設機械に関し、特に、車体がロール方向に転倒することを防止する装置を搭載したホイール式建設機械に関するものである。
図1(a)に示すように、ホイール式の建設機械1では、最大傾斜角(たとえば30度)の傾斜路90でロール方向、つまり車体の左右方向に転倒しないことが、法規制上、公道を走行する上で要請されている。
ホイール式の建設機械1では、各車輪毎に油圧サスペンションが備えられているものがある。
油圧サスペンションを備えた建設機械1が傾斜路90を走行するとき、傾斜路90の低い側の車輪11に対応する油圧サスペンションシリンダのロッドが縮退する。また走行中の振動や路面の凹凸などに応じて油圧サスペンションシリンダのロッドが上下動して撓む。油圧サスペンションシリンダが撓むと、車両1の重心位置と車輪の位置の関係が変動し、ロール方向への回転モーメントが瞬間的に限界を越えて転倒しやすくなる。
そこで従来、市販されている建設機械1は、図1(b)に示すように、最大傾斜角の傾斜路90において油圧サスペンションシリンダ21にかかる圧力以上をセット圧とするサスロックリリーフ弁45を、油圧サスペンションシリンダ21の油室32とアキュムレータ34とを接続する管路33上に設けることで対処していた。
図1(b)の油圧回路では、つぎのように動作する。
すなわち傾斜路90の傾斜角度が小さく、車輪11にかかる荷重が小さい場合には、油圧サスペンションシリンダ21の油室32内の作動油の圧力はサスロックリリーフ弁45のセット圧よりも小さくなっており、サスロックリリーフ弁45は閉じられている。このため、油圧サスペンションシリンダ21の油室32と、アキュムレータ34との連通が遮断されるため、アキュムレータ34でバネ力は発生しない。このため車輪11に荷重がかかったとしても油圧サスペンションシリンダ21が撓まない(ピストン31aは摺動せずロッド31bは上下動しない)。この状態を以下「油圧サスペンションロック状態」という。
これに対して、車輪11にかかる荷重が大きくなり、油圧サスペンションシリンダ21の油室32内の作動油の圧力がサスロックリリーフ弁45のセット圧(最大傾斜角度における圧力)以上になると、サスロックリリーフ弁45は開弁位置に位置される。このため、油圧サスペンションシリンダ21の油室32内の圧力が変化するに応じて、これに連通されているアキュムレータ34のガス室36の高圧気体が圧縮され、高圧気体で反発力が生じバネ力が発生する。したがって車輪11に加わる荷重に応じて油圧サスペンションシリンダ21が撓む(ピストン31aが摺動しロッド31bが上下動する)。この状態を以下「油圧サスペンションフリー状態」という。
他に一般的技術水準を示す文献として以下のようなものがある。
下記特許文献1には、車速と、ステアリングの操舵角度に基づいて旋回時のロール増大を判断して、ショックアブソーバの減衰力を大きくして遠心力による車両の外側への傾きを小さくするという発明が記載されている。
下記特許文献2には、アーティキュレート車両の後部車体の左右方向の傾斜角度が転倒しきい値を越えた場合に、後部車体のデファレンシャルギアをロックすることで後部車体の転倒を防止するという発明が記載されている。
下記特許文献3には、ホイールショベルの油圧シリンダに加速度センサを設け、荷役作業時に加速度センサの検出結果に基づいて油圧シリンダの作動油の出入りを制御して車体の上下方向の揺動を抑制するという発明が記載されている。
下記特許文献4には、車両に設けられた複数の傾斜センサの検出結果に基づいて車両の実効重心を演算しディスプレイに表示するという発明が記載されている。
下記特許文献5には、傾斜角センサで検出された傾斜角度に応じてショックアブソーバの減衰力を切り換えて車体のノーズダイブ、スクワットを抑制するという発明が記載されている。
下記特許文献6には、車軸に対してフレームが揺動する構造の車両において、フレームの揺動角、車速、荷重の重心位置、操舵角、操舵角速度等に基づいて、旋回中にフレームが揺動することを規制あるいは許容して車両を安定して旋回させるという発明が記載されている。
特開平5−345509号公報 特開2000−302063号公報 特開平5−139132号公報 特表2001−507648号公報 特開平7−266826号公報 特開2001−334816号公報
上述した図1に示す従来技術によれば、建設機械1が最大傾斜角度以下の傾斜路90を走行している場合には、油圧サスペンションロック状態となり、確かに転倒を防止することができる。
しかし、建設機械1が平坦な路面を走行している場合であっても、セット圧以上の過大な荷重がかかるとき以外は、油圧サスペンションロック状態となっており、路面から受けるショックを有効に吸収することができず、乗り心地が悪化するなどの悪影響をもたらす。
本発明はこうした実状に鑑みてなされたものであり、油圧サスペンションの本来の機能を損なうことなく、最大傾斜角以下の傾斜路における転倒を防止することを解決課題とするものである。
なお上記特許文献1は、旋回時のロール増大を抑制することを課題とする発明であり、最大傾斜角以下の傾斜路における転倒を防止することを解決課題とする本発明とは異なる。
また上記特許文献2は、デファレンシャルギヤをロックすることで転倒を防止するようにしており、油圧サスペンションを備えた車両を前提とする本発明とは異なる。
また上記特許文献3は、車体の上下方向の揺動を抑制することを解決課題とする発明であり、最大傾斜角以下の傾斜路における転倒を防止することを解決課題とする本発明とは異なる。
また上記特許文献4は、車両の実効重心を演算しディスプレイに表示するだけの発明であり、転倒防止のために油圧サスペンションを制御する本発明とは異なる。
また上記特許文献5は、車体のノーズダイブ、スクワットを抑制することを解決課題とする発明であり、最大傾斜角以下の傾斜路における転倒を防止することを解決課題とする本発明とは異なる。
また上記特許文献6は、車両を安定して旋回させることを課題とする発明であり、最大傾斜角以下の傾斜路における転倒を防止することを解決課題とする本発明とは異なる。
第1発明は、
車体(2)と車輪(11、12)とが油圧サスペンション(21、22)を介して連結されたホイール式建設機械(1)であって、
車体(2)のロール方向の傾斜角度を検出する傾斜角センサ(3)と、
車速を検出する車速センサ(4)と、
車速センサ(4)で検出された車速の値に応じて、許容傾斜角度範囲が決定され、
傾斜角センサ(3)の検出値と車速センサ(4)の検出値とに基づいて、傾斜角センサ(3)で検出された傾斜角度が、許容傾斜角度範囲を越えた場合に、油圧サスペンション(21、22)の作動油の出入りを遮断する制御を行う制御手段(5)と
を備えたことを特徴とする。
第2発明は、
車体(2)と車輪(11、12)とが油圧サスペンション(21、22)を介して連結されたホイール式建設機械(1)であって、
車体(2)のロール方向の傾斜角度を検出する傾斜角センサ(3)と、
車速を検出する車速センサ(4)と、
傾斜角センサ(3)の検出値と車速センサ(4)の検出値とに基づいて、
ホイール式建設機械(1)が停止中であれば、傾斜角センサ(3)で検出された傾斜角度如何にかかわらず、油圧サスペンション(21、22)の作動油の出入りを遮断し、
ホイール式建設機械(1)が走行中であって、傾斜角センサ(3)で検出された傾斜角度が、許容傾斜角度範囲以内である場合に、油圧サスペンション(21、22)の作動油の出入りをフリー状態とし、
ホイール式建設機械(1)が走行中であって、傾斜角センサ(3)で検出された傾斜角度が、許容傾斜角度範囲を越えた場合に、油圧サスペンション(21、22)の作動油の出入りを遮断する制御を行う制御手段(5)と
を備えたことを特徴とする。
第2発明によれば、図6に示すように、傾斜角センサ(3)と車速センサ(4)の検出値とに基づいて、車両1が停止中であれば、傾斜角度如何にかかわらず油圧サスペンションロック状態になり、車両1が走行中であって傾斜角度が許容傾斜角度θm以内であれば油圧サスペンションフリー状態になり、車両1が走行中であって傾斜角度が許容傾斜角度θmを越えれば油圧サスペンションロック状態になる。
このように本発明によれば、油圧サスペンションの本来の機能を損なうことなく、傾斜路を走行中の転倒を防止することができる。加えて停止中あるいは作業中であれば一義的に油圧サスペンションロック状態となるので、作業に伴う揺動に起因した転倒を防止することができる。
第1発明によれば、図5に示すように、車速Vの大きさに応じた許容傾斜角度θmを設定するようにしたので、停止時、低速時における許容傾斜角度の幅を大きくすることができる(ステップ202、203、204、205)。
以下図面を参照して本発明に係る車両の転倒防止装置の実施の形態について説明する。
図2は実施形態の車両を側面図で示しており、各センサ、コントローラの配設位置を示している。実施形態では、車両として、2本の車軸、4つの車輪が備えられたホイールショベル1を想定している。
ホイールショベル1の車体2の前側には左右の車輪11、12が設けられている。同じく車体2の後ろ側には左右の車輪13、14が設けられている。車体2には作業機6が連結されている。車体2は車輪が装着された下部走行体2bとキャビン2cが設けられ作業機6が連結された上部旋回体2aとからなる。
車体2のキャビン2c内には、同車体2の左右方向つまりロール方向の傾斜角度θを検出する傾斜角センサ3が設けられている。また車輪11〜14には、車輪の回転数を検出することで車速Vを検出する車速センサ4が設けられている。なお車速センサ4としては、車輪の回転数を検出する以外の方法、たとえば対地速度を検出することで車速を検出するものであってもよい。
また車体2の所定箇所には、上記各センサ3、4の検出信号を入力し制御信号iを出力するコントローラ5が設けられている。
車体2と各車輪11〜14とは、油圧サスペンションシリンダ21〜24を介して連結されている。なお以下の説明では、各車輪毎に油圧サスペンションシリンダが設けられている場合を想定して説明するが、前輪11、12のみに油圧サスペンションシリンダ21、22を設ける構成であってもよい。
図3は、前側左右車輪11、12に対応する油圧サスペンションシリンダ21、22に対する作動油の出入りを制御する油圧回路を示している。
油圧サスペンションシリンダ21は、アウタチューブ30と同アウタチューブ30内で摺動するインナチューブ31とからなる。インナチューブ31は、ピストン31aと同ピストン31aに接続されたロッド31bとからなる。インナチューブ31のロッド31bは車体2に接続されており、アウタチューブ30は、リンクやアーム等のサスペンション部材5を介して車輪11に接続されている。アウタチューブ30と、インナチューブ31のピストン31aとによって油室32が形成されている。油室32は管路33を介してアキュムレータ34の油室35に連通している。アキュムレータ34のガス室36には、高圧のガス、たとえば高圧空気あるいは高圧窒素ガスなどが封入されている。また油圧サスペンションシリンダ21の油室32は他方の油圧サスペンションシリンダ22の油室32に連通されている。
管路33上には制御弁40が設けられている。制御弁40は連通位置40a、遮断位置40bの各弁位置を有しており、電磁ソレノイド40cに加えられる制御信号i(オンオフ信号i)に応じて動作する。制御弁40の電磁ソレノイド40cには、コントローラ5から制御信号iが加えられる。オンの制御信号iが制御弁40の電磁ソレノイド40cに加えられると、制御弁40は連通位置40aに位置され、オフの制御信号iが制御弁40の電磁ソレノイド40cに加えられると、制御弁40は遮断位置40bに位置される。
制御弁40が連通位置40aに位置されている場合には、油圧サスペンションシリンダ21の油室32内の圧力が変化するに応じて、これに連通されているアキュムレータ34の油室35内の圧力が変化し、これに伴いガス室36の高圧気体が圧縮され、高圧気体で反発力が生じバネ力が発生する。したがって車輪11に加わる荷重に応じて油圧サスペンションシリンダ21が撓む(ピストン31aが摺動しロッド31bが上下動する)。この状態を以下「油圧サスペンションフリー状態」という。
これに対して制御弁40が遮断位置40bに位置されている場合には、油圧サスペンションシリンダ21の油室32と、アキュムレータ34の油室35との連通が遮断されるため、上記バネ力は発生しない。このため車輪11に荷重がかかったとしても油圧サスペンションシリンダ21が撓まない(ピストン31aは摺動せずロッド31bは上下動しない)。この状態を以下「油圧サスペンションロック状態」という。
上述した説明では、車輪11に対応して設けられている油圧サスペンションシリンダ21について説明したが、車輪12に対応して設けられている油圧サスペンションシリンダ22についても同様である。また他の車輪13、14にそれぞれ対応して設けられている油圧サスペンションシリンダ23、24についても同様である。
つぎに上述した図3の構成を前提とした各実施例1〜4について説明する。
(実施例1)
図4は、コントローラ5で行われる実施例1の処理手順を示している。
同図4に示すように、傾斜角センサ3の検出信号がコントローラ5に入力され(ステップ101)、車体2の現在の傾斜角度θが許容傾斜角度θm以内であるか否かが判断される(ステップ102)。ここで許容傾斜角度θmとは、油圧サスペンションフリー状態であっても転倒しない傾斜角の最大値である。逆に許容傾斜角度θmを越える傾斜角の場合にはサスペンションロック状態でなければ転倒するおそれがある。
上記ステップ102の判断の結果、車体2の現在の傾斜角度θが許容傾斜角度θm以内である場合には、油圧サスペンションフリー状態とすべく、制御弁40を連通位置40aにするためのオンの制御信号iが生成され(ステップ103)、このオンの制御信号iが制御弁40の電磁ソレノイド40cに加えられる。この結果、制御弁40は連通位置40aに位置され、油圧サスペンションフリー状態になる(ステップ104)。上記ステップ102の判断の結果、車体2の現在の傾斜角度θが許容傾斜角度θmを越えた場合には、油圧サスペンションロック状態とすべく、制御弁40を遮断位置40bにするためのオフの制御信号iが生成され(ステップ105)、このオフの制御信号iが制御弁40の電磁ソレノイド40cに加えられる。この結果、制御弁40は遮断位置40bに位置され、油圧サスペンションロック状態になる(ステップ104)。
このようにして車体2の現在の傾斜角度θが許容傾斜角度θm以内であれば、各車輪11〜14に対応する油圧サスペンションシリンダ21〜24に対する作動油の出入りをフリー状態としたため、許容傾斜角度θm以下の路面を走行している限りは、車体2の転倒を防止しつつ路面からのショックを有効に吸収できる。一方、車体2の現在の傾斜角度θが許容傾斜角度θmを越えた場合には、各車輪11〜14に対応する油圧サスペンションシリンダ21〜24に対する作動油の出入りをロック状態としたため、許容傾斜角度θmを越えて、少なくとも最大傾斜角度以下の路面を走行している限りは、車体2の転倒を防止することができる。このように本実施例によれば、油圧サスペンションの本来の機能を損なうことなく、最大傾斜角度以下の傾斜路における転倒を防止することができる。
なお、この実施例1では、車両1の走行中、停止中にかかわらず、一義的な許容傾斜角度θmを設定しているため、車速センサ4の配設は必ずしも必要ではない。
(実施例2)
上述した実施例1では、車両1の走行中、停止中にかかわらず、一義的な許容傾斜角度θmを設定しているが、この実施例2は、車速に応じて許容傾斜角度θmの大きさを変化させるようにするものである。車両1の走行中は、路面から受けるショックで車体2がバウンドし易く、車両1の重心位置が変動し、転倒し易くなる。そして車速Vが大きくなるほど、重心位置の変動が大きくなり、転倒し易くなる。このため許容傾斜角度θmは車速Vが大きくなるほど小さく設定することが望ましい。
そこで停止中(車速Vが0)のときの許容傾斜角度θm1を予め求めるとともに、車両1の最高速度時(車速V=Vm)のときの許容傾斜角度θm2(<θm1)を予め求めておき、車速Vにおける許容傾斜角度θmを、下記(1)式のように比例配分で算出する。
θm=θm1−V・(θm1−θm2)/(Vm−0) …(1)
図5は、コントローラ5で行われる実施例2の処理手順を示している。
同図5に示すように、傾斜角センサ3、車速センサ4の検出信号がコントローラ5に入力され(ステップ201)、現在の車速Vに対応する許容傾斜角度θmが上記(1)式に基づいて設定される(ステップ202)。つぎに車体2の現在の傾斜角度θが許容傾斜角度θm以内であるか否かが判断される(ステップ203)。
上記ステップ203の判断の結果、車体2の現在の傾斜角度θが許容傾斜角度θm以内である場合には、油圧サスペンションフリー状態とすべく、制御弁40を連通位置40aにするためのオンの制御信号iが生成され(ステップ204)、このオンの制御信号iが制御弁40の電磁ソレノイド40cに加えられる。この結果、制御弁40は連通位置40aに位置され、油圧サスペンションフリー状態になる(ステップ205)。上記ステップ203の判断の結果、車体2の現在の傾斜角度θが許容傾斜角度θmを越えた場合には、油圧サスペンションロック状態とすべく、制御弁40を遮断位置40bにするためのオフの制御信号iが生成され(ステップ206)、このオフの制御信号iが制御弁40の電磁ソレノイド40cに加えられる。この結果、制御弁40は遮断位置40bに位置され、油圧サスペンションロック状態になる(ステップ205)。
本実施例2によれば、実施例1と同様な効果が得られるとともに、車速Vの大きさに応じた許容傾斜角度θmを設定するようにしたので、停止時、低速時における許容傾斜角度の幅が実施例1の場合よりも大きくなり、油圧サスペンションの機能が損なわれる機会を最小限に抑えることができる。
(実施例3)
上述した実施例1では、車両1の停止中であっても許容傾斜角度θm以内であれば油圧サスペンションフリー状態としているが、車両1が停止中であれば、傾斜角度如何にかかわらず油圧サスペンションロック状態にする実施も可能である。すなわち、車両が建設機械の場合、停止中は、作業機6を作動させて作業を行うことが多い。作業中は、上部旋回体2bが旋回したり作業機6が作動したりすることに応じて車体2が揺動する。このため車両1が傾斜路に位置しているときには、重心位置が変動することにより転倒のおそれがある。このため車両1の停止中は、一義的に油圧サスペンションロック状態にして、作業に伴う揺動に起因した転倒を防止することが望ましい。
図6は、コントローラ5で行われる実施例3の処理手順を示している。
まず図6で破線で囲まれた部分の処理を省略した手順について説明する。
同図6に示すように、傾斜角センサ3の検出信号がコントローラ5に入力され(ステップ301)、車体2の現在の傾斜角度θが許容傾斜角度θm以内であるか否かが判断される(ステップ302)。上記ステップ302の判断の結果、車体2の現在の傾斜角度θが許容傾斜角度θmを越えた場合には、油圧サスペンションロック状態とすべく、制御弁40を遮断位置40bにするためのオフの制御信号iが生成され(ステップ303)、このオフの制御信号iが制御弁40の電磁ソレノイド40cに加えられる。この結果、制御弁40は遮断位置40bに位置され、油圧サスペンションロック状態になる(ステップ304)。
上記ステップ302の判断の結果、車体2の現在の傾斜角度θが許容傾斜角度θm以内である場合には、走行中であるか否かの情報、つまり車速センサ4の検出信号がコントローラ5に入力され(ステップ305)、車速センサ4の検出結果に基づいて、車両2が現在、走行中であるか停止中であるかが判断される(ステップ307)。
上記ステップ307の判断の結果、車両1が現在、停止中である場合には、上記ステップ303に移行され、油圧サスペンションロック状態になる(ステップ303、304)。
上記ステップ307の判断の結果、車両1が現在、走行中である場合には、
油圧サスペンションフリー状態とすべく、制御弁40を連通位置40aにするためのオンの制御信号iが生成され(ステップ308)、このオンの制御信号iが制御弁40の電磁ソレノイド40cに加えられる。この結果、制御弁40は連通位置40aに位置され、油圧サスペンションフリー状態になる(ステップ304)。
このように本実施例によれば、車両1が停止中であれば、傾斜角度如何にかかわらず油圧サスペンションロック状態になり、車両1が走行中であって傾斜角度が許容傾斜角度θm以内であれば油圧サスペンションフリー状態になり、車両1が走行中であって傾斜角度が許容傾斜角度θmを越えれば油圧サスペンションロック状態になる。
図6において、破線で囲まれた部分を処理を必要に応じて追加して実施してもよい。
この場合、上記ステップ305において、走行中であるか否かの情報(車速センサ4の検出信号)に加えて、作業中であるか否かの情報がコントローラ5に入力される(ステップ305)。ここで作業中であるか否かの情報は、たとえば作業機6を操作するレバーの操作位置を検出するセンサの検出値として、作業機6を駆動する油圧回路内の油圧を検出するセンサの検出値として、取得することができる。
また上記ステップ305と上記ステップ307の間で、上記センサの検出信号に基づいて作業中であるか否かの判断がなされる(ステップ306)。
ステップ306の判断の結果、車両1が現在、作業中である場合には、上記ステップ303に移行され、油圧サスペンションロック状態になり(ステップ303、304)、車両1が現在、作業中でない場合には、つぎに走行中であるか否かの判断(ステップ307)がなされることになる。
このように作業中であるか否かの判断を追加した本実施例によれば、車両1が停止中、作業中であれば、傾斜角度如何にかかわらず油圧サスペンションロック状態になり、車両1が走行中であって傾斜角度が許容傾斜角度θm以内であれば油圧サスペンションフリー状態になり、車両1が走行中であって傾斜角度が許容傾斜角度θmを越えれば油圧サスペンションロック状態になる。
このように本実施例によれば、油圧サスペンションの本来の機能を損なうことなく、傾斜路を走行中の転倒を防止することができる。加えて停止中あるいは作業中であれば一義的に油圧サスペンションロック状態となるので、作業に伴う揺動に起因した転倒を防止することができる。
(実施例4)
上述した実施例3では、車両1の走行中、停止中にかかわらず、一義的な許容傾斜角度θmを設定しているが、実施例2と同様に、車速に応じて許容傾斜角度θmの大きさを変化させてもよい。
図7は、コントローラ5で行われる実施例4の処理手順を示している。
同図7に示すように、傾斜角センサ3、車速センサ4の検出信号がコントローラ5に入力され(ステップ401)、現在の車速Vに対応する許容傾斜角度θmが上記(1)式に基づいて設定される(ステップ409)。
以下のステップ402〜408では、図6のステップ302〜308と同様の処理内容が実行される。
したがって本実施例4によれば、実施例3と同様な効果が得られるとともに、車速Vの大きさに応じた許容傾斜角度θmを設定するようにしたので、走行中の低速時における許容傾斜角度の幅が実施例3の場合よりも大きくなり、油圧サスペンションの機能が損なわれる機会を最小限に抑えることができる。
なお図6におけるステップ305、図7におけるステップ405では、走行中であるか否かの情報を取得するために、車速センサ4の検出信号を用いているが、走行中であるか否かを情報を取得するためであれば、必ずしも車速センサ4の検出信号を用いる必要はない。たとえば走行用の操作レバーの操作位置を検出するセンサ、走行体を駆動する油圧回路内の油圧(たとえば走行用油圧モータの吐出圧)を検出するセンサの検出値をもって、走行中であるか否かの情報を取得してもよい。
さて、図8は、図3とは異なる構成の油圧回路を示している。図8は、図3と同様に、前側左右車輪11、12に対応する油圧サスペンションシリンダ21、22に対する作動油の出入りを制御する油圧回路を示している。
管路33(33A、33B、33P、33Q、33Rおよび33T)、アキュムレータ34、方向流量制御弁51、52、油圧源制御弁55は、車高調整手段であり、この車高調整手段によって車高位置が調整される。以下図3と同じ構成要素には同じ符号を付与して適宜説明を省略する。
車輪11に対応するサスペンションシリンダ21は、ピストン31aによって画成された油室32A、32Bを備えている。油室32Aは、管路33Aを介して方向流量制御弁51のAポートに接続されており、油室32Bは、管路33Bを介して方向流量制御弁51のBポートに接続されている。
方向流量制御弁51のPポートは、油圧源制御弁55の出力ポートDに接続されている。油圧源制御弁55の入力ポートQは管路33Qを介して油圧ポンプ7の吐出口に接続されている。また油圧源制御弁55の入力ポートRは管路33Rを介してアキュムレータ34の油室35に接続されている。
タンク39は、管路33Tを介して方向流量制御弁51のTポートに接続されている。
他方の油圧サスペンションシリンダ22に対応して、同様な方向流量制御弁52が設けられている。
管路33Pは、他方の方向流量制御弁52のPポートに接続されており、管路33Tは、他方の方向流量制御弁52のTポートに接続されている。
方向流量制御弁51は高車高調整位置51a、低車高調整位置51bを有しており、電磁ソレノイド51dに加えられる制御信号iに応じて動作する。方向流量制御弁51の電磁ソレノイド51dには、コントローラ5から制御信号iが加えられる。
また油圧源制御弁55は、ポンプ選択位置55b、アキュムレータ選択位置55a、油圧源カット位置55cを有しており、電磁ソレノイド55dに加えられる制御信号jに応じて動作する。油圧源制御弁55の電磁ソレノイド55dには、コントローラ5から制御信号jが加えられる。
方向流量制御弁51が高車高調整位置51aに位置され、油圧源制御弁55が油圧ポンプ選択位置55bに位置されている場合には、油圧サスペンションシリンダ21の油室32Aが油圧ポンプ7の吐出口に連通するとともに、油圧サスペンションシリンダ21の油室32Bがタンク39に連通する。このため油圧サスペンションシリンダ21の油室32Aに作動油が供給され油室32Bから作動油がタンク39に排出されて、ロッド31bが図中上方に移動し(伸張し)、車輪11側の車体の高さが高くなる(高車高調整)。
これに対して方向流量制御弁51が低車高調整位置51bに位置され、油圧源制御弁55が油圧ポンプ選択位置55bに位置されている場合には、油圧サスペンションシリンダ21の油室32Bが油圧ポンプ7の吐出口に連通するとともに、油圧サスペンションシリンダ21の油室32Aがタンク39に連通する。このため油圧サスペンションシリンダ21の油室32Bに作動油が供給され油室32Aから作動油がタンク39に排出されて、ロッド31bが図中下方に移動し(縮退し)、車輪11側の車体の高さが低くなる(低車高調整)。
また方向流量制御弁51が高車高調整位置51aに位置され、油圧源制御弁55がアキュムレータ選択位置55aに位置されている場合には、油圧サスペンションシリンダ21の油室32Aがアキュムレータ34の油室35に連通するとともに、油室32Bがタンク39に連通する。このため油圧サスペンションシリンダ21の油室32A内の圧力が変化するに応じて、これに連通されているアキュムレータ34の油室35内の圧力が変化し、これに伴いガス室36の高圧気体が圧縮され、高圧気体で反発力が生じバネ力が発生する。したがって車輪11に加わる荷重に応じて油圧サスペンションシリンダ21が撓む(油圧サスペンションフリー状態)。
上述した説明では、車輪11に対応して設けられている油圧サスペンションシリンダ21について説明したが、車輪12に対応して設けられている油圧サスペンションシリンダ22も、この油圧サスペンションシリンダ22に対応して方向流量制御弁52が設けられており、同様に動作する。
また他の車輪13、14にそれぞれ対応して設けられている油圧サスペンションシリンダ23、24についても同様に、方向流量制御弁53、54が設けられており、同様に動作する。
つぎに上述した図8の構成を前提とした各実施例5、6について説明する。
(実施例5)
図9は、コントローラ5で行われる実施例5の処理手順を示している。
同図9に示すように、傾斜角センサ3の検出信号がコントローラ5に入力され(ステップ501)、車体2が水平に対して傾斜しているか否かが判断される(ステップ502)。
上記ステップ502の判断の結果、車体2が現在、傾斜している場合には、現在の傾斜角度θを零にするための目標車高が演算される。たとえば車両1が図1(a)に示すように車体2の右車輪12、14側が上方にあり車体2の左車輪11、13側が下方にあるような傾斜路90を走行している場合には、左車輪11、13側の車高を高くし、右車輪12、14側の車高を低くすることで車体2を水平にすることができる。そこで車体2を水平にするために必要な左車輪11、13側の目標車高、右車輪12、14側の目標車高が、検出傾斜角度θに基づいて演算され、目標車高に応じた制御信号i、油圧源を選択するための制御信号jが生成され(ステップ503)、この制御信号iが各方向流量制御弁51〜54の電磁ソレノイド51d〜54dに加えられるともに、制御信号jが油圧源制御弁55の電磁ソレノイド55dに加えられる。この結果、たとえば左車輪11、13に対応する方向流量制御弁51、53は高車高位置51a、53aに位置され、左車輪11、13側は高車高に調整される。また右車輪12、14に対応する方向流量制御弁52、54は低車高位置51b、54bに位置され、右車輪12、14側は低車高に調整される。また油圧源制御弁55はポンプ選択位置55bに位置され、油圧ポンプ7の吐出口が油圧サスペンションシリンダ21〜24の各油室に連通する(ステップ504)。目標車高に達し車体2が水平になると、傾斜角度θは零になるので(ステップ502の判断NO)、油圧源制御弁55がポンプ選択位置55bからアキュムレータ選択位置55aに切り換えられて、油圧サスペンションフリー状態になる(ステップ505、504)。
なお車両2が傾斜のない水平な路面を走行している場合にも、傾斜角度θは零になるので(ステップ502の判断NO)、各方向流量制御弁51〜54は連通位置51c〜54cに位置されて、油圧サスペンションフリー状態になる(ステップ505、504)。
以上のように本実施例によれば、車体2を常に水平な姿勢にすることができるので、転倒を未然に防止することができる。また車高が目標車高に達したならば、油圧サスペンションフリー状態になるので、油圧サスペンション本来の機能を損なうことがない。
(実施例6)
車両が建設機械の場合、停止中は、作業機6を作動させて作業を行うことが多い。作業中は、上部旋回体2bが旋回したり作業機6が作動したりすることに応じて車体2が揺動する。このため停止中(作業中)に油圧サスペンションフリー状態にしたとすると車体2が揺動し、重心位置が変動することにより転倒のおそれがある。このため車両1の停止中(作業中)は、車高調整を行い車体2の水平状態を維持することにより、作業に伴う揺動に起因した転倒を防止することが望ましい。
図10は、コントローラ5で行われる実施例6の処理手順を示している。
まず図10で破線で囲まれた部分の処理を省略した手順について説明する。
同図10に示すように、傾斜角センサ3の検出信号がコントローラ5に入力され(ステップ601)、車体2が現在、傾斜しているか否かが判断される(ステップ602)。上記ステップ602の判断の結果、車体2が現在、傾斜している場合には、図9のステップ503、504と同様にして、車高調整が行われ車体2が水平状態にされる(ステップ603、604)。
上記ステップ602の判断の結果、車体2が現在、傾斜していない場合には、
走行中であるか否かの情報、つまり車速センサ4の検出信号がコントローラ5に入力され(ステップ605)、車速センサ4の検出結果に基づいて、車両2が現在、走行中であるか停止中であるかが判断される(ステップ607)。
上記ステップ607の判断の結果、車両1が現在、停止中である場合には、上記ステップ603に移行され、車高調整が行われ車体2が水平状態にされる(ステップ603、604)。
上記ステップ607の判断の結果、車両1が現在、走行中である場合には、
油圧サスペンションフリー状態とすべく、油圧源制御弁55がアキュムレータ選択位置55aに位置させるための制御信号jが生成され(ステップ608)、この制御信号jが油圧源制御弁55の電磁ソレノイド55dに加えられる。この結果、油圧源制御弁55はアキュムレータ選択位置55aに位置され、油圧サスペンションフリー状態になる(ステップ604)。
このように本実施例によれば、車両1が停止中であれば、車高調整を行い車体2の水平状態を維持するようにしたので、作業に伴う揺動に起因した転倒を防止することができる。
図10において、破線で囲まれた部分の処理を必要に応じて追加して実施してもよい。
この場合、上記ステップ605において、走行中であるか否かの情報(車速センサ4の検出信号)に加えて、作業中であるか否かの情報がコントローラ5に入力される(ステップ605)。ここで作業中であるか否かの情報は、たとえば作業機6を操作するレバーの操作位置を検出するセンサの検出値として、作業機6を駆動する油圧回路内の油圧を検出するセンサの検出値として、取得することができる。
また上記ステップ605と上記ステップ607の間で、上記センサの検出信号に基づいて作業中であるか否かの判断がなされる(ステップ606)。
ステップ606の判断の結果、車両1が現在、作業中である場合には、上記ステップ603に移行され、車高調整が行われ車体2が水平姿勢になり(ステップ603、604)、車両1が現在、作業中でない場合には、つぎに走行中であるか否かの判断(ステップ607)がなされることになる。
このように作業中であるか否かの判断を追加した本実施例によれば、車両1が停止中、作業中であれば、車高調整を行い車体2の水平状態を維持するようにしたので、作業に伴う揺動に起因した転倒を防止することができる。
なお図10におけるステップ605では、走行中であるか否かの情報を取得するために、車速センサ4の検出信号を用いているが、走行中であるか否かを情報を取得するためであれば、必ずしも車速センサ4の検出信号を用いる必要はない。たとえば走行用の操作レバーの操作位置を検出するセンサ、走行体を駆動する油圧回路内の油圧(たとえば走行用油圧モータの吐出圧)を検出するセンサの検出値をもって、走行中であるか否かの情報を取得してもよい。
上述した実施例5、実施例6では、車体2が傾斜している場合に、車高を調整して、車体2の姿勢を水平な姿勢(傾斜角度零)に一致させる制御を行うようにしている。しかし必ずしも車体2の姿勢を完全に水平な姿勢(傾斜角度零)に一致させる必要はなく、車体2の姿勢が水平な姿勢に近づくように傾け、車体2を略水平な姿勢に一致させてもよい。たとえば、車体2が傾斜している場合に(たとえば車体2が水平な状態から15度傾斜している場合に)、車体2の姿勢を、より水平な姿勢側に傾斜させて、略水平な姿勢(たとえば5度の傾斜角)に一致させる制御であってもよい。
上述したように、水平な姿勢あるいは略水平な姿勢に近づける制御を行うことで、車体2の傾斜角度θが許容傾斜角度θmを越えてしまうことを、未然に防止することができる。
(実施例7)
上述した実施例5、6では、車高を調整することで、車体2の姿勢を水平な姿勢あるいは略水平な姿勢に一致させるようにしたが、転倒を防止する上では、必ずしも目標車高を水平な姿勢あるいは略水平な姿勢に対応する車高に設定する必要はなく、目標車高を許容傾斜角度θmを越えない車高に設定して、車体2の傾斜角度を許容傾斜角度θmに収めることができればよい。
図11は、コントローラ5で行われる実施例7の処理手順を示している。
すなわち、同図11に示すように、傾斜角センサ3の検出信号がコントローラ5に入力され(ステップ701)、車体2の現在の傾斜角度θが、許容傾斜角度θm以下であるか否かが判断される(ステップ702)。上記ステップ702の判断の結果、車体2の現在の傾斜角度θが、許容傾斜角度θmを越えている場合には(ステップ702の判断NO)、図9のステップ503、504(あるいは図10のステップ603、604)と同様にして、車高調整が行われ、車体2の姿勢が水平な姿勢に近づくように車体2が傾斜される(ステップ703、704)。
上記ステップ702の判断の結果、車体2の現在の傾斜角度θが、許容傾斜角度θm以下に収まっている場合には(ステップ702の判断YES)、図9のステップ505、504(あるいは図10のステップ608、604)と同様にして、油圧サスペンションフリー状態とすべく、油圧源制御弁55がアキュムレータ選択位置55aに位置させるための制御信号jが生成され(ステップ705)、この制御信号jが油圧源制御弁55の電磁ソレノイド55dに加えられる。この結果、油圧源制御弁55はアキュムレータ選択位置55aに位置され、油圧サスペンションフリー状態になる(ステップ704)。
このように本実施例によれば、車体2が許容傾斜角度θm以下の範囲を越えて傾斜している場合に、車高を調整することで、車体2の姿勢を、より水平な姿勢側に傾斜させる制御が行われ、許容傾斜角度θm以下に収まった時点(目標車高に達した時点)で、車高を調整する制御を終了して、油圧サスペンションフリー状態になる。このように車体2の傾斜角度は許容傾斜角度θ範囲内に収まるため、転倒を防止することができる。しかも、車高が目標車高に達し、車体2の傾斜角度が許容傾斜角度θm以下の範囲内に収まったならば、油圧サスペンションフリー状態になるため、油圧サスペンション本来の機能を損なうことはない。
上記実施例では、図8に示すように、管路33、アキュムレータ34、方向流量制御弁51、52、油圧源制御弁55で車高調整手段を構成しているが、本発明はこれに限られるものではなく、気体室、油室を有し、バネ要素とダンパ要素を兼ね備え、気体室内の気体圧縮を油を媒介にして行う油気圧バネであれば、それ以外の任意の構成の実施も可能である。また、空気、窒素ガス等の気体が圧縮されていることによる反発力を利用した気体バネ(エアバネ)を用いて車高調整手段を構成してもよい。
以上、実施形態に基づき本発明について説明したが、本発明の開示の利益を当業者が受益して得られる実施形態は本発明の範囲に含まれる。
本発明は、ホイールショベルなどの建設機械を想定して説明したが、本発明は建設機械に限定されることなく、乗用車、トラック等の車両一般に適用可能である。
図1(a)は車両が傾斜路上に位置している状態を示す図であり、図1(b)は従来の転倒防止装置の構成を示す図である。 図2は実施形態のホイールショベルの側面図である。 図3は図2の車両の油圧回路を示す図である。 図4は実施例1の処理手順を示すフローチャートである。 図5は実施例2の処理手順を示すフローチャートである。 図6は実施例3の処理手順を示すフローチャートである。 図7は実施例4の処理手順を示すフローチャートである。 図8は図3とは異なる構成の車両の油圧回路を示す図である。 図9は実施例5の処理手順を示すフローチャートである。 図10は実施例6の処理手順を示すフローチャートである。 図11は実施例7の処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 車両(ホイールショベル) 2 車体 3 傾斜角センサ 4 車速センサ 5 コントローラ 11〜14 車輪 21〜24 油圧サスペンションシリンダ 40 制御弁 51〜54 方向流量制御弁

Claims (2)

  1. 車体(2)と車輪(11、12)とが油圧サスペンション(21、22)を介して連結されたホイール式建設機械(1)であって、
    車体(2)のロール方向の傾斜角度を検出する傾斜角センサ(3)と、
    車速を検出する車速センサ(4)と、
    車速センサ(4)で検出された車速の値に応じて、許容傾斜角度範囲が決定され、
    傾斜角センサ(3)の検出値と車速センサ(4)の検出値とに基づいて、傾斜角センサ(3)で検出された傾斜角度が、許容傾斜角度範囲を越えた場合に、油圧サスペンション(21、22)の作動油の出入りを遮断する制御を行う制御手段(5)と
    を備えるホイール式建設機械。
  2. 車体(2)と車輪(11、12)とが油圧サスペンション(21、22)を介して連結されたホイール式建設機械(1)であって、
    車体(2)のロール方向の傾斜角度を検出する傾斜角センサ(3)と、
    車速を検出する車速センサ(4)と、
    傾斜角センサ(3)の検出値と車速センサ(4)の検出値とに基づいて、
    ホイール式建設機械(1)が停止中であれば、傾斜角センサ(3)で検出された傾斜角度如何にかかわらず、油圧サスペンション(21、22)の作動油の出入りを遮断し、
    ホイール式建設機械(1)が走行中であって、傾斜角センサ(3)で検出された傾斜角度が、許容傾斜角度範囲以内である場合に、油圧サスペンション(21、22)の作動油の出入りをフリー状態とし、
    ホイール式建設機械(1)が走行中であって、傾斜角センサ(3)で検出された傾斜角度が、許容傾斜角度範囲を越えた場合に、油圧サスペンション(21、22)の作動油の出入りを遮断する制御を行う制御手段(5)と
    を備えるホイール式建設機械。
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