JP2003269205A - ホイール式建設機械の操作制御装置 - Google Patents

ホイール式建設機械の操作制御装置

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JP2003269205A JP2002071341A JP2002071341A JP2003269205A JP 2003269205 A JP2003269205 A JP 2003269205A JP 2002071341 A JP2002071341 A JP 2002071341A JP 2002071341 A JP2002071341 A JP 2002071341A JP 2003269205 A JP2003269205 A JP 2003269205A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】油圧ポンプから吐出された圧油により駆動する
作業装置と電動機により駆動する走行装置とを備えたホ
イール式建設機械で、従来の作業装置と走行装置を共に
油圧駆動とするホイール式建設機械と同等の操作を可能
とする。 【解決手段】車体にエンジン1と油圧ポンプ3と発電機
2を備え、かつ油圧ポンプ3から吐出された圧油により
駆動する作業装置104と、発電機2の電力で回転駆動
する電動モータ20により駆動される走行装置99を備
えている。コントローラ7は、アクセルペダル70の操
作量に応じてエンジン1の回転数を増減させるととも
に、アクセルペダル70の操作量とインチングペダル7
3の操作量により電動モータ20の回転数を増減させ、
車体の車速を制御する。コントローラ7は、アクセルペ
ダル70の操作量に応じて車体の車速を増やす制御機能
とインチングペダル73の操作量に応じて車体の車速を
減らす制御機能を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はホイールローダ等の
ホイール式建設機械の操作制御装置に係わり、特に、油
圧ポンプから吐出された圧油により駆動する作業装置と
電動機により駆動する走行装置とを備えたホイール式建
設機械の操作制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ホイールローダ等のホイール式建設機械
の走行装置としては、例えば特開平6−58412号公
報に記載されているような油圧駆動方式が実用化されて
いる。この走行装置は、可変容量型油圧ポンプと可変容
量型油圧モータを一対の主管路により閉回路接続し、可
変容量型油圧ポンプから吐出された圧油により可変容量
型油圧モータを駆動し、可変容量型油圧モータの駆動に
より車輪を駆動し走行動作させるものである。可変容量
型油圧ポンプの動力源はエンジンであり、アクセルペダ
ルの操作量を増大させるとエンジン回転数が増大し、可
変容量型油圧ポンプの吐出流量が増大するため、可変容
量型油圧モータの回転数も増大し、走行速度が速くな
る。アクセルペダルの操作量を減少させるとエンジン回
転数は減少し、可変容量型油圧ポンプの吐出流量が減少
するため、可変容量型油圧モータの回転数も減少し、走
行速度が遅くなる。
【0003】また、実際の製品では、走行装置の操作指
示手段として、上記のアクセルペダルに加え、アクセル
ペダルと共に車体の車速変化を指示するインチングペダ
ルと、車体の前・後進動作の切り換えを指示する前後進
切り換えレバーと、車体の制動を指示するブレーキペダ
ルとを備えている。
【0004】インチングペダルは上記可変容量型油圧ポ
ンプの傾転シリンダを駆動する油圧回路と上記ブレーキ
ペダルとに連係しており、インチングペダルを操作する
と、その操作量に応じて可変容量型油圧ポンプ5の吐出
容量を減らし、これにより可変容量型油圧ポンプの吐出
流量を減少させ、可変容量型油圧モータの回転数を減少
させ、走行速度を遅くする。インチングペダル75をあ
る程度の操作量以上操作するとブレーキバルブが作動
し、その操作量に応じてブレーキシリンダが作動し車輪
にブレーキをかけ、車体を停止させる。
【0005】また、ホイールローダ等のホイール式建設
機械は油圧シリンダにより油圧駆動されるフロント作業
装置を備え、油圧シリンダの油圧源である油圧ポンプは
上記走行装置の可変容量型油圧ポンプとともにエンジン
により回転駆動される。フロント作業装置の操作指示手
段としては操作レバーが設けられている。また、アクセ
ルペダルは、上記のようにエンジン回転数を制御するの
で、アクセルペダルを操作するとエンジンに接続された
フロント作業装置の油圧シリンダを駆動する油圧ポンプ
の回転数も制御され、ポンプ吐出量が増大しフロント作
業装置の速度を変化させる。即ち、アクセルペダルはフ
ロント作業装置の操作指示手段としての役割も持つ。
【0006】以上のように構成した従来のホイール式建
設機械の操作例として、例えばダンプ積み込み作業で
は、フロント作業装置の速度を落とさないようにアクセ
ルペダルを踏み込み、エンジンを高速回転させたままイ
ンチングペダルを踏み、可変容量型油圧ポンプの吐出流
量を減少させ油圧モータの回転数を減少させることによ
って、車速を低速にしながらダンプヘ接近させる。そし
て、操作レバーを操作し、フロント作業装置を駆動させ
る。
【0007】一方、ホイール式建設機械の走行装置とし
ては、特開平11−158937号公報に記載のような
電動駆動方式も検討されている。この走行装置は、エン
ジンの駆動によって発電機と油圧ポンプが駆動され、走
行については発電機によって発電した電力により電動モ
ータが駆動され、この電動モータの駆動により車体を走
行駆動させる方式である。
【0008】また、このような駆動方式において用いる
電動モータは、通常、交流式の電動モータであるため、
インバータを必要とする。また、無走行時等の軽負荷時
に余った電力を蓄え、走行時等の重負荷時に利用するた
め電力を蓄えるバッテリも必要となる。
【0009】図12はそのような電動駆動システムを模
式化して示すものである。
【0010】図12において、エンジン201の駆動に
より発電機202が駆動され、電力を発生する。発電機
202により発生した電力は、インバータ/コンバータ
221によりバッテリ222に蓄えられる制御とバッテ
リ222の電力により電動モータ220を駆動させる制
御が行われ、電動モータ220が駆動される。この電動
モータ220の駆動により車輪204が駆動し、車体が
前・後進動作する。
【0011】以上の構成からなる電動モータによる駆動
方式では、車両減速時において、電動モータ220を発
電機として作動させ、車両減速時の運動エネルギーを電
力として回収し、インバータ/コンバータ221により
バッテリ222に蓄える。回収した電力は、走行駆動時
に電動モータ220を騒動させるために使用される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には次のような問題がある。
【0013】特開平6−58412号公報に記載されて
いるような油圧駆動方式の走行装置を備えたホイール式
建設機械では、車両減速時はその運動エネルギーをエン
ジン回転をアシストするという形で回収することができ
る。しかし、通常走行時には、車両減速時のエネルギー
を利用することはできず、十分な省エネルギー効果を発
揮することはできない。
【0014】特開平11−158937号公報に記載の
電動式の走行装置にバッテリを搭載して図12に示すシ
ステムに構成した場合は、車両減速時の運動エネルギー
を電力として回収し、通常走行時或いは走行・作業時に
その回収したエネルギーを利用することが可能である。
しかし、特開平11−158937号公報では、走行装
置と作業装置の操作制御方式については検討されていな
い。
【0015】ここで、ホイール式建設機械は公道を走る
ことも想定されるため、乗用車の操作感に近くするに
は、アクセルペダルの操作量に応じて車速を調整するこ
とが望ましい。図12に示す走行装置の電動駆動システ
ムでは、エンジン201の回転数と走行駆動とは直接的
に係わらず、走行駆動は電動モータ220によりなされ
る。このため、図12に示す走行装置の電動駆動システ
ムにアクセルペダルを連係させる場合、アクセルペダル
はインバータ/コンバータ221を介して電動モータ2
20を駆動するものとなる。従って、図12に示すエン
ジン1をフロント作業装置の油圧シリンダを駆動する油
圧ポンプに連結したとしても、アクセルペダルを踏んだ
ときにエンジン回転数は変化しないためフロント作業装
置の速度も変化せず、アクセルペダルはフロント作業装
置の操作指示手段としての役割を果たさない。また、そ
の結果、油圧駆動方式の走行装置の上述した操作例のよ
うに、アクセルペダルとインチングペダルの両方を踏み
込み、車体の速度を上げずにフロント作業装置の速度だ
けを上げるという操作を行うことができない。
【0016】本発明の第1の目的は、油圧ポンプから吐
出された圧油により駆動する作業装置と電動機により駆
動する走行装置とを備えたもので、従来の作業装置と走
行装置を共に油圧駆動とするホイール式建設機械と同等
の操作を可能とするホイール式建設機械の操作制御装置
を提供することである。
【0017】本発明の第2の目的は、更に、走行駆動の
みの動作時には、エンジンの無駄な回転を抑え、エンジ
ンの燃料消費を低減させることが可能なホイール式建設
機械用の操作制御装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、車体にエンジンと油圧ポンプを備え、かつ走
行装置と、前記油圧ポンプから吐出された圧油により駆
動する作業装置とを備え、前記走行装置と作業装置の操
作指示手段として、車体の車速変化を指示するアクセル
ペダル及びインチングペダルと前記作業装置の動作を指
示する操作レバーとを備えたホイール式建設機械の操作
制御装置において、前記走行装置を、前記エンジンの動
力により駆動される発電装置と、前記発電装置の電力で
回転駆動し前記走行装置を駆動する電動機とを有する構
成とし、前記アクセルペダルの操作量に応じて前記エン
ジンの回転数を増減させるエンジン回転数制御手段と、
前記アクセルペダルの操作量と前記インチングペダルの
操作量により前記電動機の回転数を増減させ、車体の車
速を制御する走行制御手段とを備え、前記走行制御手段
は、前記アクセルペダルの操作量に応じて車体の車速を
増やす制御機能と前記インチングペダルの操作量に応じ
て車体の車速を減らす制御機能を備えるものとする。
【0019】これにより、アクセルペダルの操作量に応
じて、作業装置の速度と車体の速度を増減できると共
に、作業装置と走行装置の複合動作時にアクセルペダル
とインチングペダルの操作量により、作業装置の速度を
確保しつつ、車体の速度を抑えることができ、作業装置
と走行装置が共に圧油により駆動する従来のホイール式
建設機械と同等の操作が可能となる。
【0020】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記エンジン回転数制御手段は、前記操作レバーの操作
量があるときには、前記アクセルペダルの操作量に応じ
てエンジンの回転数を増減させ、前記操作レバーの操作
量がないときには、前記アクセルペダルの操作量と前記
エンジンの回転数とを連動させないものとする。
【0021】これにより、作業装置が駆動されておら
ず、走行装置のみの動作時には、アクセルペダルの操作
量はエンジンの回転数と連動しないため、エンジンの無
駄な回転を抑え、エンジンの燃料消費を低減させること
ができる。
【0022】(3)また、上記(1)において、好まし
くは、車体の駆動選択として、作業モードと走行モード
のモード切換スイッチを備え、前記エンジン回転数制御
手段は、作業モードのときには、前記アクセルペダルの
操作量に応じてエンジンの回転数を増減させ、走行モー
ドのときには、前記アクセルペダルの操作量と前記エン
ジンの回転数とを連動させないものとする。
【0023】これにより、作業装置が駆動されておら
ず、走行装置のみの動作時には、アクセルペダルの操作
量はエンジンの回転数と連動しないため、エンジンの無
駄な回転を抑え、エンジンの燃料消費を低減させること
ができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。
【0025】まず、本発明の第1の実施の形態を図1〜
図5により説明する。
【0026】図1において、1は原動機、例えばディー
ゼルエンジン(以下単にエンジンという)であり、燃料
噴射量制御装置10を備え、燃料噴射量を制御すること
によりエンジン回転数が制御される。エンジン1は軸1
1により発電機2とフロント・ステアリング用油圧ポン
プ3とブレーキ用油圧ポンプ4に連結され、軸11によ
りエンジン1の動力がこれら発電機2及び油圧ポンプ
3,4に伝達され、それらを駆動する。
【0027】発電機2はインバータ/コンバータ21を
介して電動モータ20及びバッテリ22に接続され、発
電機2が駆動されることにより発生した電力は、インバ
ータ/コンバータ21を介してバッテリ22に蓄えられ
るとともに、発電機2により発生した電力又はバッテリ
22の電力により走行装置99の電動モータ20を駆動
する。電動モータ20が駆動されると車輪104が駆動
され、ホイール式建設機械の車体が前・後進動作する。
発電機2により発生した電力をバッテリ22に蓄える
か、その電力で電動モータ20を駆動するかの制御の切
り換えはインバータ/コンバータ21により行う。
【0028】油圧ポンプ3から吐出された圧油は、方向
・流量切換弁30,32,34を介しフロント作業装置
107(図6参照)のアームシリンダ31、バケットシ
リンダ33及び操舵装置のステアリングシリンダ35に
それぞれ供給され、それらを駆動する。
【0029】油圧ポンプ4から吐出された圧油は、流量
切換弁(ブレーキバルブ)42を介しブレーキ装置40
に導かれ、流量切換弁42の切り換え量に応じて車輪1
04にブレーキをかけ、車体を停止させる。
【0030】本実施の形態に係わる操作制御装置は以上
のようなホイール式建設機械に備えられるものであり、
走行装置99及びフロント作業装置107の操作指示手
段として、アクセルペダル70、ステアリングハンドル
71、フロント操作レバー72、ブレーキペダル73、
前後進切り換えレバー74、インチングペダル75が設
けられている。
【0031】ステアリングハンドル71はステアリング
を切るためのものであり、その操作量に応じて方向・流
量切換弁34の切り換え量(開度)を変化させ、その切
り換え量に応じてステアリングシリンダ35を駆動させ
る。
【0032】フロント操作レバー72はフロント作業装
置107の動作を指示するためのものであり、その操作
量に応じて方向・流量切換弁30,32の切り換え量
(開度)を変化させ、その切り換え量に応じてアームシ
リンダ31、バケットシリンダ33を駆動させる。
【0033】前後進切り換えレバー74は車体の前・後
進動作の切り換えを指示するためのものであり、N位置
(中立)、F位置(前進)、R位置(後進)の三位置に
切り換え可能であり、その操作信号はコントローラ7に
伝達される。コントローラ7は、その切換位置に対応す
る操作信号に応じて、インバータ/コンバータ21に電
動モータ20の回転方向を切り換える信号を伝達し、車
輪104の駆動方向を切り換え、車体を前・後進動作さ
せる。
【0034】アクセルペダル70はフロント作業装置1
07の速度変化と走行装置99の速度変化を指示するた
めのものであり、その操作信号はコントローラ7に伝達
される。コントローラ7は、フロント作業装置107の
速度制御に関し、その操作量(開度)に応じた燃料噴射
指令を燃料噴射量制御装置10に出力し、エンジン1の
回転数を変化させる。
【0035】図2にアクセルペダル70の操作量(開
度)とエンジン1の回転数との関係を示す。アクセルペ
ダル70の操作量を増大させると、エンジン1の回転数
は増大し、アクセルペダル70の操作量を減少させる
と、エンジン1の回転数は減少するように両者の関係は
設定されている。Nminはエンジン1の最低回転数であ
る。コントローラ7の記憶装置には、このようなアクセ
ルペダル70の操作量(開度)とエンジン1の回転数と
の関係が記憶されており、この関係に基づいてエンジン
1の目標回転数を演算し、対応する燃料噴射指令を燃料
噴射量制御装置10に出力する。
【0036】また、コントローラ7は、走行装置99の
速度制御に関し、アクセルペダル70の操作量に応じた
速度となるよう走行装置99を制御する(後述)。
【0037】ブレーキペダル73は車体の制動を行うた
めのものであり、その操作信号はコントローラ7に伝達
される。コントローラ7は、その操作量に応じた駆動信
号を流量切換弁(ブレーキバルブ)42に出力し、流量
切換弁42の開度を変化させる。
【0038】図3にブレーキペダル73の操作量(開
度)と流量切換弁42の開度との関係を示す。ブレーキ
ペダル73の操作量を増大させると流量切換弁42の開
度は増大し、ブレーキペダル73の操作量を減少させる
と流量切換弁42の開度は減少するよう両者の関係が設
定されている。流量切換弁42の開度が増大するとブレ
ーキ装置40に供給される圧油の流量が増大し、車輪1
04にかかるブレーキ力を増加させ、車体を停止させ
る。コントローラ7の記憶装置には、このようなブレー
キペダル73の操作量(開度)と流量切換弁42の開度
との関係が記憶されており、この関係に基づいて流量切
換弁42の目標開度を演算し、対応する駆動信号を流量
切換弁42に出力する。
【0039】インチングペダル75は、アクセルペダル
70の別手段として車体の速度変化を指示するものであ
り、その操作信号はコントローラ7に伝達される。コン
トローラ7は、その操作量に応じた駆動信号を流量切換
弁(ブレーキバルブ)42に出力し、流量切換弁42の
開度を変化させるとともに、その操作量に応じた電動モ
ータ20の回転指令を演算し、アクセルペダル70の操
作量に応じて演算した電動モータ20の回転指令と組み
合わせ、その回転指令をインバータ/コンバータ21に
出力し、電動モータ20の回転速度を制御する。
【0040】図4にインチングペダル75の操作量(開
度)と流量切換弁42の開度との関係を示す。インチン
グペダル75の操作量をある値Io以上増大させると、
流量切換弁42の開度は増大し、インチングペダル75
の操作量を減少させると流量切換弁42の開度は減少す
るように両者の関係は設定されている。流量切換弁42
の開度が増大するとブレーキ装置40に供給される圧油
の流量が増大し、車輪104にかかるブレーキ力を増加
させ、車体を停止させる。コントローラ7の記憶装置に
は、このようなインチングペダル75の操作量(開度)
と流量切換弁42の開度との関係が記憶されており、こ
の関係に基づいて流量切換弁42の目標開度を演算し、
対応する駆動信号を流量切換弁42に出力する。
【0041】図5にアクセルペダル70の操作量とイン
チングペダル75の操作量とに基づき電動モータ20の
回転指令を生成するコントローラ7の処理機能を示す。
【0042】図5において、コントローラ7は、第1回
転指令演算部7aと、第2回転指令演算部7bと、合成
部7cの各機能を有している。
【0043】第1回転指令演算部7aは、コントローラ
7の記憶装置に記憶されたアクセルペダル70の操作量
と電動モータ20の回転指令との関係に基づき、アクセ
ルペダル70の操作量に応じた電動モータ20の回転指
令を演算し、合成部7cに出力する。アクセルペダル7
0の操作量と電動モータ20の回転指令との関係はアク
セルペダル70の操作量を増大させると回転指令が増大
し、アクセルペダル70の操作量を減少させると回転指
令を減少させるように設定されている。
【0044】第2回転指令演算部7bは、コントローラ
7の記憶装置に記憶されたインチングペダル75の操作
量と電動モータ20の回転指令との関係に基づき、イン
チングペダル75の操作量に応じた電動モータ20の回
転指令を演算し、合成部7cに出力する。インチングペ
ダル75の操作量と電動モータ20の回転指令との関係
はインチングペダル75の操作量を増大させると回転指
令が増大し、インチングペダル75の操作量を減少させ
ると回転指令を減少させるように設定されている。
【0045】合成部7cは減算部であり、第1回転指令
演算部7aで演算した回転指令から第2回転指令演算部
7cで演算した回転指令を減ずる演算を行い、出力用の
回転指令を算出する。この回転指令はインバータ/コン
バータ21に出力され、電動モータ20の回転速度を制
御し、車体の走行速度を制御する。
【0046】以上のような処理機能により、アクセルペ
ダル70のみを操作した場合は、アクセルペダル70の
操作量が増大すると車体の走行速度が増大し、アクセル
ペダル70とインチングペダル75の両方を操作した場
合は、インチングペダル75の操作量に応じて車体の走
行速度が減少する。
【0047】図6に本発明が適用されるホイール式建設
機械一例としてホイールローダの外観を示す。
【0048】図6において、100はホイールローダで
あり、ホイールローダ100は、運転席101と車体前
部102と車体後部103とで構成されており、それぞ
れ車輪104,104を有している。また、車体後部1
03は車体前部102とステアリングシリンダ35によ
り相対回動白在に連結され、車体前部102には、土砂
の掘削、積み込み作業を行うためのフロント作業装置1
07が設けられ、車体後部103には図1に示したエン
ジン1、発電機2、油圧ポンプ3とチャージポンプ4、
コントローラ7、インバータ/コンバータ21、バッテ
リ22、電動モータ20等が搭載されている。
【0049】フロント作業装置107は、リフトアーム
105とバケット106から構成されている。リフトア
ーム105はアームシリンダ31の伸縮により上下に動
作し、バケット106はバケットシリンダ33の伸縮に
よりチルト・ダンプ動作する。
【0050】以上のように構成した本実施の形態の動作
の概略は次のようである。
【0051】ホイール式建設機械(ホイールローダ10
0)の非走行・非作業時は、アクセルペダル70は踏ま
れておらず、エンジン1はNminで回転し、発電機2は
エンジン1により回転駆動され電力を発生し、その電力
をバッテリ22に蓄える。
【0052】前後進切り換えレバー74を例えばF位置
に切り換えて車両を前進させている途中でオペレータが
車体の減速を意図してアクセルペダル70の操作を止め
た場合も、非走行・非作業時と同様、発電機2はNmin
で回転するエンジン1により回転駆動され電力を発生
し、その電力をバッテリ22に蓄える。これと同時に、
車輪104は慣性で回転を続けるので電動モータ20が
発電機として作動し、電動モータ20が発生した電力も
バッテリ22に蓄える。
【0053】以上のように車両減速時は、ホイール式建
設機械(ホイールローダ100)の運動エネルギーで電
動モータ20を駆動し、発生した電力をバッテリ22に
蓄えるという形で運動エネルギーの回収を行う。
【0054】通常走行時は、アクセルペダル70の操作
量に応じてエンジン1の回転数を制御するとともに、ア
クセルペダル70の操作量に応じた電動モータ20の回
転指令を出力し、バッテリ22に蓄えられた電力を用い
て電動モータ20を回転駆動し、アクセルペダル70の
操作量に応じた速度で走行させる。これにより通常走行
時に、車両減速時に回収したエネルギー(バッテリ81
に蓄えた電力)を有効利用することができる。
【0055】例えばダンプ積み込み作業で、車体の車速
を上げずにフロント作業装置107の速度だけを上げた
い場合は、アクセルペダル70とインリングペダル73
の両方を踏み込むと、アクセルペダル70の操作量に応
じてエンジン1の回転数が上がり、油圧ポンプ3の吐出
流量が増大しフロント作業装置107の速度が上がる一
方、アクセルペダル70の操作量に応じた電動モータ2
0の回転指令とインチングペダル73の操作量に応じた
電動モータ20の回転指令が演算され、後者の回転指令
の分、前者の回転指令が減じられ、電動モータ20の駆
動速度、即ち走行速度が減じられる。これにより車速を
低速にしながらダンプヘ接近させ、操作レバー72を操
作し、フロント作業装置107を所望の速度で操作する
ことができる。
【0056】以上のように構成した本実施の形態によれ
ば、油圧ポンプ3から吐出された圧油により駆動するフ
ロント作業装置107と電動モータ20により駆動する
走行装置99とを設けたので、車両減速時の運動エネル
ギーを電力として回収し、発生した電力をバッテリ22
に蓄え、通常走行時に、その回収したエネルギーを有効
利用することができ、従ってエンジン1の燃料消費量を
低減することができる。
【0057】また、油圧ポンプ3から吐出された圧油に
より駆動するフロント作業装置107と電動モータ20
により駆動する走行装置99とを備えていても、従来の
油圧駆動方式のホイール式建設機械と同様にフロント作
業装置107の速度及び車体の車速を上げたい場合はア
クセルペダル70により速度調整ができるとともに、車
体の速度を上げずにフロント作業装置107の速度だけ
を上げたい場合は、アクセルペダル70の操作量により
フロント作業装置107の速度を上げ、インチングペダ
ル73の操作量により車体の車速を下げることができ、
従来の油圧駆動方式のホイール式建設機械と同等の操作
が可能となる。
【0058】本発明の第2の実施の形態を図7及び図8
により説明する。図中、図1に示したものと同等の部材
には同じ符号を付している。
【0059】図7において、本実施の形態と図1に示す
第1の実施の形態との相違は、フロント操作レバー72
の操作信号がコントローラ7Aに入力されている点であ
る。
【0060】フロント操作レバー72によるアームシリ
ンダ31、バケットシリンダ33の駆動、ステアリング
ハンドル71によるステアリングシリンダ35の駆動、
前後進切換レバー74による電動モータ20の回転方向
切り換え、ブレーキペダル73によるブレーキ装置40
の駆動、インチングペダル75によるブレーキ装置40
の駆動、アクセルペダル70とインチングペダル75に
よる電動モータ20の回転指令については、第1の実施
の形態と同様である。
【0061】アクセルペダル70によるコントローラ7
Aのエンジン回転数制御機能について、図2及び図8を
用いて以下に説明する。
【0062】図8において、アクセルペダル70の開度
とフロント操作レバー72の入力状況を読み込む(ステ
ップS700)。次に、フロント操作レバー72が操作
されているか判別する(ステップS701)。そして、
フロント操作レバー72が操作されている場合には、図
2に示されるように、エンジン1をアクセルペダル70
の操作量に応じて駆動する(ステップS702)。すな
わち、アクセルペダル70の操作量を増大させると、エ
ンジン1の回転数は増大し、アクセルペダル70の操作
量を減少させると、エンジン1の回転数は減少する。ま
た、フロント操作レバー72が操作されていない場合に
は、エンジン1は、他の制御手段によりアクセルペダル
70の操作量には連動せずに、停止または回転数制御さ
れる(ステップS703)。他の制御手段としては、例
えばバッテリ22の蓄電状況を監視し、バッテリ22の
蓄電量が十分にあるときはエンジン1を停止するか最低
回転数で駆動し、バッテリ22の蓄電量が所定レベル以
下であればエンジン1の回転数を上げる制御手段があ
る。
【0063】以上のように構成した本実施形態において
は、第1の実施の形態と同様の効果が得られるととも
に、フロント作業装置107が駆動されておらず、走行
装置99のみの動作時には、アクセルペダル70の操作
量はエンジン1の回転数と連動しないため、エンジン1
の無駄な回転を抑え、エンジン1の燃料消費を更に低減
させることができる。
【0064】本発明の第3の実施の形態を図9〜図11
により説明する。図9中、図1に示したものと同等の部
材には同じ符号を付している。
【0065】図9において、本実施の形態は、動作モー
ド選択スイッチ76を備え、動作モード選択スイッチ7
6の切り換え信号がコントローラ7Bに入力される。
【0066】動作モード選択スイッチ76は、図10に
示すように、「走行モード」と「作業モード」の各切換
位置を有し、オペレータが走行モードと作業モードのい
ずれかに切り換え操作することで、いずれか一方のモー
ドを選択可能である。
【0067】フロント操作レバー72によるアームシリ
ンダ31、バケットシリンダ33の駆動、ステアリング
ハンドル71によるステアリングシリンダ35の駆動、
前後進切換レバー74による電動モータ20の回転方向
切り換え、ブレーキペダル73によるブレーキ装置40
の駆動、インチングペダル75によるブレーキ装置40
の駆動、アクセルペダル70とインチングペダル75に
よる電動モータ20の回転指令については、第1の実施
の形態と同様である。
【0068】アクセルペダル70によるコントローラ7
Bのエンジン回転数制御機能について、図2及び図11
を用いて以下に説明する。
【0069】図11において、アクセルペダル70の開
度とモード選択スイッチ76の入力状況を読み込む(ス
テップS704)。次に、モード選択スイッチ76が
「作業モード」に選択されているかどうかを判別する
(ステップS705)。そして、モード選択スイッチ7
6が「作業モード」に選択されている場合には、図2に
示されるように、エンジン1はアクセルペダル70の操
作量に応じて駆動する(ステップS702)。すなわ
ち、アクセルペダル70の操作量を増大させると、エン
ジン1の回転数は増大し、アクセルペダル70の操作量
を減少させると、エンジン1の回転数は減少する。ま
た、モード選択スイッチ76が「作業モード」に選択さ
れていない場合には、エンジン1は、他の制御手段によ
りアクセルペダル70の操作量には連動せずに、停止ま
たは回転数制御される(ステップS703)。他の制御
手段としては、第2の実施の形態で説明したように、例
えばバッテリ22の蓄電状況による制御手段がある。
【0070】以上のように構成した本実施の形態におい
ても、第1の実施の形態と同様の効果が得られるととも
に、フロント作業装置107が駆動されておらず、走行
装置99のみの動作時には、モード選択スイッチ76を
「走行モード」に切り換えておくことによりアクセルペ
ダル70の操作量はエンジン1の回転数と連動しないた
め、エンジン1の無駄な回転を抑え、エンジン1の燃料
消費を更に低減させることができる。
【0071】なお、以上の実施の形態では、本発明をホ
イール式建設機械としてホイールローダに適用したが、
リフト・トラック等のそれ以外のホイール式建設機械に
も本発明は適用可能である。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、油圧ポンプから吐出さ
れた圧油により駆動する作業装置と電動機により駆動す
る走行装置とを備えたもので、従来の作業装置と走行装
置を共に油圧駆動とするホイール式建設機械と同等の操
作が可能となる。
【0073】また、本発明によれば、走行駆動のみの動
作時には、エンジンの無駄な回転を抑え、エンジンの燃
料消費を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わるホイール式
建設機械の操作制御装置を示す図である。
【図2】アクセルペダルの開度とエンジンの回転数との
関係を示す図である。
【図3】ブレーキペダルの開度とブレーキバルブの開度
との関係を示す図である。
【図4】インチングペダルの開度とブレーキバルブの開
度との関係を示す図である。
【図5】アクセルペダルの開度とインチングペダルの開
度とに基づき電動モータの回転指令を生成するコントロ
ーラの処理機能を示す機能ブロック図である。
【図6】本発明が適用されるホイール式建設機械の一例
であるホイールローダの外観を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係わるホイール式
建設機械の操作制御装置を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係わるコントロー
ラにおけるエンジン回転数制御の処理機能を示すフロー
チャートである。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係わるホイール式
建設機械の操作制御装置を示す図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係わる動作モー
ド選択スイッチの説明図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係わるコントロ
ーラにおけるエンジン回転数制御の処理機能を示すフロ
ーチャートである。
【図12】従来技術で電動モータを使用した場合の走行
駆動装置の説明図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 発電機 3,4 油圧ポンプ 7 コントローラ 7a 第1回転指令演算部 7b 第2回転指令演算部 7c 合成部 10 燃料噴射量制御装置 11 軸 20 電動モータ 21 インバータ/コンバータ 22 バッテリ 30,32,34 方向・流量切換弁 31 アームシリンダ 33 バケットシリンダ 35 ステアリングシリンダ 40 ブレーキ装置 42 流量切換弁 70 アクセルペダル 71 ステアリングハンドル 72 フロント操作レバー 73 ブレーキペダル 74 前後進切換レバー 75 インチングペダル 76 動作モード選択スイッチ 99 走行装置 100 ホイールローダ 101 運転席 102 車体前部 103 車体後部 104 車輪 105 リフトアーム 106 バケット 107 フロント作業装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 29/06 F02D 29/06 D (72)発明者 園田 光夫 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 大平 修司 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 江川 栄治 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 2D003 AA01 AB01 AB03 AB06 AC01 BA05 CA03 CA10 DA04 DB08 3D046 BB03 CC06 GG11 3G093 AA07 AA10 AB01 BA19 CA09 CB02 DA01 DA06 DB15 EA03 EA05 EB00 EB05 EB08 FA02 FA03 FA11 FA12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体にエンジンと油圧ポンプを備え、かつ
    走行装置と、前記油圧ポンプから吐出された圧油により
    駆動する作業装置とを備え、前記走行装置と作業装置の
    操作指示手段として、車体の車速変化を指示するアクセ
    ルペダル及びインチングペダルと前記作業装置の動作を
    指示する操作レバーとを備えたホイール式建設機械の操
    作制御装置において、 前記走行装置を、前記エンジンの動力により駆動される
    発電装置と、前記発電装置の電力で回転駆動し前記走行
    装置を駆動する電動機とを有する構成とし、 前記アクセルペダルの操作量に応じて前記エンジンの回
    転数を増減させるエンジン回転数制御手段と、 前記アクセルペダルの操作量と前記インチングペダルの
    操作量により前記電動機の回転数を増減させ、車体の車
    速を制御する走行制御手段とを備え、 前記走行制御手段は、前記アクセルペダルの操作量に応
    じて車体の車速を増やす機能と前記インチングペダルの
    操作量に応じて車体の車速を減らす機能を備えているこ
    とを特徴とするホイール式建設機械の操作制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のホイール式建設機械の操作
    制御装置において、前記エンジン回転数制御手段は、前
    記操作レバーの操作量があるときには、前記アクセルペ
    ダルの操作量に応じてエンジンの回転数を増減させ、前
    記操作レバーの操作量がないときには、前記アクセルペ
    ダルの操作量と前記エンジンの回転数とを連動させない
    ことを特徴とするホイール式建設機械の操作制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載のホイール式建設機械の操作
    制御装置において、車体の駆動選択として、作業モード
    と走行モードのモード切換スイッチを備え、前記エンジ
    ン回転数制御手段は、作業モードのときには、前記アク
    セルペダルの操作量に応じてエンジンの回転数を増減さ
    せ、走行モードのときには、前記アクセルペダルの操作
    量と前記エンジンの回転数とを連動させないことを特徴
    とするホイール式建設機械の操作制御装置。
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