JPH11129072A - 2電極多層盛りガスシールドアーク溶接方法 - Google Patents

2電極多層盛りガスシールドアーク溶接方法

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JPH11129072A
JPH11129072A JP9312857A JP31285797A JPH11129072A JP H11129072 A JPH11129072 A JP H11129072A JP 9312857 A JP9312857 A JP 9312857A JP 31285797 A JP31285797 A JP 31285797A JP H11129072 A JPH11129072 A JP H11129072A
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JP
Japan
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wire
electrode wire
welding
layer
electrode
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JP9312857A
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English (en)
Inventor
Toshio Aoki
俊雄 青木
Susumu Isozaki
進 磯崎
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Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
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Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚鋼板の多層盛り溶接における溶接作業性を
良好にして、溶接欠陥がなく健全で高靭性が得られる高
能率な2電極ガスシールドアーク溶接方法を提供する。 【解決手段】 2電極多層盛りガスシールドアーク溶接
方法において、溶接線方向に100〜600mmの間隔
で配置した先行電極ワイヤと後行電極ワイヤにソリッド
ワイヤまたはメタルコアードワイヤを使用して、ルート
ギャップまたは前層のビード幅が25mm以下の場合
は、該先行電極ワイヤおよび後行電極ワイヤの狙い位置
を開先幅の中央とし、前記ルートギャップまたは前層の
ビード幅が25mm超の場合は、先行電極ワイヤを片方
の開先壁方向に、後行電極ワイヤを他方の開先壁方向の
狙い位置として溶接する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、厚鋼板の2電極多
層盛りガスシールドアーク溶接方法に関し、特に、溶接
作業性が良好で溶接欠陥のない、かつ、高靭性が得られ
る高能率な2電極ガスシールドアーク溶接方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図2に、厚鋼板を1電極ワイヤで多層盛
り溶接する場合の積層例を示す。開先幅の狭い1〜4層
は1層1パス、5層目以降の溶接は開先幅(前層のビー
ド幅)が広いので1層2パスの振り分け溶接される。こ
の方法で多層溶接する場合、溶接作業性は良好で溶接欠
陥等は生じ難いが、溶接能率が非常に悪くなる。
【0003】多層盛り溶接の溶接能率を向上させる方法
として、特開平1−5679号公報に、1つのトーチに
2本のワイヤを通して溶接する技術が提案されている。
この方法は、開先幅が狭い場合は溶接線方向に2本のワ
イヤを並べ、開先幅が広い場合は開先幅方向にワイヤを
並べて比較的高電流の条件で溶接されるので、溶接時間
が短縮されるという利点があるが、ワイヤ先端のアーク
が磁界によって偏向されるので、アークが不安定となり
スパッタ発生量が多くなったり、溶接ビードが片方の開
先壁に片寄ったり、溶込み不良などの溶接欠陥が生じる
場合がある。
【0004】また、溶接能率を向上させるために太径ワ
イヤを用いて大電流の溶接条件で溶接する方法もある
が、この方法では単位長さ当たりの溶接入熱が高くなる
ので溶接金属の靭性が低下する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、厚鋼
板の多層盛り溶接における溶接作業性を良好にして、溶
接欠陥がなく健全で高靭性が得られる高能率な2電極ガ
スシールドアーク溶接方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、厚鋼板の
2電極多層盛りガスシールドアーク溶接方法について研
究した結果、先行電極ワイヤと後行電極ワイヤの間隔を
規定することでアークが安定し、またワイヤ狙い位置で
溶接欠陥が生じず、溶接金属の靭性の低下をも防止でき
ること、更に、両電極ワイヤを揺動させると溶接欠陥、
溶接能率が改善されること、そして、溶接電流密度並び
にソリッドワイヤまたはメタルコアードワイヤの成分を
特定範囲とすることで溶接欠陥がなく健全で高靭性が得
られることを見い出した。
【0007】本発明は、これらの結果に基づいて2電極
多層盛りガスシールドアーク溶接方法の発明を完成した
もので、その発明の要旨とするところは、 (1) 2電極多層盛りガスシールドアーク溶接方法に
おいて、溶接線方向に100〜600mmの間隔で配置
した先行電極ワイヤと後行電極ワイヤにソリッドワイヤ
またはメタルコアードワイヤを使用して、ルートギャッ
プまたは前層のビード幅が25mm以下の場合は、該先
行電極ワイヤおよび後行電極ワイヤの狙い位置を開先幅
の中央とし、前記ルートギャップまたは前層のビード幅
が25mm超の場合は、先行電極ワイヤを片方の開先壁
方向に、後行電極ワイヤを他方の開先壁方向の狙い位置
として溶接することを特徴とする。
【0008】(2) 先行電極ワイヤおよび後行電極ワ
イヤは開先幅方向に揺動することを特徴とする(1)記
載の2電極多層盛りガスシールドアーク溶接方法。
【0009】(3) 先行電極ワイヤおよび後行電極ワ
イヤの溶接電流密度は200〜300A/mm2である
ことを特徴とする(1)または(2)記載の2電極多層
盛りガスシールドアーク溶接方法。
【0010】(4) 先行電極ワイヤおよび後行電極ワ
イヤに使用するソリッドワイヤまたはメタルコアードワ
イヤの成分は重量%で、 C :0.10%以下 Si:0.5〜1.0% Mn:1.5〜2.5% Mo:0.1〜1.0% Ti:0.1〜0.5% を含有することを特徴とする(1)、(2)および
(3)のいずれか1つに記載の2電極多層盛りガスシー
ルドアーク溶接方法。
【0011】(5) 先行電極ワイヤおよび後行電極ワ
イヤに使用するソリッドワイヤまたはメタルコアードワ
イヤの成分は重量%で、Bを0.003〜0.010%
含有することを特徴とする(4)記載の2電極多層盛り
ガスシールドアーク溶接方法にある。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図に基づい
て説明する。
【0013】図1に本発明に用いる溶接装置の一例を示
す。(a)は正面図で、(b)は側面図である。レール
または倣いガイド11を用いて開先6に沿って走行する
台車5に、トーチ揺動(オシレート)機構を備えたヘッ
ド1、2を搭載して、該ヘッド1、2から延びる左右お
よび上下高さ調整可能なトーチ支持アーム12によって
先行電極ワイヤ3および後行電極ワイヤ4(台車は逆方
向へも走行可能であるが、この場合の先行電極ワイヤは
4、後行電極ワイヤは3となる)が挟持されている。
【0014】このような溶接装置を用いて、先行電極ワ
イヤと後行電極ワイヤの間隔を100〜600mmとす
ることにより、両電極ワイヤ先端のアークが磁界によっ
て偏向されることがなく、装置も小型化できる。先行電
極ワイヤと後行電極ワイヤの間隔が100mm未満であ
ると、図3に模式図で示すように後行電極ワイヤ4の溶
接電流10で発生する磁界7は先行電極ワイヤ3の先端
のアーク8に影響し、アーク8を偏向させる。この状態
で溶接するとアークが不安定となり、スパッタ発生量が
多くなったり、ビード形成が片寄ったりしてビード形状
が不良となる。
【0015】同様に、先行電極ワイヤ3の溶接電流で発
生する磁界は後行電極ワイヤ4のア−クに作用しする。
従って、一方の電極の溶接電流が変動すれば、他方のア
−クが偏向し、相互に影響し合うため、安定したア−ク
状態を保つことが困難になる。電極から発生する磁界は
電極間の距離に応じて減少するため、溶接に悪影響を及
ぼさない電極間距離を100mm以上保つことが必要と
なる。
【0016】しかし、両電極ワイヤの間隔が600mm
を超えると、溶接用台車を大型化する必要が生じたり、
溶接長が短い場合レール長も長くしなければならないな
ど装置が大型化するとともに、取り扱いが困難となる。
【0017】ワイヤ狙い位置を、ルートギャップまたは
前層のビード幅が25mm以下の場合は、先行電極ワイ
ヤおよび後行電極ワイヤの狙い位置を開先幅の中央と
し、前記ルートギャップまたは前層のビード幅が25m
m超の場合は、先行電極ワイヤを片方の開先壁方向に、
後行電極ワイヤを他方の開先壁方向の狙い位置として溶
接することによって、厚板の溶接を溶接欠陥を生じるこ
となく高能率にできる。
【0018】ルートギャップまたは前層のビード幅が2
5mm未満で、先行電極ワイヤを片方の開先壁方向に、
後行電極ワイヤを他方の開先壁方向の狙い位置として溶
接すると、開先部を過剰に溶融して開先壁面にカットが
生じたり、溶接金属の靭性が低下する場合がある。
【0019】また、ルートギャップまたは前層のビード
幅が25mm超で先行電極ワイヤおよび後行電極ワイヤ
の狙い位置を開先幅の中央とすると、開先幅に比べてビ
ード幅が狭くなり、開先壁面とビード止端部間が凹状と
なって次層の溶接によって溶かしきれずに溶融不良が生
じる。
【0020】なお、ルートギャップまたは前層のビード
幅が25mm超の場合のワイヤの狙い位置は、先行電極
ワイヤをルートギャップまたは前層のビード幅1/4程
度開先壁方向にずらし、後行電極ワイヤは他端の開先壁
方向にルートギャップまたは前層のビード幅1/4程度
ずらした位置とする。
【0021】先行電極ワイヤおよび後行電極ワイヤを開
先幅方向に揺動することによって、溶接ビード幅が広く
なって開先壁面とのなじみが良好となり溶接欠陥が生じ
ず、さらに極厚鋼板の溶接においても1層1パスの多層
盛り溶接が可能で溶接能率が向上する。
【0022】両溶接電極ワイヤを揺動しないと、ビード
幅が広がらず、開先壁面とのなじみが不良となって融合
不良などの溶接欠陥が生じたり、厚鋼板の場合1層1パ
スの多層盛り溶接ができなくなって、溶接電極ワイヤの
狙い位置決定が煩雑となって溶接能率が悪くなる。
【0023】なお、先行電極の揺動幅は、ルートギャッ
プまたは前層のビード幅が25mm以下の場合は、ルー
トギャップまたは前層のビード幅と先行電極ワイヤによ
って形成されるビード幅(前層のビード幅、開先角度、
ワイヤ溶融量、溶接速度等によって予めビード幅を算
出)との中間程度を揺動させることが好ましい。また、
後行電極ワイヤの揺動幅は、先行電極ワイヤによって形
成されるビード幅と後行電極ワイヤによって形成される
ビード幅との中間程度を揺動させることが好ましい。ル
ートギャップまたは前層のビード幅が25mmを超えた
場合は、前層のビード幅と溶接によって形成されるビー
ド幅の和の1/4の幅程度揺動させることが好ましい。
【0024】また、揺動回数は、溶接速度を考慮して揺
動ピッチが2〜3mm/回程度が好ましい。
【0025】先行電極ワイヤおよび後行電極ワイヤの溶
接電流密度は200〜300A/mm2とする。溶接電
流密度が200A/mm2未満であると、溶接能率が悪
くなるとともに、電極ワイヤを揺動しながら溶接するの
でアークが不安定となり溶接ビード形状が不良となる。
また、溶接電流密度が300A/mm2を超えると、ス
パッタ発生量が多くなるとともに、鋼母材の希釈量が多
くなって溶接金属の靭性が低下する場合がある。
【0026】次に、本発明におけるソリッドワイヤおよ
びメタルコアードワイヤ成分の限定理由を述べる。
【0027】Cは割れ感受性を高める成分であるので、
0.10%以下とする。
【0028】Siは、0.50〜1.0%とする。Si
は主に脱酸剤として添加するが、ビード形状を改善する
作用がある。Siが0.5%未満であると、ビード形状
が不良となり、溶接金属が脱酸不足となって靭性も不良
となる。1.0%を超えると、溶接金属の靭性が不良と
なる。
【0029】Mnは、1.5〜2.5%とする。Mnは
Siと同様に脱酸剤として作用するほか、ビード形状を
良好として耐割れ性を向上する。Mnが1.5%未満で
あると、ビード形状が不良となるとともに割れが生じる
場合がある。2.5%を超えると、溶接金属の硬化が著
しくなり、引張強度が高くなりすぎる。
【0030】Moは、0.1〜1.0%とする。Moは
電流密度が高く比較的溶接入熱量の高い溶接における溶
接金属の軟化抵抗を増加し、引張強度の低下を軽減す
る。しかし、0.1%未満ではこの硬化が得られず、
1.0%を超えるとMoの炭化物が生成して、溶接金属
の硬化が著しく引張強度が高くなるすぎるとともに靭性
が低下する。
【0031】Tiは、0.1〜0.5%とする。Tiは
溶接金属のミクロ組織を微細化して靭性を向上させる。
しかし、0.1%未満であると靭性の改善効果が期待で
きない。0.5%を超えるとTiの炭化物を生成して、
著しく靭性を低下させる。
【0032】さらに本発明を低温用鋼へ適用する場合
は、前記成分にBを0.003〜0.010%含有させ
る。Bは微量添加で溶接金属の焼き入れ性を高めミクロ
組織を微細化し、靭性向上に著しい効果がある。しか
し、0.003%未満では前記効果は期待できず、0.
010%を超えると高温割れが生じる場合がある。
【0033】なお、本発明にいうメタルコアードワイヤ
とは、鋼製外皮に金属粉を重量%で80%以上含有する
フラックス入りワイヤをいう。また、それぞれの成分の
金属外皮への充填は、金属または合金粉の状態で添加す
るが、Bについては各種酸化物の状態で充填しても同様
の効果が得られる。この場合の添加量はB換算値とす
る。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
【0035】(実施例1)表1に示すソリッドワイヤお
よびメタルコアードワイヤと表2に示す鋼板を表3に示
す開先底部ギャップ、開先形状、開先角度に組み合わ
せ、図1に示す溶接機を用いて、表3に示す電極間距
離、溶接電流密度、ワイヤ狙い位置および揺動の条件で
溶接長1000mm溶接した。なお、先行電極ワイヤ
(L極)と後行電極ワイヤ(T極)は同一記号のワイヤ
を用いた。また、L極の揺動幅はルートギャップまたは
前層のビード幅が25mm以下の場合は、ルートギャッ
プまたは前層のビード幅とL極によって形成されるビー
ド幅との中間、T極はL極によって形成されるビード幅
とT極によって形成されるビード幅との中間とし、前層
のビード幅が25mmを超えた場合は、前層のビード幅
と溶接によって形成されるビード幅の和の1/4の幅と
した。また、揺動ピッチは2〜3mm/回とし、溶接速
度は1層当たりのビード高さが、表7に示す各ワイヤ径
に応じた値になる溶接速度に調整した。
【0036】溶接中に溶接作業性の観察と、溶接後の試
験体の中央部からJIS Z2201 A1号丸棒引張
試験片およびJIS Z2202 4号の衝撃試験片を
溶接金属中央部から採取して、衝撃試験温度は0℃で実
施した。
【0037】なお、引張強度は490〜570N/mm
2が、衝撃値は47J以上が一般に要求される。それら
の結果を表3にまとめて示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】 表3中試験No.1〜7が本発明例、試験No.8〜2
1が比較例である。本発明例である試験No.1〜7
は、ワイヤ成分、電極間距離、溶接電流密度、ワイヤ狙
い位置が適正で、しかも揺動しているので、溶接作業性
およびビード外観が良好で、引張強度も適正で衝撃値も
極めて良好な結果であった。
【0041】比較例中試験No.8は、電極間距離が短
いのでL極とT極のアークが干渉してアークが不安定と
なり、スパッタ発生量が多くビード形成が片寄った。ま
た、試験No.9は、溶接電流密度が低いので、アーク
が不安定となり、ビード形状が不良であったので、いず
れも引張強度および衝撃試験は中止した。
【0042】試験No.10は、溶接電流密度が高いの
で、スパッタ発生量が多く、また母材溶込みによる希釈
量が多いので衝撃値も低かった。
【0043】試験No.11は、ワイヤ狙い位置が開先
中央なので、また試験No.12は、揺動をしていない
ので開先壁面のなじみが悪くなったので、溶接を中止し
た。
【0044】試験No.13は、ワイヤ記号Y8のCが
高いので高温割れが生じた。
【0045】試験No.14は、ワイヤ記号Y9のSi
が低いのでビード形状が不良で溶接金属が脱酸不足とな
って衝撃値も低かった。
【0046】試験No.15は、ワイヤ記号10のSi
が高いので、試験No.20は、ワイヤ記号15のTi
が低いので、試験No.21は、ワイヤ記号16のTi
が高いのでいずれも溶接金属の衝撃値が低くなった。
【0047】試験No.16は、ワイヤ記号11のMn
が低いのでビード形状が不良であった。
【0048】試験No.17は、ワイヤ記号12のMn
が高いので、また試験No.19は、ワイヤ記号14の
Moが高いので溶接金属が硬化し引張強度が高くなっ
た。
【0049】試験No.18は、ワイヤ記号13のMo
が低いので溶接金属の引張強度が低くなった。
【0050】(実施例2)表4に示すソリッドワイヤお
よびメタルコアードワイヤと表5に示す低温用鋼板を表
6に示す開先底部ギャップ、開先形状、開先角度に組み
立てて組み合わせ、図1に示す溶接機を用いて、表6に
示す電極間距離、溶接電流密度の条件で溶接長1000
mm溶接した。なお、その他の条件は実施例1と同様に
行った。
【0051】衝撃試験は−20℃で行い衝撃値は47J
以上得られたものを良好とした。試験結果を表6に示
す。
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】
【表6】
【0055】
【表7】 表6中試験No.22および23が本発明例、試験N
o.24および25が比較例である。本発明例である試
験No.22および23は、ワイヤ成分中特に低温靭性
向上に有効なBが適量で、電極間距離、溶接電流密度、
ワイヤ狙い位置が適正で、しかも揺動しているので、溶
接作業性およびビード外観が良好で、引張強度も適正で
低温における衝撃値も極めて良好な結果であった。
【0056】比較例中試験No.24は、ワイヤ記号1
9のBが低いので低温における衝撃値が不足した。
【0057】試験No.25は、ワイヤ記号25のBが
高いので高温割れが生じた。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、厚
鋼板の多層盛り溶接における溶接作業性を良好にして、
溶接欠陥がなく健全で高靭性が得られる溶接部を高能率
に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる溶接装置の1例を示す図で、
(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図2】従来の厚鋼板を多層盛り溶接する場合の積層例
を示す図である。
【図3】2電極間で発生する磁界の影響を示す模式図で
ある。
【符号の説明】
1、2 ヘッド 3 先行電極ワイヤ 4 後行電極ワイヤ 5 台車 6 開先 7 磁界 8 アーク 9 スパッタ 10 溶接電流 11 レールまたは倣いガイド 12 トーチ支持アーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22C 38/14 C22C 38/14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2電極多層盛りガスシールドアーク溶接
    方法において、溶接線方向に100〜600mmの間隔
    で配置した先行電極ワイヤと後行電極ワイヤにソリッド
    ワイヤまたはメタルコアードワイヤを使用して、ルート
    ギャップまたは前層のビード幅が25mm以下の場合
    は、該先行電極ワイヤおよび後行電極ワイヤの狙い位置
    を開先幅の中央とし、前記ルートギャップまたは前層の
    ビード幅が25mm超の場合は、先行電極ワイヤを片方
    の開先壁方向に、後行電極ワイヤを他方の開先壁方向の
    狙い位置として溶接することを特徴とする2電極多層盛
    りガスシールドアーク溶接方法。
  2. 【請求項2】 先行電極ワイヤおよび後行電極ワイヤは
    開先幅方向に揺動することを特徴とする請求項1記載の
    2電極多層盛りガスシールドアーク溶接方法。
  3. 【請求項3】 先行電極ワイヤおよび後行電極ワイヤの
    溶接電流密度は200〜300A/mm2であることを
    特徴とする請求項1または請求項2記載の2電極多層盛
    りガスシールドアーク溶接方法。
  4. 【請求項4】 先行電極ワイヤおよび後行電極ワイヤに
    使用するソリッドワイヤまたはメタルコアードワイヤの
    成分は重量%で、 C :0.10%以下 Si:0.5〜1.0% Mn:1.5〜2.5% Mo:0.1〜1.0% Ti:0.1〜0.5% を含有することを特徴とする請求項1、請求項2および
    請求項3のいずれか1つに記載の2電極多層盛りガスシ
    ールドアーク溶接方法。
  5. 【請求項5】 先行電極ワイヤおよび後行電極ワイヤに
    使用するソリッドワイヤまたはメタルコアードワイヤの
    成分は重量%で、Bを0.003〜0.010%含有す
    ることを特徴とする請求項4記載の2電極多層盛りガス
    シールドアーク溶接方法。
JP9312857A 1997-10-30 1997-10-30 2電極多層盛りガスシールドアーク溶接方法 Pending JPH11129072A (ja)

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