JPH11126319A - 磁気ヘッドおよび磁気ヘッド装置 - Google Patents

磁気ヘッドおよび磁気ヘッド装置

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JPH11126319A
JPH11126319A JP29093697A JP29093697A JPH11126319A JP H11126319 A JPH11126319 A JP H11126319A JP 29093697 A JP29093697 A JP 29093697A JP 29093697 A JP29093697 A JP 29093697A JP H11126319 A JPH11126319 A JP H11126319A
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magnetic head
magnetic
lubricant
slider
head device
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JP29093697A
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Hirofumi Kondo
洋文 近藤
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Original Assignee
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
    • H01F10/324Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
    • H01F10/3268Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the exchange coupling being asymmetric, e.g. by use of additional pinning, by using antiferromagnetic or ferromagnetic coupling interface, i.e. so-called spin-valve [SV] structure, e.g. NiFe/Cu/NiFe/FeMn

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  • Nanotechnology (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 長時間のヘッドシークおよび回転停止後に、
磁気ヘッド装置がハードディスクに吸着されるフライス
ティクションの現象を防止する。 【解決手段】 アルコキシシラノ基を有するパーフルオ
ロポリエーテル化合物を含む被膜を、磁気ヘッド6およ
びスライダ7の摺動面に形成する。 【効果】 被膜の形成により、ハードディスク表面の潤
滑剤が磁気ヘッド摺動面に移行する現象が低減する。こ
れにより、フライスティクションは効果的に防止され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気ヘッドおよび磁
気ヘッド装置に関し、さらに詳しくは、磁気記録媒体表
面に塗布された潤滑剤層が磁気ヘッド等の摺動面に移行
する現象を抑制し、信頼性や耐久性を高めた磁気ヘッド
および磁気ヘッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ装置あるいはビデオ装置、
オーディオ装置等に付随する磁気記録装置は、近年ます
ます高密度記録化が要望されるようになっている。この
要望に応えるため、磁気記録媒体や磁気ヘッドの磁気特
性の向上とともに、両者の接触表面の平滑性を向上し、
記録再生時におけるスペーシングロスを極力低減する方
法が採用される。
【0003】磁気記録装置の一例として、HDD (Hard
Disc Drive)装置においては、高密度記録を達成するた
めに、磁気ヘッドおよびスライダを含む磁気ヘッド装置
の浮上量を、ニアコンタクトと呼ばれる数十nmの領域
まで減少させてきている。このため、従来から問題視さ
れてきたCSS (Contact Start and Stop) 時の磁気デ
ィスクおよび磁気ヘッド装置間の摩擦の増大や、スティ
クション (Sticktion)の増加のみならず、フライスティ
クション (Flysticktion) と呼ばれる問題が新たに発生
してきた。フライスティクションとは、長時間のヘッド
シーク動作の後に停止したときに、磁気ディスクと磁気
ヘッド装置間のスティクションが増加する現象のことで
ある。
【0004】フライスティクションの現象は、ヘッドシ
ーク中に磁気ディスク表面の潤滑剤が磁気ヘッド装置に
移行し、回転停止後にその潤滑剤により磁気ヘッド装置
が磁気ディスクに吸着することが原因の一つであること
が明らかにされている(日本トライボロジ学会講演予稿
集、講演番号1E−9、p209、1997年春)。ま
たその報告の中で、磁気ヘッド装置表面を表面処理する
ことで潤滑剤の移行を抑制することが可能であり、フラ
イスティクションを低減できる可能性を示唆している。
具体的には、ラウリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸等の
長鎖脂肪酸あるいは含フッ素系化合物を磁気ヘッド装置
に塗布するものである。ただしこの報告では含フッ素系
化合物の分子構造は特定されていない。
【0005】含フッ素系化合物は、主に薄膜型の磁気記
録媒体のトップコート用潤滑剤としても、現在最もよく
使用されている潤滑剤である。この中でも、パーフルオ
ロポリエーテル系化合物は、他の含フッ素系化合物に比
較して潤滑性能や表面保護性能に優れる。この理由は、
-CF2-O- CF2-のエーテル結合がフレキシブルであ
るために、分子量が同じ他の含フッ素系化合物に比べる
と粘度が小さいことと、幅広い温度領域でその粘度変化
が小さいことが挙げられる。これに加えて、化学的に不
活性であること、蒸気圧が小さいこと、熱的あるいは化
学的安定性が高いこと、表面エネルギが小さいこと、境
界潤滑特性がよいこと、そして撥水性に優れること等が
列挙される。
【0006】パーフルオロポリエーテル系化合物の特性
は、その分子構造に強く依存する。何種類かのパーフル
オロポリエーテル系化合物が市販されており、それらは
分子量、主鎖の繰り返し単位、末端基がそれぞれ異な
る。例えば、Fomblin−Y(商品名)タイプは−
CF(CF3 )CF2 O−と−CF2 O−とのランダム
共重合体であり、主鎖の繰り返し単位が分岐構造を持っ
ている。一方Fomblin−Z(商品名)タイプは−
CF2 CF2 O−と−CF2 O−とのランダム共重合体
であり、分岐のない直鎖構造を持つ。Demnumおよ
びKrytox(いずれも商品名)タイプは、それぞれ
ヘキサフルオロプロピレンオキシドおよびヘキサフルオ
ロイソプロピレンオキシドのホモポリマである。
【0007】これらのパーフルオロポリエーテル化合物
は、化学的に不活性なために、磁気記録媒体表面への吸
着力に欠ける。そこでこの吸着力を改善するために、両
末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテル化合物で
あるFomblin Z−DOL(商品名)やFomb
lin−AM2001(商品名)が開発された。前者は
水酸基を、後者はピペロニル (Pyperonyl) 基を両末端
に有する。このうち、Fomblin−AM2001は
特に金属表面やカーボン表面に対して強い固定化作用が
あり、磁気ヘッド装置と磁気記録媒体間の摩擦係数が減
少し、磁気記録装置の耐久性が向上する。
【0008】これらパーフルオロポリエーテル系化合物
以外にも含フッ素系化合物は種々存在し、テフロン(商
品名)系材料、ポリフッ化ビニリデン、パーフルオロア
ルキル基を有する化合物あるいは部分フッ素化炭化水素
系化合物等多くの化合物が存在する。このため、含フッ
素系化合物といってもその性質を特定することはでき
ず、またその極性成分によっても特性に大きな差が生じ
ることが予想される。すなわち、磁気ヘッドあるいはス
ライダと含フッ素系化合物との親和性の差により、形成
される被膜の安定性が異なってくる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、磁気記録
装置の中枢をなす磁気ヘッドおよび磁気記録媒体の接触
面の信頼性や耐久性に関しては、記録密度の向上ととも
にますます厳しいものが要求されている。この要求に応
えるための様々な工夫もなされてきたが、必ずしも要求
特性を満足していないのが現状である。またこの要求水
準そのものが、今後さらに高度のものとなることが予想
される。特にHDD装置においては、その記録容量が将
来10Gbit/cm2 を超えるものと予想されてお
り、磁気ディスク等の表面平滑性が高まるに従ってフラ
イスティクションを含めたスティクションの問題は大き
い。
【0010】本発明はかかる現状に鑑み提案するもので
あり、磁気ディスク等の磁気記録媒体表面からの磁気ヘ
ッドあるいはスライダの表面への潤滑剤の移行を防止
し、これにより、いかなる使用条件下においても安定な
潤滑性を保ち得る磁気ヘッドおよび磁気ヘッド装置を提
供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気ヘッドおよ
び磁気ヘッド装置は、上述の課題を解決するために提案
するものであり、次の一般式(1)で示される、アルコ
キシシラノ基を有するパーフルオロポリエーテル化合物
を含む被膜を、磁気ヘッド、あるいは磁気ヘッドおよび
スライダの少なくとも摺動面に形成したことを特徴とす
る。 Rf COR1-R2-Si(OR3 3 (1) (但し、Rf はパーフルオロポリエーテルを、R1
O,NHおよびSのいずれか一種を、R2 はアルキレン
基、アリーレン(arylene) 基およびアリーレン基を含む
アルキレン基のうちのいずれか一種を、R3 はアルキル
基をそれぞれ表し、R2 およびR3 は炭素数の制限はな
い。)
【0012】一般式(1)中のパーフルオロポリエーテ
ルRf の繰り返し構造としては特に限定はなく、単官能
のパーフルオロポリエーテルとしては、例えば式(2)
に示される直鎖状のパーフルオロプロピルオキシ基をも
つもの、分岐構造を持つものとしては式(3)に示され
るパーフルオロプロピルオキシ基とパーフルオロオキシ
メチレン基の共重合体、式(4)に示されるパーフルオ
ロイソプロピルオキシ基を持つもの等が例示される。 F(CF2 CF2 CF2 O)n (2) CF3 〔OCF(CF3 )CF2 m (OCF2 l (3) F〔CF(CF3 )CF2 O〕k (4) また多官能のパーフルオロポリエーテルとしては、例え
ば式(5)に示されるパーフルオロオキシエチレン基と
パーフルオロオキシメチレン基との共重合体等が例示さ
れる。 (OC2 4 p (OCF2 q (5) これらパーフルオロポリエーテル化合物の構造式中の
l,m,n,k,pおよびqは、1以上の自然数を示
し、m/l,p/qの値は0.5〜2.0程度の範囲が
好ましい。またその分子量は特に限定されないが、60
0〜5000程度が望ましい。分子量が小さすぎると蒸
気圧が大きくなり熱的安定性に欠ける。また分子量が大
きすぎると極性基の効果が小さくなり、磁気ヘッドやス
ライダ表面への吸着性能が低下する。
【0013】本発明が適用される磁気ヘッドとしては、
電磁誘導型としては軟磁性フェライトあるいは軟磁性金
属ブロックをコア材料とするものやMIG (Meta
l In Gap)等のブロックコア磁気ヘッド、およ
び薄膜磁気ヘッドが例示される。MR(Magneto
Resistive) 型やGMR(Giant Magneto R
esistive) 型等の磁気抵抗効果型ヘッドや、光磁気記録
媒体用の光磁気ヘッドや、相変化型記録媒体用の光学ヘ
ッドにも好適に適用され、ヘッド材料は特に限定されな
い。またその摺動面に、DLC(Diamond Like Carbon)
のような硬質被膜が形成されていてもよい。
【0014】HDD装置のように、磁気ヘッドをスライ
ダに搭載した磁気ヘッド装置においては、スライダ摺動
面にも一般式(1)で表される潤滑剤を塗布することが
極めて有効である。スライダ材料としては特に限定され
ず、フェライトやAl2 3−TiC複合材、各種セラ
ミクス材料や硬質炭素材料等が用いられる。スライダの
摺動面にもDLC等の硬質被膜が形成されていてもよ
い。
【0015】これら磁気ヘッドやスライダの少なくとも
摺動面に、一般式(1)で示されるアルコキシシラノ基
を有するパーフルオロポリエーテル化合物を含む被膜を
形成する方法としては特に限定はされないが、摺動面に
トップコーティグする方法が望ましい。塗布法としては
ディップコーテイング、刷毛等のアプリケータによる方
法、スプレー法、LB (Lagmuir Brodget)法等、いずれ
の方法でもよい。一般式(1)で示される化合物は、有
機溶媒等に溶解した希釈液として塗布してもよい。塗布
厚としては0.1〜50nmの範囲が選ばれ、0.5〜
10nmの範囲がさらに望ましい。
【0016】一般式(1)で示されるアルコキシシラノ
基を有するパーフルオロポリエーテル化合物は、単独の
化合物で被膜を形成してもよいし、複数の化合物を混合
して被膜を形成してもよい。また従来既知の潤滑剤と混
合して被膜を形成することも可能である。
【0017】本発明の磁気ヘッドあるいは磁気ヘッド装
置が適用される磁気記録媒体としては、塗布型および薄
膜型いずれのものであってもよい。また磁気記録媒体に
限らず光磁気記録媒体や光記録媒体であってもよい。ま
た媒体構造としては、金属やガラスあるいはポリカーボ
ネート等の剛体からなる非磁性支持体上に磁性薄膜を形
成した、ハードディスクや光磁気記録ディスク等の他
に、PET (Polyethylenetelephthalate)フィルム等の
柔軟な非磁性支持体上に磁性薄膜を形成した磁気テープ
やフロッピディスク等のいずれでもよい。これら磁気記
録媒体の磁性薄膜表面にはDLC等の硬質保護膜やパー
フルオロポリエーテル系化合物をはじめとするトップコ
ート層すなわち潤滑剤層が設けられていてもよい。潤滑
剤層が設けられている場合には、潤滑剤が磁気ヘッドや
スライダへ移行する現象が防止される。塗布型磁気記録
媒体のように潤滑剤が磁気記録層に内添されている場合
にも、表面に浸出した潤滑剤が磁気ヘッドやスライダへ
移行する現象が防止される。
【0018】次に作用の説明に移る。ハードディスクを
はじめとする磁気記録媒体には、通常パーフルオロポリ
エーテル系化合物をはじめとする潤滑剤が塗布あるいは
内添されており、この潤滑剤は接触により磁気ヘッドや
スライダの摺動面に移行する。潤滑剤の移行を防止する
には、磁気ヘッドやスライダの摺動面にも同種の潤滑剤
の被膜が形成されていることが有効である。またその被
膜は化学的にも物理的にも安定していることが望まし
い。すなわち、摺動による熱や経時変化で変質しないこ
と、また摺動による剪断応力で払拭あるいは剥離しない
ことが要求される。このためには、磁気ヘッドあるいは
スライダの摺動面に強固に付着あるいは吸着し、磁気記
録媒体との連続摺動に対して耐久性を確保することが望
まれる。
【0019】本発明はこの観点にたち、分子末端に極性
基としてアルコキシシラノ基を導入したパーフルオロポ
リエーテル化合物を採用し、これを含む被膜を磁気ヘッ
ドあるいはスライダの摺動面に形成した。アルコキシシ
ラノ基は磁気ヘッドあるいはスライダの摺動面に向けて
配向し、強固に固定される。他端のパーフルオロポリエ
ーテル基は外界に向けて配向し、磁気ヘッドあるいはス
ライダからの潤滑剤の移行を防止する。このため、フラ
イスティクションを含めたスティクションが防止される
とともに、パーフルオロポリエーテル基本来の不活性な
性質および優れた潤滑性能により、磁気記録媒体との摩
擦係数を低減する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気ヘッドおよび
磁気ヘッド装置につき、図面を参照して説明する。
【0021】まず、本発明の磁気ヘッド装置が搭載され
る磁気記録装置の一例として、HDD装置の概略斜視図
を図1に示す。図示のHDD装置1には、弾性を有する
支持アーム3の一端に磁気ヘッド装置2が配設されてい
る。支持アーム3の他端にはアクチュエータ4が装着さ
れ、支持アーム3は回動軸を中心として自在に回動し得
るように構成されている。情報を記録再生するハードデ
ィスク5は、不図示のスピンドルモータにより回転し、
磁気ヘッド装置2との間で情報信号の電磁変換をおこな
う。HDD装置1は、一部破断面で示したケースにより
気密に構成されている。
【0022】磁気ヘッド装置2の概略側面図を図2に示
す。図示の例はウインチェスタタイプのスライダ7の端
面に磁気ヘッド6が固着されたものである。図2の下面
が摺動面であり、この摺動面にはアルコキシシラノ基を
有するパーフルオロポリエーテル化合物を含む被膜(薄
いので図示せず)が形成されている。なお図中の破線は
摺動面の長手方向に形成された溝を示す。
【0023】本発明が適用される磁気ヘッド6は、電磁
誘導型であっても磁気抵抗効果型であってもよい。電磁
誘導型の場合は記録再生を兼用してもよいし、記録と再
生個別のヘッドを搭載してもよい。磁気抵抗効果型の場
合は、別に電磁誘導型の記録ヘッドを搭載する。
【0024】スライダ7の材料は先述したようにフェラ
イト材料、Al2 3 −TiC複合材、CaTiO3
ZrO2 等の各種セラミクス材、NiZn等の合金ある
いは硬質カーボン等が用いられる。
【0025】ハードディスク5と磁気ヘッド装置2との
動作状態を図3の概略断面図に示す。ハードディスク5
は、一例としてAl合金やガラス等の剛性を有する非磁
性支持体8上に、Ni−P被膜9およびCr被膜10等
からなる硬質下地膜、Co合金等からなる磁気記録層1
1、DLCやアモルファスカーボン、Cr2 3 ,Si
2 あるいはZrO2 等からなる硬質保護膜12、そし
てパーフルオロポリエーテル化合物等からなる潤滑剤層
13が順次形成されたものである。これらのうち、磁気
記録層11は従来公知のCo−Ni合金等の面内磁気記
録材料や、Co−Cr等の垂直磁気記録材料はいずれも
使用可能であり、その材料や層構成は特に限定されな
い。また図示のハードディスク5の各層あるいは各膜の
厚さ、およびそれらの比率は説明のためのものであり、
実際とは異なる。ハードディスク5は、不図示のスピン
ドルモータにより矢印の方向に回転している。
【0026】本発明が適用される磁気ヘッド6およびス
ライダ7からなる磁気ヘッド装置2は、回動しかつ弾性
を有する支持アーム3に、ジンバルサポート等の揺動機
構を介して装着されている。
【0027】HDD装置の停止時あるいはシーク時にお
いては、磁気ヘッド装置2の摺動面とハードディスク5
とは接触するが、実動作時においては、微小間隔、すな
わちニアコンタクトの状態で磁気ヘッド装置2はハード
ディスク5表面から流体力学的に浮上する。本発明の磁
気ヘッド装置2においては、その摺動面にアルコキシシ
ラノ基を有するパーフルオロポリエーテル化合物を含む
被膜(薄いので図示せず)が形成されているので、両者
間の摩擦やスティクションの低減が図れるのみならず、
長時間の接触後に浮上開始する際のフライスティクショ
ンをも併せて防止することが可能である。
【0028】
【実施例】以下本発明の磁気ヘッドおよび磁気ヘッド装
置につき、比較例を交えてさらに詳細に説明するが、当
然のことながら本発明はこれら実施例に何ら限定される
ものではない。以下の実施例はHDD装置に本発明を適
用した例である。
【0029】実施例1 一般式(1) Rf COR1-R2-Si(OR3 3 (1) の化合物として、Rf =F(CF2 CF2 CF2 O)l
CF2 CF2 CH2 、R1 =O、R2 =C3 6 そして
3 =CH3 の化合物(潤滑剤1)を有機溶媒に溶解し
た塗布液を磁気ヘッドおよびスライダの摺動面に3nm
の膜厚に塗布し、実施例1の磁気ヘッド装置を作成し
た。
【0030】実施例2〜実施例10 潤滑剤1に換えて、〔表1〕に示す置換基を有する一般
式(1)で表される化合物(潤滑剤2〜潤滑剤10)を
有機溶媒に溶解した塗布液を磁気ヘッドおよびスライダ
の摺動面に3nmの膜厚に塗布し、実施例1に準じて実
施例2〜実施例10の磁気ヘッド装置を作成した。〔表
1〕には潤滑剤1をも併せて示す。潤滑剤1〜潤滑剤1
0の分子量は、いずれも2000〜3000程度であ
る。
【0031】
【表1】
【0032】比較例1〜比較例8 一般式(1)で表される、アルコキシシラノ基を有する
パーフルオロポリエーテル化合物に換えて、〔表2〕に
示す分子構造を有する一般的、あるいは市販の潤滑剤1
1〜潤滑剤18を有機溶媒に溶解した塗布液を磁気ヘッ
ドおよびスライダの摺動面に3nmの膜厚に塗布し、実
施例1に準じて比較例1〜比較例8の磁気ヘッド装置を
作成した。
【0033】
【表2】
【0034】フライスティクションの測定 磁気ディスクとして、Co合金系の磁気記録層上に、両
末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテル化合物で
あるFomblin Z−DOL(商品名)を3nmの
厚さに塗布したものを用いた。この磁気ディスク上を、
浮上量50nmに設定した磁気ヘッド装置で72時間シ
ークした後さらに12時間放置し、この後スティクショ
ンを測定した。測定結果として、摩擦係数が1以上とな
ったものを×、1〜0.5のものを△、そして0.5以
下のものを○で表した。
【0035】磁気ヘッド装置摺動面の潤滑剤増加率 同様に、磁気ディスクとしてCo合金系の磁気記録層上
に、両末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテル化
合物であるFomblin Z−DOL(商品名)を3
nmの厚さに塗布したものを用いた。この磁気ディスク
上を、浮上量50nmに設定した磁気ヘッド装置で72
時間シークした後さらに12時間放置し、この後磁気ヘ
ッド装置摺動面の潤滑剤増加率を測定した。測定は、シ
ーク前後の潤滑剤層の膜厚をエリプソメトリを用いて計
測し、膜厚の増加率を%表示した。
【0036】磁気ディスク表面の潤滑剤減少率 同様に、磁気ディスクとしてCo合金系の磁気記録層上
に、両末端に極性基を持つパーフルオロポリエーテル化
合物であるFomblin Z−DOL(商品名)を3
nmの厚さに塗布したものを用いた。この磁気ディスク
上を、浮上量50nmに設定した磁気ヘッド装置で72
時間シークした後さらに12時間放置し、この後磁気デ
ィスク表面の潤滑剤減少率を測定した。測定は、シーク
前後の潤滑剤層の膜厚をエリプソメトリを用いて計測
し、膜厚の減少率を%表示した。
【0037】以上の測定結果を〔表3〕および〔表4〕
にまとめて示す。これらのうち、〔表3〕は実施例1〜
実施例10の磁気ヘッド装置を、〔表4〕は比較例1〜
比較例8の磁気ヘッド装置の測定結果を示す。
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】〔表3〕および〔表4〕の測定結果を比較
すると、フライスティクションはアルコキシシラノ基を
有するパーフルオロポリエーテル化合物を含む被膜を形
成した本発明の磁気ヘッド装置は、いずれも摩擦係数が
0.5以下で良好であることが判る。これに対し、一般
的な潤滑剤を用いた比較例の磁気ヘッド装置では、いず
れも摩擦係数が0.5を超え、1.0を超えるものも多
い。これら比較例の磁気ヘッド装置は、いずれもCSS
モードのスタート時に不安定な動作となる虞れが多分に
ある。
【0041】また磁気ヘッド装置摺動面の潤滑剤の増加
率を見ると、実施例の磁気ヘッド装置はいずれも17%
以下であるのに対し、比較例の磁気ヘッド装置はいずれ
も35%以上であり、55%に達するものもある。これ
らの結果は、磁気ディスク表面から磁気ヘッド装置摺動
面への潤滑剤の移行を裏付けている。さらに磁気ディス
ク表面の潤滑剤の減少率を見ると、この潤滑剤の移行は
さらに明らかになる。すなわち、実施例の磁気ヘッド装
置を用いた場合の磁気ディスク表面の潤滑剤の減少率は
いずれも21%以下であるのに対し、比較例の磁気ヘッ
ド装置を用いた磁気ディスク表面の潤滑剤の減少率はい
ずれも30%以上に達している。
【0042】これらの結果から明らかなように、含フッ
素系化合物による潤滑剤であっても、その化学構造式に
より、潤滑剤の移行やフライスティクション特性に大き
な差が現れることが判る。例えば、同じパーフルオロポ
リエーテル化合物である潤滑剤14や潤滑剤15(比較
例4、5)であっても、末端の極性基の違いにより効果
に大きな差が現れ、アルコキシシラノ基を有するパーフ
ルオロポリエーテル化合物が優れることが明らかであ
る。しかしながら、アルコキシシラノ基を有する含フッ
素系化合物であっても、パーフルオロアルキル基を疏水
基とする潤滑剤17(比較例7)は満足な特性を示さな
い。長鎖アルキル基を疏水基とするとともに、アルコキ
シシラノ基を極性基として有する潤滑剤18(比較例
8)についても同様である。単なる高級脂肪酸である潤
滑剤12(比較例2)もまた不満足な特性である。
【0043】以上、本発明の磁気ヘッドおよび磁気ヘッ
ド装置につき実施例および比較例により詳細な説明を加
えたが、これらは単なる例示であり、本発明はこれら実
施例に何ら限定されるものではない。例えば、実施例は
HDD装置の磁気ヘッド装置にアルコキシシラノ基を有
するパーフルオロポリエーテル化合物を含む被膜を適用
した例を示したが、HDD装置以外にもフロッピディス
ク用の磁気ヘッドやヘリカルスキャン型の磁気ヘッド等
に適用して、磁気ディスクあるいは磁気テープとの走行
性を向上することが可能である。また光ディスクや光磁
気ディスクのヘッドに用いても、ディスクにコンタクト
した場合の走行性を改善することができる。
【0044】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の磁気ヘッドおよび磁気ヘッド装置によれば、磁気ディ
スク等の磁気記録媒体表面からの潤滑剤の移行を防止
し、スティクションやフライスティクションの低減を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気ヘッド装置が搭載される磁気記録
装置の一例の、HDD装置の概略斜視図である。
【図2】本発明が適用される磁気ヘッド装置の概略側面
図である。
【図3】ハードディスクと磁気ヘッド装置との動作状態
示す概略断面図である。
【符号の説明】
1…HDD装置、2…磁気ヘッド装置、3…支持アー
ム、4…アクチュエータ、5…ハードディスク、6…磁
気ヘッド、7…スライダ、8…非磁性支持体、9…Ni
−P被膜、10…Cr被膜、11…磁気記録層、12…
硬質保護膜、13…潤滑剤層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示される、アルコキ
    シシラノ基を有するパーフルオロポリエーテル化合物を
    含む被膜を、磁気ヘッドの少なくとも摺動面に形成した
    ことを特徴とする磁気ヘッド。 Rf COR1-R2-Si(OR3 3 (1) (但し、Rf はパーフルオロポリエーテルを、R1
    O,NHおよびSのいずれか一種を、R2 はアルキレン
    基、アリーレン基およびアリーレン基を含むアルキレン
    基のうちのいずれか一種を、R3 はアルキル基をそれぞ
    れ表し、R2 およびR3 は炭素数の制限はない。)
  2. 【請求項2】 下記一般式(1)で示される、アルコキ
    シシラノ基を有するパーフルオロポリエーテル化合物を
    含む被膜を、磁気ヘッドおよびスライダの少なくとも摺
    動面に形成したことを特徴とする磁気ヘッド装置。 Rf COR1-R2-Si(OR3 3 (1) (但し、Rf はパーフルオロポリエーテルを、R1
    O,NHおよびSのいずれか一種を、R2 はアルキレン
    基、アリーレン基およびアリーレン基を含むアルキレン
    基のうちのいずれか一種を、R3 はアルキル基をそれぞ
    れ表し、R2 およびR3 は炭素数の制限はない。)
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