JPH1112500A - 変性ポリアミドイミド樹脂ペースト及びこれを用いた電子部品 - Google Patents

変性ポリアミドイミド樹脂ペースト及びこれを用いた電子部品

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JPH1112500A
JPH1112500A JP9165760A JP16576097A JPH1112500A JP H1112500 A JPH1112500 A JP H1112500A JP 9165760 A JP9165760 A JP 9165760A JP 16576097 A JP16576097 A JP 16576097A JP H1112500 A JPH1112500 A JP H1112500A
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polyamideimide resin
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淘一 坂田
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広幸 川上
Hiroshi Nishizawa
▲広▼ 西澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、連続印刷性、版寿命付与性、低温硬
化性等を有し、さらに、低反り性、可とう性、密着性、
経済性に優れた変性ポリアミドイミド樹脂ペースト及び
これを用いた電子部品を提供する。 【解決手段】 カーボネート結合を有する変性ポリアミ
ドイミド樹脂に有機及び/又は無機の微粒子を分散させ
てなるチキソトロピー性を有する変性ポリアミドイミド
樹脂ペースト及びこれを用いた層間絶縁層、表面保護
層、ソルダーレジスト層又は接着層を有する電子部品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスクリーン印刷に適
したチキソトロピー性を有する変性ポリアミドイミド樹
脂ペースト及びこれを用いた電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、樹脂溶液は、それ自身ではチキソ
トロピー性をほとんど示さない。チキソトロピーは等温
状態においても変形のために見掛け粘度が一時的に低下
する現象として定義され、例えば印刷時の高せん断速度
下では粘度が一時的に低下して流動し、基材に転移後は
だれたり流れたりしないことが要求されるスクリーン印
刷用ペーストには必要不可欠な流動特性である。樹脂溶
液にチキソトロピー性を付与するための一つの方法は樹
脂溶液にフィラーとして有機又は無機の微粒子を分散さ
せてペースト化することである。このようなペーストと
しては種々のものが知られている。
【0003】耐熱性をそれほど必要としない用途に使用
される樹脂溶液としては、例えばロジン変性フェノール
樹脂、ロジン変性マレイン樹脂、メラミン樹脂、エポキ
シ樹脂等の樹脂溶液があり、高度の耐熱性が要求される
用途にはポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸樹
脂、溶媒可溶性のポリイミド樹脂等の樹脂溶液などが知
られている。
【0004】また、適度な耐熱性に加えて、耐薬品性、
耐摩耗性、経済性が要求される用途にはポリアミドイミ
ド樹脂の溶液が用いられている。
【0005】ポリアミドイミド樹脂の溶液に有機及び/
又は無機の微粒子を分散させたペーストとしては、主
に、含窒素系の溶媒を用いたポリアミドイミド樹脂ペー
ストが特開昭64−40570号公報に記載されてい
る。しかし、このペーストは、含窒素系溶媒の高い吸湿
性のため印刷中にペーストが固化し易いこと、また、そ
の優れた溶解性のゆえにスクリーンマスクを形成してい
る乳剤が膨潤又は溶解し易く、版の寿命が短くなるこ
と、樹脂との親和性が高いため高温硬化が必要などの欠
点がある。特開昭63−309523号公報、特開昭6
4−36649号公報、特開平2−26919号公報に
は、低温吸湿性で、樹脂との親和性が低い非含窒素系溶
媒を用いたポリアミドイミド樹脂に有機及び/又は無機
の微粒子を分散させてなる、上記問題が改善されるポリ
アミドイミド樹脂ペーストが記載されている。これらの
公報に記載されたポリアミドイミド樹脂ペーストは、印
刷中にペーストが固化することなく連続印刷が可能であ
り、また、版の寿命にも優れ、低温硬化性を有するが、
その塗膜形成過程において、加熱時の溶剤の揮発あるい
は硬化反応とその後の冷却により塗膜が収縮して内部応
力が発生し、基板に反りが発生したり、相手材によって
は塗膜が基材から剥離し易いなどの問題を抱えている。
また、低吸湿性で、樹脂との親和性が低い非含窒素系溶
媒にポリアミドイミド樹脂を可溶化するために、ポリア
ミドイミド樹脂の出発原料(ジアミン)としてかなり特
殊で高価な材料を使用しなければならないため、経済性
に劣る問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐熱
性、連続印刷性、版寿命付与性、低温硬化性等を有し、
さらに、低反り性、可とう性、密着性、経済性に優れた
変性ポリアミドイミド樹脂ペースト及びこれを用いた電
子部品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、カ
ーボネート結合を有する変性ポリアミドイミド樹脂に有
機及び/又は無機の微粒子を分散させてなるチキソトロ
ピー性を有する変性ポリアミドイミド樹脂ペーストを提
供するものである。
【0008】本発明はまた、上記の変性ポリアミドイミ
ド樹脂ペーストより得られる層間絶縁層、表面保護層、
ソルダーレジスト層又は接着層を有する電子部品を提供
するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるカーボネート
結合を有する変性ポリアミドイミド樹脂は、その製造方
法に特に制限はなく、通常行われている方法、例えば酸
無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体及び必要に
応じてジカルボン酸とポリイソシアネート又はポリアミ
ンを極性溶媒中で反応させる方法、ジイミドジカルボン
酸及び必要に応じてテトラカルボン酸二無水物とポリイ
ソシアネート又はポリアミンを極性溶媒中で反応させる
方法、テトラカルボン酸二無水物及び必要に応じてジカ
ルボン酸とポリイソシアネート又はポリアミンを極性溶
媒中で反応させる方法などにより製造される変性ポリア
ミドイミド樹脂が用いられる。カーボネート結合は、上
記出発原料の酸成分、イソシアネート成分又はアミン成
分のいずれかの成分にカーボネート結合が含まれている
ものを用いることによって、変性ポリアミドイミド樹脂
中に導入される。
【0010】本発明で用いられるカーボネート結合を有
する変性ポリアミドイミド樹脂としては、ポリイソシア
ネート、酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体
及び下記一般式(I)で表されるジカルボン酸化合物を
極性溶媒中で反応させてなるカーボネート結合を有する
変性ポリアミドイミド樹脂が好ましく用いられる。
【0011】
【化2】 (式中、Rは炭素数1〜12のアルキレン基、Xは炭素
数2〜12のアルキレン基又はフェニレン基、mは1〜
50、nは1〜20の数である。) 変性ポリアミドイミド樹脂の製造に用いられるポリイソ
シアネートとしては、例えば、m−フェニレンジイソシ
アネート、p−フェニレンジイソシアネート、トリレン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,
4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3′
−ジイソシアネートジフェニル、ナフタレン−1,5−
ジイソシアネート、ナフタレン−2,6−ジイソシアネ
ート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、
4,4′−[2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)
プロパン]ジイソシアネート、2,2′−ジメチル(又
はジエチル)ビフェニル−4,4′−ジイソシアネー
ト、3,3′−ジメチル(又はジエチル)ビフェニル−
4,4′−ジイソシアネート等の芳香族イソシアネー
ト、エチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレ
ンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシ
アネート、1,12−ドデカンジイソシアネート等の脂
肪族ジイソシアネート、シクロブテン−1,3−ジイソ
シアネート、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネー
ト、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソ
フォロンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネー
ト、トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシ
アネート、ポリフェニルメチルポリイソシアネート、ア
ニリンとホルムアルデヒドとの縮合物をホスゲン化した
もの等のポリイソシアネート、これらのポリイソシアネ
ートの三量化反応によって得られるイソシアヌレート環
含有ポリイソシアネートなどが挙げられる。
【0012】耐熱性等を考慮すると、好適にはトリレン
ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネートなどの芳香族ジイソシアネート及びこれらの
芳香族ジイソシアネートの三量化反応によって得られる
イソシアヌレート環含有ポリイソシアネートなどの芳香
族ポリイソシアネートを用いることが好ましい。
【0013】また、特開昭55−75417号公報には
好適に用いられるイソシアヌレート環含有ポリイソシア
ネートの製造法が記載されている。
【0014】これらのポリイソシアネートは目的に応じ
単独で又は混合して用いられる。また、経日変化を避け
るために適当なブロック剤でイソシアネート基を安定化
したポリイソシアネートを使用してもよい。
【0015】酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘
導体としては、例えば、下記一般式(II)及び(II
I)で示される化合物が好ましく用いられる。酸無水物
基を有する3価のカルボン酸の誘導体であれば特に制限
はないが、耐熱性、コスト面等を考慮すれば、トリメリ
ット酸無水物が特に好ましい。
【0016】
【化3】 (ただし、両式中Rは水素、炭素数1〜10のアルキル
基又はフェニル基を示し、Yは−CH2−、−CO−、
−SO2−又は−O−を示す) また、必要に応じて、この一部をピロメリット酸二無水
物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテト
ラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテト
ラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテ
トラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレン
テトラカルボン酸二無水物、4,4′−スルホニルジフ
タル酸二無水物、m−ターフェニル−3,3′,4,
4′−テトラカルボン酸二無水物、4,4−オキシジフ
タル酸二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロ−2,2−ビス(2,3−、又は3,4−ジカルボ
キシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,
3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無
水物、2,2−ビス[4−(2,3−又は3,4−ジカ
ルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビ
ス[4−(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノキ
シ)フェニル]プロパン二無水物、1,3−ビス(3,
4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラ
メチルジシロキサン二無水物、ブタンテトラカルボン酸
二無水物、ビシクロ−[2,2,2]−オクト−7−エ
ン−2:3:5:6−テトラカルボン酸二無水物等のテ
トラカルボン酸二無水物、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、デカ
ン二酸、ドデカン二酸、ブタジエン二酸、ダイマー酸等
の脂肪族ジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、
フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、オキシジ安息香酸
等の芳香族ジカルボン酸などに置き換えてもよい。これ
らの使用量は、酸無水物基を有する3価のカルボン酸の
誘導体及び一般式(I)で表されるジカルボン酸化合物
の総量に対して50モル%未満とすることが好ましい。
【0017】一般式(I)で表されるジカルボン酸化合
物は、下記一般式(IV)で表されるポリカーボネート
ジオールと下記一般式(V)で表されるジカルボン酸と
を無溶媒あるいは有機溶媒中で反応させて得られる。
【0018】
【化4】 (式中、Rは炭素数1〜12のアルキレン基、mは1〜
50の数である。) HOOC−X−COOH (V) (式中、Xは炭素数2〜12のアルキレン基又はフェニ
レン基である。) 一般式(IV)で表されるポリカーボネートジオールと
しては、特に制限はなく、例えば、PLACCEL C
D シリーズ、PLACCEL CD−PLシリーズ、
PLACCEL CD−H シリーズ(以上、ダイセル
化学工業(株)製商品名)、PNOC シリーズ
((株)クラレ製商品名)などが挙げられる。
【0019】これらのポリカーボネートジオールは、単
独で、又は2種類以上組み合わせて用いられる。なお、
ポリカーボネートジオールの分子量(水酸基価からの算
出値)は、200〜5000とすることが好ましく、5
00〜4000とすることがより好ましく、500〜3
000とすることが特に好ましい。分子量が200未満
では、低弾性、低反り性が得られなくなる傾向があり、
分子量が5000を超えると耐熱性が低下する傾向があ
る。
【0020】一般式(V)で表されるジカルボン酸とし
ては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ア
ゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、デカン二酸、ド
デカン二酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸、オキシジ安息香酸等の芳香族ジカルボン酸が挙
げられ、これらは単独で、又は2種類以上組み合わせて
用いられる。
【0021】上記の一般式(IV)で表されるポリカー
ボネートジオールと一般式(V)で表されるジカルボン
酸の使用量は、ポリカーボネートジオールとジカルボン
酸とを当量比(ジカルボン酸のカルボキシル基/ポリカ
ーボネートジオールの水酸基)が1を超える条件で反応
(脱水エステル化)させるのが好ましい。この当量比
(ジカルボン酸のカルボキシル基/ポリカーボネートジ
オールの水酸基)は、1.1〜3.0とすることが好ま
しく、1.3〜2.5とすることがより好ましく、1.
0〜2.0とすることが特に好ましい。この当量比(ジ
カルボン酸のカルボキシル基/ポリカーボネートジオー
ルの水酸基)が1.1未満では、片末端にしかカルボキ
シル基を持たないもの(他方の片末端に水酸基を有する
もの)が生成し易く、当量比が3を超えると、合成中、
一度生成したポリカーボネートジオール変性ジカルボン
酸が未反応物として残存するジカルボン酸により加水分
解を起こし易くなり、耐熱性が低下する傾向がある。
【0022】反応は、80〜250℃の温度範囲で無溶
媒あるいは有機溶剤の存在下で行うことができる。反応
時間は、バッチの規模、採用される反応条件により適宜
選択される。
【0023】有機溶媒としては、例えば、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等
のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロ
ラクトン等のエステル系溶媒、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ト
リエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系
溶媒、ブチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブ
アセテート、メチルセロソルブアセテート等のセロソル
ブ系溶媒、トルエン、キシレン、p−シメン等の芳香族
炭化水素系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホキシドなどを使用することができ
る。コスト面等を考慮すれば無溶媒が最も好ましい。
【0024】酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘
導体と一般式(I)で表されるジカルボン酸化合物との
モル比は0.01/0.99〜0.99/0.01とな
るように選定することが好ましい。一般式(I)で表さ
れるジカルボン酸化合物のモル比が0.01未満である
と極性溶媒に対する変性ポリアミドイミド樹脂の溶解
性、低反り性、可とうが低下する傾向がある。また、一
般式(I)で表されるジカルボン酸化合物のモル比が
0.99を超えると変性ポリアミドイミド樹脂の耐熱性
が損なわれる傾向がある。
【0025】上記の酸無水物基を有する3価のカルボン
酸の誘導体及び一般式(I)で表されるジカルボン酸化
合物とポリイソシアネートの使用量は、カルボキシル基
及び酸無水物基に対するイソシアネート基の比が1.5
〜0.7になるように選定することが好ましく、高分子
量の樹脂を得るためには、カルボキシル基及び酸無水物
基に対するイソシアネート基の比を1.0付近にするこ
とがより好ましい。
【0026】反応は、好ましくは80〜250℃の温度
範囲で極性溶媒の存在下、遊離発生してくる炭酸ガスを
反応系より除去しながら加熱縮合して行われる。反応時
間は、バッチの規模、採用される反応条件により適宜選
択される。
【0027】極性溶媒としては、例えばN−メチルピロ
リドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3
−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1
H)−ピリミジノン、ビニルピロリドン、ピリジン等の
含窒素系溶媒、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクト
ン等のラクトン類、シクロヘキサノン、4−メチルシク
ロヘキサノン等の脂環式ケトン類、ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチル
エーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル
等のエーテル類、フェノール、クレゾール、キシレノー
ル等のフェノール類、m−クロルフェノール、p−クロ
ルフェノール等の塩素化芳香族系溶媒類、ジメチルスル
ホキシド、スルホランなどが好ましく用いられる。
【0028】これらの中で、低吸湿性、高揮発性であ
り、連続印刷性、版寿命付与性、低温硬化性を付与でき
る点で非含窒素系極性溶媒が好ましく、変性ポリアミド
イミド樹脂の溶解性、作業性、環境安全性、低温硬化
性、保存安定性、経済性の点でγ−ブチロラクトンが特
に好ましく用いられる。
【0029】必要に応じて希釈溶媒として、例えば、n
−ヘキサン、オクタン、ドデカン、ISOPAR−E、
ISOPAR−H、ISOPAR−K(以上、エッソ・
スタンダードオイル石油社製商品名、沸点範囲が40〜
300℃程度の石油系飽和脂肪族又は脂環族炭化水素)
等の脂肪族又は脂環族炭化水素類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、NISSEKI HISOL−100、
NISSEKI HISOL−150(以上、日本石油
化学社製商品名、沸点範囲が80〜300℃程度の石油
系芳香族炭化水素)等の芳香族炭化水素類、アセトン、
メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル等のエス
テル類、メタノール、エタノール、ブタノール、オクチ
ルアルコール等のアルコール類などが好ましく用いられ
る。
【0030】これらの極性溶媒及び希釈溶媒は単独で又
は二種類以上を組み合わせて用いられる。
【0031】変性ポリアミドイミド樹脂は保存安定性付
与のため合成終了後に樹脂末端のイソシアネート基をア
ルコール類、ラクタム類、オキシム類等のブロック剤で
ブロックすることもできる。
【0032】変性ポリアミドイミド樹脂は上記した極性
溶媒で好ましくは5〜40重量%に希釈して変性ポリイ
ミド樹脂溶液とされる。
【0033】このようにして得られた変性ポリアミドイ
ミド樹脂の数平均分子量(GPC法で測定し、標準ポリ
スチレンによる検量線を用いて算出)は1,000〜1
00,000とすることが好ましく、5,000〜8
0,000とすることがより好ましく、7,000〜5
0,000とすることが特に好ましい。数平均分子量が
1,000未満では、フィルム性、機械的特性、粘度安
定性が劣る傾向があり、100,000を超えると作業
性が劣る傾向がある。
【0034】本発明で用いられる変性ポリアミドイミド
樹脂には、その硬化性を向上させるためにエポキシ樹
脂、ポリブロックイソシアネート化合物などの橋架け剤
を添加することができる。
【0035】エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製
エピコート815、825、827、828、83
4、1001、1004、1007、1009等)、フ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキ
シ(株)製 エピコート152、154、日本化薬
(株)製 EPPN−201、ダウケミカル社製 DE
N−438等)、o−クレゾールノボラック型エポキシ
樹脂(日本化薬(株)製 EOCN−102S、103
S、104S等)、多官能エポキシ樹脂(油化シェルエ
ポキシ(株)製Epon 1031S、チバガイギー社
製アラルダイト0163、ナガセ化成(株)製デナコー
ルEX−611、EX−614,EX−614B,EX
−622,EX−512,EX−521、EX−42
1,EX−411,EX−321等)、アミン型エポキ
シ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製 エピコート60
4、東都化成(株)製 YH−434、三菱ガス化学
(株)製 TETRAD−X、TETRAD−C、日本
化薬(株)製 GAN、住友化学(株)製 ELM−1
20等)、複素環含有エポキシ樹脂(チバガイギー社製
アラルダイトPT810等)、脂環式エポキシ樹脂
(UCC社製 ERL4234、4299、4221、
4206等)などが挙げられる。これらは単独で又は2
種以上を組み合わせて使用することができる。
【0036】エポキシ樹脂の添加方法としては、添加す
るエポキシ樹脂を予め変性ポリアミドイミド樹脂ワニス
に含まれる溶媒と同一の溶媒に溶解してから添加しても
よく、また、直接変性ポリアミドイミド樹脂ワニスに添
加してもよい。
【0037】エポキシ樹脂の添加量は、変性ポリアミド
イミド樹脂100重量部に対して、1〜10重量部とす
ることが好ましい。この添加量が1重量部未満では硬化
性の向上が不十分となる傾向があり、10重量部を超え
ると粘度安定性が劣る傾向がある。
【0038】ポリブロックイソシアネート化合物として
は、特に制限はなく、例えば、住友バイエルウレタン
(株)製 デスモジュール BL3175、APステー
ブル、AP−12ステーブル、CTステーブル、BL1
100、BL1190、BL1265、AP−2170
ステーブル、BL4165、TPLS−2759、デス
モカップ 11、12、クレラン UT、UI、U1
2、TPKL5−2668、TPLS−2727、デス
モサーム 2170、2265、日立化成工業(株)製
WD 2502等が挙げられる。これらは単独で又は
2種類以上を組み合わせて使用される。
【0039】ポリブロックイソシアネート化合物の添加
方法としては、添加するポリブロックイソシアネート化
合物を予め変性ポリアミドイミド樹脂ワニスに含まれる
溶媒と同一の溶媒に溶解してから添加してもよく、ま
た、直接変性ポリアミドイミド樹脂ワニスに添加しても
よい。
【0040】本発明に用いられる変性ポリアミドイミド
樹脂には、その密着性を向上させるために、必要に応じ
て、有機アルミニウム化合物、有機シラン化合物、有機
チタン化合物、有機ジルコニア化合物等を添加すること
もできる。
【0041】本発明に用いられる有機の微粒子としては
上記した変性ポリアミドイミド樹脂溶液中に分散してペ
ーストを形成し、そのペーストにチキソトロピー性を付
与できるものであればよく特に制限はない。このような
有機の微粒子としては、アミド結合、イミド結合、エス
テル結合又はエーテル結合を有する耐熱性樹脂の微粒子
が好ましい。該耐熱性樹脂としては、耐熱性と機械特性
の観点から好ましくはポリイミド樹脂若しくはその前駆
体、ポリアミドイミド樹脂若しくはその前駆体、又はポ
リアミド樹脂の微粒子が用いられる。
【0042】これらの有機の微粒子は、微粒子の状態で
ペースト中の有機溶剤に加熱乾燥前には不溶性のものが
選択して使用される。
【0043】微粒子化の方法としては、例えば、非水分
散重合法(特公昭60−48531号公報、特開昭59
−230018号公報)、沈澱重合法(特開昭59−1
08030号公報、特開昭60−221425号公
報)、樹脂溶液から回収した粉末を機械粉砕する方法、
樹脂溶液を貧触媒に加えながら高せん断下に微粒子化す
る方法、樹脂溶液の噴霧溶液を乾燥して微粒子を得る方
法、溶剤又は樹脂溶液中で溶剤に対して溶解性の温度依
存性を持つ樹脂を析出微粒子化する方法などがある。
【0044】有機の微粒子の熱分解温度は、好ましくは
250℃以上であり、特に好ましくは350℃以上の耐
熱性樹脂微粒子が用いられる。また、有機の微粒子は極
性溶媒に不溶性か膨潤性の直鎖型又は三次元架橋型樹脂
の球形又は無定形のものが好ましく用いられる。
【0045】また、変性ポリアミドイミド樹脂ペースト
を加熱乾燥後に変性ポリアミドイミド樹脂及び有機の微
粒子を必須成分として含む均一相が形成されるようにす
るために変性ポリアミドイミド樹脂と有機の微粒子は相
溶性を有するものを使用することが好ましい。具体的に
は、変性ポリアミドイミド樹脂と有機の微粒子との溶解
性パラメータの差が好ましくは2.0以下、より好まし
くは1.5以下である組合せのものが用いられる。ここ
で、溶解性パラメータは、Polym.Eng.Sc
i.,Vol.14の147〜154頁に記載されてい
るFedorsの方法に準じて計算される値[単位:
(MJ/m31/2]である。
【0046】本発明に用いられる無機の微粒子として
は、上記した変性ポリアミドイミド樹脂溶液中に分散し
てペーストを形成し、そのペーストにチキソトロピー性
を付与できるものであればよく特に制限はない。このよ
うな無機の微粒子としては、例えば、シリカ(Si
2)、アルミナ(Αl23)、チタニア(TiO2)、
酸化タンタル(Ta25)、ジルコニア(ZrO2)、
窒化珪素(Si34)、チタン酸バリウム(BaO・T
iO2)、炭酸バリウム(BaCO3)、チタン酸鉛(P
bO・TiO2)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、
チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)、酸化ガリ
ウム(Ga23)、スピネル(MgO・Αl23)、ム
ライト(3Αl23・2SiO2)、コーディエライト
(2MgO・2Αl23・5SiO2)、タルク(3M
gO・4SiO2・H2O)、チタン酸アルミニウム(T
iO2−Αl23)、イットリア含有ジルコニア(Y2
3−ZrO2)、珪酸バリウム(BaO・8SiO2)等
が挙げられる。
【0047】本発明に用いられる有機及び/又は無機の
微粒子としては、平均粒子径10μm以下、最大粒子径
20μm以下の粒子特性をもつものが好ましく用いられ
る。平均粒子径が10μmを超えるとチキソトロピー係
数が1.5以上のペーストが得られにくくなり、最大粒
子径が20μmを超えると塗膜の外観、密着性が不充分
となる傾向がある。
【0048】本発明における有機及び/又は無機の微粒
子の使用量は、変性ポリアミドイミド樹脂ペーストに対
して1〜80重量%の範囲が好ましく用いられる。1重
量%未満であるとチキソトロピー係数が1.5以上のペ
ーストが得られにくくなり、80重量%を超えるとペー
ストの流動性が損われる。特に2〜40重量%とするこ
とが好ましい。
【0049】本発明の変性ポリアミドイミド樹脂ペース
トを半導体のオーバーコート材に用いる場合は、ペース
ト中のα線源物質の含有量が多いほど、α線によるメモ
リー素子などの誤動作が起こり易いので、有機及び/又
は無機の微粒子としては、α線源物質であるウラン、ト
リウムの含有量が少ないものが好ましく用いられる。ウ
ラン、トリウムの含有量としては、ペースト中で5pp
b以下、望ましくは1ppb以下、さらに望ましくは
0.1ppb以下に抑えることが好ましい。
【0050】本発明における変性ポリアミドイミド樹脂
ペーストはチキソトロピー係数を1.5以上とすること
が好ましい。1.5未満であれば印刷したペーストが基
材に転移後、だれたり流れたりせずに実用上十分なパタ
ーン精度を示すような印刷性が付与されないことがあ
る。ここで、ペーストのチキソトロピー係数(TI値)
はE型粘度計(東京計器社製、EHD−U型)を用い
て、試料量0.4g、測定温度25℃で測定した回転数
1rpmと10rpmのペーストのみかけ粘度、η 1
η10の比η1/η10として表される。
【0051】変性ポリアミドイミド樹脂の溶液に有機及
び/又は無機の微粒子を分散させる方法としては通常、
塗料分野で行われているロール練り、ミキサー混合など
が適用され、十分な分散が行われる方法であれば特に制
限はない。三本ロールによる複数回の混練が最も好まし
い。
【0052】本発明における変性ポリアミドイミド樹脂
ペーストは、粘度が100〜10,000ポアズ、チキ
ソトロピー係数(TI値)が1.5〜10の範囲のもの
が好ましく、粘度が300〜7,000ポアズ、TI値
が2.0〜8.0の範囲のものが特に好ましく用いられ
る。
【0053】本発明における変性ポリアミドイミド樹脂
ペーストを塗布、加熱乾燥することにより、これを用い
た層間絶縁層、表面保護層、ソルダーレジスト層、接着
層を有する配線板、半導体素子などの電子部品を製造す
ることができる。
【0054】
【実施例】以下、本発明の実施例及びその比較例によっ
て本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例
及び比較例において、特性試験を以下の方法で行った。 (1)ガラス転移温度(Tg):変性ポリアミドイミド
樹脂ペーストをバーコーター法でガラス板上に塗布し、
90℃−10分プリべーク後、所定温度で加熱し、膜厚
30〜40μmのフィルムを作製した。このフィルムを
定尺(2mm幅×15mm長)に切断し、熱物理試験機
(理学電気製 TMΑ装置)で昇温速度10℃/分、荷
重5gの引張り法によりガラス転移温度を測定した。 (2)弾性率:(1)で作製したフィルムを引張試験機
(オリエンテック社製7100型)を用いて、テストス
ピード:5mm/分、測定温度23℃で引張弾性率を測
定した。 (3)反り性:35μm厚の銅箔をポリイミド基材に積
層したフレキシブルプリント基板(ニッカン工業(株)
製 商品名F30VC125RC11)の銅面上に変性
ポリアミドイミド樹脂ペーストを塗布し、乾燥膜厚20
μm、印刷面37×37mmの印刷パターンを形成させ
た。これを160℃−60分の乾燥を行った後、50×
50mm角に切断した試料の最大反り高さを反り量とし
て測定した。 (4)密着性:35μm厚の銅箔をポリイミド基材に積
層したフレキシブルプリント基板(ニッカン工業(株)
社製、商品名:F30VC125RC11)の銅面上に
変性ポリアミドイミド樹脂ペーストを塗布し、乾燥膜厚
20μmの被膜を形成した。これをPCT試験(121
℃、2atm、100時間)して碁盤目の残存率で評価
した。 (5)連続印刷性:変性ポリアミドイミド樹脂ペースト
を下記の条件の下0.5時間、印刷を繰返したときのペ
ーストの粘度、外観変化の状態を目視で評価した。 ○:印刷中に粘度及び外観変化がほとんどなく連続印刷
性に優れる。 △:印刷中に吸湿によりペーストの粘度が増粘する。 ×:印刷中に吸湿によりペーストが白化又は固化する。
【0055】合成例1 ジカルボン酸化合物の合成 撹拌機、油水分離器付冷却管、窒素導入管及び温度計を
備えた2リットルの四つ口フラスコにPLACCEL
CD−205(ダイセル化学(株)製商品名、1,6−
ヘキサンジオール系ポリカーボネートジオール、m=
7、n=1)687.4g(1.04モル)、イソフタ
ル酸464.8g(2.80モル)及びキシレン57.
61gを仕込み、途中副生してくる縮合水を留去しなが
ら200℃まで昇温した。200℃で約4時間反応さ
せ、酸価142KOHmg/gのジカルボン酸化合物を
得た。
【0056】比較例1 (1)ポリアミドイミド樹脂の合成 撹拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた2リッ
トルの四つ口フラスコにN−メチル−2−ピロリドン9
79g、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート
252.8g(1.01モル)及び無水トリメリット酸
192g(1.0モル)を仕込み、140℃まで昇温し
た。約4時間反応させ、数平均分子量21000(GP
C:ポリスチレン換算値)のポリアミドイミド樹脂ワニ
スを得た。このワニスの不揮発分は30重量%であっ
た。
【0057】(2)ポリアミドイミド樹脂ペーストの調
製 上記(1)のポリアミドイミド樹脂ワニス1190g
に、アエロジル380(日本アエロジル社製商品名、平
均粒子径0.2μm以下、シリカ微粒子)63gを加
え、まず、乳鉢で粗混練し、ついで高速3本ロールを用
いて3回通して本混練し、均一にシリカ微粒子が分散し
たポリアミドイミド樹脂ペーストを得た。このペースト
を12時間静置後、E型粘度計(東京計器社製EHD−
U型)で、25℃の粘度を測定した。このときの粘度、
TI値は、それぞれ、1000ポアズ、3.2であっ
た。
【0058】比較例2 (1)ポリアミドイミド樹脂の合成 比較例1(1)と同様のフラスコにγ−ブチロラクトン
896g、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト152.7g(0.6モル)、トリレンジイソシアネ
ート69.6g(0.4モル)及び無水トリメリット酸
192g(1.0モル)を仕込み、175℃まで昇温し
た。約6時間反応させ、数平均分子量22,000(G
PC:ポリスチレン換算値)のポリアミドイミド樹脂ワ
ニスを得た。このワニスの不揮発分は30重量%であっ
た。
【0059】(2)ポリアミドイミド樹脂ペーストの調
製 上記(1)のポリアミドイミド樹脂ワニス1088g
に、シリカ微粒子(アエロジル380)57.6を加え
た以外は比較例1(2)と同様にしてポリアミドイミド
樹脂ペーストを得た。このペーストの粘度、TI値は、
それぞれ、1200ポアズ、3.5であった。
【0060】実施例1 (1)変性ポリアミドイミド樹脂の合成 比較例1(1)と同様の装備を有する3リットルのフラ
スコに合成例1で得られたジカルボン酸化合物393.
5g(0.5モル)、無水トリメリット酸96g(0.
5モル)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト152.7g(0.61モル)、トリレンジイソシア
ネート69.6g(0.4モル)及びγ−ブチロラクト
ン1712gを仕込み190℃まで昇温した。約6時間
反応させ、数平均分子量23,000の変性ポリアミド
イミド樹脂ワニスを得た。このワニスの不揮発分は30
重量%であった。
【0061】(2)変性ポリアミドイミド樹脂ペースト
の調製 上記(1)で得られた変性ポリアミドイミド樹脂ワニス
に1826gにアエロジル380(日本アエロジル社製
商品名:平均粒子径0.2μm、シリカ粒子)96.7
gを加えた以外は比較例1(2)と同様にして変性ポリ
アミドイミド樹脂ペーストを得た。このペーストの粘
度、TI値は、それぞれ1800ポアズ、3.8であっ
た。
【0062】実施例2 (1)変性ポリアミドイミド樹脂の合成 比較例1(1)と同様の装備を有する3リットルのフラ
スコに合成例1で得られたジカルボン酸化合物236.
1g(0.3モル)、無水トリメリット酸134.4g
(0.7モル)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシ
アネート152.7g(0.61モル)、トリレンジイ
ソシアネート69.6g(0.4モル)及びγ−ブチロ
ラクトン1177.8gを仕込み、190℃まで昇温し
た。約6時間反応させ、数平均分子量23,500の変
性ポリアミドイミド樹脂ワニスを得た。このワニスの不
揮発分は30重量%であった。
【0063】(2)変性ポリアミドイミド樹脂ペースト
の調製 上記(1)で得られた変性ポリアミドイミド樹脂ワニス
に1477gにアエロジル380(日本アエロジル社製
商品名:平均粒子径0.2μm、シリカ粒子)78.2
gを加えた以外は比較例1(2)と同様にして変性ポリ
アミドイミド樹脂ペーストを得た。このペーストの粘
度、TI値は、それぞれ2000ポアズ、3.5であっ
た。
【0064】実施例3 (1)変性ポリアミドイミド樹脂の合成 比較例1(1)と同様の装備を有する3リットルのフラ
スコに合成例1で得られたジカルボン酸化合物78.7
g(0.1モル)、無水トリメリット酸172.8g
(0.9モル)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシ
アネート152.7g(0.61モル)、トリレンジイ
ソシアネート69.6g(0.4モル)及びγ−ブチロ
ラクトン900.2gを仕込み、190℃まで昇温し
た。約6時間反応させ、数平均分子量23,000の変
性ポリアミドイミド樹脂ワニスを得た。このワニスの不
揮発分は30重量%であった。
【0065】(2)変性ポリアミドイミド樹脂ペースト
の調製 上記(1)で得られた変性ポリアミドイミド樹脂ワニス
1129gにエアロジル380 59.8gを加えた以
外は比較例1(2)と同様にして変性ポリアミドイミド
樹脂ペーストを得た。このペーストの粘度、TI値は、
それぞれ2500ポアズ、3.8であった。
【0066】実施例4 (1)非水分散重合法を用いた樹脂微粒子の調製 (イ)分散安定剤の合成 温度計、かきまぜ機、球管冷却器をつけた四つ口フラス
コにISOPAR−H(エッソスタンダード石油(株)
商品名)185.7g、ラウリルメタクリレート10
6.8g及びメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル6.
1gを入れ、100℃に昇温した。窒素ガスを通しなが
ら、あらかじめ調製したラウリルメタクリレート10
6.9g、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル24.
5g、過酸化ベンゾイルペースト(過酸化ベンゾイルの
含量50重量%)2.4gの混合物を撹拌しながら2時
間かけて滴下した。引き続き100℃で1時間保温後1
40℃に昇温し同温度で4時間反応させた。この分散安
定剤溶液は170℃で2時間乾燥した時の不揮発分が5
5重量%であり、分散安定剤の数平均分子量は67,0
00であった。
【0067】(ロ)ポリアミドイミド樹脂微粒子の調製 温度計、かきまぜ機、球管冷却器をつけた500ml四
つ口フラスコに窒素ガスを通しながら、4,4′−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート35.1g、MR−10
0(日本ポリウレタン工業(株)製、芳香族ポリイソシ
アネート)16.3g、上記(イ)で得た分散安定剤溶
液(不揮発分40重量%)19g、ISOPAR−H
150g、N−メチルピロリドン9.0gを入れ、38
0rpmで撹拌しながら100℃に昇温した。次いで、
あらかじめ微粉末化したトリメリット酸無水物38.5
gを添加し、100℃で1時間、115℃で1時間、1
25℃で1時間、更に140℃で1時間反応させ、最後
に170℃に昇温して2時間反応を進めた。連続相のI
SOPAR−H中に分散した褐色のポリアミドイミド樹
脂の微粒子を得たので、これを濾過によって回収し、更
に水及びメタノールで煮沸後濾別したものを減圧下、6
0℃で5時間乾燥させた。このポリアミドイミド樹脂微
粒子の形状は球形、非多孔性であった。赤外吸収スペク
トルには1780cm-1にイミド結合、1650cm-1
と1540cm-1にアミド結合の吸収が認められた。こ
のポリアミドイミド樹脂微粒子の平均粒子径(コールタ
ーエレクトロニクス社製、TA−II型により測定)は
約3μm、最大粒子径は40μm以下であった。 (2)変性ポリアミドイミド樹脂ペーストの調製 実施例1の(1)で得られた変性ポリアミドイミド樹脂
ワニス1826gに上記の(2)で得られたポリアミド
イミド樹脂微粒子96.7gを加えたこと以外、比較例
1の(2)と同様の方法で変性ポリアミドイミド樹脂ペ
ーストを得た。このペーストの粘度、TI値はそれぞれ
2000ポアズ及び3.5であった。
【0068】上記の比較例及び実施例で得られたポリア
ミドイミド樹脂ペースト及び変性ポリアミドイミド樹脂
ペーストの性能を調べ、結果を表1に示した。
【0069】表1から明らかなように、本発明の変性ポ
リアミドイミド樹脂ペーストは、耐熱性、低反り性及び
低温硬化性が良好である。また、これを用いて上記の特
長をもつ電子部品が得られる。
【0070】
【表1】
【0071】
【発明の効果】本発明により密着性、低弾性、可とう
性、耐熱性及びスクリーン印刷によるパターン形成性に
優れる変性ポリアミドイミド樹脂ペーストが得られる。
【0072】また、本発明により上記効果を奏し、かつ
経済性に優れる変性ポリアミドイミド樹脂ペーストが得
られる。
【0073】また、本発明により上記効果を奏し、かつ
連続印刷性、及び版寿命付与性に優れる変性ポリアミド
イミド樹脂ペーストが得られる。
【0074】また、本発明により上記効果を奏し、かつ
作業性、低温硬化性、及び保存安定性に優れる変性ポリ
アミドイミド樹脂ペーストが得られる。
【0075】本発明の変性ポリアミドイミド樹脂ペース
トを用いた層間剥離層、表面保護層、ソルダーレジスト
層、接着層を有する配線板、半導体素子などの電子部品
は層間剥離層、表面保護層、ソルダーレジスト層、接着
層が密着性、低弾性、可とう性、低反り性及び解像度に
優れ、その工業的価値は極めて大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05K 3/28 H05K 3/28 C 3/46 3/46 T // C08G 18/34 C08G 18/34 Z 73/10 73/10 C08L 79/08 C08L 79/08 C

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーボネート結合を有する変性ポリアミ
    ドイミド樹脂に有機及び/又は無機の微粒子を分散させ
    てなるチキソトロピー性を有する変性ポリアミドイミド
    樹脂ペースト。
  2. 【請求項2】 カーボネート結合を有する変性ポリアミ
    ドイミド樹脂が、ポリイソシアネート、酸無水物基を有
    する3価のカルボン酸の誘導体及び下記一般式(I)で
    表されるジカルボン酸化合物を極性溶媒中で反応させて
    なるカーボネート結合を有する変性ポリアミドイミド樹
    脂である請求項1記載の変性ポリアミドイミド樹脂ペー
    スト。 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜12のアルキレン基、Xは炭素
    数2〜12のアルキレン基又はフェニレン基、mは1〜
    50、nは1〜20の数である。)
  3. 【請求項3】 ポリイソシアネートが芳香族ポリイソシ
    アネートである請求項2記載の変性ポリアミドイミド樹
    脂ペースト。
  4. 【請求項4】 極性溶媒が非含窒素系極性溶媒である請
    求項2記載の変性ポリアミドイミド樹脂ペースト。
  5. 【請求項5】 非含窒素系極性溶媒がγ−ブチロラクト
    ンである請求項4記載の変性ポリアミドイミド樹脂ペー
    スト。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5いずれかに記載の変性ポリ
    アミドイミド樹脂ペーストより得られる層間絶縁層、表
    面保護層、ソルダーレジスト層又は接着層を有する電子
    部品。
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