JPH11124829A - 消波機能を有する海水交換型防波堤 - Google Patents
消波機能を有する海水交換型防波堤Info
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- JPH11124829A JPH11124829A JP29197997A JP29197997A JPH11124829A JP H11124829 A JPH11124829 A JP H11124829A JP 29197997 A JP29197997 A JP 29197997A JP 29197997 A JP29197997 A JP 29197997A JP H11124829 A JPH11124829 A JP H11124829A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、港内の静穏度を確保すると共に、
海水交換が十分に行われる消波機能を備えた海水交換型
の防波堤を実現する。 【解決手段】 この発明は、前壁に設けられて海水面の
上下に亘って開口した開口部と、後壁に設けられ海水面
下に開口する開口部とを介して、港外と港内の海水に連
通する遊水室を堤体の内部に形成し、上部工を海面上に
突出させた海水交換型防波堤において、遊水室にその下
部を前後に分割して平均水面より上部に開口部を設けた
壁体を立設した消波機能を有する海水交換型防波堤を構
成した。
海水交換が十分に行われる消波機能を備えた海水交換型
の防波堤を実現する。 【解決手段】 この発明は、前壁に設けられて海水面の
上下に亘って開口した開口部と、後壁に設けられ海水面
下に開口する開口部とを介して、港外と港内の海水に連
通する遊水室を堤体の内部に形成し、上部工を海面上に
突出させた海水交換型防波堤において、遊水室にその下
部を前後に分割して平均水面より上部に開口部を設けた
壁体を立設した消波機能を有する海水交換型防波堤を構
成した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、港湾、漁港等に構
築される防波堤に係り、さらに詳しくは防波堤で囲まれ
た港内の静穏度を確保しながら、港外の海水を港内側に
導入できる透過型の消波機能を有する海水交換型防波堤
に関するものである。
築される防波堤に係り、さらに詳しくは防波堤で囲まれ
た港内の静穏度を確保しながら、港外の海水を港内側に
導入できる透過型の消波機能を有する海水交換型防波堤
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の防波堤を図5に、その作
用を図6に示す。図5において、1は港外、2は港内、
3は防波堤、4は海水、5は壁体、6は海水面である。
11と12は防波堤3の前壁と後壁で、11a,12a
は前壁11と後壁12の開口部である。前壁11と後壁
12の間には遊水室13が形成され、この遊水室13が
内部に立設された壁体5により前室13aと後室13b
に仕切られている。後壁12の開口部12aは港内2側
への伝達波を少なくするために、前壁11の開口部11
aに比べて開口率が小さくなっている。また、壁体5の
頂部の水没面は、海水4の平均水面に対応する海水面6
の付近になるような高さに作られている。
用を図6に示す。図5において、1は港外、2は港内、
3は防波堤、4は海水、5は壁体、6は海水面である。
11と12は防波堤3の前壁と後壁で、11a,12a
は前壁11と後壁12の開口部である。前壁11と後壁
12の間には遊水室13が形成され、この遊水室13が
内部に立設された壁体5により前室13aと後室13b
に仕切られている。後壁12の開口部12aは港内2側
への伝達波を少なくするために、前壁11の開口部11
aに比べて開口率が小さくなっている。また、壁体5の
頂部の水没面は、海水4の平均水面に対応する海水面6
の付近になるような高さに作られている。
【0003】上述のような構成の従来の防波堤3の作用
を、図6により説明する。港外1から防波堤3に押寄せ
た波の一部は、図6の(a)のように前壁11の開口部
11aより前室13aに侵入してから、後室13bに流
入して後室13b内の水位を上昇させる。このため、遊
水室13と港内2の海水面6との間に水位差が生じ、港
内2への導水が行われる。
を、図6により説明する。港外1から防波堤3に押寄せ
た波の一部は、図6の(a)のように前壁11の開口部
11aより前室13aに侵入してから、後室13bに流
入して後室13b内の水位を上昇させる。このため、遊
水室13と港内2の海水面6との間に水位差が生じ、港
内2への導水が行われる。
【0004】また、引き波時には図6(b)のように前
室13aの水位が低下して、後室13bでは壁体5に遮
られて水位の低下がなく港内2からの海水4の戻り流は
生じない。したがって、押し波と引き波に伴う交互作用
によって、後壁12の開口部12aでは港内2の方向に
向かう一方向性の海水4の流動となる。この結果、港外
1の清浄な海水4が防波堤3を経て港内2に導入され、
港内2に滞留していた海水4が港口から港外1に流出し
て海水4の交換が行われる。
室13aの水位が低下して、後室13bでは壁体5に遮
られて水位の低下がなく港内2からの海水4の戻り流は
生じない。したがって、押し波と引き波に伴う交互作用
によって、後壁12の開口部12aでは港内2の方向に
向かう一方向性の海水4の流動となる。この結果、港外
1の清浄な海水4が防波堤3を経て港内2に導入され、
港内2に滞留していた海水4が港口から港外1に流出し
て海水4の交換が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図5のような構造の従
来の防波堤3は前述のように、図6(a),(b)に示
されたように押し波時には遊水室13の内部で水位上昇
が起って水頭差により海水4が港内2側に流れ込む。一
方、引き波時には前室13aの水位が下がるが、後室b
内の海水が壁体5に遮られて港内2からの海水4の戻り
流は生じない。結果として、港外1の清浄な海水4が防
波堤3を経て港内2に導入され、港内2に滞留していた
海水4が港口から港外1に流出して海水4の交換が行わ
れる。よって、この構成の防波堤によれば、遊水室に壁
体を設けたことにより効果的な海水交換が行われる。
来の防波堤3は前述のように、図6(a),(b)に示
されたように押し波時には遊水室13の内部で水位上昇
が起って水頭差により海水4が港内2側に流れ込む。一
方、引き波時には前室13aの水位が下がるが、後室b
内の海水が壁体5に遮られて港内2からの海水4の戻り
流は生じない。結果として、港外1の清浄な海水4が防
波堤3を経て港内2に導入され、港内2に滞留していた
海水4が港口から港外1に流出して海水4の交換が行わ
れる。よって、この構成の防波堤によれば、遊水室に壁
体を設けたことにより効果的な海水交換が行われる。
【0006】図5に示されたような防波堤3は上述のよ
うに、遊水室13内に設けられた壁体5により優れた海
水の交換機能が果たされることになる。ところで、一般
に遊水室13を有するケーソンの消波性能は、遊水室1
3の幅に影響されることが知られている。したがって、
図5に示されたような防波堤3は遊水室13に壁体5が
設けられているので、他方において遊水室13の幅が狭
くなってそれだけ消波性能が低下することになる。本発
明は上記のような防波堤を更に改善して、港湾の内外の
海水の交換機能の向上に加えて押し波の消波性能をも促
進させた、言うなれば消波機能と交換機能とを兼ね備え
た防波堤を実現することを目的とするものである。
うに、遊水室13内に設けられた壁体5により優れた海
水の交換機能が果たされることになる。ところで、一般
に遊水室13を有するケーソンの消波性能は、遊水室1
3の幅に影響されることが知られている。したがって、
図5に示されたような防波堤3は遊水室13に壁体5が
設けられているので、他方において遊水室13の幅が狭
くなってそれだけ消波性能が低下することになる。本発
明は上記のような防波堤を更に改善して、港湾の内外の
海水の交換機能の向上に加えて押し波の消波性能をも促
進させた、言うなれば消波機能と交換機能とを兼ね備え
た防波堤を実現することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前壁に設けら
れ海水面の上下に亘って開口した開口部と、後壁に設け
られ海水面下に開口する開口部とを介して、港外と港内
の海水に連通する遊水室を堤体の内部に形成し、上部工
を海面上に突出させた海水交換型防波堤において、遊水
室内に、この遊水室を前後に分割して平均水面より上部
に開口部を形成した壁体を設けた消波機能を有する海水
交換型防波堤を構成したものである。また、壁体の開口
部を海水面の潮位変動に対応して異なる高さに形成した
消波機能を有する海水交換型防波堤を構成したものであ
る。
れ海水面の上下に亘って開口した開口部と、後壁に設け
られ海水面下に開口する開口部とを介して、港外と港内
の海水に連通する遊水室を堤体の内部に形成し、上部工
を海面上に突出させた海水交換型防波堤において、遊水
室内に、この遊水室を前後に分割して平均水面より上部
に開口部を形成した壁体を設けた消波機能を有する海水
交換型防波堤を構成したものである。また、壁体の開口
部を海水面の潮位変動に対応して異なる高さに形成した
消波機能を有する海水交換型防波堤を構成したものであ
る。
【0008】遊水室内に設けられた壁体により、遊水室
が更に前室と後室に分割される。したがって、押し波時
には前室の水位が上昇し、遊水室内の壁体の平均海水面
より上部の開口部より、後壁側へ海水が流れ込み後室の
水位も上昇する。これにより、後室での水位は港内側水
位より上昇し、この水位差により後壁開口部より港内側
へ流れが生じ港外水が港内へ導水される。
が更に前室と後室に分割される。したがって、押し波時
には前室の水位が上昇し、遊水室内の壁体の平均海水面
より上部の開口部より、後壁側へ海水が流れ込み後室の
水位も上昇する。これにより、後室での水位は港内側水
位より上昇し、この水位差により後壁開口部より港内側
へ流れが生じ港外水が港内へ導水される。
【0009】一方、引き波時には前室の水位が港内水位
より低下するが、後室の水位は殆ど低下しない。従っ
て、後壁の開口部での港外側への流れは殆ど生じない。
以上のことから、港内側一方向に港外の海水を港内に導
水が可能となり海水交換が促進される。また、図5の防
波堤では壁体が水面付近までであるのに対し、本発明で
は平均水面上に開口部を設けた構造としており、後室へ
海水が流れ込むときに、縮流効果により波のエネルギー
が消費されて消波性能が向上する。
より低下するが、後室の水位は殆ど低下しない。従っ
て、後壁の開口部での港外側への流れは殆ど生じない。
以上のことから、港内側一方向に港外の海水を港内に導
水が可能となり海水交換が促進される。また、図5の防
波堤では壁体が水面付近までであるのに対し、本発明で
は平均水面上に開口部を設けた構造としており、後室へ
海水が流れ込むときに、縮流効果により波のエネルギー
が消費されて消波性能が向上する。
【0010】
実施形態1 次に、本発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。
図1はこの発明の実施形態1の消波機能を有する海水交
換型防波堤の斜視図である。本実施形態の図面に示され
た構成部分には図5、図6で説明した防波堤と同一の符
号が付されていて一部説明が重複するが、やや詳しく説
明する。
図1はこの発明の実施形態1の消波機能を有する海水交
換型防波堤の斜視図である。本実施形態の図面に示され
た構成部分には図5、図6で説明した防波堤と同一の符
号が付されていて一部説明が重複するが、やや詳しく説
明する。
【0011】図1において、1は港外、2は港内、3は
港外1と港内2を仕切る防波堤、4は海水である。10
は防波堤3の堤体、11は前壁、12は後壁(以下港外
1側を前壁11、港内2側を後壁12という)、13は
前壁11と後壁12との間に形成された遊水室、14は
上部工である。
港外1と港内2を仕切る防波堤、4は海水である。10
は防波堤3の堤体、11は前壁、12は後壁(以下港外
1側を前壁11、港内2側を後壁12という)、13は
前壁11と後壁12との間に形成された遊水室、14は
上部工である。
【0012】11aは前壁11の高さ方向に設けられた
複数のスリット状の開口部、12aは後壁12に設けら
れた同様の開口部である。図示のように、前壁11側の
開口部11aは海水面下から海水面上に亘って長く形成
されているが、後壁12側の開口部12aは海水面下に
設けられており、干潮時でも水没するような低い位置
で、かつ小さい開口率に形成されている。
複数のスリット状の開口部、12aは後壁12に設けら
れた同様の開口部である。図示のように、前壁11側の
開口部11aは海水面下から海水面上に亘って長く形成
されているが、後壁12側の開口部12aは海水面下に
設けられており、干潮時でも水没するような低い位置
で、かつ小さい開口率に形成されている。
【0013】5は遊水室13の内部に設けられた壁体、
5aは壁体5の開口部、6は海水面である。壁体5は前
壁11と後壁12に平行して遊水室13内に鉛直方向に
立設され、開口部5aは平均水面より上部に設けられて
いる。13aは前室、13bは後室である。前室13a
と後室13bは、遊水室13を壁体5で仕切ることによ
って堤体10の内部に形成されている。
5aは壁体5の開口部、6は海水面である。壁体5は前
壁11と後壁12に平行して遊水室13内に鉛直方向に
立設され、開口部5aは平均水面より上部に設けられて
いる。13aは前室、13bは後室である。前室13a
と後室13bは、遊水室13を壁体5で仕切ることによ
って堤体10の内部に形成されている。
【0014】上述のような構成の実施形態1の作用を、
図2を併用して次に説明する。港外1の沖合いから防波
堤3に向かって押寄せた波の一部は、前壁11の開口部
11aから堤体10の内部の遊水室13内に侵入する。
遊水室13内に侵入した押し波は図2の(a)のよう
に、前室13aから後室13bに流入して後室13b内
の水位を上昇させる。このため、遊水室13と港内2の
海水面6との間に水位差が生じ、港内2への導水が行わ
れる。
図2を併用して次に説明する。港外1の沖合いから防波
堤3に向かって押寄せた波の一部は、前壁11の開口部
11aから堤体10の内部の遊水室13内に侵入する。
遊水室13内に侵入した押し波は図2の(a)のよう
に、前室13aから後室13bに流入して後室13b内
の水位を上昇させる。このため、遊水室13と港内2の
海水面6との間に水位差が生じ、港内2への導水が行わ
れる。
【0015】また、引き波時には図2の(b)に示すよ
うに、壁体5の港外1側に設けられた前室13aの水位
は低下する。しかしながら、壁体5を設けたことにより
後室13bでは殆ど水位の低下が起らないので、港内2
からの海水4の戻り流は生じない。したがって、押し波
と引き波に伴う交互作用によって、後壁12の開口部1
2aでは港内2の方向に向かう一方向性の海水の流動と
なる。
うに、壁体5の港外1側に設けられた前室13aの水位
は低下する。しかしながら、壁体5を設けたことにより
後室13bでは殆ど水位の低下が起らないので、港内2
からの海水4の戻り流は生じない。したがって、押し波
と引き波に伴う交互作用によって、後壁12の開口部1
2aでは港内2の方向に向かう一方向性の海水の流動と
なる。
【0016】この場合、壁体5に設けられた開口部5a
の噴流海水によって渦が生成され、生成された渦により
押し波のエネルギーが消費される。したがって、港外1
の清浄な海水4が、港内2に導入されることになる。そ
して、一方では港内2に滞留していた海水が港口から港
外に流出して海水の交換が行われ、同時に壁体5の開口
部5aにより消波機能が効果的に果たされることにな
る。この結果、平均水面より上部に開口部5aを設けた
壁体5により、消波機能を備えて港内2を静穏状態に保
持した海水交換型の防波堤が得られる。
の噴流海水によって渦が生成され、生成された渦により
押し波のエネルギーが消費される。したがって、港外1
の清浄な海水4が、港内2に導入されることになる。そ
して、一方では港内2に滞留していた海水が港口から港
外に流出して海水の交換が行われ、同時に壁体5の開口
部5aにより消波機能が効果的に果たされることにな
る。この結果、平均水面より上部に開口部5aを設けた
壁体5により、消波機能を備えて港内2を静穏状態に保
持した海水交換型の防波堤が得られる。
【0017】上述のような実施形態1の海水交換性能・
消波性能について、発明者により二次元水槽を用いて実
験・研究が実施された。図3(a)と(b)は本発明と
従来装置の構成を示す断面図で、図面上の諸元の数値は
実験設備を現地の実機に換算した値で表示されている。
実験結果で得られた海水交換性能については特に具体的
な数値を表示することを省略したが、本発明が従来装置
とほぼ同等以上の性能を有することが確認された。
消波性能について、発明者により二次元水槽を用いて実
験・研究が実施された。図3(a)と(b)は本発明と
従来装置の構成を示す断面図で、図面上の諸元の数値は
実験設備を現地の実機に換算した値で表示されている。
実験結果で得られた海水交換性能については特に具体的
な数値を表示することを省略したが、本発明が従来装置
とほぼ同等以上の性能を有することが確認された。
【0018】一方、本発明と従来装置の消波性能に対応
する反射率Krの測定データを示せば、以下の通りであ
る。 波の周期T(sec ) 4 5 6 従来装置の反射率Kr 0.60 0.17 0.20 本発明装置の反射率Kr 0.60 0.13 0.14 ただし、波高H:H=1.0(m) 反射率Kr:Hr(反射波高)/Hi(入射波高) 上記データの対比から明かのように、本発明によれば従
来装置に比較して消波性能が著しく向上していることが
明らかである。
する反射率Krの測定データを示せば、以下の通りであ
る。 波の周期T(sec ) 4 5 6 従来装置の反射率Kr 0.60 0.17 0.20 本発明装置の反射率Kr 0.60 0.13 0.14 ただし、波高H:H=1.0(m) 反射率Kr:Hr(反射波高)/Hi(入射波高) 上記データの対比から明かのように、本発明によれば従
来装置に比較して消波性能が著しく向上していることが
明らかである。
【0019】実施形態2 図4は本発明の実施形態2の斜視図である。この実施形
態2の防波堤3の堤体10には、横隔壁30によって仕
切られた複数の遊水室31,32,33,…が形成され
ており、それぞれの遊水室31,32,33,…には、
最低面の高さが異なる開口部51a,52a,53a,
…を形成した壁体51,52,53,…が設けられてい
る。
態2の防波堤3の堤体10には、横隔壁30によって仕
切られた複数の遊水室31,32,33,…が形成され
ており、それぞれの遊水室31,32,33,…には、
最低面の高さが異なる開口部51a,52a,53a,
…を形成した壁体51,52,53,…が設けられてい
る。
【0020】そして、開口部51a,52a,53a,
…の高さが海水面付近にあるときに効果が最大となるた
め、例えば、開口部51aの高さを満潮時の平均海水面
に合わせて作り、また、開口部52aと53aの最低面
の高さを、それぞれ平均潮位の海水面と干潮時の海水面
に一致させたものである。このように構成したことによ
り、潮位が変動しても常時効果的に港外1の海水4が港
内2に導入されて、より一層効果的な消波動作を伴う海
水の交換機能が果たされることになる。
…の高さが海水面付近にあるときに効果が最大となるた
め、例えば、開口部51aの高さを満潮時の平均海水面
に合わせて作り、また、開口部52aと53aの最低面
の高さを、それぞれ平均潮位の海水面と干潮時の海水面
に一致させたものである。このように構成したことによ
り、潮位が変動しても常時効果的に港外1の海水4が港
内2に導入されて、より一層効果的な消波動作を伴う海
水の交換機能が果たされることになる。
【0021】なお、上記2つの実施形態1,2の図面で
は同一厚さで板状の壁体を示して説明したが、壁体の断
面が上部に向かって徐々に薄くなるような幅の狭い台形
等の形状に構成してもよい。
は同一厚さで板状の壁体を示して説明したが、壁体の断
面が上部に向かって徐々に薄くなるような幅の狭い台形
等の形状に構成してもよい。
【0022】
【発明の効果】本発明に係る消波機能を有する海水交換
型防波堤は、前壁に設けられて海水面の上下に亘って開
口した開口部と、後壁に設けられ海水面下に開口する開
口部とを介して、港外と港内の海水に連通する遊水室を
堤体の内部に形成し、上部工を海面上に突出させた海水
交換型防波堤において、遊水室にその下部を前後に分割
して平均水面より上部に開口部を設けた壁体を立設した
消波機能を有する海水交換型防波堤を構成した。また、
壁体の開口部を海水面の潮位変動に対応して異なる高さ
に形成した消波機能を有する海水交換型防波堤を構成し
た。
型防波堤は、前壁に設けられて海水面の上下に亘って開
口した開口部と、後壁に設けられ海水面下に開口する開
口部とを介して、港外と港内の海水に連通する遊水室を
堤体の内部に形成し、上部工を海面上に突出させた海水
交換型防波堤において、遊水室にその下部を前後に分割
して平均水面より上部に開口部を設けた壁体を立設した
消波機能を有する海水交換型防波堤を構成した。また、
壁体の開口部を海水面の潮位変動に対応して異なる高さ
に形成した消波機能を有する海水交換型防波堤を構成し
た。
【0023】この結果、押し波時には遊水室内の壁体に
よって、後壁と壁体で仕切られた部分の水位が上昇して
港内との水位差により導水が行われる。一方、引き波時
には壁体の港外側での水位は低下するものの、壁体の港
内側ではほとんど水位低下しないため港内側からの戻り
流れは生じない。したがって、波の作用によって、開口
部では港内方向への一方向流となって、港外の海水が港
内側へ導入されることになる。特に、遊水室内の壁体を
平均水面上に開口部を設けた構造としており、後室へ海
水が流れ込むときに、縮流効果により波のエネルギーが
消費されて消波性能が著しく向上することになる。ま
た、壁体の開口部を潮位変動に対応させた実施形態2に
よれば、消波性能を一層向上できる効果が得られる。
よって、後壁と壁体で仕切られた部分の水位が上昇して
港内との水位差により導水が行われる。一方、引き波時
には壁体の港外側での水位は低下するものの、壁体の港
内側ではほとんど水位低下しないため港内側からの戻り
流れは生じない。したがって、波の作用によって、開口
部では港内方向への一方向流となって、港外の海水が港
内側へ導入されることになる。特に、遊水室内の壁体を
平均水面上に開口部を設けた構造としており、後室へ海
水が流れ込むときに、縮流効果により波のエネルギーが
消費されて消波性能が著しく向上することになる。ま
た、壁体の開口部を潮位変動に対応させた実施形態2に
よれば、消波性能を一層向上できる効果が得られる。
【0024】よって、本発明によれば、港内の静穏度を
確保すると共に、海水交換が十分に行われる消波機能を
備えた海水交換型の防波堤を提供することができる。
確保すると共に、海水交換が十分に行われる消波機能を
備えた海水交換型の防波堤を提供することができる。
【図1】本発明の実施形態1の構成を示す斜視図であ
る。
る。
【図2】本発明の実施形態1の作用を示す断面図であ
る。
る。
【図3】本発明と従来装置との実験設備を示す断面図で
ある。
ある。
【図4】本発明の実施形態2の構成を示す斜視図であ
る。
る。
【図5】従来の防波堤の構成を示す斜視図である。
【図6】従来の防波堤の作用を示す断面図である。
1 港外 2 港内 3 防波堤 4 海水 5 壁体 5a 壁体の開口部 6 海面 10 堤体 11 前壁 11a 前壁の開口部 12 後壁 12a 後壁の開口部 13 遊水室 13a 前室 13b 後室 30 横隔壁 31,32… 遊水室 51,52… 壁体 51a,52a… 壁体の開口部
Claims (2)
- 【請求項1】 前壁に設けられ海水面の上下に亘って開
口した開口部と、後壁に設けられ海水面下に開口する開
口部とを介して、港外と港内の海水に連通する遊水室を
堤体の内部に形成し、上部工を海面上に突出させた海水
交換型防波堤において、 前記遊水室内に、該遊水室を前後に分割して平均水面よ
り上部に開口部を形成した壁体を設けたことを特徴とす
る消波機能を有する海水交換型防波堤。 - 【請求項2】 前記壁体の開口部を海水面の潮位変動に
対応して異なる高さに形成したことを特徴とする消波機
能を有する海水交換型防波堤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29197997A JPH11124829A (ja) | 1997-10-24 | 1997-10-24 | 消波機能を有する海水交換型防波堤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29197997A JPH11124829A (ja) | 1997-10-24 | 1997-10-24 | 消波機能を有する海水交換型防波堤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11124829A true JPH11124829A (ja) | 1999-05-11 |
Family
ID=17775950
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29197997A Pending JPH11124829A (ja) | 1997-10-24 | 1997-10-24 | 消波機能を有する海水交換型防波堤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11124829A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100985115B1 (ko) | 2007-06-18 | 2010-10-08 | 민승기 | 하천에서 배수되는 제방용 조립블럭 |
WO2011025093A1 (ko) * | 2009-08-25 | 2011-03-03 | 삼성물산 주식회사 | 허니콤 구조를 이용한 소파구조물의 케이슨 및 이를 구비한 안벽, 방파제, 호안 |
-
1997
- 1997-10-24 JP JP29197997A patent/JPH11124829A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100985115B1 (ko) | 2007-06-18 | 2010-10-08 | 민승기 | 하천에서 배수되는 제방용 조립블럭 |
WO2011025093A1 (ko) * | 2009-08-25 | 2011-03-03 | 삼성물산 주식회사 | 허니콤 구조를 이용한 소파구조물의 케이슨 및 이를 구비한 안벽, 방파제, 호안 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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Effective date: 20040116 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20060209 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20060411 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20060808 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |