JP2000027141A - 海底導水設備 - Google Patents

海底導水設備

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JP2000027141A
JP2000027141A JP10199371A JP19937198A JP2000027141A JP 2000027141 A JP2000027141 A JP 2000027141A JP 10199371 A JP10199371 A JP 10199371A JP 19937198 A JP19937198 A JP 19937198A JP 2000027141 A JP2000027141 A JP 2000027141A
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JP
Japan
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seawater
water
seabed
sea
opening
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JP10199371A
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English (en)
Inventor
Kazunori Oda
一紀 小田
Haruo Shimizu
治生 清水
Akio Tanaka
彬夫 田中
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 海面近傍の富酸素溶存海水を自然エネルギを
有効に利用して恒常的に海底に送り込み、温度、密度躍
層を解消し、海底部の水質悪化も防止することを課題と
する。 【解決手段】頂部2が海上に露出する堤体1であって、
該堤体1内に底面に至る深さの遊水空間3が設けられ、
波浪Wに対向する前記堤体1の前面壁1aの水線高さに
前記遊水空間3に連通する海水導入開口6が設けられ、
前記遊水空間3の底部3aには導入された海水を噴出す
る開口7が設けられてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、海底導水設備に
関し、詳しくは防波堤、堤防等を利用して構築される海
底導水設備に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、海岸線の埋め立てや海底の局部的
浚渫などに起因して、沿岸水域の海流が影響を受けて滞
水域などが発生し、海中に温度、密度躍層を生じさせ、
海底部の水質悪化が進むなどの問題が発生している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような環境悪化の
問題は、海水の適度な対流循環を図れば解決できるが、
このような対流循環を実現できる設備は従来見られなか
った。
【0004】例えば、内水の海水の交換を図る防波堤と
して、外海波浪に対面する前面と港内に面する後面とに
スリット状の透水孔を設け、このスリットにより消波を
図ると共にスリットを通じ港内に外海の海水を流入させ
て港内海水の交換、浄化を図る消波堤などが知られてい
るが、これらは港内海水の平面的な海水の移動交換を図
るもので、海面付近の海水を海底へ積極的に導き対流循
環を図るようにしたものではない。
【0005】従って、海面付近と海底付近の温度、密度
躍層の解消や海底付近の富酸素化はできなかった。この
発明は上記問題に鑑み、海面近傍の富酸素溶存海水を自
然エネルギを有効に利用して恒常的に海底に送り込み、
温度、密度躍層を解消し、海底部の水質悪化も防止でき
る海底導水設備を得ることを目的としてなされたもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の海底導水設備
は、頂部が海上に露出する堤体であって、該堤体内に底
面に至る深さの遊水空間が設けられ、波浪に対向する前
記堤体の前面壁の水線高さに前記遊水空間に連通する海
水導入開口が設けられ、前記遊水空間の底部には導入さ
れた海水を噴出する開口が設けられてなるものである。
【0007】この発明によれば、波浪や潮汐変化により
遊水空間に入った海面付近の富酸素溶存海水は遊水空間
の底部から海底へと噴出されるので、海底部の定常的な
富酸素化が図れ、また海面と海底の上下海水の擾乱も図
られるので温度、密度躍層の解消も図られる。さらに噴
出方向を海面方向に規制することにより、海面の消波も
図られる。
【0008】また、海水の移動は、波浪や潮汐による遊
水空間内の水位変化を利用するので運転コストも全く不
要となる。請求項2の海底導水設備は、上記の海底導水
設備において、海水を噴出する開口が海面方向へ向けら
れ、該開口からの海水噴出により波浪の入射波、反射波
の波力を軽減するようにされたものである。
【0009】この波によれば、海面の富酸素溶存海水の
海底方向への供給の他、海面の波浪の波高などの軽減も
図れ、消波効果も得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態を説
明する。 実施の形態1 図1はこの発明の実施の形態1の断面図、図2は正面図
である。
【0011】図1、図2において、1は堤体を示し、コ
ンクリート製、ケーソンの組み合わせなどにより構築さ
れ、頂部2が海上に露出されている。3は遊水空間を示
し、堤体1内に設けられている。この遊水空間3は堤体
底面4に至る深さとされ、図示例の場合は海底構築物で
あるため海底5に至る深さとされている。なお上部3a
は図示のように海面の満潮線HLより高くしておくこと
が望ましい。
【0012】6、6は海水導入開口を示し、堤体1の波
浪Wに対向する前面壁1aの水線高さHL、LL間に開
口し前記遊水空間3へ連通している。この海水導入開口
6は、海面の干満及び波高を勘案して上下に複数段設け
ることが望ましく、図示例の場合上下に二段設けた場合
を示す。
【0013】また、海水導入開口6は図2の右半部に示
すようにパイプ6とする他、同左半部に示すように水平
方向のスリット状開口6としても良く、さらにこれらの
組み合わせ配置としてもよい。
【0014】7は噴出開口を示し、遊水空間3の底部3
bから海底5方向へ向かって開口されている。この噴出
開口7も海水導入開口6と同様パイプ、スリット状開口
あるいはこれらの組み合わせ配置とすることができる。
【0015】8は、陸地を示し堤体1は陸地に対する防
波堤とされた場合を示す。上記構成によれば、波浪が堤
体1の前面に押し寄せると、波による水位上昇により海
面付近の富酸素溶存海水が海水導入開口6から遊水空間
3に流れ込み、遊水空間3内の上昇した水位と周囲海面
との水頭差の分の海水が遊水空間3の開口7から海底5
へ向かって噴出されていく。
【0016】また、遊水空間3への海水供給は波浪の運
動による自然流入によるものであるから、遊水空間3内
の流れは常時海面から海底へ向かう流れとなり、これに
よって富酸素溶存海水が常時海底へと供給され続ける。
【0017】従って、この実施の形態1の海底導水設備
によれば、堤体1付近の海面と海底の海水が常時交換、
攪拌されるので海底導水設備付近の海底の水質悪化が防
止されると共に温度、密度躍層が解消される。
【0018】なお、上記実施の形態1において、海水導
入口6の内面に図3に拡大して示すように絞り部8を設
ければ、流入した海水の逆流が有効に防止できるので遊
水空間3内の海水貯留効率が良くなり、排出開口7から
の海水排出量の増加も図られる。 実施の形態2 図4は実施の形態2の断面図を示し、図1と同一符号は
図1で説明した部材と同一または相当する部材を示す。
【0019】図4において、10は海底導水管を示し、
ダクタイル鋳鉄管など腐蝕されにくい管で堤体1の憤出
開口7からより深い海底へと富酸素溶存海水を導くもの
である。
【0020】この実施の形態2によれば、海面付近の富
酸素溶存海水が堤体1から遠く離れた海底へと恒常的に
供給されるので、海底に蓄積した「へどろ」などの分解
を積極的に促進させることができ、海底の生物学的環境
の改善に寄与する。 実施の形態3 図5は実施の形態3の断面図を示し、図1と同一符号は
図1で説明した部材と同一または相当する部材を示す。
【0021】図5において、遊水空間3の噴出開口7が
海底より水面方向へ向かって斜め上方に向けられてい
る。この実施の形態3によれば、遊水空間3内の海面付
近の富酸素溶存海水が堤体1近傍の水面付近へと放出さ
れ、この放出海水が押し寄せる波の谷部に同調して放出
されると、干渉による消波効果も期待できる。
【0022】なお、上昇方向の水流によって海底付近に
は矢印で示すような縦旋回の水流が惹起されるので、堤
壁近傍には大きな対流が形成され、広範囲にわたる上下
海水の循環も行なわれる。
【0023】上記各実施の形態おいて、堤体1として背
後が陸地に接するものを示したが、防波堤のように海へ
長く突き出た構造物であっても同様に実施できる。ま
た、図6に示すように遊水空間3内に流入した海水を噴
出開口7方向へ案内する導流壁11を設ければ海水の流
勢が増すのでより噴出水勢が大きくなり海水の噴出総量
も増す。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の海底導
水設備によれば、海面付近の富酸素溶存海水を海底付近
に積極的に流入させるので、温度、密度躍層や海底の水
質改善が容易に実現される。
【0025】また、海水の循環は波浪エネルギを利用す
るので、環境に及ぼす影響も全く無く自然環境保護も達
成されるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1の海底導水設備の断面
図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】実施の形態1の他の構成例の拡大断面図であ
る。
【図4】この発明の実施の形態2の海底導水設備の断面
図である。
【図5】この発明の実施の形態3の海底導水設備の断面
図である。
【図6】この発明の各実施の形態の他の構成例の断面図
である。
【符号の説明】
1 堤体 1a 堤体の波浪に対向する前面壁 2 頂部 3 遊水空間 3a 遊水空間上部 3b 遊水空間の底部 4 堤体底面 5 海底 6 海水導入開口 7 排出開口 8 陸地 10 海底導水管

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 頂部が海上に露出する堤体であって、該
    堤体内に底面に至る深さの遊水空間が設けられ、波浪に
    対向する前記堤体の前面壁の水線高さに前記遊水空間に
    連通する海水導入開口が設けられ、前記遊水空間の底部
    には導入された海水を噴出する開口が設けられてなる海
    底導水設備。
  2. 【請求項2】 請求項1の海底導水設備において、海水
    を噴出する開口が海面方向へ向けられ、該開口からの海
    水噴出により波浪の入射波、反射波の波力を軽減するよ
    うにされた海底導水設備。
JP10199371A 1998-07-15 1998-07-15 海底導水設備 Pending JP2000027141A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004290914A (ja) * 2003-03-28 2004-10-21 Ohbayashi Corp 水質浄化構造
JP2009019351A (ja) * 2007-07-10 2009-01-29 Toyo Constr Co Ltd 海水の鉛直循環装置
KR101198337B1 (ko) 2012-01-12 2012-11-06 주식회사 삼안 월파차단 및 해수교환을 위한 방파제
CN103031821A (zh) * 2012-12-12 2013-04-10 河海大学 一种开口回流百叶窗式防波堤
KR102292038B1 (ko) * 2021-07-09 2021-08-23 (주)네오테크 소파 기능을 갖는 보강용 구조체 및 이의 시공방법

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