JPH11124124A - 容器用ブランク板、容器及びその容器の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の容器用のブランク板は全体の構成が複雑
であり、折畳み組立作業が困難であり、しかも容器の外
周面に変化に富んだ立体的外形を現すことが困難である
問題があった。 【解決手段】四角形状の厚紙よりなるブランク板であっ
て、その上縁２と下縁３との間にこれ等の上下縁２，３
と平行な水平折曲線４を設け、かつ左側或いは右側に傾
斜した２種類の傾斜折曲線５，６を所定の巾と角度で夫
々前記上下縁２，３及び水平折曲線４上で相互に交差す
るように設けて構成したブランク板１の構造である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は外表面に多数の三角
面が上下左右に連続して立体的に現れる容器のブランク
板及びその容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の折畳容器或いは貼箱容器
は、例えば実公昭６１−２１３６７号公報及び実公昭６
１−１２３３２号公報等に示す如く、多角形状のもの、
或いはその一部を変形したもの等種々の構造のものが開
発されている。特に近年になってディスプレイ兼用の豪
華な容器も開発されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】然るに、前述の従来の
容器は、単に全体の構造が複雑になるのみで、その容器
の外表面が平坦であり、立体的に乏しく、変化がない等
の問題があった。また、構造が複雑であるために、組立
構造に手間取りコスト高になる問題もあった。

【０００４】本発明に係る容器のブランク板及び容器
は、従来のこれ等の問題点に鑑み開発された全く新しい
技術であって、特にブランク板の所定の水平折曲線と左
右に傾斜した２種類の傾斜折曲線を設けることによっ
て、該ブランク板を角筒状に折曲組立てることが出来、
かつその外周表面に多数の三角面を立体的に連続して現
すことが出来る全く新しい容器の技術を提供するもので
ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明に係る容器用ブラ
ンク板は、前述の従来の問題点を根本的に改善したもの
であって、その発明の要旨は、折り曲げ接着して容器を
形成するための多角形状の厚紙製ブランク板であって、
その上縁と下縁との間にこれ等の上下縁と平行な折曲線
が設けられており、かつ所定の巾と角度で左側或いは右
側に傾斜した２種類の傾斜折曲線が夫々上下縁及び水平
折曲線上で交差するように設けられており、更に前記下
縁と傾斜折曲線とが交差する間の各下縁辺に夫々底板が
折曲自在に取付けられて構成されていることを特徴とす
る容器用ブランク板である。

【０００６】前記本発明に係る容器用ブランク板に於い
ては、上縁と下縁との間にこれ等の上下縁と平行な水平
折曲線が設けられており、かつ所定の巾と角度で左側或
いは右側に傾斜した２種類の傾斜折曲線が夫々上下縁及
び水平折曲線上で交差するように設けられているので、
この容器用ブランク板を角筒状に折曲げた場合には、そ
の角筒体の外周面にこれ等の水平折曲線及び傾斜折曲線
によって囲まれる三角面を上下左右に連続して立体的に
形成することが出来る。

【０００７】前述の容器用ブランク板の下縁には、該下
縁と傾斜折曲線とが交差する間の各下縁辺に夫々底板が
折曲自在に取付けられているので、これ等の底板を順に
折曲げながら組合せることによって、角筒状に形成され
る容器の底部を構成することが出来る。

【０００８】本発明に係る容器は前述の従来の問題点を
根本的に改善した新しい技術であって、その発明の要旨
は、上縁と下縁との間にこれ等の上下縁と平行な水平折
曲線が設けられ、かつ所定の角度で左側或いは右側に傾
斜した２種類の傾斜折曲線が夫々上下縁及び水平折曲線
上で交差するように設けられたブラング板が順に折り曲
げられると共に両端縁が相互に接着されて角筒体が形成
されており、該角筒体の外周面には水平折曲線の部分が
内周側に凹むと共に、該水平折曲線或いは上下縁と左右
の折曲線によって形成される三角面が上下左右に連続し
て立体的に現れており、更に該角筒体の底部はブランク
板の下縁に連設された複数の底板を折曲げて組合せるこ
とによって構成されていることを特徴とする容器であ
る。

【０００９】前述の本発明に係る容器に於いては、前述
の如く、角筒体の外周面に水平折曲線と左側或いは右側
に傾斜した２種類の傾斜折曲線とが所定の間隔で交差す
るように設けられているので、これ等の折曲線によって
囲まれて形成される三角面が上下左右に連続して現れ、
極めて変化に富む容器を形成することが出来る。

【００１０】また、前記容器の下縁には複数の底板が連
設されており、これ等の底板を折曲組立てることによっ
て底部が形成されているので、全体を一枚の厚紙で構成
することが出来る。また、角筒体の一部に縦折曲線を設
けた場合には、全体を偏平状に折り畳むとが出来る。

【００１１】

【発明の実施の形態】図により本発明に係る容器用ブラ
ンク板、及び容器の一実施例を具体的に説明すると、図
１は本発明に係る容器の斜視説明図、図２は図１の容器
用ブランク板及び蓋板のブランク板を示す平面図、図３
（Ａ），（Ｂ）は図２の容器用ブランク板を偏平状に二
つ折りする状態の平面説明図、図４（Ａ），（Ｂ）は夫
々容器の底面及び内底面を示す説明図、図５は容器に蓋
板を被蓋する状態の斜視説明図である。

【００１２】図２により本発明に使用される容器用ブラ
ンク板について説明すると、次の通りである。即ち、図
２に於いて、１はブランク板であって、長方形状の厚紙
板より形成されている。このブランク板１の上縁２と下
縁３との中間には、上下縁と平行な水平折曲線４が設け
られている。

【００１３】また、前記ブランク板１には所定の間隔と
角度を保って左側に傾斜した複数本の傾斜折曲線５と、
右側に傾斜した複数本の傾斜折曲線６とが設けられてい
る。これ等の左右の傾斜折曲線５，６は図に示す通り、
上下縁２，３及び水平折曲線４上の所定位置で相互に交
差するように配設されている。また、ブランク板１の側
端には貼着片７が連設されている。

【００１４】かつ、ブランク板１の下縁３には、該下縁
３と２種類の傾斜折曲線５，６とが交差する間の各下縁
辺に夫々底板８が折曲線を介して連設されている。この
底板８は変形した台形状を有しており、これ等の底板８
は図４（Ａ），（Ｂ）に示すようなうず巻き状に組立て
られて容器の底部を構成することが出来るようになって
いる。

【００１５】更に、ブランク板１の上縁２には、該上縁
２と２種類の傾斜折曲線５，６とが交差する間の各上縁
辺に折曲舌片９が折曲線を介して連設されている。この
折曲舌片９は容器の開口部の内方に折曲げられるように
形成されている。また、ブランク板１の中央部には、特
に図３（Ａ）に示す如く、縦折曲線１０が設けられてお
り、ブランク板１は同図（Ｂ）に示す如く、二つ折りし
得るように構成されている。

【００１６】図２に於ける１１は蓋板であって、六角形
状本体１１ａの各辺に夫々折曲片１１ｂが連設されて構
成されている。その中心部には小穴１２が穿設されてい
る。また、１３は前記蓋板１１の内面に積層して取付け
られる寸法の小さい内蓋板であって、六角形状本体１３
ａの各辺に夫々折曲片１３ｂが連設されて構成されてい
る。

【００１７】本発明に係る前述のブランク板１を使用し
て本発明に係る容器を組立構成する工程について説明す
ると次の通りである。即ち、ブランク板１を縦折曲線１
０で二つ折りして重ねると共に、貼着片７をブランク板
１の他側縁に貼着して、本体部分を筒状に形成する。

【００１８】次に、この筒状に形成された部分をふくら
ませて、下縁３に連設された複数の底板８を水平状に折
曲げながら、図４（Ａ），（Ｂ）に示す如く、これ等の
底板８をうず巻き状に折重ねて組立てて底部を構成す
る。更に、上縁２に連設された複数の折曲舌片９を図１
に示す如く、容器の開口部に折り込むことによって六角
筒状の容器を完成させることが出来る。

【００１９】本発明に係る容器は、ブランク板１に水平
折曲線４と２種類の傾斜折曲線５，６が設けられてお
り、かつ２種類の傾斜折曲線５，６と上下縁２，３と水
平折曲線４とが所定間隔で交差しているので、容器を筒
状にふくらませた場合には、これ等の折曲線４，５，６
と上下縁２，３とで囲まれた三角面を個々に所定方向に
浮き上がらせ、全体として多数の三角面が上下左右に連
続した立体的な角筒を形成することが出来る。

【００２０】前記実施例に於いては、六角形状の容器に
ついて説明したが、ブランク板１の左右巾と傾斜折曲線
５，６の数を増減することによって、種々の多角形状容
器を構成することが出来る。また、前記実施例に於いて
は、上下縁２，３の間に一本の水平折曲線４を設けて構
成したが、ブランク板１の上下巾を大きくすると共に、
水平折曲線４の数を増加することによって、高さの高い
多段状の容器を構成することが出来る。

【００２１】本発明に係る容器は、搬送及び保管等の際
には偏平状にコンパクトに折り畳んでおくことが出来、
使用時に簡単に組立てて使用することが出来る。このブ
ランク板１には美麗な多色印刷を施したり、或いは柔軟
な薄紙、プラスチックシート、布等を被覆して装飾する
ことが出来る。

【００２２】本発明に係る容器には、図５に示すような
蓋板１１を被蓋することが出来る。この蓋板１１は、図
２に示すようなブランク板より形成されており、六角形
状本体１１ａの内面に折曲片１１ｂを折り曲げて貼着
し、同様に形成された内蓋板１３を蓋板１１の内面中央
に積層して取付け、更に中心部の小穴１２につまみ１４
を取付けることによって、体裁の良い蓋を構成して使用
することが出来る。

【００２３】

【発明の効果】本発明に係る容器用ブランク板及びその
容器は、前述の構成と作用とを有するので、次のような
多大な効果を有している。

【００２４】（１）本発明に係る容器用ブランク板は、
前述の様にその所定位置に水平折曲線、２種類の傾斜折
曲線を設けたので、これを筒状に湾曲させることによっ
て、これ等の折曲線によって囲まれた三角面が上下左右
に立体的に連続した極めて変化に富んだ角筒体を自動的
に形成することが出来る。（２）本発明に係る容器用ブ
ランク板は、四角形状の厚紙に３種類の折曲線を設けれ
ば良いので、紙箱を形成する際に使用される自動平打抜
機等を用いることによって、精度の良いものを安価に大
量生産することが出来る。

【００２５】（３）ブランク板の下縁には、複数個の底
板が折曲自在に連設されているので、これ等の底板を折
曲げて組合せることによって、容器の底部を簡単に組立
てることが出来る。（４）このように構成した容器は、
菓子等の食品用容器、宝石等の贈答用容器、筆入用容器
或いは室内装飾品としても多方面に使用することが出来
る。また、前述のような蓋板を併用することによって、
日常の小物入容器として使用することも出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る容器の斜視説明図である。

【図２】図１の容器用のブランク板及び蓋板のブランク
板を示す平面図である。

【図３】図３（Ａ），（Ｂ）は図２の容器用ブランク板
を偏平状に二つ折りする状態の平面説明図である。

【図４】図４（Ａ），（Ｂ）は夫々の底面が内底面を示
す説明図である。

【図５】容器に蓋板を被蓋する状態の斜視説明図であ
る。

【符号の説明】

１ ブランク板 ２ 上縁 ３ 下縁 ４ 水平折曲
線 5,6 傾斜折曲線 ７ 貼着片 ８ 底板 ９ 折曲舌片 10 縦折曲線 11 蓋板 11a 六角状本体 11b 折曲片 12 小穴 13 内蓋板 13a 六角状本体 13b 折曲片

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】折り曲げ接着して容器を形成するための多
   角形状の厚紙製ブランク板であって、その上縁と下縁と
   の間にこれ等の上下縁と平行な折曲線が設けられてお
   り、かつ所定の巾と角度で左側或いは右側に傾斜した２
   種類の傾斜折曲線が夫々上下縁及び水平折曲線上で交差
   するように設けられており、更に前記下縁と傾斜折曲線
   とが交差する間の各下縁辺に夫々底板が折曲自在に取付
   けられて構成されていることを特徴とする容器用ブラン
   ク板。
2. 【請求項２】上縁と下縁との間にこれ等の上下縁と平行
   な水平折曲線が設けられ、かつ所定の角度で左側或いは
   右側に傾斜した２種類の傾斜折曲線が夫々上下縁及び水
   平折曲線上で交差するように設けられたブラング板が順
   に折り曲げられると共に両端縁が相互に接着されて角筒
   体が形成されており、該角筒体の外周面には水平折曲線
   の部分が内周側に凹むと共に、該水平折曲線或いは上下
   縁と左右の折曲線によって形成される三角面が上下左右
   に連続して立体的に現れており、更に該角筒体の底部は
   ブランク板の下縁に連設された複数の底板を折曲げて組
   合せることによって構成されていることを特徴とする容
   器。