JPH1059347A - 容器用ブランク板、容器及びその容器の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の容器用ブランク板は全体の構成が複雑で
あり、折畳み組立て作業が困難であり、しかも容器の外
周面に変化に富んだ立体的外形を現すことが困難である
問題があった。 【解決手段】四角形状の厚紙よりなるブランク板であっ
て、その上縁と下縁との間にこれ等の上下縁と平行な水
平ミシン目線２，３を穿設し、かつ左側或いは右側に傾
斜した２種類の半切傾斜切目線４，５を所定の巾と角度
で夫々上下縁及び水平ミシン目線２，３上で相互に交差
するように穿設して構成したブランク板１の構造であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は外表面に多数の三角
面が上下左右に連続して立体的に現れる容器のブランク
板と、容器と及びその容器の製造方法とに関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の折畳容器或いは貼箱容器
は、例えば実公昭６１ー２１３６７号公報及び実公昭６
１ー１２３３２号公報等に示す如く、多角形状のもの、
或いはその一部を変形したもの等種々の構造のものが開
発されている。特に近年になってはディスプレイ兼用の
豪華な容器も開発されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】然るに、前述の従来の
容器は、単に全体の構造が複雑になるのみで、その容器
の外表面が平坦であり、立体的に乏しく、変化がない等
の問題があった。また、構造が複雑でありために、組立
構成に手間取りコスト高になる問題もあった。

【０００４】本発明に係る容器のブランク板、容器及び
その容器の製造方法は、従来のこれ等の問題点に鑑み開
発された全く新しい技術であって、特にブランク板に所
定のミシン目線と左右に傾斜した半切傾斜切目線を設け
ることによって、該ブランク板を角筒状に折曲組立てる
ことが出来、かつその外周表面に多数の三角面を立体的
に連続して現すことが出来る全く新しい容器の技術を提
供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明に係る容器用ブラ
ンク板は、前述の従来の問題点を根本的に改善したもの
であって、その発明の要旨は、折り曲げ接着して容器を
形成するための四角形状の厚紙製ブランク板であって、
その上縁と下縁との間にこれ等の上下縁と平行な水平ミ
シン目線が穿設されており、かつ所定の巾と角度で左側
或いは右側に傾斜した２種類の半切傾斜切目線が夫々上
下縁及び水平ミシン目線上で交差するように穿設されて
構成されていることを特徴とする容器用ブランク板であ
る。

【０００６】本発明に係る容器は、前述の従来の問題点
を根本的に改善した技術であって、その発明の要旨は、
上縁と下縁との間にこれ等の上下縁と平行な水平ミシン
目線が設けられ、かつ所定の角度で左側或いは右側に傾
斜した２種類の半切傾斜切目線が夫々上下縁及び水平ミ
シン目線上で交差するように穿設されたブランク板が順
に折り曲げられかつ両端縁が相互に接着されて角筒体が
形成されており、該角筒体の外周面には水平ミシン目線
の部分が内周側に凹むと共に、該水平ミシン目線或いは
上下縁と左右の半切傾斜線によって形成される三角面が
上下左右に連続して立体的に現れており、かつ該筒体の
底部には底板が取付けられており、更に角筒体の外表面
にシートが被覆貼着されて構成されていることを特徴と
する容器である。

【０００７】更に、本発明に係る容器の製造方法は、前
述の従来の問題点を根本的に改善した技術であってその
発明の要旨は、四角形状厚紙製ブランク板の上縁と下縁
との間にこれ等の上下縁と平行する単数或いは複数の水
平ミシン目線を穿設し、所定の角度で左側或いは右側に
傾斜する２種類の半切傾斜切目線を夫々上下縁及び水平
ミシン目線上で交差するように表面側に穿設してブラン
ク板を形成し、該ブランク板を筒状に折り曲げながら両
端縁を相互に接着すると共に下端部に底板を貼着して角
筒体を形成し、更に該角筒体の外表面に紙、布、プラス
チックシートを被覆貼着して構成することを特徴とする
容器の製造方法である。

【０００８】

【発明の実施の形態】図により本発明に係る容器用ブラ
ンク板、容器及びその容器の製造方法の一実施例を具体
的に説明すると、図１は本発明に係る容器の斜視説明
図、図２は図１の容器の構成部品を示す平面図、図３は
図１の容器のブランク板の組立途中の斜視説明図、図４
は容器の角筒体にシートを被覆する状態の説明図、図５
は図１の容器の底面を示す斜視説明図、図６は他例の容
器の斜視図である。

【０００９】図２により本発明に使用される容器用ブラ
ンク板について説明すると、次の通りである。即ち、図
２に於いて、１はブランク板であって、長方形状の厚紙
板より形成されている。このブランク板１の上縁と下縁
との間には、上下縁と平行な２本の水平ミシン目線２，
３が夫々穿設されている。これ等の２本の水平ミシン目
線２，３の相互距離と、上縁からミシン目線２迄の距離
と、水平ミシン目線３ら下縁迄の距離とは夫々同一寸法
を有している。

【００１０】また、ブランク板１の表面には所定の間隔
と角度とを保って左側に傾斜した複数本の半切傾斜切目
線４と、右側に傾斜した複数本の半切傾斜切目線５とが
ブランク板１の肉厚のほぼ半分に達する深さを保って穿
設されている。これ等の左右の半切傾斜切目線４，５は
図に示す通り、上下縁及び水平ミシン目線２，３上で相
互に交差するように配設されている。

【００１１】図２に於いて、６は角底板であり、７は底
板６上に貼着される底貼シートである。また、８は筒貼
シートである。これ等の底貼シート７及び筒貼シート８
は柔軟な薄紙、プラスチックシート、布等より構成され
ている。

【００１２】図により本発明に係る容器用ブランク板を
使用して容器を製造する方法について詳述すると、次の
通りである。即ち、図３に示す如く、前述のブランク板
１を筒状に湾曲させると、水平ミシン目線２，３の部分
が内周側に凹むと共に、左右の半切傾斜切目線４，５が
開いた状態に割れながら折れ曲がって、これ等の半切傾
斜切目線４，５及び水平ミシン目線２，３、或いは上下
縁によって囲まれる多数の三角面９を浮き上がらせると
共に、これ等の三角面９を任意の方向に傾斜させ、全体
として多数の三角面９が上下左右に連続して立体的に現
れた角筒を形成することが出来る。

【００１３】従って、この様に形成される図３に示す角
筒を全体的に観察すると、その外表面は多数の三角面９
が立体的に連続して形成されており、恰も角筒の外周面
が軸芯を中心にして捻じられた様な凹凸模様の外形を保
って形成されている。

【００１４】次に、このように角筒状に折曲げられたブ
ランク板１の両端縁を相互に貼着して角筒体１０を形成
すると共に、図３及び図４に示す如く、角筒体１０の下
端内周に角底板６を嵌入すると共に、接着剤を介して角
底板６を角筒体１０の内周面に接合する。

【００１５】更に、図４、図５及び図１に示す如く、筒
貼シート８を角筒体１０の外周面に巻き付けながら接着
剤を介して貼着し、かつその筒貼シート８の両端部を角
筒体１０の開口内周部、或いは角底板６の底面に貼着す
る。かつ角底板６の底面には前記底貼シート７も貼着し
て、図１及び図５に示す如き本発明に係る容器１１を完
成せしめることが出来る。

【００１６】上記実施例に於いては、ブランク板１に２
個の水平ミシン目線２，３を設けて構成したが、ブラン
ク板１の上下巾の大きいもの、即ち、形成される容器の
高さが高いものについては、更に多くの水平ミシン目線
を追加することによって、前記実施例と同様な多数の三
角面９が立体的に連続した角筒体１０を形成することが
出来る。

【００１７】また、図６に示す容器１２は、１個の水平
ミシン目線２を使用した上下巾の短いブランク板を用い
て構成されたものであり、大きな外径を有している。１
３は容器１２の蓋であって、その上面中央にはつまみ１
４が起立されており、かつ蓋１３の天井面には、容器１
２の開口部に嵌入して閉鎖し得る肉厚の嵌着部１５が設
けられている。

【００１８】本発明に係る容器は、前述のようにその容
器の芯部が厚紙製のブランク板１で形成されると共に、
その外周面に紙、布、プラスチックス等のシート８が被
覆貼着されているので、極めて丈夫であると共に体裁の
良い容器を構成せしめることが出来る。また、ブランク
板１には前述のような水平ミシン目線２，３と左右２種
類の半切傾斜切目線４，５とを夫々所定の条件で穿設し
たので、このブランク板１を湾曲させて筒状に折曲げる
ことによって、その表面に多数の三角面９が上下左右に
立体的に連続した角筒体１０を自動的に形成せしめるこ
とが出来る。

【００１９】このように形成された角筒体１０を基本部
材として構成した容器１１，１２は夫々外表面が極めて
立体的であり、全体が捻じれた様な模様が上下左右に連
続するので、極めて変化に富んだ外形を持った容器を構
成することが出来る。更に、角筒体１０の外表面には筒
貼シート８を貼着するので、例えば布の筒貼シート８を
使用することによって、容器に高級感を出したり、或い
は銀紙等のメタリック筒貼シート８を使用することによ
って、光沢性及び装飾性に富む容器を構成したりするこ
とが出来る。

【００２０】このように構成した容器は、菓子等の食品
用容器、宝石等の贈答用容器、筆入用容器或いは室内装
飾品としても多方面に使用することが出来る。また、前
述のような蓋１３を併用することによって、日常の小物
入容器として使用することも出来る。

【００２１】

【発明の効果】本発明に係る容器用ブランク板、容器及
びその容器の製造方法は、前述の構成と作用とを有する
ので、次のような多大な効果を有している。

【００２２】（１）本発明に係る容器用ブランク板は、
前述の様にその所定位置に水平ミシン目線、２種類の半
切傾斜切目線を設けたので、これを筒状に湾曲させるこ
とによって、三角面が上下左右に立体的に連続した極め
て変化に富んだ角筒体を自動的に形成することが出来
る。（２）本発明に係る容器用ブランク板は、四角形状
の厚紙にミシン目及び切目線を設ければ良いので、紙箱
を形成する際に使用される自動平打抜機等を用いること
によって、精度の良いものを安価に大量生産することが
出来る。

【００２３】（３）本発明に係る容器は、角筒状に折曲
げられた角筒体の底部に角底板を貼着し、かつ角筒体の
外周面に紙、布、プラスチック等の筒貼シートが全面的
に貼着されているので、丈夫であると共に、前述の立体
的三角面模様と合わせることによって極めて異形の外観
を有する変化に富んだ容器を形成することが出来る。 （４）本発明に係る容器の製造方法は、前述のような構
造のブランク板を用いるので、素人でも簡単に大量生産
することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る容器の斜視説明図である。

【図２】図１の容器の構成部品を示す平面図である。

【図３】図１の容器のブランク板の組立途中の斜視説明
図である。

【図４】容器の角筒体にシートを被覆する状態の説明図
である。

【図５】図１の容器の底面を示す斜視説明図である。

【図６】他例の容器の斜視図である。

【符号の説明】

１ ブランク板 2,3 ミシン目
線 4,5 半切傾斜切目線 ６ 角底板 ７ 底貼シート ８ 筒貼シー
ト ９ 三角面 10 角筒体 11,12 容器 13 蓋 14 つまみ 15 嵌着部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】折り曲げ接着して容器を形成するための四
   角形状の厚紙製ブランク板であって、その上縁と下縁と
   の間にこれ等の上下縁と平行な水平ミシン目線が穿設さ
   れており、かつ所定の巾と角度で左側或いは右側に傾斜
   した２種類の半切傾斜切目線が夫々上下縁及び水平ミシ
   ン目線上で交差するように穿設されて構成されているこ
   とを特徴とする容器用ブランク板。
2. 【請求項２】上縁と下縁との間にこれ等の上下縁と平行
   な水平ミシン目線が設けられ、かつ所定の角度で左側或
   いは右側に傾斜した２種類の半切傾斜切目線が夫々上下
   縁及び水平ミシン目線上で交差するように穿設されたブ
   ランク板が順に折り曲げられかつ両端縁が相互に接着さ
   れて角筒体が形成されており、該角筒体の外周面には水
   平ミシン目線の部分が内周側に凹むと共に、該水平ミシ
   ン目線或いは上下縁と左右の半切傾斜切目線によって形
   成される三角面が上下左右に連続して立体的に現れてお
   り、かつ該筒体の底部には底板が取付けられており、更
   に角筒体の外表面にシートが被覆貼着されて構成されて
   いることを特徴とする容器。
3. 【請求項３】四角形状厚紙製ブランク板の上縁と下縁と
   の間にこれ等の上下縁と平行する単数或いは複数の水平
   ミシン目線を穿設し、所定の角度で左側或いは右側に傾
   斜する２種類の半切傾斜切目線を夫々上下縁及び水平ミ
   シン目線上で交差するように表面側に穿設してブランク
   板を形成し、該ブランク板を筒状に折り曲げながら両端
   縁を相互に接着すると共に下端部に底板を貼着して角筒
   体を形成し、更に該角筒体の外表面に紙、布、プラスチ
   ックシートを被覆貼着して構成することを特徴とする容
   器の製造方法。