JPH11123794A - 酸素吸収多層フィルム及び酸素吸収包装容器 - Google Patents

酸素吸収多層フィルム及び酸素吸収包装容器

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JPH11123794A
JPH11123794A JP13054198A JP13054198A JPH11123794A JP H11123794 A JPH11123794 A JP H11123794A JP 13054198 A JP13054198 A JP 13054198A JP 13054198 A JP13054198 A JP 13054198A JP H11123794 A JPH11123794 A JP H11123794A
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隆史 加柴
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Yoshiki Ito
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 包装材料としての強度、耐熱性、ヒートシー
ル性及びホットタック性に優れ、かつ外観の良好な酸素
吸収多層フィルム及び酸素吸収包装容器を提供する。 【解決手段】 一方の表面が酸素透過性のポリオレフィ
ンからなる酸素透過層(1)で、他方の表面がガスバリ
ア層(3)からなり、これらの層に挟まれた酸素透過性
のポリオレフィンに鉄系脱酸素剤を配合した酸素吸収性
樹脂組成物からなる酸素吸収層(2)から構成される酸
素吸収多層フィルムにおいて、酸素透過層(1)が無着
色層(11)と着色隠蔽層(12)との2層からなり、
なおかつ無着色層(11)が表面層を形成することを特
徴とする酸素吸収多層フィルム及びこれを用いた酸素吸
収包装容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強度、耐熱性、シ
ール性及び外観に優れた酸素吸収多層フィルム、並び
に、この酸素吸収多層フィルムを用いた酸素吸収包装容
器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、包装技術の一つとして、熱可塑性
樹脂に脱酸素剤を配合した酸素吸収性樹脂組成物からな
る酸素吸収層を備えた多層材料で容器を構成し、容器の
ガスバリア性の向上を図ると共に容器自体に脱酸素機能
を付与した包装容器の開発が行われている。脱酸素機能
を備えた包装容器は、通常、脱酸素剤を配合した酸素吸
収性樹脂層を中間層とし、容器外側にガスバリア性の外
層、容器内側に酸素透過性の内層を備えた酸素吸収多層
体で構成され、袋、カップ、トレイ、ボトル等に成形加
工された容器として開発されている。
【0003】酸素吸収多層体としては、例えば、特開平
2−72851号公報、特開平4−90848号公報に
は、鉄系脱酸素剤を樹脂中に分散させた酸素吸収層を中
間層に有する酸素吸収多層体が記載されている。また、
特開平8−72941号公報には、酸素吸収多層体の酸
素吸収能の向上を図る技術が提案されている。さらに、
特開平8−132573号公報、特開平9−40024
公報には、脱酸素剤配合樹脂層とガスバリア層の間にポ
リオレフィン層を介在させる構成の酸素吸収多層体の改
良技術が記載されている。
【0004】酸素吸収多層体の酸素吸収層に配合される
脱酸素剤として一般に鉄系脱酸素剤が使用される。この
場合には、酸素吸収多層体からなる酸素吸収多層容器を
食品等の保存に用いた際に、酸素吸収層に配合された鉄
粉の色や容器内の酸素を吸収した時の鉄錆の色が開封時
に目視され、食品等の保存物のイメージが損なわれる場
合があった。その対策として、酸素吸収層又は酸素透過
層に白色又は有色の顔料を添加し、酸素吸収層に配合さ
れた鉄粉を隠蔽する方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、樹脂中
に顔料を添加する方法では、酸素吸収層又は酸素透過層
の樹脂分が低下して物性が劣化するため、酸素吸収多層
体の包装材料としての耐衝撃性、引き裂き強度及び突き
刺し強度が低下するという問題があり、さらに、袋等の
包装容器に成形する際には、ヒートシール性やホットタ
ック性が低下するという欠点があった。本発明は、引き
裂き及び突き刺し等の強度、耐衝撃性、耐熱性、並び
に、ヒートシール性及びホットタック性に優れ、かつ外
観の良好な、脱酸素剤を配合した酸素吸収性樹脂組成物
からなる酸素吸収層を有する酸素吸収多層フィルム、及
び、これを用いた酸素吸収包装容器を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、脱酸素剤
配合樹脂層を有する酸素吸収多層体の上記問題点を改善
するため鋭意研究、検討を重ねた結果、酸素透過性の熱
可塑性樹脂に脱酸素剤を配合した酸素吸収性樹脂組成物
からなる酸素吸収層(2)の内側に、無着色層(11)
及び着色隠蔽層(12)の2層からなる酸素透過層
(1)を無着色層(11)が表面に位置するように配す
ることにより、従来の酸素吸収多層体が持つ上記問題点
を解決できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】本発明は、一方の表面が酸素透過性のポリ
オレフィンからなる酸素透過層(1)で、他方の表面が
ガスバリア層(3)からなり、これらの層に挟まれた酸
素透過性のポリオレフィンに鉄系脱酸素剤を配合した酸
素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層(2)から構成
される酸素吸収多層フィルムにおいて、酸素透過層
(1)が無着色層(11)と着色隠蔽層(12)との2
層からなり、なおかつ無着色層(11)が表面層を形成
することを特徴とする酸素吸収多層フィルムに関するも
のである。また本発明は、上記の酸素性多層フィルム
が、容器壁面の少なくとも一部に無着色層(11)を容
器内方に配して使用されてなる酸素吸収包装容器に関す
るものである。
【0008】本発明の酸素吸収多層フィルム及びそれか
らなる酸素吸収包装容器は、酸素吸収層(2)に接する
酸素透過層(1)が無着色層(11)と着色隠蔽層(1
2)の2層からなり、無着色層(11)が表面に位置す
るように配することを特徴とするもので、耐熱性、耐衝
撃性、突き刺し及び引き裂き等の強度、ヒートシール
性、ホットタック性並びに外観に優れているため、液体
充填、粉末充填や固形物の高速自動充填が容易であり、
また保存物を包装容器に充填してボイル処理やレトルト
処理等の加熱処理を行って保存できるため、一層の長期
保存が可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の酸素吸収多層フィ
ルム及び包装容器について詳しく説明する。本発明の酸
素吸収多層フィルム(以下、単に多層フィルムと略すこ
とがある)の層構成の具体例として、図1のごとく、酸
素透過層(1)(無着色層(11)/着色隠蔽層(1
2)からなる)/酸素吸収層(2)/ガスバリア層
(3)/保護層(4)からなる層の構成が示される。本
発明の多層フィルムを使用し包装容器とする場合を想定
して各層の機能について説明する。なお、保護層(4)
は必須ではなく、所望により積層すればよい。ガスバリ
ア層(3)は外部からの酸素の侵入を阻止する役割を果
たし、酸素吸収層(2)は主として容器内の酸素を吸収
する役割を果すと共にガスバリア層(3)で完全に阻止
し得なくて侵入する酸素を吸収する役割も果す。無着色
層(11)及び着色隠蔽層(12)からなる酸素透過層
(1)は、酸素吸収層(2)と容器内収容物との直接の
接触を防ぐ隔離層の役割、及び酸素吸収層がその酸素吸
収機能を十分発揮できるように容器内の酸素を迅速かつ
効率よく透過する役割を果たす。酸素透過層の酸素透過
度は、層の数及び厚みに関係なく、100cc/m2 ・at
m ・day (23℃、100%RH)以上が好ましく、よ
り好ましくは500cc/m2 ・atm ・day (23℃、1
00%RH)以上である。酸素透過層(1)のうち、着
色隠蔽層(12)は酸素吸収層(2)内に配合された脱
酸素剤を多層フィルム表面側から隠蔽する役割を果た
す。また、無着色層(11)は、多層フィルムの表面に
位置し、容器として密封する際のヒートシール面の役割
を果たす。保護層(4)は、ガスバリア層(3)をピン
ホールや傷等の損傷から保護する役割を果たす。本発明
の多層フィルムは、主たる層である酸素透過層(1)
(無着色層(11)/着色隠蔽層(12))/酸素吸収
層(2)/ガスバリア層(3)の構成で効果を奏する
が、これに限定されず、各層間何れにも必要に応じて更
に層を付加することができる。具体例として、図2のご
とく、着色隠蔽層(12)と酸素吸収層(2)の間に酸
素透過性のポリオレフィンからなる樹脂層(13)を配
して、酸素透過層(1)(無着色層(11)/着色隠蔽
層(12))/樹脂層(13)/酸素吸収層(2)/ガ
スバリア層(3)/保護層(4)の層構成にすることが
できる。また、図3のごとく、接着層(5)を加えて、
酸素透過層(1)(無着色層(11)/着色隠蔽層(1
2))/酸素吸収層(2)/接着層(5)/ガスバリア
層(3)/保護層(4)の層構成にすることができる。
【0010】酸素透過層(1)には、ポリオレフィンが
用いられ、具体的には、低密度ポリエチレン、直鎖状低
密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエ
チレン及びメタロセンポリエチレン(又は共重合体)な
どのポリエチレン類、ポリプロピレン、プロピレン─エ
チレンランダム共重合体、プロピレン─エチレンブロッ
ク共重合体及びメタロセンポリプロピレン(又は共重合
体)などのポリプロピレン類、ポリメチルペンテンなど
のポリオレフィン類(又は共重合体)、エチレン−プロ
ピレンゴム等のエラストマー類、エチレン酢酸ビニル共
重合体あるいはこれらの混合物が挙げられる。尚、本発
明の酸素吸収包装容器がレトルト処理又はハイレトルト
処理される場合には、酸素透過層(1)に用いるポリオ
レフィンは融点が135℃以上であることが好ましい。
メタロセンポリエチレンとは、遷移金属触媒を不飽和環
状化合物で挟んだ構造で、かつ溶液に可溶の均一系化合
物であるメタロセン触媒を使用し、気相法または溶液法
等により製造されたポリエチレンである。メタロセンポ
リエチレンは、その分子量分布が比較的単分散で、高分
子量成分や低分子量成分が少ないので、従来のチーグラ
ー触媒を用いたポリエチレンと比較して、耐衝撃性が強
く、ヒートシール性及びホットタック性、挟雑物シール
性等の物性及び低臭性に優れ、酸素透過性が高いので、
酸素透過層(1)又は酸素吸収層(2)を構成する材料
として好ましい特徴を有する。
【0011】酸素透過層(1)は、無着色層(11)と
着色隠蔽層(12)の2層からなり、無着色層(11)
は、酸素吸収多層フィルムにおいて表面に設けられ、酸
素吸収包装容器においてヒートシール層となる層であ
る。また、着色隠蔽層(12)は、酸素吸収多層フィル
ムにおいて無着色層(11)と酸素吸収層(2)の間の
位置に配し、包装容器として食品等の保存用途に使用さ
れる場合に酸素吸収層に配合した脱酸素剤成分を隠蔽す
る層である。
【0012】無着色層(11)は、顔料等の無機物を含
まないポリオレフィンからなる層である。本発明の酸素
吸収多層フィルムでは、無着色層(11)を表面に設け
ることにより、容器に成形した際のヒートシール性、ホ
ットタック性が向上し、さらに、液体、粉体等を充填し
た際に液や粉がヒートシール層に付着しても、夾雑物シ
ール性に優れているため、液体、粉末、固形物の高速の
自動充填包装が容易となる。また、充填後、ボイル処理
やレトルト処理を行っても、シール性、耐熱性に優れる
ため、密封性の優れた脱酸素包装容器となる。さらに、
無着色層(11)は、酸素吸収層(2)や着色隠蔽層
(12)への脱酸素剤や顔料の添加により低下した酸素
吸収多層フィルム及び包装容器の耐衝撃性、引き裂き強
度、突き刺し強度等を改善する役割を担う。
【0013】無着色層(11)に用いられる樹脂は、酸
素透過層(1)に用いられる樹脂と同種のポリオレフィ
ンであり、充填物の性状、充填方法、加熱処理条件、使
用形態により適宜選択される。特に、保存物の自動充填
やボイル処理を行う場合においては、メタロセンポリエ
チレン(又は共重合体)、直鎖状低密度ポリエチレンや
中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチ
レン類やこれらポリエチレン類とエチレン−プロピレン
ゴム等のエラストマー類やエチレン酢酸ビニル共重合体
との混合物が好ましく用いられる。また、充填物をレト
ルト処理又はハイレトルト処理する場合においては、高
密度ポリエチレンやポリプロピレン、プロピレン─エチ
レンランダム共重合体、プロピレン─エチレンブロック
共重合体等のポリプロピレン類が用いられ、中でも、ポ
リプロピレン類やポリプロピレン類とエチレン−プロピ
レンゴム等のエラストマー類又はメタロセンポリエチレ
ン(又は共重合体)との混合物が好ましく用いられる。
【0014】また、多層フィルムを容器の蓋材として使
用する場合には、無着色層(11)用の樹脂としてイー
ジーピール性樹脂を用いることができる。無着色層(1
1)には、スリップ剤、帯電防止剤、酸化防止剤等の顔
料以外の添加物を、酸素吸収多層フィルムとしての機能
を損なわない範囲の量で添加することができる。無着色
層(11)の厚さは、十分なヒートシール性と強度を発
揮するために、10〜100μmとすることが好まし
く、20〜80μmとすることがより好ましい。10μ
m未満では強度及びヒートシール性等のフィルム機能が
十分でなく、100μmを超えると酸素透過性が低下し
て多層フィルムの酸素吸収性能が低下する。
【0015】着色隠蔽層(12)は、顔料を添加して着
色したポリオレフィンからなり、樹脂としては前記した
ポリオレフィンが使用される。顔料は白色、黒色又はそ
の他の色を有する顔料が用いられ、具体的には、酸化チ
タン、炭酸カルシウムなどの無機物が挙げられ、中でも
食品等を保存する場合の外観を考慮すると酸化チタンが
好ましい。顔料は、酸素吸収層(2)を隠蔽するのに必
要な量を添加し、具体的には、着色隠蔽層(12)を構
成するポリオレフィンに対して2〜50重量%の添加が
好ましい。顔料の添加量が2重量%未満では酸素吸収層
の隠蔽が不十分になり、50重量%を超えると無着色層
(11)との接着性が悪くなる。また、着色隠蔽層(1
2)の厚さは10〜100μmとすることが好ましく、
20〜80μmとすることがより好ましい。厚さが10
μm未満では隠蔽性が悪くなり、100μmを超えると
酸素透過性が低下して多層フィルムの酸素吸収性能が悪
くなる。着色隠蔽層(12)を設けることにより、酸素
吸収層中に配合された鉄粉や添加物あるいは鉄粉が酸化
したときの錆が隠蔽され、外観に優れた酸素吸収多層フ
ィルムとなる。
【0016】着色隠蔽層(12)中に脱酸素剤を隠蔽す
るための着色用の顔料を添加した場合、着色隠蔽層(1
2)中のポリオレフィン量が減少するため、包装容器と
してヒートシール性、ホットタック性、耐衝撃性及び強
度が損なわれる場合がある。本発明者等は、フィルム表
面に、顔料等の無機物の添加されていないポリオレフィ
ンからなる無着色層(11)を設けることによりこの問
題を解決し、酸素吸収多層フィルムの強度、耐衝撃性及
び包装容器とした場合のヒートシール性、ホットタック
性を良好に保持することに成功した。
【0017】着色隠蔽層(12)と酸素吸収層(2)の
層間に酸素透過性のポリオレフィンからなる樹脂層(1
3)を設けることができる。樹脂層(13)は、無着色
層(11)同様に顔料を含まず、用いられる樹脂として
は、前記の無着色層(11)と同種のポリオレフィンが
用いられる。樹脂層(13)を着色隠蔽層(12)と酸
素吸収層(2)との層間に設けることにより、着色隠蔽
層(12)中の顔料や酸素吸収層(2)中の酸素吸収剤
により、樹脂量が低下することによる、層間接着強度の
低下を防ぐことができる。樹脂層(13)の厚みは、5
〜100μm 、好ましくは、10〜80μm とすること
が好ましい。着色隠蔽層(12)及び樹脂層(13)を
形成するために用いる樹脂の組み合わせは、同種の樹
脂、又は、互いに相溶性を有し熱融着が可能な異種の樹
脂を選択することが好ましい。
【0018】酸素吸収層(2)は、脱酸素剤を配合した
ポリオレフィンからなる酸素吸収性樹脂組成物からな
る。配合される脱酸素剤は、酸素吸収反応を起すること
ができるものであってポリオレフィン中に分散可能なも
のであれば必ずしも制限することなく使用できるが、金
属鉄を酸素吸収反応の主剤とする鉄系脱酸素剤が好まし
く、特に金属鉄と金属ハロゲン化物とを含有するものが
好ましい。さらには、鉄粉に金属ハロゲン化物を付着さ
せたものが、酸素吸収活性が高いので最も好ましい。
【0019】鉄系脱酸素剤において、主剤である金属鉄
としては、酸素吸収反応を起こしうるものであれば純度
等に特に制限することなく使用でき、例えば、表面の一
部が既に酸化しているものあるいは鉄以外の金属を含有
するものであっても使用できる。また金属鉄は粉状又は
粒状など表面積の大きいものが好ましく、例えば、還元
鉄粉、噴霧鉄粉、電解鉄粉等の鉄粉、ダライ粉、鋳鉄、
鋼材等の各種鉄の粉砕物や研削品等が用いられる。鉄粉
は、酸素吸収層又は多層フィルムの厚さを薄くするため
に細かい方がよく、平均粒径が200μm以下の鉄粉が
好ましく、特に1〜100μmの鉄粉が好ましい。
【0020】金属ハロゲン化物は主剤である金属鉄の酸
素吸収反応に作用する触媒である。金属ハロゲン化物と
しては、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の
塩化物、臭化物、ヨウ化物が用いられ、リチウム、ナト
リウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウ
ム等の塩化物が好ましく用いられる。金属ハロゲン化物
の配合量は、金属鉄100重量部当たり好ましくは0.
1〜20重量部、より好ましくは0. 1〜5重量部であ
る。0. 1重量部未満であると、鉄粉が酸素吸収するた
めの十分な水分を吸着することができず、20重量部を
超えると、水分を過剰に吸着し、鉄粉の酸素吸収を阻害
するという問題が発生する。特に、鉄粉表面に金属ハロ
ゲン化物を付着させる場合は、金属ハロゲン化物の配合
量を少なくすることができる。
【0021】金属ハロゲン化物は、脱酸素剤組成物を構
成する成分として金属鉄とともに樹脂中に配合される。
樹脂中で容易に分離しないよう、配合前に予め金属と混
合して金属鉄に付着させてから樹脂に添加することが好
ましい。例えば、らいかい機、ボールミル、スピードミ
ル等を用い金属ハロゲン化物粉と鉄粉を混合する方法、
鉄粉表面の凹部に金属ハロゲン化物を埋め込む方法、バ
インダーを用いて金属ハロゲン化物を鉄粉表面に付着さ
せる方法、金属ハロゲン化物水溶液と鉄粉を混合した後
乾燥して鉄粉表面に金属ハロゲン化物を付着させる方法
等の方法がとられる。金属ハロゲン化物水溶液と鉄粉を
混合した後乾燥して鉄粉表面に金属ハロゲン化物を付着
させる方法が特に好ましい。
【0022】酸素吸収層(2)に用いるポリオレフィン
としては、具体的には、低密度ポリエチレン、直鎖状低
密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエ
チレン及びメタロセンポリエチレン(又は共重合体)な
どのポリエチレン類、ポリプロピレン、プロピレン─エ
チレンランダム共重合体、プロピレン─エチレンブロッ
ク共重合体及びメタロセンポリプロピレン(又は共重合
体)などのポリプロピレン類、ポリメチルペンテンなど
のポリオレフィン類(又は共重合体)、エチレン−プロ
ピレンゴム等のエラストマー類、エチレン酢酸ビニル共
重合体あるいはこれらの混合物が挙げられる。本発明の
酸素吸収包装容器がレトルト処理又はハイレトルト処理
される場合には、酸素吸収層(2)に用いるポリオレフ
ィンは融点が135℃以上であることが好ましい。酸素
透過層(1)及び酸素吸収層(2)を形成するために用
いられる樹脂の組み合わせは、同種の樹脂、又は、互い
に相溶性を有し熱融着が可能な異種の樹脂を選択するこ
とが好ましい。
【0023】酸素吸収層(2)を構成する酸素吸収性樹
脂組成物中に、アルカリ土類金属酸化物を水分捕捉剤と
して添加することが好ましい。アルカリ土類金属酸化物
としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ス
トロンチウム、酸化バリウムが挙げられ、入手しやす
さ、反応性等の点から、酸化マグネシウム及び酸化カル
シウムが特に好ましい。アルカリ土類金属酸化物の粒子
の大きさは、平均粒径1〜200μmの範囲が好まし
く、1〜50μmの範囲がより好ましい。アルカリ土類
金属酸化物の粒径は脱酸素剤組成物の粒径に同等もしく
はそれより細かいことが好ましい。上記アルカリ土類金
属酸化物を酸素吸収層(2)に配合することにより、酸
素吸収多層フィルムを製造する際に水分に起因する発泡
を防止することができ、外観の良好な酸素吸収多層フィ
ルムを得ることができる。
【0024】さらに、本発明においては、保存する内容
物の香味を保持するため、吸着性消臭剤を酸素吸収性樹
脂組成物中に添加してもよいし、あるいは着色隠蔽層
(12)中に添加してもよい。酸素吸収性樹脂組成物又
は多層フィルムは若干の樹脂臭を発することがあるが、
吸着性消臭剤を添加することにより、この問題が解決さ
れる。吸着剤の吸着性能は一般に比表面積が大きい程良
好である。吸着剤は比表面積が100m2 /g(BET
法)以上のものが好ましく、500m2 /g以上のもの
が特に好ましく用いられる。吸着剤としては、23℃、
RH60%以下に保存した時に水分を2%以上吸着する
ものが好ましく、具体的には活性炭、ゼオライト、活性
アルミナ等が挙げられる。この中で、異味・異臭成分を
吸着する機能が高いことから活性炭が最も好ましい。
活性炭としては、椰子殻、木材、石炭を原料としたもの
が使用される。活性炭の製法に特に制限はないが、水蒸
気賦活法、塩化亜鉛賦活法等の製法で得られた活性炭が
好ましい。活性炭の粒径は平均粒径として、1〜200
μmの範囲が好ましく、1〜50μmの範囲がより好ま
しい。活性炭の粒径は、脱酸素剤の粒径と同等もしくは
それより細かいことが望ましい。活性炭には乾燥したド
ライ炭及び水分を予め含有させたウェット炭があるが、
本発明に用いられる活性炭は、ドライ炭が好ましく、水
分含有量10%(JISK1470)以下のドライ炭が
特に好ましい。活性炭の水分が多いほど、活性炭中の水
分を除去するためのアルカリ土類金属酸化物の添加量が
多く必要とされるため好ましくない。活性炭の吸着性能
は一般にメチレンブルー脱色力(JISK1470)及
びカラメル脱色力(JISK1470)により表わされ
るが、異臭成分を効率よく吸着するためには、メチレン
ブルー脱色力及びカラメル脱色力ともに高い方が好まし
く、具体的には、メチレンブルー脱色力が150ml/
g以上及びカラメル脱色力が90%以上の活性炭が好ま
しい。
【0025】酸素吸収性樹脂組成物中の脱酸素剤の含有
率は、2〜93重量%が好ましく、5〜70重量%がよ
り好ましい。脱酸素剤の含有量が2重量%未満では十分
な酸素吸収性能が得られず、また93重量%を超えると
樹脂組成物としての機械的強度や成形性に問題を生じ
る。酸素吸収性樹脂組成物中の吸着剤の含有量は、0.
1〜5重量%が好ましい。吸着剤の含有量が0. 1重量
%未満では十分な香味保持性が得られず、また5重量%
を超えると樹脂組成物としての機械的強度や成形性に問
題を生じる。また、酸素吸収性樹脂組成物中のアルカリ
土類金属酸化物の含有量は、0. 1〜5重量%が好まし
い。アルカリ土類金属の含有量が0. 1重量%未満では
十分な水分除去効果が得られず、また5重量%を超える
と脱酸素反応に必要な水分までも吸着し、酸素吸収反応
を阻害するため好ましくない。酸素吸収層(2)の厚さ
は、10〜200μmが好ましく、20〜100μmが
より好ましい。厚さが10μmより薄いと多層フィルム
の吸収性能が不十分であり、200μmより厚いと多層
フィルムの柔軟性が悪化する。
【0026】ガスバリア層(3)は、容器外部から侵入
する酸素を遮断する層であり、酸素ガスの透過性が低い
ガスバリア性材料が用いられる。例えば、アルミ箔等の
金属箔、エチレンービニルアルコール共重合体やポリ塩
化ビニリデンやナイロンMXD6製等のガスバリア性樹
脂フィルム、ポリエステルやナイロン等の樹脂フィルム
に酸化アルミニウムや酸化珪素等を蒸着したセラミック
蒸着フィルム、樹脂フィルムにアルミニウム等の金属を
蒸着した金属蒸着フィルム並びに樹脂フィルムにポリ塩
化ビニリデン等のガスバリア性樹脂を被覆した被覆フィ
ルムが単独又は組合せて用いられる。ガスバリア層の酸
素透過度は、層の数及び厚みに関係なく、100cc/m
2 ・day ・atm (23℃、100%RH)未満が好まし
く、50cc/m2 ・day ・atm (23℃、100%R
H)未満がより好ましい。
【0027】また、ガスバリア層の外側の表面に熱可塑
性樹脂からなる保護層(4)を積層することが好まし
い。保護層(4)はガスバリア層(3)をピンホールや
傷等の損傷から守るために設けられる。また保護層
(4)は、酸素吸収多層フィルムを用いて包装容器とし
た場合のヒートシール性を高める役割を担っている。そ
のため保護層(4)には、無着色層(11)の融点より
10℃以上高い融点を有する熱可塑性樹脂が好ましく用
いられる。酸素吸収多層フィルムを構成するフィルム層
の組み合わせにこのような融点差を設けることにより、
保護層(4)側から加熱した場合に、無着色層(11)
において良好なヒートシールが可能となる。
【0028】保護層(4)に用いられる樹脂として、具
体的には、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロ
ピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチ
レンブロック共重合体等のポリオレフィン、ナイロン
6、ナイロン6,6等のポリアミド樹脂、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエ
ステル樹脂及びこれらの組合せが挙げられる。これらの
中でも、多層フィルムの耐衝撃性を向上するため、ポリ
アミド樹脂の単独又はポリエステル樹脂との組み合わせ
が好ましく用いられる。
【0029】本発明では、無着色層(11)が表面に位
置し、無着色層(11)と着色隠蔽層(12)からなる
酸素透過層(1)、酸素吸収層(2)及びガスバリア層
(3)の各層からなる酸素吸収多層フィルムの構成によ
り、外観が良好で、強度、耐衝撃性及び包装容器とした
場合のヒートシール性、ホットタック性も良好な酸素吸
収多層フィルムが提供されるが、酸素吸収層(2)とガ
スバリア層(3)を接着するために接着剤と接着剤樹脂
のいずれか一方又は両方からなる接着層(5)を用いる
ことが好ましい。
【0030】接着剤樹脂を用いて接着層(5)を設ける
ことにより、脱酸素剤を配合した樹脂層において生じる
鉄粉粒子の突出部分を吸収し、酸素吸収層(2)の境界
面を平滑化し、酸素吸収層(2)とガスバリア層(3)
との接着性を強固なものとすることができる。接着剤樹
脂は、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエ
チレン、直鎖状低密度ポリエチレン及び高密度ポリエチ
レンなどのポリエチレン類、ポリプロピレン、プロピレ
ン─エチレンランダム共重合体及びプロピレン─エチレ
ンブロック共重合体などのポリプロピレン類及びポリエ
チレン類やポリプロピレン類の変性物、エチレン−プロ
ピレンゴム等のエラストマー類、エチレン酢酸ビニル共
重合体あるいはこれらの混合物が用いられる。酸素吸収
層(2)と同種の樹脂、又は、互いに相溶性を有し熱融
着が容易な異種の樹脂を選択することが好ましい。接着
剤樹脂からなる接着層(5)は、7〜80μmの範囲、
好ましくは15〜60μmの範囲の厚さで形成される。
【0031】酸素吸収層(2)とガスバリア層(3)と
の積層は、接着層(5)として接着剤を用いて積層して
もよい。接着剤としては、イソシアネート系接着剤、ウ
レタン系接着剤、ポリエステル系接着剤及びこれらの混
合物が挙げられる。尚、接着層(5)として、上記の接
着剤樹脂と接着剤とを組み合わせて用いてもよい。
【0032】本発明の酸素吸収多層フィルムの製造にお
いては、多層フィルムの層構成や各層材料の種類と性状
に応じて公知の各種ラミネーション法が採用でき、これ
らを組み合わせることによって最適化する事ができる。
たとえば、無着色層(11)を基材フィルムとし、その
上に着色隠蔽層(12)を押出しラミネーションし、次
いで、酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層(2)
を着色隠蔽層(12)上に押出しラミネーションし、さ
らに、酸素吸収層(2)側にガスバリア層(3)を接着
剤と接着剤樹脂のどちらか一方又は両方を用いてドライ
ラミネーションあるいは押し出しラミネーションして積
層することにより、酸素吸収多層フィルムが製造され
る。尚、ガスバリア層(3)上に保護層(4)をドライ
ラミネーション若しくは押し出しラミネーション等公知
のラミネート法により積層することも可能である。ま
た、熱可塑性樹脂からなる接着層(5)を基材フィルム
とし、その上に酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収
層(2)を押出しラミネーションし、次いで、酸素吸収
層(2)上に着色隠蔽層(12)と無着色層(11)を
順次押出しラミネーションし、接着層(5)にガスバリ
ア層(3)を接着剤と接着剤樹脂のどちらか一方又は両
方を用いてドライラミネーション又は押し出しラミネー
ションして積層することにより、酸素吸収多層フィルム
が製造される。さらに、ガスバリア層(3)側に保護層
(4)を公知のラミネート法により積層してもよい。接
着層(5)とガスバリア層(3)(及び保護層(4))
を予め積層した多層フィルム上に、酸素吸収層(2)以
下を積層する方法も可能である。あるいは、前記した各
方法において、着色隠蔽層(12)と無着色層(11)
を個別に押出しラミネーションする方法の代わりに、着
色隠蔽層(12)と無着色層(11)を共押出しラミネ
ーションする方法、あるいは無着色層(11)と酸素吸
収層(2)の間に着色隠蔽層(12)を押出しサンドイ
ッチラミネーションする方法も可能である。また、押出
しラミネーションに代えてドライラミネーション法を採
用することも可能である。さらに、無着色層(11)/
着色隠蔽層(12)/樹脂層(13)からなる3層フィ
ルムを基材フィルムとし、その上に酸素吸収性樹脂組成
物からなる酸素吸収層(2)を押し出しラミネーション
し、ついでガスバリア層(3)と保護層(4)とをドラ
イラミネーション又は押し出しラミネーションして積層
してもよい。この場合、樹脂層(13)と酸素吸収層
(2)との接着性を考慮すると、層(13)には無着色
層(11)と同種の樹脂を用いて2種3層フィルムとす
ることが好ましい。
【0033】本発明の酸素吸収多層フィルムを包装容器
の全体に、又はガスバリア性材料からなる包装容器の一
部に使用することにより、容器外から僅かに侵入する酸
素の他、容器内の酸素を吸収して、保存する内容物の酸
素による変質を防止することができる。すなわち、本発
明は、上記の酸素吸収多層フィルムが、容器壁面の少な
くとも一部に、かつ無着色層(11)を容器の内側位置
に配して使用されてなる酸素吸収包装容器に関するもの
である。酸素吸収多層フィルムを、袋、チューブ等の包
装容器に成形加工して使用することにより、また容器の
蓋材、トップシールフィルムなどの部材として使用する
ことにより、包装容器に脱酸素機能が付与される。容器
成形時には、無着色層(11)をヒートシール面として
使用する。さらに、袋部材の側面用フィルム2枚及び底
面用フィルム1枚の内の少なくとも1枚に酸素吸収多層
フィルムを用いて、自立性を有する袋(スタンディング
パウチ)として製袋することもできる。
【0034】本発明の酸素吸収多層フィルムからなる酸
素吸収包装容器は、無酸素状態に保存することが品質を
保持する上で好ましい物品の包装に用いられる。たとえ
ば、ジュース、酒、コーヒー、茶、ゼリー飲料、健康飲
料等の液状飲料、調味液、ソース、醤油、ドレッシン
グ、液体だし、マヨネーズ、味噌、すりおろし香辛料等
の調味料、クリーム、チョコレートペースト等のペース
ト状菓子、液体スープ、煮物、漬け物、シチュー等の液
状加工食品、そば、うどん、ラーメン等の生麺及びゆで
麺、精米、調湿米、無洗米等の調理前の米類や調理され
た炊飯米、五目飯等の加工米製品類、粉末スープ、だし
の素等の粉末調味料、工業材料、農薬や殺虫剤等の化学
薬品の溶液及び乳液、液体状及びペースト状医薬品、化
粧水、化粧クリーム、化粧乳液、整髪料、染毛剤、シャ
ンプー、液体及び粉末洗剤等の、食品や医薬品等に適用
できる。
【0035】本発明の酸素吸収包装容器は、食品または
医薬品を充填後に密封し、次いで85℃以上、135℃
以下の加熱処理を行うことができ、これによって食品や
医薬品の更に長期の保存が可能となる。すなわち、該包
装容器は前記温度範囲で加熱処理しても、耐熱性、密封
性、耐衝撃性に優れていて、酸素吸収性能が劣化しな
い。容器内の酸素を速やかに除去しさらに容器外から侵
入する酸素を効率よく遮断できるので、食品や医薬品の
品質保持に顕著な効果を発揮する。尚、殺菌のための加
熱時間には特に制限はないが、効果的な殺菌のためには
4分以上90分以下が好ましい。
【0036】
【実施例】本発明を実施例に沿ってさらに詳しく説明す
る。なお、本発明は実施例に必ずしも限定されない。 〔製造例1〕平均粒径30μmの還元鉄粉100kgを
加熱ジャケット付き真空混合乾燥機中に投入し、10m
mHgの減圧下140℃で加熱混合しつつ、塩化カルシ
ウム50重量%水溶液5kgを噴霧し、140℃で1時
間乾燥して、塩化カルシウムが鉄粉に付着した脱酸素剤
を得た。この脱酸素剤を篩い分けすることにより、80
μm 以上の粗粒を除去した。次に、ベント付き45mm
φ同方向回転二軸押出機と定量フィーダーからなる押出
し装置を用いて、メルトフローレートが10.0 g/
10分(190℃、2. 16kgf;JISK676
0)の直鎖状低密度ポリエチレンと上記脱酸素剤と平均
粒径20μmの酸化カルシウムとを重量比が59:4
0:1で混練し、ストランドダイから押出した。押出し
時にブレーカープレート部には80メッシュのスクリー
ンを用いた。押し出した酸素吸収性樹脂組成物を水冷後
破砕して、脱酸素剤を40重量%含有するマスターバッ
チAを得た。
【0037】〔実施例1〕単軸押出機、Tダイ、冷却ロ
ールからなる押出装置2組を有するタンデム押出ラミネ
ーターを用いて、低密度ポリエチレン(接着層(5))
/ナイロンMXD6系延伸フィルム(三菱化学(株)
製、商品名:ナイロンスーパーニール)(ガスバリア層
(3))の厚さが30μm /15μm の積層フィルムを
基材フィルムとし、これの低密度ポリエチレン側に、第
一押出機から、マスターバッチAからなる酸素吸収層
(2)を厚さ50μmで押し出しラミネーションし、酸
素吸収層(2)上に、酸素透過層(1)として酸化チタ
ンを10重量%含有した融点87℃のメタロセンポリエ
チレン(エクソン(株)製:商品名:EXACT3010C)から
なる着色隠蔽層(12)及び顔料等を添加していないメ
タロセンポリエチレンからなる無着色隠蔽層(11)を
着色隠蔽層(12)/無着色層(11)が20μm/2
0μmで着色隠蔽層が酸素吸収層と接するように共押出
しラミネートした。これにより無着色層(11)/着色
隠蔽層(12)/酸素吸収層(2)/接着層(5)/ガ
スバリア層(3)からなる酸素吸収多層フィルム帯状物
のロール体を得た。この多層フィルムの無着色層(1
1)側からの外観を観察したところ、酸素吸収層中の鉄
粉が着色隠蔽層(12)により隠蔽され、白色であり外
観良好であった。このフィルムの酸素透過層側からの突
き刺し強度(農林省告示1019に準拠)、MDとTD
方向の引き裂き強度(JIS P8116に準拠)、及
び23℃と5℃における衝撃強度(JIS P8134
に準拠)を測定した。結果を表1に示す。
【0038】この酸素吸収多層フィルムを幅20cmに
スリットしたものを包装材料とし、縦ピロー包装機を用
いて、100gの羊羹を連続的に充填包装した。無着色
層(11)が内側位置になるように折り曲げて製袋しな
がら羊羹を充填し、無着色層(11)面同士でヒートシ
ールにより密封して、羊羹包装体を作製した。充填包装
の操作は順調であり、酸素吸収多層フィルムの包装材料
としての加工性は優れていた。作製した羊羹包装体を9
0℃で30分間加熱殺菌処理した。処理後に袋の外観を
観察したところ、ヒートシール部に漏れ等の異常がな
く、さらに袋の熱収縮や変形もなかった。加熱殺菌処理
した羊羹包装体を25℃で30日間保存した後開封し、
中の羊羹の色や風味を評価した。保存後の羊羹は、酸化
臭等の異臭がなく、色や風味は良好に保持されていた。
さらに、袋の内面を観察したところ、酸素吸収層中の錆
等は隠蔽されていて、充填前の状態と同等の白色であっ
た。また、袋の充填口のヒートシール強度をプッシュプ
ルゲージで測定した所、15mm幅で3. 7kgの強度
を有していた。さらに、羊羹を充填した酸素吸収多層フ
ィルムからなる袋を厚生省告示3700号第3器具及び
容器包装の強度等試験法による高さ80cmからの落下
試験を行ったところ、シール性には異常がなく、内容物
の漏れはなかつた。
【0039】〔比較例1〕顔料等を添加していないメタ
ロセンポリエチレン(無着色層(11))の代わりに、
酸化チタンを10重量%含有したメタロセンポリエチレ
ンを使用したこと以外は実施例1と同様にして酸素吸収
多層フィルムの製造を行い、着色隠蔽層(12)/着色
隠蔽層(12)/酸素吸収層(2)/接着層(5)/ガ
スバリア層(3)からなる酸素吸収多層フィルム帯状物
のロール体を得た。実施例1と同様にして、突き刺し強
度、引き裂き強度及び衝撃強度を測定した。結果を表1
に示す。この酸素吸収多層フィルムを使用したこと以外
は実施例1と同様にして、羊羹包装体を作製し、加熱殺
菌処理と保存テストを実施した。処理後に袋の外観を観
察したところ、ヒートシール部に漏れ等の異常がなく、
袋の熱収縮や変形もなかった。また、保存後の羊羹は、
酸化臭等の異臭がなく色や味も良好に保持されていて、
袋の内面も充填前の状態と同等の白色であった。しか
し、袋の充填口のヒートシール強度をプッシュプルゲー
ジで測定した所、15mm幅で1. 7kgの強度しかな
かった。また、実施例1と同様の落下試験を行ったとこ
ろ、袋のシール部が剥がれ、内容物の漏れが発生した。
【0040】〔比較例2〕酸化チタンを10重量%含有
したメタロセンポリエチレン(着色隠蔽層(12))の
代わりに、顔料等を添加していないメタロセンポリエチ
レンを使用したこと以外は実施例1と同様にして酸素吸
収多層フィルムの製造を行い、無着色層(11)/無着
色層(11)/酸素吸収層(2)/接着層(5)/ガス
バリア層(3)からなる酸素吸収多層フィルム帯状物の
ロール体を得た。この酸素吸収多層フィルムを使用した
こと以外は実施例1と同様にして、羊羹包装体を作製
し、加熱殺菌処理と保存テストを実施した。処理後に袋
の外観を観察したところ、ヒートシール部に漏れ等の異
常がなく、袋の熱収縮や変形もなかった。しかし、30
日間保存後に開封した袋は、吸収層中の脱酸素剤が酸化
されて生じた鉄錆による褐色の染みが目視され、外観が
悪化していた。
【0041】〔比較例3〕顔料等を添加していないメタ
ロセンポリエチレン(無着色層(11))の代わりに酸
化チタンを10重量%含有したメタロセンポリエチレン
を使用し、酸化チタンを10重量%含有したメタロセン
ポリエチレン(着色隠蔽層(12))の代わりに顔料等
を添加していないメタロセンポリエチレンを使用したこ
と以外は実施例1と同様にして酸素吸収多層フィルムの
製造を行い、着色隠蔽層(12)/無着色層(11)/
酸素吸収層(2)/接着層(5)/ガスバリア層(3)
からなる酸素吸収多層フィルム帯状物のロール体を得
た。実施例1と同様にして、突き刺し強度、引き裂き強
度及び衝撃強度を測定した。結果を表1に示す。この酸
素吸収多層フィルムを使用したこと以外は実施例1と同
様にして、羊羹包装体を作製し、加熱殺菌処理と保存テ
ストを実施した。処理後に袋の外観を観察したところ、
ヒートシール部に漏れ等の異常がなく、袋の熱収縮や変
形もなかった。また、保存後の羊羹は、酸化臭等の異臭
がなく色や味も良好に保持されていて、袋の内面も充填
前の状態と同等の白色であった。しかし、袋の充填口の
ヒートシール強度をプッシュプルゲージで測定した所、
15mm幅で1. 8kgの強度しかなかった。また、実
施例1と同様の落下試験を行ったところ、袋のシール部
が剥がれ、内容物の漏れが発生した。
【0042】
【表1】
【0043】〔製造例2〕ベント付き45mmφ同方向
回転二軸押出機と定量フィーダーからなる押出し装置を
用いて、メルトフローレートが9. 0g/10分(19
0℃、2. 16kgf;JISK6760)のメタロセ
ンポリエチレン(ダウケミカル(株)製、商品名:AF
FNITYPT1450)と製造例1の脱酸素剤と平均
粒径20μm の酸化カルシウムとを重量比が59:4
0:1で混練し、ストランドダイから押出した。押し出
し時にブレーカープレート部に80メッシュのスクリー
ンを用いた。押し出した酸素吸収性樹脂組成物を水冷後
に破砕して、マスターバッチBを得た。
【0044】〔実施例2〕単軸押出機、Tダイ、冷却ロ
ールからなる押出装置2組を有するタンデム押出ラミネ
ーターを用いて、繰り出される直鎖状低密度ポリエチレ
ンからなる厚さ30μmのフィルム(接着層(5))の
片面に、第一押出機から、製造例2で得たマスターバッ
チBを厚さ60μmの酸素吸収層(2)として押出しラ
ミネーションし、第二押出機から、酸化チタンを15重
量%含有したメルトフローレートが7. 0g/10分
(190℃、2. 16kgf;JISK6760)の直
鎖状低密度ポリエチレンを酸素吸収層(2)上に厚さ2
5μmの着色隠蔽層(12)として押出し、さらに、直
鎖状低密度ポリエチレンからなる顔料等を添加していな
い無着色の厚さ30μmのフィルム(無着色層(1
1))を巻きだして、サンドイッチラミネーションを行
った。これにより無着色層(11)/着色隠蔽層(1
2)/酸素吸収層(2)/接着層(5)からなる多層フ
ィルムを得た。この多層フィルムの無着色層(11)側
からの外観を観察したところ、酸素吸収層中の鉄粉が着
色隠蔽層(12)により隠蔽され、白色であり外観良好
であった。
【0045】得られた多層フィルムの接着層(5)側
に、厚さ9μmのアルミ箔(ガスバリア層(3))を低
密度ポリエチレン(厚さ15μm )を介して押出しラミ
ネーションし、さらに、厚さが12μmで融点が255
℃のポリエチレンテレフタレートフィルム(保護層
(4))をドライラミネートし、無着色層(11)/着
色隠蔽層(12)/酸素吸収層(2)/接着層(5)/
ガスバリア層(3)/保護層(4)からなる酸素吸収多
層フィルム帯状物のロール体を得た。
【0046】高速自動充填包装機を用いて、上記の酸素
吸収多層フィルムを幅20cmにスリットしたものを巻
き出し、無着色層(11)を内方にして流れ方向の垂直
に幅10cmとなるように中心部で折り曲げ、二方を長
さ10cmでヒートシールして酸素吸収多層フィルムか
らなる袋を作成し、この袋にうどん用濃縮液体だし10
0gを充填し、充填口をヒートシールして三方がシール
された液体だし包装体を作製した。充填包装の操作は順
調であり、酸素吸収多層フィルムの包装材料としての加
工性は優れていた。作製した液体だし包装体を85℃で
30分間ボイル加熱殺菌処理した。処理後に袋の外観を
観察したところ、ヒートシール部に漏れ等の異常がな
く、さらに袋の熱収縮や変形もなかった。加熱殺菌処理
した液体だし包装体を25℃で30日間保存した後開封
し、液体だしの香りや風味を評価した。保存後の液体だ
しは、酸化臭等の異臭がなく、香りと風味は良好に保持
されていた。さらに、袋の内面を観察したところ、酸素
吸収層の錆等は隠蔽されていて、充填前の状態と同等の
白色であった。また、袋の充填口のヒートシール強度を
プッシュプルゲージで測定した所、15mm幅で3. 7
kgの強度を有していた。また、実施例1と同様の落下
試験を実施して、袋のシール部に異常がなく、内容物の
漏れがないことを確認した。
【0047】〔実施例3〕単軸押出機、Tダイ、冷却ロ
ールからなる押出装置2組を有するタンデム押出ラミネ
ーターを用いて、巻き出した顔料を添加していない直鎖
状低密度ポリエチレンからなる厚さ30μmのフィルム
(無着色層(11))の片面に、第一押出機から、酸化
チタンを15重量%含有したメルトフローレート7.0
g/10分(190℃、2.16kgf;JIS676
0)の直鎖状低密度ポリエチレンを無着色層(11)上
に厚さ15μm で押し出しラミネーションし(着色隠蔽
層(12))、第2押し出し機より、製造例2で得たマ
スターバッチBを厚さ60μmの酸素吸収層(2)とし
て着色隠蔽層(12)上に押出しラミネーションし、無
着色層(11)/着色隠蔽層(12)/酸素吸収層
(2)からなる多層フィルムを得た。この多層フィルム
の無着色層(11)側からの外観を観察したところ、酸
素吸収層中の鉄粉が着色隠蔽層(12)により隠蔽さ
れ、白色であり外観良好であった。以下実施例2と同様
にしてガスバリア層(3)と保護層(4)とを積層し、
無着色層(11)/着色隠蔽層(12)/酸素吸収 層
(2)/接着層(5)/ガスバリア層(3)/保護層
(4)からなる酸素吸収多層フィルムを得た。さらに、
実施例2と同様にして、うどん用濃縮液体だしの充填包
装、液体だし包装体のボイル加熱殺菌処理及び保存テス
トを実施した。加熱殺菌処理後の袋の外観は、ヒートシ
ール部に漏れ等の異常がなく、袋の熱収縮や内面同士の
ブロッキング(融着)もないことを確認した。また、3
0日間保存後の液体だしは、酸化臭等の異臭がなく、香
りと風味も良好に保持されていた。さらに、袋の内面を
観察したところ、酸素吸収層の錆等は隠蔽され、充填前
の状態と同等の白色であることを確認した。また、袋の
充填口のヒートシール強度をプッシュプルゲージで測定
した所、15mm幅で3. 8kgの強度を有していた。
実施例1と同様の落下試験を実施して、袋のシール部に
異常がなく内容物の漏れがないことを確認した。
【0048】〔実施例4〕実施例3で得られた酸素吸収
多層フィルム帯状物を幅25cmでスリットした原反
と、LLDPE;40μm/LDPE;20μm/塩化
ビニリデン被覆ナイロン;20μmからなる透明なバリ
ア性包装材を幅25cmでスリットしたバリア性包装材
とを用い、ダイロール式自動充填4方シール機で酸素吸
収多層体の無着色層(11)とバリア性包装材のLLD
PEとが内側位置に接触するようヒートシールにより3
方を貼り合わせ、25×40cmの袋を作成しながら、
調湿米1kgを充填し、充填口をヒートシールして、片
面が酸素吸収多層フィルムで他の片面が透明バリア性包
装材からなる4方シールの調湿米包装体を作製した。酸
素吸収多層フィルムはホットタック性に優れているた
め、調湿米充填時に袋底部のシール部に漏れ等の異常が
なく、問題なく調湿米を充填できることを確認した。
この調湿米包装体を25℃で30日間保存し、保存後に
開封して、香りや風味を評価した。保存後の調湿米は、
酸化臭等の異臭がなく、香りや風味も良好に保持されて
いた。さらに、袋の内面を観察したところ、酸素吸収層
の錆等は隠蔽されていて、充填前の状態と同等の白色で
あることを確認した。また、袋の充填口のヒートシール
強度をプッシュプルゲージで測定した所、15mm幅で
3.8kgの強度を有していた。実施例1と同様の落下
試験を実施して、袋のシール部に異常がなく、内容物の
漏れがないことを確認した。
【0049】〔製造例3〕メタロセンポリエチレンの代
わりに、融点が161℃、メルトフローレートが23g
/10分(230℃、2. 16kgf;JISK675
8)、曲げ弾性率が980MPa(JISK6758)
のプロピレン─エチレンブロック共重合体を用いたこと
以外は製造例2と同様にして酸素吸収性樹脂組成物を調
製して、マスターバッチCを得た。
【0050】〔実施例5〕単軸押出機、Tダイ、冷却ロ
ールからなる押出装置2組を有するタンデム押出ラミネ
ーターを用い、繰り出される融点160℃、曲げ弾性率
910MPaの顔料を含有しないプロピレン─エチレン
ブロック共重合体からなる厚さ40μmの無延伸ポリプ
ロピレンフィルム(無着色層(11))の片面に、第1
押出機から、酸化チタンを15重量%含有した融点16
1℃、メルトフローレート23g/10分(230℃、
2. 16kgf;JISK7210)、曲げ弾性率92
0MPa(JISK6758)であるプロピレン─エチ
レンブロック共重合体を20μmの厚さで層(11)上
に押出ラミネーションし(着色隠蔽層(12))、第2
押出機より上記マスターバッチCを厚さ40μmの酸素
吸収層(2)として押出しラミネーションして、着色隠
蔽層(12)上に酸素吸収層(2)を積層し、無着色層
(11)/着色隠蔽層(12)/酸素吸収層(2)から
なる多層フィルムを得た。この多層フィルムの無着色層
(11)側からの外観を観察したところ、酸素吸収層中
の鉄粉が着色隠蔽層(12)により隠蔽され、白色であ
り外観良好であった。
【0051】得られた多層フィルムの酸素吸収層(2)
側に厚さ9μmのアルミ箔(ガスバリア層(3))をド
ライラミネートし、さらに、アルミ箔にナイロン6から
なる厚さ15μm の延伸フィルム(保護層(4))と融
点255℃、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレー
トフィルム(保護層(4))とをドライラミネートし、
無着色層(11)/着色隠蔽層(12)/酸素吸収層
(2)/ガスバリア層(3)/保護層(4)/保護層
(4)からなる酸素吸収多層フィルム帯状物のロール体
を得た。
【0052】この酸素吸収多層フィルムを用い、無着色
層(11)が内側となるようにして自立性袋(スタンデ
ィングパウチ)を作製した。まず、酸素吸収多層フィル
ム帯状物から側面用フィルム(150mm×90mm)
2枚、底面用フィルム(55mm×90mm)1枚を切
り出し、底面用フィルムを2つ折りにし両端を一部切り
欠き、2枚の側面用フィルムの間に挟んで両者をヒート
シールして接合することによって、上部が開口した袋
(縦150mm×横90mm×底面幅55mm)を得
た。この自立性袋にスパゲティ用ミートソース150g
を充填し、開口部をヒートシールして密封し、ミートソ
ース包装体を作製した。袋内の空気量は約5ccであっ
た。ミートソース包装体を135℃で8分間加熱殺菌処
理した。処理後、袋の外観を観察したところ、ヒートシ
ール部に漏れ等の異常がなく、袋の熱収縮や内面同士の
ブロッキング(融着)もないことを確認した。処理後の
ミートソース包装体を25℃で30日間保存し、保存後
に開封して、香りや風味を評価した。保存後のスパゲテ
ィ用ミートソースは、酸化臭等の異臭がなく、香りと風
味は良好に保持されていた。さらに、袋の内面を観察し
たところ、フィルムの層間剥離や層の割れがないことを
確認した。また、袋の側面用フィルム同士のヒートシー
ル強度をプッシュプルゲージで測定した所、15mm幅
で4. 5kgの強度を有していた。実施例1と同様の落
下試験を実施して、袋のシール部に異常がなく内容物の
漏れがないことを確認した。
【0053】〔実施例6〕実施例5で用いた自立性袋に
お粥150gを充填し、開口部をヒートシールして密封
し、お粥包装体を作製した。袋内の空気量は約5ccで
あった。お粥包装体を135℃で8分間加熱殺菌処理し
た。処理後、袋の外観を観察したところ、ヒートシール
部に漏れ等の異常がなく、袋の熱収縮や内面同士のブロ
ッキング(融着)もないことを確認した。処理後のお粥
包装体を25℃で30日間保存し、保存後に開封して香
りや風味を評価した。保存後のお粥は、酸化臭等の異臭
がなく、香りと風味は良好に保持されていた。さらに、
袋の内面を観察したところ、フィルムの層間剥離や層の
割れがないことを確認した。また、袋の側面用フィルム
同士のヒートシール強度をプッシュプルゲージで測定し
た所、15mm幅で4. 7kgの強度を有していた。実
施例1と同様の落下試験を実施して、袋のシール部に異
常がなく内容物の漏れがないことを確認した。
【0054】〔実施例7〕単軸押出機、Tダイ、冷却ロ
ールからなる押出装置2組を有するタンデム押出ラミネ
ーターを用いて、繰り出されるプロピレン─エチレンブ
ロック共重合体からなる厚さ30μm、融点160℃、
曲げ弾性率910MPaの顔料を含有しない無延伸ポリ
プロピレンフィルム(接着層(5))の片面に、第1押
出機から、マスターバッチCを厚さ40μm の酸素吸収
層(2)として層(5)上に押し出しラミネーション
し、酸化チタンを15重量%含有した融点161℃、メ
ルトフローレート23g/10分(230℃、2. 16
kgf;JISK7210)、曲げ弾性率920MPa
(JISK6758)であるプロピレン─エチレンブロ
ック共重合体と酸化チタンを含有しない前記プロピレン
─エチレンブロック共重合体をそれぞれ20μmの厚さ
で無着色層(11)が酸化チタンを含有した着色隠蔽層
(12)と接し、酸化チタンを含有しない層を表面とな
るよう共押出ラミネーションし、無着色層(11)/着
色隠蔽層(12)/酸素吸収層(2)/接着層(5)か
らなる多層フィルムを得た。この多層フィルムの無着色
層(11)側からの外観を観察したところ、酸素吸収層
中の鉄粉が着色隠蔽層(12)により隠蔽され、白色で
あり外観良好であった。得られた多層フィルムの接着層
(5)に厚さ9μmのアルミニウム箔(ガスバリア層
(3))をドライラミネートし、さらに、アルミニウム
箔にナイロン6からなる厚さ15μm の延伸フィルム
(保護層(4))と融点255℃、厚さ12μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルム(保護層(4))とを
ドライラミネートし、無着色層(11)/着色隠蔽層
(12)/酸素吸収層(2)/接着層(5)/ガスバリ
ア層(3)/保護層(4)/保護層(4)からなる酸素
吸収多層フィルム帯状物のロール体を得た。以下実施例
6と同様にして、お粥包装体の作製、加熱殺菌処理、保
存テストを実施した。保存後のお粥は、酸化臭等の異臭
がなく、香りと風味が良好に保持されていた。また、袋
の側面用フィルム同士のヒートシール強度をプッシュプ
ルゲージで測定した所、15mm幅で4. 5kgの強度
を有していた。実施例1と同様の落下試験を実施して、
袋のシール部に異常がなく内容物の漏れがないことを確
認した。
【0055】〔実施例8〕外側の2層を各厚み15μm
の顔料を含有しない融点162℃、曲げ弾性率920M
Paのプロピレン−エチレンブロック共重合体とし、中
間層を厚さ20μm の酸化チタン15%を含有した上記
プロピレン−エチレンブロック共重合体とした無着色層
(11)/着色隠蔽層(12)/樹脂層(13)からな
る総厚み50μm の2種3層フィルムを共押し出しにて
作製した。単軸押出機、Tダイ、冷却ロールからなる押
出ラミネーターを用い、繰り出される上記2種3層フィ
ルムに、製造例3で調製したマスターバッチCを厚さ5
0μm の酸素吸収層(2)として押出しラミネーション
し、無着色層(11)/着色隠蔽層(12)/樹脂層
(13)/酸素吸収層(2)からなる多層フィルムを得
た。酸素吸収層(2)の表面外観を観察したところ、平
滑化されていることを確認した。得られた多層フィルム
の酸素吸収層(2)に、9μmのアルミ箔(ガスバリア
層(3))をドライラミネートし、無着色層(11)/
着色隠蔽層(12)/樹脂層(13)/酸素吸収層
(2)/ガスバリア層(3)からなる酸素吸収多層フィ
ルムを得た。以下実施例5と同様にして、スパゲティ用
ミートソース包装体の作製、加熱殺菌処理、保存テスト
を実施した。保存後のミートソースは、酸化臭等の異臭
がなく、香りと風味が良好に保持されていた。さらに、
袋の内面を観察したところ、フィルムの層間剥離や層の
割れがないことを確認した。また、袋の側面用フィルム
同士のヒートシール強度をプッシュプルゲージで測定し
た所、15mm幅で4. 5kgの強度を有していた。実
施例1と同様の落下試験を実施して、袋のシール部に異
常がなく内容物の漏れがないことを確認した。
【0056】以上の結果から明らかな様に、表面に無着
色層(11)のない比較例1と無着色層(11)と着色
隠蔽層(12)とが逆の位置にある比較例3では、酸素
吸収多層フィルムのヒートシール強度がそれぞれ1.7
kg、1.8kgと弱く、また着色隠蔽層(12)のな
い比較例2では、酸素吸収層中の脱酸素剤及び生じた鉄
錆による褐色の染みが目視され、酸素吸収多層フィルム
の外観が悪くなったのに対して、各実施例で示した本発
明の酸素吸収多層フィルムは、外観、突き刺し強度、引
き裂き強度、耐衝撃性、ホットタック性に優れ、またヒ
ートシール強度はいずれも3.7kg以上と高く、包装
材料としての諸物性が優れていた。また本発明の酸素吸
収包装容器は、保存物の香味保持性に優れていて、ボイ
ル処理、レトルト処理、ハイレトルト処理等高温の加熱
殺菌処理に対しても耐熱性、密封性に優れた包装容器で
ある。
【0057】
【発明の効果】本発明の酸素吸収多層フィルムは、酸素
吸収機能を持った包装材料として、外観に優れるのみな
らず、耐熱性、耐衝撃性、引き裂き、突き刺し等に対す
る強度に優れ、さらに良好な成形加工性も有している。
また、本発明の酸素吸収多層フィルムは、ヒートシール
性、ホットタック性に優れているため、この多層フィル
ムを用いて高速自動充填機による食品等の保存物の高速
自動充填包装が可能である。また、本発明の酸素吸収包
装容器は、高温での加熱殺菌処理を行った場合に、破
袋、熱収縮や層間剥離、内面同士のブロッキング(融
着)等の問題発生がないため、耐熱性と酸素吸収性能に
優れた包装容器として、食品等の長期保存用途において
有用に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸素吸収多層フィルムの1例を示す断
面図
【図2】本発明の酸素吸収多層フィルムの1例を示す断
面図
【図3】本発明の酸素吸収多層フィルムの1例を示す断
面図
【符号の説明】
層(1);酸素透過層 層(11);無着色層 層(12);着色隠蔽層 層(13);樹脂層 層(2);酸素吸収層 層(3);ガスバリア層 層(4);保護層 層(5);接着層

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方の表面が酸素透過性のポリオレフィン
    からなる酸素透過層(1)で、他方の表面がガスバリア
    層(3)からなり、これらの層に挟まれた酸素透過性の
    ポリオレフィンに鉄系脱酸素剤を配合した酸素吸収性樹
    脂組成物からなる酸素吸収層(2)から構成される酸素
    吸収多層フィルムにおいて、酸素透過層(1)が無着色
    層(11)と着色隠蔽層(12)との2層からなり、な
    おかつ無着色層(11)が表面層を形成することを特徴
    とする酸素吸収多層フィルム。
  2. 【請求項2】無着色層(11)と着色隠蔽層(12)の
    厚みが各々10〜100μm である請求項1記載の酸素
    吸収多層フィルム。
  3. 【請求項3】着色隠蔽層(12)と酸素吸収層(2)と
    が酸素透過性のポリオレフィンからなる樹脂層(13)
    を介して積層されてなる請求項1記載の酸素吸収多層フ
    ィルム。
  4. 【請求項4】ガスバリア層(3)に熱可塑性樹脂からな
    る保護層(4)が表面層として積層されてなる請求項1
    記載の酸素吸収多層フィルム。
  5. 【請求項5】酸素吸収層(2)とガスバリア層(3)と
    が、接着剤及び接着剤樹脂から選ばれる少なくとも一種
    からなる接着層(5)を介して積層されてなる請求項1
    記載の酸素吸収多層フィルム。
  6. 【請求項6】酸素吸収層(2)の酸素吸収性樹脂組成物
    が、ポリオレフィンに鉄系脱酸素剤及びアルカリ土類金
    属酸化物を配合した酸素吸収性樹脂組成物である請求項
    1記載の脱酸素性多層フィルム。
  7. 【請求項7】酸素吸収性樹脂組成物中に鉄系脱酸素剤が
    2〜93重量%及びアルカリ土類金属酸化物が0.1〜
    5重量%含有されることを特徴とする請求項6記載の酸
    素吸収多層フィルム。
  8. 【請求項8】無着色層(11)と着色隠蔽層(12)及
    び酸素吸収層(2)のポリオレフィンの融点がそれぞれ
    135℃以上であり、かつ保護層(4)の熱可塑性樹脂
    の融点が無着色層(11)のポリオレフィンの融点より
    10℃以上高いことを特徴とする請求項4記載の酸素吸
    収多層フィルム。
  9. 【請求項9】無着色層(11)と着色隠蔽層(12)及
    び酸素吸収層(2)のポリオレフィンの曲げ弾性率(J
    IS K6758)がそれぞれ1300MPa以下であ
    る請求項1記載の酸素吸収多層フィルム。
  10. 【請求項10】保護層(4)がポリアミド製保護層とポ
    リエチレンテレフタレート製保護層のどちらか一方又は
    両方からなる請求項4記載の酸素吸収多層フィルム。
  11. 【請求項11】請求項1乃至請求項10の何れかに記載
    の脱酸素性多層フィルムが、容器壁面の少なくとも一部
    に無着色層(11)を容器内方に配して使用されてなる
    酸素吸収包装容器。
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