JPH11123419A - 圧延装置及び圧延制御方法 - Google Patents

圧延装置及び圧延制御方法

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JPH11123419A
JPH11123419A JP9294133A JP29413397A JPH11123419A JP H11123419 A JPH11123419 A JP H11123419A JP 9294133 A JP9294133 A JP 9294133A JP 29413397 A JP29413397 A JP 29413397A JP H11123419 A JPH11123419 A JP H11123419A
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JP
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rolling
work rolls
pair
roll
rolls
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JP9294133A
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Inventor
Satoshi Murata
早登史 村田
Fumio Fujita
文夫 藤田
Matsuo Yoshimoto
松男 吉本
Masaaki Yamamoto
雅明 山本
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧延装置における材料の通板不安定状態の発
生を未然に抑制する。 【解決手段】 本発明は、材料1を圧延する一対のワー
クロール11a,11bと、一対のワークロールの上側
及び下側に位置し、一対のワークロール相互間に圧力を
加える一対の控えロール12a,12bとを備えた圧延
装置に適用される。そして、一対のワークロール11
a,11bの径の差を1mm以下に設定している。さら
に、一対のワークロール11a,11bの作業側及び駆
動側の圧延方向変位を測定する測定手段19a〜20b
と、この測定手段にて測定された圧延方向変位に基づい
て一対のワークロール11a,11bに対する作業側及
び駆動側の圧下位置を調整する圧下位置調整手段21,
22,18a,18bとを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば製鉄工場に
おいて、薄板熱間仕上ラインに組込まれた圧延装置及び
この圧延装置の圧延制御方法に係わり、特に、材料が圧
延装置に対して通板・尻抜け時の圧延安定性を改良した
圧延装置及び圧延装置の圧延制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】製鉄工場における薄板熱間仕上ラインに
おいては、圧延対象の材料を直線的に配列された複数の
圧延装置を順次通過させて所定の厚みに圧延するように
している。
【0003】一般に、所定長を有する各材料が圧延装置
を通過する場合に通板不安定状態が生じる。すなわち、
各圧延装置が自己に搬入された材料に対して圧延を開始
する場合、該当材料が圧延装置のロールバイトにかみ込
む時、及び該当材料に対する圧延を終了して材料が圧延
装置のロールバイト内を抜けていく時に、材料が幅方向
に曲がって折れ曲がり、ロールバイトにかみ込まなくな
って圧延を停止せざるを得ない事態になったり、材料が
破断してワークロールに損傷を与える場合がある。
【0004】この通板不安定状態が生じるのを未然に防
止する最も簡単な手法として、圧延装置の作業者が順次
圧延される各材料が圧延された時の材料の走行の仕方
(曲がり方)を観察して、この曲りが発生しない方向に
レベリング(ワークロール相互間のロールギャップの板
幅方向分布)を調整していた。
【0005】しかし、この作業者のマニュアル操作によ
るレベリング調整においては、最終的に圧延された材料
の品質に作業者の個人差が生じる問題がある。そこで、
近年、圧延装置のロールの軸方向の作業側、及び軸方向
の駆動側で検出される作業側圧延荷重と駆動側圧延荷重
との荷重差と、圧延される材料の幅方向への偏りとの間
に関連がある事に注目して、荷重差に応じて前述したレ
ベリングを調整して通板不安定状態を回避する技術が開
発されている(特開昭61−219411号公報)。
【0006】また、複数の圧延装置で順番に圧延される
材料における、連続する二つの圧延装置間の蛇行量を計
測して下流側の圧延装置におけるレベリング調整を行う
圧延制御方法も提案されている(特開昭61−1430
16号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た手法で通板不安定状態が発生することを防止する手法
においても、まだ、解消すべき次のような課題があっ
た。すなわち、通板不安定状態が発生する圧延装置相互
間の距離は5〜6mであり、一方、各圧延装置における
材料に対する圧延速度は最高で毎分1500m程度の高
速である。そのため材料が圧延装置相互間を通過するに
要する時間は約O.2秒という非常に短時間である。
【0008】したがって、圧延荷重を測定したり、圧延
された後の材料の蛇行量を測定した後に、この測定値に
基づいてレベリング調整していたのでは、十分な効果を
得ることは難しい。
【0009】さらに、特開昭61−219411号公報
においては、圧延荷重差を発生させる要因は、材料の幅
方向への蛇行のみならず、材料自体の板厚や材料の変形
抵抗の幅方向分布の偏り、圧延装置のロールの弾性変形
特性の作業側、駆動側での差異なども考えられる。した
がって、圧延荷重差を発生させる各要因を適切に分類し
て、各要因の物理量を計測して各要因毎にレベリング調
整を実施すればよいが、これらは相互に干渉し、効果的
に制御することが非常に困難である。
【0010】また、各圧延装置におけるワークロールの
ロール軸箱(軸受け箱)と圧延機ハウジングメタルとの
間のクリアランスを一定値以下に管理するようにロール
軸箱の変位を計測して変位が設定値を超えた時にライナ
ーメタルを交換する技術が提示されている(特開平4−
210808号公報)。
【0011】この提案技術によればロール軸箱の変位を
拘束すれば圧延の安定化が得られる。しかし、板厚制御
のためのロールギャップ変更やロール組替えを円滑に実
行するためには、ある程度のクリアランスは必要であ
る。したがって、上述したように、ロール軸箱と圧延機
ハウジングメタルとの間のクリアランスを必要以上に小
さくできない。
【0012】さらに、現在の技術においては、どのよう
な状況でロール軸箱が移動するかが明確に解明されてい
ないので、上述したようにクリアランスを必要以上に小
さくすると無駄な設備管理工事が多くなる可能性があ
る。このような事情から、現在の大部分の圧延装置にお
いては、ロール軸箱とワークロールとの間に存在するク
リアランスは完全に拘束した状態ではないので、ワーク
ロールの位置を完全に安定化させているわけではない。
【0013】本発明はこのような事状に鑑みてなされた
ものであり、材料を圧延する一対のワークロールの圧延
方向変位を測定することによって、たとえ材料の圧延開
始時や圧延終了時にこの一対のワークロールの圧延方向
位置が変化したとしても、ワークロール相互間のロール
ギャップを一定値に維持でき、材料の通板不安定状態の
発生を未然に抑制できる圧延装置及び圧延装置の圧延制
御方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、材料を圧延す
る一対のワークロールと、この一対のワークロールの上
側及び下側に位置し、一対のワークロール相互間に圧力
を加える一対の控えロールとを備えた圧延装置に適用さ
れる。
【0015】そして、上記課題を解消するために、請求
項1においては、一対のワークロールの径の差が1mm
以下であり、かつ、一対のワークロールの作業側及び駆
動側の圧延方向変位を測定する測定手段と、この測定手
段にて測定された圧延方向変位に基づいて一対のワーク
ロールに対する作業側及び駆動側の圧下位置を調整する
圧下位置調整手段とを備えている。
【0016】また、請求項2においては、一対のワーク
ロールの径の差が1mm以下であり、かつ、一対のワー
クロールの作業側及び駆動側の圧延方向変位を測定する
測定手段と、この測定手段にて測定された圧延方向変位
に基づいて一対のワークロールに対する作業側及び駆動
側のベンディング力を調整するベンディング力調整手段
とを備えている。
【0017】また、請求項3においては、一対のワーク
ロールの径の差が1mm以下であり、かつ、一対のワー
クロール及び一対の控えロールの各作業側及び駆動側の
圧延方向変位を測定する測定手段と、測定手段にて測定
された各圧延方向変位に基づいて一対のワークロールに
対する作業側及び駆動側の圧下位置を調整する圧下位置
調整手段とを備えている。
【0018】さらに、請求項4においては、一対のワー
クロールの径の差が1mm以下であり、かつ、一対のワ
ークロール及び一対の控えロールの各作業側及び駆動側
の圧延方向変位を測定する測定手段と、この測定手段に
て測定された各圧延方向変位に基づいて一対のワークロ
ールに対する作業側及び駆動側のベンディング力を調整
するベンディング力調整手段とを備えている。
【0019】本発明の圧延装置の圧延制御方法は、材料
を圧延する一対のワークロールの上側及び下側に、一対
のワークロール相互間に圧力を加える一対の控えロール
を備えた圧延装置に適用される。
【0020】そして、上記課題を解消するために、請求
項5においては、一対のワークロールの径の差を1mm
以下とし、かつ、一対のワークロールの作業側及び駆動
側の圧延方向変位を測定し、この測定された圧延方向変
位に基づいて一対のワークロールに対する作業側及び駆
動側の圧下位置を調整する。
【0021】また、請求項6においては、一対のワーク
ロールの径の差を1mm以下とし、かつ、一対のワーク
ロールの作業側及び駆動側の圧延方向変位を測定し、こ
の測定された圧延方向変位に基づいて一対のワークロー
ルに対する作業側及び駆動側のベンディング力を調整す
る。
【0022】また、請求項7においては、一対のワーク
ロールの径の差を1mm以下とし、かつ、一対のワーク
ロール及び一対の控えロールの各作業側及び駆動側の圧
延方向変位を測定し、この測定された各圧延方向変位に
基づいて一対のワークロールに対する作業側及び駆動側
の圧下位置を調整する。
【0023】さらに、請求項8においては、一対のワー
クロールの径の差を1mm以下とし、かつ、一対のワー
クロール及び一対の控えロールの各作業側及び駆動側の
圧延方向変位を測定し、この測定された各圧延方向変位
に基づいて一対のワークロールに対する作業側及び駆動
側のベンディング力を調整する。
【0024】次に、本発明の圧延装置と圧延装置の圧延
制御方法の動作原理を図面を用いて説明する。図2
(b)は一般的な圧延装置の断面模式図である。材料1
を圧延する一対のワークロール2a,2bの上側及び下
側にこのワークロール2a,2b相互間に圧力(圧延荷
重)を加える一対の控えロール3a,3bが配設されて
いる。そして、ワークロール2a,2bの半径をそれぞ
れRW,RW´とし、控えロール3a,3bの半径をR
Bとする。
【0025】一般に、このような構成の圧延装置におい
ては、ワークロール2a,2bを控えロール3a,3b
に対して材料1の圧延方向(圧延方向出側又は圧延方向
入側)に相対的にずらせるようにしている。そして、こ
のずれ量、すなわちオフセットをX0 とする。このよう
に、控えロール3a.3bに対してオフセットX0 を与
えることで、ワークロール2a,2bと控えロール3
a,3bとの接触力に水平成分が発生し、ワークロール
2a,2bは、オフセットを与えられた方向(圧延方向
出側又は圧延方向入側)に付勢されて安定すると考えら
れている。このオフセットX0 は一般に5mm以上に設
定されている場合が多い。
【0026】しかしながら、発明者等が実際の圧延状態
を詳細に調査した結果、特に材料1が圧延装置のワーク
ロール2a,2bにかみ込む時、及びワークロール2
a,2bから尻抜けする時にワークロール2a,2b
が、図2(a)の実線及び破線で示すように、圧延方向
(圧延方向入側又は圧延方向出側)に動く場合があるこ
とが観測された。
【0027】図3は、ワークロール2a,2bが控えロ
一ル3a,3bに対して圧延方向出側にオフセットして
おり、上側のワークロール2aの径RWが下側のワーク
ロール2bの径RW´よりO.3mm大きい条件におけ
る上側及び下側の各ワークロール2a,2bの各ロール
軸箱(軸受け箱)4a,4bの圧延方向(圧延方向出側
又は圧延方向入側)移動の測定結果を示す図である。な
お、ロール軸箱4a、4bの移動はワークロール2a,
2bの移動に対応していると見做している。
【0028】この図3から理解できるように、(1) 一つ
の前の材料(コイル)1の圧延終了時点、(2) 当該材料
(コイル)1の圧延開始直前、(3) 各ワークロール2
a,2bに対する噛み込み直後、(4) 材料1の抜け直
前、(5) 減速終了後、(6) 次の材料(コイル)1の圧延
前の各時点において、下側のワークロール2bの位置は
ほとんど変化しないが、ロール径が大きい上側のワーク
ロール2aは大きく変化することが確認できる。
【0029】図4は、各ワークロール2a,2bの両端
に設けられた作業側及び駆動側の各チョックの移動量か
ら各ワークロール2a,2bの前述した(1) 〜(6) の各
状態における圧延方向の移動量の測定結果を示す図であ
る。この測定結果からも、ロール径が大きい上側のワー
クロール2aは圧延方向に大きく変化することが確認で
きる。
【0030】このワークロール2a,2bの圧延方向の
移動は、通常の圧延時における力関係では考えられない
挙動であるため、従来その原因が明らかにされなかっ
た。そこで、発明者等はこの現象が以下のような原因に
よることを明らかにした。
【0031】すなわち、実際に材料1を圧延している状
態の上下のワークロール2a,2bの回転数が同じであ
りかつワークロール径RW,RW´がわずかに異なる場
合には、上下のワークロール2a,2bの周速度は微妙
に異なる。材料1が圧延装置から抜けた後に上下のワー
クロール2a,2bどうしが外周面で接触することによ
って,上下のワークロール2a,2bの速度(周速度)
の微妙な差に応じた、それぞれ逆方向のトルク(以下、
循環トルクと称する)が発生し,上下いずれか一方のワ
ークロール2a,2bが圧延中に付勢されていた方向と
逆方向に移動するという現象である。
【0032】この現象は、圧延装置自体が一種の弾性体
であり、圧延中はロール間に材料1が存在するため圧延
荷重による弾性変形によりワークロール2a,2b相互
間のロールギャップが広がっているが、圧延が終了し圧
延荷重がなくなった瞬間にこの弾性変形が元に戻ってこ
のロールギャップが小さくなることによって発生するも
のである。したがって、このワークロール2a,2bの
接触は、圧延される材料1の仕上板厚が薄い場合や、圧
延荷重が高いためにロールギャップ設定値が小さい場合
等に発生しやすい。
【0033】さらに、上下のワークロール2a,2bが
接触することによって発生する水平力は、図5,図6に
示すように、上下のワークロール2a,2bの径差と圧
延装置における設定ロールギャップ値、または上下のワ
ークロール2a,2bの径差と上下のワークロール2
a,2bにおける接触荷重に応じて大きく変化すること
が確認できた。
【0034】この測定結果によると、上下のワークロー
ル2a,2bの径差が小さい時(0.05mm)には水
平力の正負が逆転している。これは上下のワークロール
2a,2bの径差が0.1mm未満であると、圧延中の
熱膨張や摩耗により上下のワークロール2a,2bのロ
ール径RW,RW´の大小が変化して,ワークロール接
触時の接触面におけるトルク(循環卜ルク)の方向が変
化したためである。
【0035】上下のワークロール2a,2bの控えロー
ル3a,3bに対するオフセットX0 によって生じる圧
延方向の付勢力(図8(a)(b)に点線で示す)は通
常接触荷重の1%程度である。循環卜ルクによるワーク
ロールの圧延方向の付勢力は、図7及び図8(a)に示
すように、オフセットX0 による付勢力の数倍になるこ
とが確認されている。よって、オフセットによる付勢力
に対して逆向きに働けばワークロール2a.2b及びロ
ール軸箱4a,4bは容易に圧延方向(圧延方向出側又
は圧延方向入側)に移動してしまう。
【0036】図8(b)に示すように、上下のワークロ
ール2a,2bが材料1をかみ込んで圧延を開始すると
ロールギャップが開き、上下のワークロール2a,2b
が離れるため接触によって生じていたトルクがなくなる
ので、オフセットと逆向きに移動したワークロール2
a,2b及びロール軸箱4a,4bはオフセットにより
生じる付勢力の方向に移動する。
【0037】なお、前述した図8は、ワークロール2
a,2bが控えロール3a,3bに対して圧延方向出側
にオフセットしておりかつ上側のワークロール2aの径
RWが下側ワークロール2bの径RW´より大きい条件
において、(a)バー間(圧延材料尻抜け後かつ次材料
圧延前)、すなわち、上下のワークロール2a,2bが
接触状態と、(b)材料1に対する圧延状態とにおける
各ワークロール2a,2bに働く圧延方向の水平力及び
ワークロ一ル2a,2bの移動方向を示す図である。
【0038】図示するように、圧延時には上下のワーク
ロール2a,2bには循環トルクによる圧延方向の水平
力は作用しないが、バー間においては、上下のワークロ
ール2a,2bには循環トルクによる圧延方向の水平力
が作用することが理解できる。
【0039】一方、例えば熱間仕上ラインに組込まれた
圧延装置内では材料1の先端又は後端は正しい矩形形状
を維持できず、舌状,魚の尾状の形状となることが知ら
れている。また、前述したように、圧延材はさまざまな
幅方向の非対称性を有しているため圧延装置の上下のワ
ークロール2a,2bに対するかみ込み時又は尻抜け時
においては、材料1の全部の幅方向位置が同時に圧延開
始又は圧延終了しない。
【0040】このため、かみ込み時には上下のワークロ
ール2a,2bどうしが接触している状態から非接触状
態にロール軸長方向で同時に起こるとは限らず、作業
側,駆動側のどちらかだけが先にオフセット方向に動か
される場合がある。同様に、尻抜け時には、上下のワー
クロール2a,2bどうしの接触が同時に始まらず作業
側、駆動側のどちらかだけが先にオフセットと逆方向に
動かされる。
【0041】また、ワークロール2a,2bからハウジ
ングまでのクリアランス(例えばワークロール〜ワーク
ロールチョック,ワークロールチョック〜チョック支持
部)は,ワークロール2a,2bにおける作業側と駆動
側との間、あるいは上側と下側との間で等しくないのが
一般的である。このためワークロール2a,2bの圧延
方向位置が変化することによって上下,左右(駆動側、
作業側)の圧延方向のロール位置が変化することにな
る。
【0042】例えば、ワークロール2a,2bが、図2
に示すように、控えロール3a,3bに対して圧延方向
出側にオフセットしている場合を考える。上下ワークロ
ール2a.2bは、定常圧延中、図8(b)に示すよう
に、圧延方向出側に付勢されている。
【0043】しかし、ロールギャップの設定が小さい場
合、圧延していない時には、図8(a)に示すように、
圧延荷重のため上下のワークロール2a,2bが接触し
て,大径側(上側)のワークロール2aが圧延方向入側
に付勢されるように移動する。大径側(上側)のワーク
ロール2aが圧延方向入側に移動すると、控えロール3
aとのオフセットX0 により、ワークロール2aが控え
ロール3aに乗り上げる形となるためロールギャップも
変化する。図2(a)にこのワークロール2aの移動状
態を示す。ワークロール2aがΔXだけ圧延方向入側に
移動すると、このワークロール2aは圧下方向にもΔy
だけ移動(下降)することになる。
【0044】すなわち、ワークロール2aの圧延方向移
動量は材料1の幅方向でその値が一定とならずに、ロー
ルの軸方向位置でそれぞれ異なる値となる。具体的に
は、ワークロール2aの作業側と駆動側とでは異なる値
となる。
【0045】ワークロール2aの圧延方向移動量が異な
るとロールギャップの変化も軸方向位置で異なることと
なり圧下率(圧延荷重)が軸方向位置で異なることとな
る。そうなると、材料1は幅方向に曲がり、前述したよ
うな通板不安定状態が発生するもとの考えられる。図9
は、図4に示すワークロール圧延方向移動量測定結果か
ら圧下位置の変化を計算したものであるが、作業側,駆
動側のクリアランスの差に応じてロールギャップが変化
している。
【0046】発明者はこれを防止する方法として,以下
の方法を考案した。基本的に上記のようなメカニズムで
ワークロール2a,2bの圧延方向(圧延方向出側又は
圧延方向入側)の移動が発生する時、図2に示すよう
に、圧延方向出側にオフセットが設定してある場合、小
径側のワークロール2bは、常時圧延方向出側に付勢さ
れており、ハウジングからロール軸箱、ロール軸箱から
ワークロールの間のクリアランスをなくしているため、
特に対策を施さなくても安定した位置にある。
【0047】これに対して、大径側のワークロール2a
は他方のワークロール2bに接触する毎に圧延方向に大
きく移動する。しかし従来から圧延装置に組込むワーク
ロール2a,2bのロール径は常に上側のロール2aが
大きいわけではなく、上下どちらのロール径が大きくな
るかは不明である。
【0048】また、オフセットが無い(X0 =0)場合
には、上下のワークロール2a,2bは、圧延中は材料
1の前後から作用する張力によつて圧延方向入側,圧延
方向出側に移動することが考えられる。材料1を圧延せ
ず、空転しかつ上下のワークロール2a,2bが接触し
ている時は、循環トルクにより大径側ワークロール2a
は圧延方向入側に、小径側ワークロール2bは圧延方向
出側に移動すると考えられる。
【0049】また、圧延中の熱膨張や摩耗によってもロ
ール径は変化する。したがって、上下のワークロール2
a,2bに対して対策を施した。具体的には、各請求項
に記載したように、上下のワークロール2a,2bにワ
ークロールの作業側,駆動側の圧延方向変位を測定する
測定手段を設けている。さらに、少なくともワークロー
ル接触が発生し、入側方向への付勢力が働く間、すなわ
ち材料1の尻抜け時から次の材料1の通板時までの間、
ワークロール2a,2bの作業側,駆動側の圧延方向変
位に応じて作業側,駆動側の圧下位置を調整するか(請
求項1,3,5,7)、あるいは作業側,駆動側個別に
ワークロールに対するベンディング力を調整する(請求
項2,4,6,8)ことで、上下ワークロール2a,2
b相互間のロールギャップを一定に保つように制御して
いる。
【0050】また、上下のワークロール2a,2bが接
触した際には,図5,図6に示すように、ロール径差が
1mmを越えると上下ワークロール2a,2bの接触時
にワークロール2a,2b間にすべりが生じロール及び
圧延製品の表面性状が悪化することが観測された。その
ため上下のワークロール径差を1mm以下とした。
【0051】また、控えロール3a,3bについても以
下のように圧延方向移動の発生の可能性が考えられる。
すなわち、当該材料1の圧延終了後には,圧延装置は次
の材料1に備えるため減速を行う。つまりロール回転速
度を小さくする。控えロール3a,3bに注目すると,
圧延終了後はワークロール2a,2bから控えロール回
転方向と逆の力が加わり減速,すなわち回転速度を小さ
くすることになる。
【0052】例えば、図2に示すように、ワークロール
2a,2bが控えロール3a,3bに対して出側にある
場合、ワークロール2a,2bから控えロール3a,3
bに働く力は、圧延中(一定速度であるため減速させる
力は働かない)はオフセットによるワークロール2a,
2bと控えロール3a,3bの接触力の水平成分が働
き、控えロール3a,3bを圧延入側方向に付勢してい
る。
【0053】しかし、圧延終了後はオフセットによるワ
ークロール2a,2bと控えロール3a,3bの接触力
の水平成分が小さくなる一方で減速により控えロール3
a,3bはワークロール2a,2bから圧延方向出側の
力を受ける。簡単な計算によると、この減速による控え
ロール3a,3bが受ける圧延方向出側の力は0.5t
on以上になる。したがって、圧延中は圧延方向入側に
付勢されていた控えロール3a,3bが、圧延終了後の
減速時には圧延方向出側に移動することがあり得る。
【0054】発明者等は、これを防止する方法として、
上記のワークロール2a,2bに対する対策に加え、上
下の控えロール3a,3bに対する対策を施した。すな
わち、請求項3,4,7,8に示すように、上下の控え
ロール3a,3bの作業側,駆動側の圧延方向変位を測
定する測定手段を設け、ワークロール2a,2bの作業
側,駆動側の圧延方向変位と控えロール3a,3bの作
業側,駆動側の圧延方向変位に応じて作業側,駆動側の
圧下位置を調整するか(請求項3,7)、あるいは作業
側,駆動側個別にワークロールに対するベンディング力
を調整することで(請求項4,8)、上下のワークロー
ル間のロールギャップを一定に保つように制御してい
る。
【0055】
【発明の実施の形態】以下本発明の各実施形態を図面を
用いて説明する。 (第1実施形態)図1は本発明の第1実施形態に係わる
圧延制御方法を採用した圧延装置の概略構成図であり、
図1(a)は正面図であり、図1(b)は図1(a)の
A−A矢印で切断した場合の側断面図である。
【0056】図示しない材料を圧延するための一対のワ
ークロール11a,11bの上側及び下側に一対の控え
ロール12a,12bが配設されている。各ワークロー
ル11a,11bの各軸14a,14bの作業側及び駆
動側はロール軸箱15a,15bで支持されている。同
様に、各控えロール12a,12bの各軸16a,16
bの作業側及び駆動側はロール軸箱17a,17bで支
持されている。
【0057】この第1実施形態の圧延装置においては、
一対のワークロール11a,11bのうち上側のワーク
ロール11aの径RWが下側のワークロール11bの径
RW´より大きく、そのロール径の差は1mm以下に設
定されている。
【0058】そして、この一対のワークロール11a,
11bは図1(b)に示すように各控えロール12a,
12bに対して圧延方向出側にX0 だけオフセットされ
ている。
【0059】また各ワークロール11a,11bの各ロ
ール軸箱15a,15bは控えロール12a,12bの
各ロール軸箱17a,17bに対して、図示しないハウ
ジングと所定量(数mm)のクリアランスを保ちなが
ら、圧延方向に支持されている。
【0060】そして、上側の控えロール12aの作業側
及び駆動側のロール軸箱17a,17aには図示しない
ハウジングを介して圧下装置18a,18bが取付けら
れてる。この圧下装置18a,18bは控えロール12
aを介して材料を圧延する一対のワークロール11a,
11b相互間に圧下力(圧延荷重)を印加する。
【0061】また、この圧延装置内には、上側のワーク
ロール11aの作業側及び駆動側の圧延方向の変位(圧
延方向移動量ΔxOU,ΔxDU)を検出する一対の位置検
出器19a,19bが図示しないハウジングに取付けら
れている。同様に、下側のワークロール11bの作業側
及び駆動側の圧延方向の変位(圧延方向移動量ΔxOL
ΔxDL)を検出する一対の位置検出器20a,20bが
図示しないハウジングに取付けられている。
【0062】そして、各位置検出器19a,19b,2
0a,20bで検出された各ワークロール11a,11
bの作業側及び駆動側の各圧延方向移動量ΔxOU,Δx
DLはロールギャップ計算装置21へ送出される。ロール
ギャップ計算装置21には、例えば操作者又は上位計算
によって、ワークロール11a,11bの控えロール1
2a,12bに対するオフセットX0 、ワークロール1
1a,11bの径RW,RW´、控えロール12a,1
2bの径RBが予め入力されている。
【0063】ロールギャップ計算装置21は、検出され
た各ワークロール11a,11bの作業側及び駆動側の
各圧延方向移動量ΔxOU,ΔxDU,ΔxOL,ΔxDL
ら、ワークロール11a,11b相互間における作業側
及び駆動側のロールギャップ変化量ΔyO ,ΔyD を例
えば下式に基づいて算出する。
【0064】ΔyO =[X0 /(RW+RB)]×(Δ
OU+ΔxOL) ΔyD =[X0 /(RW+RB)]×(ΔxDU+Δ
DL) なお、ワークロール11a,11bの各ロール軸箱15
a,15bの変位を測定し、ロール軸箱変位をΔxとし
た場合には、ロール軸箱15a,15bとワークロール
11a,11b相互間のクリアランスを別途測定してお
き、Δxに加算すると更に精度が高くなる。
【0065】ロールギャップ計算装置21は算出したワ
ークロール11a,11b相互間の作業側及び駆動側の
ロールギャップ変化量ΔyO ,ΔyD を次の圧下位置設
定装置22へ送出する。
【0066】圧下位置設定装置22は入力された各ワー
クロール11a,11bの作業側,駆動側の各ロールギ
ャップ変化量ΔyO ,ΔyD に応じて作業側,駆動側の
各圧下位置18a,18bの圧下位置をそれぞれ調整す
る。
【0067】具体的には、作業側のロールギャップ変化
量ΔyO と駆動側のロールギャップ変化量ΔyD との差
を打ち消すように、作業側,駆動側の圧下位置変化量の
差を計算し作業側または駆動側の圧下位置を調整するべ
く圧下装置18a,18bを制御する。または、ロール
ギャップ変化量がなくなるように、作業側,駆動側の各
圧下位置18a,18bの圧下位置を調整する。
【0068】なお、前述したように、板厚の厚い材料等
のように、ギャップ設定値が大きく、たとえ材料の圧延
が終了して、材料が上下ワークロール11a,11bか
ら尻抜けしたとしても、上下ワークロール11a,11
bが接触しない場合には、大径の上側のワークロール1
1aを圧延方向入側に付勢する力は作用しないから、必
ずしも、上述した圧下装置18a,18bを用いてワー
クロール11a,11bのギャップに対する制御を実施
する必要はない。
【0069】このように構成された第1実施形態の圧延
装置においては、各ワークロール11a,11bの作業
側及び駆動側の圧延方向の変位を測定して、ワークロー
ル11a,11bが圧延方向(圧延方向出側又は圧延方
向入側)に変位することに起因するワークロール11
a,11b相互間のロールギャップの幅方向分布が変化
しないように、作業側及び駆動側の圧下位置を調整して
いる。
【0070】よって、常にワークロール11a,11b
のロール軸方向に亘って一定のロールギャップが保持さ
れ、たとえ材料の圧延装置に対するかみ込み時や、材料
の圧延装置からの尻り抜け時においても、材料が幅方向
に曲がって折れ曲がり、ロールバイトにかみ込まなくな
って圧延を停止せざるを得ない事態になったり、材料が
破断してワークロール11a,11bに損傷を与える通
板不安定状態が生じるのが極力抑制される。その結果、
圧延品質を向上できると共に、圧延ラインが停止するこ
とがなくなり、生産性を向上できる。さらに、圧延製品
の歩留まりを向上できる。
【0071】この第1実施形態の圧延装置を実際の工場
の圧延ラインに組込んで稼働させた結果、通板不安定状
態によるワークロールの組替え頻度は従来の40%以下
に減少し、圧延の安定性を飛躍的に高めることができ
た。
【0072】(第2実施形態)図10は本発明の第2実
施形態に係わる圧延制御方法を採用した圧延装置の概略
構成図であり、図10(a)は正面図であり、図10
(b)は図10(a)のA−A矢印方向から見た場合の
側面図である。図1に示す第1実施形態と同一部分には
同一符号が付してある。したがって、重複する部分の詳
細説明は省略する。
【0073】この第2実施形態の圧延装置においては、
上側及び下側のワークロール11a,11bの作業側及
び駆動側の各ロール軸箱15a,15bとの間にベンデ
ィングシリンダ25a,25bが組込まれている。そし
て、このベンディングシリンダ25a,25bはベンデ
ィング力設定装置27にてそのシリンダ圧力が可変設定
される。すなわち、ベンディング力設定装置27は、各
ワークロール11a,11bに対して、作業側と駆動側
とに対してそれぞれ個別にベンディング力を設定でき
る。
【0074】また、各ワークロール11a,11bの各
ロール軸箱15a,15bは控えロール12a,12b
の各ロール軸箱17a,17bに対して、作業側及び駆
動側の各ハウジング26a,26bと所定量(数mm)
のクリアランスを保ちながら、圧延方向に支持されてい
る。
【0075】このような構成の第2実施形態の圧延装置
において、ロールギャップ計算装置21は、図1に示す
第1実施形態のロールギャップ計算装置21と同様に、
ワークロール11a,11b相互間の作業側及び駆動側
の各ロールギャップ変化量Δy0 ,ΔyD を算出して、
ベンディング力設定装置27へ送出する。
【0076】ベンディング力設定装置27は、入力され
たワークロール11a,11b相互間の作業側,駆動側
の各ロールギャップ変化量Δy0 ,ΔyD に応じて作業
側,駆動側の各ベンディングシリンダ25a,25bの
ベンディング力をそれぞれ調整する。
【0077】具体的には、作業側のロールギャップ変化
量ΔyO と駆動側のロールギャップ変化量ΔyD との差
を打ち消すように、作業側,駆動側の圧下位置変化量の
差を計算し作業側または駆動側の圧下位置を調整するべ
くベンディングシリンダ25a,25bを制御する。ま
たは、ロールギャップ変化量がなくなるように、作業
側,駆動側の各ベンディングシリンダ25a,25bの
ベンディング力を調整する。
【0078】なお、前述したように、板厚の厚い材料等
のように、ギャップ設定値が大きく、たとえ材料の圧延
が終了して、材料が上下ワークロール11a,11bか
ら尻抜けしたとしても、上下ワークロール11a,11
bが接触しない場合には、大径の上側のワークロール1
1aを圧延方向入側に付勢する力は作用しないから、必
ずしも、上述した圧下装置18a,18bを用いてワー
クロール11a,11bのギャップに対する制御を実施
する必要はない。
【0079】このように構成された第2実施形態の圧延
装置においても、一対のワークロール11a,11b相
互間のロールギャップはロール軸方向に亘って一定値に
制御されるので、第1実施形態の圧延装置と同様に、圧
延品質を向上できる。
【0080】このように、ベンディングシリンダ25
a,25bを用いて各ワークロール11a,11bの姿
勢をベンディング力を用いて矯正することによって、通
板不安状態によるワークロールの組替え頻度は、従来装
置に比較して45%まで低下させることができた。
【0081】(第3実施形態)図11は本発明の第3実
施形態に係わる圧延制御方法を採用した圧延装置の概略
構成図であり、図11(a)は正面図であり、図11
(b)は図11(a)のA−A矢印で切断した場合の側
断面図である。図1に示す第1実施形態と同一部分には
同一符号が付してある。したがって、重複する部分の詳
細説明は省略する。
【0082】この第3実施形態の圧延装置においては、
一対のワークロール11a,11bの作業側及び駆動側
の圧延方向の変位(圧延方向移動量ΔxOU,ΔxDU,Δ
OL,ΔxDL)を検出する各位置検出器19a,19
b,20a.20bが設けられていると共に、上側の控
えロール12aの作業側及び駆動側の圧延方向の変位
(圧延方向移動量Δx´OU,Δx´DU)を検出する各位
置検出器23a,23bが設けられている。さらに、下
側の控えロール12bの作業側及び駆動側の圧延方向の
変位(圧延方向移動量Δx´OL,Δx´DL)を検出する
各位置検出器24a,24bが設けられている。
【0083】そして、これらの位置検出器23a,23
b,24a,24bで検出された各圧延方向移動量Δx
´OU,Δx´DU.´Δx´OL,Δx´DLは、他の位置検
出器19a,19b,20a,20bの各圧延方向移動
量ΔxOU,ΔxDU,ΔxOL,ΔxDLと共に、ロールギャ
ップ計算装置21aへ入力される。
【0084】ロールギャップ計算装置21aは、ワーク
ロール11a,11bの圧延方向移動量Δxと控えロー
ル12a,12bの圧延方向移動量Δx´との差の移動
量(Δx−Δx´)を新たな圧延方向移動量として下式
で、上側ワークロール11aと下側ワークロール11b
との間の作業側及び駆動側のロールギャップ変化量Δy
´O ,Δy´D を算出する。
【0085】Δy´O =[X0 /(RW+RB)]×
[(ΔxOU+ΔxOL)−(Δx´OU+Δx´OL)] Δy´D =[X0 /(RW+RB)]×[(ΔxDU+Δ
DL)−(Δx´DU+Δx´DL)] ロールギャップ計算装置21aは算出したワークロール
11a,11b相互間の作業側及び駆動側のロールギャ
ップ変化量Δy´O ,Δy´D を次の圧下位置設定装置
22へ送出する。
【0086】圧下位置設定装置22は入力されたワーク
ロール11a,11b相互間の作業側,駆動側の各ロー
ルギャップ変化量Δy´O ,Δy´D に応じて作業側,
駆動側の各圧下位置18a,18bの圧下位置をそれぞ
れ調整する。
【0087】このように構成された第3実施形態の圧延
装置においては、作業側及び駆動側のロールギャップ変
化量Δy´O ,Δy´D を算出する場合に、各ワークロ
ール11a,11bの圧延方向の移動量のみならず、前
述したようにロールギャップ変化量に影響を与える各控
えロール12a,12bの圧延方向の移動量も考慮され
ている。
【0088】したがって、より正確にロールギャップ変
化量が算出されるので、ワークロール11a,11b相
互間のロールギャプをより精度よく制御できる。よっ
て、圧延品質をより一層向上できる。
【0089】具体的には、各控えロール12a,12b
の圧延方向の移動量も圧下位置の制御に反映させること
によって、通板不安定状態によるワークロールの組替え
頻度は、従来装置に比較して第1実施形態における40
%からさらに30%まで低下させることができた。
【0090】(第4実施形態)図12は本発明の第4実
施形態に係わる圧延制御方法を採用した圧延装置の概略
構成図であり、図12(a)は正面図であり、図12
(b)は図12(a)のA−A矢印方向から見た場合の
側面図である。図10及び図11に示す第2及び第3実
施形態の圧延装置と同一部分には同一符号が付してあ
る。したがって、重複する部分の詳細説明は省略する。
【0091】この第4実施形態の圧延装置においては、
図11に示す第3実施形態の圧延装置における上側の控
えロール12aの作業側及び駆動側の圧延方向の変位
(圧延方向移動量Δx´OU,Δx´DU)を検出する各位
置検出器23a,23bが設けられている。さらに、下
側の控えロール12bの作業側及び駆動側の圧延方向の
変位(圧延方向移動量Δx´OL,Δx´DL)を検出する
各位置検出器24a,24bが設けられている。
【0092】そして、これらの位置検出器23a,23
b,24a,24bで検出された各圧延方向移動量Δx
´OU,Δx´DU.´Δx´OL,Δx´DLは、他の位置検
出器19a,19b,20a,20bで検出された上下
のワークロール11a,11bの各圧延方向移動量Δx
OU,ΔxDU,ΔxOL,ΔxDLと共に、ロールギャップ計
算装置21aへ入力される。
【0093】ロールギャップ計算装置21aは、図11
の第3実施形態の圧延装置と同様に、ワークロール11
a,11bの圧延方向移動量Δxと控えロール12a,
12bの圧延方向移動量Δx´との差の移動量(Δx−
Δx´)を新たな圧延方向移動量として上側ワークロー
ル11aと下側ワークロール11bとの間の作業側及び
駆動側のロールギャップ変化量Δy´O ,Δy´D を算
出して、ベンディング力設定装置27へ送出する。
【0094】ベンディング力設定装置27は、図10に
示す第2実施形態の圧延装置のベンディング力設定装置
27と同様に、入力されたワークロール11a,11b
相互間の作業側,駆動側の各ロールギャップ変化量Δy
´O ,Δy´D に応じて作業側,駆動側の各ベンディン
グシリンダ25a,25bのベンディング力をそれぞれ
調整する。
【0095】このように構成された第4実施形態の圧延
装置においては、作業側及び駆動側のロールギャップ変
化量Δy´O ,Δy´D を算出する場合に、各ワークロ
ール11a,11bの圧延方向の移動量のみならず、前
述したようにロールギャップ変化量に影響を与える各控
えロール12a,12bの圧延方向の移動量も考慮され
ている。
【0096】したがって、より正確にロールギャップ変
化量が算出されるので、ワークロール11a,11b相
互間のロールギャップをより精度よく制御できる。よっ
て、圧延品質をより一層向上できる。
【0097】具体的には、各控えロール12a,12b
の圧延方向の移動量もベンディング力の制御に反映させ
ることによって、通板不安状態によるワークロールの組
替え頻度は、従来装置に比較して第2実施形態における
45%からさらに35%まで低下させることができた。
【0098】なお、本発明は上述した第1乃至第4実施
形態の各圧延装置に限定されるものではなく、本発明の
要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得るこ
とはもちろんである。
【0099】例えば、各実施形態装置においては、材料
を圧延する一対のワークロール11a.11bのうち径
が大きい方が上側となっているが、下側のワークロール
11bが大径であってもよい。
【0100】また、ワークロール11a,11bの控え
ロール12a,12bに対するオフセット方向が圧延方
向入側であってもよいし、オフセットはなくてもよい。
また、位置検出器19a,19b,20a,20b,2
3a,23b,24a,24bは圧延方向出側に水平に
配設したが、ワークロール11a,11bの作業側,駆
動側の圧延方向位置が検出でき、圧延動作に支障になら
ない範囲であればよい。例えば、斜め上方や斜め下方か
らワークロール位置を検出してもよく、当然ながら圧延
方向入側に設置してもよい。さらに、ワークロール11
a,11bの軸心とずれた位置に設置することも可能で
ある。
【0101】また、位置検出器19a〜24bの設置個
所は、例えばワークロール11a,11bのバレル端部
の材料を圧延しない部分や、ワークロールネック部、ま
たはワークロール11a,11bのロール軸箱15a,
15bの外側に取付けてもよい。さらに、各位置検出器
19a〜24bの設置は1本のロールに対して3個所以
上であってもよい。
【0102】また、ワークロール11a,11bのロー
ル軸箱15a,15bの変位を検出してもよい。なお、
この場合、図3に示すように、ロール軸箱15a,15
bは若干ながら回転するため、ロール軸箱15a,15
bの回転成分と平行移動成分を区別するには、ロール軸
箱15a,15bにおける上下2個所以上の変位を検出
する方がよい。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように本発明の圧延装置及
び圧延制置の圧延制御方法においては、材料を圧延する
一対のワークロールにおける圧延方向の変位を測定し、
この測定値に基づいてワークロールに対する圧下位置や
ベンディング力を調整している。
【0104】したがって、たとえ材料の圧延開始時や圧
延終了時にこの一対のワークロールの圧延方向位置が変
化したとしても、ワークロール相互間のロールギャップ
を一定値に維持でき、材料の通板不安定状態の発生を未
然に抑制できる。よって、通板不安定状態によるワーク
ロールの組替え頻度を大きく低減させて圧延の安定性を
大幅に向上できるとともに圧延品質を向上でき、圧延製
品の歩留まりを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の圧延装置の概略構成
を示す正面図及び側断面図
【図2】 本発明の動作原理を説明するためのワークロ
ールの控えロールに対するオフセット状態を示す図
【図3】 各ワークロール軸箱の圧延方向の移動状態を
示す図
【図4】 ワークロール軸箱移動量から各ワークロール
の圧延方向の移動量の変化を示す図
【図5】 上下ワークロール接触時の水平力と設定ギャ
ップ値の関係を示す図
【図6】 上下ワークロール接触時の水平力と接触時の
荷重の関係を示す図
【図7】 水平力と上下ワークロール接触時の荷重の関
係を示す図
【図8】 ワークロールと控えロールとの間に働く力の
方向を説明するための図
【図9】 圧延方向へのワークロール移動によるギャッ
プ変化を示す図
【図10】 本発明の第2実施形態の圧延装置の概略構
成を示す正面図及び側断面図
【図11】 本発明の第3実施形態の圧延装置の概略構
成を示す正面図及び側断面図
【図12】 本発明の第4実施形態の圧延装置の概略構
成を示す正面図及び側断面図
【符号の説明】
1…材料 2a,2b,11a,11b…ワークロール 3a,3b,12a,12b…控えロール 4a,4b,15a,15b,17a,17b…ロール
軸箱 18a,18b…圧下装置 19a,19b,20a,20b,23a.23b,2
4a,24b…位置検出器 21,21a…ロールギャップ計算装置 22…圧下位置設定装置 25a.25b,26a,26b…ベンディングシリン
ダ 27…ベンディング力設定装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B21B 37/68 B21B 37/00 135 37/58 142Z (72)発明者 山本 雅明 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 材料を圧延する一対のワークロールと、
    この一対のワークロールの上側及び下側に位置し、前記
    一対のワークロール相互間に圧力を加える一対の控えロ
    ールとを備えた圧延装置において、 前記一対のワークロールの径の差が1mm以下であり、 かつ、前記一対のワークロールの作業側及び駆動側の圧
    延方向変位を測定する測定手段と、この測定手段にて測
    定された圧延方向変位に基づいて前記一対のワークロー
    ルに対する作業側及び駆動側の圧下位置を調整する圧下
    位置調整手段とを備えたことを特徴とする圧延装置。
  2. 【請求項2】 材料を圧延する一対のワークロールと、
    この一対のワークロールの上側及び下側に位置し、前記
    一対のワークロール相互間に圧力を加える一対の控えロ
    ールとを備えた圧延装置において、 前記一対のワークロールの径の差が1mm以下であり、 かつ、前記一対のワークロールの作業側及び駆動側の圧
    延方向変位を測定する測定手段と、この測定手段にて測
    定された圧延方向変位に基づいて前記一対のワークロー
    ルに対する作業側及び駆動側のベンディング力を調整す
    るベンディング力調整手段とを備えたことを特徴とする
    圧延装置。
  3. 【請求項3】 材料を圧延する一対のワークロールと、
    この一対のワークロールの上側及び下側に位置し、前記
    一対のワークロール相互間に圧力を加える一対の控えロ
    ールとを備えた圧延装置において、 前記一対のワークロールの径の差が1mm以下であり、 かつ、前記一対のワークロール及び前記一対の控えロー
    ルの各作業側及び駆動側の圧延方向変位を測定する測定
    手段と、この測定手段にて測定された各圧延方向変位に
    基づいて前記一対のワークロールに対する作業側及び駆
    動側の圧下位置を調整する圧下位置調整手段とを備えた
    ことを特徴とする圧延装置。
  4. 【請求項4】 材料を圧延する一対のワークロールと、
    この一対のワークロールの上側及び下側に位置し、前記
    一対のワークロール相互間に圧力を加える一対の控えロ
    ールとを備えた圧延装置において、 前記一対のワークロールの径の差が1mm以下であり、 かつ、前記一対のワークロール及び前記一対の控えロー
    ルの各作業側及び駆動側の圧延方向変位を測定する測定
    手段と、この測定手段にて測定された各圧延方向変位に
    基づいて前記一対のワークロールに対する作業側及び駆
    動側のベンディング力を調整するベンディング力調整手
    段とを備えたことを特徴とする圧延装置。
  5. 【請求項5】 材料を圧延する一対のワークロールの上
    側及び下側に、前記一対のワークロール相互間に圧力を
    加える一対の控えロールを備えた圧延装置の圧延制御方
    法において、 前記一対のワークロールの径の差を1mm以下とし、か
    つ、前記一対のワークロールの作業側及び駆動側の圧延
    方向変位を測定し、この測定された圧延方向変位に基づ
    いて前記一対のワークロールに対する作業側及び駆動側
    の圧下位置を調整することを特徴とする圧延装置の圧延
    制御方法。
  6. 【請求項6】 材料を圧延する一対のワークロールの上
    側及び下側に、前記一対のワークロール相互間に圧力を
    加える一対の控えロールを備えた圧延装置の圧延制御方
    法において、 前記一対のワークロールの径の差を1mm以下とし、か
    つ、前記一対のワークロールの作業側及び駆動側の圧延
    方向変位を測定し、この測定された圧延方向変位に基づ
    いて前記一対のワークロールに対する作業側及び駆動側
    のベンディング力を調整することを特徴とする圧延装置
    の圧延制御方法。
  7. 【請求項7】 材料を圧延する一対のワークロールの上
    側及び下側に、前記一対のワークロール相互間に圧力を
    加える一対の控えロールを備えた圧延装置の圧延制御方
    法において、 前記一対のワークロールの径の差を1mm以下とし、か
    つ、前記一対のワークロール及び前記一対の控えロール
    の各作業側及び駆動側の圧延方向変位を測定し、この測
    定された各圧延方向変位に基づいて前記一対のワークロ
    ールに対する作業側及び駆動側の圧下位置を調整するこ
    とを特徴とする圧延装置の圧延制御方法。
  8. 【請求項8】 材料を圧延する一対のワークロールの上
    側及び下側に、前記一対のワークロール相互間に圧力を
    加える一対の控えロールを備えた圧延装置の圧延制御方
    法において、 前記一対のワークロールの径の差を1mm以下とし、か
    つ、前記一対のワークロール及び前記一対の控えロール
    の各作業側及び駆動側の圧延方向変位を測定し、この測
    定された各圧延方向変位に基づいて前記一対のワークロ
    ールに対する作業側及び駆動側のベンディング力を調整
    することを特徴とする圧延装置の圧延制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007152352A (ja) * 2005-11-30 2007-06-21 Jfe Steel Kk 圧延機

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JP2007152352A (ja) * 2005-11-30 2007-06-21 Jfe Steel Kk 圧延機

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