JPH11123151A - 浴槽隙間部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シール材によるシーリング作業を必要とせ
ず、浴槽と壁等の間の隙間をシールできるようにした浴
槽隙間部材を提供する。 【解決手段】 浴槽を据え置き又は防水床等に嵌め込む
タイプの浴室において、ゴム等で成形した成形部材を浴
槽上縁と壁又はカウンタ等との隙間に装着してシールす
る。成形部材の上面は浴槽側に傾斜させる。成形部材の
上面に溝を設け、且つこの溝は浴室の洗い場側に向かっ
て下向き傾斜させる。成形材料中に抗菌・防黴剤を混入
させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、浴槽と浴室の壁又
はカウンタ等との隙間に装着してシールする浴槽隙間部
材に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の浴室においては、図７(イ) 、(ロ)
に示すように浴槽Ａの上縁と壁Ｂ（２面）又はカウンタ
Ｃとの接触部には、隙間をシールするためにシリコン等
のシール材Ｄを充填していた。このシーリング作業で
は、シール部以外の箇所が汚れないようにマスキングテ
ープを事前に貼り付け、指やヘラ等でシール材Ｄを隙間
に押し込み、余分なシール材Ｄは拭き取りながら形状を
整える。更に、シーリング後はマスキングテープを剥が
し、シール部の形状を手直しして最終的に仕上げてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来のシーリング
方式によると、次のような種々の問題点があった。 作業が面倒であり、施工時間が多く掛かる。 ある程度の熟練を要し、熟練度によって仕上げの良
否が決まる。 周囲を汚す場合があり、見栄えを悪くする。 シール材が完全に固まるのに長時間（最低２４時間
位）を要する。 シリコンだと低温では固まり難いため、寒冷地や冬
季にはひび割れが生じ易い。 シール部に黴が生え易い。 老化した際に取り替えができない。

【０００４】本発明は、このような従来の問題点を全て
解消するためになされ、シール材によるシーリング作業
を必要とせずに、浴槽と壁等との隙間をシールできるよ
うにした浴槽隙間部材を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の具体的手段として、本発明は、浴槽を据え置き又は防
水床等に嵌め込むタイプの浴室において、ゴム等で成形
された成形部材であって、前記浴槽上縁と浴室の壁又は
カウンタ等との隙間に装着してシールする浴槽隙間部材
を要旨とする。又、成形部材の上面は浴槽側に傾斜させ
たこと、成形部材の上面に溝を設け、且つこの溝は浴室
の洗い場側に向かって下向き傾斜させたこと、成形材料
中に、抗菌・防黴剤を混入させたこと、を特徴とするも
のである。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて詳説する。図１は、本発明に係る浴槽隙
間部材１の一例であり、ゴム等の弾性体により成形され
ており、断面が略三角形を呈し、上面１ａは浴槽２側に
傾斜した湾曲面に形成され、各角部１ｂは漸次肉薄にし
て尖っている。

【０００７】又、浴槽隙間部材１の浴槽２に接触する面
は、浴槽２の上縁２ａのＲ部に合わせて湾曲面に形成さ
れると共に、図２(イ) のように粘着材を塗布した粘着面
４に形成され、壁３と接触する面は平面に形成されると
共に、粘着材を塗布した粘着面５に形成されている。

【０００８】この浴槽隙間部材１は、前記粘着面４を浴
槽２の上縁２ａのＲ部に貼り付けると同時に、粘着面５
を壁３に貼り付けることで容易に装着し、浴槽２の上縁
２ａと浴室の壁３との間をシールすることができる。

【０００９】この場合、図２(ロ) に示すように浴槽隙間
部材１１の本体を硬質材例えば硬質プラスチック又は金
属等で形成し、湾曲上面１１ａの両側部１１ｂを軟質材
で形成し、この両側部１１ｂを浴槽２及び壁３に密に接
触させてシール性能を保持するようにしても良い。

【００１０】図３(イ) は、全体形状をほぼＬ型に形成し
た浴槽隙間部材２１を示すもので、即ち浴槽２の上縁２
ａの長手方向に対応する水平部２１ａと、上縁２ａの短
手方向に対応する水平部２１ｂと、これらの端部に形成
された垂直部２１ｃとが一体に成形されたものである。
前記垂直部２１ｃは、少なくとも浴槽２の上縁２ａの高
さＨ（図１）に対応させる。

【００１１】このように成形された浴槽隙間部材２１
は、断面形状及び粘着面は前記浴槽隙間部材１と同様に
構成して装着し、浴槽２の上縁２ａと浴室の壁３との隙
間をシールすることができる。この場合、浴室の角隅部
に据置され又は防水床等に嵌め込まれた浴槽に適用する
と、その浴槽と接する２面の直交壁への装着が効率良く
行える。

【００１２】図３(ロ) は、全体形状をほぼコ型に形成し
た浴槽隙間部材３１を示すもので、浴槽２の上縁２ａの
長手方向に対応する水平部３１ａと、その両側に対設さ
れた上縁２ａの短手方向に対応する水平部３１ｂと、こ
れらの端部に形成された垂直部３１ｃとが一体に成形さ
れている。そして、垂直部３１ｃは、前記と同様に少な
くとも浴槽２の上縁２ａの高さＨに対応させる。

【００１３】この浴槽隙間部材３１も、断面形状及び粘
着面は前記浴槽隙間部材１と同様に構成して装着するこ
とで、浴槽２の上縁２ａと浴室の壁３との隙間をシール
することができる。この場合は、浴槽と接する周囲３面
の壁又は２面の直交壁とカウンタ（図略）等に対する装
着が効率良く行える。

【００１４】図４は、更に他の浴槽隙間部材４１の実施
形態を示すもので、これはシール機能と排水機能とを合
わせ持つことを特徴とする。この浴槽隙間部材４１は、
上面に溝４２を形成した断面略Ｕ型を呈しており、壁３
と接触する面の上端４１ａは漸次肉薄にして尖ってお
り、浴槽２に接触する面の上端４１ｂは肉厚に形成され
ると共に、浴槽２側に傾斜する湾曲面４１ｃが形成され
その先端部は肉薄で尖っている。又、浴槽２に接触する
面及び壁３と接触する面は、それぞれ粘着材を塗布した
粘着面４４、４５に形成されている。

【００１５】この浴槽隙間部材４１は、前記粘着面４４
を浴槽２の上縁２ａのＲ部から垂直部にかけて貼り付け
ると同時に、粘着面４５を壁３に貼り付けることで容易
に装着し、浴槽２の上縁２ａと浴室の壁３との間をシー
ルすることができる。この場合は、浴槽２の上縁２ａと
浴室の壁３との間の隙間Ｓが大きい時に好適であり、前
記溝４２が排水機能を果たすことになる。

【００１６】図５は、浴槽隙間部材４１と基本的構成は
同じであるが、全体形状をコ型に形成した浴槽隙間部材
５１であり、浴槽２の長手方向に対応する水平部５１ａ
の溝５２は、一端側から他端側（浴槽２の排水口側）に
かけて漸次深くして下向き傾斜させ、浴槽２の短手方向
に対応する水平部５１ｂの溝５３は、いずれも奥端から
手前側つまり洗い場側にかけて溝５３をそれぞれ深くし
て下向き傾斜させ、しかも溝５２、５３は連通させる。
このように溝５２、５３を形成すれば、排水性能を向上
させることができ、しかも洗い場側に速やかに排水する
ことが可能となる。

【００１７】図６は、図５におけるＰ部の拡大図であ
り、符号５４はバスエプロンである。尚、図示は省略し
たが、同種のもので全体形状をＬ型に形成して実施する
ことも勿論可能である。

【００１８】更に、ゴム等の成形材料の中に抗菌・防黴
剤を混入すれば、衛生的でしかも黴の生えない浴槽隙間
部材を成形することができる。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
浴槽隙間部材を成形部材により構成し、これを浴室内の
浴槽と壁等の隙間に装着してシールできるようにしたの
で、従来のようなシリコン等によるシーリング作業を廃
止することができ、これにより次のような優れた効果を
奏する。 作業が簡単であり、施工時間を短縮することができ
る。 熟練を要さないため、誰でも簡単に仕上げられる。 周囲を汚すことはなく、見栄えを良くすることがで
きる。 シール材のように長時間の養生を必要としない。 寒冷地や冬季であっても容易に施工できる。 抗菌・防黴剤を入れることで黴の発生を未然に防止
することができる。 老化した際に取り替えが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る浴槽隙間部材の一例を示す要部の
概略図である。

【図２】(イ) は浴槽隙間部材の一部の破断斜視図、(ロ)
は材質を変えた浴槽隙間部材の一部の破断斜視図であ
る。

【図３】(イ) は全体形状をＬ型に成形した例、(ロ) はコ
型に成形した例をそれぞれ示す概略斜視図である。

【図４】本発明に係る浴槽隙間部材の他例を示す要部の
概略図である。

【図５】同じく、全体形状をコ型に成形した例を示す概
略斜視図である。

【図６】図５のＰ部の拡大斜視図である。

【図７】従来例を示すもので、(イ) はシリコン等のシー
ル材を施した概略斜視図、(ロ)はシール部の断面図であ
る。

【符号の説明】

１…浴槽隙間部材 ２…浴槽 ３…壁 ４、５…粘着面 １１、２１、３１、４１…浴槽隙間部材 ４２…溝 ４４、４５…粘着面 ５１…浴槽隙間部材 ５２、５３…溝 ５４…バスエプロン

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】浴槽を据え置き又は防水床等に嵌め込むタ
   イプの浴室において、ゴム等で成形された成形部材であ
   って、前記浴槽上縁と浴室の壁又はカウンタ等との隙間
   に装着してシールすることを特徴とする浴槽隙間部材。
2. 【請求項２】成形部材の上面は浴槽側に傾斜させた請求
   項１記載の浴槽隙間部材。
3. 【請求項３】成形部材の上面に溝を設け、且つこの溝は
   浴室の洗い場側に向かって下向き傾斜させた請求項１又
   は２記載の浴槽隙間部材。
4. 【請求項４】成形材料中に、抗菌・防黴剤を混入させた
   請求項１又は２又は３記載の浴槽隙間部材。