JPH11121971A - 電波吸収壁とその施工方法 - Google Patents

電波吸収壁とその施工方法

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JPH11121971A
JPH11121971A JP23651198A JP23651198A JPH11121971A JP H11121971 A JPH11121971 A JP H11121971A JP 23651198 A JP23651198 A JP 23651198A JP 23651198 A JP23651198 A JP 23651198A JP H11121971 A JPH11121971 A JP H11121971A
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radio wave
wall
field component
magnetic
magnetic field
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JP23651198A
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English (en)
Inventor
Toshitaka Tsurutome
敏孝 鶴留
Kimiharu Ota
公春 太田
Shozo Horie
章造 堀江
Tsutomu Nishiwaki
勤 西脇
Sadahiro Imai
禎宏 今井
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Hitachi Metals Ltd
Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に施工性に優れ、従来と同等以上に耐候
性、強度性にすぐれた構成のUHF帯用電波吸収壁の提
供。 【解決手段】 焼結フェライトタイル1を使用して、当
該磁性体を到来電波の電界成分方向に所要間隔を開けて
配置するすることにより、到来電波の磁界成分方向に比
較的大きな間隔を開けて配置することにより、470〜
770MHzにおける反射減衰量のピーク値が−14d
B以下の電波吸収特性を得るが、当該タイル寸法や磁界
方向の隙間寸法を適宜選定して、個々の外装材の裏面に
フェライトタイルを予め固着しておくことが可能で、湿
式工法でも個々の外装材を外壁を構成するように所要配
置したり、乾式工法でも外装材を外壁構成用の型枠への
配列作業と同時に電波吸収壁の施工が実施でき、作業性
が著しく向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、特にフェライト
タイルを用いた470〜770MHzのUHF帯域用電
波吸収壁に係り、外装材の裏面に直接あるいは外壁のユ
ニット工法を利用して外装材の裏面にフェライトタイル
をその到来電波の磁界成分方向に所定の間隔を設けて配
置することにより、反射減衰量のピーク値がUHF帯域
にあり、−14dB以下の電波吸収特性を得ることがで
き、さらに前記磁界成分方向の間隔を利用して格子状の
枠体を用いたり、また当該間隔の磁気ギャップ部に吸水
性のない非導電性材料を配置して電波吸収特性の安定化
を図ることが可能な電波吸収壁とその施工方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年の建築物の高層化に伴うテレビ電波
受信障害(テレビゴースト障害)の発生は大きな社会問
題となり、その対策に用いるテレビゴースト用電波吸収
壁(パネル)が不可欠になりつつあり、特に、フェライ
ト系電波吸収体は薄型で良好な電波吸収特性を示し、耐
候性にすぐれ、化学的にも安定であるため、ビル壁面に
取り付ける電波吸収材として多用されている。
【0003】従来より、磁気共鳴現象を利用した焼結フ
ェライト、すなわち、Mn−Zn系やNi−Zn系等の
焼結フェライトからなる板に金属板裏張りを施した構成
とすることにより、電波吸収能力にすぐれかつ比較的薄
板として利用できるため、実用化され、これらのフェラ
イト系電波吸収体は、一般的に寸法が100mm×10
0mmで厚さが5〜10mm程度のタイル状とし、これ
らを敷き詰めて施工し吸収壁体として構築される。
【0004】例えば、特公昭55−13600号公報に
は、従来の電波吸収体が有する、フェライト板と金属板
の熱膨張係数の相違によりフェライト板が剥離するとい
う問題を解決するため、補強材を埋設したコンクリー
ト、モルタル等の建築材料の表面に100mm×100
mmのフェライトタイルの磁性体板を固着させ、かつ磁
性体板の表面にモルタル等の外装材を施した3層構造の
構成が提案されている。
【0005】また、特公昭55−49798号公報は、
電波吸収特性を低下させず、フェライト板の使用枚数を
減少させ、建材としての実用性を高めることを目的とし
て、フェライト板を到来電波の磁界成分方向に連続とな
るように結合させ、電界成分の方向に不連続となるよう
に間隔をあけ配列した構成を開示している。
【0006】しかしこれら上記の構成では、フェライト
板の外側に配置される外装材を美観上から天然石や磁器
タイル等で構成することが要求される場合、外装材に十
分な強度をもたせるために外装材の厚みを厚くする必要
があり、この厚い外装材を装着することにより、電波吸
収特性は劣化してしまう。
【0007】また、電波吸収体が高層建築物の不要反射
電波による障害防止のため使用される場合、一般的に、
100MHz〜200MHz程度の周波数帯域での反射
減衰量が10〜15dB(絶対値)以上である電波吸収
特性が要求されるが、上記の構成では100MHzでの
吸収特性は良好であるが、200MHzでの特性が十分
には得られず、非常に狭帯域な電波吸収特性しか得られ
ない。
【0008】そこで、特開平2−170599号公報で
は、図7に示すごとく、上記特公昭55−49798号
に示される構成において、図の上下方向である磁界成分
方向の複数個のフェライトタイル1等の磁性体が連続し
て配列されている部分を、密着させず磁界成分方向寸法
の5%以下の隙間を設けることにより、外装材2の厚さ
が厚い場合の特性劣化を回復させ、電波吸収特性を必要
とされる周波数範囲に制御できる構成を提供している。
尚、図中符号3はコンクリート4内の構造用鉄筋であ
り、反射体を兼ねている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の電波吸収壁によ
るTVゴースト対策としてVHF帯域(100〜200
MHz付近)が主流であったが、今日では、近年の都市
の高密度化により、UHF帯域(470〜770MH
z)で良好な反射減衰量を有する電波吸収特性を有する
電波吸収壁も要求されつつあるが、上述の電波吸収壁
は、いずれもVHF帯域の不要電波吸収を目的としてい
る。
【0010】すなわち、特開平2−170599号の電
波吸収壁はVHFおよびUHF帯域を目的としている
が、UHF帯域について具体的な提案がなく、図8に示
すごとく、外装材厚みが22mm、スリットが1.0m
mの場合(a)に、100〜200MHz帯域に30d
Bのピーク値を有した反射減衰特性を示すが、外装材厚
みが22mm、スリットが6.0mmの場合(b)で
は、400MHzで8dB程度以下のピーク値を有した
反射減衰量を有する電波吸収特性しか得られていない。
【0011】従って、従来のVHF帯域を目的とした電
波吸収壁は周波数帯域が低周波に偏っているために、U
HF帯域で所要の反射減衰量を有する電波吸収特性が得
られない。さらに、UHF帯用電波吸収壁として実用化
するためには、耐候性、施工性、強度性にすぐれた構成
でなければならない。
【0012】又、従来の電波吸収壁では、フェライトタ
イルを到来電波の磁界成分方向に連続し、電界成分方向
に間隔を空けて配置する構成であるため、例えば湿式法
で外壁単位を成形する場合、数m四方の外壁形成用型枠
内に外装材を敷き並べ、さらにその上にフェライトタイ
ルを敷き並べるという方法により作製していたが、重く
大きなフェライトタイルを敷き並べる作業は、煩雑で極
めて作業性が悪いという問題があった。
【0013】この発明は、新たに要求されるUHF帯用
電波吸収壁として、反射減衰量のピーク値がUHF帯域
にあり、従来と同等以上の電波吸収特性と耐候性を有
し、特に、高い強度を有して施工性にすぐれた構成から
なり、またさらにVHF帯域用としても有用な電波吸収
壁とその施工方法の提供を目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】発明者らは、耐候性、施
工性、強度性にすぐれた構成のUHF帯用電波吸収壁を
目的に焼結フェライトタイルを使用した構成を種々検討
した結果、低透磁率のフェライトタイルを使用するとU
HF帯域に有効であることを知見し、さらに検討を加え
たところ、到来電波の磁界成分方向に大きく間隔を開け
てフェライトタイルを配置すると、低透磁率のフェライ
トタイルはもちろん、低透磁率でなくとも反射減衰量の
ピーク値が470〜770MHzの周波数帯域にあり、
かつ−14dB以下の電波吸収特性を有する電波吸収壁
が得られることを知見した。
【0015】発明者らは、上記構成の電波吸収壁の施工
方法について種々検討した結果、焼結フェライトタイル
を到来電波の磁界成分方向に大きく間隔をあけて配置す
ることから、湿式の外壁形成用型枠内に敷き並べた外装
材の上にフェライトタイルを敷き並べるという煩雑な作
業を必要とせず、予めフェライトタイルをその寸法や磁
界成分方向の間隔寸法を適宜選定して、例えばフェライ
トタイルより大きな寸法の外装材の裏面中央に直接張り
付けて、外装材を外壁形成用型枠内に配列するだけで、
到来電波の磁界成分方向に間隔をあけてフェライトタイ
ルを配置することが容易に実現できることを知見した。
【0016】また、発明者らは、例えば裏面にフェライ
トタイルを固着配置した外装材を乾式の外壁構成用枠体
に固着したり、フェライトタイルを格子状の配列用枠体
に配列支持させ、この配列用枠体を外壁構成用枠体に固
着することにより、簡単に外装材の裏面にフェライトタ
イルを配置でき、乾式工法をより容易にできること、さ
らには上記に湿式、乾式を問わず到来電波の磁界成分方
向のフェライトタイル間の隙間に吸水性のない非導電性
材料を介在させるように連接配置することで、磁気ギャ
ップが正確になり、かつ誘電率が安定するため、電波吸
収特性の劣化や経時変化がない電波吸収壁が容易に得ら
れることを知見した。
【0017】また、発明者らは、耐候性、施工性、強度
性にすぐれた構成のUHF帯域用電波吸収壁を目的に焼
結フェライトタイルを使用し、適切な電波反射体を配置
した構成を種々検討した結果、到来電波の磁界成分方向
に大きく間隔を開けてフェライトタイルを配置し、到来
電波の電界方向にタイルをほぼ連続配置して耐食性を有
するアルミニウムなどの導電性材料の板や箔からなる反
射体をタイル裏面に着設すると、施工性が優れ、反射減
衰量のピーク値が470〜770MHzにあり、かつ−
14dB以下の特性を有する電波吸収壁が得られるこ
と、さらにはかかる反射体の構成はVHF帯域用電波吸
収壁にも有効であることを知見し、この発明を完成し
た。
【0018】
【発明の実施の形態】図1A,図1Bに示す電波吸収壁
は、磁性体にフェライトタイル1を用いて到来電波の電
界成分方向(図の左右E方向)、磁界成分方向(図の上
下H方向)に間隙を開けてコンクリート4中に配置され
て外側が外装材2で覆われる構成で、さらにここでは各
フェライトタイル1にはその屋内側に耐食性材料の鉄筋
からなる反射体5を着設してある。尚、図中符号3はコ
ンクリート4内の構造用鉄筋である。
【0019】施工に際しては、図1Cに示すごとく、外
装材2の裏面中央部に所要寸法のフェライトタイル1を
接着しておき、外壁を構成する際、例えば湿式の場合、
外壁形成用型枠内に外装材2を配列、固着すると同時に
フェライトタイル1の配列が完了する。
【0020】この発明は、電波吸収壁の反射減衰量のピ
ークをより高い周波数にシフトさせてUHF帯域で良好
な電波吸収特性を得るため、フェライトタイル1の磁界
成分方向の長さの10%以上の間隙を開けて磁界成分方
向(H方向)にフェライトタイル1を配置するもので、
10%未満では高い周波数のUHF帯域において所要の
吸収特性が得られない。
【0021】フェライトタイル1として、透磁率の低い
フェライト材料を用いると、反射減衰量のピーク周波数
は高くなり、さらに磁界成分方向(H方向)に数%の間
隔を開けることにより高くなるが、数%ではUHF帯域
には至らない。従って、高い周波数で所要の電波吸収特
性を得るためには、透磁率の低いフェライトを用い、1
0%以上の間隔を開けるのが有効である。
【0022】一方、タイル1間隔がある程度まで増加す
るとフェライトタイルの透磁率は関与しなくなるので、
必ずしも低透磁率でなくてもよい。タイル1間隔の上限
は特にないが、外装材2の材質や厚みを考慮して選定す
る必要があり、好ましくはフェライトタイルの磁界成分
方向寸法の10〜80%、最も好ましくは外装材2厚み
が20〜30mmの場合、タイル間隔は30〜80%で
ある。
【0023】また、フェライトタイル1は図1に示すご
とく、電界成分方向に空隙を開けて配置するほか、図2
に示すごとくほぼ連続配置してもよく、そのタイル間隔
は外装材寸法や建築物の外壁構造に応じて適宜選定され
る。特に図1の構成ではフェライトタイル1の間隙が広
く、その間隙にまわり込むコンクリートの面積も広いこ
とから、コンクリートと外装材の接触面積が広くなり付
着力が向上する。
【0024】すなわち、フェライトタイル1が外装材2
の裏面に接着されていることと、フェライトタイル1,
1間の磁界成分方向の間隔にコンクリートなどの建築用
材料が回り込むことにより、特殊形状のフェライトや特
殊な固定方法をせずとも、フェライトがその自重により
下方向に落下するのを防止でき、フェライトタイル1の
ずれが防止される。
【0025】また、図2A,図2Bに示すように、電界
成分方向にほぼ連続配置され、磁界成分方向に間隙を開
けて配置される構成とした場合、図2Cに示すごとく外
装材2の裏面に接着されて、磁界成分方向の間隔にコン
クリートが回り込むことにより、フェライトタイル1が
その重量によって下方向に落下したりずれたりするのを
防止できるとともに、さらに電界成分方向に間隙を開け
て磁界成分方向に連続配置した場合よりも、フェライト
タイルの厚みがより薄くて済むので電波吸収壁全体を薄
型・軽量化できる。フェライトタイルの厚みは、フェラ
イトタイル寸法と電界成分方向の間隙の寸法に対応して
選定される。
【0026】従来から行われる湿式工法において、例え
ば、4m×4m程度の外壁形成用型粋10内に外装材を
敷き並べるが、この発明による電波吸収壁を構成するに
際して、フェライトー枚一枚の磁界成分方向の間に大き
な隙問をあけるため、例えば、外装材が45×90m
m、45×135mm、100×100mm等の磁器タ
イルの場合、フェライトタイル寸法や磁界ギャップ寸法
を適宜選定することが可能であり、図3Aに示すごと
く、外壁形成用型枠10に配置される個々の磁器タイル
等の外装材2の裏面にフェライトタイル1を予め固着さ
せることが可能であり、作業性が著しく向上する。
【0027】上述のごとく、フェライトタイルの磁界成
分方向の磁界ギャップには、上記の湿式の場合はコンク
リート、乾式の場合は枠体に用いられるけい酸カルシウ
ム板等が充填されるが、これらはいずれも吸水性があ
り、雨水等が浸透した場合に水分を蓄積しやすい。また
特にコンクリートはそれ自体に若干の水分が含まれてお
り、完全に乾燥するにはかなりの年数を要する。
【0028】このように前記磁界ギャップ部に水分が蓄
積されると、誘電率が増大して電波吸収性能が低下する
ほか、含水率の変化は吸収性能を不安定にする。そこ
で、この発明ではかかる磁界成分方向のフェライトタイ
ル1,1間の磁界ギャップ部分には、吸水性がなく、誘
電率が低い非導電性材料、例えば硬質ウレタン、塩化ビ
ニル材などを挿入することにより、水分に起因する電波
吸収性能の低下や変化を防止でき、さらには磁界ギャッ
プ寸法を正確に保つこともできる。
【0029】また、図3B,図3Cに示すごとく、上記
の非導電性材料からなり、フェライトタイル1を入れて
これを保持できる窓部6aを有して所要寸法の磁界ギャ
ップ6bを設けてなる連接ホルダー6を使用し、連接ホ
ルダー6にフェライトタイル1を保持させ、外壁形成用
型枠10内に配列、固着した外装材2の裏面に連接ホル
ダー6ごと接着あるいはボルト止めなど固着することに
より、フェライトタイル1を磁界成分方向に所定ギャッ
プを設けて簡単に配列、固着することができ、電波吸収
壁の施工が容易になる。さらに、粘着テープにフェライ
トタイルを貼りつけて連接ホルダーとすることも可能で
ある。なお、図示の連接ホルダー6は誇張して図示する
が、コンクリート回り込みなどを考慮して磁界ギャップ
6b以外はできるだけ小さくすると良い。
【0030】また、乾式工法の場合、種々構成の外壁パ
ネルが提案されているが、この発明による電界成分方向
に空隙を開けてかつ磁界成分方向に間隙を開けて配置さ
れる構成とした場合、例えば図4に示すごとく、フェラ
イトタイル1の配列に格子状の矩形配列用枠体20を使
用することが可能であり、外枠21に対して横内枠2
2、縦内枠23はフェライトタイル1の1枚分だけの荷
重に耐える材料を用いることができ、比較的強度の低い
簡単な補強材を使用することが可能である。なお、図4
に示す矩形配列用枠体20の横内枠22を上記の非導電
性材料で構成することも有効な方法である。
【0031】この発明において、図1に示す電波吸収壁
の例で、反射体5としてフェライトタイル1から15m
m以内の近傍に配置する反射筋を採用する場合は、ステ
ンレス鋼筋や防錆加工を施した鉄筋を用いる必要があ
る。特にUHF帯域で良好な電波吸収特性を得る場合、
反射体としての機能を維持するために、電界方向成分と
平行な横筋7のピッチを40mm以下で配置する必要が
ある。
【0032】しかし、あまり、横筋のピッチが小さいと
コンクリートが回り込まないため、30〜35mmが最
適である。フェライトタイルが電界方向に連続配置され
ている場合、電界方向・磁界方向ともに間隔がある場合
にも採用できる。また、図では縦筋のピッチは狭く表示
されているが、150mm程度が好ましい。
【0033】この発明において、図2に示す電波吸収壁
の例で、各フェライトタイル1にはその屋内側に金属薄
板や箔からなる反射体5を着設するに際し、電界方向に
切れ目なく装着してあり、フェライトタイル1の裏に両
面テープや接着材等で簡単に取付けられるので、非常に
作業性がよい。
【0034】反射体5の材料には、耐食性および導電性
を有するものがよく、Al、導電性テープ等の厚みの薄
い箔板、またはブリキ板、ステンレス鋼箔が選定でき、
図2のごとく、反射体5をフェライトタイルの裏面に設
置する場合は、その寸法がタイルの磁界成分方向の寸法
と同等またはそれ以下であって電界成分方向に連続して
装着する。また、フェライトタイルの密着部分の寸法は
少なくとも200mm以上、不連続部は100mm以下
であれば良い。
【0035】フェライトタイル1は、従来より使用され
ている正方形でなくとも、矩形状に成形され、到来電波
の磁界成分方向の長さが電界成分方向よりも短くてもよ
く、反対に到来電波の電界成分方向の寸法が磁界成分方
向よりも短くてもよい。磁界成分方向の長さが電界成分
方向長さよりも短い場合、磁界成分方向に開ける間隙寸
法がより小さくとも高い周波数へピーク値をシフトさせ
ることができる。
【0036】この発明の電波吸収壁において、フェライ
トタイルには公知のいずれの組成からなるフェライトも
利用でき、用途や吸収特性等に応じて適宜選定できる。
焼結フェライトには、Ni−Zn系、Ni−Cu−Zn
系、Mn−Zn系フェライトがある。なお、フェライト
タイルの透磁率は500以下が好ましいが、ターゲット
とする周波数が低い場合は1800〜2000程度のも
のも適用可能である。目標周波数が高い場合は低い透磁
率の材料を使用するのが好ましい。
【0037】さらに、フェライト組成に1〜10wt%
のCoOを添加含有させることによっても、UHF帯域
における電波吸収特性を良好とすることが可能である。
CoOの添加量はフェライトタイルの磁界成分方向に開
ける間隙により得られる電波吸収特性を考慮し、適宜選
定される。
【0038】この発明における建築用材料としては、コ
ンクリート、モルタル等の外壁用材料が使用されるが、
建物の外壁用建材として使用可能とするため、鉄筋、金
網、金属板等の金属骨材を埋設することが好ましい。さ
らに、コンクリート、モルタル等の普通外壁用材料の他
に、ガラス繊維、ビニール繊維等を含む非導電性繊維強
化コンクリートを採用することにより、高層建築物用と
してより強度化した電波吸収壁を得ることができる。
【0039】また、乾式工法により電波吸収壁を製作す
る場合、けい酸カルシウムなどの板状の建材をフェライ
トタイルとともに貼りつけることもできる。フェライト
タイルは前記建築用材料に、針金、金具、接着剤等によ
って固定されるか、あるいは建築用材料に予め作成され
ていた溝中に埋設されても良い。さらに、この発明の電
波吸収壁において、フェライトタイルの表面に配置する
外装材は、天然石板や磁器タイルなど公知の外装材でよ
く、両者間に固定材が適宜配置される。
【0040】
【実施例】
実施例1 この発明による電波吸収壁として、フェライトタイルに
100mm×100mm×6mm寸法の透磁率400の
Ni−Cu−Zn系焼結フェライトを使用し、鉄筋を埋
設させたコンクリートからなる建築用材料中に、図1A
に示すごとく、到来電波の電界成分方向に25mm、磁
界成分方向に70mmの間隔を開けて配置し、外装材は
23mm厚みのものを使用した。なお、反射体にはフェ
ライトタイルに密着配置した鉄筋を用いた。
【0041】この発明による電波吸収壁の電波吸収特性
を測定した結果を図5に示す。黒丸でプロットした反射
減衰量は、ピークが620MHzにあり、−25dBの
反射減衰量を得ている。
【0042】実施例2 この発明による電波吸収壁として、フェライトタイルに
100mm×100mm×6mm寸法の透磁率400の
Ni−Cu−Zn系焼結フェライトを使用し、鉄筋を埋
設させたコンクリートからなる建築用材料中に、到来電
波の電界成分方向に50mm、磁界成分方向に0mm、
5mm、10mm、30mmの種々間隔を開けて配置
し、外装材は15mm厚みのものを使用した。なお、反
射体には横筋(電界方向筋)を30mmピッチ、縦筋を
150mmピッチでフェライトタイルに密着配置した鉄
筋を用いた。
【0043】各種の電波吸収壁の電波吸収特性を測定し
た結果を図6に示す。磁界成分方向に密着、および5m
mの間隔を開けた従来の場合は、反射減衰量はそれぞれ
210MHz、390MHzでピークが得られているの
に対して、この発明による電波吸収壁の場合は、反射減
衰量のピークが周波数470MHz以上の帯域にシフト
し、ピークがそれぞれ490MHz、650MHzにお
いて−25dB以下の反射減衰量を得ている。
【0044】
【発明の効果】この発明は、焼結フェライトタイルを使
用した構成であり、施工性が特に優れ、かつ従来と同等
以上の耐候性、強度性にすぐれた電波吸収壁が得られ、
到来電波の磁界成分方向に比較的大きな間隔を開けてフ
ェライトタイルを配置する構成により、反射減衰量のピ
ーク値が470〜770MHzの周波数帯域にあり、か
つ−14dB以下の電波吸収特性を有するUHF帯用電
波吸収壁を容易に得られる。
【0045】この発明による電波吸収壁の施工方法は、
フェライトタイルを磁界成分方向にそれぞれ大きな隙間
を設けて配置するため、例えば、当該タイル寸法や磁界
方向の隙間寸法を適宜選定して、個々の外装材の裏面に
フェライトタイルを予め固着しておくことが可能で、外
装材の外壁形成用型枠への配列作業と同時に電波吸収壁
の施工が実施でき、作業性が著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】A、Bはこの発明による電波吸収壁の一実施例
を示す斜視説明図及び断面図、Cは外装材とフェライト
タイルの斜視説明図である。
【図2】A、Bはこの発明による電波吸収壁の他の実施
例を示す斜視説明図及び断面図、Cは外装材とフェライ
トタイルの斜視説明図である。
【図3】A、Bはこの発明の型枠による電波吸収壁の他
の実施例を示す外装材の裏面側から見た説明図、Cはフ
ェライトタイルの連接ホルダーの斜視説明図である。
【図4】この発明によるフェライトタイルの型枠の実施
例を示す正面説明図である。
【図5】周波数と反射減衰量との関係を示すグラフであ
る。
【図6】周波数と反射減衰量との関係を示すグラフであ
る。
【図7】A、Bは従来の電波吸収壁の構成例を示す説明
図及び断面図である。
【図8】周波数と反射減衰量との関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 フェライトタイル 2 外装材 3 構造用鉄筋 4 コンクリート 5 反射体 6 連接ホルダー 6a 窓部 6b 磁界ギャップ 10 外壁形成用型枠 20 配列用枠体 21 外枠 22 横内枠 23 縦内枠
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西脇 勤 大阪府三島郡島本町江川2丁目15−17 住 友特殊金属株式会社山崎製作所内 (72)発明者 今井 禎宏 大阪府三島郡島本町江川2丁目15−17 住 友特殊金属株式会社山崎製作所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外壁を構成する複数の外装材の各裏面に
    フェライトタイルからなる磁性体が直接あるいは配列用
    枠体を介して少なくとも1つ固着配置され、磁性体の屋
    内側に反射体が配置された電波吸収壁。
  2. 【請求項2】 請求項1において、複数の外装材の裏面
    に固着配置される磁性体が到来電波の電界成分方向に所
    要間隔あけるか又は連続して配置され、到来電波の磁界
    成分方向に当該磁性体の磁界成分方向の寸法の10%以
    上の間隔を開けて配置された電波吸収壁。
  3. 【請求項3】 請求項2において、複数の外装材が外壁
    構成用枠体内に配置され、複数の磁性体が配列用枠体に
    支持されて外装材の裏面の所要位置に固着配置された電
    波吸収壁。
  4. 【請求項4】 請求項2において、複数の磁性体が到来
    電波の磁界成分方向の磁性体間の隙間に、吸水性のない
    非導電性材料を配置している電波吸収壁。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4において、反射減衰
    量のピーク値が470〜770MHzの周波数帯域にあ
    り、かつ−14dB以下の電波吸収特性を有する電波吸
    収壁。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項4のいずれかにおい
    て、磁界成分方向の間隔が当該磁性体の磁界成分方向の
    寸法の10〜80%である電波吸収壁。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項4のいずれかにおい
    て、磁性体と反射体との距離を15mm以下にした電波
    吸収壁。
  8. 【請求項8】 複数の外装材の各裏面にフェライトタイ
    ルからなる磁性体を少なくとも1つ配置し、各外装材を
    外壁形成用型枠内に配列し、当該磁性体が外壁の到来電
    波の電界成分方向に所要間隔又は連続して配置され、到
    来電波の磁界成分方向に当該磁性体の磁界成分方向の寸
    法の10%以上の間隔を開けて配置されるように構成
    し、この型枠で形成固化された型材を単位に外壁を構成
    し、電波吸収壁を形成する電波吸収壁の施工方法。
  9. 【請求項9】 外壁構成用枠体内に配置された複数の外
    装材の各裏面にフェライトタイルからなる磁性体を配列
    用枠体を介して少なくとも1つ固着配置して、当該磁性
    体が外壁の到来電波の電界成分方向に所要間隔又は連続
    して配置され、到来電波の磁界成分方向に当該磁性体の
    磁界成分方向の寸法の10%以上の間隔を開けて配置さ
    れるように構成し、外壁構成用枠体に一体化された外壁
    パネルを単位に外壁を構成し、電波吸収壁を形成する電
    波吸収壁の施工方法。
  10. 【請求項10】 請求項8又は請求項9において、複数
    の磁性体が到来電波の磁界成分方向の磁性体間の隙間
    に、吸水性のない非導電性材料を配置する電波吸収壁の
    施工方法。
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