JPH11119728A - Ac型pdpの駆動方法及びプラズマ表示装置 - Google Patents

Ac型pdpの駆動方法及びプラズマ表示装置

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JPH11119728A
JPH11119728A JP9276817A JP27681797A JPH11119728A JP H11119728 A JPH11119728 A JP H11119728A JP 9276817 A JP9276817 A JP 9276817A JP 27681797 A JP27681797 A JP 27681797A JP H11119728 A JPH11119728 A JP H11119728A
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仁 平川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】蛍光体材料の選択の自由度を拡大し、輝度及び
色純度の向上を容易にすることを目的とする。 【解決手段】列方向に隣接するセルどうしの発光色が同
一である面放電構造のAC型PDPによるカラー表示に
際して、全てのセルに対して一斉に点灯維持電圧Psを
印加するサステイン期間TSの途中で、第2の電極Yと
発光色別に選択した列の第3の電極Aとの間で電荷消去
のための放電を生じさせることによって、少なくとも第
1の発光色のセルにおける点灯維持放電の回数を他の発
光色のセルよりも少なくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、AC型PDP(Pl
asma Display Panel:プラズマディスプレイパネル)の
駆動方法に関する。
【0002】PDPは、高速表示の可能な薄型表示デバ
イスであり、カラー画面の実用化を機にテレビジョン映
像やコンピュータのモニターなどの用途で広く用いられ
るようになってきた。ハイビジョン用の大画面の実現手
段としても注目されている。このようなPDPの課題の
1つに輝度の向上がある。
【0003】
【従来の技術】AC型PDPは、壁電荷を利用して点灯
状態を維持するために主電極を誘電体で被覆した構造の
PDPである。表示に際しては、点灯(発光)すべきセ
ルのみが帯電した状態を形成するライン順次のアドレッ
シング(点灯/非点灯の設定)を行い、その後に全ての
セルに対して一斉に交番極性の点灯維持電圧Vsを印加
する。点灯維持電圧Vsは(1)式を満たす。
【0004】Vf−Vwall<Vs<Vf …(1) Vf :放電開始電圧 Vwall:壁電圧 壁電荷の存在するセルでは壁電圧Vwallが点灯維持電圧
Vsに重畳するので、セルに加わる実効電圧(セル電圧
ともいう)Veff が放電開始電圧Vfを越えて放電(サ
ステイン放電)が生じる。点灯維持電圧Vsの印加周期
を短くすれば、見かけの上で連続的な点灯状態が得られ
る。表示の輝度は、単位時間あたりの放電回数に依存す
る。したがって、中間調は、セル毎に1フィールド(ノ
ンインタレースの場合は1フレーム)の放電回数を階調
レベルに応じて適切に設定することによって再現され
る。
【0005】PDPの階調表示方法としては、1フィー
ルドを輝度(すなわち放電回数)の重み付けをした複数
のサブフィールドで構成し、サブフィールド単位の点灯
の有無の組合せによって1フィールドの総放電回数を設
定する方法が広く知られている(特開平4−19518
8号)。一般には、各サブフィールドに対して重みが2
n (n=0,1,2,3…)で表されるいわゆる“バイ
ナリーの重み付け”を行う。例えばサブフィールド数を
8とすれば、階調レベルが「0」〜「255」の256
階調の表示が可能である。
【0006】カラー表示は階調表示の一種である。すな
わち、表示色はR(赤),G(緑),B(青)の3色の
輝度の組合せによって決まる。PDPでは、R,G,B
の各色の蛍光体層が1つのセルに1色ずつ設けられ、1
画素にはR,G,Bの各色のセルの組が対応する。各セ
ルの輝度が256階調であれば、表示色数は2563
ある。
【0007】従来の駆動方法は、各サブフィールドにお
いて、1画素に対応したR,G,Bの各色のセルで同一
回数のサステイン放電を生じさせるものであった。つま
り、R,G,Bの各発光色のセルに対して、一律に所定
回数の点灯維持電圧の印加が行われていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来においては、画素
の色バランス(白色の再現性)を確保するために、1回
のサステイン放電でのR,G,Bの発光輝度比を最適化
する必要があった。そのため、蛍光体材料の選択が制限
され、輝度の向上が困難であった。それは、3色につい
て一律に輝度を高めなければならないからである。放電
回数に比例して輝度が変化するように残光などの発光特
性を揃える必要もある。
【0009】本発明は、蛍光体材料の選択の自由度を拡
大し、輝度及び色純度の向上を容易にすることを目的と
している。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明においては、カラ
ー表示のための3色のそれぞれに対して個別に放電回数
を設定し、3色の積分発光強度比の調整によって色バラ
ンスを確保する。すなわち、輝度の低い色の放電回数を
輝度の高い色よりも多くする。1回の放電において3色
の間に蛍光体材料に依存する輝度の差異があったとして
も、サブフィールド単位又はフィールド単位で各色の放
電回数を最適化することにより、輝度の差異を補うこと
ができる。
【0011】1フィールドを輝度の重みの異なる複数の
サブフィールドで構成し、サブフィールド毎にサステイ
ン期間を割り当ててカラー表示を行う場合、3色の放電
回数の比を全てのサブフィールドについて一定とするの
が基本形態である。ただし、色再現に大きな支障がなけ
れば、3色の放電回数の比はサブフィールド毎に異なっ
てもよい。例えば、重みの小さい(放電回数の少ない)
サブフィールドについては3色の放電回数を等しくし、
重みの大きいサブフィールドについて色バランスを保つ
ように3色の放電回数を異ならせてもよい。
【0012】請求項1の発明の方法は、マトリクス表示
の行を画定する第1及び第2の電極と、列を画定する第
3の電極と、発光色の異なる3種の蛍光体層とを有し、
列方向に隣接するセルどうしの発光色が同一であるカラ
ー表示用の面放電構造のAC型PDPの駆動方法であっ
て、前記第1及び第2の電極を用いて全てのセルに対し
て一斉に点灯維持電圧を印加するサステイン期間の途中
で、前記第2の電極と発光色別に選択した列の前記第3
の電極との間で電荷消去のための放電を生じさせること
によって、少なくとも第1の発光色のセルにおける点灯
維持放電の回数を他の発光色のセルよりも少なくするも
のである。
【0013】請求項2の発明の駆動方法は、前記電荷消
去のための放電を生じさせる以前の点灯維持放電におい
て、選択した列の前記第3の電極の近傍を当該電荷消去
のための放電に寄与する極性に帯電させるものである。
【0014】請求項3の発明の駆動方法は、1フィール
ドを輝度の重みの異なる複数のサブフィールドで構成
し、サブフィールド毎にサステイン期間を割り当ててカ
ラー表示を行うにあたって、輝度の重みの降順に選択し
た1以上のサブフィールドのサステイン期間において、
前記電荷消去のための放電を生じさせるものである。
【0015】本発明におけるフィールドとは、時系列の
画像表示の単位画像である。すなわち、テレビジョンの
場合にはインタレース形式のフレームの各フィールドを
意味し、コンピュータ出力に代表されるノンインタレー
ス形式(1対1インタレース形式とみなせる)の場合に
はフレームそのものを意味する。
【0016】請求項4の発明のプラズマ表示装置は、マ
トリクス表示の行を画定する第1及び第2の電極と、列
を画定する第3の電極と、発光色の異なる3種の蛍光体
層とを有し、列方向に隣接するセルどうしの発光色が同
一であるカラー表示用の面放電構造のAC型のPDP
と、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のAC型P
DPの駆動方法を適用したシーケンスの電圧印加を前記
PDPに対して行う駆動回路と、を備えている。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るプラズマ表示
装置100の構成図である。プラズマ表示装置100
は、マトリクス形式のカラー表示デバイスであるAC型
のPDP1と、画面(スクリーン)SCを構成する多数
のセルCを選択的に点灯させるための駆動ユニット80
とから構成されており、壁掛け式テレビジョン受像機、
コンピュータシステムのモニターなどとして利用され
る。
【0018】PDP1は、対のなす第1及び第2の主電
極としてのサステイン電極X,Yが平行配置され、各セ
ルCにおいてサステイン電極X,Yと第3の電極として
のアドレス電極Aとが交差する3電極面放電構造のPD
Pである。サステイン電極X,Yは画面の行方向(水平
方向)に延び、一方のサステイン電極Yはアドレッシン
グに際して行単位にセルを選択するためのスキャン電極
として用いられる。アドレス電極Aは列方向(垂直方
向)に延びており、列単位にセルを選択するためのデー
タ電極として用いられる。サステイン電極群とアドレス
電極群とが交差する領域が表示領域、すなわち画面SC
である。
【0019】駆動ユニット80は、コントローラ81、
フレームメモリ82、データ処理回路83、サブフィー
ルドメモリ84、電源回路85、Xドライバ87、Yド
ライバ88、及びアドレスドライバ89を有している。
駆動ユニット80には、TVチューナ、コンピュータな
どの外部装置からR,G,Bの各色の輝度レベル(階調
レベル)を示す画素単位のフィールドデータDfが各種
の同期信号とともに入力される。
【0020】フィールドデータDfは、フレームメモリ
82に一旦格納された後、データ処理回路83へ送られ
る。データ処理回路83は、点灯させるサブフィールド
の組合せを設定するデータ変換手段であり、フィールド
データDfに応じたサブフィールドデータDsfを出力
する。サブフィールドデータDsfはサブフィールドメ
モリ84に格納される。サブフィールドデータDsfの
各ビットの値は、サブフィールドにおけるセルの点灯の
要否を示す情報である。
【0021】Xドライバ回路87はサステイン電極Xに
駆動電圧を印加し、Yドライバ回路88はサステイン電
極Yに駆動電圧を印加する。アドレスドライバ回路89
は、コントローラ81からのアドレス制御信号S89に
従ってアドレス電極Aに駆動電圧を印加する。これらド
ライバ回路には電源回路85から所定の電力が供給され
る。
【0022】図2はPDP1の内部構造を示す斜視図で
ある。PDP1では、前面側のガラス基板11の内面
に、行L毎に一対ずつサステイン電極X,Yが配列され
ている。行Lは画面における水平方向のセル列である。
サステイン電極X,Yは、それぞれが透明導電膜41と
金属膜(バス導体)42とからなり、低融点ガラスから
なる厚さ30μm程度の誘電体層17で被覆されてい
る。誘電体層17の表面にはマグネシア(MgO)から
なる厚さ数千オングストロームの保護膜18が設けられ
ている。アドレス電極Aは、背面側のガラス基板21の
内面を覆う下地層22の上に配列されており、厚さ10
μm程度の誘電体層24によって被覆されている。誘電
体層24の上には、高さ150μmの平面視直線帯状の
隔壁29が、各アドレス電極Aの間に1つずつ設けられ
ている。これらの隔壁29によって放電空間30が行方
向にサブピクセル(単位発光領域)毎に区画され、且つ
放電空間30の間隙寸法が規定されている。そして、ア
ドレス電極Aの上方及び隔壁29の側面を含めて背面側
の内面を被覆するように、カラー表示のためのR,G,
Bの3色の蛍光体層28R,28G,28Bが設けられ
ている。3色の配置パターンは、1列のセルの発光色が
同一で且つ隣接する列どうしの発光色が異なるストライ
プパターンである。このストライプパターンによれば、
隔壁29の配列間隙に蛍光体ペーストを落とし込むスク
リーン印刷を用いて効率的に蛍光体層28R,28G,
28Bを形成することができる。
【0023】放電空間30には主成分のネオンにキセノ
ンを混合した放電ガスが充填されており(封入圧力は5
00Torr)、蛍光体層28R,28G,28Bは放
電時にキセノンが放つ紫外線によって局部的に励起され
て発光する。表示の1ピクセル(画素)は行方向に並ぶ
3個のサブピクセルで構成される。各サブピクセル内の
構造体がセル(表示素子)である。隔壁29の配置パタ
ーンがストライプパターンであることから、放電空間3
0のうちの各列に対応した部分は全ての行Lに跨がって
列方向に連続している。そのため、隣接する行Lどうし
の電極間隙(逆スリットと呼称されている)の寸法は各
行Lの面放電ギャップ(例えば80〜140μmの範囲
内の値)より十分に大きく、列方向の放電結合を防ぐこ
とのできる値(例えば400〜500μmの範囲内の
値)に選定されている。
【0024】図3はアドレスドライバ89の構成図であ
る。アドレスドライバ89は、シフトレジスタ891と
トライステート回路892とから構成されている。シフ
トレジスタ891には、アドレッシングに際して、1行
の走査毎にサブフィールドメモリ84から1行分のR,
G,Bの各色のサブフィールドデータDsf−(R),
Dsf−(G),Dsf−(B)が入力される。このと
き、蛍光体層28R,28G,28Bの配列に対応した
順序で行方向にデータが並ぶように、1セル分ずつ所定
順序(図ではB,G,R…)で各色のサブフィールドデ
ータDsf−(R),Dsf−(G),Dsf−(B)
がサブフィールドメモリ84から読み出される。また、
後述のサステイン期間においては、本発明に係わるG,
Rの消去データDDG,DDRがサブフィールドメモリ
84からシフトレジスタ891に転送される。消去デー
タDDGは発光色がGのセルで消去放電を生じさせるた
めのデータであり、消去データDDRは発光色がRのセ
ルで消去放電を生じさせるためのデータである。なお、
消去データDDG,DDRは表示内容に依存しない固定
データであるので、G,Rの各色について1ライン分の
消去データを転送する代わりに、シフトレジスタ891
の入力端子電圧をシフトクロックに同期させて2値制御
するようにしてもよい。
【0025】トライステート回路892には、コントロ
ーラ81から2ビットのアドレス制御信号S89が入力
される。トライステート回路892は、アドレス制御信
号S89の値が「0」のときには全てのアドレス電極A
を強制的に接地状態とし、アドレス制御信号S89の値
が「1」のときには全てのアドレス電極Aを強制的にア
ドレス電位Vaにバイアスする。そして、アドレス制御
信号S89の値が「2」のとき、トライステート回路8
92は、シフトレジスタ891によってラッチされてい
る1行分のデータに応じて各アドレス電極Aを接地状態
とし又はアドレス電位Vaにバイアスする。
【0026】以下、プラズマ表示装置1におけるPDP
1の駆動方法を説明する。図4はフィールド構成と駆動
シーケンスの概要とを示す図である。例えばテレビジョ
ン映像の表示においては、2値の点灯制御によって階調
再現を行うために、従来から行われているように入力画
像である時系列の各フィールドf(符号の添字は表示順
位を表す)を例えば8個のサブフレームsf1,sf
2,sf3,sf4,sf5,sf6,sf7,sf8
に分割する。言い換えれば、フレームFを構成する各フ
ィールドfを8個のサブフレームsf1〜sf8の集合
に置き換える。ただし、コンピュータ出力などのノンイ
ンタレース形式の画像を再生する場合には、各フレーム
を8分割する。そして、これらサブフィールドsf1〜
sf8における輝度の相対比率が1:2:4:8:1
6:32:64:128となるように重み付けをして各
サブフィールドsf1〜sf8のサステインの最大発光
回数を設定する。サブフィールド単位の点灯/非点灯の
組合せでRGBの各色毎に256段階の輝度設定を行う
ことができるので、表示可能な色の数は2563 とな
る。なお、サブフィールドsf1〜sf8を輝度の重み
の順に表示する必要はない。例えば重みの大きいサブフ
ィールドsf8を表示期間の中間に配置するといった最
適化を行うことができる。
【0027】各サブフィールドsf1〜sf8に割り当
てるサブフィールド期間Tsfは、画面全体の帯電状態
を均一化するリセット期間TR、消去形式(図示の形
式)又は書込み形式でアドレッシングを行うアドレス期
間TA、及び階調レベルに応じた輝度を確保するために
点灯状態を維持するサステイン期間TSからなる。各サ
ブフィールド期間Tsfにおいて、リセット期間TR及
びアドレス期間TAの長さは輝度の重みに係わらず一定
であるが、サステイン期間TSの長さは輝度の重みが大
きいほど長い。つまり、1つのフィールドfに対応する
8つのサブフィールド期間Tsfの長さは互いに異な
る。
【0028】リセット期間TRにおいては、サステイン
電極Xに正極性の電圧パルスPrを印加する第1過程
と、サステイン電極Xに正極性の電圧パルスPrxを印
加し且つサステイン電極Yに負極性の電圧パルスPry
を印加する第2過程とによって、1つ前のサブフィール
ドにおいて点灯した“前回点灯セル”及び点灯しなかっ
た“前回非点灯セル”に所定の極性の壁電荷が形成され
る。なお、第1過程ではアドレス電極Aを50〜120
V程度の正電位にバイアスし、アドレス電極Aとサステ
イン電極Xとの間の不要の放電を防止する。第2過程に
続いて、帯電の均一性を高めるため、サステイン電極Y
に正極性の電圧パルスPrsを印加して全てのセルで面
放電を生じさせる。この面放電によって帯電極性は反転
する。その後、電荷の消失を避けるため、サステイン電
極Yの電位を所定値まで緩やかに低減させる。
【0029】アドレス期間TAにおいては、先頭の行か
ら1行ずつ順に各行を選択し、該当するサステイン電極
Yに負極性のスキャンパルスPyを印加する。行の選択
と同時に、非点灯とすべきセル(今回非点灯セル)に対
応したアドレス電極Aに対して正極性のアドレスパルス
Paを印加する。選択された行におけるアドレスパルス
Paの印加されたセルでは、サステイン電極Yとアドレ
ス電極Aとの間で対向放電が起こって誘電体層17の壁
電荷が消失する。アドレスパルスPaの印加時点ではサ
ステイン電極Xの近傍には正極性の壁電荷が存在するの
で、その壁電圧でアドレスパルスPaが打ち消され、サ
ステイン電極Xとアドレス電極Aとの間では放電は起き
ない。このような消去形式のアドレッシングは、書込み
形式と違って電荷の再形成が不要であるので、高速化に
適している。1行当たりのアドレス時間は1.3μs程
度である。
【0030】サステイン期間TSにおいては、不要の放
電を防止するために基本的には全てのアドレス電極Aを
正極性の電位にバイアスし、最初に全てのサステイン電
極Xに正極性のサステインパルスPsを印加する。その
後、サステイン電極Yとサステイン電極Xとに対して交
互にサステインパルスPsを印加する。本実施形態で
は、最終のサステインパルスPsはサステイン電極Yに
印加される。サステインパルスPsの印加によって、ア
ドレス期間TAにおいて壁電荷の残されたセル(今回点
灯セル)で面放電が生じる。
【0031】図5は本発明の駆動方法を示す波形図であ
る。本実施形態では、各サブフィールドsf1〜Sf8
のサステイン期間TSは、R,G,Bの各セルを発光さ
せる3色発光期間TS3、R,Bの各セルを発光させる
2色発光期間TS2、及びBのセルのみを発光させる1
色発光期間TS1に分かれる。つまり、今回点灯セルの
点灯維持放電の回数は発光色によって異なり、Bが最も
多く、Rが2番目に多く、Gが最も少ない。3色の点灯
維持放電の回数の比は、8個のサブフィールドsf1〜
Sf8で点灯させたときに、良好な白色を再現できるよ
うに、蛍光体層28R,28G,28Bの発光特性に基
づいて適切に選定される。
【0032】このようにG及びRの点灯維持放電の回数
をBよりも少なくするため、サステイン期間TSの途中
で、G及びRのセルを対象に壁電荷の消去が行われる。
すなわち、3色発光期間TS3の終了間際において、サ
ステイン電極YにサステインパルスPsを印加した後、
一旦、サステインパルスPsの印加を中断し、サステイ
ン電極Yに電荷消去のための負極性のパルスPdy(波
高値は−20〜−120V)を印加する。このとき、G
のセルに対応したアドレス電極Aについては正極性のバ
イアス状態(電位は50〜120V)を保持し、他のア
ドレス電極Aを接地状態とする。これにより、Gの今回
点灯セルにおいて、アドレス電極Aとサステイン電極Y
との間の対向放電が生じ、それがトリガーとなって面放
電が生じる。パルスPdyの波高値を最小限に設定して
おけば、面放電で壁電荷が消失した後に電荷が再形成さ
れず、Gの今回点灯セルは無帯電状態となる。一方、
R,Bの各今回点灯セルでは、アドレス電極Aを接地状
態とすることによってパルスPdyが打ち消され、帯電
状態がそのまま保持される。したがって、2色発光期間
TSにおいて全てのセルに対するサステインパルスPs
の印加を再開すると、Gの今回点灯セルは点灯せず、
R,Bの各色の今回点灯セルが点灯する。
【0033】また、2色発光期間TS2の終了間際にお
いて、サステイン電極YにサステインパルスPsを印加
した後、再びサステインパルスPsの印加を中断し、サ
ステイン電極YにパルスPdyを印加する。このとき
は、Bのセルに対応したアドレス電極Aを接地状態とす
る。これにより、Rの今回点灯セルで面放電が生じ、壁
電荷が消失する。Bの今回点灯セルでは、帯電状態がそ
のまま保持され、以後の1色発光期間TSにおいてBの
今回点灯セルのみが点灯する。
【0034】図6はアドレスドライバ制御の第1例のタ
イムチャートである。コントローラ81(図3参照)
は、サステイン期間TSの開始時点で、不要の対向放電
を防止するため、アドレス制御信号S89の値を「1」
として全てのアドレス電極Aを強制的に正極性電位にバ
イアスする。その後、壁電荷の消去(ここでの対象はG
のセル)に際して、パルスPdyの印加以前の最終のサ
ステインパルスPsの立下がり時点以後にアドレス制御
信号S89の値を「0」として全てのアドレス電極Aを
強制的に接地状態とする。そして、サステイン電極Yへ
のパルスPdyの印加時点でアドレス制御信号S89の
値を「2」とする。アドレッシングの終了からこの信号
切換えまでの期間内に、消去データDDGをシフトレジ
スタ891に入力しておく。この場合の消去データDD
Gは、Gのアドレス電極Aをバイアスし且つR,Bのア
ドレス電極Aを接地状態とするためのデータである。パ
ルスPdyの印加の後、サステインパルスPsの印加の
再開に合わせて、再びアドレス制御信号S89の値を
「1」として全てのアドレス電極Aを強制的に正極性電
位にバイアスする。なお、Gのアドレス電極Aについて
は、図中に鎖線で示すようにパルスPdyの印加終了以
後において接地状態としてもよいが、全てのアドレス電
極Aを強制的にバイアスする方が制御は簡単である。
【0035】図7はアドレスドライバ制御の第2例のタ
イムチャートである。図7の例では、パルスPdyの印
加の直前のサステインパルスPsの印加に際して、電荷
消去対象の色(ここではG)に対応したアドレス電極A
を接地状態とする。すなわち、適切な消去データDDG
をシフトレジスタ891に入力しておき、サステインパ
ルスPsの印加とタイミングを合わせてアドレス制御信
号S89の値を「1」から「2」へ切り換える。これに
より、後述のように点灯維持放電においてGのアドレス
電極Aの近傍に正極性の電荷が帯電し、トリガー放電が
生じ易くなる。その後、図6の例と同様に、一旦、全て
のアドレス電極Aを接地状態とし、Gのアドレス電極A
のみをバイアスして電荷消去のための放電を生じさせ、
再び全てのアドレス電極Aを正電位にバイアスする。全
てのアドレス電極Aを接地状態としている期間に、シフ
トレジスタ891のデータ内容を以前の消去データDD
Gとは値が反転した消去データDDGに入れ換える。
【0036】図8は図7の駆動方法の帯電モデルを示す
図である。3色発光期間3において、サステイン電極
X,Yに交互にサステインパルスPsを印加することに
より、各色の今回点灯セルにおいて面放電H2が生じ、
サステイン電極X,Yの近傍の誘電体層17に以前と反
対極性の壁電荷が帯電する。
【0037】上述したとおり、サステイン電極Yに印加
する最終のサステインパルスPs以外のサステインパル
スPsを印加するときには、不要の放電を防止するため
に全てのアドレス電極Aが正電位Vaにバイアスされ
る。これに対して、最終のサステインパルスPsを印加
するときには、Gのアドレス電極Aのみが接地状態とさ
れる。これにより、Gの今回点灯セルでは、アドレス電
極Aの上部の誘電体層24に正の壁電荷が帯電する。こ
の壁電荷は、パルスPdyの印加に際して、印加電圧を
高め対向放電H1を起こり易くする。したがって、面放
電H2で壁電荷が消失した後の不要の電荷再形成を防ぐ
ために、パルスPdyの波高値をより低くすることがで
きる。
【0038】以上の実施形態によれば、G,R,Bの各
蛍光体層の発光輝度が異なる場合であっても、良好な白
色を再現することができるので、蛍光体材料及び蛍光体
ペーストの組成の選択の自由度が大きい。ただし、R,
G,Bの3色の放電回数が互いに異なる必要はなく、1
色の放電回数のみを他の2色より少なくしてもよい。
【0039】上述の実施形態において、サステイン期間
TSに電荷消去のために印加するパルスPdyの波高値
をアドレス期間TAに印加するスキャンパルスPyと同
一にすれば、駆動回路構成が簡単になる。パルスPdy
のパルス幅をスキャンパルスPyより長め(例えば3〜
13μs)とすれば、トリガー放電の生起確率が高ま
り、より確実に不要の電荷を消去することができる。
【0040】上述の実施形態においては、アドレス放電
による蛍光体の劣化を軽減するためにアドレスパルスP
aを正極性と定めて他のパルスの極性を設定し、また、
片方のサステイン電極のみに正極性のサステインパルス
を印加するようにして駆動回路を簡単化した例を挙げた
が、これに限定されるものではない。つまり、印加電圧
の極性の変更は可能である。また、アドレッシングに例
示の消去形式に代えて書込み形式を採用してもよい。リ
セット期間TRにおいて全面消去を行い、今回点灯セル
に壁電荷を帯電させる書込み形式のアドレッシングを行
う場合には、アドレッシングにおいて全てのサステイン
電極Yを負極性にバイアスし、走査対象行のアドレス電
極Aのみに負極性のスキャンパルスPyを重畳させるよ
うにすれば、スキャンパルスPyの波高値を低くしてY
ドライバ88の負担を軽減することができる。そして、
その場合に、サステイン期間TSに電荷消去のために印
加するパルスPdyの波高値をアドレッシング時のバイ
アス電位とすれば、回路構成が簡単になる。
【0041】
【発明の効果】請求項1乃至請求項4の発明によれば、
蛍光体材料の選択の自由度を拡大し、輝度及び色純度の
向上を容易にすることができる。
【0042】請求項2の発明によれば、サステイン期間
に電荷消去のために印加する電圧を低くし、駆動回路の
負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラズマ表示装置の構成図であ
る。
【図2】PDPの内部構造を示す斜視図である。
【図3】アドレスドライバの構成図である。
【図4】フィールド構成と駆動シーケンスの概要とを示
す図である。
【図5】本発明の駆動方法を示す波形図である。
【図6】アドレスドライバ制御の第1例のタイムチャー
トである。
【図7】アドレスドライバ制御の第2例のタイムチャー
トである。
【図8】図7の駆動方法の帯電モデルを示す図である。
【符号の説明】
1 PDP X サステイン電極(第1の電極) Y サステイン電極(第2の電極) A アドレス電極(第3の電極) 28R 蛍光体層 28G 蛍光体層 28B 蛍光体層 R,G,B 発光色 C セル Vs 点灯維持電圧 TS サステイン期間 H2 面放電(点灯維持放電) H1 対向放電(電荷消去のための放電) f フィールド sf1〜8 サブフィールド 80 駆動ユニット(駆動回路) 100 プラズマ表示装置。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マトリクス表示の行を画定する第1及び第
    2の電極と、列を画定する第3の電極と、発光色の異な
    る3種の蛍光体層とを有し、列方向に隣接するセルどう
    しの発光色が同一であるカラー表示用の面放電構造のA
    C型PDPの駆動方法であって、 前記第1及び第2の電極を用いて全てのセルに対して一
    斉に点灯維持電圧を印加するサステイン期間の途中で、
    前記第2の電極と発光色別に選択した列の前記第3の電
    極との間で電荷消去のための放電を生じさせることによ
    って、少なくとも第1の発光色のセルにおける点灯維持
    放電の回数を他の発光色のセルよりも少なくすることを
    特徴とするAC型PDPの駆動方法。
  2. 【請求項2】前記電荷消去のための放電を生じさせる以
    前の点灯維持放電において、選択した列の前記第3の電
    極の近傍を当該電荷消去のための放電に寄与する極性に
    帯電させる請求項1記載のAC型PDPの駆動方法。
  3. 【請求項3】1フィールドを輝度の重みの異なる複数の
    サブフィールドで構成し、サブフィールド毎にサステイ
    ン期間を割り当ててカラー表示を行うにあたって、輝度
    の重みの降順に選択した1以上のサブフィールドのサス
    テイン期間において、前記電荷消去のための放電を生じ
    させる請求項1又は請求項2記載のAC型PDPの駆動
    方法。
  4. 【請求項4】マトリクス表示の行を画定する第1及び第
    2の電極と、列を画定する第3の電極と、発光色の異な
    る3種の蛍光体層とを有し、列方向に隣接するセルどう
    しの発光色が同一であるカラー表示用の面放電構造のA
    C型のPDPと、 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のAC型PDP
    の駆動方法を適用したシーケンスの電圧印加を前記PD
    Pに対して行う駆動回路と、を備えたことを特徴とする
    プラズマ表示装置。
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