JP2001166734A - プラズマディスプレイパネルの駆動方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの駆動方法

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JP2001166734A
JP2001166734A JP34480799A JP34480799A JP2001166734A JP 2001166734 A JP2001166734 A JP 2001166734A JP 34480799 A JP34480799 A JP 34480799A JP 34480799 A JP34480799 A JP 34480799A JP 2001166734 A JP2001166734 A JP 2001166734A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 パルス幅が小さい走査パルスを用いながらも
書込み放電が安定に行え、1サブフィールド内で維持期
間に利用できる時間を延ばして発光輝度を向上させ、高
精細な映像表示が得られるPDPの駆動方法を提供す
る。 【解決手段】 PDPの駆動方法では、走査期間では走
査電極及びデータ電極に夫々走査パルス及びデータパル
スを印加することで書込み放電を行い、維持期間では走
査電極、共通電極に夫々維持パルスを印加することで維
持放電を行って表示セル14を発光させる。走査期間で
は、書込み放電に同期して、維持期間で発光させる表示
セル14及び発光させない表示セル14の双方で共通の
放電を更に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネルの駆動方法に関し、特に、交流放電型のプラ
ズマディスプレイパネルの駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フラットパネルディスプレイとして、プ
ラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel:P
DP)、液晶ディスプレイ及びエレクトロ・ルミネッセ
ント(EL)等が知られている。PDPは、大面積化が容
易な面放電型のディスプレイ装置として、パーソナルコ
ンピュータ、ワークステーションの表示出力用、或い
は、壁掛けテレビ等に用いられる。
【0003】近年では、特にPDPの大画面化が進み、
40インチや50インチといった、CRT(Cathode Ray
Tube)では技術的に極めて困難な画面サイズも出現して
いる。フラットパネルディスプレイは、将来CRTに代
わるディスプレイとして大きな期待を集めているが、一
方では、CRTに比して高価であり、消費電力が大きい
という問題を有する。
【0004】PDPは、マトリクス状に配列された複数
の表示セルを有している。表示セルの発光方式は、放電
空間(放電ガス)に電極を露出させて直流放電の状態で
動作させる直流駆動型(DC型)と、誘電体層で電極を
被覆し、電極を放電ガスには直接露出させずに交流放電
の状態で動作させる交流駆動型(AC型)とに分類され
る。AC型には更に、上記誘電体層の電荷蓄積作用によ
るメモリ機能を利用したメモリ動作型と、メモリ機能を
利用しないリフレッシュ動作型とがある。
【0005】従来のAC型のカラーPDPは、所定の間
隔をあけて相互に対向する前面基板及び背面基板を有
し、前面基板上には走査電極と共通電極とが夫々複数本
ずつ相互に平行に行方向に延在し、背面基板上には画素
(表示セル)数に対応した複数本のデータ電極が列方向
に延在している。走査電極と共通電極とデータ電極との
各交差部分に形成される表示セルでは、各電極に所定の
条件下で電圧が印加されることにより放電が生じて発光
する。また、走査電極及び共通電極は表面に保護層が形
成された第1の誘電体層で覆われ、データ電極は表面に
所定の蛍光体が塗布された第2の誘電体層で覆われるこ
とでカラー表示構造が得られている。
【0006】図11は、従来のメモリ動作型のAC−P
DPの駆動方法における1サブフィールド(SF)の駆
動電圧波形例を示すタイミングチャートである。1サブ
フィールドは、消去パルス21、予備放電パルス22及
び予備放電消去パルス23を印加する予備放電期間と、
走査パルス24及びデータパルス27を印加する走査期
間と、維持パルス25及び26を印加する維持期間との
3つの期間で構成される。同図では、PDPが、m本の
走査電極Si(i=1,2,・・・,m)と、走査電極
Siと対をなす共通電極Ci(i=1,2,・・・,m)
と、n本のデータ電極Dj(j=1,2,・・・,n)
とを有し、電極Si、Ci、Djの各交差部分に表示セル
が1つずつ形成されるとして記載している。
【0007】まず、予備放電期間では、全ての走査電極
12に消去パルス21を印加し、図示した時間以前に維
持放電で発光していた表示セルの放電を停止させ、全て
の表示セルを消去状態にする。消去パルス21によるこ
の動作を維持放電消去と呼ぶ。消去とは、後述の壁電荷
を減少又は消滅させる動作を意味する。
【0008】次いで、全共通電極13に予備放電パルス
22を印加し、全表示セルを強制的に放電発光させ、更
に、全走査電極12に予備放電消去パルス23を印加し
て、全ての表示セルの放電を消去する。ここで、予備放
電パルス22による放電動作を予備放電と呼び、予備放
電消去パルス23による放電動作を予備放電消去と呼
ぶ。これら予備放電及び予備放電消去により、後続する
書込み放電が容易になる。
【0009】予備放電消去に続き、走査期間では、走査
電極S1〜Smにタイミングをずらしつつ走査パルス24
を順次に印加し、走査パルス24の印加タイミングに合
わせて、表示データに対応したデータパルス27をデー
タ電極D1〜Dnに夫々印加する。データパルス27に付
した斜線は、表示データの有無に従い、データパルス2
7の有無が決定されていることを示す。走査パルス24
の印加時には、データパルス27が印加されたデータ電
極19に対応する表示セルでのみ放電が生じる。放電の
有無で表示情報を表示セルに書き込むので、この放電を
書込み放電と呼ぶ。
【0010】書込み放電が生じた表示セルでは、走査電
極12上の誘電体層15aに壁電荷と呼ばれる正電荷が
蓄積され、データ電極19上の誘電体層15bに負の壁
電荷が蓄積される。
【0011】維持期間では、誘電体体層15aの正の壁
電荷による正電位と、負極性で共通電極13に印加され
る1番目の維持パルス25との重畳により、1回目の放
電が発生する。1回目の放電が生じると、共通電極13
上の誘電体層15aには正の壁電荷が、また、走査電極
12上の誘電体層15aには負の壁電荷が蓄積される。
壁電荷による電位差に、走査電極12に印加する2番目
の維持パルス26が重畳して、2回目の放電が生じる。
このように、n回目の放電によって形成される壁電荷に
よる電位差と、n+1回目の維持パルスとが重畳して放
電が維持されるので、この放電動作を維持放電と呼ぶ。
維持放電の持続回数によって輝度が制御される。
【0012】共通電極13及び走査電極12に夫々印加
する維持パルス25及び26を、印加しただけでは放電
が生じない程度の電圧に予め調整しておくことにより、
書込み放電が発生しなかった表示セルには、1番目の維
持パルス25の印加以前に壁電荷による電位が無いの
で、1番目の維持パルス25を印加しても1回目の維持
放電は発生せず、従って、それ以降の維持放電も発生し
ない。
【0013】従来のAC型のカラーPDPの階調表示方
法を図12に示す。1画面を表示するための期間(例え
ば1/60秒)である1フィールドが、複数(例えば4
つ)のサブフィールドに分割されている。サブフィール
ドSF1〜SF4の夫々は、図11に示した予備放電期
間、走査期間及び維持期間で構成され、維持期間の長さ
(維持パルスの個数)が相互に異なるため輝度が異なっ
ており、各サブフィールドが夫々独立に表示のオン/オ
フが可能になっている。
【0014】同図の4サブフィールド分割では、各サブ
フィールドSFを夫々単独で発光させたときの輝度の比
を例えば1:2:4:8になるように調整しておくと、
4サブフィールドの表示オン/オフの組合わせによっ
て、全サブフィールド非選択時の輝度比0から、全サブ
フィールド選択の場合の輝度比15までの16段階の輝
度表示ができる。一般に、1フィールドをn個のサブフ
ィールドに分割し、サブフィールド毎の輝度の比を、1
(=20):2(=21):…:2n-2:2n-1に設定することで、
n階調表示が可能となる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来のAC型のカラー
PDPでは、書込み放電を確実に発生させる目的から、
走査パルス24(図11)のパルス幅を大きくする必要
がある。このため、走査パルス幅と走査電極数との積で
表される走査期間が長くなり、1サブフィールド内で維
持期間に利用できる時間が短くなって発光輝度が低下す
る。
【0016】そこで、PDPの表示セル構造を改良し、
書込みに必要な時間を短縮する技術が、特開平6−44
907号公報等に記載されている。この公報に記載の技
術では、書込み放電に有効なデータ電極の面積を大きく
する構成を採用する。しかし、表示セル構造の変更は製
造プロセスの変更を必要とし、複雑な表示セル構造はパ
ネル製造の歩留まりを低下させるおそれがある。
【0017】また、予備放電消去から書込み放電までの
時間間隔を短縮し、予備放電消去パルスを書込み放電の
直前に行って書込みの高速化を図る技術が、特開平10
−149133号公報に記載されている。しかし、この
公報に記載の技術では、予備放電消去パルスを走査する
ための特殊なドライバが必要となるという問題がある。
【0018】更に、表示セルとは別の補助放電セルを備
え、表示セルでの書込み放電の直前に補助放電セルで放
電を生起させ、表示セルでの書込み放電の高速化を図る
技術が、特開平5−250995号公報に記載されてい
る。しかし、この公報に記載の技術では、補助放電セル
の設置がパネル構造を複雑化させ、高精細化にも不適当
である。
【0019】また、隣接する表示セルで1走査パルス周
期前に書込み放電が発生しなかったときにのみ、当該表
示セルでの書込み放電を容易にするための高電位パルス
をデータパルスに重畳する技術が、特開平4−2413
83号公報に記載されている。しかし、この公報に記載
の技術では、当該表示セルでのオン/オフ情報に応答し
たデータパルスとは別に、隣接する表示セルの状態に対
応した高電位パルスを出力する駆動回路と、この高電位
パルスの出力のための信号処理とが新たに必要になると
いう問題がある。
【0020】本発明は、上記に鑑み、パネル構造や駆動
ドライバに対する特別な変更が不要であり、パルス幅が
小さい走査パルスを用いながらも書込み放電が安定に行
え、1サブフィールド内の維持期間を延ばして発光輝度
を向上させ、高精細な映像表示が得られる製造歩留まり
が高いプラズマディスプレイパネルの駆動方法を提供す
ることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のプラズマディスプレイパネルの駆動方法
は、相互に対向する第1及び第2基板と、前記第1基板
上に行方向に配設された複数の第1及び第2行電極と、
前記第2基板上に列方向に配設された複数の列電極と、
前記第1及び第2行電極と前記列電極との各交差部分に
配設された表示セルとを備え、走査期間では前記第1行
電極及び列電極に夫々走査パルス及びデータパルスを印
加することで書込み放電を行い、維持期間では前記第1
及び第2行電極に夫々維持パルスを印加することで維持
放電を行って表示セルを発光させるプラズマディスプレ
イパネルの駆動方法において、前記走査期間では、前記
維持期間で発光させる第1の表示セル及び発光させない
第2の表示セルの双方で共通の放電を行い、該共通放電
と同時に前記第1又は第2の表示セルの内の何れか一方
にのみ選択的な書込み放電を更に行うことを特徴とす
る。
【0022】本発明のプラズマディスプレイパネルの駆
動方法では、表示する表示セルと表示しない表示セルと
の双方で放電を発生させ、次の走査電極に属する表示セ
ルに荷電粒子を供給することができるので、パルス幅が
小さい走査パルスを用いた場合でも、書込み放電を高速
且つ安定に発生させることができる。これにより、走査
期間を短縮させて維持期間として利用できる時間を増や
し、走査電極数が多い場合にも高精細で発光輝度が高く
表示品位が高い映像表示を得ることができる。また、パ
ネル構造や駆動ドライバに対する特別な変更が不要なの
で、製造歩留まりが向上する。更に、全表示セルの書込
み放電が、直前の走査電極に属する表示セルからの荷電
粒子の供給を受けることで高速化されるので、書込み放
電の発生を確実にするための従来の予備放電及び予備放
電消去を省くことができる。
【0023】ここで、本発明のプラズマディスプレイパ
ネルの駆動方法では、前記共通放電として、前記第1行
電極に印加される走査パルスに同期して、前記第2行電
極に面書込みパルスを印加することにより前記第1及び
第2行電極の相互間で発生する面放電を用いることがで
きる。この場合、表示すべき前記第1の表示セルでは、
走査パルスとデータパルスとが重畳して第1電極と列電
極との間で対向放電が発生し、且つ、走査パルスと面書
込みパルスとが重畳して第1電極と第2電極との間で面
放電が発生する。一方、非表示の前記第2の表示セルで
は、走査パルスと面書込みパルスとが重畳して第1及び
第2電極の相互間で面放電のみが発生する。
【0024】また、前記面書込みパルスが、前記走査パ
ルスよりも十分に大きいパルス幅を有することが好まし
い。この場合、1つの面書込みパルスを、或る走査パル
スの前後に印加される別の走査パルスにも対応できるの
で、印加する面書込みパルスを削減し、充放電損失を低
減させることができる。
【0025】好ましくは、前記走査期間から維持期間に
移行する際に、前記第1又は第2の何れか一方の表示セ
ルでのみ発生する消去放電を行い、前記維持期間では、
前記消去放電によって維持パルスの印加時に発光可能な
壁電荷分布となった表示セルで前記維持放電を発生させ
る。ここで、消去放電を行わずに維持期間に移行する
と、維持パルスの印加で、発光させる前記第1の表示セ
ル及び発光させない前記第2の表示セルの何れにおいて
も共通放電が維持放電として持続することになる。しか
し、走査期間から維持期間に移行する際に消去放電によ
って前記第1又は第2の表示セルの内の何れか一方の壁
電荷分布が変化し、発光させる表示セルと発光させない
表示セルとを明確に区別して維持放電に移行させること
ができる。
【0026】前記消去放電を、前記第2行電極に消去放
電パルスを印加することによって前記第1及び第2行電
極の相互間で発生させることができる。この場合、消去
放電を確実に発生させ、後続する維持期間での維持パル
スに応答して発光する表示セルと応答せず発光しない表
示セルとを分別できる。
【0027】或いは、上記に代えて、前記消去放電を、
前記第1行電極に消去放電パルスを印加することによっ
て前記第1電極及び列電極の相互間で発生させることが
できる。この場合にも、消去放電を確実に発生させ、発
光する表示セルと発光しない表示セルとを分別できる。
【0028】或いは、上記に代えて、前記第2行電極に
走査パルスと同じ極性のパルスを、前記列電極にデータ
パルスと同じ極性のパルスを夫々印加することによっ
て、前記消去放電を前記第2行電極及び列電極の相互間
で発生させることも好ましい態様である。この場合に
も、消去放電を確実に発生させ、発光する表示セルと発
光しない表示セルとを分別できる。
【0029】好ましくは、前記第1行電極への走査パル
スの印加時に、前記第1の表示セルに対応する前記列電
極に、前記書込み放電後に維持放電に移行可能な量の壁
電荷を蓄積可能な電圧のデータパルスを印加することに
よって前記書込み放電が発生し、前記第2の表示セルに
対応する前記列電極に、前記共通放電後に維持放電に移
行しない量の壁電荷を蓄積可能な電圧のデータパルスを
印加することによって前記共通放電が発生する。これに
より、2種類のデータパルスの選択的印加によって、発
光する表示セルと発光しない表示セルとを明確に分別す
ることができる。
【0030】更に好ましくは、前記走査期間では、前記
第2の表示セルが前記共通放電後に維持放電に移行しな
い量の壁電荷を蓄積可能な電位に前記列電極をバイアス
することによって前記共通放電が発生し、前記第1の表
示セルに対応する前記列電極に、前記書込み放電後に維
持放電に移行可能な量の壁電荷を蓄積可能な電圧のデー
タパルスを印加することによって前記書込み放電が発生
する。この場合、表示すべき表示セルと非表示の表示セ
ルとの双方で共通放電を確実に発生させることができ
る。
【0031】また、同じ走査期間で最初に印加される走
査パルス及び該走査パルスに同期して印加されるデータ
パルスの各パルス幅が、後続する別の走査パルス及び別
のデータパルスの各パルス幅よりも大きいことが好まし
い。この場合、それ以前の表示セルからの荷電粒子の供
給が無い先頭の走査パルスにおいても書込み放電を安定
に発生させることができる。
【0032】或いは、上記に代えて、同じ走査期間で最
初に印加される走査パルスの波高値が、該走査パルスに
後続する別の走査パルスの波高値よりも大きいことも好
ましい態様である。この場合にも、それ以前の表示セル
からの荷電粒子の供給が無い先頭の走査パルスによって
書込み放電を安定に発生させることができる。
【0033】また、同じ走査期間における最初の走査パ
ルスに対応する表示セルに対しては予備放電及び予備放
電消去を施し、後続の走査パルスに対応する表示セルに
対しては予備放電及び予備放電消去を施さないことが好
ましい。この場合、最初の走査パルスに対応した予備放
電及び予備放電消去のみを行うだけで、最初の走査パル
スに対応する表示セルで書込み放電を確実に発生させる
と共に、これ以降の走査パルスに対応する表示セルでも
書込み放電を確実に且つ高速に発生させることができ
る。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、本発明の実
施形態例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。図1
は、本発明の第1実施形態例におけるAC型のカラーP
DPの主要構成部分を示す断面図である。
【0035】PDPは、ガラス材等から成り相互に対向
する前面基板10と背面基板11とが双方の間に空隙を
形成した状態で貼り合わされ封止された構造を備える。
前面基板10上には、走査電極12とこれと対をなす共
通電極13とが夫々複数本ずつ相互に所定の間隔をあけ
て行方向(紙面と垂直方向)に延在している。背面基板
11上には、画素数に対応した複数本のデータ電極19
が、走査電極12及び共通電極13と直交する列方向に
延在する。
【0036】走査電極12と共通電極13とデータ電極
19との各交差部分に形成される空隙内に表示セル14
が位置しており、隣り合う各表示セル14が隔壁で相互
に分離されている。表示セル14内には、希ガス等から
成る混合ガスが封入され、電極12、13、19に所定
の条件下で電圧が印加されることにより、空隙内で放電
が生じて表示セル14が発光する。
【0037】AC−PDPでは、全ての電極12、1
3、19が絶縁層で放電空間から隔絶されており、駆動
回路側からみると電極12、13、19は寄生容量をも
つ容量性負荷となり、電極12、13、19に駆動回路
から電荷が充電される過渡状態時にのみ放電が行われ
る。
【0038】走査電極12及び共通電極13は誘電体層
15aで覆われ、この誘電体層15a上には、MgO等
から成り誘電体層15aを放電から保護する保護層16
が形成されている。データ電極19は誘電体層15bで
覆われ、この誘電体層15b上には、放電で生じる紫外
線を可視光に変換する蛍光体18が塗布される。蛍光体
18を表示セル14毎に、例えば光の3原色である赤緑
青(RGB)に塗り分けることで、PDPのカラー表示
構造が得られている。
【0039】前面基板10上の誘電体層15aと背面基
板11上の誘電体層15bとの間には、放電空間20を
確保すると共に各表示セル14を相互に区画するための
隔壁(図示せず)が形成される。放電空間20内には、
He、Ne、Ar、Kr、Xe、N2、O2、CO2等を
混合した放電ガスが封入される。
【0040】図2は、図1に示したカラーPDPの電極
構造を示す平面図である。このカラーPDPでは、m本
の走査電極Si(i=1,2,・・・,m)と、走査電
極Siと対をなす共通電極Ci(i=1,2,・・・,
m)とが相互に所定の間隔をあけて行方向に形成され、
n本のデータ電極Dj(j=1,2,・・・,n)が列
方向に形成され、電極Si、Ci、Djの各交差部分には
表示セル14が1つずつ形成される。
【0041】本実施形態例の表示パターンとその対応す
る書込み放電との関係を図3に模式的に示し、各電極に
印加される駆動電圧波形を図4に示す。例えば、図3
(a)に示すように、i行〜i+1行とj列〜j+3列との2行
4列分の表示セル14に所望のパターンを表示する場
合、図4に示すように、走査電極12に印加される走査
パルス24に同期して、データ電極19にデータパルス
27を選択的に印加し、同時に、共通電極13に面書込
みパルス28を印加する。図中のデータパルス27の斜
線は、表示データの有無に従い、データパルスの有無が
決定されていることを示す。
【0042】これにより、図3(b)に示すように、i
行目の走査電極Siに対する走査パルス24の印加時
に、表示すべきj列及びj+2列の表示セル14だけでな
く、非表示のj+1列及びj+3列の表示セル14にも放電を
発生させ、次に移行すべき走査電極Si+1に属する表示
セル14に荷電粒子を供給することができる。
【0043】図3(c)では、Siに属する表示セル1
4からの荷電粒子の供給を受けるので、i+1行目の走査
電極Si+1に走査パルス24が印加された際に、表示す
べきj+1列及びj+2列の表示セル14だけでなく、非表示
のj列及びj+3列の表示セル14においても放電が安定に
発生し、更に次に移行すべき走査電極Si+2(図示せ
ず)に属する表示セル14に荷電粒子を供給する。
【0044】走査パルス24とデータパルス27とが重
畳すると、走査電極12とデータ電極19との間で対向
放電が発生する。また、走査パルス24と面書込みパル
ス28とが重畳すると、走査電極12と共通電極13と
の間で面放電が発生する。ここで、データパルス27及
び面書込みパルス28の極性と、走査パルス24の極性
とは逆であることが必要である。図4においては、走査
パルス24が負極性なので、データパルス27及び面書
込みパルス29は夫々正極性となる。
【0045】以上のように、本実施形態例では、書込み
放電時に、走査電極Siに属する全ての表示セル14
が、走査パルス24の印加時に表示のオン/オフに拘わ
らず放電して空間電荷(荷電粒子)を生成する。更に、
生成された空間電荷は、拡散によって、隣接する走査電
極Si+1に属する全ての表示セル14に広がる。これを
連続させることにより、次の走査電極12に属する表示
セル14が、直前の走査電極12に属する表示セル14
からの荷電粒子の供給を受け、放電確率が格段に高まっ
て安定に放電・発光する。この際の放電確率は、直前の
走査電極12に属する表示セル14からの空間電荷の供
給が無い場合に比して飛躍的に向上する。
【0046】このため、従来では確実な放電発生のため
にパルス幅が大きくなっていた走査パルス24のパルス
幅を小さくできるので、走査期間(図11参照)を短縮
させ、高速で安定な書込み放電が実現でき、維持期間と
して利用できる時間を増やすことができる。従って、走
査電極数が多い場合でも高精細で発光輝度が高く表示品
位が高い映像表示が得られる。また、パネル構造や駆動
ドライバに対する特別な変更が不要なので、歩留まりが
向上する。
【0047】図5は、図4の駆動電圧波形における面書
込みパルス28のパルス幅が大きい場合を示す。この例
では、面書込みパルス28のパルス幅が走査パルス24
に比して十分に大きいので、図示した走査パルス24の
前後に印加される別の走査パルス24にも対応すること
ができ、図4の例と同様の効果が得られると共に、次の
効果をも得ることができる。つまり、PDPのような容
量性負荷に対してパルスを印加する場合に、負荷性容量
への充放電に費やされる電力は駆動時の損失となるが、
図5のように面書込みパルス28のパルス幅が大きい
と、印加する面書込みパルス数を減らすことができ、こ
れにより、充放電損失が削減できる。また、面書込みパ
ルス28のパルス幅を、全走査電極12に時分割に走査
パルス24を印加するのに要する走査期間以上に設定す
ると、面書込みパルス28の印加が1回のみで足り、充
放電損失を最小限に抑えることができる。
【0048】ここで、図4の駆動電圧波形による壁電荷
分布の変化を図6に示す。図6(a)では、各電極に対
して図4の駆動電圧波形を用い、図6(b)では、図4
のデータパルス27が無い駆動電圧波形を用いる。
【0049】図11に示した走査期間において、図6
(a)に示すように、走査パルス24に同期して面書込
みパルス28と共にデータパルス27が印加されると、
対応する表示セル14内で対向放電と面放電とが同時に
発生する。放電後には、走査電極12上に正の壁電荷
が、データ電極19上及び共通電極13上に負の壁電荷
が夫々形成される。一方、図6(b)に示すように、走
査期間においてデータパルス27が印加されない場合に
は、対応する表示セル14内で面放電のみが発生し、放
電後には、走査電極12上に正の壁電荷が、共通電極1
3上に負の壁電荷が夫々形成される。これらが、本実施
形態例のPDPで書込み放電を行った直後の2通りの壁
電荷状態である。
【0050】上記壁電荷分布状態のまま維持期間に移行
して維持パルス25(図11参照)が印加されると、図
6(a)及び(b)の何れにおいても、走査電極12と
共通電極13との間の面放電が維持放電として持続する
ことになる。このため、書込みを行わない表示セル14
側では、図11における走査期間が終了して維持期間に
移行する前に、維持パルスが印加されても面放電が生じ
ないような壁電荷状態にする必要がある。
【0051】つまり、走査期間から維持期間に移行する
時点で、図6(a)、(b)の双方に対応する表示セル
14の共通電極13に、図7に示す負極性のなまりパル
ス30を印加する。この場合に、図6(a)では、デー
タ電極19上及び共通電極13上に負の電荷が夫々存在
し、走査電極12上には双方の負電荷に釣り合う正の電
荷が存在するので、共通電極13上の負電荷に、波形が
なまった負極性なまりパルス30が重畳した時点で、走
査電極12と共通電極13との間で消去放電が発生し
て、走査電極12上及び共通電極13上の各電荷が消去
され、データ電極19上にのみ負の電荷が残った状態に
なる。一方、図6(b)では、共通電極13上に負の電
荷が、走査電極12上には負電荷に釣り合う正の電荷が
存在した状態なので、共通電極13に負極性なまりパル
ス30が印加されても消去放電は発生せず、壁電荷は同
図に示したままの状態を維持する。
【0052】上記消去放電の後、維持期間において走査
電極12と共通電極13とに維持パルス25、26が交
互に印加されることにより、走査電極12上及び共通電
極13上に電荷が存在している図6(b)でのみ維持放
電(面放電)が発生する。これにより、表示、非表示の
表示セル14が明確に区別されて発光する。
【0053】本実施形態例では、負極性のなまりパルス
30に代えて、負極性の低電圧の矩形パルスやパルス幅
が大きいパルスを印加すること、或いは、負極性の高電
圧の矩形パルスやパルス幅が小さいパルスを印加するこ
とによっても、上記と同様の消去放電を発生させること
ができる。
【0054】図7と同様の状況下における駆動電圧波形
を図8に示す。同図では、走査電極12に、波形がなま
った正極性のなまりパルス31を印加することによっ
て、負極性のなまりパルス30の場合と同様に消去放電
を発生させる。この場合にも、上記と同様の効果が得ら
れる。また、正極性なまりパルス31に代えて、正極性
の低電圧の矩形パルスやパルス幅が大きいパルスを印加
すること、或いは、正極性の高電圧の矩形パルスや短い
パルス幅のパルスを印加することによっても、同様の消
去放電を発生させることができる。なお、図8における
共通電極13に付した波線は、面放電抑制のために正極
性のパルスが印加される可能性があることを示す。
【0055】図8の駆動電圧波形を使った場合では、図
6(a)では、データ電極19上及び共通電極13上に
負の電荷が夫々存在し、走査電極12上には双方の負電
荷に釣り合う正の電荷が存在するので、走査電極12上
の正電荷に、波形がなまった正極性なまりパルス31が
重畳した時点で、走査電極12とデータ電極19との間
で消去放電が発生して、走査電極12上及びデータ電極
19上の各電荷が消去され、共通電極13上にのみ負の
電荷が残った状態になる。一方、図6(b)では、共通
電極13上に負の電荷が、走査電極12上には負電荷に
釣り合う正の電荷が存在した状態なので、走査電極12
に正極性なまりパルス31が印加されてもデータ電極1
9との間で消去放電は発生せず、壁電荷は同図に示した
ままの状態を維持する。ただし、走査電極12に正極性
なまりパルス31が印加が印加されたときに、走査電極
12と共通電極13との間で消去放電が発生してしまう
場合がある。これを抑制するためには、正極性なまりパ
ルス31と同時に、共通電極13に正極性のパルスを印
加すればよい。
【0056】次に、本発明の第2実施形態例について説
明する。図9(a)、(b)は、各電極12、19に印
加する駆動電圧波形、これによる放電状態、及びその前
後の壁電荷分布を模式的に夫々示す図である。
【0057】本実施形態例では、走査期間から維持期間
に移行する時点での消去放電の発生手法が第1実施形態
例とは異なり、維持パルスの印加に先立って、共通電極
13に負極性の矩形パルス33を、データ電極19に正
極性の矩形パルス34を夫々印加する。
【0058】この場合に、図6(a)と同じ壁電荷状態
(図9(a))では、データ電極19上に存在する壁電
荷が負極性であり、印加される矩形パルス34とは逆極
性なので、矩形パルス34を印加しても、放電空間に実
効的に印加される電圧は、印加した矩形パルス34によ
る電圧よりも低下し、消去放電は発生しない。これによ
り、共通電極13上及びデータ電極19上に負極性の壁
電荷が夫々存在し、走査電極12上に、電極13、19
の双方における負極性の壁電荷に釣り合う正極性の壁電
荷が存在する状態になる。
【0059】一方、図6(b)と同じ壁電荷状態(図9
(b))では、データ電極19上に壁電荷が存在せず、
印加される矩形パルス34が正極性なので、矩形パルス
34の印加によって、共通電極13とデータ電極19と
の間で対向放電(消去放電)が発生する。これにより、
走査電極12上及び共通電極13上に正極性の壁電荷が
夫々存在し、データ電極19上に、電極12、13の双
方における正極性の壁電荷に釣り合う負極性の壁電荷が
存在する状態になる。
【0060】上記選択的な対向放電で形成された図9
(a)、(b)の壁電荷状態で維持パルスが印加される
と、図9(a)では、走査電極12上及び共通電極13
上の各壁電荷の極性が相互に異なり、壁電荷による電位
差が存在するので、印加された維持パルスと壁電荷によ
る電位差との重畳で維持放電が発生し、対応する表示セ
ル14が発光する。
【0061】これに対し、図9(b)では、走査電極1
2上及び共通電極13上の各壁電荷の極性が相互に同じ
で、壁電荷による電位差が存在しないので、図9(a)
の壁電荷状態で維持放電を発生させるときよりも高い電
圧のパルスを印加しなければ、維持放電は発生しない。
つまり、図9(a)の壁電荷状態では維持放電が発生
し、図9(b)の壁電荷状態では維持放電が発生しない
ように維持パルスの電圧及びパルス幅を設定しておくこ
とで、図9(a)を表示用の壁電荷状態、図9(b)を
非表示用の壁電荷状態とすることができる。
【0062】次に、本発明の第3実施形態例について説
明する。図10は、走査パルス24が印加されたタイミ
ングで走査電極12とデータ電極19とに印加される、
表示、非表示に対応する各駆動電圧波形を示す。
【0063】従来の駆動方法では、負極性の走査パルス
24に同期した正極性のデータパルス25を印加するこ
とで、走査電極12とデータ電極19との間に電位差を
生じさせ、この電位差が放電開始電圧を超えた時点で対
向放電を発生させ、走査電極12上に正の壁電荷を、デ
ータ電極19上に負の壁電荷を夫々形成した。
【0064】しかし、走査電極12とデータ電極19と
の間の電位差が放電開始電圧をごく僅かに超える程度で
あれば、形成される壁電荷量は小さく、その後に維持パ
ルス25が印加されて壁電荷と重畳しても維持放電は発
生しない。本実施形態例では、この原理を利用し、維持
放電を発生させるべき表示セル14では、高電圧(高い
波高値)のデータパルス27を印加して、強い対向放電
を発生させて十分に大きな壁電荷を形成する。一方、維
持放電を発生させずに非表示とする表示セル14では、
低電圧(低い波高値)のデータパルス27を印加して、
弱い対向放電を発生させて小さな壁電荷を形成する。
【0065】本実施形態例によると、走査パルス24の
印加時に、表示すべき表示セル14及び非表示の表示セ
ル14の双方で、走査電極12とデータ電極19との間
の対向放電(共通放電)が発生するので、第1実施形態
例と同様の効果を得ることができる。しかも、第2、第
3実施形態例のように、維持期間の直前で表示する表示
セル14と非表示の表示セル14とを区別するための駆
動を不要にできるという利点がある。
【0066】本実施形態例では、弱い対向放電を発生さ
せるために低電圧のデータパルス27を走査パルス24
に同期して印加したが、これに代えて、走査期間の全域
においてデータ電極19に低電位のバイアス電圧を印加
しておき、走査パルス24が印加されたときこれに同期
して、上記バイアス電圧よりも高い電圧のデータパルス
27を印加する手法を採ることもできる。この場合に、
低電位のバイアス電圧は、走査パルス24との重畳によ
って弱い対向放電を発生させその後の維持放電には移行
できない大きさに設定する。
【0067】或いは、前記データ電極19に低電圧のバ
イアス電圧を印加せずに、このバイアス電圧に相当する
電圧分を走査パルス24に上乗せしてもよい。この場
合、走査パルス24の波高値だけで放電開始電圧を僅か
に越える値となり、走査パルス24が印加されただけで
弱い対向放電が発生する。しかし、この弱い対向放電が
発生したセルは、その後の維持放電には移行できず、走
査パルス24と同期してデータパルス27が印加され強
い対向放電が発生したセルだけが維持放電に移行でき
る。
【0068】以上のように、第1〜第3実施形態例で
は、全ての表示セル14の書込み放電が、直前の走査電
極12に属する表示セル14からの荷電粒子の供給を受
けることで高速化されるので、書込み放電の発生を確実
にするための従来の予備放電及び予備放電消去を省いて
も、書込みの確実性が損なわれることはない。この際
に、全サブフィールド又は一部のサブフィールドから予
備放電及び予備放電消去を省くことで余った時間を、維
持パルス数の増大に利用することができる。これによ
り、維持放電の回数を増加して発光輝度を増すことがで
き、また、走査電極数を増大させることもできる。
【0069】ところで、各実施形態例では、直前の走査
電極12に属する隣接表示セル14からの荷電粒子の供
給を受けて次の表示セル14の駆動を高速化し、予備放
電及び予備放電消去を省いたが、先頭の走査電極12に
属する表示セル14については、それ以前の走査電極1
2に属する表示セル14からの荷電粒子の供給が無い。
【0070】そこで、先頭の走査パルス24のパルス幅
とこの走査パルス24に同期するデータパルス27のパ
ルス幅とを夫々大きくすることで、走査期間における先
頭の走査電極12で確実に書込み放電を発生させる。或
いは、これに代えて、走査期間で最初に印加される走査
パルス24の波高値を、この走査パルス24に後続して
印加される別の走査パルス24よりも高く設定すること
で、同一の走査期間における先頭の走査パルス24によ
って確実に書込み放電を発生させることもできる。
【0071】また、先頭の走査パルス24に対応する表
示セル14に対しては予備放電及び予備放電消去を行
い、後続の走査パルス24に対応する表示セル14に対
しては予備放電及び予備放電消去を行わない構成とする
こともできる。これにより、走査期間における先頭の走
査電極12に属する表示セル14で書込み放電が発生し
たとき、これ以降の走査電極12上の表示セル14が荷
電粒子の供給によって書込み放電を高速に発生させるこ
とができる。
【0072】なお、先頭の走査電極12に属する表示セ
ル14の前面基板10側を遮光し、実際の映像表示が2
番目以降の走査電極12を使用して行うことにより、コ
ントラストを向上させることができる。
【0073】以上、本発明をその好適な実施形態例に基
づいて説明したが、本発明のプラズマディスプレイパネ
ルの駆動方法は、上記実施形態例の構成にのみ限定され
るものではなく、上記実施形態例の構成から種々の修正
及び変更を施したプラズマディスプレイパネルの駆動方
法も、本発明の範囲に含まれる。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のプラズマ
ディスプレイパネルの駆動方法によると、パネル構造や
駆動ドライバに対する特別な変更が不要であり、製造歩
留まりが高く、パルス幅が小さい走査パルスを用いなが
らも書込み放電が安定に行え、1サブフィールド内の維
持期間を延ばして発光輝度を向上させ、高精細な映像表
示を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態例におけるAC−PDP
の主要構成部分を示す断面図である。
【図2】本実施形態例のAC−PDPの電極構造を示す
平面図である。
【図3】本実施形態例の表示パターンとその対応する書
込み放電との関係を模式的に示す図であり、(a)は表
示パターンを、(b)は走査電極Siへのパルス印加時
の放電状態を、(c)は走査電極Si+1へのパルス印加
時の放電状態を夫々示す。
【図4】本実施形態例において各電極に印加される駆動
電圧波形を示す図である。
【図5】面書込みパルスのパルス幅が大きい駆動電圧波
形例を示す図である。
【図6】図4の駆動電圧波形により形成される壁電荷分
布の変化を示す図であり、(a)は図4と同じ駆動電圧
波形の場合を、(b)はデータパルスが印加されない駆
動電圧波形の場合を夫々示す。
【図7】本発明の第1実施形態例において維持パルスの
印加前に各電極に印加される駆動電圧波形例を示す図で
ある。
【図8】第1実施形態例において維持パルスの印加前に
各電極に印加される駆動電圧波形例を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態例における放電状態及び
壁電荷分布を模式的に示す図であり、(a)はデータ電
極上に負極性の壁電荷が存在する場合を、(b)はデー
タ電極上に負極性の壁電荷が存在しない場合を夫々示
す。
【図10】本発明の第3実施形態例における走査電極と
データ電極とに印加される各駆動電圧波形を示す図であ
る。
【図11】従来のAC−PDPの駆動方法における1サ
ブフィールドの駆動電圧波形例を示すタイミングチャー
トである。
【図12】従来のAC−PDPの階調表示方法を模式的
示す図である。
【符号の説明】
10:前面基板 11:背面基板 12:走査電極(第1行電極) 13:共通電極(第2行電極) 15a、15b:誘電体層 16:保護層 18:蛍光体 19:データ電極(列電極) 20:放電空間 21:消去パルス 22:予備放電パルス 23:予備放電消去パルス 24:走査パルス 25、26:維持パルス 27:データパルス 28:面書込みパルス

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に対向する平板状の第1及び第2基
    板と、前記第1基板上に行方向に配設された複数の第1
    及び第2行電極と、前記第2基板上に列方向に配設され
    た複数の列電極と、前記第1及び第2行電極と前記列電
    極との各交差部分に配設された表示セルとを備え、走査
    期間では前記第1行電極及び列電極に夫々走査パルス及
    びデータパルスを印加することで書込み放電を行い、維
    持期間では前記第1及び第2行電極に夫々維持パルスを
    印加することで維持放電を行って表示セルを発光させる
    プラズマディスプレイパネルの駆動方法において、 前記走査期間では、前記維持期間で発光させる第1の表
    示セル及び発光させない第2の表示セルの双方で共通の
    放電を行い、該共通放電と同時に前記第1又は第2の表
    示セルの内の何れか一方にのみ選択的な書込み放電を更
    に行うことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの
    駆動方法。
  2. 【請求項2】 前記共通放電は、前記第1行電極に印加
    される走査パルスに同期して前記第2行電極に面書込み
    パルスが印加されることにより、前記第1及び第2行電
    極の相互間で発生する面放電であることを特徴とする、
    請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方
    法。
  3. 【請求項3】 前記面書込みパルスが、前記走査パルス
    よりも十分に大きいパルス幅を有することを特徴とす
    る、請求項2に記載のプラズマディスプレイパネルの駆
    動方法。
  4. 【請求項4】 前記走査期間から維持期間に移行する際
    に、前記第1又は第2の何れか一方の表示セルでのみ発
    生する消去放電を行い、前記維持期間では、前記消去放
    電によって維持パルスの印加時に発光可能な壁電荷分布
    となった表示セルで前記維持放電を発生させることを特
    徴とする、請求項1〜3の何れかに記載のプラズマディ
    スプレイパネルの駆動方法。
  5. 【請求項5】 前記消去放電は、前記第2行電極に消去
    放電パルスが印加されることによって前記第1及び第2
    行電極の相互間で発生することを特徴とする、請求項4
    に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  6. 【請求項6】 前記消去放電は、前記第1行電極に消去
    放電パルスが印加されることによって前記第1電極及び
    列電極の相互間で発生することを特徴とする、請求項4
    に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  7. 【請求項7】 前記消去放電は、前記第2行電極に走査
    パルスと同じ極性のパルスが、前記列電極にデータパル
    スと同じ極性のパルスが夫々印加されることによって前
    記第2行電極及び列電極の相互間で発生することを特徴
    とする、請求項4に記載のプラズマディスプレイパネル
    の駆動方法。
  8. 【請求項8】 前記第1行電極への走査パルスの印加時
    に、前記第1の表示セルに対応する前記列電極に、前記
    書込み放電後に維持放電に移行可能な量の壁電荷を蓄積
    可能な電圧のデータパルスを印加することによって前記
    書込み放電が発生し、前記第2の表示セルに対応する前
    記列電極に、前記共通放電後に維持放電に移行しない量
    の壁電荷を蓄積可能な電圧のデータパルスを印加するこ
    とによって前記共通放電が発生することを特徴とする、
    請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方
    法。
  9. 【請求項9】 前記走査期間では、前記第2の表示セル
    が前記共通放電後に維持放電に移行しない量の壁電荷を
    蓄積可能な電位に前記列電極をバイアスすることによっ
    て前記共通放電が発生し、前記第1の表示セルに対応す
    る前記列電極に、前記書込み放電後に維持放電に移行可
    能な量の壁電荷を蓄積可能な電圧のデータパルスを印加
    することによって前記書込み放電が発生することを特徴
    とする、請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル
    の駆動方法。
  10. 【請求項10】 同じ走査期間で最初に印加される走査
    パルス及び該走査パルスに同期して印加されるデータパ
    ルスの各パルス幅が、後続する別の走査パルス及び別の
    データパルスの各パルス幅よりも大きいことを特徴とす
    る、請求項1〜9の何れかに記載のプラズマディスプレ
    イパネルの駆動方法。
  11. 【請求項11】 同じ走査期間で最初に印加される走査
    パルスの波高値が、該走査パルスに後続する別の走査パ
    ルスの波高値よりも大きいことを特徴とする、請求項1
    〜9の何れかに記載のプラズマディスプレイパネル。
  12. 【請求項12】 同じ走査期間における最初の走査パル
    スに対応する表示セルに対しては予備放電及び予備放電
    消去を施し、後続の走査パルスに対応する表示セルに対
    しては予備放電及び予備放電消去を施さないことを特徴
    とする、請求項1〜11の何れかに記載のプラズマディ
    スプレイパネル。
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