JPH11119377A - 写真印画紙用支持体原紙の製造方法 - Google Patents

写真印画紙用支持体原紙の製造方法

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JPH11119377A
JPH11119377A JP28080697A JP28080697A JPH11119377A JP H11119377 A JPH11119377 A JP H11119377A JP 28080697 A JP28080697 A JP 28080697A JP 28080697 A JP28080697 A JP 28080697A JP H11119377 A JPH11119377 A JP H11119377A
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Yukio Hirashima
幸男 平嶋
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 写真印画紙用支持体の平滑性が良好にな
り、その結果、高平滑性の写真印画紙を得ることができ
るようにした写真印画紙用支持体原紙を提供できるよう
にする。 【解決手段】 長網抄紙機で抄紙した原紙用紙材(ウェ
ブ7)を、ドライヤーパートでドラムドライヤーシリン
ダー1、3を用いて乾燥する工程を含む写真印画紙用支
持体原紙の製造方法において、前記ドライヤーパート内
で原紙用紙材(ウェブ7)の写真用感光乳剤を塗布する
側の面をドラムドライヤーシリンダー1に接触させた状
態で、原紙用紙材(ウェブ7)の写真用感光乳剤を塗布
しない面から加圧ロール(ドライヤータッチロール5)
で圧力を加えるものであって、加圧ロール(ドライヤー
タッチロール5)を通過する際の原紙用紙材(ウェブ
7)の水分率を10〜40%とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面の平滑性に優
れた写真印画紙用支持体原紙の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、写真印画紙用支持体は、耐水性
を高めるために、写真印画紙用支持体原紙の両面に、ポ
リエチレン等のポリオレフィン系樹脂等の耐水性樹脂を
溶融押し出しして被覆し、製造されている。この場合、
写真用感光乳剤を塗布する側の面(以下、「おもて面」
という)については、特に光反射効率を高める等、画像
品質を確保する上から、通常、酸化チタンやブルーイン
グ剤等の顔料を、耐水性樹脂中に分散して用いている。
【0003】このような耐水性樹脂が被覆された写真印
画紙用支持体(以下、「耐水性支持体」という)のおも
て面に写真乳剤を塗布して得られる写真印画紙の写真乳
剤層の表面形状は、平滑な光沢面のものから、近年で
は、マット或いは絹目の模様のもの等まであるが、今な
お、光沢面のものが最も好まれ、多量に生産されてい
る。したがって、写真印画紙の写真乳剤層の表面は、鏡
面のような平滑性が要求される。
【0004】従来のバライタ紙を用いた写真印画紙は、
写真乳剤層の表面を平滑にするため、現像処理工程でフ
ェロタイプ掛けをすることが行われていた。
【0005】しかしながら、耐水性支持体を用いた写真
印画紙は、フェロタイプ掛けせずに現像処理がなされ、
また、写真乳剤層も10μm程度と極めて薄いので、耐
水性支持体のおもて面が写真印画紙の写真乳剤層の表面
の平滑性に与える影響が大きく、従って耐水性支持体の
おもて面には高平滑性が要求される。
【0006】耐水性支持体のおもて面の平滑性(以下、
「支持体の平滑性」という)を向上させる方法として
は、被覆するポリエチレンの層を厚くする方法や、ポリ
エチレンを原紙に強く押しつけて被覆する方法が知られ
ているが、何れの方法も支持体の平滑性の向上が不十分
である上、支持体の製造コストを上昇させるという欠点
があった。
【0007】また、使用する支持体原紙の平滑度を上げ
て支持体の平滑性を向上させる方法としては、マシンカ
レンダーの圧力を増大させて密度を高くした支持体原紙
を用いる方法があるが、この方法は、ブラッキングや紙
ベコ等の原紙の外観故障が発生しやすいのみならず、平
滑性の向上が不十分であるという欠点があった。
【0008】さらに、支持体原紙の物性を改善して支持
体の平滑性を向上させる方法として、ベック平滑度を9
5秒以上とした原紙を用いる方法(特開昭58−376
42号公報)、パルプのO繊維長が42メッシュの篩上
部分を20〜45%含有する支持体原紙を用いる方法
(特開昭58−68037号公報)、直径が0.4μm
以下の空隙が0.04ml/g以上の支持体原紙を用い
る方法(特開昭60−67940号公報)等が提案され
ている。また、抄紙工程で、ソフトカレンダーを用いて
表面の平滑性を向上させた支持体原紙を用いる方法(特
開平2−264940号公報)が提案されており、さら
に、ドライヤーパートの前半部では写真乳剤を塗布する
側の原紙面を、ドライヤーパートの後半部では写真乳剤
を塗布する側と反対の原紙面をドラムドライヤーシリン
ダー面に接触させ、原紙の水分率をドライヤーパートの
前半部及び後半部で各々特定の範囲とする写真印画紙用
支持体原紙の製造方法が提案されている(特開平7−2
95140号公報)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のいずれの技術も、支持体の平滑性を十分向上さ
せることができず、十分な品質の写真印画紙を得ること
ができないという欠点があった。
【0010】本発明は、以上の問題点を解決し、支持体
の平滑性が良好になり、その結果、高平滑性の写真印画
紙を得ることができるようにした写真印画紙用支持体原
紙の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は写
真印画紙用支持体原紙(以下、「支持体用原紙」とい
う)の製造方法について鋭意検討した結果、長網抄紙機
で抄紙した原紙用紙材に対し、ドライヤーパート内で原
紙用紙材の写真用感光乳剤を塗布する側の面がドラムド
ライヤーシリンダーに接触した状態で、写真用感光乳剤
を塗布しない面から加圧ロールで圧力を加えると、平滑
性に優れた写真印画紙を得るのに好適な支持体用原紙を
製造することができるということを見出し本発明に到達
した。
【0012】すなわち、本発明の写真印画紙用支持体原
紙の製造方法は、長網抄紙機で抄紙した原紙用紙材を、
ドライヤーパートでドラムドライヤーシリンダーを用い
て乾燥する工程を含む写真印画紙用支持体原紙の製造方
法において、前記ドライヤーパート内で原紙用紙材の写
真用感光乳剤を塗布する側の面(おもて面)をドラムド
ライヤーシリンダーに接触させた状態で、原紙用紙材の
写真用感光乳剤を塗布しない面(うら面)から加圧ロー
ルで圧力を加えるものであって、加圧ロールを通過する
際の原紙用紙材の水分率が10〜40%であることを特
徴とし構成されている。
【0013】本発明の写真印画紙用支持体原紙の製造方
法においては、ドライヤーパート内で原紙用紙材の写真
用感光乳剤を塗布する側の面をドラムドライヤーシリン
ダーに接触させた状態で、原紙用紙材の写真用感光乳剤
を塗布しない面から加圧ロールで圧力を加えるものであ
って、加圧ロールを通過する際の原紙用紙材の水分率が
10〜40%とすることにより、支持体原紙のおもて面
の平滑性を向上させる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明においては、原紙用紙材の
おもて面をドラムドライヤーシリンダーに接触させた状
態で、原紙用紙材のうら面から加圧ロールで圧力を加え
るものであるが、この時の原紙用紙材の水分率は、10
〜40%であることが必要で、好ましくは15〜25%
である。水分率が40%を越えると、平滑性が不十分で
あるとともに、外観故障が発生し、また、水分率が10
%以下では平滑性が不十分となる。この原紙用紙材の水
分率は、JIS P 8127に準じて測定した値であ
る。
【0015】本発明においては、原紙用紙材のおもて面
をドラムドライヤーシリンダーに接触させた状態で、原
紙用紙材のうら面から加圧ロールで圧力を加えるもので
あるが、この加圧ロールによる圧力としては、5〜80
kgf/cmであることが好ましく、10〜40kgf
/cmであることがより好ましい。圧力が80kgf/
cmを越えると外観故障が発生し、また、圧力が5kg
f/cm未満では十分な平滑性を得ることができない。
【0016】加圧ロールで原紙用紙材に圧力を加えるに
は、加圧ロールで直接加圧しても、ドライヤーカンバス
を介して間接的に加圧してもよいが、加圧ロールで直接
加圧することが好ましい。
【0017】加圧ロールで原紙用紙材を加圧するには、
原紙用紙材が上述した水分率になっておれば、ドライヤ
ーパートにおける何れのドラムドライヤーシリンダーで
おこなってもよい。
【0018】なお、写真印画紙用支持体原紙の製造に際
しては、ドライヤーパート入口部における原紙用紙材の
水分率は、使用する紙料の叩解度、製造する原紙の坪
量、内点薬品の添加量によって異なるが、通常、50〜
60%の範囲であり出口部の水分率は2〜9%の範囲で
ある。
【0019】本発明の写真印画紙用支持体原紙に用いる
紙料は、特に限定されるものではなく、通常の広葉樹漂
白クラフトパルプ、針葉樹サルファイトパルプ、これら
の混合パルプ等を用いることができる。紙料に対して
は、通常、クレー、タルク、炭酸カルシウム、尿素樹脂
微粒子等の充填剤、アルキルケテンダイマー、ロジン、
高級脂肪酸塩、パラフィンワックス、アルケニルコハク
酸等のサイズ剤、ポリアクリルアミド等の紙力増強剤、
硫酸バンド等の定着剤などが添加されるが、必要に応じ
て以下の柔軟化剤を添加することもできる。
【0020】柔軟化剤に関しては、例えば、新・紙加工
便覧(紙薬タイム編)554〜555頁(1980年発
行)に記載されたものを使用することができるが、この
中でも特に分子量200以上のものが好ましい。この柔
軟化剤は、炭素数10以上の疎水性基を有し、また、セ
ルロースと自己定着するアミン塩又は第4級アンモニウ
ム塩となっている。柔軟化剤の具体例としては、無水マ
レイン酸共重合物とポリアルキレンポリアミンとの反応
生成物、高級脂肪酸とポリアルキレンポリアミンとの反
応生成物、ウレタンアルコールとアルキル化剤との反応
生成物、高級脂肪酸の第4級アンモニウム塩等が挙げら
れるが、特に、無水マレイン酸共重合物とポリアルキレ
ンポリアミンとの反応生成物、ウレタンアルコールとア
ルキレン化剤との反応生成物を用いることが好ましい。
【0021】支持体原紙に用いるパルプ表面に、ゼラチ
ン、スターチ、カルボキシメチルセルロース、ポリアク
リルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコ
ールの変性物等の被膜形成ポリマーにより、表面サイズ
処理することもできる。この場合のポリビニルアルコー
ルの変性物としては、カルボキシル変性物、シラノール
変性物、アクリルアミドとの共重合物等が挙げられる。
また、被膜形成性ポリマーの塗布量は0.1〜5.0g
/m2、好ましくは0.5〜2.0g/m2に調整され
る。上記被膜形成性ポリマーには、必要に応じて更に帯
電防止剤、蛍光増白剤、顔料、消泡剤等を添加すること
ができる。
【0022】本発明の製造方法において、支持体原紙
は、上述したパルプ及び必要に応じて添加した充填剤、
サイズ剤、紙力増強剤、定着剤等の添加剤を含有したパ
ルプスラリーを長網抄紙機において抄紙し、ドライヤー
パートで乾燥し、巻き取って製造される。この乾燥の前
後のいずれかにおいて、前記表面サイズ処理が行われ、
また、乾燥後から巻取りの間にカレンダー処理が行われ
る。
【0023】上記カレンダー処理は、表面サイズ処理を
乾燥後に行う場合には、表面サイズ処理の前後のいずれ
かにおいても実施することが、各種処理を実行した最終
の仕上げ工程でカレンダー処理を実施することが好まし
い。カレンダー処理に使用する金属ロールや弾性ロール
は、通常の紙の製造の場合に用いられる公知のものが使
用される。本発明で製造される支持体原紙は、上述した
カレンダー処理によって、最終的に、50〜250μm
の膜厚に調整される。支持体原紙の密度は0.8〜1.
3g/m3、好ましくは1.0〜1.2g/m3である。
【0024】本発明の写真印画紙用支持体原紙を用いて
写真印画紙用支持体を製造する。すなわち、支持体原紙
の両面に耐水性樹脂を、例えば、溶融ラミネートして耐
水性樹脂被覆層を設ける事により、容易に製造する事が
出来る。耐水性樹脂は、240〜340℃で溶融押出し
することのできる樹脂の中から適宜選択して用いること
ができるが、通常は、ポリエチレン、ポリプロピレン等
のポリオレフィン系樹脂やポリエステル系樹脂が用いら
れる。これらの中でも特に、低密度ポリエチレン、線状
低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリエチレンテレフタレート及びこれらの樹脂と
他のポリオレフィン系樹脂を混合した樹脂の群の中から
選択される。
【0025】支持体原紙のおもて面に被覆する耐水性樹
脂層中には、印画紙とした場合の画質を良好とする観点
から、二酸化チタン等の無機顔料、ブルーイング剤、蛍
光増白剤等を適宜含有させる。耐水性樹脂層には、支持
体原紙との接着性を良好とする観点から、粘着性付与樹
脂や接着性樹脂等を含有させることもできる。また、そ
の他、用途に応じて、適宜、酸化防止剤、剥離剤、中空
ポリマー等を含有させてもよい。
【0026】前記二酸化チタンの形態は、アナターゼ型
であってもルチル型であってもよいが、白色度を優先さ
せる場合には、アナターゼ型を使用することが好まし
く、鮮鋭度を優先させる場合には、ルチル型を使用する
ことが好ましい。また、白色度及び鮮鋭度の双方を考慮
して、アナターゼ型とルチル型とをブレンドして用いて
も良いし、二酸化チタン含有層を2層として、一方の層
にアナターゼ型二酸化チタンを添加し、他方の層にルチ
ル型二酸化チタンを添加しても良い。
【0027】二酸化チタンの平均粒子サイズは、0.1
〜0.4μmの範囲であることが好ましい。平均粒子サ
イズが0.1μm未満となると、耐水性樹脂層中に均一
に混合分散する事が困難となり、逆に、0.4μmを越
えると、十分な白色が得られない上、耐水性樹脂層表面
に突起が生じ、画質に悪影響を及ぼす。このような形態
及び平均粒子サイズを有する二酸化チタンとしては、例
えば、チタン工業株式会社製の商品名KA−10やKA
−20、石原産業株式会社製の商品名A−220、PF
−656、PF−654、PF−671、PF−71
5、CR−63が挙げられる。
【0028】二酸化チタンとしては、その活性を抑えて
黄変を防止するために、一般に、その表面を含有酸化ア
ルミニウム、含有酸化珪素等の無機物質で表面処理した
もの、多価アルコール、多価アミン、金属石鹸、アルキ
ルチタネート、ポリシロキサン等の有機物質で表面処理
したもの、無機物質、有機物質の処理剤を併用して表面
処理したもの等を使用することが好ましい。これらの処
理剤は無機物質にあっては、二酸化チタンに対して0.
2〜2.0重量%、有機物質にあっては、0.1〜1.
0重量%の範囲で使用することが好ましい。
【0029】二酸化チタンは、高級脂肪酸、その金属
塩、高級脂肪酸エチル、高級脂肪酸アミド等を分散助剤
として用い、2本ロール、3本ロール、ニーダー、バン
バリーミキサー等の混練機によって耐水性樹脂中に練り
込まれる。得られた二酸化チタン含有耐水性樹脂はペレ
ット状形状に成形され、二酸化チタンのマスターバッチ
ペレットとして用いられる。マスターバッチ中二酸化チ
タンの含有量は、一般に30〜75重量%程度であるこ
とが好ましく、二酸化チタン量に対して0.5〜10重
量%程度分散助剤を含有させることが好ましい。耐水性
樹脂層中の二酸化チタンの含有量は、好ましくは0〜3
5重量%、より好ましくは10〜25重量%、最も好ま
しくは13〜20重量%である。
【0030】前記ブルーイング剤としては、一般に知ら
れる群青、コバルトブルー、酸化燐酸コバルト、キナク
リドン系顔料等、及びそれらの混合物が挙げられる。ブ
ルーイング剤の粒子径は、通常、0.3〜10μmの範
囲であることが好ましい。耐水性樹脂層中のブルーイン
グ剤の含有量は、0.1〜1.0重量%、特に0.15〜
0.5重量%であることが好ましく、0.2〜0.3重
量%である事が最も好ましい。
【0031】ブルーイング剤は、2本ロール、3本ロー
ル、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機で耐水性
樹脂等の中に練り込まれる。得られたブルーイング剤含
有耐水性樹脂等はペレット形状に成形され、ブルーイン
グ剤のマスターバッチペレットとして用いられる。マス
ターバッチペレット中のブルーイング剤の含有量は、1
〜30重量%程度であることが好ましい。ブルーイング
剤のペレットを成形する際、二酸化チタンを一緒に練り
込むこともでき、またブルーイング剤の分散を助けるた
めに、低分子量の耐水性樹脂、高級脂肪酸、高級脂肪酸
エステル、高級脂肪酸アミド等の分散助剤を用いること
ができる。
【0032】耐水性樹脂層に含有させることができる前
記酸化防止剤の含有量は、耐水性樹脂量に対して50〜
1,000ppm程度であることが好ましい。このよう
にして作製された二酸化チタン及び/又はブルーイング
剤を含有するマスターバッチペレットは、耐水性樹脂等
を用いて適宜希釈し、塗布用に供される。耐水性樹脂層
に含有させることができる粘着性付与剤樹脂は、ロジン
誘導体樹脂、テルペン樹脂(例えば、高分子β−ピネ
ン)、クマロン・インデン樹脂、石油系炭化水素樹脂等
の中から適宜選択される。これらは単独で用いても2種
以上を混合して用いても良い。
【0033】上記石油系炭化水素樹脂の具体例として
は、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂ジシクロベン
タジエン系石油樹脂、共重合系石油樹脂、水添系石油樹
脂、脂環族系石油樹脂等が挙げられる。脂肪族系石油樹
脂は、特に炭素原子数9のものが好ましい。このような
粘着付与剤樹脂の配合量は、前記耐水性樹脂に対し、
0.5〜60重量%の範囲であり、好ましくは10〜3
5重量%の範囲である。粘着付与剤樹脂の配合量が0.
5重量%未満となると接着不良となり、60重量%を越
えると製造時のネックインが発生しやすくなる。
【0034】耐水性樹脂層に含有させることのできる接
着性樹脂としては、例えば、酸変性ポリオレフィン樹
脂、アイオノマー樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体
(EVA)樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、こ
れらの金属塩等が挙げられる。この接着性樹脂の配合量
は、耐水性樹脂に対して20〜500重量%の範囲であ
り、好ましくは50〜200重量%の範囲である。な
お、粘着付与剤樹脂と接着性樹脂を併用しても良い。
【0035】耐水性樹脂を支持体原紙に被覆する前に、
支持体原紙に、コロナ放電処理、火炎処理、グロー放電
処理、またはプラズマ処理などの活性化処理を施すこと
が好ましい。
【0036】本発明の支持体原紙を用いて製造された写
真印画紙用支持体には、カール防止等のために各種のバ
ックコート層を塗設することができる。また、バックコ
ート層には、特公昭52−18020号、特公昭57−
9059号、特公昭57−53940号、特公昭58−
56859号、特開昭59−214849号、特開昭5
8−184144号等の各公報に記載もしくは例示され
ている無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バイン
ダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤等を適宜
組み合わせて含有させることができる。
【0037】以上のようにして製作された写真印画紙用
支持体は、各種の写真構成層が塗設されて、カラー写真
印画紙、白黒写真印画紙、写植印画紙、反転写真材料、
銀塩拡散転写法ネガ及びポジ、印刷材料等の各種の用途
に用いることができる。写真構成層としては、例えば、
塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀等の
乳剤層を設けることができる。ハロゲン化銀写真乳剤層
にカラーカプラーを含有せしめて、多層ハロゲン化銀カ
ラー写真構成層を設けることもできる。物理現像液を含
有せしめて銀塩拡散転写受像層を設けることもできる。
【0038】本発明の写真印画紙用支持体原紙の製造方
法を実施するための装置について図面を参照して説明す
る。
【0039】図1は写真印画紙用支持体原紙の製造方法
を実施するドライヤーパートの工程概略図である。
【0040】図1において、1は複数設けられた上段ド
ラムドライヤーシリンダーで、この上段ドラムドライヤ
ーシリンダー1には上段ドライヤーカンバス2が設けら
れており、また、3は複数設けられた下段ドラムドライ
ヤーシリンダーで、この下段ドラムドライヤーシリンダ
ー3には下段ドライヤーカンバス4が設けられている。
このドライヤーパートの入口側(図中左側)に配置され
た下段ドラムドライヤーシリンダー3の下端には、加圧
ロールとしてのドライヤータッチロール5が圧接状態で
設けられており、このドライヤータッチロール5にはド
ライヤータッチロール加圧用シリンダー6が設けられて
いる。
【0041】このようなドライヤーパートにおいて、写
真印画紙用支持体原紙となる原紙用紙材であるウェブ7
は、ドライヤーパートの入口側から出口側(図中右側)
へ搬送されて乾燥させられる。すなわち、まず、最初の
下段ドラムドライヤーシリンダー3において、ウェブ7
のおもて面が下段ドラムドライヤーシリンダー3に接触
するとともに、ドライヤータッチロール5がうら面に圧
力を加える。この時、ドライヤータッチロール加圧用シ
リンダー6により、ドライヤータッチロール5が加える
圧力を調整する。そして、このウェブ7は、上段ドラム
ドライヤーシリンダー1及び下段ドラムドライヤーシリ
ンダー3に交互に送られて乾燥させられる。
【0042】図2も写真印画紙用支持体原紙の製造方法
を実施するドライヤーパートの工程概略図である。
【0043】図2において、上段ドラムドライヤーシリ
ンダー1、下段ドラムドライヤーシリンダー3及び上段
ドライヤーカンバス2は、図1と同様に構成されてい
る。下段ドライヤーカンバス4は、中央の下段ドラムド
ライヤーシリンダー3を残して両側にそれぞれ設けられ
ている。また、ドライヤータッチロール5及びドライヤ
ータッチロール加圧用シリンダー6は、中央の下段ドラ
ムドライヤーシリンダー3に設けられている。
【0044】このようなドライヤーパートにおいては、
ウェブ7は、まず、下段ドラムドライヤーシリンダー3
及び上段ドラムドライヤーシリンダー1で交互に乾燥さ
せられた後、下段ドラムドライヤーシリンダー3におも
て面が接触した状態でうら面がドライヤータッチロール
5により加圧され、さらに、その後、上段ドラムドライ
ヤーシリンダー1及び下段ドラムドライヤーシリンダー
3で交互に乾燥させられる。
【0045】
【実施例】
〈実施例1〜6〉広葉樹漂白クラフトパルプ50重量%
及び針葉樹サルファイトパルプ50重量%の混合パルプ
を、ダブルディスクリファイナーを用いて叩解し、対パ
ルプ絶乾重量比で、ステアリン酸ナトリウム1.5重量
%、硫酸アルミニウム1.5重量%、ポリアミドポリア
ミンエピクロルヒドリン0.5重量%及びアルキルケテ
ンダイマー0.3重量%を各々添加した。
【0046】得られたパルプスラリーを長網抄紙機で抄
紙し、図1に示すようなドライヤーパートにおいて、お
もて面がドラムドライヤーシリンダーに接触している状
態で、うら面にドライヤータッチロール(加圧ロール)
で圧力を加えた。得られた写真印画紙用支持体原紙は、
坪量170g/m2、厚さ165μmであった。
【0047】以上のような写真印画紙用支持体原紙の製
造において、ドライヤータッチロールで加圧される際の
ウェブ(原紙用紙材)の水分率及びドライヤータッチロ
ールの線圧を変更して行なった。水分率及び線圧は、表
1に示す。
【0048】なお、上記ウェブの水分率は、ドライヤー
タッチロールの出口aで測定した値である。
【0049】得られた写真印画紙用支持体原紙を1KW
のコロナ放電によって処理した後、支持体原紙のうら面
に、高密度ポリエチレン50重量%及び低密度ポリエチ
レン50重量%の樹脂を、溶融温度325℃、ラインス
ピード200m/分で溶融押出しラミネートし、厚さが
29μmの耐水性樹脂層を設けた。次に、おもて面に、
アナターゼ型酸化チタンを低密度ポリエチレンに対して
14重量%含有させた樹脂組成物を、上記と同一の条件
で溶融押出しラミネートし、厚さが28μmの耐水性樹
脂層を設け、写真印画紙用支持体を得た。
【0050】得られた写真印画紙用支持体のおもて面
に、公知のゼラチン・ハロゲン化銀写真乳剤を塗布・乾
燥し、写真乳剤層を設けて写真印画紙を得た。
【0051】得られた写真印画紙を用い、画像を露光
し、現像して写真を得た。この得られた写真の写真乳剤
層に存在する数mmの波状の凹凸及び1mm前後の点状
凹凸(平滑性)を目視によって観察して写真見本と比較
し、10段階で下記のように評価を行った。10点が最
も平滑性が優れ、1点が最も劣り、5点以下は商品価値
がないことを示す。結果を表1に示す。
【0052】〈比較例1〜6〉ドライヤータッチロール
で加圧される際の原紙の水分率を高くした他は、実施例
と全く同様にして写真印画紙用支持体原紙を製造し、ま
た、写真印画紙用支持体及び写真印画紙を同様にして作
製し、写真の平滑性の評価を行なった。結果を表1に示
す。
【0053】〈従来例1〉ドライヤータッチロールによ
る加圧を行わない他は、実施例と全く同様にして写真印
画紙用支持体原紙を製造し、また、写真印画紙用支持体
及び写真印画紙を同様にして作製し、写真の平滑性の評
価を行なった。結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】以上の結果、本発明で製造された支持体原
紙を使用して製作された写真印画紙は、極めて良好な平
滑性を有することが確認された。
【0056】
【発明の効果】本発明の写真印画紙用支持体原紙の製造
方法によれば、極めて平滑性が高い写真印画紙用支持体
原紙を得ることができるので、得られた原紙を用いて極
めて平滑性に優れた写真印画紙用支持体を得ることがで
きる。
【0057】また、本発明の写真印画紙用支持体原紙
は、おもて面の平滑性が向上し空隙が減少しているの
で、耐水性樹脂層をラミネートする際、同伴エアーの巻
き込みによるピッツ(同伴されるエアーによる樹脂被覆
面に生じるクレーター)の発生を減少させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の写真印画紙用支持体原紙の製造方法
を実施するドライヤーパートの一例の工程概略図であ
る。
【図2】 本発明の写真印画紙用支持体原紙の製造方法
を実施するドライヤーパートの他の例の工程概略図であ
る。
【符号の説明】
1 上段ドラムドライヤーシリンダー 2 上段ドライヤーカンバス 3 下段ドラムドライヤーシリンダー 4 下段ドライヤーカンバス 5 ドライヤータッチロール(加圧ロール) 6 ドライヤータッチロール加圧用シリンダー 7 ウェブ(原紙用紙材)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長網抄紙機で抄紙した原紙用紙材を、ド
    ライヤーパートでドラムドライヤーシリンダーを用いて
    乾燥する工程を含む写真印画紙用支持体原紙の製造方法
    において、前記ドライヤーパート内で原紙用紙材の写真
    用感光乳剤を塗布する側の面をドラムドライヤーシリン
    ダーに接触させた状態で、原紙用紙材の写真用感光乳剤
    を塗布しない面から加圧ロールで圧力を加えるものであ
    って、加圧ロールを通過する際の原紙用紙材の水分率が
    10〜40%であることを特徴とする写真印画紙用支持
    体原紙の製造方法。
  2. 【請求項2】 加圧ロールを通過する際の原紙用紙材の
    水分率が15〜25%である請求項1記載の写真印画紙
    用支持体原紙の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011158613A1 (ja) * 2010-06-14 2011-12-22 デュプロ精工株式会社 抄紙機の紙表面平滑化装置

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WO2011158613A1 (ja) * 2010-06-14 2011-12-22 デュプロ精工株式会社 抄紙機の紙表面平滑化装置
JP2012001820A (ja) * 2010-06-14 2012-01-05 Duplo Seiko Corp 抄紙機の紙表面平滑化装置

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