JPH1111882A - ロープドラム - Google Patents

ロープドラム

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JPH1111882A
JPH1111882A JP15950797A JP15950797A JPH1111882A JP H1111882 A JPH1111882 A JP H1111882A JP 15950797 A JP15950797 A JP 15950797A JP 15950797 A JP15950797 A JP 15950797A JP H1111882 A JPH1111882 A JP H1111882A
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rope
drum
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winding
drum body
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Shinichi Masumoto
伸一 舛元
Yoshihiko Minoura
義彦 箕浦
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型化・軽量化を図ることができ、またロー
プ重ね巻き部におけるロープの重ね巻きが容易であり、
また複数本のロープを巻き付ける場合に、これらのロー
プにかかる荷重を均一にすることがきるロープドラムを
提供する。 【解決手段】 内側ドラム側板24と外側ドラム側板2
5とからなり内側ドラム側板24の外周部には点対称の
位置関係となる2つのロープ移行用切通し部を有する2
重ドラム側板22と、内側から外側に通じ且つ点対称の
位置関係となる2つの開口部を有するロープ巻付部材3
3と、ロープ巻付部材の内側に点対称の位置関係となる
よう配置し巻上ロープ7a,7bの一端を固定するクラ
ンプ金具32a,32bとを備えて構成したロープ重ね
巻き部36を、ドラム胴の軸方向側部に設け、クランプ
金具のそれぞれにより一端を固定した2本の巻上ロープ
を、開口部からそれぞれ順にロープ巻付部材の外側へと
導き、対向面内においてロープ巻付部材のまわりに同一
方向に一列に重ね巻きし、ロープ移行用切通し部からそ
れぞれ順にドラム胴側へと導くよう構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はロープドラムに関
し、特にコンテナクレーン等の各種クレーンに装備され
るロープドラムに適用して有用なものである。
【0002】
【従来の技術】図4は本発明のロープドラムを適用する
対象の一例として示すコンテナクレーンのトロリー部の
正面図である。
【0003】同図に示すように、横梁2にはコンテナク
レーンのボックス構造の主桁1が支持されており、この
主桁1の両側部には横行レール3a,3bが設けられて
いる。一方、コンテナクレーンのトロリー4には横行装
置5a,5bが設けられており、この横行装置5a,5
bによって横行レール3a,3b上の車輪12a,12
bを駆動するようになっている。従って、トロリー4は
横行装置5a,5bの駆動により横行レール3a,3b
に沿って横行することができる。
【0004】そして、このトロリー4には一対の巻上ド
ラム6a,6bが設置されている。巻上ドラム6a,6
bには4本のワイヤロープ等の巻上ロープ7a,7b,
7c,7dがそれぞれ2本ずつ巻き付けられており、こ
れらの巻上ロープ7a,7b,7c,7dによってスプ
レッダー10が支持されている。スプレッダー10はコ
ンテナ11に着脱可能に構成されている。従って、コン
テナ11はスプレッダー10に保持された状態で巻上ド
ラム6a,6bにより巻上げられ、トロリー4の横行に
よって所定の場所まで搬送される。なお、図4中の8は
巻上ドラム6a,6b間に設置されたケーブルドラム、
9はケーブルドラム8に巻き付けられたケーブルであ
る。
【0005】図5はかかるコンテナクレーンの巻上ドラ
ム等に従来から用いられているロープドラムの正面図で
ある。
【0006】同図に示すように、ロープドラム50は、
巻上ロープ7a,7bを巻き付けるためのドラム胴51
有すると共に、このドラム胴51の軸方向(図中左右方
向)両側部にドラム側板52a,52bを一体に備えて
いる。また、ドラム側板52aと一体のドラム軸53a
は駆動装置54に結合され、ドラム側板52bと一体の
ドラム軸53bは軸支持装置55に回転可能に支持され
ている。そして、2本の巻上ロープ7a,7bは、一端
がドラム胴51の図中左端部において反対側ドラム胴外
周面上にクランプ金具56によりそれぞれクランプされ
ると共に、ドラム胴51のまわりに同一方向に平行にド
ラム胴51の図中右端部に向かって巻き付けられてお
り、他端が同右端部から平行に下方へと延びている。
【0007】従って、このロープドラム50では、駆動
装置54によってドラム胴51を一方に回転させること
によりドラム胴51に巻き付けられている巻上ロープ7
a,7bを下方へと繰出し、また、駆動装置54によっ
てドラム胴51を他方へ回転させることにより下方へと
繰出された巻上ロープ7a,7bを再びドラム胴51に
巻き付ける。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一般にロープドラムに
はロープを1段に平巻きする場合と重ね巻きする場合と
があるが、コンテナクレーンのように頻繁に連続的に使
用されるクレーンのロープドラムでは、巻上ロープの状
態をロープドラム上で日常的に点検することができるよ
うに、上記従来のロープドラム50のように1段平巻き
の構成とするのが普通である。
【0009】ところが上記従来のロープドラム50で
は、巻上ロープ7a,7bの一端をクランプ金具56に
よってクランプしただけでは巻上ロープ7a,7bにか
かる吊り荷重を支持することができないことから、この
クランプ金具56の支持力を補充するために、図5に示
すようにドラム胴51に巻き付けた巻上ロープ7a,7
bの始めの3巻程度をロープ捨巻部57とし、このロー
プ捨巻部57における巻上ロープ7a,7bとドラム胴
51の外周面との摩擦力を前記支持力に加えて吊り荷重
を支持することができるようしている。そして、このよ
うにドラム胴51にロープ捨巻部57を設けた上で、更
にドラム胴51に荷役(吊り荷の巻上げ、巻下げ)に必
要な長さの巻上ロープ7a,7bを巻き付けるための荷
役用ロープ巻付部58を設ける必要がある。
【0010】このため、ロープ捨巻部57の分だけドラ
ム胴51を長くする必要がある。或いは、ドラム胴51
の長さが制限される場合にはドラム胴51の径を大きく
する必要がある。
【0011】また、クレーンが大型化して巻上げリフト
が増すと共にロープドラム50が大型化するのは避けら
れない。
【0012】また、クレーンの横行トロリーは必要最小
限の大きさにするのが望ましいため、この横行トロリー
に大きなロープドラムの配置スペースを確保することは
重大な問題となる。
【0013】従って本発明は上記従来技術に鑑み、小型
化・軽量化を図ることができるロープドラムを提供する
ことを第1課題とする。
【0014】また、ロープ重ね巻き部におけるロープの
重ね巻きが容易なロープドラムを提供することを第2課
題とする。
【0015】また、複数本のロープを巻き付ける場合
に、これらのロープにかかる荷重を均一にすることがき
るロープドラムを提供することを第3課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記第1課題を解決する
第1発明のロープドラムは、ロープを巻き付けるための
ドラム胴を有するロープドラムにおいて、前記ドラム胴
の軸方向側部に固定した内側ドラム側板と、この内側ド
ラム側板に対向し、前記ロープ径に等しい又は前記ロー
プ径よりも若干広い対向面の間隔を有するように設けた
外側ドラム側板と、前記対向面内の中央部に設けた前記
ドラム胴よりも小径のロープ巻付部材と、このロープ巻
付部材又はその近傍に前記ロープの一端を固定するロー
プ固定部材とを備えて構成したロープ重ね巻き部を、前
記ドラム胴の軸方向側部に設け、前記ロープ固定部材に
より一端を固定した前記ロープを、前記対向面内におい
て前記ロープ巻付部材のまわりに一列に重ね巻きした
後、前記ドラム胴側へと導くよう構成したことを特徴と
する。
【0017】また、上記第2課題を解決する第2発明の
ロープドラムは、第1発明のロープドラムにおいて、前
記ロープ巻付部材は中空の部材とし、このロープ巻付部
材には内側から外側に通じる開口部を設け、且つこのロ
ープ巻付部材の内側に前記ロープ固定部材を設けて、こ
のロープ固定部材により一端を固定した前記ロープを、
前記開口部から前記ロープ巻付部材の外側へと導いた後
に、前記対向面内において前記ロープ巻付部材のまわり
に一列に重ね巻きするよう構成したことを特徴とする。
【0018】また、上記第3課題を解決する第3発明の
ロープドラムは、第1発明のロープドラムにおいて、前
記内側ドラム側板の外周部にはロープ移行用の切通し部
又は穴を相互に点対称の位置関係となるように前記内側
ドラム側板の外周部の複数箇所に設けると共に、前記ロ
ープ巻付部材は中空の部材とし、このロープ巻付部材に
は内側から外側に通じる開口部を相互に点対称の位置関
係となるように複数箇所に設け、且つこのロープ巻付部
材の内側の複数箇所に前記ロープ固定部材を相互に点対
称の位置関係となるように配設し、これらのロープ固定
部材のそれぞれにより一端を固定した複数本の前記ロー
プを、前記開口部からそれぞれ順に前記ロープ巻付部材
の外側へと導き、前記対向面内において前記ロープ巻付
部材のまわりに同一方向に一列に重ね巻きし、前記ロー
プ移行用の切通し部又は穴からそれぞれ順に前記ドラム
胴側へと導くよう構成したことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。
【0020】図1は本発明の実施の形態に係るロープド
ラムの正面図、図2は図1のII-II線矢視断面図、図3
は図1のIII 方向矢視の拡大斜視図である。
【0021】<構成>図1に示すように、本実施の形態
に係るロープドラム20は、ワイヤロープ等の巻上ロー
プ7a,7bを巻き付けるためのドラム胴21を有する
と共に、このドラム胴21の軸方向(図中左右方向)両
側部に2重ドラム側板22とドラム側板23とをそれぞ
れ備えている。ドラム側板23は従来のドラム側板52
a(図5参照)と同様のものであり、ドラム胴21の図
中左側部に一体に設けられている。
【0022】一方、2重ドラム側板22は、図1、図3
に示すように、ドラム胴21の図中右側部に固着された
内側ドラム側板24と、この内側ドラム側板24に対向
するように設けられた外側ドラム側板25とを備えてな
るものである。内側ドラム側板24と外側ドラム側板2
5は介設部材35を介してボルト27等で固定されてお
り、内側ドラム側板24と外側ドラム側板25と間(即
ち対向面24a,25a間)には巻上ロープ7a,7b
の径よりも若干広い間隔26を有している。
【0023】また、図2に示すように、内側ドラム側板
24の外周部の図中上下2箇所には、ロープ移行用切通
し部31a,31bが切欠き形成して設けられている。
これらのロープ移行用切通し部31a,31bは相互に
点対称の位置関係となっており、また、その底面はドラ
ム胴21の外周面と面一になっている。
【0024】2重ドラム側板22の対向面24a,25
a内の中央部には、ドラム胴21よりも小径のロープ巻
付部材33が内側ドラム側板24に固定して設けられて
いる。このロープ巻付部材33は、一対の半リング状片
33a,33bを対向配置してなるものであり、図中左
右両側には一対の開口部33c,33dが相互に点対称
の位置関係となるように設けられている。
【0025】また、ロープ巻付部材33の内側には、一
対のクランプ金具32a,32bが設けられている。こ
れらのクランプ金具32a,32bはドラム軸28bを
挟むようにして図中上下2箇所に配設され、互いに点対
称な位置関係となっており、巻上ロープ7a,7bの一
端を反対向きに内側ドラム側板24の対向面24aに固
定している。
【0026】そして、これらのクランプ金具32a,3
2bによって一端が固定されたロープ7a,7bは、開
口部33c,33dからそれぞれ順にロープ巻付部材3
3の外側へと導かれ、対向面24a,25a内において
ロープ巻付部材33のまわり同一方向に一列にドラム胴
21と同じ径になるまで重ね巻きされ、ロープ移行用切
通し部31a,31bからそれぞれ順にドラム胴21側
へと導かれている。
【0027】即ち、内側ドラム側板24と外側ドラム側
板25とからなる2重ドラム側板22と、半リング状片
33a,33bからなるロープ巻付部材33と、クラン
プ金具32a,32bとによってロープ重ね巻き部36
が構成されおり、このロープ重ね巻き部36が従来のロ
ープ捨巻部57(図5参照)に対応するロープ捨巻部と
なっている。
【0028】また、ドラム側板23と一体のドラム軸2
8aは駆動装置29に結合され、内側ドラム側板24と
一体のドラム軸28bは外側ドラム側板25を貫通して
軸支持装置30に回転可能に支持されている。従って、
駆動装置29によってドラム胴21を一方に回転させる
ことにより、ドラム胴21に巻き付けられている巻上ロ
ープ7a,7bを下方へと繰出し、また、駆動装置29
によってドラム胴21を他方へ回転させることにより、
下方へと繰出された巻上ロープ7a,7bを再びドラム
胴21に巻き付ける。
【0029】<作用・効果>上記構成のロープドラム2
0によれば、2本の巻上ロープ7a,7bは次のような
手順で巻き付けられる。
【0030】即ち、図2に示すように、巻上ロープ7
a,7aの一端をクランプ金具32a,32bによって
内側ドラム側板24の対向面24aにそれぞれ固定する
と共に、これらの巻上ロープ7a,7bをロープ巻付部
材33の開口部33c,33dからそれぞれ順にロープ
巻付部材33の外側へと導く。次に、図1、図3に示す
ように、ボルト27等により、外側ドラム側板25を内
側ドラム側板24に巻上ロープ7a,7bの径よりも若
干広い間隔26を隔てて固定し、対向面24a,25a
内においてロープ巻付部材33のまわりに同一方向に一
列にドラム胴21と同じ径になるまで重ね巻きする。即
ち、ロープ重ね巻き部36に巻上ロープ7a,7bの一
端側を捨て巻きする。
【0031】そして、巻上ロープ7a,7bを内側ドラ
ム側板24のロープ移行用切通し部31a,31bから
それぞれ順にドラム胴21側へと導き、ドラム胴21の
まわりに同一方向に平行にドラム胴21の図中左端部に
向かって巻き付けた後、巻上ロープ7a,7bの他端を
同左端部から下方へと延ばす。
【0032】従って、ロープ重ね巻き部36では、巻上
ロープ7a,7bが対向面24a,25aに接触しなが
ら多重に巻締められることにより、クランプ金具32
a,32bによる吊り荷重の支持力を補充するのに必要
な摩擦支持力が得られる。そして、このロープ重ね巻き
部36は巻上ロープ7a,7bを一列に重ね巻きする構
成であるため、従来のロープ捨巻部57(図5参照)に
比べて短く、またドラム胴21は荷役に必要な長さの巻
上ロープ7a,7bを巻き付けるだけの長さ或いは径を
有していればよいため、従来のドラム胴51(図5参
照)に比べてロープ捨巻部57の分だけ短くなる或いは
径が小さくなる。このため、ロープドラム20は従来の
ロープドラム50(図5参照)に比べて小型化・軽量化
することができる。
【0033】しかも、対向面24a,25aの間隔26
を巻上ロープ7a,7bの径よりも若干広くしたことに
より、即ち巻上ロープ7a,7bの径に対し微小な隙間
を残すように間隔26を設定したことにより、巻締めに
伴うロープ断面の潰れ変形を予防して巻上ロープ7a,
7bの損傷を防止することができる。
【0034】また、ロープ巻付部材32を中空の部材と
し、このロープ巻付部材32の内側にクランプ金具32
a,32bを設けたため、このクランプ金具32a,3
2bが巻上ロープ7a,7bをロープ巻付部材32のま
わりに巻き付ける際の邪魔になることがなく、巻上ロー
プ7a,7bをロープ巻付部材32のまわりに円滑且つ
確実に巻き付けることができる。
【0035】また、巻上ロープ7a,7bの本数(2
本)に対応させて2つのロープ移行用切通し部31a,
31b、開口部33c,33d及びクランプ金具32
a,32bをそれぞれ互いに点対称の位置関係となるよ
うに設けたことにより、ロープ重ね巻き部36において
2本の巻上ロープ7a,7bを均一に(即ち等しい長さ
で且つ等しい形状に)巻き付けることができる。このた
め、効率よく巻き付けることができと共に、巻上ロープ
7aと巻上ロープ7bとに等しい摩擦支持力が発生する
ことになり、巻上ロープ7a又は巻上ロープ7bの一方
に摩擦支持力が偏って巻上ロープ7a,7bの何れかが
先に早く劣化してしまうのを防止することができる。
【0036】なお、上記では2本の巻上ロープをドラム
胴に巻き付ける場合を例に挙げて説明したが、勿論これ
に限定するものではなく、巻上ロープは1本でもよく或
いは3本以上であってもよい。巻上ロープを3本以上巻
き付ける場合には、上記と同様に、巻上ロープの本数に
対応した数のロープ移行用切通し部、開口部及びロープ
固定部材(クランプ金具等)をそれぞれ互いに点対称の
位置関係となるように設けることが望ましい。
【0037】また、ロープ移行用切通し部の形状は、巻
上ロープを対向面内からドラム胴側へ移行させることが
できる形状であればよく、任意に設定することができ
る。或いは、切通し部の代わりに、ロープ移行用の穴を
内側ドラム側板24に形成し、これらの穴から巻上ロー
プ7a,7bをドラム胴21側へと導くようにしてもよ
い。更には、内側ドラム側板24の外径をドラム胴21
の外径と同程度にすることにより、ロープ移行用の切通
し部や穴は形成せずに、巻上ロープ7a,7bを内側ド
ラム側板24の外周部の任意の位置からドラム胴21側
へと導くようにすることもできる。
【0038】つまり、内側ドラム側板24の外周部の形
状は、図2等に図示したようなロープ移行用切通し部3
1a,31bを有する形状に必ずしも限定するものでは
なく、巻上ロープ7a,7bを対向面24a,25a内
からドラム胴21側へと導くことができる形状であれば
よい。
【0039】また、ロープ巻付部材の形状も、巻上ロー
プを巻き付けることができる形状であればよく、任意に
設定することができる。なお、ロープ固定部材の形状
は、中空にして内側から外側へ通じる開口部を設け、内
側にロープ固定部材を配置することができる形状とする
ことことが望ましい。
【0040】また、上記ではロープ巻付部材33とドラ
ム軸28bとが別部材であるが、必ずしもこれに限定す
るものではなく、ロープ巻付部材とドラム軸とを兼ねた
構成としてもよい。
【0041】
【発明の効果】以上、発明の実施の形態と共に具体的に
説明したように、第1発明のロープドラムは、ロープを
巻き付けるためのドラム胴を有するロープドラムにおい
て、前記ドラム胴の軸方向側部に固定した内側ドラム側
板と、この内側ドラム側板に対向し、前記ロープ径に等
しい又は前記ロープ径よりも若干広い対向面の間隔を有
するように設けた外側ドラム側板と、前記対向面内の中
央部に設けた前記ドラム胴よりも小径のロープ巻付部材
と、このロープ巻付部材又はその近傍に前記ロープの一
端を固定するロープ固定部材とを備えて構成したロープ
重ね巻き部を、前記ドラム胴の軸方向側部に設け、前記
ロープ固定部材により一端を固定した前記ロープを、前
記対向面内において前記ロープ巻付部材のまわりに一列
に重ね巻きした後、前記ドラム胴側へと導くよう構成し
たことを特徴とする。
【0042】従って、この第1発明のロープドラムによ
れば、ロープ重ね巻き部では、ロープが対向面に接触し
ながら多重に巻締められることにより、ロープ固定部材
による荷重の支持力を補充するのに必要な摩擦支持力が
得られる。そして、このロープ重ね巻き部はロープを一
列に重ね巻きする構成であるため、従来のロープ捨巻部
に比べて短く、またドラム胴は荷役に必要な長さのロー
プを巻き付けるだけの長さ或いは径を有していればよい
ため、従来のドラム胴に比べてロープ捨巻部の分だけ短
くなる或いは径が小さくなる。このため、第1発明のロ
ープドラムは従来のロープドラムに比べて小型化・軽量
化することができる。
【0043】しかも、対向面の間隔をロープの径よりも
若干広くした場合には、即ちロープの径に対し微小な隙
間を残すように前記間隔を設定した場合には、巻締めに
伴うロープ断面の潰れ変形を予防してロープの損傷を防
止することができる。
【0044】また、第2発明のロープドラムは、第1発
明のロープドラムにおいて、前記ロープ巻付部材は中空
の部材とし、このロープ巻付部材には内側から外側に通
じる開口部を設け、且つこのロープ巻付部材の内側に前
記ロープ固定部材を設けて、このロープ固定部材により
一端を固定した前記ロープを、前記開口部から前記ロー
プ巻付部材の外側へと導いた後に、前記対向面内におい
て前記ロープ巻付部材のまわりに一列に重ね巻きするよ
う構成したことを特徴とする。
【0045】従って、この第2発明のロープドラムによ
れば、ロープ巻付部材を中空の部材とし、このロープ巻
付部材の内側にロープ固定部材を設けたため、このロー
プ固定部材がロープをロープ巻付部材のまわりに巻き付
ける際の邪魔になることがなく、ロープをロープ巻付部
材のまわりに円滑且つ確実に巻き付けることができる。
【0046】また、第3発明のロープドラムは、第1発
明のロープドラムにおいて、前記内側ドラム側板の外周
部にはロープ移行用の切通し部又は穴を相互に点対称の
位置関係となるように前記内側ドラム側板の外周部の複
数箇所に設けると共に、前記ロープ巻付部材は中空の部
材とし、このロープ巻付部材には内側から外側に通じる
開口部を相互に点対称の位置関係となるように複数箇所
に設け、且つこのロープ巻付部材の内側の複数箇所に前
記ロープ固定部材を相互に点対称の位置関係となるよう
に配設し、これらのロープ固定部材のそれぞれにより一
端を固定した複数本の前記ロープを、前記開口部からそ
れぞれ順に前記ロープ巻付部材の外側へと導き、前記対
向面内において前記ロープ巻付部材のまわりに同一方向
に一列に重ね巻きし、前記ロープ移行用の切通し部又は
穴からそれぞれ順に前記ドラム胴側へと導くよう構成し
たことを特徴とする。
【0047】従って、この第3発明のロープドラムによ
れば、ロープの本数(複数本)に対応させて複数のロー
プ移行用切通し部、開口部及びロープ固定部材をそれぞ
れ互いに点対称の位置関係となるように設けたことによ
り、ロープ重ね巻き部において複数本のロープを均一に
(即ち等しい長さで且つ等しい形状に)巻き付けること
ができる。このため、効率よく巻き付けることができる
と共に、各ロープに等しい摩擦支持力が発生することに
なり、何れかのロープに摩擦支持力が偏って何れかのロ
ープが先に早く劣化してしまうのを防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るロープドラムの正面
図である。
【図2】図1のII-II 線矢視断面図である。
【図3】図1のIII 方向矢視の拡大斜視図である。
【図4】本発明のロープドラムを適用する対象の一例と
して示すコンテナクレーンのトロリー部の正面図であ
る。
【図5】コンテナクレーンの巻上ドラム等に従来から用
いられているロープドラムの正面図である。
【符号の説明】
7a,7b 巻上ロープ 20 ロープドラム 21 ドラム胴 22 2重ドラム側板 23 ドラム側板 24 内側ドラム側板 25 外側ドラム側板 24a,25a 対向面 26 対向面の間隔 27 ボルト 28a,28b ドラム軸 29 駆動装置 30 軸支持装置 31a,31b ロープ移行用切通し部 32a,32b クランプ金具 33 ロープ巻付部材 33a,33b 半リング状片 33c,33d 開口部 34 介設部材 36 ロープ重ね巻き部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロープを巻き付けるためのドラム胴を有
    するロープドラムにおいて、 前記ドラム胴の軸方向側部に固定した内側ドラム側板
    と、 この内側ドラム側板に対向し、前記ロープ径に等しい又
    は前記ロープ径よりも若干広い対向面の間隔を有するよ
    うに設けた外側ドラム側板と、 前記対向面内の中央部に設けた前記ドラム胴よりも小径
    のロープ巻付部材と、 このロープ巻付部材又はその近傍に前記ロープの一端を
    固定するロープ固定部材とを備えて構成したロープ重ね
    巻き部を、前記ドラム胴の軸方向側部に設け、 前記ロープ固定部材により一端を固定した前記ロープ
    を、前記対向面内において前記ロープ巻付部材のまわり
    に一列に重ね巻きした後、前記ドラム胴側へと導くよう
    構成したことを特徴とするロープドラム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載するロープドラムにおい
    て、 前記ロープ巻付部材は中空の部材とし、このロープ巻付
    部材には内側から外側に通じる開口部を設け、且つこの
    ロープ巻付部材の内側に前記ロープ固定部材を設けて、 このロープ固定部材により一端を固定した前記ロープ
    を、前記開口部から前記ロープ巻付部材の外側へと導い
    た後に、前記対向面内において前記ロープ巻付部材のま
    わりに一列に重ね巻きするよう構成したことを特徴とす
    るロープドラム。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載するロープドラムにおい
    て、 前記内側ドラム側板の外周部にはロープ移行用の切通し
    部又は穴を相互に点対称の位置関係となるように前記内
    側ドラム側板の外周部の複数箇所に設けると共に、 前記ロープ巻付部材は中空の部材とし、このロープ巻付
    部材には内側から外側に通じる開口部を相互に点対称の
    位置関係となるように複数箇所に設け、且つこのロープ
    巻付部材の内側の複数箇所に前記ロープ固定部材を相互
    に点対称の位置関係となるように配設し、 これらのロープ固定部材のそれぞれにより一端を固定し
    た複数本の前記ロープを、前記開口部からそれぞれ順に
    前記ロープ巻付部材の外側へと導き、前記対向面内にお
    いて前記ロープ巻付部材のまわりに同一方向に一列に重
    ね巻きし、前記ロープ移行用の切通し部又は穴からそれ
    ぞれ順に前記ドラム胴側へと導くよう構成したことを特
    徴とするロープドラム。
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