JPH11117167A - タフテッドパイル布帛 - Google Patents

タフテッドパイル布帛

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JPH11117167A
JPH11117167A JP29339897A JP29339897A JPH11117167A JP H11117167 A JPH11117167 A JP H11117167A JP 29339897 A JP29339897 A JP 29339897A JP 29339897 A JP29339897 A JP 29339897A JP H11117167 A JPH11117167 A JP H11117167A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多彩なタフテッドパイル布帛を得る。 【解決手段】 基布11の同一箇所において、ステッチ
方向を変えて3回以上タフテイングし、その第1回目に
タフテイングされた第1バックステッチZと、第2回目
にタフテイングされた第2バックステッチXと、第3回
目にタフテイングされた第3バックステッチYとの少な
くとも3回タフテイングされた少なくとも3条のバック
ステッチZ・X・Yを重ならせ、その3重のバックステ
ッチZ・X・Yの中の中間のバックステッチXのパイル
糸UX ・VX を上下に重なる何れか少なくとも一方のバ
ックステッチZ・Yのパイル糸と異色にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基布にパイル糸を
植毛ミシン(タフテッド機)によって差し込んでパイル
を植設(タフテイング)したタフテイングパイル布帛に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】植毛ミシンによってパイル面に図柄を描
出するには、異色2本のパイル糸をペアーにして隣合う
2本のニードルに通してタフテイングする過程におい
て、そのペアーとなる2本のパイル糸の供給量(テンシ
ョン)を変え、それら2本のパイル糸の形成するパイル
に高低差を付け、その一方のパイルの先端を他方のパイ
ルの先端の上に突き出す所謂ハイ・ロー柄出方式と、原
画の細部の色彩が変わる度にニードルに通すパイル糸を
切り替えつつ、その細部に該当する箇所に順次タフテイ
ングする所謂部分タフト方式が知られている。
【0003】ハイ・ロー柄出方式において高パイルとペ
アーとなる低パイルは、高パイルの根元を支える補強材
としての役目を果たしているとは言え、高パイルの下に
沈んでパイル面を構成していないのでロスに等しく、そ
の低パイルが横に嵩の縮み難いループパイルなので、そ
のループパイルを見えなくするために高パイルを5mm
以上も高くしなければならず、その分だけパイル糸の使
用量が増えてコスト高になり、而も、2本ペアーのパイ
ル糸の供給量を変える柄出装置も複雑高価なので、ハイ
・ロー柄出方式は手軽には実施し得ない。
【0004】一方、部分タフト方式では、原画に合わせ
て基布を縦横に移動しつつタフテイングし、原画の細部
の色彩が変わる度にパイル糸を切り替えなければならな
いので、それによるタフテッドパイル布帛の生産効率は
低い。特に、原画が地模様のように細かいものでは、そ
の原画を忠実にパイル面に再現することは難しい。
【0005】
【発明の目的】そこで本発明者は、無地のタフテッドパ
イル布帛を製造するために使用されている植毛ミシンに
よってパイル面に簡便に図柄を描出する方法を発明し、
特願平8−265423、特願平8−265424およ
び特願平8−265425をもって特許出願している。
これら特願平8−265423、特願平8−26542
4および特願平8−265425に開示したタフテイン
グ方法(以下、先願方法と言う。)は、概して、植毛ミ
シンにおいて、ルーパーから押さえ針までの高さを一定
にし、ステッチ方向が異なる数条の第1バックステッチ
Xと数条の第2バックステッチYを交叉させて重ねて異
色2種以上のパイル糸をタフテイングすること、又、そ
の場合において、その第1バックステッチXのタフテイ
ングと第2バックステッチYのタフテイングの少なくと
も一方を他方のタフテイングの前後に2回に分けて合計
3回以上タフテイングし、少なくとも一方のバックステ
ッチの少なくとも一部を他方のバックステッチの上に重
ね、その一方のバックステッチの他の一部を他方のバッ
クステッチの下に潜らせることを特徴とするものであ
る。
【0006】この先願方法によりパイル面に図柄が描出
される原理は、次の通りである。即ち、植毛ミシンによ
ってタフテイングされるパイルPのパイル長H1 は、図
4(a)に図示する如く、基布11を支える押さえ針1
7(フインガー、フインガーニードル、フインガープレ
ート等とも称される。)とルーパー14との距離H2
よって設定され、最前にパイルPがタフテイングされた
基布11に、その最前にタフテイングするために使用し
た植毛ミシンをそのまま使用してタフテイングすれば、
その最後にタフテイングされたパイルQのパイル長H7
は最前にタフテイングされたパイルPのパイル長H1
同じになると考えられている。
【0007】しかし、最前にパイルPがタフテイングさ
れた基布11を再び植毛ミシンに通す場合、基布11
は、押さえ針17とルーパー14との距離H2 が最前の
タフテイング時と同じであっても、その最前にタフテイ
ングされたパイルPによって、その厚み分H4 だけ押さ
え針17から押し上げられ、その厚み分H4 だけ基布1
1とルーパー14との距離H3 が長くなり、従って、そ
の厚み分H4 だけ最後にタフテイングされるパイルQの
パイル長も長くなる。厳密に言えば、パイル長は、ルー
パー14のナイフ16との協働箇所から基布11までの
距離によって設定されるのであり、最前にタフテイング
するために使用した植毛ミシンをそのまま使用してタフ
テイングする場合において、基布11とルーパー14と
の距離H3が最初のパイルPの厚み分H4 だけ長くなる
と、その長くなった分だけパイル糸ループ12に強いテ
ンションが作用し、そのテンションによって、図4
(b)に図示する如く、ルーパー14のナイフ16との
協働箇所では基布11が引き下げられ(H4 −H5 )、
最初のパイルPに基布11が押し上げられていた量H4
も少なくなるとは言え、最後にタフテイングされるパイ
ルQのパイル長H7 は、最前にタフテイングされたパイ
ルPのパイル長H1 よりも幾分(H6 )なりとも長くな
る。
【0008】図5は、その結果パイル面に描出される図
柄の基本形態を図示するものである。即ち、図5は、基
布を前後5段に区切って第1バックステッチXが横方向
に真っ直ぐに続くように無地一色のパイル糸をタフテイ
ングし、又、第1バックステッチXに直交するように基
布を左右5段に区切って第2バックステッチYを縦方向
に真っ直ぐに続くように第1バックステッチXとは異色
の無地一色のパイル糸をタフテイングしてタフテイング
パイル布帛を製造する過程において、その縦横に区切ら
れたスペースにバックステッチが直交するように前後し
てタフテイングするタフテイングの順序によって、それ
ぞれパイル面に描出される図柄・模様の基本形態が変化
することを図示するものであり、それによって、そのタ
フテイングの順序を変えると共に、第1バックステッチ
Xと第2バックステッチYのそれぞれに異色2種以上の
パイル糸を使用し、或いは、バックステッチが曲線を描
くようにステッチ方向を変えてタフテイングする場合に
は、より一層複雑多彩な図柄がパイル面に描出されるこ
とが分かる。
【0009】即ち、図5において、分図(a)、
(b)、(c)、(d)、(e)、(f)は、前後左右
にそれぞれ5段に区切られた基布の各箇所に第1バック
ステッチXのパイル糸をX1 とX2 とX3 とX4 とX5
に分け、又、第2バックステッチYのパイル糸をY1
2 とY3 とY4 とY5 に分けて、分図(a)、
(b)、(c)、(d)、(e)、(f)の順にタフテ
イングする各場合のステッチ方向と基布に形成されるバ
ックステッチを図示するものである。分図(x)は、順
次タフテイングされる第1バックステッチXの全てのパ
イル糸X1 とX2 とX3 とX4 とX5 によって形成され
る第1バックステッチXの配列状態を図示し、そこでは
基布の全面に第1バックステッチXが一定のニードルゲ
ージをもって並んでいる。分図(y)は、順次タフテイ
ングされる第2バックステッチYの全てのパイル糸Y1
とY2 とY3 とY4 とY5 によって形成される第2バッ
クステッチYの配列状態を図示し、そこでは基布の全面
に第2バックステッチYが一定のニードルゲージをもっ
て並んでいる。分図(z)は、分図(a)、(b)、
(c)、(d)、(e)、(f)の順にタフテイングし
て形成されるタフテイングパイル布帛のパイル面を図示
するものてある。分図(z)において、AとDは、第2
バックステッチYから突き出たパイル糸Yのパイルの先
端よりも、第1バックステッチXから突き出たパイル糸
Xのパイルの先端が高く突き出ており、第1バックステ
ッチXから突き出たパイル糸Xのパイルの先端の下に第
2バックステッチYから突き出たパイル糸Yのパイルの
先端が隠れており、その第2バックステッチYのパイル
の先端よりも突き出た第1バックステッチXのパイルの
色彩によって彩られる部分を示している。又、分図
(z)において、BとCは、第1バックステッチXから
突き出たパイル糸Xのパイルの先端よりも、第2バック
ステッチYから突き出たパイル糸Yのパイルの先端が高
く突き出ており、第2バックステッチYから突き出たパ
イル糸Yのパイルの先端の下に第1バックステッチXか
ら突き出たパイル糸Xのパイルの先端が隠れており、そ
の第1バックステッチXのパイルの先端よりも突き出た
第2バックステッチYのパイルの色彩によって彩られる
部分を示している。
【0010】更に詳しく説明すると、図5(z)は、分
図(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)の
順に前後6回にわたってタフテイングされたタフテイン
グパイル布帛のパイル面を図示し、そのA4 として図示
される箇所には、第2回目のタフテイング(分図
(b))において第2バックステッチYのパイル糸Y3
のパイルがタフテイングされるが、そのパイルは第3回
目のタフテイング(分図(c))と第5回目のタフテイ
ング(分図(e))においてタフテイングされた第1バ
ックステッチXのパイル糸X1 とX2 とX4 とX5 のパ
イルの先端の下に隠れ、それら第1バックステッチXの
パイル糸X1 とX2 とX4 とX5 のパイルは、第4回目
のタフテイング(分図(d))と第6回目のタフテイン
グ(分図(f))における第2バックステッチYのパイ
ル糸Y1 とY2 とY4 とY5 のパイルの下に隠れること
なく、A4 として図示される箇所を彩っている。又、D
として図示する箇所には、第4回目のタフテイング(分
図(d))において第2バックステッチYのパイル糸Y
1 とY5 のパイルがタフテイングされるが、それらのパ
イルは第5回目のタフテイング(分図(e))において
タフテイングされる第1バックステッチXのパイル糸X
2 とX4 のパイルの先端の下に隠れてパイル面に大きく
現れず、その大きく現れる第1バックステッチXのパイ
ル糸X2 とX4 のパイルの一部は第6回目のタフテイン
グ(分図(f))においてタフテイングされる第2バッ
クステッチYのパイル糸Y2 とY4 のパイルの先端の下
に隠れるものの、その大きく現れる第1バックステッチ
Xのパイル糸X2 とX4 のパイルの他の一部は、第6回
目のタフテイング(分図(f))においてタフテイング
される第2バックステッチYのパイル糸Y2 とY4 のパ
イルの先端の下に隠れることなく、A4 として図示され
る箇所と共に、Dとして図示する箇所を彩っている。そ
して、B4 として図示する箇所では、第2回目のタフテ
イング(分図(b))においてタフテイングされ、第3
回目のタフテイング(分図(c))と第5回目のタフテ
イング(分図(e))においてタフテイングされた第1
バックステッチXのパイル糸X1 とX2 とX4 とX5
パイルの先端の下に隠れずに残った第2バックステッチ
Yのパイル糸Y3 の一部のパイルと、第5回目のタフテ
イング(分図(e))においてタフテイングされる第1
バックステッチXのパイル糸X2 とX4 のパイルの先端
の下に隠れることなく残った第4回目のタフテイング
(分図(d))においてタフテイングされた第2バック
ステッチYのパイル糸Y1 とY5 の一部のパイルと、第
3回目のタフテイング(分図(c))と第5回目のタフ
テイング(分図(e))においてタフテイングされた第
1バックステッチXのパイル糸X1 とX2 とX4 とX5
の一部のパイルの上に先端が突き出た第6回目のタフテ
イング(分図(f))においてタフテイングされた第2
バックステッチYのパイル糸Y2 とY4 のパイルで彩ら
れている。
【0011】図6は、先願方法によって得られるタフテ
ッドパイル布帛の具体例に示すものであり、8回にわた
るタフテイングによって形成されている。即ち、第1回
目のタフテイングにおいては、図6の分図(a)に図示
する如く、右上がりの斜線で基布を二分する箇所に、2
本の白糸(YW1)が右上がりとなる右斜め方向にタフテ
イングされている。第2回目のタフテイングにおいて
は、左上がりの斜線で基布を二分する箇所に、2本の黒
糸(XB2)が左上がりとなる右斜め方向にタフテイング
されており、そのバックステッチ(XB2・XB2)の一部
は第1回目にタフテイングされたバックステッチ(YW1
・YW1)の一部の上に重なっている。
【0012】第3回目のタフテイングにおいては、第1
回目にタフテイングされた2本の白糸(YW1)のバック
ステッチの両側に白糸(YW3)1本と黒糸(YB3)と白
糸(YW3)1本の順に3本1組にしてそれぞれ2回繰り
返し、第1回目のタフテイングにおけるニードルゲージ
と同じニードルゲージをもって並べられたパイル糸が、
そのバックステッチが図11の分図(a)において右上
がりとなる右斜め方向にタフテイングされており、その
バックステッチ(YW3・YB3)の一部は第2回目にタフ
テイングされたバックステッチ(XB2・XB2)の一部の
上に重なっている。
【0013】第4回目のタフテイングにおいては、第2
回目にタフテイングされた2本の黒糸(XB2)のバック
ステッチの両側に白糸(XW4)1本と黒糸(XB4)と白
糸(XW4)1本の順に3本1組にしてそれぞれ2回繰り
返し、第1回目のタフテイングにおけるニードルゲージ
と同じニードルゲージをもって並べられたパイル糸が、
そのバックステッチが図11の分図(a)において左上
がりとなる左斜め方向にタフテイングされており、その
バックステッチ(XW4・XB4)の一部は第1回目にタフ
テイングされたバックステッチ(YW1・YW1)の一部と
第3回目にタフテイングされたバックステッチ(YW3
B3)の一部の上に重なっている。
【0014】第5回目のタフテイングにおいては、第4
回目にタフテイングされない基布の右上部分に、ステッ
チ方向を第4回目にタフテイングされたバックステッチ
(XW4・XB4)に平行に合わせて、黒糸(XB5)1本と
白糸(XW5)と黒糸(XB5)1本の順に3本1組にして
繰り返し、第1回目のタフテイングにおけるニードルゲ
ージと同じニードルゲージをもって並べられたパイル糸
が、そのバックステッチが左上がりとなる左斜め方向に
タフテイングされており、そのバックステッチ(XW5
B5)は第1回目にタフテイングされたバックステッチ
(YW1・YW1)の一部と第3回目にタフテイングされた
バックステッチ(YW3・YB3)の一部の上に重なってい
る。
【0015】第6回目のタフテイングにおいては、第3
回目にタフテイングされない基布の左上部分に、ステッ
チ方向を第3回目にタフテイングされたバックステッチ
(YW3・YB3)に平行に合わせて、黒糸(YB6)1本と
白糸(YW6)と黒糸(YB6)1本の順に3本1組にして
繰り返し、第1回目のタフテイングにおけるニードルゲ
ージと同じニードルゲージをもって並べられたパイル糸
が、そのバックステッチが右上がりとなる右斜め方向に
タフテイングされており、そのバックステッチ(YW6
B6)は第2回目にタフテイングされたバックステッチ
(XB2・XB2)の一部と第4回目にタフテイングされた
バックステッチ(XW4・XB4)の一部の上に重なってい
る。
【0016】第7回目のタフテイングにおいては、第4
回目にタフテイングされない基布の左下部分に、ステッ
チ方向を第4回目にタフテイングされたバックステッチ
(X W4・XB4)に平行に合わせて、黒糸(XB7)1本と
白糸(XW7)と黒糸(XB7)1本の順に3本1組にして
繰り返し、第1回目のタフテイングにおけるニードルゲ
ージと同じニードルゲージをもって並べられたパイル糸
が、そのバックステッチが左上がりとなる左斜め方向に
タフテイングされており、そのバックステッチ(XW7
B7)は第1回目にタフテイングされたバックステッチ
(YW1・YW1)の一部と第3回目にタフテイングされた
バックステッチ(YW3・YB3)の一部の上に重なってい
る。
【0017】第8回目のタフテイングにおいては、第3
回目にタフテイングされない基布の右下部分に、ステッ
チ方向を第3回目にタフテイングされたバックステッチ
(YW3・YB3)に平行に合わせて、黒糸(YB8)1本と
白糸(YW8)と黒糸(YB8)1本の順に3本1組にして
繰り返し、第1回目のタフテイングにおけるニードルゲ
ージと同じニードルゲージをもって並べられたパイル糸
が、そのバックステッチが右上がりとなる右斜め方向に
タフテイングされており、そのバックステッチ(YW8
B8)は第2回目にタフテイングされたバックステッチ
(XB2・XB2)の一部と第4回目にタフテイングされた
バックステッチ(XW4・XB4)の一部の上に重なってい
る。
【0018】こうしてタフテイングされたタフテッドパ
イル布帛のパイル面には、図6の分図(b)が図示する
如く、(1) 第5回目にタフテイングされたバックス
テッチ(XW5・XB5)が第1回目にタフテイングされた
バックステッチ(YW1・YW1)の一部と第3回目にタフ
テイングされたバックステッチ(YW3・YB3)の一部の
上に重なる交叉箇所Eにおいて、タフテイングされた黒
糸(XB5)1本と白糸(XW5)と黒糸(XB5)1本の3
本1組のパイル糸が形成する斜め縞(LB5・LW5
B5)と、(2) 第6回目にタフテイングされたバッ
クステッチ(YW6・YB6)が第2回目にタフテイングさ
れたバックステッチ(XB2・XB2)の一部と第4回目に
タフテイングされたバックステッチ(XW4・XB4)の一
部の上に重なる交叉箇所Fにおいて、タフテイングされ
た黒糸(XB5)1本と白糸(XW5)と黒糸(XB5)1本
の3本1組のパイル糸が形成する斜め縞(LB6・LW6
B6)と、(3) 第7回目にタフテイングされたバッ
クステッチ(XW7・XB7)が第1回目にタフテイングさ
れたバックステッチ(YW1・YW1)の一部と第3回目に
タフテイングされたバックステッチ(YW3・YB3)の一
部の上に重なる交叉箇所Kにおいて、タフテイングされ
た黒糸(XB7)1本と白糸(XW7)と黒糸(XB7)1本
の3本1組のパイル糸が形成する斜め縞(LB7・LW7
B7)と、(4)第8回目にタフテイングされたバック
ステッチ(YW8・YB8)は第2回目にタフテイングされ
たバックステッチ(XB2・XB2)の一部と第4回目にタ
フテイングされたバックステッチ(XW4・XB4)の一部
の上に重なる交叉箇所Mにおいて、タフテイングされた
黒糸(YB8)1本と白糸(YW8)と黒糸(YB8)1本の
3本1組のパイル糸が形成する斜め縞(LB8・LW8・L
B8)によって四隅が囲まれ、その内部には、(5) 第
4回目にタフテイングされたバックステッチ(XW4・X
B4)が第1回目にタフテイングされたバックステッチ
(YW1・YW1)と第3回目にタフテイングされたバック
ステッチ(YW3・YB3)の上に重なる一対の交叉箇所N
・Nにおいて、そのタフテイングされた白糸(XW4)1
本と黒糸(XB4)と白糸(XW4)1本の3本1組のパイ
ル糸が形成する斜め縞(LW4・LB4・LW4)が描出さ
れ、更に、その一対の交叉箇所N・Nの間には、(6)
第3回目にタフテイングされたバックステッチ(YW3
・YB3)が第2回目にタフテイングされたバックステッ
チ(XB2・XB2)の一部の上に重なる一対の交叉箇所R
・Rにおいて、そのタフテイングされた白糸(YW3)1
本と黒糸(YB3)と白糸(YW3)1本の3本1組のパイ
ル糸が形成する斜め縞(LW3・LB3・LW3)が描出さ
れ、更に、その一対の交叉箇所R・Rの間には、(7)
第2回目にタフテイングされたバックステッチ(XB2
・XB2)が第1回目にタフテイングされたバックステッ
チ(YW1・YW1)の一部の上に重なる一対の交叉箇所V
において、そのタフテイングされた2本の黒糸(XB2
のパイルが纏まって矩形図形(V)を形成する。
【0019】かくして、パイル面には、図6の分図
(b)が図示する如く、これらの斜め縞によって幾重に
も囲まれた多重菱形の図柄・模様が描出されることにな
る。
【0020】又、先願方法によると、少なくとも一部に
おいて、ステッチ方向が異なる数条の第1バックステッ
チXと数条の第2バックステッチYとが交叉して重なっ
ており、それらの第1バックステッチXと第2バックス
テッチYの双方がそれぞれ異色2種のパイル糸によって
構成されており、第1バックステッチXの異色2種のパ
イル糸は第2バックステッチYの異色2種のパイル糸と
同色であり、その第1バックステッチXと第2バックス
テッチYの異色2種のパイル糸UとVはそれぞれ4本以
下の数本または1本おきに交互に繰り返し配列されてい
るタフテッドパイル布帛では、幅が広狭変化した太い縞
線と微かな縞線が交叉して格子模様風の変化のある縞模
様がパイル面に描出されることになる。
【0021】このことを図7を参照しつつ説明するに、
図7において、分図(a)は、黒糸(VY )と白糸(U
Y )を並べて基布の縦方向にステッチゲージSの2倍の
ニードルゲージNをもってタフテイングした場合に形成
されるパイル面を図示し、その場合、分図(a)に図示
する如く、パイル面には、黒糸(VY )のパイル列(P
V )と白糸(UY )のパイル列(PU )が交互に並んだ
縦縞模様が描出されることになる。
【0022】分図(b)は、黒糸(VX )と白糸
(UX )を並べて基布の横方向にステッチゲージSの2
倍のニードルゲージNをもってタフテイングした場合に
形成されるパイル面を図示し、その場合、分図(b)に
図示する如く、パイル面には、黒糸(VX )のパイル列
(QV )と白糸(UX )のパイル列(QU )が交互に並
んだ横縞模様が描出されることになる。分図(c)は、
分図(a)に図示するように黒糸(VY )と白糸
(UY )を並べて基布の縦方向にステッチゲージSの2
倍のニードルゲージNをもって最初にタフテイングし、
次いで、分図(b)に図示するように黒糸(VX )と白
糸(UX )を並べて基布の横方向に、最初のタフテイン
グ時と同じステッチゲージSの2倍のニードルゲージN
をもって最後のタフテイングをして形成されるパイル面
を図示する。
【0023】このようにステッチ方向を変え、ステッチ
ゲージSよりも粗い同じニードルゲージNをもって前後
2回タフテイングすると、分図(c)に図示するよう
に、最初にタフテイングした黒糸(VY )のパイルPV
と白糸(UY )のパイルPU は、最後にタフテイングし
た黒糸(VX )のパイルQV と白糸(UX )のパイルQ
U の先端の下に隠れてパイル面に殆ど現れず、パイル面
には、最後にタフテイングした黒糸(VX )のパイル列
(QV )と白糸(UX )のパイル列(QU )がステッチ
方向に真っ直ぐ並んだ縞模様が描出される。
【0024】そして、ニードルゲージNをステッチゲー
ジSよりも粗く、特に、ニードルゲージNをステッチゲ
ージSの2倍にしてタフテイングすれば、図7の分図
(d)に図示するように、相互に交叉する一方の隣合う
バックステッチとバックステッチの間に他方のバックス
テッチから突き出た2個以上のパイルが介在することに
なる。その結果、分図(c)に図示するように、縞模様
を形成する黒糸(VX )のパイル列(QV )が、最初に
タフテイングした黒糸(VY )のパイル列(PV)に交
叉する箇所Eでは、その黒糸(VX )のパイル列
(QV )の脇から最初にタフテイングした黒糸(VY
のパイル(PV )が僅かに食み出るように現れ、その交
叉箇所Eでは黒糸(VX )のパイル列(QV )が若干太
くなる一方、縞模様を形成する黒糸(VX )のパイル列
(QV )が、最初にタフテイングした白糸(UY )のパ
イル列(PU )に交叉する箇所Fでは、その黒糸
(VX )のパイル列(QV )の脇へと最初にタフテイン
グした白糸(UY )のパイル(PU )が僅かに食い込む
ように現れ、その交叉箇所Fでは黒糸(VX )のパイル
列(QV )が若干細くなる。同様に、分図(c)に図示
するように、縞模様を形成する白糸(UX )のパイル列
(QU )が、最初にタフテイングした白糸(UY )のパ
イル列(PU )に交叉する箇所Eでは、その白糸
(UX )のパイル列(QU )の脇から最初にタフテイン
グした白糸(UY )のパイル(PU )が僅かに食み出る
ように現れ、その交叉箇所Eでは白糸(UX )のパイル
列(QU )が若干太くなる一方、縞模様を形成する白糸
(UX )のパイル列(QU )が、最初にタフテイングし
た黒糸(VY )のパイル列(PV )に交叉する箇所Fで
は、その白糸(UX )のパイル列(QU )の脇へと最初
にタフテイングした黒糸(VY )のパイル(PV )が僅
かに食い込むように現れ、その交叉箇所Fでは白糸(U
X )のパイル列(QU )が若干細くなる。
【0025】かくして、最後のタフテイングによってパ
イル面に描出される縞模様は、その縞線(パイル列QV
・QU )の幅が広狭変化したものとなる。一方、その縞
線(パイル列QV ・QU )の脇から食み出るように、或
いは、食い込むように微かに現れる最初にタフテイング
した黒糸(VX )のパイルPV と白糸(UX )のパイル
U が、ループパイルではなく横方向に嵩が縮み易いカ
ットパイルであるから、その縞線(パイル列QV
U )に交叉する方向に細かく点在して微かな縞線(パ
イル列PV ・PU )を形成する。かくして、パイル面に
は、幅が広狭変化した太い縞線(パイル列QV ・QU
と微かな縞線(パイル列PV ・PU )が交叉して格子模
様風の変化のある縞模様が描出されることになる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、バックステ
ッチが交叉するようにステッチ方向を変えて同一箇所に
パイル糸を2回に分けてタフテイングする先願方法にお
いて、その前後するパイル長を略同じに設定する場合で
も、先にタフテイングしたパイルが後にタフテイングす
るパイルの下に隠れてパイル面に現われ難くなるとの知
見に基づき、そのバックステッチの重なり合う回数を増
やして多彩なタフテッドパイル布帛を得ることを目的と
するものである。
【0027】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明に係るタフ
テッドパイル布帛は、基布11の同一箇所に、第1回目
にタフテイングされた第1バックステッチZと、第2回
目にタフテイングされた第2バックステッチXと、第3
回目にタフテイングされた第3バックステッチYとの少
なくとも3回タフテイングされた3条のバックステッチ
Z・X・Yが重なっており、その3重のバックステッチ
Z・X・Yの中の中間のバックステッチXのパイル糸U
X ・VX が、それに重なる上下何れか少なくとも一方の
バックステッチZ・Yのパイル糸と異色になっており、
それら3重のバックステッチZ・X・Yの中の何れか少
なくとも1列のバックステッチのステッチ方向が少なく
とも他の何れかのバックステッチのステッチ方向と異な
っていて交叉していることを第1の特徴とする。
【0028】本発明に係るタフテッドパイル布帛の第2
の特徴は、上記第1の特徴に加えて、タフテイングが前
後する3重のバックステッチZ・X・Yから基布11の
表面に突き出たそれらのパイルW・P・Qのパイル長の
差を2mm以下にしたことにある。
【0029】本発明に係るタフテッドパイル布帛の第3
の特徴は、上記第1と第2の何れかの特徴に加えて、タ
フテイングが前後する3重のバックステッチZ・X・Y
のニードルゲージN1 ・N2 を、それぞれステッチゲー
ジS1 ・S2 よりも大きくしたことにある。
【0030】本発明に係るタフテッドパイル布帛の第4
の特徴は、上記第1・第2および第3の何れかの特徴に
加えて、基布11の一部において、第1回目にタフテイ
ングされた第1バックステッチZと、第2回目にタフテ
イングされた第2バックステッチXと、第3回目にタフ
テイングされた第3バックステッチYとの少なくとも3
回タフテイングされた3条のバックステッチZ・X・Y
が重なっていることにある。
【0031】本発明に係るタフテッドパイル布帛の第5
の特徴は、基布11の同一箇所に、ステッチ方向を変え
て3回以上タフテイングされていることにある。
【0032】本発明に係るタフテッドパイル布帛の第6
の特徴は、基布11の同一箇所に、ステッチ方向を変え
て3回以上タフテイングされており、1点において交叉
して隣合う各回のバックステッチ(Z・X・Y・K)間
の夾角(α・β・φ・θ)が等しいこと(α≒β≒φ≒
θ)にある。
【0033】
【発明の実施の形態】それぞれステッチ方向を変えて同
一箇所に重ねて数回タフテイングする場合、前記従来技
術として図4に示す通り、押さえ針17とルーパー14
の距離H2 を一定にしてタフテイングしても、先にタフ
テイングしたパイルW(P)は後にタフテイングしたパ
イルP(Q)よりも目立たなくなる。従って本発明にお
いては、ステッチゲージS1 ・S2 とニードルゲージN
1 ・N2 を同じにし、且つ、太さも色彩も同じのパイル
糸12を前後3回バックステッチZ・X・Yを重ねてタ
フテイングすると、第3回目のパイルQはハッキリとパ
イル面に現われるが、第2回目のパイルPは僅かに現わ
れ、第1回目のパイルWは微かに現われることになり、
それらの現れ方が異なる3種のパイルQ・P・Wが混在
してパイル面の色彩が深みを帯びる。
【0034】特に、それら3種のパイルQ・P・Wが異
色であってステッチゲージS1 ・S2 とニードルゲージ
1 ・N2 を同じくし、従って、それら3種のパイルQ
・P・Wのタフテイング密度が同じであっても、先にタ
フテイングされてステッチ方向に一列に並んだパイルW
(P)とパイルW(P)の間が、次にタフテイングされ
てステッチ方向に一列に並んだパイルP(Q)のパイル
列に分断されて破線状に分散し、その分散の仕方がラン
ダムに現れて、異色3種の糸条を合撚した霜降状パイル
糸をタフテイングする場合とは異なり、それら前後3回
に分けてタフテイングされた異色3種のパイルW・P・
Qが均一に分散した霜降模様はパイル面に描出されず、
而も、先にタフテイングしたパイルW(P)が後でタフ
テイングしたパイルP(Q)に見え隠れするので、パイ
ル面は立体感を帯び変化に富むものとなる。
【0035】そして特に、タフテイングが前後する2種
のパイルWとPまたはPとQの間に、パイル長の差H6
が2mm以下となる長短差が出来易く、そのパイル長の
不揃いによってパイル面が立体感を帯び、感触が柔らか
く変化に富んだものとなる。
【0036】そして前後3回行うタフテイングの中の第
1回目または第2回目のタフテイングを基布の一部に行
い、その後行われる第2回目または第3回目、或いは、
第2回目と第3回目の双方のタフテイングを基布の全面
に行うときは、その先に部分的にタフテイングされた第
1回目か第2回目のパイルW(P)がパイル面の一部に
朧に現れる浮き模様をパイル面に描出することになり、
それによってパイル面は一層立体感に富んだ美観を呈す
るようになる。
【0037】このように本発明では、基布の同じ箇所に
数回にわたってタフテイングし、その箇所に所要の設定
された目付のパイル層を形成するので、各回のタフテイ
ングにより形成されるパイル層の目付は、その箇所に設
定された目付の数分の1になる。例えば、2000デニ
ールのパイル糸を1/16吋ニードルゲージ(横)の植
毛ミシンにてステッチゲージを18ステッチ/10cm
(縦)として1回タフテイングして形成されるパイル層
と同じパイル密度になるように、基布の同じ箇所に4回
にわたってタフテイングする場合は、(1) パイル糸
を細く500デニールにし、ニードルゲージとステッチ
ゲージを変えずに1/16吋と18ステッチ/10cm
として4回タフテイングするか、又は、(2) パイル
糸のデニールとステッチゲージをそれぞれ2000デニ
ールと18ステッチ/10cmと変えず、ニードルゲー
ジを1/4吋と粗く4倍にして4回タフテイングする
か、或いは、(3) パイル糸のデニールとニードルゲ
ージをそれぞれ2000デニールと1/16吋と変え
ず、ステッチゲージを9ステッチ/20cmと粗く4倍
にして4回タフテイングする。勿論、パイル糸のデニー
ルとニードルゲージとステッチゲージの全てを加減する
ことも出来る。
【0038】しかし、先にタフテイングされてステッチ
方向に一列に並んだパイルW(P)とパイルW(P)の
間が、次にタフテイングされてステッチ方向に一列に並
んだパイルP(Q)のパイル列に分断されて破線状に分
散し、異色数種のパイルW・P・Q………がタンダムに
分散して立体感に富んだ霜降状浮き模様がパイル面に描
出されるようにするには、パイル糸のデニールとステッ
チゲージを変えず、ニードルゲージをタフテイング回数
に応じて数倍粗くすることが簡便である。
【0039】つまり、上記の2000デニールのパイル
糸を1/16吋ニードルゲージ(横)の植毛ミシンにて
ステッチゲージを18ステッチ/10cm(縦)として
1回タフテイングして形成されるパイル層と同じパイル
密度になるように、基布の同じ箇所に4回にわたってタ
フテイングする場合では、パイル糸のデニールとステッ
チゲージをそれぞれ2000デニールと18ステッチ/
10cmと変えず、ニードルゲージを1/4吋と粗く4
倍にして4回タフテイングするとよい。
【0040】何故なら、そのような方法では、1/16
吋ニードルゲージの植毛ミシンに装着されている複数本
のニードルの4本につき1本の割合でパイル糸をニード
ルに通し、残りの4本につき3本のニードルにはパイル
糸を通さずに4回タフテイングすればよいことになり、
格別細いパイル糸を用意したり、基布の送出速度を加減
したりせずに済むからである。
【0041】上記のように基布の同じ箇所に4回にわた
ってタフテイングする場合は、バックステッチが縦、
横、左斜め、右斜めと言うように八方に放射状に交叉さ
せると、タフテッドパイル布帛の裏面(バックステッチ
面)が綺麗になるので好都合である。尚、基布の同じ箇
所に3回以上、特に5回以上にわたって数回タフテイン
グする場合、その何れか1回のバックステッチが他の回
のバックステッチに平行になってもよい。何故なら、平
行に数回タフテイングする場合、後のタフテイングによ
るバックステッチは、必ずしも先のタフテイングによる
バックステッチとバックステッチの中間に並ぶとは限ら
ず、先のタフテイングによるバックステッチの左右何れ
か一方に偏って平行に並び、そのタフテイングが前後す
るバックステッチが少なくとも他の1回のタフテイング
によるバックステッチに交叉し、異色数種のパイルW・
P・Q………が図2に図示する如くランダムに分散して
立体感に富んだ霜降状浮き模様がパイル面に描出される
からである。
【0042】しかし、好ましくは、何れか少なくとも3
回のタフテイングによるバックステッチ(Z・X・Y・
K)が交叉するように少なくとも3回ステッチ方向を変
える。それは、その交叉する何れか3条のバックステッ
チ(Z・X・Y・K)によって三角形状に基布11が細
かく区切られ、その交叉する何れか3条のバックステッ
チ(Z・X・Y・K)によって基布11が少なくとも3
方向に補強され、タフテッドパイル布帛の寸法安定性が
向上するからである。特に、1点において交叉して隣合
う各回のバックステッチ(Z・X・Y・K)間の夾角が
略等しくなるように(α≒β≒φ≒θ)する場合には、
図1に図示する如く各回のバックステッチ(Z・X・Y
・K)によって二重碁盤目模様状や蜂の巣模様状に基布
11の裏面が覆われて見栄えがよく、商品価値の高いタ
フテッドパイル布帛が得られる。
【0043】
【実施例】図3は、基布11の一部に第1回目のタフテ
イングを基布の幅方向に真っ直ぐに行ったパイル面
(a)と、その後、そのバックステッチZに対して左右
斜め方向にステッチ方向を変えて、そのバックステッチ
Zの上を含む基布11の全面に重ねてタフテイングして
構成されたタフテイングパイル布帛のパイル面(b)を
図示するものである。
【0044】その第1回目以降のタフテイングは、前記
従来技術として図6に図示する通り左右斜め方向に合計
8回にわたって、即ち、第2回目のタフテイングは、右
上がりの斜線で基布を二分する箇所に、2本の白糸を右
上がり斜め方向に、第3回目のタフテイングは、左上が
りの斜線で基布を二分する箇所に、2本の黒糸が左上が
り斜め方向に、第4回目のタフテイングは、第2回目に
2本の白糸のバックステッチの両側に白糸と黒糸と白糸
の順に3本1組に2回繰り返し並べて右上がり斜め方向
に、第5回目のタフテイングは、第3回目の2本の黒糸
のバックステッチの両側に白糸と黒糸と白糸の順に3本
1組に2回繰り返し並べて左上がり斜め方向に、第6回
目のタフテイングは、第5回目にタフテイングされない
基布の右上部分に黒糸と白糸と黒糸の順に3本1組に並
べて左上がり左斜め方向に、第7回目のタフテイング
は、第3回目にタフテイングされない基布の左上部分に
黒糸と白糸と黒糸の順に3本1組に並べて右上がり斜め
方向に、第8回目のタフテイングは、第4回目にタフテ
イングされない基布の左下部分に黒糸と白糸と黒糸の順
に3本1組に並べて左上がり斜め方向に、第8回目のタ
フテイングは、第3回目にタフテイングされない基布の
右下部分に黒糸と白糸と黒糸の順に3本1組に並べて右
上がり斜め方向に、第9回目のタフテイングは、第4回
目にタフテイングされない基布の右下部分に黒糸と白糸
と黒糸の順に3本1組に並べて右上がり斜め方向にタフ
テイングされている。
【0045】こうして前後合計9回タフテイングされた
タフテッドパイル布帛では、最初にタフテイングされた
バックステッチZの上に、左上がり斜め方向にタフテイ
ングされたバックステッチXと右上がり斜め方向にタフ
テイングされたバックステッチYが重なり合っており、
そのパイル面には、図3の分図(b)に図示される第2
回目以降のタフテイングによって基布の全面に描出され
た特有の図柄の中に第1回目のパイルWによるストライ
プ模様が微かに現われて、変化に富む豪華なタフテッド
パイル布帛が得られる。
【0046】このように図3に図示する実施例では、3
条のバックステッチZ・X・Yが重なっているが、その
上下に重なり合う異色のパイル糸のバックステッチの数
が増えると、その重なり合う箇所の色彩は、その重なり
合うバックステッチの数に応じて一層深みを増し、彩色
豊かなタフテイングパイル布帛が得られる。
【0047】
【発明の効果】上記の通り、本発明(請求項1)による
と、パイル面の色彩が深みを帯び、立体感に富み、彩色
豊かなタフテッドパイル布帛を得ることが出来る。
【0048】本発明(請求項2)によると、バックステ
ッチZ・X・Yが重なり合っていて混在するパイルW・
P・Qのパイル長の差が2mm以下なので、その何れか
の先にタフテイングされたパイル(W)は、後にタフテ
イングされたパイルの下に完全に覆い隠されることな
く、微かながらもパイル面に現れ、その微かながらも現
れるパイル(W)によってパイル面の色彩が深みを帯び
る。
【0049】本発明(請求項3)によると、タフテイン
グが前後する3重のバックステッチZ・X・Yのニード
ルゲージNがステッチゲージSよりも大きく、3重のバ
ックステッチZ・X・Yに沿って並ぶそれらのパイルと
パイルが、バックステッチが交叉する他のパイル列によ
ってランダムに掻き分けられて分散し、先にタフテイン
グされたパイル(W)が後でタフテイングされたパイル
(P・Q)の間から朧に現れてパイル面が彩色豊かにな
る。
【0050】本発明(請求項4)によると、上記の美的
効果がパイル面の一部に現れた浮き模様のタフテイング
パイル布帛が得られる。
【0051】本発明(請求項5)によると、交叉する3
条のバックステッチ(Z・X・Y・K)によって基布1
1の3方が補強されて寸法安定性のよいタフテッドパイ
ル布帛が得られる。
【0052】本発明(請求項6)によると、基布11の
裏面がバックステッチ(Z・X・Y・K)によって二重
碁盤目模様状や蜂の巣模様状に覆われて見栄えがよく、
付加価値の高いタフテッドパイル布帛が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るタフテッドパイル布帛のバックス
テッチ面の斜視図である。
【図2】本発明に係るタフテッドパイル布帛のパイル面
の斜視図である。
【図3】本発明に係るタフテッドパイル布帛の第1回目
のタフテイングによるパイル面と仕上後のパイル面との
関係図である。
【図4】本発明に係るタフテッドパイル布帛のタフテイ
ング過程での側面断面図である。
【図5】本発明に係るタフテッドパイル布帛のタフテイ
ング工程の関係図である。
【図6】本発明に係るタフテッドパイル布帛のバックス
テッチ面とパイル面との関係図である。
【図7】本発明に係るタフテッドパイル布帛のタフテイ
ング工程の関係図である。
【符号の説明】
11 基布 12・YW ・YB ・UX ・UY ・VX ・VY パイル糸 13 ニードル 14 ルーパー 16 ナイフ 17 押さえ針 W・P・Q パイル Z・X・Y・K バックステッチ E・F・K・M・N・V バックステッチの交叉箇所

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基布(11)の同一箇所に、第1回目に
    タフテイングされた第1バックステッチ(Z)と、第2
    回目にタフテイングされた第2バックステッチ(X)
    と、第3回目にタフテイングされた第3バックステッチ
    (Y)との少なくとも3回タフテイングされた3条のバ
    ックステッチ(Z・X・Y)が重なっており、その3重
    のバックステッチ(Z・X・Y)の中の中間のバックス
    テッチ(X)のパイル糸(UX ・VX )が、それに重な
    る上下何れか少なくとも一方のバックステッチ(Z・
    Y)のパイル糸と異色になっており、それら3重のバッ
    クステッチ(Z・X・Y)の中の何れか少なくとも1列
    のバックステッチのステッチ方向が少なくとも他の何れ
    かのバックステッチのステッチ方向と異なっていて交叉
    していることを特徴とするタフテッドパイル布帛。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載のタフテッドパイル
    布帛において、タフテイングが前後する3重のバックス
    テッチ(Z・X・Y)から基布(11)の表面に突き出
    たそれらのパイル(W・P・Q)のパイル長の差が2m
    m以下であることを特徴とするタフテッドパイル布帛。
  3. 【請求項3】 前記請求項1と請求項2に記載のタフテ
    ッドパイル布帛において、タフテイングが前後する3重
    のバックステッチ(Z・X・Y)のニードルゲージ(N
    1 ・N2 )が、それぞれステッチゲージ(S1 ・S2
    よりも大きいことを特徴とするタフテッドパイル布帛。
  4. 【請求項4】 前記請求項1と請求項2と請求項3に記
    載のタフテッドパイル布帛において、基布(11)の一
    部において、第1回目にタフテイングされた第1バック
    ステッチ(Z)と、第2回目にタフテイングされた第2
    バックステッチ(X)と、第3回目にタフテイングされ
    た第3バックステッチ(Y)との少なくとも3回タフテ
    イングされた3条のバックステッチ(Z・X・Y)が重
    なっていることを特徴とするタフテッドパイル布帛。
  5. 【請求項5】 基布(11)の同一箇所に、ステッチ方
    向を変えて3回以上タフテイングされていることを特徴
    とするタフテッドパイル布帛。
  6. 【請求項6】 基布(11)の同一箇所に、ステッチ方
    向を変えて3回以上タフテイングされており、1点にお
    いて交叉して隣合う各回のバックステッチ(Z・X・Y
    ・K)間の夾角(α・β・φ・θ)が等しいこと(α≒
    β≒φ≒θ)を特徴とするタフテッドパイル布帛。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000350696A (ja) * 1999-06-14 2000-12-19 Ono:Kk ダストコントロールレンタルマット

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