JP3013306B1 - タフテッドパイル布帛 - Google Patents

タフテッドパイル布帛

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JP3013306B1
JP3013306B1 JP30327898A JP30327898A JP3013306B1 JP 3013306 B1 JP3013306 B1 JP 3013306B1 JP 30327898 A JP30327898 A JP 30327898A JP 30327898 A JP30327898 A JP 30327898A JP 3013306 B1 JP3013306 B1 JP 3013306B1
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Abstract

【要約】 【課題】 線状色斑のない霜降模様や消失し難い図形模
様をパイル面に描出する。 【解決手段】 パイル糸が一定のニードルゲージG1
もって配置され、2ステッチ毎に1ニードルゲージ分づ
つ左または右方向にシフトし、且つ、そのシフト方向を
2回(K)以上同じ方向にシフトしてから左右シフト方
向を変えてジグザグにタフテイングされた第1パイル群
と、パイル糸が第1パイル群のニードルゲージG1 の2
倍のニードルゲージG2 をもって配置され、そのニード
ルゲージG2 の半分のシフト幅Fをもって2ステッチ毎
に左右シフト方向を変えてシフトし、第1パイル群のバ
ックステッチ面の上に重ねてジグザグにタフテイングさ
れた第2パイル群とによってパイル層を形成する。第1
パイル群のステッチゲージS1 と第2パイル群のステッ
チゲージS2 を同じにし、第1パイル群のパイル長Hを
一定にする。第2パイル群のパイル12・13のパイル
長は長短変化するが、その第2パイル群の長パイル12
は第1パイル群のパイル11よりも長く、その差Aが3
mm以下になるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダストコントロー
ルマット、レンタルマットおよびタイルカーペットを含
む敷物に使用されるタフテッドパイル布帛に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】異色2種のパイル糸を交互に配置して左
右ジグザグにタフテイングするジグザグ・タフテイング
法は、パイル糸の色斑がパイル面に筋状に現われるのを
防ぐ手段として開発され、パイル面に霜降模様を描出す
る方法として知られている。又、交互に並べられた異色
2種のパイル糸のニードルへの供給量を選択的に変え、
その一方のパイル糸で長パイルを形成し、他方のパイル
糸で短パイルを形成するハイ・ロー・タフテイング法
は、異色2種の長パイルによってパイル面に一定の纏ま
った輪郭を持つ図形模様を描出する方法として知られて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】パイル糸の色斑の程度
によっては、ジグザグにタフテイングしても、その色斑
がジグザグな線状に現われることがある。又、ハイ・ロ
ー・タフテイング法において、短パイルが長パイルの下
に隠れてパイル面に現われないようにするためにその長
短差を6mm以上にする必要があるが、そうすると、短
パイルが現れない分だけパイル面のパイル密度が粗くな
り、パイル面に突き出た長パイルが倒れ易く、図形模様
が不鮮明になり易い。このため、ニードルゲージやステ
ッチゲージを狭くしてパイル面全体を高密度にすること
は望まれるが、タフテッド機の構造上ニードルゲージや
ステッチゲージを緻密にするにも限度がある。
【0004】
【発明の目的】そこで本発明は、霜降模様を描出したパ
イル面に、パイル糸の色斑が線状に現われないようにす
ることを第1の目的とする。本発明の第2の目的は、タ
フテッド機のニードルゲージやステッチゲージを変えず
にパイル密度を緻密にし、異色2種のパイル糸のニード
ルへの供給量を選択的に変えてパイル面に描出した図形
模様が不鮮明にならないようにすることにある。本発明
の第3の目的は、異色2種類のパイルが縦横に均等に分
布して方向性のない図形模様をパイル面に描出すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るタフテッド
パイル布帛は、パイル糸が一定のニードルゲージG1
もって配置され、1〜2ステッチ毎に1ニードルゲージ
分(1G1 )づつ左または右方向にシフトし、且つ、2
回(K)以上同じ方向にシフトしてから左右シフト方向
を変えてジグザグにタフテイングされた第1パイル群
と、パイル糸が第1パイル群のニードルゲージG1 の2
倍のニードルゲージG2 (=2G1 )をもって配置さ
れ、そのニードルゲージG2 の半分のシフト幅F(=
0.5G2 )をもって1〜2ステッチ毎に左右シフト方
向を変えてシフトし、第1パイル群のバックステッチ面
の上に重ねてジグザグにタフテイングされた第2パイル
群とによってパイル層が形成されており、第1パイル群
のステッチゲージS1 と第2パイル群のステッチゲージ
2 が同じであり( S1 =S2 )、第1パイル群のパイ
ル長Hが一定であり、第2パイル群のパイル12・13
のパイル長が変化しており、第2パイル群の長パイル1
2が第1パイル群のパイル11よりも長く、その差Aが
3mm以下であることを第1の特徴とする。
【0006】本発明に係るタフテッドパイル布帛の第2
の特徴は、パイル糸が一定のニードルゲージG1 をもっ
て配置され、1〜2ステッチ毎に1ニードルゲージ分
(1G1 )づつ左または右方向にシフトし、且つ、2回
(K)以上同じ方向にシフトしてから左右シフト方向を
変えてジグザグにタフテイングされた第1パイル群と、
パイル糸が第1パイル群のニードルゲージG1 の2倍の
ニードルゲージG2 (=2G1 )をもって配置され、そ
のニードルゲージG2 の半分のシフト幅F(=0.5G
2 )をもって1〜2ステッチ毎に左右シフト方向を変え
てシフトし、第1パイル群のバックステッチ面の上に重
ねてジグザグにタフテイングされた第2パイル群とによ
ってパイル層が形成されており、第1パイル群のステッ
チゲージS1 と第2パイル群のステッチゲージS2 が同
じであり( S1 =S2 )、第1パイル群のパイル長Hが
一定であり、第2パイル群のパイル12・13のパイル
長が規則的に変化しており、第2パイル群の長パイル1
2が第1パイル群のパイル11よりも長く、その差Bが
3mm以下であり、第1パイル群のパイル11が第2パ
イル群の短パイル13よりも長く、その差Cが2mm以
下になっていることにある。
【0007】本発明に係るタフテッドパイル布帛の第3
の特徴は、上記第1と第2の何れかの特徴に加えて、第
1パイル群のパイル11が異色数種の単糸を合撚した
色2種類のパイル糸20・21を交互に配置して構成さ
れており、第1パイル群の左右隣合うパイルを構成する
パイル糸20とパイル糸21を構成する少なくとも1種
の単糸18B・19Bの色彩が同系色になっていること
にある。
【0008】本発明に係るタフテッドパイル布帛の第4
の特徴は、上記第3の特徴に加えて、第1パイル群の左
右隣合うパイルの少なくとも一方のパイル糸20(2
1)の少なくとも1種の単糸18Bと同系色の繊維が、
第2パイル群のパイル12・13に含まれていることに
ある。
【0009】本発明に係るタフテッドパイル布帛の第5
の特徴は、上記第1、第2、第3および第4の何れかの
特徴に加えて、第1パイル群のパイル11のパイル長H
が、そのパイル11のニードルゲージG1 の1.0〜
1.4倍(1G1 ≦H≦1.4G1 )であり、そのステ
ッチゲージS1 がニードルゲージG1 よりも狭くなって
いること(S1 <G1 )にある。
【0010】本発明に係るタフテッドパイル布帛の第6
の特徴は、異色数種の単糸を合撚した2種類の合撚糸
(20・21)をパイル糸とし、それら2種類のパイル
糸20・21を一定のニードルゲージG1 をもって交互
に配置し、2ステッチ毎に1ニードルゲージ分(1
1 )づつ左または右方向にシフトし、且つ、そのシフ
ト方向を2回(K)以上同じ方向にシフトしてから左右
方向を変えてジグザグにタフテイングされており、それ
ら2種類のパイル糸20・21がニードルゲージG1
1.0〜1.4倍(1G1 ≦H≦1.4G1 )となる一
定のパイル長Hのループパイル11a・11bを形成し
ており、そのステッチゲージS1 がニードルゲージG1
よりも狭いこと(S1 <G1 )にある。
【0011】
【発明の実施の形態】第1パイル群のニードルゲージG
1 は5/32吋〜1/10吋にするとよく、そのステッ
チゲージS1 はニードルゲージG1 の0.4〜0.6倍
(S1 =0.4G1 〜0.6G1 )、即ち、ニードルゲ
ージG1 の約半分にするとよい。第2パイル群の長パイ
ル12と第1パイル群のパイル11のパイル長の差(A
・B)は2mm以下、好ましくは1mm前後となる0.
5〜1.5mm程度に僅かにするとよい。第1パイル群
のパイル11と第2パイル群の短パイル13のパイル長
の差Cも、同様に、1mm前後となる0.5〜1.5m
m程度に僅かにするとよい。第1パイル群のパイル11
はループパイルとするが、第2パイル群の長パイル12
はカットパイルにしてもよい。
【0012】そのカットパイルは、第1パイル群の低い
ループパイル面(11)から突き出た第2パイル群の長
いループパイル12の先端を、シャーリングによって第
1パイル群の低いループパイル面(11)の高さまで刈
り取って形成すると、その長いループパイル12の輪奈
毛の一部が刈り取られずにループパイル状に残り、パイ
ル面に繊維の断面が先端になって現れるカットパイル繊
維と彎曲した繊維の側面が先端になって現れるループパ
イル繊維が混在して美しく仕上がる。そのようにするた
めにも、第2パイル群の長パイル12と第1パイル群の
パイル11のパイル長の差(A・B)を、1mm前後と
なる0.5〜1.5mm程度にすることが望ましい。第
1パイル群は、2ステッチ毎にシフトし、そのシフト方
向が変わるシフト幅Kは、2〜6ニードルゲージG
1 (K=2G1 〜6G1 )、つまり、パイル11を4個
以上タフテイングしてからシフト方向を変えてバックス
テッチ14がジグザグに連続するようにする。
【0013】
【作用】図1に図示する如く、本発明(請求項1)で
は、第2パイル群が、先にタフテイングされた第1パイ
ル群と同じステッチゲージ(S1 =S2 )をもって、且
つ、第1パイル群のニードルゲージG1 の2倍になる粗
いニードルゲージG2 (=2G1 )をもって、且つ又、
第1パイル群のニードルゲージG1 に等しくなる第2パ
イル群のニードルゲージG2 の半分のシフト幅F(=
0.5G2 )をもって1〜2ステッチ毎に左右方向を変
えてジグザグにタフテイングされている。このため、第
1パイル群と第2パイル群は、前者のパイル2個につき
後者のパイル1個の割合で縦横に混在することになる。
【0014】第2パイル群のパイル12・13は、タフ
テイング時にルーパー23の作動方向に沿って基布22
の長さ方向に真っ直ぐに並ぶ第1パイル群の隣合うパイ
ル列Nとパイル列Nの間に、それらのパイル列Nに平行
に続くパイル列Mを形成するようにタフテイングする。
そうすると、実質的にニードルゲージが2/3倍細かい
タフテッド機、具体的に言えば、5/32吋ニードルゲ
ージのタフテッド機を使用しても5/48インチニード
ルゲージのタフテッド機を使用した場合と同等に、又、
1/8吋ニードルゲージのタフテッド機を使用しても1
/12インチニードルゲージのタフテッド機を使用した
場合と同等に、或いは又、1/10吋ニードルゲージの
タフテッド機を使用しても1/15インチニードルゲー
ジのタフテッド機を使用した場合と同等に、パイル密度
が緻密なタフテッドパイル布帛が得られる。
【0015】本発明において、「ニードルゲージ」と
は、隣合うパイル糸とパイル糸の間隔を意味し、「ステ
ッチゲージ」とは、1本のパイル糸が連続して形成する
パイルとパイルの間のルーパー23の作動方向であり基
布22の長さ方向における間隔を意味する。1本のパイ
ル糸をジグザグにタフテイングするためのシフトは、基
布にパイル糸を差し込むニードルを移動させず、ルーパ
ー23の作動方向であり基布22の長さ方向に直交する
左右に基布22を移動させて行うことも出来るが、好ま
しくは、基布22を左右に移動させず、ニードルを左右
に移動させて行う。
【0016】図2に図示する如く、第2パイル群のパイ
ル長と第1パイル群のパイル長が同じになるようにニー
ドルへのパイル糸の供給量を設定しても、第1パイル群
のバックステッチ14に第2パイル群のバックステッチ
15が重なり合う箇所17では、その第1パイル群のバ
ックステッチ14によって基布22から第2パイル群の
バックステッチ15が押し返された分だけ第2パイル群
のパイル13が第1パイル群のパイル11よりも若干短
くなる。一方、第2パイル群のバックステッチ15が第
1パイル群のバックステッチ間の谷間に入り込む箇所1
6では、第2パイル群のパイル(12・13)は第1パ
イル群のパイル11と同じ長さになる。そして、第1パ
イル群のシフト幅Kと第2パイル群のシフト幅Fが異な
るので、第2パイル群のバックステッチ15が、第1パ
イル群のバックステッチ14に長く連続して重なった
り、又、第1パイル群のバックステッチ間の谷間(1
6)に長く連続して入り込むこともない。このため、第
2パイル群のパイル長がランダムに変化し、第2パイル
群のパイル12が第1パイル群の形成するパイル面にラ
ンダムに現われることとなる。
【0017】そのように、第2パイル群のバックステッ
チ15が第1パイル群のバックステッチ14に突き刺さ
って重なり合う箇所17と、突き刺さらずに第1パイル
群のバックステッチ間の谷間に入り込む箇所16がラン
ダムに出来るとしても、第2パイル群のパイル12・1
3は、第1パイル群の隣合うパイル列Nとパイル列Nの
間に正確に差し込んで形成する。
【0018】第2パイル群のタフテイング時のニードル
へのパイル糸の供給量を、第1パイル群のタフテイング
時のニードルへのパイル糸の供給量よりも僅かに多くす
ると、第1パイル群の形成するパイル面にランダムに第
2パイル群のパイル12が現われ易くなる。そして、第
2パイル群の長パイル12と第1パイル群のパイル11
との差Aが2mm以下になると、第1パイル群のパイル
11の形成するパイル面に第2パイル群の長パイル12
が突き出た観を呈せず、従ってパイル面は格別顕著な凹
凸感を与えず、又、その第1パイル群のパイル面から僅
かに突き出た第2パイル群の長パイル12の先端だけが
格別押し倒され易くなることもなく、一見して平滑な中
にも僅かな起伏が感じ取られる、言わば、平滑と起伏と
が同居した感じを与える立体感のあるパイル面が形成さ
れる。
【0019】第1パイル群のタフテイング時におけるニ
ードルへのパイル糸の供給量を一定にし、ただ第2パイ
ル群のタフテイング時におけるニードルへのパイル糸の
供給量だけを各ステッチサイクル毎に選択的に変えて長
パイル12と短パイル13を形成し、そのパイル糸の供
給量によって第2パイル群の長パイル12を第1パイル
群のパイル11よりも若干長く、その差Bを2mm以下
になるようにし、且つ、第1パイル群のパイル11より
も第2パイル群の短パイル13を若干短く、その差Cを
1mm前後にすると、図3に図示する如く、その長パイ
ル12によって第1パイル群のパイル面に所要の図形模
様が描出される。その場合、上記の通り、第1パイル群
のパイル11よりも格別長くもない第2パイル群の長パ
イル12だけが押し倒されると言うこともなく、従っ
て、その図形模様の輪郭が維持され、使用中に消失或い
は変形し難くなる。
【0020】又、ジグザグにタフテイングされる第1パ
イル群の隣合うパイル糸の色彩が異なる(異色)ときは
霜降模様が描出される。その場合、異色数種の単糸を合
撚した合撚糸を第1パイル群のパイル糸20・21に用
い、その第1パイル群の左右隣合うパイル11・11を
構成するパイル糸20とパイル糸21の少なくともそれ
ぞれ1種類の単糸18B・19Bの色彩を変えると、図
4に図示する如く、パイル糸20(21)の単糸18A
・18B(19A・19B)の何れか一方がパイル面に
強く現れ、従って、そのパイル糸20(21)をジグザ
グにせずにタフテイングしただけでも霜降模様が描出さ
れることになる。
【0021】従って、本発明の如く、異色数種の単糸を
合撚した2種類のパイル糸20・21を混用し、ループ
パイル(18A・18B・19A・19B)をジグザグ
・タフテイングすると、その霜降模様は繊細なものとな
り、そのパイル糸20とパイル糸21の何れかの単糸に
色斑があっても、その単糸の色斑は、色斑のない他の単
糸の色彩に隠れてパイル面に現われ難くなる。更に、図
4に図示する如く、第1パイル群の異色2種類のパイル
糸20・21による霜降模様の中に、第2パイル群の長
パイル12がランダムに現われるときには、その霜降模
様が更に繊細で変化に富んだものになり、パイル糸20
・21の色斑がパイル面に一層現われ難くなる。霜降模
様の色彩に深みを付けるには、合撚した異色2種類のパ
イル糸20・21を構成する数種類の単糸の中の少なく
ともそれぞれ1種類の単糸18A・19Aを同系色にす
るとよい。
【0022】本発明(請求項4)では、そのランダムに
現われる第2パイル群の長パイル12に、第1パイル群
の何れかの単糸18Bと同系色の繊維を使用しているの
で、合撚糸20と合撚糸21の何れかの単糸に色斑があ
っても、それが何処に現われているか見分け難くなり、
図4に図示する如く、パイル面の霜降模様は色彩に深み
が生じて変化に富んだものとなる。そうするには、第2
パイル群のパイル糸を、第1パイル群の異色2種類のパ
イル糸20・21の何れか一方の単糸18B(19B)
と同系色にしてもよいし、第2パイル群のパイル糸を構
成する一部の繊維を第1パイル群の異色2種類のパイル
糸20・21の何れか一方の単糸18B(19B)と同
系色にしてもよい。第2パイル群のパイル糸は合撚糸で
あってもよい。その場合、そのパイル糸を構成する一部
の単糸を第1パイル群の異色2種類のパイル糸20・2
1の何れかの単糸18B(19B)と同系色にする。
【0023】そして本発明(請求項5)では、第1パイ
ル群のパイル11のパイル長HがニードルゲージG1
1.0〜1.4倍(1G1 ≦H≦1.4G1 )で格別長
くなく、第1パイル群が略円形の毛玉状に丸まったルー
プパイル11を形成し、又、ステッチゲージS1 がニー
ドルゲージG1 よりも狭くなっており、基布22の長さ
方向に真っ直ぐに並ぶパイル列Nのループパイル11が
密着し合って押圧荷重に対する強い弾性復元力を発揮
し、その第1パイル群のループパイル11によって第2
パイル群の長パイル12が支えられるので、その描出す
る図形模様は消失し難く、特に合撚糸20・21によっ
て描出される霜降模様を地模様にすると図形模様が朧に
現れ、使用中に汚染されても目立ち難く、耐久性のある
タフテッドパイル布帛が得られる。
【0024】上記のように異色2種のパイル糸20・2
1を一定のニードルゲージG1 をもって交互に配置して
描出される霜降模様を、それらの異色2種のパイル11
a・11bが縦横に均等に混在して限りなく無地調のも
のにするには、ステッチゲージS1 をニードルゲージG
1 よりも狭く、好ましくは、ステッチゲージS1 をニー
ドルゲージG1 の0.4〜0.6倍(S1 =0.4G1
〜0.6G1 )、即ち、ニードルゲージG1 の約半分に
し、2ステッチ毎に1ニードルゲージ分(1G1 )、即
ち、2ステッチにつき1回の割合で1ニードルゲージ分
(1G1 )シフトさせる。その理由は、次の通りであ
る。
【0025】即ち、図7に図示する如く、タフテイング
過程において、ルーパー23の先端は、基布22の搬送
される方向即ち基布22の長さ方向に真っ直ぐに突き出
ており、そのルーパー23の先端の突き出ている方向に
パイルが真っ直ぐに並んだパイル列Nが形成される。ル
ープパイル11は、その真っ直ぐに突き出たルーパー2
3の先端部分を中心軸とし、その先端部分の周囲を囲む
ドーナツ形に形成され、そのドーナツ形を閉じるループ
パイル11の2つの根元24・25は、パイル列Nに直
角に並ぶ。
【0026】そして、バックステッチが左右にジグザグ
にシフトするとき、そのループパイル11の根元24・
25が、そのパイル列Nの左右にシフトするバックステ
ッチ14へと続いているので、ループパイル11は、そ
の根元24・25がパイル列Nに直角に並んだ状態でセ
ットされ易くなる。
【0027】又、ドーナツ形を成すループパイル11の
厚みDは、パイル糸の太さに相応するが、そのドーナツ
形を成すループパイル11の幅Wは、2つの根元24・
25の太さを合わせた寸法、即ち、2本のパイル糸の太
さを合わせた寸法(2D)よりも、ループパイル11が
ドーナツ形に膨らんだ分だけ広がる。このため、基布2
2に平行なループパイル11の横断面は、幅Wが厚みD
の2倍以上(W≧2D)の長方形(楕円形)断面とな
る。
【0028】このようにドーナツ形を成すループパイル
11では、ステッチゲージS1 がニードルゲージG1
約半分に設定されていると、各ループパイル11は、中
央部の孔が連続するように多数のドーナツを密着させて
並べたように、パイル列Nにおいて前後するループパイ
ルとループパイルに挟まれて、それらの長方形横断面の
幅Wをパイル列Nが続く基布22の長さ方向に向けて密
着した状態にセットされる。このため、ドーナツ形を成
すループパイル11は、その長方形横断面の長辺を基布
22の幅方向に横長にセットされた恰好になり、その結
果、異色2種類のループパイル11aとループパイル1
1bが混在する霜降模様では、その長方形横断面の幅方
向(W)乃至は基布22の幅方向にループパイル11を
一直線状に連ねたかの如き方向性が現れる。
【0029】本発明(請求項6)では、2ステッチ毎に
シフトしているので、その長方形断面の長辺が基布22
の幅方向に横長になった異色2種類のパイル糸20のル
ープパイル11aとパイル糸21のループパイル11b
がそれぞれパイル列Nに2個1組になって交互に並び、
図5に図示する如く、その各組の2個のループパイル1
1aとループパイル11a(ループパイル11bとルー
プパイル11b)の2個の長方形横断面が密着して同色
の正方形横断面を形作ることになるので、霜降模様は、
異色2種類の正方形枡目が市松状に並んだかの如く、縦
横に方向性のない無地調のものとなる。
【0030】上記の通り、理論上では、基布22に平行
なループパイル11の横断面は、幅Wが厚みDの2倍以
上(W≧2D)の長方形(楕円形)断面となる。しか
し、ループパイル11の輪奈(ドーナツ状円形)の大き
さ(ドーナツ状円形の直径)は、そのループパイル11
を構成するパイル糸の長さによって設定されるとして
も、そのループパイル11の横断面の幅Wを規定するパ
イル糸の太さは、パイル糸が脹らみをもつ嵩高なもので
あるから、パイル列Nの方向に並ぶ2個のループパイル
11aとループパイル11aが密着して1個のループパ
イルの如き外観を呈するようにするために、ステッチゲ
ージS1 をニードルゲージG1の半分程(S1 ≒0.5
1 )に細かく設定する必要はなく、ニードルゲージG
1 の4分の3乃至2分の1(0.75G1 ≧S1 ≧0.
5G1 )、好ましくはニードルゲージG1 の3分の2前
後(2G1 ≒3S1 )に設定する。そうすると、その密
着した2個のループパイル11aとループパイル11a
は若干縦長の正方形横断面を形作り、パイル列Nが基布
22の長さ方向に沿ったタフテッドパイル布帛特有の外
観を呈することになる。
【0031】そのような無地調霜降模様の第1パイル群
には、パイル糸21を第1パイル群のニードルゲージG
1 の2倍のニードルゲージG2 (=2G1 )をもって配
置し、そのニードルゲージG2 の半分のシフト幅F(=
0.5G2 )をもって2ステッチ毎に左右方向を変えて
シフトして第2パイル群をジグザグに第1パイル群のパ
イル列Nとパイル列Nの間にタフテイングすると、図6
に図示する如く、第1パイル群の異色2種類のループパ
イル11aとループパイル11bと第2パイル群のパイ
ル12(13)の色彩が縦横に均等に分布して、その無
地調霜降模様は一層縦横に方向性のないものとなる。
【0032】
【発明の効果】上記の通り、本発明(請求項1)による
と、パイル密度が緻密で立体感があり、敷物として過酷
な使用に耐える耐久性のあるタフテッドパイル布帛が得
られる。
【0033】本発明(請求項2)によると、パイル密度
が緻密で消失し難い図形模様が描出され、敷物として過
酷な使用に耐える耐久性のあるタフテッドパイル布帛が
得られる。
【0034】本発明(請求項3)によると、パイル密度
が緻密で色斑がなく深みのある霜降模様が描出され、敷
物として過酷な使用に耐える耐久性のあるタフテッドパ
イル布帛が得られる。
【0035】本発明(請求項4)によると、パイル密度
が緻密で色斑がなく変化に富んだ霜降模様が描出された
タフテッドパイル布帛、又、霜降模様を地模様として図
形模様が描出されたタフテッドパイル布帛が得られる。
【0036】本発明(請求項5)によると、パイル密度
が緻密で色斑がなく消失し難い図形模様や霜降模様が描
出され、使用による汚染が目立ち難く、敷物として過酷
な使用に耐える耐久性のあるタフテッドパイル布帛が得
られる。
【0037】本発明(請求項6)によると、異色のルー
プパイル11aとループパイル11bが縦横に均等に分
布して限りなく無地調で方向性のない霜降模様を描出す
ることが出来る。
【0038】このように、本発明によると、パイル糸の
色斑が線状に現われず、パイル密度が緻密で、方向性の
ない無地調の霜降模様のタフテッドパイル布帛や、その
霜降模様をベースとし輪郭が不鮮明になり難い図形模様
が描出されたタフテッドパイル布帛が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るタフテッドパイル布帛の裏面図で
ある。
【図2】本発明に係るタフテッドパイル布帛の側面断面
図である。
【図3】本発明に係るタフテッドパイル布帛の側面断面
図である。
【図4】本発明に係るタフテッドパイル布帛の側面断面
図である。
【図5】本発明に係るタフテッドパイル布帛の表面図で
ある。
【図6】本発明に係るタフテッドパイル布帛の表面図で
ある。
【図7】本発明に係るタフテイング過程におけるタフテ
ッドパイル布帛を仰視して示す斜視図である。
【符号の説明】
11 第1パイル群のパイル 12 第2パイル群の長パイル 13 第2パイル群の短パイル 14 第1パイル群のバックステッチ 15 第2パイル群のバックステッチ 16 第2パイル群のバックステッチが第1パイル群の
バックステッチ間の谷間に入り込む箇所 17 第2パイル群のバックステッチが第1パイル群の
バックステッチに重なり合う箇所 18・19 単糸 20・21 パイル糸(合撚糸) 22 基布 23 ルーパー 24・25 パイルの根元 M 第2パイル群のパイル列 N 第1パイル群のパイル列
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−131031(JP,A) 特開 平7−331578(JP,A) 特許2662806(JP,B2) 特公 昭52−21109(JP,B2) 特公 昭63−64542(JP,B2) 特公 昭43−17377(JP,B1) 実公 昭52−44706(JP,Y2) 米国特許3109395(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D05C 17/02 A47L 23/22 A47G 27/00 - 27/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異色数種の単糸を合撚した合撚糸で構成
    されたパイル糸が一定のニードルゲージ(G1 )をもっ
    て配置され、1〜2ステッチ毎に1ニードルゲージ分
    (1G1 )づつ左または右方向にシフトし、且つ、2回
    (K)以上同じ方向にシフトしてから左右シフト方向を
    変えてジグザグにタフテイングされた第1パイル群と、
    パイル糸が第1パイル群のニードルゲージ(G1 )の2
    倍のニードルゲージ(G2 =2G1 )をもって配置さ
    れ、そのニードルゲージ(G2 )の半分のシフト幅(F
    =0.5G2 )をもって1〜2ステッチ毎に左右シフト
    方向を変えてシフトし、第1パイル群のバックステッチ
    面の上に重ねてジグザグにタフテイングされた第2パイ
    ル群とによってパイル層が形成されており、第1パイル
    群のステッチゲージ(S1 )と第2パイル群のステッチ
    ゲージ(S2 )が同じであり( S1 =S2 )、第1パイ
    ル群のパイル長(H)が一定であり、第2パイル群のパ
    イル(12・13)のパイル長が変化しており、第2パ
    イル群の長パイル(12)が第1パイル群のパイル(1
    1)よりも長く、その差(A)が3mm以下であること
    を特徴とするタフテッドパイル布帛。
  2. 【請求項2】 前掲請求項1に記載の第2パイル群のパ
    イル(12・13)のパイル長が規則的に変化してお
    り、第2パイル群の長パイル(12)が第1パイル群の
    パイル(11)よりも長く、その差(B)が3mm以下
    であり、第1パイル群のパイル(11)が第2パイル群
    の短パイル(13)よりも長く、その差(C)が2mm
    以下であることを特徴とするタフテッドパイル布帛。
  3. 【請求項3】 前掲請求項1に記載の第1パイル群のパ
    イル糸を構成する合撚糸が色彩が異なる2種類の合撚糸
    であり、その色彩が異なる2種類のパイル糸(20・2
    1)が交互に配置して構成されており、第1パイル群の
    左右隣合うパイルを構成するパイル糸(20)とパイル
    糸(21)を構成する少なくとも1種の単糸(18B・
    19B)が同系色であることを特徴とする前掲請求項1
    に記載のタフテッドパイル布帛。
  4. 【請求項4】 前掲請求項1に記載の第1パイル群のパ
    イル糸を構成する合撚糸が色彩が異なる2種類の合撚糸
    であり、その色彩が異なる2種類のパイル糸(20・2
    1)が交互に配置して構成されており、その第1パイル
    群の左右隣合うパイルの少なくとも一方のパイル糸(2
    0)(21)の少なくとも1種の単糸(18B)と同系
    色の繊維が、第2パイル群のパイル(12・13)に含
    まれていることを特徴とする前掲請求項1に記載のタフ
    テッドパイル布帛。
  5. 【請求項5】 前掲請求項1に記載の第1パイル群のパ
    イル(11)のパイル長(H)がパイル(11)のニー
    ドルゲージ(G1 )の1.0〜1.4倍(1G1 ≦H≦
    1.4G1 )であり、ステッチゲージ(S1 )がニード
    ルゲージ(G1 )よりも狭いこと(S1 <G1 )、を特
    徴とする前掲請求項1に記載のタフテッドパイル布帛。
  6. 【請求項6】 前掲請求項1に記載の第1パイル群のパ
    イル糸を構成する合撚糸が色彩が異なる2種類の合撚糸
    であり、その色彩が異なる2種類のパイル糸(20・2
    1)が交互に配置して構成されており、その2種類のパ
    イル糸(20・21)がニードルゲージ(G1 )の1.
    0〜1.4倍(1G1 ≦H≦1.4G1 )となる一定の
    パイル長(H)のループパイル(11a・11b)を形
    成しており、ステッチゲージ(S1 )がニードルゲージ
    (G1 )よりも狭いこと(S1<G1 )、を特徴とする
    前掲請求項1に記載のタフテッドパイル布帛。
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