JP3086213U - ゴルフ練習場用人工芝 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 天然芝に近似した見栄えのよい外観のゴルフ
練習場用人工芝を提供すること。 【解決手段】 表面に濃緑色領域２と、淡緑色領域３
と、これらの中間緑色領域４とを、濃緑色領域２と淡緑
色領域３との間に中間緑色領域４が存在するように縦横
方向に反復させてチェック柄又は菱形格子模様状に配置
した。タフテッドカーペット構造の人工芝やニードルパ
ンチカーペット構造の人工芝に適用される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ゴルフ練習場用人工芝に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ゴルフ練習場の中長距離練習用コースやパター練習用コース等には、ニードル パンチカーペット構造やタフテッドカーペット構造の人工芝が使用されている。 ニードルパンチカーペット構造の人工芝は、基布に繊維ウェブを重ね合わせて先 端に二股部等をもつニードルで刺し通すことにより繊維ウェブを基布に絡み合わ せて製造されるもので、表面がフラットな繊維組織で構成されている。一方、タ フテッドカーペット構造の人工芝は、基布にパイル糸を織り込んで表面にループ パイルまたはカットパイルあるいはこれら両パイルを起立形成させ、基布の裏面 にバッキング材を配置して基布に前記パイルを固定させることによって製造され るもので、表面が立体的に構成されている。前記繊維ウェブやパイル糸には、緑 色に着色したものが使用され、全体が１色のものや、濃淡２色のストライプ模様 としたものが公知である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来のゴルフ練習場に使用されている人工芝は、天然芝に比べて管理が容易で あり、耐久性にも優れているが、外観上、変化に乏しく、単調であるなど、天然 芝には及ばない点がある。

【０００４】 そこで、本考案は、天然芝に近似した見栄えのよい外観のゴルフ練習場用人工 芝を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案は、表面に、濃緑色領域と、淡緑色領域と、 これらの中間緑色領域とを、縦横方向に反復させてチェック柄又は菱形格子模様 状に配置したものである。

【０００６】 本考案のゴルフ練習場用人工芝は、上記構成としたから、濃緑色領域、中間緑 色領域、淡緑色領域の３種類の緑色領域のチェック柄又は菱形格子模様によって 、人工芝の表面を、あたかも、芝刈り機で縦横又は斜交状に刈り取ったような天 然芝と同様な見栄えのよい外観にすることができる。

【０００７】 前記チェック柄又は菱形格子模様は、濃緑色、淡緑色、これらの中間緑色から なる３種類のパイル糸によって形成するものである。この構成によれば、人工芝 の製造工程で前記３種類のパイル糸を使用することによって前記チェック柄又は 菱形格子模様を容易に表現することができる。

【０００８】 また、前記３種類のパイル糸は、濃緑色糸と淡緑色糸との２色の糸を異なる割 合で撚り合わせて構成してもよい。この構成によれば、濃緑色糸と淡緑色糸との ２色の糸を撚り合わせて３種類のパイル糸を構成できるため、糸の染色を２色で 済ますことができる。

【０００９】 また、前記３種類のパイル糸は、基布の縦方向に濃緑色パイル糸と中間緑色 パイル糸の２種類のパイル糸が交互に繰り返して並列配置され、濃緑色領域内で は濃緑色パイル糸をハイカットパイルとして毛足を長くして表面に表出させると 共に中間緑色パイル糸をローループパイルとして毛足を短くして表面に出ないよ うに沈下させ、かつ、中間緑色領域内では中間緑色パイル糸をハイカットパイル として毛足を長くして表面に表出させると共に濃緑色パイル糸をローループパイ ルとして毛足を短くして表面に出ないように沈下させ、基布の縦方向に中間緑色 パイル糸と淡緑色パイル糸の２種類のパイル糸が交互に繰り返して並列配置され 、中間緑色領域内では中間緑色パイル糸をハイカットパイルとして毛足を長くし て表面に表出させると共に淡緑色パイル糸をローループパイルとして毛足を短く して表面に出ないように沈下させ、かつ、淡緑色領域内では淡緑色パイル糸をハ イカットパイルとして毛足を長くして表面に表出させると共に中間緑色パイル糸 をローループパイルとして毛足を短くして表面に出ないように沈下させ、これに よって基布の縦方向及び横方向で、濃緑色領域と中間緑色領域の交互配列と、中 間緑色領域と淡緑色領域の交互配列とを隣接形成する。 この構成によれば、ハイカットアンドローループ形成機能を有するカーペット 製造機を利用して本考案のチェック柄又は菱形格子模様状の人工芝を容易に製造 することができる。

【００１０】 また、前記チェック柄又は菱形格子模様は、濃緑色、淡緑色、これらの中間緑 色からなる３種類の繊維ウェブによって形成してもよい。この構成によれば、ニ ードルパンチカーペット構造の人工芝の表面に本考案のチェック柄又は菱形格子 模様を表出させることができる。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態について図面に基づいて説明する。図１は本考案に 係る人工芝の概略平面図であって、同図において、１は本考案の人工芝、２は濃 緑色領域、３は淡緑色領域、４はこれらの中間緑色領域を示している。

【００１２】 人工芝１は、図２の（Ａ）又は（Ｂ）に示すように、基布５と、基布５に織り 込まれて基布５の表面側にループパイル６とカットパイル７を混在形成するパイ ル糸８と、パイル糸８を基布５の裏面に固定させるバッキング材９とからなり、 その表面に、濃緑色領域２と、淡緑色領域３と、これらの中間緑色領域４とを、 縦横方向に反復させてチェック柄模様を表出させている。

【００１３】 チェック柄模様は、濃緑色、淡緑色、これらの中間緑色からなる３種類のパイ ル糸８によって形成するか、又は、濃緑色糸と淡緑色糸との２色の糸を異なる割 合で撚り合わせて構成してもよい。後者の場合、例えば、濃緑色糸と淡緑色糸と を同じ割合で撚り合わせて中間緑色のパイル糸を構成し、濃緑色糸と淡緑色糸と の割合を、一方を多くし、他方を少なくすることによって濃緑色のパイル糸又は 淡緑色のパイル糸を構成するもので、パイル糸の濃淡を強調するには、撚り糸の 全部を一方の糸で構成すればよく、また、パイル糸の濃淡を調整するには、撚り 合わせ割合を調整すればよい。

【００１４】 また、前記３種類のパイル糸８は、図２の（Ｃ）に示すように、該パイル糸８ を織り込んだ基布５の縦方向又は横方向にパイル糸８をハイカットアンドロール ープで繰り返して並列配置させる。即ち、図３に示すように、基布の縦方向に濃 緑色領域２と中間緑色領域４が交互に繰り返す列では、濃緑色領域２において○ 印で示す濃緑色糸８₁をハイカットパイルとして毛足を長くして表面に表出させ ると共に△印で示す中間緑色糸８₃をローループパイルとして毛足を短くして表 面に出ないように沈下させる。また、同じ列の中間緑色領域４においては△印で 示す中間緑色糸８₃をハイカットパイルとして毛足を長くして表面に表出させる と共に○印で示す濃緑色糸８₁をローループパイルとして毛足を短くして表面に 出ないように沈下させる。 一方、基布の縦方向に中間緑色領域４と淡緑色領域３が交互に繰り返す列では 、中間緑色領域４において△印で示す中間緑色糸８₃をハイカットパイルとして 毛足を長くして表面に表出させると共に×印で示す淡緑色糸８₂をローループパ イルとして毛足を短くして表面に出ないように沈下させる。また、同じ列の淡緑 色領域３においては×印で示す淡緑色糸８₂をハイカットパイルとして毛足を長 くして表面に表出させると共に△印で示す中間緑色糸８₃をローループパイルと して毛足を短くして表面に出ないように沈下させる。 図３は濃緑色糸８₁、中間緑色糸８₃及び淡緑色糸８₂の一部のみを示すが、こ れら糸は基布を上下に縫いながら縦方向に多数列で延びている。 以上のように、図１に示す濃緑色領域２と、淡緑色領域３と、これらの中間緑 色領域４とを、ハイカットアンドローループ形成機能を有するカーペット製造機 によって製造することができる。

【００１５】 ループパイル６の形成は、図４の（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）に示すようなニードル１ ０とルーパー１１とによって順次形成される。また、カットパイル７の形成は、 図４の（Ｄ）（Ｅ）（Ｆ）に示すようなニードル１０とルーパー１１とで形成し たループパイル６をナイフ１２で切断していくものであり、ハイカットアンドロ ーループ形成機能を有するカーペット製造機は、上記２つの機能を具備している 。このハイカットアンドローループ形成機能を有するカーペット製造機で本考案 の人工芝を製造する場合、パイル密度を出来るだけ高くするもので、ファインゲ ージ、例えば、５／３２ゲージ（５インチ内に３２本のパイル糸が配列される） よりも１／８ゲージ（１インチ内に８本のパイル糸が配列される）とするのが好 ましい。このようにすれば、ゴルフボールの沈み込みが少なくなり、ゴルフ練習 場での練習後のグリーン上からの掻き出しバー部材等によるゴルフボールの排除 を容易にすることができる。実験によれば、傾斜角３°〜５°の範囲でのゴルフ ボールの転がり易さは、５／３２ゲージの人工芝では、１０個中、３個〜５個が 転がらずに残っていたが、１／８ゲージの人工芝では、１０個中、転がらずに残 ったものはなく、全て転がったという結果のデータが得られた。

【００１６】 前記パイル糸８には、例えば、６５０ｄ×６＝３９００ｄの太さのナイロンモ ノフィラメントを使用するが、３０００ｄ〜５０００ｄの範囲の糸を使用するこ とができ、基布５にはポリプロピレンを使用している。なお、パイル糸８及び基 布５にはナイロンやポリプロピレン以外の他の合成繊維も使用可能である。

【００１７】 また、前記チェック柄模様は、濃緑色、淡緑色、これらの中間緑色からなる３ 種類の繊維ウェブによって形成してもよい。この場合では、ニードルパンチカー ペット構造の人工芝となる。

【００１８】 以上、本考案図示の実施の形態につき説明したが、本考案は前記実施の形態に 限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、前記チェック柄模様に 代えて菱形格子模様としてもよい。

【００１９】

【考案の効果】

本考案の請求項１によれば、濃緑色領域、中間緑色領域、淡緑色領域の３種類 の緑色領域のチェック柄又は菱形格子模様によって、人工芝の表面を、あたかも 、芝刈り機で縦横又は斜交状に刈り取ったような天然芝と同様な見栄えのよい外 観にすることができる。

【００２０】 本考案の請求項２によれば、人工芝の製造工程で前記３種類のパイル糸を使用 することによって前記チェック柄又は菱形格子模様を容易に表現することができ る。

【００２１】 本考案の請求項３によれば、濃緑色糸と淡緑色糸との２色の糸を撚り合わせて ３種類のパイル糸を構成できるため、糸の染色を２色で済ますことができる。

【００２２】 本考案の請求項４によれば、ハイカットアンドローループ形成機能を有するカ ーペット製造機を利用して本考案の前記チェック柄又は菱形格子模様状の人工芝 を容易に製造することができる。

【００２３】 本考案の請求項５によれば、ニードルパンチカーペット構造の人工芝の表面に 本考案の前記チェック柄又は菱形格子模様を表出させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る人工芝の色彩を省略した概略平面
図。

【図２】本考案に係るタフテッドカーペット構造の人工
芝の断面図で、（Ａ）はループパイルの列の断面図、
（Ｂ）はカットパイルの列の断面図、（Ｃ）は（Ａ）と
（Ｂ）の列に直交する方向の断面図。

【図３】３種類のパイル糸の繰り返し配列及びハイカッ
トアンドローループパイルの組み合わせによって３種の
緑色領域を表面に表出させた状態の説明図。

【図４】（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）はループパイル形成手段の
動作順序説明図、（Ｄ）（Ｅ）（Ｆ）はカットパイル形
成手段の動作順序説明図。

【符号の説明】

１ 人工芝 ２ 濃緑色領域 ３ 淡緑色領域 ４ 中間緑色領域 ５ 基布 ６ ループパイル ７ カットパイル ８ パイル糸 ８₁ 濃緑色糸 ８₂ 淡緑色糸 ８₃ 中間緑色糸 ９ バッキング材 １０ ニードル １１ ルーパー １２ ナイフ

フロントページの続き (72)考案者 児玉 裕臣 大阪府大阪市中央区瓦町３丁目１番４号 東亜紡織株式会社内 (72)考案者 中島 芳樹 愛知県名古屋市名東区藤が丘156番地 Ｉ・Ｆビル２階 株式会社ワールドネット ワーク内

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 表面に、濃緑色領域と、淡緑色領域と、
   これらの中間緑色領域とを、縦横方向に反復させてチェ
   ック柄又は菱形格子模様状に配置したことを特徴とする
   ゴルフ練習場用人工芝。
2. 【請求項２】 チェック柄又は菱形格子模様が、濃緑
   色、淡緑色、これらの中間緑色からなる３種類のパイル
   糸によって形成されていることを特徴とする請求項１に
   記載のゴルフ練習場用人工芝。
3. 【請求項３】 ３種類のパイル糸が、濃緑色糸と淡緑色
   糸との２色の糸を異なる割合で撚り合わせて構成されて
   いることを特徴とする請求項２に記載のゴルフ練習場用
   人工芝。
4. 【請求項４】 基布の縦方向に濃緑色パイル糸と中間緑
   色パイル糸の２種類のパイル糸が交互に繰り返して並列
   配置され、濃緑色領域内では濃緑色パイル糸をハイカッ
   トパイルとして毛足を長くして表面に表出させると共に
   中間緑色パイル糸をローループパイルとして毛足を短く
   して表面に出ないように沈下させ、かつ、中間緑色領域
   内では中間緑色パイル糸をハイカットパイルとして毛足
   を長くして表面に表出させると共に濃緑色パイル糸をロ
   ーループパイルとして毛足を短くして表面に出ないよう
   に沈下させ、 基布の縦方向に中間緑色パイル糸と淡緑色パイル糸の２
   種類のパイル糸が交互に繰り返して並列配置され、中間
   緑色領域内では中間緑色パイル糸をハイカットパイルと
   して毛足を長くして表面に表出させると共に淡緑色パイ
   ル糸をローループパイルとして毛足を短くして表面に出
   ないように沈下させ、かつ、淡緑色領域内では淡緑色パ
   イル糸をハイカットパイルとして毛足を長くして表面に
   表出させると共に中間緑色パイル糸をローループパイル
   として毛足を短くして表面に出ないように沈下させ、 これによって基布の縦方向及び横方向で、濃緑色領域と
   中間緑色領域の交互配列と、中間緑色領域と淡緑色領域
   の交互配列とを、隣接形成したことを特徴とする請求項
   ２または３に記載のゴルフ練習場用人工芝。
5. 【請求項５】 チェック柄又は菱形格子模様が、濃緑
   色、淡緑色、これらの中間緑色からなる３種類の繊維ウ
   ェブによって形成されていることを特徴とする請求項１
   に記載のゴルフ練習場用人工芝。