JP4947755B2 - タイルカーペット - Google Patents

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Description

本発明は、太さの異なる加工糸から形成したパイルの列を設け、当該太さの異なるパイルの明度による模様を付与、及びパイルの高さに差を設けることでタイルカーペットで意匠性劣化という観点から従来不可能であった流し貼りした際のジョイント部の模様の違和感を軽減することにより、前記流し貼りが不可能であるゆえに困難であったタイルカーペットの流し貼りを可能にし、さらにはいわゆるデザイン貼りが可能となる等タイルカーペットの施工時における意匠性を著しく向上させることができるタイルカーペットに関する。
従来、ビルディング、一般家屋などのフロア用カーペットなどとして、所定形状に形成されたタイルカーペットが広く使用されている。タイルカーペットの需要の増大に伴い、市場からの意匠性の向上が強く望まれたため、プリントによる模様の付与、或いは予め色彩を付与した加工糸等によりパイルを形成することにより模様を付与したタイルカーペットが提供されている。特に2色以上の色彩を付与した加工糸により構成されるパイルにより、模様を付与したタイルカーペットは立体的な意匠が体現でき、独特な風合いを表現することができる。さらに、とりわけストレートタフトによって、タフトを形成したタイルカーペットは直線系の模様・柄が体現でき、当該ストレートタフトの模様・柄は高級感とシンプルさを兼ね備えているため需要が増え続けている。
しかしながら、2以上の明度、及び色彩の異なるパイルにより模様を付与した前記タイルカーペット、特にストレートタフトによりタフトを形成したタイルカーペットではタイルの形状に打ち抜く際の精度の限界に由来する個々のタイルカーペットの模様・柄のずれが生じていた。当該模様・柄のずれはタイルカーペットを流し貼り、即ち、模様・柄をステッチ方向に対し平行に敷設した場合にはタイルカーペットの目地部分の模様・柄のずれが目地部分で目立ち、タイルカーペットを敷設したときの施工面の全体の模様・柄の意匠性の低下は不可避であった。
かかる理由から、ストレートタフトによりタフトを形成したタイルカーペットは流し貼りをすることができず、市松貼りの施工のみに限定されていた。一方、かかる問題点を軽減するためパイルを直線状ではなく、例えば、W字状等に形成しながら、表面全体にパイルを設けるニードルシフト法によるタイルカーペットが提供されている。
しかし、ニードルシフト法によってタフトを形成したタイルカーペットの場合は、需要の大きい直線的な模様の付与等タイルカーペットの意匠性という観点から非常に制約を受けるものとなっていた。従って、店舗市場等意匠性が重要視される場合であっても、タイルカーペットを流し貼りすることはできず、市松貼りのみに限定され、前記従来のタイルカーペットによる施工面の意匠の自由度が極めて制限されたものになっていた。また、前記従来のタイルカーペットを組み合わせて施工することによって、施工面全体により高い意匠を体現するいわゆるデザイン貼り(以下、デザイン貼りと記す。)による意匠性付与の自由度が極めて制約されたものとなっており、当該問題点の解決が望まれていたものの、解決すべき技術は未だ提供されていない。
そこで、本発明は、上記問題点を解決したものであって、流し貼りによって目立っていたタイルカーペットの模様の不調和を大幅に緩和して、流し貼り可能にすることにより、従来意匠性面で不可能であった種々のデザイン貼りを可能とし、さらには、デザイン貼り等タイルカーペットの意匠性付与の自由度を向上させ、従来付与できなかった施工面全体の意匠性を付与することのできるタイルカーペットを提供することを課題する。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載の通りの基布にパイルが形成され前記基布に熱可塑性樹脂からなるバッキング層を有するタイルカーペットであって、前記基布に1000〜1500dtexの加工糸1から形成されたパイルの列と前記加工糸1から形成されたパイルの高さより1.0〜3.0mm高いパイルの高さを有する2000〜3000dtexの加工糸2から形成されたパイルの列が設けられ、前記加工糸1によって任意の1以上の位置に形成されたパイルの列の一部、又は全部の明度前記加工糸2によって形成されたパイルの明度より高することにより、模様を付与したことを特徴とするタイルカーペットを提供するものである。即ち、基布に1000〜1500dtexの加工糸1から形成されたパイル(以下、パイル1と記す。)と2000〜3000dtexの加工糸2から形成されたパイル(以下、パイル2と記す)とから、模様を構成することにより、パイル2の作用によりタイルカーペットを流し貼りしたときの前記模様の違和感をなくすことができる。さらに、流し貼りによって種々のデザイン貼りが可能となり、施工時に従来では付与できなかった意匠を付与することができる。
また、請求項2記載の発明は請求項1記載の特徴に加え、1000〜1500dtexの加工糸1から形成されたパイルの列、及び/又は2000〜3000dtexの加工糸2から形成されたパイルの列がステッチ方向に向かって略直線状に設けられたことを特徴とするタイルカーペットを提供するものである。タイルカーペットの流し貼りによる目地部の模様の違和感は特に直線系の模様、即ちストレートタフトによって形成されたパイルによる模様の場合に顕著となるが、本発明により、ストレートタフトのパイルによって模様を形成されたタイルカーペットであっても、流し貼りによる目地部の模様の違和感はなくなり、流し貼りが可能となることによる種々のデザイン貼りによって施工面全体の意匠性を向上させることができる。
本発明タイルカーペットは、1000〜1500dtexの加工糸1からなるパイル1と2000〜3000dtexの加工糸2からなるパイル2とに各々異なる明度にすることにより模様付与することで、パイル2がパイル1を部分的に覆う状態になるため、流し貼りをした場合のステッチ方向の目地部の模様の違和感をなくすことができる。とりわけ、ストレートタフトによって、パイル1に付与された模様がステッチ方向に細長いものである場合には流し貼りをしたときの目地部の違和感の解消に特に有効である。
また、本発明タイルカーペットにより、流し貼りを行った場合でも、上述したようにステッチ方向の目地部の模様の違和感を解消できるため、流し貼りを利用した種々のデザイン貼りが可能となり、本発明タイルカーペットの施工部分の全体としての意匠性の自由度を向上させ、意匠性を著しく向上させることができる。
以下、本発明について図面を参照しつつ詳述する。
図1は本発明タイルカーペットのステッチ方向に対し垂直方向の一例の断面図を示す。基布1にパイル1(P1)、及びパイル2(P2)がタフトされている。前記基布1の下部に設けられたバッキング層3の略中間に位置する部分には、二次基布層4が設けられている。
基布1は公知の素材を用いることができ、例えばポリエステル不織布、及び織布、並びにポリポロヘッシャン織布等が挙げられる。また、当該基布1はSBR系、MBR系、PVC系ラテックス、及びEVA系のプレコート剤を塗布されたものでもよい。
パイル1(P1)、及び2(P2)を構成する加工糸の素材としては、ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等の公知の繊維を用いることができる。
パイル1(P1)は構成する加工糸の素材としては、ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等の公知の繊維を用いることができる。また、パイル1(P1)は1000〜1500dtexの加工糸が使用されている。パイル1(P1)の加工糸は加工性、意匠性という観点から1000〜1500dtexの太さが好ましく、1000dtex未満の場合にはタフトすることが困難になる等、加工性が低下するという問題が生じる可能性があり、一方、パイル1(P1)の加工糸の太さが1500dtexを超えるとパイル1(P1)をパイル2(P2)で十分に覆い隠すことができず模様付与という点で好ましくない。
また、当該加工糸の形態としては異種類の原料糸を引きそろえて撚り合わせた交撚糸や2色以上のマルチフィラメントを撚糸によることなく収束させた混繊糸によって形成することができる。前記混繊を使用することにより、意匠性付与のバリエーションを向上させることができる。さらに、1本の加工糸をタフト可能に加工したものを用いることもでき、当該加工糸を使用することにより、明度、又は色彩のコントラストが強くなり、より際立った模様を表現することができる。
また、パイル1(P1)において、付与する模様、又は機能性等により、1枚のタイルカーペットの部分により前記パイル1(P1)を構成する加工糸の素材、形態等を任意に選択してもよい。
パイル1(P1)の基布1の表面からの高さH1は4〜6mmが好ましい。H1が4mm未満の場合にはタイルカーペットをつき合わせたとき、目地部に隙間が目立ってしまうという問題が生じる場合があり、一方、H1が6mmを超えるとパイルをループパイルで構成した場合にはタイルカーペットに打ち抜く際にループがカットされてしまうためにタイルカーペット端部に生じるカットパイル状の毛羽立ちが発生することがあるという観点から好ましくない。
パイル2(P2)は構成する加工糸の素材としては、パイル1(P1)と同様ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等の公知の繊維を用いることができるが、必ずしもパイル1(P1)と同種の樹脂からなる繊維である必要はなくパイル1(P1)と異なった種類の樹脂から構成させてもよい。
また、パイル2(P2)は2000〜3000dtexの加工糸が使用されている。パイル2(P2)の加工糸はパイル1(P1)とのバランスが適切な状態となり、優れた意匠性を体現できる他、パイルの総目付け量も抑制することができ、コスト面から2000〜3000dtexの太さが好ましく、2000dtex未満の場合にはパイル1(P1)とのバランスが悪くなり、パイル1(P1)が目立ちすぎる状態となり、結果として意匠性面で低下をきたしてしまうという問題が生じる可能性があり、一方、パイル1(P1)の加工糸の太さが3000dtexを超えるとパイル2(P2)を十分に覆い隠すことが困難となり目地部の違和感が発生する可能性があるという点で好ましくない。
パイル2(P2)を構成する加工糸の形態についても、パイル1(P1)と同様、交撚糸、混繊糸、1本のフィラメントを加工した糸を使用することができる。また、パイル2(P1)の形態は必ずしもパイル1(P1)形態と同様である必要はなく、異なっていても良い。パイル2(P2)もパイル1(P1)と同様、1枚のタイルカーペットの部分により加工糸の素材、形態を適宜選択することができる。
本発明タイルカーペットは基布1に1000〜1500dtexの加工糸1と2000〜3000dtexの加工糸2とをタフトすることにより、各々パイル1(P1)、及びパイル2(P2)が形成されている。加工糸1、及び2のタフトの方法としては、特に限定はされず、ストレートタフトを使用しても良いし、ニードルシフトによるタフトであってもよい。一般的にストレートタフトによってパイルを形成した場合には、タイルカーペットを流し貼りしたときにステッチ方向の目地部に模様の不調和が目立つ。その理由としては、タイルカーペットは製造工程でタイルカーペットとなる長尺状のカーペットを打ち抜くことによりタイル状に加工する際の切断部のズレに起因している。即ち、前記打ち抜き工程はダイセット刃で略正確に正方形に打ち抜かれるが、長尺状のカーペットを打ち抜き機へ移送する際のわずかなズレ等により、正確にパイル間で切断することは事実上不可能であり、切断部のズレは不可避である。
例えば、タイルカーペットに打ち抜く際にパイルの上から当該パイルとそれに隣接するパイルの間にわたって切断されてしまうこともしばしば起こる。かかる場合にはタイルカーペットをステッチ方向に平行に突き合わせたとき、パイル上で切断された部分同士とパイル間で切断された部分同士が流し貼りした際、目地を形成すると目地部が目立ったり、或いは模様感の変化等外観的に違和感が生じることとなる。従って、本発明タイルカーペットの目地の違和感の解消効果はストレートタフトによってパイルを形成したときに著しい効果を発揮する。尚、本発明タイルカーペットのパイルの形態については、パイル1、及びパイル2の双方が或いはいずれか一方がカットパイルでもよいし、ループパイルでもよい。
本発明タイルカーペットのパイル1(P1)を構成する加工糸1の明度の方が、パイル2(P2)を構成する加工糸2の明度より高いため、当然ではあるがパイル1(P1)の明度の方が、パイル2(P2)の明度より高い。
本発明タイルカーペットでは加工糸1、及び2の明度差に由来するパイル1(P1)、及びパイル2(P2)の明度差、パイル1の高さH1、及びパイル2の高さH2によって模様が付与されている。本発明タイルカーペットではパイル1に高さH1、及びパイル2の高さH2を調整することにより、模様の形状を形成している。即ち、模様として表す部分にはパイル1の高さH1とパイル2の高さH2の差を1.0〜3.0mmの範囲で形成し、一方、模様として表さない部分には前記H1とH2の高さの差を3.5mm以上、より好ましくは4mm以上にする。前者の場合には、外観上パイル1(P1)がパイル2(P2)の間から視認され、後者の場合はパイル1(P1)がパイル2(P2)との間に隠される状態になり、視認されることはない。即ち、パイル1の高さH1、及びパイル2の高さH2の高さの差を適宜調整し、組み合わせることにより、模様の形状が形成され、明度、さらには明度と色彩を適宜組み合わせることによって、種々の色を表現することができる。従って、本発明タイルカーペットはH1とH2との高さの差と、明度の差、及び色彩によって形状、及び色等が形成されて模様が付与されている。本発明タイルカーペットにおいてはパイル1(P1)の明度がパイル2(P2)の明度より高ければよく、色彩については特に限定はされない。尚、前記パイル1(P1)、及びパイル2(P2)間の明度差が大きいほどタイルカーペットの、流し貼りしたときのステッチ方向における目地部の模様の不調和が目立ち、違和感が著しくなることから、本発明タイルカーペットの前記目地部の違和感をなくすという効果は極めて有用である。
パイル1(P1)、及びパイル2(P2)の高さは上述したとおりであるが、パイル1(P1)の高さH1はパイル2(P2)の高さH2より低いことがタイルカーペットを流し貼りした際、ジョイント部で模様を形成するパイル1(P1)同士が相隣り合った場合にパイル2(P2)がパイル1(P1)の一部を覆い隠すという観点から必要となる。模様部においては具体的にはH1とH2の差は1〜3mm程度が好ましい。H1とH2の差が1mm未満となるとジョイント部で模様を形成するパイル1(P1)同士が相隣り合った場合にパイル2(P2)がパイル1(P1)を十分に覆い隠すことができなくなるという問題が生じる可能性があり、3mmを超えるとパイル2(P2)によってパイル1(P1)が覆われてしまうため、模様の輪郭が明確に再現されず、外観上あいまいな見え方をする場合があるからである。さらに、H1とH2との差が4mm以上になると、パイル1(P1)がパイル2(P2)によって完全に覆い隠されてしまい、外観上模様が視認することができなくなり、外観上模様を視認することができなくなるからである。
バッキング層 は、公知のバッキング層を構成する素材から構成することができ、例えば、樹脂ペースト塩化ビニル系樹脂からなるPVCベース、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体からなるEVAベース、APP樹脂からなるAPPベース、イソシアネート、及びポリオール等からなるPURベース等を用いることができる。また、寸法安定性等の物性安定性の見地より、慣用的に用いられているガラスマット、及びポリエステル織布、又は布織布をバッキング層の略中間の位置に設けてもよい。
図2は従来のタイルカーペットを流し貼りしたときのステッチ方向のジョイント部の一例の部分断面図を示したものである。タイルカーペット表面には基布(図面では省略)に暗色系パイル21と淡色系パイル22が交互にステッチ方向に略直線状に植設され、前記基布にはバッキング層が設けられている。図2に示すタイルカーペットはタイル状に打ち抜きの結果、淡色系パイルを有する端部同士がジョイントJ2を形成している。
実際のタイルカーペットではパイルの先端まで直立していることはなく、パイルの先端付近部分は様々な方向に向いている。従って、現場に敷設されたタイルカーペットも前記の状態で目視され、図2に示すように、タイルカーペット表面では淡色系パイル、即ち淡色系の色としてW21の幅で視認され、ジョイント部J2においてはW22の幅で視認されることとなる。タイルカーペットの淡色系のパイルの幅W21より、ジョイント部J2の淡色系パイルの幅W22の方が広いものとして視認されるため、ジョイント部J2の模様の違和感を生じることとなる。
一方、図3は本発明タイルカーペットを流し貼りしたときのステッチ方向のジョイント部の一例の部分断面図を示したものである。タイルカーペット表面には基布33に暗色系パイル32が一列と淡色系パイル31が二列とが交互にステッチ方向に略直線状に植設され、前記基布にはバッキング層が設けられている。図2の例と同様、タイルカーペットはタイル状に打ち抜きの結果、淡色系パイルを有する端部同士がジョイントJ2を形成している。
前記淡色系パイル31は本発明タイルカーペットのパイル1に該当するものであり、前記濃色系パイル32は本発明タイルカーペットのパイル2に該当するものである。一般にカーペットのパイルは基布の植設部分から上方に向かって広がっていく性質があり、このことは、パイルの形態、即ち、カットパイルかループパイルか否かは問題ではない。かかるカーペットのパイル形状の性質により、パイルの植設部同士に間隔が存在していたとしても、カーペットの表面に露出しているパイルの部分には殆ど隙間が認められないのである。
ところで 本発明タイルカーペットではカーペットのパイルの上記性質を利用することにより、流し貼りした際の目地部の違和感の軽減効果を生じさせるものである。即ち、図3に一例として示すように、濃色系パイル32より淡色系パイル31の方がパイルの高さが低いため、濃色系パイルの先端付近部分は広がることとなる。結果として、ジョイント部J3における淡色系パイルとしてW31、及びW32の幅で視認されることとなり、図3に示すように、淡色系パイルを有する端部同士が当接したジョイント部J3であっても違和感は殆ど感じられなくなる。
また、本発明タイルカーペットにおいてパイル1の方がパイル2より高い明度が必要である理由は立体的な意匠付与ということに加え、暗色系パイルで覆われない部分はパイル1、及び2高さの差によって、パイル2による陰影をパイル1の部分に形成し、よりジョイント部の違和感を目立たなくするためでもある。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を更に詳述する。但し、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
(実施例)
基布(商品名:「マリックス」(登録商標)−ユニチカ株式会社製)に表1に示す通りの加工糸をストレートタフトすることにより、パイルを形成した。前記パイルを形成した生機のバッキング層として約3mmのPVCのペースト樹脂からなる層を設け、かつ前記バッキング層の略中間の位置にポリエステル樹脂からなるネット(商品名:「クレネット」(登録商標)−倉敷紡績株式会社製)、及びガラス不織布を設けた後、打ち抜き機によって500mm角に打ち抜くことにより本発明タイルカーペットを得た。さらに、本発明タイルカーペットを約30mの標準光源室に全て流し貼りで敷き詰め、標準イルミナント(高演色形、自然昼白色、Ra99、色温度5000K)の光源で1500LXの下、目地部分の違和感の程度を目視で判定した。

(比較例)
表1に示す通りの加工糸等諸条件でタイルカーペットを製作した以外は全て実施例と同様に製作し、目地部分の違和感の程度を目視で評価した。
(評価方法)
20人が目視で欠き4段階(1〜4点)で評価し、その平均値を四捨五入し1点を×、2点を△、3点を○、4点を◎とした。
◎ :目地部が視認されず違和感がない。
○ :目地部がわずかに視認されるが殆ど目立たず違和感がない。
△ :目地部が視認され若干の違和感がある。
×:目地部が視認され違和感がある。
実施例1より、パイル1を構成する加工糸1が1000dtex、パイル2を構成する加工糸が2000dtexである。この場合、目地部はわずかに視認されるものの殆ど目立たず全体としては違和感がない。一方、比較例1よりパイル1を構成する加工糸1が720dtexの場合には本発明タイルカーペットの他の発明特定事項を具備していたとしても目地部が視認され若干ではあるが違和感が生じる。また、比較例3より、加工糸1が720dtex、加工糸2が1440dtexの場合でもパイル2がパイル1の視認される余分な部分を十分に覆い隠すことができないため、目地部に若干の違和感が生じてしまうものと考えられる。
また、実施例2、及び比較例2よりパイル2を構成する加工糸2が3000dtexを超えると目地部に違和感を生じてしまうことが判る。この理由としては、加工糸2が太いためパイル2がパイル1を覆い隠すために十分な「しなり」を有さないためと考えられる。
また、実施例3、及び比較例6より、パイル2を構成する加工糸2が2000dtex未満になると、目地部が目立ち、違和感が生じてしまうことがわかる。この理由としては、2000dtex未満の加工糸2からなるパイル2がパイル1の視認される余分な部分を十分に覆い隠すために十分なパイルの太さを有しないため、目地部に若干の違和感が生じてしまうものと考えられる。
また、比較例3はパイル1、2を構成する加工糸1、2が各々1000dtex未満、2000dtex未満の場合、比較例4、5はパイル1を構成する加工糸1が2000dtexを超えた場合、パイル2がパイル1の視認される余分な部分を十分に覆い隠すことができないために目地部分が目立つことを示すものである。
さらに、実施例5乃至7はパイル1、及びパイル2の高さの差が1乃至3の場合目地部分の違和感をなくすことができることを示したものである。
(表1)
Figure 0004947755

1:()内は加工糸を構成する加工糸の太さとその本数を示す。

2:「PH」とはパイルの高さを示す。

3:加工糸のステッチ方向の配列構造を示す。

4:「G」はゲージを示し、「ST」はステッチを示す。
本発明タイルカーペットのステッチ方向に対し垂直方向の一例の断面図を示す。 従来のタイルカーペットを流し貼りしたときのステッチ方向のジョイント部の一例の部分断面図を示す。 本発明タイルカーペットを流し貼りしたときのステッチ方向のジョイント部の一例の部分断面図を示したものである。
符号の説明
1 基布
3 バッキング層
4 バッキング層上層
5 二次基布層
6 バッキング層下層
21 従来のタイルカーペットの濃色系パイル
22 従来のタイルカーペットの淡色系パイル
23、33 基布及びバッキング層
31 パイル1
32 パイル2
H1 パイル1の高さ
H2 パイル2の高さ
P1 パイル1
P2 パイル2
J2、J3 ジョイント部
W21、W31 外観上視認される淡色系パイルの幅
W22、W32 外観上視認されるジョイント部の淡色系パイルの幅

Claims (3)

  1. 基布にパイルが形成され前記基布に熱可塑性樹脂からなるバッキング層を有するタイルカーペットであって、前記基布に1000〜1500dtexの加工糸1から形成されたパイルの列と前記加工糸1から形成されたパイルの高さより1.0〜3.0mm高いパイルの高さを有する2000〜3000dtexの加工糸2から形成されたパイルの列が設けられ、前記加工糸1によって任意の1以上の位置に形成されたパイルの列の一部、又は全部の明度前記加工糸2によって形成されたパイルの明度より高することにより、模様を付与したことを特徴とするタイルカーペット。
  2. 1000〜1500dtexの加工糸1から形成されたパイルの列、及び/又は2000〜3000dtexの加工糸2から形成されたパイルの列がステッチ方向に向かって略直線状に設けられたことを特徴とする請求項1記載のタイルカーペット。
  3. 1000〜1500dtexの加工糸1から形成されたパイルの高さが1.0〜3.0mm、2000〜3000dtexの加工糸2から形成されたパイルの高さが4.0〜6.0mmであることを特徴とする請求項1又は2記載のタイルカーペット。
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